JP2011194479A - 深穴切削用ドリルヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】切刃チップをロウ付けする形態の深穴切削用ドリルヘッドとして、切削加工数が増えても非常に安定した切削状態を維持でき、真円度、円筒度、真直度等に優れた切削穴を長期間継続的に形成することが可能であり、極めて高精度な加工性と卓越した耐久性を備えるものを提供する。
【解決手段】ヘッド先端面1aに開口した切屑排出口11,12に切刃チップ2A〜2Cがロウ付けによって取り付けられ、ヘッド先端側の周面1bの複数箇所にガイドパッド3A,3Bが取り付けられ、中空内部を切屑排出口11,12に連通する切屑排出路10とした深穴切削用ドリルヘッドD1において、周辺部切刃チップ2Bの外端面に、切削穴H内周に摺接する円弧面をなすガイドパッド部4が形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッド先端面に開口した切屑排出口に臨んで切刃チップがロウ付けによって取り付けられ、中空内部を切屑排出口に連通する切屑排出路とした深穴切削用ドリルヘッドに関する。
この種の深穴切削用ドリルヘッドとして、従来より汎用されている分割刃タイプのものを図5(a)〜(c)に示す。このドリルヘッドD0は、ヘッド本体1が基端側に開放した中空部10を有する略円筒状をなし、その略鈍角円錐形のヘッド先端面1aに中空部10に連通する大小2つの切屑排出口11,12を有し、大きい切屑排出口11のヘッド径方向φに沿う開口側縁に中央部切刃チップ2A及び周辺部切刃チップ2Bが、小さい切屑排出口12の同じヘッド径方向φに沿う開口側縁に中間部切刃チップ2Cが、それぞれ切刃20を該径方向φに沿わせた姿勢でロウ付けされている。そして、ヘッド本体1先端側の外周面1bには、周辺部切刃2Bに対して径方向反対側の位置と、この位置から切削回転方向に周辺部切刃チップ2Bへ至る間の中間位置とに、図5(B)の仮想線で示す切削穴H内周に摺接する円弧面をなすガイドパッド3A,3Bがロウ付けされている。また、周辺部切刃チップ2Bの外端面は、切削回転方向の前縁に臨むマージン部21と、このマージン部21から切削回転方向の後方に沿って切削穴内周から離間する逃げ面22とで構成されている。なお、切刃チップ2A〜2C及びガイドパッド3A,3Bは、超硬合金やサーメット等の超硬質材料からなる。
このようなドリルヘッドD0では、外周に雄ねじ13を設けた基部14側を中空状ボーリングバー(図示省略)の先端部に螺入して取り付け、該ボーリングバーを工作機械のスピンドル等の駆動軸に連結して回転駆動させるか、又は被削材側を回転させることにより、各切刃チップ2A〜2Cの切刃20で被削材を切削して深穴を形成する。この切削加工中、クーラントを切削穴Hとボーリングバーとの隙間を通して高圧で切削部位へ供給し、切削部位で発生する切り屑と共に切屑排出口11,12より中空部10内へ流入させ、中空状のボーリングバー内を通して外部へ排出する。
しかして、ガイドパッド3A,3Bは、加工中に切削穴Hの内周に摺接することで、各切刃チップ2A〜2Cの切刃20による切削反力を切削穴内周面に受け止めさせ、その摺接部位と各切刃20との位置関係を一定に保たせる所謂バニッシング作用により、ドリルヘッドを振れのない定軸線の回転状態に維持して切削精度を高めると共に、切削に伴う穴内周の凹凸を押し潰して平滑に均す作用を担う。また、マージン部21は、幅0.2〜1.0mm程度でチップ厚み方向に対する傾角1〜6°程度の傾斜面又は円弧面からなり、これによって周辺部切刃チップ2Bの切削穴H内周に線接触する外端前縁部の角度が増して欠損しにくくなると共に、ガイドパッド3A,3B同様に切削穴H内周に摺接することで切削状態を安定化させる作用を担う。なお、例示した分割刃タイプに限らず、ヘッド先端面に設けた単一の切屑排出口の開口側縁に一枚の切刃がロウ付けされた一枚刃タイプのドリルヘッドや、切刃が着脱可能で回転変位にて刃先を複数回更新できるスローアウェイチップからなるドリルヘッドにおいても、前記同様の2カ所にガイドパッドを設けるのが一般的である。
ところが、近年においては、深穴切削の加工精度をより高め、もって切削穴の真円度、円筒度、真直度等を更に向上させることが要求されている。そこで、本発明者は先に、この種の深穴切削用ドリルヘッドとして、周辺側の切削を担う切刃チップのマージン部と二カ所のガイドパッドとについて、軸方向長さ及び前後端位置を周方向に実質的に揃えることにより、切削加工中の圧力的なバランスをとって加工精度を高めるようにしたものを提案している(特許文献1)。
特開2006−334749号公報
前記提案に係る深穴切削用ドリルヘッドでは、切削穴の内周に対してマージン部と二カ所のガイドパッドとが良好な圧力バランスで摺接するため、切削状態が非常に安定化し、もって高い加工精度が得られる。しかしながら、マージン部はガイドパッドに比べて周方向幅が著しく狭いため、切削加工数の増加に伴ってマージン部の摩耗がガイドパッドよりも格段に速く進行し、これによって次第に圧力バランスが崩れて安定した切削状態を持続できなくなり、加工精度の悪化で切削穴の真円度、円筒度、真直度等が低下するという難点があった。しかして、このような難点は、マージン部の短い通常のドリルヘッドではより顕著に現れることになる。
本発明は、上述の情況に鑑み、特に切刃チップをロウ付けする形態の深穴切削用ドリルヘッドとして、切削加工数が増えても非常に安定した切削状態を維持でき、もって真円度、円筒度、真直度等に優れた切削穴を長期間継続的に形成することが可能であり、極めて高精度な加工性と卓越した耐久性を備えるものを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明は、ヘッド先端面1aに開口した切屑排出口11,12,18に臨んで1枚又は複数枚の切刃チップ2A〜2Dがロウ付けによって取り付けられると共に、ヘッド先端側の周面1bの複数箇所にガイドパッド3A,3Bが取り付けられ、中空内部10を前記切屑排出口11,12,18に連通する切屑排出路14とした深穴切削用ドリルヘッドD1〜D3において、周辺側の切削を担う前記切刃チップ2B,2Dの外端面に、切削穴H内周に摺接する円弧面をなすガイドパッド部4が形成されていることを特徴としている。
請求項2の発明は、上記請求項1の深穴切削用ドリルヘッドD1〜D3において、周辺側の切削を担う切刃チップ2B,2Dの刃先側を上として、該切刃チップ2B,2Dの外端面の上部側に、切削回転方向の前縁に臨むマージン部5と、該マージン部5から切削回転方向の後方に沿って切削穴内周から離間する逃げ面6とが形成されると共に、該切刃チップ2B,2Dの外端面の下部側にガイドパッド部4が形成されてなる構成としている。
請求項3の発明は、上記請求項2の深穴切削用ドリルヘッドD1,D3において、マージン部5とガイドパッド部4とが連続した円弧面をなす構成としている。
請求項4の発明は、上記請求項2の深穴切削用ドリルヘッドD2において、マージン部5とガイドパッド部4とが溝部7によって分離してなる構成としている。
請求項5の発明は、上記請求項1〜4のいずれかの深穴切削用ドリルヘッドドD1〜D3において、ガイドパッド部4が、周辺側の切削を担う切刃チップ2B,2Dに対して径方向反対側の位置と、この位置から切削回転方向に該切刃チップ2B,2Dの取付け部へ至る間の中間位置とに、ロウ付けによって取り付けられてなる構成としている。
本発明の効果について図面の参照符号を付して説明する。まず請求項1の発明に係る深穴切削用ドリルヘッドD1〜D3によれば、切削加工中において、ヘッド先端側の周面1bに取り付けた複数のガイドパッド3A,3Bと共に、周辺側の切削を担う切刃チップ2B,2Dの外端面に形成されたガイドパッド部4が切削穴H内周に摺接するから、切削に伴ってヘッド先端部に加わる負荷がこれら摺接部位にバランスよく分散して切削穴H内周面に受け止められ、もって振れのない非常に安定した切削状態が得られる。しかも、このドリルヘッドD1〜D3では、切刃チップ2B,2Dの外端面のガイドパッド部4の幅をチップの厚み範囲で広く設定でき、従来構成における切刃チップのマージン部に比較して、該ガイドパッド部4の摩耗の進行が非常に緩慢になるから、切削加工数が増えても上記の非常に安定した切削状態に基づく高い加工精度を持続でき、もって真円度、円筒度、真直度等に優れた切削穴を長期にわたって安定的に形成することが可能である。また、この構成では、切刃チップ2B,2Dがガイドパッドを兼用し、チップ近傍に新たにガイドパッド用の取付座を設ける必要がないから、ヘッド本体1として従来構造のものをそのまま利用でき、構造改変に伴う製作コスト増を回避できる。
請求項2の発明によれば、上記の深穴切削用ドリルヘッドD1〜D3において、周辺側の切削を担う切刃チップ2B,2Dの外端面の上部側にマージン部5と逃げ面6が形成され、同下部側にガイドパッド部4が形成されているから、このガイドパッド部4で安定した切削状態を確保すると共に、マージン部5によって切刃チップ2B,2Dの刃先が強化されて欠損しにくくなる。
請求項3の発明によれば、上記のマージン部5とガイドパッド部4とが連続した円弧面をなすから、両部5,6を一回の加工で同時に形成できるという利点がある。
請求項4の発明によれば、上記のマージン部5とガイドパッド部4とが溝部7によって分離しているから、マージン部5側は刃先部の要求特性に応じて傾斜面と円弧面のいずれかを選択できると共にその角度や曲率も任意に設定できる。
請求項5の発明によれば、ヘッド先端側の周面1bにおける特定の2カ所にガイドパッド3A,3Bが取り付けられるから、切削加工中の圧力的なバランスがより良好になり、もってより高精度の切削加工を行える。
本発明の第一及び第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドに用いる周辺側切刃チップを示し、(a)は第一実施形態用の同切刃チップの斜視図、(b)は第二実施形態用の同切刃チップの斜視図である。 本発明に係る第一実施形態の深穴切削用ドリルヘッドを示し、(a)は全体の正面図、(b)は同平面図、(c)はヘッド本体の左側面図である。 同第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドを示し、(a)は全体の正面図、(b)は同平面図、(c)はヘッド本体の左側面図である。 同第三実施形態の深穴切削用ドリルヘッドを示し、(a)は切刃チップの斜視図、(b)は全体の平面図、(c)は同左側面図、(d)は同正面図である。 従来の深穴切削用ドリルヘッドの構成例を示し、(a)は全体の正面図、(b)は同平面図、(c)はヘッド本体の左側面図である。
以下、本発明に係る深穴切削用ドリルヘッドの実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図3に示す第一及び第二実施形態のドリルヘッドD1,D2は分割刃タイプ、図4に示す第三実施形態のドリルヘッドD3は一枚刃タイプである。なお、これら実施形態のドリルヘッドD1〜D3と既述の図5で示すドリルヘッドD0とで、共通又は同義の各構成部分については同一符号を附している。
第一及び第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD1,D2は、図2(a)〜(c)及び図3(a) 3(c)に示すように、ヘッド本体1が基端側に開放した中空部10を有して略円筒状をなし、その略鈍角円錐形のヘッド先端面1aに、中空部10に連通する大小2つの切屑排出口11,12が径方向に対向するように形成されている。そして、大きい切屑排出口11のヘッド径方向φに沿う開口側縁に中央部切刃チップ2A及び周辺部切刃チップ2Bが、小さい切屑排出口12の同じヘッド径方向φに沿う開口側縁に中間部切刃チップ2Cが、それぞれ切刃20を該径方向φに沿わせた姿勢で、ヘッド本体1側に凹設した取付座15に嵌合してロウ付けされている。
しかして、中央部切刃チップ2Aの切刃20はヘッド中心O側に低く傾斜するのに対し、周辺部切刃チップ2B及び中間部切刃2Cの切刃20は逆にヘッド中心O側に高く傾斜している。また、各切刃チップ2A〜2Cの前面には、切刃20に沿った段状のチップブレーカー23が形成されている。
ここで、第一実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD1における周辺部切刃チップ2Bは、図1(a)で示すように、外端面の上部側に、切削回転方向の前縁に臨むマージン部5と、該マージン部5から切削回転方向の後方に沿って切削穴H〔図2(b)の仮想線〕内周から離間する逃げ面6とが形成されると共に、同下部側にガイドパッド部4が形成されており、そのマージン部5とガイドパッド部4とが連続した円弧面をなしている。一方、第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD2における周辺部切刃チップ2Bは、図1(b)で示すように、第一実施形態同様に外端面の上部側にマージン部5及び逃げ面6が形成され、同下部側に円弧面をなすガイドパッド部4が形成されているが、そのマージン部5とガイドパッド部4とはチップ幅方向に沿う溝部7によって分離している。
また、これらドリルヘッドD1,D2のヘッド本体1先端側の外周面1bには、周辺部切刃チップ2Bに対して径方向反対側の位置と、この位置から切削回転方向に周辺部切刃チップ2Bへ至る間の中間位置つまり中央部切刃チップ2Aの背方側とに、円弧面をなすガイドパッド3A,3Bが、ヘッド本体1側に凹設した取付座16に嵌合してロウ付けされている。しかして、両ガイドパッド3A,3Bと周辺部切刃チップ2Bのガイドパッド部4とは、それらの円弧面が図2(b)及び図3(b)の仮想線で示す切削穴Hの内周に摺接するように配置している。
なお、ヘッド本体1におけるガイドパッド3A,3Bの取付位置よりも基端側寄りの径方向対向位置には、各々捻回操作用のキー溝17が形成されている。また、ヘッド本体1よりも外径を小さくした基部14の外周面1cに雄ねじ13が形成されており、該基部14側を図示省略した中空状ボーリングバーの雌ねじを有する先端部に螺入することにより、ドリルヘッドD1,D2を該ボーリングバーの先端に連結するようになっている。
これら第一及び第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD1,D2による深穴加工では、既述のボーリングバー(図示省略)に連結した当該ドリルヘッドD1,D2又は被削材を回転させながら、切削穴Hの内周と中空状ボーリングバー及びドリルヘッドD1,D2の外周との間隙を通して供給されるクーラントを切削部位へ連続的に送り込み、その切削部位で発生する切屑を該クーラントに巻き込んで、当該ドリルヘッドD1,D2の切屑排出口11,12から中空部10ならびにボーリングバーの中空内部を通して外部へ排出する。
この切削加工においては、ヘッド先端側の周面1bに取り付けたガイドパッド3A,3Bと共に、周辺部切刃チップ2Bの外端面に設けたガイドパッド部4が切削穴H内周に摺接するから、切削に伴ってヘッド先端部に加わる負荷がこれら摺接部位にバランスよく分散して切削穴H内周面に受け止められ、これによって振れのない非常に安定した切削状態が得られ、極めて高い加工精度を達成できる。しかも、切刃チップ2Aのガイドパッド部4はマージン部5よりも格段に幅広で、ガイドパッド3A,3Bと同様に切削穴H内周面との摺接による摩耗の進行が緩慢になり、もって切削加工数が増えても上記負荷の分散バランスが崩れにくく、安定した切削状態に基づく高い加工精度が持続されるから、真円度、円筒度、真直度等に優れた切削穴を長期にわたって安定的に形成できる。また、マージン部5によって切刃チップ2Aの刃先が強化されて欠損しにくくなる上、切削穴H内周に対するガイドパッド部4の摺接面積が大きいため、該マージン部5自体の摩耗も少なくなるから、周辺部切刃チップ2Bの耐久性ひいてはドリルヘッドD1,D2全体の耐久性が大きく向上する。
更に、これらドリルヘッドD1,D2の構成では、周辺部切刃チップ2Bがガイドパッドを兼用し、該切刃チップ2Aの近傍に新たにガイドパッド用の取付座を設ける必要がないから、ヘッド本体1及び基部14として従来構造のものをそのまま利用でき、構造改変に伴う製作コスト増を回避できるという利点もある。
なお、第一実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD1では、周辺部切刃チップ2Bのマージン部5とガイドパッド部4とが連続した円弧面をなすから、両部5,6を一回の加工で同時に形成できるという利点がある。一方、第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD2では、周辺部切刃チップ2Bのマージン部5とガイドパッド部4とが溝部7で分離しているから、マージン部5側について、刃先部の要求特性に応じて傾斜面と円弧面のいずれかを選択できると共に、該傾斜面の角度や円弧面の曲率も任意に設定できる。
上記の第一及び第二実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD1,D2は分割刃タイプであるが、本発明は図4(a)〜(d)に示す第三実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD3のような一枚刃タイプにも同様に適用できる。
この第三実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD3は、基端側に開放した中空部10を有する略円筒状のヘッド本体1の略鈍角円錐形をなすヘッド先端面1aに、中空部10と連通する一つの略扇形の切屑排出口18が形成されており、そのヘッド径方向φに沿う開口側縁に一枚の切刃チップ2Dが、切刃20を該径方向φに沿わせた姿勢で、ヘッド本体1側に凹設した取付座15に嵌合してロウ付けされている。また、第一及び第二実施形態と同様に、ヘッド本体1先端側の外周面1bには、切刃チップ2Dに対して径方向反対側の位置と、該切刃チップ2Dの背方側の位置とに、円弧面をなすガイドパッド3A,3Bが、ヘッド本体1側に凹設した取付座16に嵌合してロウ付けされている。そして、基部14はヘッド本体よりやや大きい外径で、内周に雌ねじ19が形成されている。
このドリルヘッドD3における切刃チップ2Dは、内端がヘッド軸心Oを僅かに超える位置にあり、切刃20がヘッド周辺側からヘッド軸心O側へ二段状に上り傾斜し、その頂部から更に内端側へ下り傾斜し、前面側に切刃20の上り傾斜に沿うチップブレーカー23をゆうしている。そして、該切刃チップ2Dの外端面には、第一実施形態にくおける切刃チップ2Bと同様に、上部側に切削回転方向の前縁に臨むマージン部5と切削回転方向の後方に沿って切削穴H〔図4(b)の仮想線〕内周から離間する逃げ面6とが形成されると共に、同下部側にガイドパッド部4が形成されており、そのマージン部5とガイドパッド部4とが連続した円弧面をなしている。
このような深穴切削用ドリルヘッドD3による深穴加工では、その雌ねじ19を有する基部14内にボーリングバー(図示省略)の雄ねじ型の先端部を螺挿して連結し、当該ドリルヘッドD3又は被削材を回転させながら、切削穴Hの内周と中空状ボーリングバー及びドリルヘッドD3の外周との間隙を通して供給されるクーラントを切削部位へ連続的に送り込み、切屑を該クーラントに巻き込んで、当該ドリルヘッドD3の切屑排出口18から中空部10ならびにボーリングバーの中空内部を通して外部へ排出する。
この第三実施形態の深穴切削用ドリルヘッドD3においても、既述の第一及び第二実施形態と同様に、ガイドパッド3A,3Bと共に切刃チップ2Dの外端面のガイドパッド部4が切削穴H内周に摺接し、切削に伴ってヘッド本体1に加わる負荷がこれら摺接部位にバランスよく分散して切削穴H内周面に受け止められるから、振れのない非常に安定した切削状態で極めて高い加工精度が得られる上、ガイドパッド部4の摩耗が進みにくいため、切削加工数が増えても安定した切削状態が持続され、真円度、円筒度、真直度等に優れた切削穴を長期にわたって安定的に形成できる。また、マージン部5によって切刃チップ2Dの刃先が欠損しにくい上、該マージン部5自体の摩耗も少なくなるから、切刃チップ2Dの耐久性ひいてはドリルヘッド3D全体の耐久性が大きく向上する。
本発明の深穴切削用ドリルヘッドにおいて、周辺側の切削を担う切刃チップの外端面に設けるガイドパッド部の円弧面の曲率は、切削穴Hの曲率と同じか若干大きくするのがよい。またヘッド本体の外周面に取り付けるガイドパッドの位置は、特に切削工具約されないが、第一〜第三実施形態で例示したように、周辺側の切削を担う切刃チップに対して径方向反対側の位置と、この位置から切削回転方向に周辺側の切削を担う切刃チップへ至る間の中間位置とに設定することで、切削加工中の圧力的なバランスが最も良好になり、より高精度の切削加工を行える。
その他、本発明では、切刃チップの形状、ガイドパッドの形状等、細部構成については実施形態以外に種々設計変更可能である。
1 ヘッド本体
1a ヘッド先端面
1b 周面
10 中空部(切屑排出路)
11,12 切屑排出口
14 基部
18 切屑排出口
2A〜2D 切刃チップ
3A,3B ガイドパッド
4 ガイドパッド部
5 マージン部
6 逃げ面
7 溝部
20 切刃
23 チップブレーカー
D1〜D3 深穴切削用ドリルヘッド
H 切削穴

Claims (5)

  1. ヘッド先端面に開口した切屑排出口に臨んで1枚又は複数枚の切刃チップがロウ付けによって取り付けられると共に、ヘッド先端側の周面の複数箇所にガイドパッドが取り付けられ、中空内部を前記切屑排出口に連通する切屑排出路とした深穴切削用ドリルヘッドにおいて、
    周辺側の切削を担う前記切刃チップの外端面に、切削穴内周に摺接する円弧面をなすガイドパッド部が形成されていることを特徴とする深穴切削用ドリルヘッド。
  2. 周辺側の切削を担う前記切刃チップの刃先側を上として、該切刃チップの外端面の上部側に、切削回転方向の前縁に臨むマージン部と、該マージン部から切削回転方向の後方に沿って切削穴内周から離間する逃げ面とが形成されると共に、該切刃チップの外端面の下部側に前記ガイドパッド部が形成されてなる請求項1記載の深穴切削用ドリルヘッド。
  3. 前記マージン部とガイドパッド部とが連続した円弧面をなす請求項2記載の深穴切削用ドリルヘッド。
  4. 前記マージン部とガイドパッド部とが溝部によって分離してなる請求項2記載の深穴切削用ドリルヘッド。
  5. 前記ガイドパッド部が、周辺側の切削を担う前記切刃チップに対して径方向反対側の位置と、この位置から切削回転方向に該切刃チップの取付け部へ至る間の中間位置とに、ロウ付けによって取り付けられてなる請求項1〜4の何れかに記載の深穴切削用ドリルヘッド。
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