JP2011192900A - 投影光学装置及び露光装置並びにデバイス製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】結像特性を高精度に補正可能な投影光学装置を提供する。
【解決手段】第1物体Mを介した光束Lの光路に配置された複数の光学部材を含み、第1物体の像を第2物体Pに投影する。複数の光学部材のうちの所定の光学部材29、32の温度を複数の計測位置で計測する計測装置70、80を備える。
【選択図】図3
【解決手段】第1物体Mを介した光束Lの光路に配置された複数の光学部材を含み、第1物体の像を第2物体Pに投影する。複数の光学部材のうちの所定の光学部材29、32の温度を複数の計測位置で計測する計測装置70、80を備える。
【選択図】図3
Description
本発明は、投影光学装置及び露光装置並びにデバイス製造方法に関するものである。
液晶表示パネルは、画面の見やすさから大面積化が進んでいる。この要請に応える露光装置としては、例えば、特許文献1に開示されているように、マスクのパターンを正立像で基板上に投影する複数の投影光学系を組み合わせ、マスクとガラス基板とを所定方向に同期移動して、投影光学系に対して走査することによって、同期移動方向と直交する方向に大きな露光領域を有する、すなわち、マスクに形成されたLCD(Liquid Crystal Display)等のパターンをガラス基板上の露光領域に順次転写する走査型露光装置が考案されている。
この際、投影領域が大きくても装置を大型化させず、且つ良好な結像特性を得る投影光学系として、複数の投影光学系を、隣り合う露光領域が走査方向で所定量変位するように、且つ隣り合う露光領域の端部同士が走査方向と直交する方向に一部重複するように配置されたものが使用されている。この場合、各投影光学系の視野絞りは、例えば台形形状で、走査方向の視野絞りの開口幅の合計は常に等しくなるように設定されている。そのため、上記のような走査型露光装置は、隣り合う投影光学系の継ぎ部が重複して露光され、投影光学系の光学収差や露光照度が滑らかに変化するという利点を持っている。
この種の露光装置においては、露光中に発生する温度変動により、投影レンズ全体または一部のレンズの温度が変化すると収差の原因となり、隣り合う投影光学系間の重ね合わせ精度が悪化するという問題が生じる。そこで、従来では、レンズの温度変動に応じて、例えば、特許文献2に記載されているような結像特性調整機構により投影光学系の結像特性を調整することが行われている。
投影レンズには、露光光の照射による生じる温度上昇だけではなく、例えば上述した結像特性調整機構の駆動で生じた熱による温度上昇も存在する。本来、結像特性の補正(収差の補正)は、温度上昇の原因に応じて行うことが好ましいが、従来ではこのように、原因に応じた補正はなされていなかった。
本発明の態様は、結像特性を高精度に補正可能な投影光学装置及び露光装置並びにデバイス製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に係る投影光学装置は、第1物体を介した光束の光路に配置された複数の光学部材を含み、前記第1物体の像を第2物体に投影する投影光学装置において、前記複数の光学部材のうちの所定の光学部材の温度を複数の計測位置で計測する計測装置を備えることを特徴とするものである。
また、本発明の第2の態様に係る露光装置は、第1ステージが保持する第1物体を介した光束を第2ステージが保持する第2物体に照射して、前記第1物体に形成されたパターンの像を前記第2物体に転写する露光装置において、前記光束の光路に配置されて前記パターンの像を前記第2物体に投影する本発明の第1の態様に係る投影光学装置を少なくとも1つ備えることを特徴とするものである。
そして、本発明の第3の態様に係るデバイス製造方法は、本発明の第2の態様に係る露光装置を用いてマスクのパターンの像を基板に露光することと、前記パターンの像が露光された前記基板を該パターンの像に基づいて加工することと、を含むことを特徴とするものである。
本発明の態様よれば、結像特性を高精度に補正することができる。
以下、本発明の投影光学装置及び露光装置並びにデバイス製造方法の実施の形態を、図1ないし図9を参照して説明する。
図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図であり、図2は図1の概略斜視図である。
図1は本発明の露光装置の一実施形態を示す概略構成図であり、図2は図1の概略斜視図である。
図1及び図2において、露光装置EXは、露光光でマスクMを照明する複数の照明系モジュール10a〜10eを備えた照明光学系ILと、マスクMを支持するマスクステージMSTと、照明系モジュール10a〜10eのそれぞれに対応して配置され、露光光で照明されたマスクMのパターンの像を感光基板(基板)P上に投影する複数の投影光学系PL1〜PL5を備える投影光学装置PLと、感光基板Pを支持する基板ステージPSTと、レーザ光を用いてマスクステージMSTの位置を検出するマスク側レーザ干渉計39a,39bと、レーザ光を用いて基板ステージPSTの位置を検出する基板側レーザ干渉計43a,43bとを備えている。本実施形態において、照明系モジュールは10a〜10eの5つであり、図1には便宜上照明系モジュール10aに対応するもののみが示されているが、照明系モジュール10a〜10eのそれぞれは同様の構成を有している。感光基板Pはガラスプレートにレジスト(感光剤)を塗布したものである。
本実施形態における露光装置EXは、マスクステージMSTに支持されているマスクMと基板ステージPSTに支持されている感光基板Pとを同期移動しつつ投影光学系PL1〜PL5を介してマスクMのパターンを感光基板Pに投影露光する走査型露光装置である。以下の説明において、投影光学系PL1〜PL5の光軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な方向でマスクM及び感光基板Pの同期移動方向(走査方向)をX軸方向とし、Z軸方向及びX軸方向に直交する方向(非走査方向)をY軸方向とする。
図1に示すように、照明光学系ILは、露光用光源6と、光源6から射出された光束Lを集光する楕円鏡6aと、楕円鏡6aにより集光された光束Lのうち露光に必要な波長の光束Lを反射し、その他の波長の光束Lを透過させるダイクロイックミラー7と、ダイクロイックミラー7で反射した光束Lのうち更に露光に必要な波長のみを通過させる波長選択フィルタ8と、波長選択フィルタ8からの光束Lを複数本(本実施形態では5本)に分岐して、反射ミラー11を介して照明系モジュール10a〜10eのそれぞれに入射させるライトガイド9とを備えている。本実施形態における露光用光源6には水銀ランプが用いられ、露光光としては波長選択フィルタ8により、露光に必要な波長であるg線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)などが用いられる。
照明系モジュール10aは、照明シャッタ12と、リレーレンズ13と、リレーレンズ13を通過した光束Lをほぼ均一な照度分布の光束Lに調整して露光光に変換するオプティカルインテグレータ14と、オプティカルインテグレータ14からの露光光を集光してマスクMを均一な照度で照明するコンデンサレンズ15とを備えている。本実施形態において、照明系モジュール10aと同じ構成の照明系モジュール10b〜10eが、X軸方向とY軸方向とに一定の間隔を持って配置されている。
照明シャッタ12は、ライトガイド9の光路下流側に光束Lの光路に対して進退自在に配置されており、光束Lの遮蔽・解除をする。照明シャッタ12には、この照明シャッタ12を光束Lの光路に対して進退移動させるシャッタ駆動部12Dが設けられており、制御装置CONTによりその駆動を制御される。
照明系モジュール10a(10b〜10e)は光量調整機構18を備えている。光量調整機構18は、光路毎に光束Lの照度を設定することにより各光路の露光量を調整するものであって、ハーフミラー19と、ディテクタ20と、フィルタ21と、フィルタ駆動部21Dとを備えている。ハーフミラー19は、フィルタ21とリレーレンズ13との間の光路中に配置され、フィルタ21を透過した光束Lの一部をディテクタ20へ入射する。ディテクタ20のそれぞれは、常時、入射した光束Lの照度を独立して検出し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力する。
フィルタ21はガラス板上にCr等ですだれ状にパターンニングされたものであって、透過率がY軸方向に沿ってある範囲で線形に漸次変化するように形成されており、各光路中の照明シャッタ12とハーフミラー19との間に配置されている。これらハーフミラー19、ディテクタ20及びフィルタ21は複数の光路毎にそれぞれ配設されている。フィルタ駆動部21Dは、制御装置CONTの指示に基づいてフィルタ21をY軸方向に移動する。フィルタ駆動部21Dによりフィルタ21が駆動されることにより、各光路毎の光量が調整される。
光量調整機構18を透過した光束Lはリレーレンズ13を介してオプティカルインテグレータ14に達する。オプティカルインテグレータ14の射出面側には二次光源が形成され、オプティカルインテグレータ14からの露光光はコンデンサレンズ15を介してマスクステージMSTに支持されているマスクMを均一な照度で照射する。そして、照明系モジュール10a〜10eのそれぞれから射出した露光光はマスクM上の異なる照明領域のそれぞれを照明する。
マスクMを支持するマスクステージMSTは移動可能に設けられており、一次元の走査露光を行うべくX軸方向への長いストロークと、走査方向と直交するY軸方向への所定距離のストロークとを有している。図1に示すように、マスクステージMSTは、このマスクステージMSTをX軸方向及びY軸方向に駆動するマスクステージ駆動部MSTDを有している。マスクステージ駆動部MSTDは制御装置CONTにより制御される。
図2に示すように、マスク側レーザ干渉計は、マスクステージMSTのX軸方向における位置を検出するXレーザ干渉計39aと、マスクステージMSTのY軸方向における位置を検出するYレーザ干渉計39bとを備えている。マスクステージMSTの+X側の端縁にはY軸方向に延在するX移動鏡38aが設けられている。一方、マスクステージMSTの+Y側の端縁にはX移動鏡38aに直交するように、X軸方向に延在するY移動鏡38bが設けられている。X移動鏡38aにはXレーザ干渉計39aが対向して配置されており、Y移動鏡38bにはYレーザ干渉計39bが対向して配置されている。
レーザ干渉計39a,39bそれぞれの検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計39a,39bそれぞれの検出結果に基づいて、マスクステージ駆動部MSTDを介してマスクステージMSTを駆動し、マスクMの位置制御を行う。
マスクMを透過した露光光は、投影光学装置PLにおける投影光学系PL1〜PL5のそれぞれに入射する。投影光学系PL1〜PL5のそれぞれは、マスクMの照明領域に存在するパターンの像を感光基板Pに投影露光するものであり、照明系モジュール10a〜10eのそれぞれに対応して配置されている。投影光学系PL1,PL3,PL5と投影光学系PL2,PL4とは2列に千鳥状に配列されている。すなわち、千鳥状に配置されている投影光学系PL1〜PL5のそれぞれは、隣合う投影光学系どうし(例えば投影光学系PL1とPL2、PL2とPL3)をX軸方向に所定量変位させて配置されている。投影光学系PL1〜PL5のそれぞれを透過した露光光は、基板ステージPSTに支持されている感光基板P上の異なる投影領域にマスクMの照明領域に対応したパターンの像を結像する。照明領域のマスクMのパターンは所定の結像特性を持って、レジストが塗布された感光基板P上に転写される。
感光基板Pを支持する基板ステージPSTは移動可能に設けられており、一次元の走査露光を行うべくX軸方向への長いストロークと、走査方向と直交する方向にステップ移動するためのY軸方向への長いストロークとを有している。また、基板ステージPSTは、この基板ステージPSTをX軸方向及びY軸方向、更にZ軸方向に駆動する基板ステージ駆動部PSTDを有している。基板ステージ駆動部PSTDは制御装置CONTにより制御される。
図2に示すように、基板側レーザ干渉計は、基板ステージPSTのX軸方向における位置を検出するXレーザ干渉計43aと、基板ステージPSTのY軸方向における位置を検出するYレーザ干渉計43bとを備えている。基板ステージPSTの+X側の端縁にはY軸方向に延在するX移動鏡42aが設けられている。
一方、基板ステージPSTの−Y側の端縁にはX移動鏡42aに直交するように、X軸方向に延在するY移動鏡42bが設けられている。X移動鏡42aにはXレーザ干渉計43aが対向して配置されており、Y移動鏡42bにはYレーザ干渉計43bが対向して配置されている。
レーザ干渉計43a,43bそれぞれの検出結果は制御装置CONTに出力される。
一方、基板ステージPSTの−Y側の端縁にはX移動鏡42aに直交するように、X軸方向に延在するY移動鏡42bが設けられている。X移動鏡42aにはXレーザ干渉計43aが対向して配置されており、Y移動鏡42bにはYレーザ干渉計43bが対向して配置されている。
レーザ干渉計43a,43bそれぞれの検出結果は制御装置CONTに出力される。
更に、基板ステージPSTに保持された感光基板PのZ軸方向における位置は、斜入射方式の焦点検出系の1つである多点フォーカス位置検出系(不図示)により検出される。多点フォーカス位置検出系の検出結果は制御装置CONTに出力される。制御装置CONTは、レーザ干渉計43a,43b及び多点フォーカス位置検出系のそれぞれの検出結果に基づいて、基板ステージ駆動部PSTDを介して基板ステージPSTを駆動し、感光基板Pの位置制御を行う。
マスクステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれは制御装置CONTの制御のもとでマスクステージ駆動部MSTD及び基板ステージ駆動部PSTDにより独立して移動可能となっている。そして、本実施形態では、マスクMを支持したマスクステージMSTと感光基板Pを支持した基板ステージPSTとが任意の走査速度(同期移動速度)でX軸方向に同期移動するようになっている。
図3は投影光学系PL1(PL2〜PL5)の概略構成図である。ここで、図3には投影光学系PL1に対応するもののみが示されているが、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれは同様の構成を有している。
図3に示すように、投影光学装置PLは、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれに対応して設けられた、フォーカス補正機構22と、シフト調整機構23と、二組の反射屈折型光学系24、25と、視野絞り26と、スケーリング調整機構27とを備えている。
図3に示すように、投影光学装置PLは、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれに対応して設けられた、フォーカス補正機構22と、シフト調整機構23と、二組の反射屈折型光学系24、25と、視野絞り26と、スケーリング調整機構27とを備えている。
マスクMを透過した光束Lは、フォーカス補正機構22に入射する。フォーカス補正機構22は、ZX平面内においてクサビ断面形状を有している第1クサビ型光学部材22Aと、ZX平面内においてクサビ断面形状を有している第2クサビ型光学部材22Bとを有している。第1クサビ型光学部材22Aと第2クサビ型光学部材22Bの対向する屈折面は互いにほぼ平行な平面となっている。そして、第1クサビ型光学部材22A及び第2クサビ型光学部材22Bの少なくとも何れか一方をX方向に沿って相対的に移動させることによって、フォーカス補正機構22を透過する光束Lの光路長を変化させることができ、これにより、投影光学系PL1〜PL5における結像位置をそれぞれ変更することが可能である。本実施形態では、図3に示すように、駆動装置49によって第1クサビ型光学部材22AをX方向に移動させる構成を採っているが、第2クサビ型光学部材22BをX方向に移動させる構成や、第1、第2クサビ型光学部材22A、22Bの双方をX方向に移動させる構成であってもよい。
フォーカス補正機構22を出射した光束Lは、シフト調整機構23に入射する。シフト調整機構23は、Y軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板23Aと、X軸まわりに回転可能に設けられた平行平面ガラス板23Bと有している。平行平面ガラス板23Aはモータなどの駆動装置50AによりY軸まわりに回転し、平行平面ガラス板23Bはモータなどの駆動装置50BによりX軸まわりに回転する。平行平面ガラス板23AがY軸まわりに回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はX軸方向にシフトし、平行平面ガラス板23BがX軸まわりに回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はY軸方向にシフトする。駆動装置50A,50Bの駆動速度及び駆動量は制御装置CONTによりそれぞれ独立して制御されるようになっている。駆動装置50A,50Bのそれぞれは制御装置CONTの制御に基づいて、平行平面ガラス板23A,23Bのそれぞれを所定速度で所定量(所定角度)回転する。
シフト調整機構23を透過した光束Lは、1組目の反射屈折型光学系24に入射する。反射屈折型光学系24は、マスクMのパターンの中間像を形成するものであって、筺体24a内に収容された直角プリズム28と、レンズ29と、凹面鏡30とを備えている。シフト調整機構23を透過して直角プリズム28で反射した光束Lは、図4に示されるように、レンズ29の+Z側に位置する照射領域29aを第1光束として透過した後に凹面鏡30で反射する。凹面鏡30で反射した光束Lは、レンズ29の−Z側に位置する照射領域29bを第2光束として透過した後に直角プリズム28で反射して、反射屈折型光学系24(筺体24a)から出射する。
上記照射領域29a、29bは、レンズ中心である光束Lの光軸位置を含む隙間を挟んでZ方向両側に設けられるとともに、レンズ29の外縁に対して所定量の隙間をあけて設けられる。すなわち、レンズ29の表面において照射領域29a、29bの周囲に、光束Lが照射されない非照射領域29cが設けられる。
直角プリズム28はZ軸まわりに回転可能に設けられており、モータなどの駆動装置51AによりZ軸まわりに回転する。直角プリズム28がZ軸まわりに回転することにより感光基板P上におけるマスクMのパターンの像はZ軸まわりに回転する。すなわち、直角プリズム28はローテーション調整機構としての機能を有している。駆動装置51Aの駆動速度及び駆動量は制御装置CONTにより制御されるようになっている。駆動装置51Aは制御装置CONTの制御に基づいて、直角プリズム28を所定速度で所定量(所定角度)回転する。
反射屈折型光学系24により形成されるパターンの中間像位置には視野絞り26が配置されている。視野絞り26は、感光基板P上における投影領域を設定するものである。視野絞り26を透過した光束Lは、2組目の反射屈折型光学系25に入射する。
反射屈折型光学系25は、反射屈折型光学系24と同様に、筺体25a内に収容されたローテーション調整機構としての直角プリズム31と、レンズ32と、凹面鏡33とを備えている。反射屈折型光学系24から出射して直角プリズム31で反射した光束Lは、図4に示されるように、レンズ32の+Z側に位置する照射領域32aを第1光束として透過した後に凹面鏡33で反射する。凹面鏡33で反射した光束Lは、レンズ32の−Z側に位置する照射領域32bを第2光束として透過した後に直角プリズム31で反射して、反射屈折型光学系25(筺体25a)から出射する。
上記照射領域32a、32bは、レンズ中心である光束Lの光軸位置を含む隙間を挟んでZ方向両側に設けられるとともに、レンズ32の外縁に対して所定量の隙間をあけて設けられる。すなわち、レンズ32の表面において照射領域32a、32bの周囲に、光束Lが照射されない非照射領域32cが設けられる。
直角プリズム31もモータなどの駆動装置51Bの駆動によりZ軸まわりに回転するようになっており、回転することで感光基板P上におけるマスクMのパターンの像をZ軸まわりに回転する。駆動装置51Bの駆動速度及び駆動量は制御装置CONTにより制御されるようになっており、駆動装置51Bは制御装置CONTの制御に基づいて、直角プリズム31を所定速度で所定量(所定角度)回転する。
反射屈折型光学系25から射出した光束Lは、スケーリング調整機構27を通り、感光基板P上にマスクMのパターンの像を正立等倍で結像する。
スケーリング調整機構27は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凸レンズの3枚のレンズから構成され、平凸レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ軸方向に移動させることにより、マスクMのパターンの像の倍率(スケーリング)調整を行うようになっている。このとき、両凸レンズは駆動装置52により移動するようになっており、駆動装置52は制御装置CONTにより制御される。駆動装置52は制御装置CONTの制御に基づいて、両凸レンズを所定速度で所定量移動させる。
スケーリング調整機構27は、例えば、平凸レンズ、両凸レンズ、平凸レンズの3枚のレンズから構成され、平凸レンズと平凹レンズとの間に位置する両凸レンズをZ軸方向に移動させることにより、マスクMのパターンの像の倍率(スケーリング)調整を行うようになっている。このとき、両凸レンズは駆動装置52により移動するようになっており、駆動装置52は制御装置CONTにより制御される。駆動装置52は制御装置CONTの制御に基づいて、両凸レンズを所定速度で所定量移動させる。
また、本実施形態では、レンズ29の温度を複数の計測位置で計測する計測装置70、及びレンズ32の温度を複数の計測位置で計測する計測装置80が設けられている。計測装置70は、図4に示すように、直角プリズム28側(すなわち光束Lの光路に関してマスクM側;以下、単に表面側と称する)の表面における非照射領域29cに位置し、ほぼレンズ中心に設けられる計測位置CS1を計測する第1計測部71と、凹面鏡30側(すなわち光束Lの光路に関して感光基板P側;以下、単に裏面側と称する)の表面における非照射領域29cに位置し、ほぼレンズ中心に設けられる計測位置CS2を計測する第2計測部72とを有している。第1計測部71及び第2計測部72の計測結果は制御装置CONTに出力される。
計測装置80は、図4に示すように、直角プリズム31側(すなわち光束Lの光路に関してマスクM側;以下、単に表面側と称する)の表面における非照射領域32cに位置し、ほぼレンズ中心に設けられる計測位置CS3を計測する第1計測部81と、凹面鏡33側(すなわち光束Lの光路に関して感光基板P側;以下、単に裏面側と称する)の表面における非照射領域32cに位置し、ほぼレンズ中心に設けられる計測位置CS4を計測する第2計測部82とを有している。第1計測部81及び第2計測部82の計測結果も制御装置CONTに出力される。
これら第1計測部71及び第2計測部72としては、例えば赤外光等の検知光を計測位置CS1、CS2に照射することにより、当該計測位置CS1、CS2の温度を非接触で計測する構成や、第1計測部71及び第2計測部72を温度センサとして、各センサを計測位置CS1、CS2に埋設して、直接的に計測位置CS1、CS2の温度を計測する構成を採ることができる。
図5は、感光基板P上における投影光学系PL1〜PL5のそれぞれによる投影領域34a〜34eを示す平面図である。
各投影領域34a〜34eのそれぞれは視野絞り26により所定の形状に設定されるようになっており、本実施形態においては台形形状を有している。投影領域34a、34c、34eと投影領域34b、34dとはX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域34a〜34eのそれぞれは隣り合う投影領域の端部(境界部)どうし(35aと35b、35cと35d、35eと35f、35gと35h)が二点鎖線で示すように、Y軸方向に重ね合わせるように並列配置され、X軸方向における投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。すなわち、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるように設定されている。
各投影領域34a〜34eのそれぞれは視野絞り26により所定の形状に設定されるようになっており、本実施形態においては台形形状を有している。投影領域34a、34c、34eと投影領域34b、34dとはX軸方向に対向して配置されている。さらに、投影領域34a〜34eのそれぞれは隣り合う投影領域の端部(境界部)どうし(35aと35b、35cと35d、35eと35f、35gと35h)が二点鎖線で示すように、Y軸方向に重ね合わせるように並列配置され、X軸方向における投影領域の幅の総計がほぼ等しくなるように設定されている。すなわち、X軸方向に走査露光したときの露光量が等しくなるように設定されている。
このように、投影領域34a〜34eのそれぞれが重ね合わせられる継ぎ部36a〜36dにより、継ぎ部36a〜36dにおける光学収差の変化や照度変化が滑らかになる。なお、本実施形態の投影領域34a〜34eの形状は台形であるが、六角形や菱形、あるいは平行四辺形であっても構わない。
図1に戻って、基板ステージPST上には感光基板Pの露光面とほぼ同じ高さにディテクタ41が配設されている。ディテクタ41は、感光基板P上の露光光の光量に関する情報(照度)を検出する照度センサであってCCDセンサにより構成されており、感光基板P上の投影光学系PL1〜PL5のそれぞれに対応する位置の露光光の照度を検出し、検出した検出信号を制御装置CONTへ出力する。ディテクタ41は、基板ステージPST上にY軸方向に配設されたガイド軸(不図示)により感光基板Pと同一平面の高さに設置されており、ディテクタ駆動部により走査方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)に移動可能に設けられている。ディテクタ41は、1回又は複数回の露光に先立ち、基板ステージPSTのX軸方向の移動と照度センサ駆動部によるY軸方向の移動とにより、投影光学系PL1〜PL5に対応する投影領域34a〜34eのそれぞれの下で走査する。したがって、感光基板P上の投影領域34a〜34e及びこれら各投影領域34a〜34eの各境界部35a〜35hにおける露光光の照度はディテクタ41により2次元的に検出されるようになっている。ディテクタ41により検出された露光光の照度は制御装置CONTに出力される。このとき、制御装置CONTは、基板ステージ駆動部PSTD及びディテクタ駆動部の各駆動量により、ディテクタ41の位置を検出可能となっている。
次に、上述した露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光基板Pに露光する方法について説明する。
まず、予めレンズ29、32に光束Lを照射して、各レンズ29、32の温度を計測することで、光束Lの照射量と各レンズ29、32の温度との関係を求めておき、この関係を制御装置CONTに記憶させておく。
まず、予めレンズ29、32に光束Lを照射して、各レンズ29、32の温度を計測することで、光束Lの照射量と各レンズ29、32の温度との関係を求めておき、この関係を制御装置CONTに記憶させておく。
次いで、基板ステージPSTに設けられているディテクタ41が投影領域34a〜34eの照度を検出する。具体的には、制御装置CONTがフィルタ駆動部21Dへ指示を出し、光源6からの光束Lが最大透過率でフィルタ21を透過するようにフィルタ21を移動させる。フィルタ21が移動すると、光源6から楕円鏡6aを介して光束Lが照射される。照射された光束Lは、フィルタ21、ハーフミラー19、マスクM、投影光学系PL1〜PL5等を透過した後、基板ステージPST上に到達する。このとき、マスクMはマスクステージMSTに支持されていないか、もしくは照明領域にパターン等が形成されていない位置になるように退避されているとともに、感光基板Pも基板ステージPSTに支持されていない。
これと同時に、ディテクタ41がX軸方向及びY軸方向に移動され、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれに対応した投影領域34a〜34eを走査する。走査するディテクタ41により、各投影領域34a〜34eにおける照度及び境界部35a〜35hにおける照度Wa〜Whが順次検出される。ディテクタ41は境界部35a〜35hを含む投影領域34a〜34eの照度の検出結果を制御装置CONTへ出力する。
同時に、光源6から照射された光束Lは、ハーフミラー19によりその一部がディテクタ20へ入射する。ディテクタ20は、入射した光束Lの照度を検出し、照度の検出結果を制御装置CONTへ出力する。制御装置CONTは、ディテクタ20,41で計測した各光路毎の照度および境界部35a〜35hにおける照度Wa〜Whを記憶する。
同時に、光源6から照射された光束Lは、ハーフミラー19によりその一部がディテクタ20へ入射する。ディテクタ20は、入射した光束Lの照度を検出し、照度の検出結果を制御装置CONTへ出力する。制御装置CONTは、ディテクタ20,41で計測した各光路毎の照度および境界部35a〜35hにおける照度Wa〜Whを記憶する。
制御装置CONTは、ディテクタ41の検出結果に基づいて、各投影領域34a〜34eの照度が略等しくなるように、且つ(|Wa−Wb|、|Wc−Wd|、|We−Wf|)が最小になるように、ディテクタ41により照度を計測しつつ各照明系モジュール10a〜10e毎にフィルタ21を駆動させる。これにより、各光路毎の光束Lの光量が補正される。
なお、このとき、光源6から照射された光束Lは、ハーフミラー19によりその一部がディテクタ20へ入射されており、ディテクタ20は、入射した光束Lの照度を検出し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力している。したがって、制御装置CONTは、ディテクタ20が検出した光束Lの照度に基づいて、この照度が所定値になるようにフィルタ駆動部21Dを制御することで各光路毎の光量を調整してもよい。
なお、このとき、光源6から照射された光束Lは、ハーフミラー19によりその一部がディテクタ20へ入射されており、ディテクタ20は、入射した光束Lの照度を検出し、検出した照度信号を制御装置CONTへ出力している。したがって、制御装置CONTは、ディテクタ20が検出した光束Lの照度に基づいて、この照度が所定値になるようにフィルタ駆動部21Dを制御することで各光路毎の光量を調整してもよい。
制御装置CONTは、ディテクタ41で検出した投影領域34a〜34eにおける照度の検出結果と、感光基板P上に露光する露光量の目標露光量とに基づいて、マスクMと感光基板Pとの同期移動速度を設定する。
すなわち、感光基板P上における露光量は照度と時間との積であるため、ディテクタ41で検出した感光基板P上における照度と、予め設定した目標露光量とに応じて、同期移動速度が一義的に設定される。例えば、照度が低い場合には同期移動速度は低速に設定され、照度が高い場合には同期移動速度は高速に設定される。ここで、制御装置CONTには、所定の露光量を得るための同期移動速度と照度との関係(データテーブル)が記憶されている。制御装置CONTは、前記関係に基づいて同期移動速度を設定する。
すなわち、感光基板P上における露光量は照度と時間との積であるため、ディテクタ41で検出した感光基板P上における照度と、予め設定した目標露光量とに応じて、同期移動速度が一義的に設定される。例えば、照度が低い場合には同期移動速度は低速に設定され、照度が高い場合には同期移動速度は高速に設定される。ここで、制御装置CONTには、所定の露光量を得るための同期移動速度と照度との関係(データテーブル)が記憶されている。制御装置CONTは、前記関係に基づいて同期移動速度を設定する。
次いで、マスクM及び感光基板Pが、マスクステージMST及び基板ステージPSTのそれぞれに搬送され、支持される。制御装置CONTは、マスクMの上方に配置されたアライメント系(不図示)を用いて、マスクMに形成されたマスクマーク及び感光基板Pに形成された基板マークを検出した結果に基づいて、マスクMと感光基板Pとの相対的なシフト、ローテーション、スケーリングに関する補正量を設定する。
そして、制御装置CONTは、先に感光基板Pに形成されているパターンに対して、次のパターンを所定の位置関係で積み重ねることができるように、投影光学系PL1〜PL5のそれぞれに設けられているフォーカス補正機構22、シフト調整機構23、直角プリズム(ローテーション調整機構)28,31、スケーリング調整機構27それぞれの補正量を求め、駆動装置49、50A,50B,51A,51B,52の駆動量を調整する。
なお、これらの各補正機構、調整機構による結像特性調整については、例えば特開2003−272989号公報等に詳述されているため、ここではその説明を省略する。
なお、これらの各補正機構、調整機構による結像特性調整については、例えば特開2003−272989号公報等に詳述されているため、ここではその説明を省略する。
以上のようにして補正機構の補正量を設定したら、光束Lに対してマスクM及び感光基板PをX方向に同期移動させる動作と、感光基板PをY方向にステップ移動させる動作とを繰り返すことにより、マスクMのパターン44(図2参照)を感光基板Pに分割パターン53〜55としてY方向で一部を重複させて順次露光する。
上記の露光処理においては、例えば光束Lの照射によるエネルギ付与や、駆動装置49、50A,50B,51A,51B,52の駆動等に伴って生じる熱により、投影光学系PL1〜PL5における光学部材の温度が上昇し、結像特性に悪影響を及ぼす虞がある。そこで、本実施形態では、投影光学系PL1〜PL5における光学部材の温度を計測し、その結果に応じて結像特性を補正する。
具体的には、計測装置70によりレンズ29の表面側における計測位置CS1の温度を第1計測部71で計測し、裏面側における計測位置CS2の温度を第2計測部72で計測する。同様に、計測装置80によりレンズ32の表面側における計測位置CS3の温度を第1計測部81で計測し、裏面側における計測位置CS4の温度を第2計測部82で計測する。なお、レンズ29、32に対する温度計測及び結像特性調整は同様に行われるため、以下の説明においては、計測装置70によるレンズ29の温度計測及び結像特性調整について代表的に説明する。
レンズ29の温度変化は、光束Lの照射により熱が付与されて生じるもの(以下、照射変動と称する)と、装置内の他の熱源から付与されて生じるもの(以下、温度変動と称する)とに大別される。装置内の他の熱源としては、例えば上述したフォーカス補正機構22における駆動装置49、シフト調整機構23における駆動装置50A、50B、ローテーション調整機構における駆動装置51A、51B、スケーリング調整機構27における駆動装置52が挙げられる。
ここで、照射変動については、レンズ29の全体に対してほぼ均等に生じるため、計測位置CS1、CS2における第1、第2計測部71、72の計測結果はほぼ等しくなるが、温度変動については、レンズ29の裏面が筺体24a内の空間に臨んでおり、レンズ29の表面が駆動装置49、50A,50B,51A等の配置されている空間側に臨んでいることから、これら駆動装置49、50A,50B,51A等の駆動によって生じる熱の影響を受けて第1計測部71の計測結果が第2計測部72の計測結果よりも高くなる。そのため、第1、第2計測部71、72の計測結果の差を求め、予め記録しておいた光束Lの照射によるレンズ29の温度変化との関係に基づき、レンズ29に生じた温度変動を求めることができ、結果として、照射変動及び温度変動を切り分けることが可能になる。
ここで、照射変動、温度変動がそれぞれレンズ29に生じた場合に結像特性に与える影響を図6に示す。
図6(a)は、温度変動による像高と像面位置変動量との関係を示す図であり、図6(b)は、温度変動による像高とDistortion(収差)変動量との関係を示す図である。また、図6(c)は、照射変動による像高と像面位置変動量との関係を示す図であり、図6(d)は、照射変動による像高とDistortion(収差)変動量との関係を示す図である。
図6(a)は、温度変動による像高と像面位置変動量との関係を示す図であり、図6(b)は、温度変動による像高とDistortion(収差)変動量との関係を示す図である。また、図6(c)は、照射変動による像高と像面位置変動量との関係を示す図であり、図6(d)は、照射変動による像高とDistortion(収差)変動量との関係を示す図である。
図6(b)、(d)に示されるように、温度変動及び照射変動で生じたDistortion(収差)変動量については、図6(a)、(c)に示される像面位置変化量と比較して極めて小さいため、温度変動及び照射変動で生じた像面位置変化については、フォーカス補正機構22を用いて補正する。また、温度変動で生じたDistortion(収差)変動については、像高による収差変動が大きくフォーカス補正機構22のみでは補正しきれないため、スケーリング調整機構27を用いて補正を行う。この場合、シフト調整機構23も位置ずれ補正用に併せて用いてもよい。一方、照射変動で生じたDistortion(収差)変動については、像高による収差変動が小さいためスケーリング調整機構27を用いて補正を行えばよい。
なお、上記温度変動、照射変動に応じた結像特性調整は、ウエハ交換毎、ロット間、マスク交換時、所定時間経過後の空き時間、レンズ29の温度が所定の閾値を超えたタイミング等に適宜行えばよい。
また、上記の説明は、反射屈折型光学系24におけるレンズ29について説明したが、反射屈折型光学系25におけるレンズ32についても同様に、温度計測結果に基づいて結像特性の調整を行えばよい。
また、上記の説明は、反射屈折型光学系24におけるレンズ29について説明したが、反射屈折型光学系25におけるレンズ32についても同様に、温度計測結果に基づいて結像特性の調整を行えばよい。
また、上記の結像特性調整については、複数の投影光学系PL1〜PL5のそれぞれで行ってもよいし、予め投影光学系PL1〜PL5間における温度変動及び照射変動の相関関係を求めておき、投影光学系PL1〜PL5の一つを選択して光学部材の温度を計測して当該投影光学系における温度変動及び照射変動を求めた後に、上記の相関関係を用いて他の投影光学系における温度変動及び照射変動を求めてもよい。この場合、温度計測装置の数を減らすことができ、装置の小型化及び低価格化に寄与できる。
以上のように、本実施形態では、レンズ29、32について複数の計測位置で温度計測を行っているため、当該レンズ29,32に生じる温度変化を温度変動と照射変動とに切り分けることが可能になり、各変動に応じた最適な結像特性の補正を行うことができる。また、本実施形態では、レンズ29、32に対する温度計測位置を、光束Lの非照射領域に設けているため、露光処理中であっても温度計測が可能であり、温度計測結果に基づいて最適なタイミングで結像特性の調整を実施できる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、レンズ29、32の計測位置をほぼレンズ中心の一箇所に設定する構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば図7に示すように、レンズ29、32の表面及び裏面にそれぞれ複数箇所に設ける構成であってもよい。この場合についても、各レンズ29、32における光束Lの非照射領域29c、32cに計測位置を設けることが好ましい。
また、上記実施形態では、反射屈折型光学系24、25におけるレンズ29、32の温度を複数の計測位置で計測する構成としたが、これに限られるものではなく、他の光学部材、例えば凹面鏡30、33の温度を複数の計測位置で計測する構成や、レンズ29、32及び凹面鏡30、33の双方の温度を計測する構成であってもよい。
なお、上記各実施形態における補正機構は平行平面ガラス板や直角プリズム等であるが、これに限定されるものではない。例えば、シフト調整機構として、一対の偏角プリズムを露光光の光路上に設け、これらをZ軸まわりに回転、あるいはZ軸方向に移動させることによっても、感光基板P上における像の位置を調整することができる。
なお、露光装置EXの用途としては角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを露光する液晶用の露光装置に限定されることなく、例えば、半導体製造用の露光装置や、薄膜磁気ヘッドを製造するための露光装置にも広く適用できる。
本実施形態の露光装置EXの光源は、g線(436nm)、h線(405nm)、i線(365nm)のみならず、KrFエキシマレーザ(248nm)、ArFエキシマレーザ(193nm)、F2レーザ(157nm)を用いることができる。
投影光学系PL1〜PL5の各倍率は等倍系のみならず、縮小系及び拡大系のいずれでもよい。
また、前述した実施形態においては、液晶表示素子を製造する場合を例に挙げて説明したが、もちろん、液晶表示素子の製造に用いられる露光装置だけではなく、半導体素子等を含むディスプレイの製造に用いられてデバイスパターンを半導体基板上へ転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられてデバイスパターンをセラミックウェハ上へ転写する露光装置、及びCCD等の撮像素子の製造に用いられる露光装置等にも本発明を適用することができる。
また、上述の実施形態では、各投影光学ユニットPL1〜PL5が一対の反射屈折型光学系24、25を有するマルチ走査型投影露光装置について本発明を適用しているが、各投影光学ユニットが1つ又は3つ以上の結像光学系を有する型式のマルチ走査型投影露光装置に対しても本発明を適用することができる。また、上記実施形態では、投影光学系PL1〜PL5がマルチ型に構成された場合を例に挙げて説明したが、本発明はマルチ型以外の投影光学系、つまり鏡筒が1つの投影光学系にも適用することができる。
次に本発明の一実施形態による露光装置をリソグラフィ工程で使用したマイクロデバイスの製造方法の実施形態について説明する。図8は、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを製造する際の製造工程の一部を示すフローチャートである。まず、図8のステップS10において、1ロットのウエハ上に金属膜が蒸着される。次のステップS12において、その1ロットのウエハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップS14において、図1に示す露光装置EXを用いて、マスクM上のパターンの像がその投影光学系(投影光学ユニット)を介して、その1ロットのウエハ上の各ショット領域に順次露光転写される(転写工程)。
その後、ステップS16において、その1ロットのウエハ上のフォトレジストの現像(現像工程)が行われた後、ステップS18において、その1ロットのウエハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウエハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、図1に示す露光装置EXでは、感光基板P上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図9のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図9は、マイクロデバイスとしての液晶表示素子の製造する際の製造工程の一部を示すフローチャートである。
図9中のパターン形成工程S20では、本実施形態の露光装置EXを用いてマスクMのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レチクル剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルタ形成工程S22へ移行する。
次に、カラーフィルタ形成工程S22では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、又はR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルタを形成する。そして、カラーフィルタ形成工程S22の後に、セル組み立て工程S24が実行される。セル組み立て工程S24では、パターン形成工程S20にて得られた所定パターンを有する基板、及びカラーフィルタ形成工程S22にて得られたカラーフィルタ等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程S24では、例えば、パターン形成工程S20にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルタ形成工程S22にて得られたカラーフィルタとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組立工程S26にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
29c…非照射領域、 30、33…凹面鏡、 CS1、CS2…計測位置、 EX…露光装置、 L…光束、 M…マスク、 P…感光基板、 PL…投影光学装置
Claims (10)
- 第1物体を介した光束Lの光路に配置された複数の光学部材を含み、前記第1物体の像を第2物体に投影する投影光学装置において、
前記複数の光学部材のうちの所定の光学部材の温度を複数の計測位置で計測する計測装置を備えることを特徴とする投影光学装置。 - 請求項1記載の投影光学装置において、
前記計測位置は、前記所定の光学部材における前記第1物体側の表面、及び前記第2物体側の表面に設けられることを特徴とする投影光学装置。 - 請求項1または2記載の投影光学装置において、
前記計測位置は、前記所定の光学部材における前記光束Lの非照射領域に設けられることを特徴とする投影光学装置。 - 請求項1から3のいずれか一項に記載の投影光学装置において、
前記複数の光学部材は、前記光束Lを反射させる凹面鏡と、前記光束Lのうち前記凹面鏡に未入射の第1光束L及び前記凹面鏡によって反射された第2光束Lを透過させる少なくとも1つのレンズと、を含み、
前記所定の光学部材は、前記少なくとも1つのレンズのうちの所定のレンズであることを特徴とする投影光学装置。 - 請求項4記載の投影光学装置において、
前記所定のレンズは、前記少なくとも1つのレンズのうち、前記光束Lの光路に沿って最も前記第1物体側に設けられたレンズであることを特徴とする投影光学装置。 - 請求項1から5のいずれか一項に記載の投影光学装置において、
前記第2物体に投影する前記第1物体の像の結像特性を調整する調整装置と、
前記計測装置の計測結果に基づいて、前記調整装置を制御する制御装置とを有することを特徴とする投影光学装置。 - 請求項6記載の投影光学装置において、
前記調整装置は、前記像の結像位置を調整する第1調整装置と、前記像の投影倍率を調整する第2調整装置とを有し、
前記制御装置は、前記計測装置の計測結果に応じて、前記第1調整装置と前記第2調整装置との少なくとも一方を選択して制御することを特徴とする投影光学装置。 - 第1ステージが保持する第1物体を介した光束Lを第2ステージが保持する第2物体に照射して、前記第1物体に形成されたパターンの像を前記第2物体に転写する露光装置において、
前記光束Lの光路に配置されて前記パターンの像を前記第2物体に投影する請求項1から7のいずれか一項に記載の投影光学装置を少なくとも1つ備えることを特徴とする露光装置。 - 請求項8記載の露光装置において、
複数の前記投影光学装置を備え、該複数の投影光学装置は、それぞれ前記第2物体に投影する前記パターンの像が前記第2物体の表面に沿った所定方向に関して一部が相互に重複するように設けられることを特徴とする露光装置。 - 請求項8または9記載の露光装置を用いてマスクのパターンの像を基板に露光することと、
前記パターンの像が露光された前記基板を該パターンの像に基づいて加工することと、
を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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-
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- 2010-03-16 JP JP2010059270A patent/JP2011192900A/ja active Pending
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