JP2011192857A - 熱電変換装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱電変換材料からなるパターンが基板に実装されてなる熱電変換装置において、熱発生源に対向するパターン実装密度を向上させ、高い起電力を得る熱電変換装置および熱電変換装置の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
熱電変換装置10は、基板20と、p型熱電変換材料からなる第1の膜22と、n型熱電変換材料からなる第2の膜23とを有し、前記基板20の一方の面に配置された前記第1の膜22と、前記基板20の他方の面に配置された前記第2の膜23とが電気的に直列接続されている。基板20の両面を利用するため、基板20へのパターン実装密度を向上させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、熱電変換装置に関する。
資源の枯渇が予想される今日、如何にエネルギーを有効に利用するかは極めて重要な課題となっており、種々のシステムが提案されている。その中でも、温度勾配を起電力に変換する装置、すなわち、熱電変換装置は、これまで排熱として無駄に環境中に捨てられていたエネルギーを回収・活用する手段として期待されている。
図11は、従来の熱電変換装置である(たとえば特開2008−227178号公報)。
1は基板であり、2は熱電変換装置、3はp型熱電変換材料からなるパターン、4はn型熱電変換材料からなるパターン、5は電極、6,7は入出力電極である。
熱電変換装置2は、基板1の一方の面上に複数のp型およびn型の熱電変換材料からなるパターン3、4が交互に互いに離間して並列に実装され、かつ、電気的に交互に直列接続されてなるものである。
このような熱電変換装置2は、一方の端部を高温の熱発生源に、他方の端部を高温の熱発生源から離れるように配置することにより、起電力を発生させることができる。熱発生源へのこのような配置により、p型およびn型の熱電変換材料からなるパターン3、4の長手方向には、温度勾配が与えられ、ゼーベック効果により起電力が発生する。各パターンに発生した起電力は、その総和として、熱電変換装置2の両端部に接続した入出力電極6、7から取り出すことができる。
特開2008−227178号公報 特開2006− 86510号公報
図11において、複数のp型熱電変換材料からなるパターン3と、複数のn型熱電変換材料からなるパターン4とを、従来のように基板1の一方の面に交互に実装する場合、まず複数のp型熱電変換材料からなるパターン3を形成していた。その後に、p型熱電変換材料からなるパターン3の各々の間隙にn型熱電変換材料からなるパターン4を形成する必要があった。このため、n型熱電変換材料からなるパターン4を形成する際に、既に形成されているp型熱電変換材料からなるパターン3を保護するなどの追加プロセスが必要となるなど、複雑な製造プロセスを用いていた。
また、実装密度を向上させるためには、パターン間隙を狭くする必要があるが、製造プロセス上限界があった(例えば、特許文献1参照)。
開示する熱電変換装置は、上述した問題を鑑み、複雑な製造プロセスを用いることなく、実装密度を向上させることができる熱電変換装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
実施形態の一観点によれば、基板と、p型熱電変換材料からなる第1の膜と、n型熱電変換材料からなる第2の膜とを有し、前記基板の一方の面に配置された前記第1の膜と、前記基板の他方の面に配置された前記第2の膜とが電気的に直列接続されていることを特徴とする熱電変換装置を提供する。
実施形態の他の観点によれば、基板の一方の面にp型熱電変換材料からなる第1の膜のパターンを形成する工程と、前記基板の他方の面にn型熱電変換材料からなる第2の膜のパターンを形成する工程とを有し、前記第1の膜のパターンと前記第2の膜のパターンとが電気的に直列接続されていることを特徴とする熱電変換装置の製造方法を提供する。
開示する熱電変換装置により、複雑な製造プロセスを用いることなく、実装密度を向上させることができ、さらに高い起電力を得ることができる。
図1は、開示する熱電変換装置の実施例1に対する平面図である。 図2は、図1の熱電変換装置の拡大平面図である。 図3A〜3Dは、図2における熱電変換装置のA−A断面図である。 図4A〜4Dは、ビアホール導体付き基板の製造方法を示した図である。 図5A〜5Cは、開示された熱電変換装置の製造方法を示した図である。 図6は、開示する保護シート付き熱電変換装置の斜視図である。 図7A〜7Bは、開示する熱電変換装置を管状熱発生源に配置した場合の例を示した図である。 図8は、開示する熱電変換装置がヒートシンクを有する半導体素子に適用された場合の例である。 図9は、開示する熱電変換装置の実施例2に対する平面図である。 図10は、ビアホール導体を使用しない場合の、その他の導体の例を示した斜視図である。 図11は、従来の熱電変換装置である。
以下に実施例を示す。
図1は、開示する熱電変換装置の実施例1に対する平面図である。
図1で、10は開示する熱電変換装置、21は基板、22は第1の膜(実線)、23は第2の膜(点線)、24はビアホール導体、71、72は、引き出し用ケーブルを表している。ここで、第1の膜22はp型熱電変換材料からなり、第2の膜23はn型熱電変換材料からなる。また、ビアホール導体24を配置した部分には、基板21の一方の面から他方の面に電気的な導通がある。
図1は、第1の膜22、および、第2の膜23からなるパターン形状が、矩形パターンの場合の一例である。パターン形状は矩形パターンに限るものではなく、課題を解決する形状あれば、どのような形状であってもよい。
基板21の一方の面に、第1の膜22からなる矩形パターンが、互いに離間して並列に複数並べられている。同様に、第2の膜23からなる矩形パターンが、第1の膜22からなる矩形パターンが形成された基板21の反対側の面に、互いに離間して並列に複数並べられている。
第1の膜22からなる矩形パターンと、第2の膜23からなる矩形パターンとは、基板21を介してパターンとして重なった領域(以下、パターン重なり領域と記載する)を有している。すなわち、基板21を介して隣接する2つの第1の膜22からなる矩形パターンのいずれにも重なるように、1つの第2の膜23からなる矩形パターンが配置されている。同様に、隣接する2つの第2の膜23からなる矩形パターンのいずれにも重なるように、1つの第1の膜22からなる矩形パターンが配置されている。
第1の膜22からなる矩形パターンと第2の膜23からなる矩形パターンとは、パターン重なり領域において、基板21にあらかじめ準備しておいたビアホール導体24を介して、電気的に接続されている。この電気的接続は、第1の膜22からなる矩形パターンと第2の膜23からなる矩形パターンと、を電気的に交互に直列接続されるように行われる。引き出し用ケーブル71、72は、直列接続全体の両端に接続されている。引き出し用ケーブル71、72は、例えばセラミック被覆の電線であっても良い。引き出し用ケーブル71,72は、例えばAgペーストなどを用いて熱電変換装置10に接着する。
p型熱電変換材料としては、ペロブスカイト型酸化物材料であって、R1−Co、R1−Mn、R1−Ti のうちいずれか(R1はアルカリ土類、または、アルカリ金属)を含むことが望ましい。また、カルシウム・コバルト酸化物やナトリウム・コバルト酸化物等の金属複合酸化物であっても良い。マンガン・シリコン、鉄マンガン・シリコン、シリコン・ゲルマニウム、鉄シリコン等のシリサイドであっても良い。コバルト・アンチモン、鉄アンチモン、R2−鉄コバルト・アンチモン(R2はLa、Ce又はYbを示す)等のスクッテルダイトであっても良い。ビスマス・テルル・アンチモン、鉛テルル・アンチモン等のテルルを含有する合金等であっても良い。
n型熱電変換材料としては、p型熱電変換材料とは導電型の異なるペロブスカイト型酸化物材料であって、R1−Co、R1−Mn、R1−Ti のうちいずれか(R1はアルカリ土類、または、アルカリ金属)を含むことが望ましい。また、ストロンチウム・チタン酸化物、ニオブ添加したストロンチウム・チタン酸化物、ランタン添加したストロンチウム・チタン酸化物、亜鉛アルミニウム酸化物、カルシウム・マンガン酸化物、ランタン・ニッケル酸化物、バリウム・チタン酸化物、チタン・ニオブ酸化物等の金属複合酸化物であっても良い。マグネシウム・シリコン、鉄コバルト・シリコン、シリコン・ゲルマニウム、鉄シリコン等のシリサイドであっても良い。スクッテルダイトであっても良い。バリウム・アルミニウム・シリコン、バリウム・アルミニウム・ゲルマニウム等のクラスレート化合物であっても良い。カルシウム・ホウ素、ストロンチウム・ホウ素、バリウム・ホウ素、セリウム・ホウ素等のホウ素化合物であっても良い。ビスマス・テルル・アンチモン、鉛テルル・アンチモン等のテルルを含有する合金等であっても良い。
これらの中でも、製造コスト、大気中での安定性の観点から、金属複合酸化物の熱電変換材料が好ましく、p型熱電変換材料としてはCa3Co49と、n型熱電変換材料としてはCa0.9La0.1MnO3との組合せが特に好ましい。これら熱電変換材料は、400℃以上、特に700〜800℃程度の高い温度領域において熱電変換特性を発現するので、高温の熱発生源に対して好適に利用可能である。
ビアホール導体24の材料としては、金属、導電性樹脂などのいずれの材質も使用できるが、耐食性に優れ、熱電変換材料との密着性を確保しやすい金属、合金が望ましい。また、特に高い温度環境で使用する熱電変換装置においては、高融点の金属、合金をビアホール導体24として使用することがさらに好ましい。例えば、高温である場合のビアホール導体24の材料としては、Zr、Au、Ag、Pt、Cu、Ti、Ni、Mo、Zn、W、V等の金属またはこれらの合金等があげられる。低温環境で使用する場合のビアホール導体24の材料としてはBi、Sn、Ag、Cu、Pt、Al、Au、Fe、Mo、Zn、Pb等の金属またはこれらの合金等があげられる。
または、ビアホール導体24の材料としては、熱電変換材料と同じp型半導体材料やn型半導体材料であっても良い。
温度勾配が与えられると、p型熱電変換材料からなる第1の膜22は、高温部分から低温部分へ向かってホールが移動し、低温部分側が正極となるように起電力が発生する。同時に、n型熱電変換材料からなる第2の膜23は、高温部分から低温部分へ向かって電子が移動し、高温部分側が正極となるように起電力が発生する。この結果、熱電変換装置10に発生した起電力は、引き出し用ケーブル71、72により外部に取り出される。
熱電変換装置10は、引き出し用ケーブル71、72が接続されていない側を高温部分となるように熱発生源に実装することが好ましい。引き出し用ケーブル71、72が接続されている側を高温部分となるように熱発生源に実装した場合、熱発生源からの熱が引き出し用ケーブル71、72を通じて逃げてしまう。それにより、熱電変換装置10は、高温となるべき部分が高温をならなくなり、熱電変換装置10の温度勾配が小さくなってしまう。この結果、起電力の取り出しが効率良くできなくなり、熱電変換装置10の性能が低下してしまうためである。
開示の熱電変換装置10によれば、従来のように、p型熱電変換材料からなるパターンとn型熱電変換材料からなるパターンを交互に形成する必要はなくなり、複雑なプロセスを用いる必要はなくなる。また、基板の両面を利用してパターンを実装するため、基板へのパターン実装密度が従来よりも向上する。
図2は、図1の熱電変換装置の拡大平面図である。
図2では、22−1、22−2、22−3・・・、22−sは第1の膜22からなる矩形パターン、23−1、23−2、・・・、23−sは第2の膜23からなる矩形パターン、24−0、24−1、24−2、・・・、24−2sはビアホール導体を表している。ここで、sは1以上の整数であり、所望の起電力を得るために必要な矩形パターン数を設計者が適宜設定することができる。
第1の膜22からなる矩形パターン22−1、22−2、22−3・・・、22−sは、図2に示すように基板21の一方の面に、互いに離間して並列に配置されている。同様に、第2の膜23からなる矩形パターン23−1、23−2・・・、23−sは、基板21の反対側の面に、互いに離間して並列に配置されている。
第1の膜22からなる矩形パターン22−1、22−2、22−3・・・、22−sと、第2の膜23からなる矩形パターン23−1、23−2・・・、23−sとは、基板21を介してパターン重なり領域を有している。このパターン重なり領域において、ビアホール導体24−0、24−1、24−2、24−3・・・、24−2sにて電気的に接続している。
ビアホール導体24−0を出発点として、ビアホール導体24−0は、第1の膜22からなる矩形パターン22−1に接続される。第1の膜22からなる矩形パターン22−1は、ビアホール導体24−0が接続された端部とは反対側の端部においてビアホール導体24−1に接続される。ビアホール導体24−1は、基板21を介して反対側に形成されている第2の膜23からなる矩形パターン23−1に接続される。
以下、同様にして、ビアホール導体24−2 ⇒ 第1の膜22からなる矩形パターン22−2 ⇒ ビアホール導体24−3 ⇒ 第2の膜23からなる矩形パターン23−2 ⇒ ビアホール導体24−4 ⇒ 第1の膜22からなる矩形パターン22−3・・・ と順に接続され第1の膜22からなる矩形パターン22−s ⇒ ビアホール導体24−(2s−1) ⇒ 第2の膜23からなる矩形パターン23−s ⇒ ビアホール導体24−2sと接続し、ビアホール導体24−2sが最終点となる。
以上のように、ビアホール導体24−0と24−2sとの間において、第1の膜22からなる矩形パターン22−1、22−2、22−3・・・、22−sと第2の膜23からなる矩形パターン23−1、23−2・・・、23−sとは、電気的に交互に直列接続されている。
ビアホール導体24−0、24−1、24−2、24−3・・・、24−2sは、各パターンを端部同士で接続することが好ましい。これによって、温度勾配により各パターンの長手方向に発生する起電力を、より効率的に、高く取り出すことが可能となる。
引き出し用ケーブル71、72は、直列接続の両端に接続される。そのため、引き出し用ケーブル71は、ビアホール導体24−0部上の第1の膜22からなる矩形パターン22−1に接続され、引き出し用ケーブル72は、ビアホール導体24−2s部に直接接続される。
図2で左端のビアホール導体24−0は、引き出し用ケーブル71を接続する際に土台となっており、引き出し用ケーブル71の剥離防止の役割を担っている。
図2で右端のビアホール導体24−2sは、第2の膜23からなるパターン23−sの導通を基板21の表面に引き出す役割を担っている。そのため、ビアホール導体24−2sは引き出し用ケーブル72と直接接続される。
図3Aは、図2における熱電変換装置のA−A断面図(その1)である。
基板21の一方の面に形成された第1の膜22からなる矩形パターン22−1、22−2、22−3・・・、22−sは、ぞれぞれ互いに離間して並列に配置されている。同様に、基板21の他方の面に形成された第2の膜23からなる矩形パターン23−1、23−2・・・、23−sも、それぞれ互いに離間して並列に配置されている。
1つの矩形パターンは、基板を介して対向する2つの矩形パターンに対して、いずれにも重なるように配置されている。例えば、第1の膜22からなるパターン22−2左端と第2の膜23からなるパターン23−1右端の重なった領域が、パターン重なり領域であり、パターン重なり領域内にビアホール導体24−2が配置されている。また、第1の膜22からなるパターン22−2右端と第2の膜23からなるパターン23−2左端とが重なっており、このパターン重なり領域内に、図3Aには図示していないビアホール導体24−3が配置されている。
図3Aでは、重なり領域内にビアホール導体が形成された例について説明したが、製造プロセス上の問題からビアホール径が変動したり、位置ずれを生じる場合がある。
図3Bは、図2における熱電変換装置のA−A断面図(その2)である。
図3Bは、ビアホール導体がパターン重なり領域を越えて形成されている例における断面図である。
ビアホール導体24−2は、第1の膜22からなるパターン22−2と第2の膜23からなるパターン23−1との重なり領域を超えて、ビアホール径の変動などにより、大きく形成されている場合である。このような場合であっても、ビアホール導体24−2は、隣接する第1の膜22からなるパターン22−1あるいは第2の膜23からなるパターン23−2と、電気的に不要な接触をしない範囲で形成されている。第1の膜22からなるパターン22−2と第2の膜23からなるパターン23−1とは、ビアホール導体24−2により、電気的な直列接続が確保されているため、問題はない。
また、ビアホール導体24−4は、位置ズレなどにより、右端は第2の膜23からなるパターン23−2の右端を越えていないが、左端が第1の膜22からなるパターン22−3の左端を越えている場合である。この場合も、ビアホール導体24−4は、第1の膜22からなるパターン22−2と、電気的に不要な接触をしない範囲で形成されている。第1の膜22からなるパターン22−3と第2の膜23からなるパターン23−2とは、ビアホール導体24−4により、電気的な直列接続が確保されているため、やはり問題はない。
図3Cは、図2における熱電変換装置のA−A断面図(その3)である。
図3Cは、パターン重なり領域がない例における断面図である。
図3Cでは、第1の膜22からなるパターン22−2左端と第2の膜23からなるパターン23−1右端とは、パターン重なり領域が存在しない場合である。このような場合であっても、第1の膜22からなるパターン22−2と第2の膜23からなるパターン23−1とは、ビアホール導体24−2を介して電気的に接続しており、熱電変換装置として機能するので問題はない。
以上、図3A〜3Cで示したように、ビアホール導体と隣接パターンとが、電気的に不要な接触を起こしてしまう構成でなければ良い。第1の膜22からなるパターンと第2の膜23からなるパターンとのパターン重なり領域については、基板へのパターン実装密度は向上させるには必要である。ただし、第1の膜22と第2の膜23とが、電気的に交互に直列接続していれば良いので、パターン実装密度を向上させる構成であれば、パターン重なり領域の有無についてはこだわらない。
以上において基板21は、絶縁性を持つ基板を用いた場合について示してきた。ただし、基板材料としては、絶縁性、密着性、あるいは熱電変換装置の適用環境の観点から種々材料を選択することができる。
図3Dは、図2における熱電変換装置のA−A断面図(その4)である。
図3Dは、第1の膜22と基板21との間に絶縁膜43を形成し、第2の膜23と基板21との間に絶縁膜44を形成した例における断面図である。
図3Dのように、第1の膜22と基板21との間に絶縁膜43を形成し、第2の膜23と基板21との間に絶縁膜44を形成しても良い。この場合、例えば第1の膜22からなるパターン22−2とビアホール導体24−2、および第2の膜23からなるパターン23−1とビアホール導体24−2との電気的導通を確保するために絶縁層43、44には開口部が形成されている。この開口部を通じて、第1の膜22からなるパターンと第2の膜23からなるパターンとが、ビアホール導体24にて電気的に接続される。
絶縁層43、44の材料としては、例えばSi、ノンドーブSi−Ge、SiO2、Si34、BN、SiC、Al23、TiN、各種フェライトなどを用いることができる。
図4A〜4Dは、ビアホール導体付き基板の製造方法を示した図である。
201はセラミックグリーンシート、202はビアホール、203は導体ペースト、204はビアホール導体である。
基板の材料は、特に限定されるものではないが、セラミック材料を主成分とし可撓性を有するものが好ましく、以下は、酸化アルミニウム質焼結体から成る場合についてである。
図4Aにおいて、酸化アルミニウム・酸化珪素・酸化マグネシウム・酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機溶剤・溶媒を添加混合して泥漿状となすとともに、これを従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法によりシート状に成形して、0.2mm〜1.0mm厚のセラミックグリーンシート201(セラミック生シート)を得る。
次に図4Bにおいて、このセラミックグリーンシート201にマイクロドリル、パンチングなどにより、直径約1mm程度のビアホール202を形成する。
さらに図4Cにおいて、このビアホール202には、Cu、Ag、Al、Au、Ni、Pt及びPdの群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする導体ペースト203を充填する。特にAgを主成分とする導体ペースト203が好ましい。
最後に図4Dに示すように、この導体ペースト203を充填したセラミックグリーンシート201を高温(約1600℃)で焼成する。これによって、ビアホール導体204が埋め込まれた基板21が完成する。
その他、基板材料としては、単結晶材料、または、セラミック絶縁材料であっても良い。単結晶材料としては、Al23、MgO、SrTiO3、LaAlO3、NdGaO3、YAlO3、LaSrGaO4、LaSrAlO4、MgAl24、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ZrO2、Fe23、ノンドーブSiなどでも良い。さらには、絶縁基板として、ガラス成分とセラミックフィラー成分との混合物を焼成してなるガラスセラミックスなどの800〜1050℃の低温で焼成可能なセラミックスによって形成されたものでも良い。特にガラスセラミックスとしては、ガラス成分10〜70質量%と、セラミックフィラー成分30〜90質量%の割合からなる組成物を焼成したものであることが望ましい。
特に、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ノンドーブSi、石英ガラスのなかから基板材料を選択した場合は、曲率半径にして2〜3cm程度まで曲げることができるフレキシブルなビアホール導体付き基板21が提供できる。
図5A〜5Cは、開示された熱電変換装置の製造方法を示した図である。
300は第1の膜22矩形パターン用マスキング治具、301は第2の膜23矩形パターン用マスキング治具、302はマスク成膜された第1の膜22からなる矩形パターン、303はマスク成膜された第2の膜23からなる矩形パターン、310は保護膜である。
まず、例えばPLD(パルスレーザーデポジション)法で基板21の一方の面に、第2の膜23の成膜を行う。PLD成膜装置内では、図5Aに示すように、第2の膜23矩形パターン用マスキング治具301で、基板21裏面をあらかじめ覆っておく。この第2の膜23矩形パターン用マスキング治具301を用いることにより、マスク成膜された第2の膜23からなる矩形パターン303が、ビアホール導体付き基板21上に成膜される。第2の膜23の材料は、n型熱電変換材料であり、例えば、n型酸化物半導体膜であるCa0.9La0.1MnO3を用いることができる。
次に、図5Bにおいて、基板裏面に形成されたパターン全体を保護する目的で、保護膜310を形成する。保護膜310により、パターン同士の電気的絶縁、および、熱電変換装置周辺の電気的な絶縁を確保して、起電力の漏洩を防止するとともに、防湿防塵を兼ねることができる。また、このあと図5Cに示すように、基板のもう一方の面にPLDにてさらにマスク成膜を行うため、その際の保護としての役割も兼ねている。
保護膜310の材料は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電気絶縁性、断熱性、防湿性という点で、酸化物絶縁材料、例えば、アルミナ、酸化シリコンなどが好ましい。
次に図5Cに示すように、PLD法で基板21のもう一方の面に、第1の膜22の成膜を行う。PLD成膜装置内では、図5Cに示すように、第1の膜22矩形パターン用マスキング治具300で、基板21表面をあらかじめ覆っておく。この第1の膜22矩形パターン用マスキング治具300を用いることにより、マスク成膜された第1の膜22からなる矩形パターン302が、アホール導体付き基板21に成膜される。第1の膜22の材料は、p型熱電変換材料であり、例えば、p型酸化物半導体膜であるCa3Co49を用いることができる。
図5Aや図5Cのように、PLD法で第1の膜あるいは第2の膜を成膜する場合は、基板温度を650〜800℃の範囲とし、10〜500mTorrの酸素分圧下で成膜することが好ましい。第1の膜および第2の膜の成膜膜厚は、200nm〜1μmが好ましく、例えば、500nmを成膜する。
第1の膜および第2の膜を成膜する前に、同じPLD装置であらかじめ酸化Ceを数十nm厚程度成膜することが望ましい。酸化Ceにより、基板と第1の膜あるいは第2の膜との間の相互拡散を防止することが可能となる。また基板材料を、前述の単結晶SrTiO3、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ZrO2、ノンドーブSiのなかから選択する場合、酸化Ceは、p型酸化物半導体膜Ca3Co49に対して配向効果がある。
第1の膜22矩形パターン用マスキング治具300および第2の膜23矩形パターン用マスキング治具301の材質を、成膜する材質と同じとすることにより、不要な不純物汚染を回避できる。
以上のように、基板21にあらかじめ形成しておいたビアホール導体24により、基板21の一方の面にマスク成膜された第1の膜22からなる矩形パターン302と、基板21のもう一方の面にマスク成膜された第2の膜23からなる矩形パターン303とは、成膜工程後に、電気的に接続状態となる。そのため、従来の方法と比べて、パターン形成後の接続工程が省略できる。
図示していないが、その他の成膜・パターン形成方法として、基板21の一方の全面に、例えば第2の膜23を成膜し、その後フォトリソグラフィ技術を用いてパターニングを行う方法でも良い。この場合、パターニングとしては、イオンミリングやRIEのドライプロセスや、酸性溶液を用いたウェットプロセスを用いても良い。この場合は、基板の一方の面への第2の膜23の成膜・パターン形成・保護膜形成後、基板のもう一方の面に第1の膜22の成膜・パターン形成を行う。
図6は、開示する保護シート付き熱電変換装置の斜視図である。401は保護シート、20は保護シート401付きの熱電変換装置である。保護シート401は、絶縁性を有する材料からなるものである。
引き出し用ケーブル71、72は、図1でも説明したように、例えば、セラミック被覆の電線であっても良い。ケーブル接着材としてAgペーストなどを用いて、接着する。次に、熱電変換装置10全体を保護シート401で覆う。保護シート401にて熱電変換装置を覆うことにより、熱発生源へ装置を配置する際に、電気的な絶縁を確保して、起電力の漏洩を防止するとともに、防湿防塵の対策を行うことができる。
図7A〜7Bは、開示する熱電変換装置を管状熱発生源に配置した場合の例を示した図である。
図7Aは、開示の熱電変換装置30の一部を管状熱発生源81の端部に貼り付けた例を示す斜視図である。
30は開示の熱電変換装置、81は管状熱発生源、82は断熱材を表す。
管状熱発生源81としては、例えば、水蒸気や炭化水素系排気ガスやCO2などの熱流体が流れている円筒形配管がある。熱流体の影響で円筒形配管の外壁は高温となり、熱発生源となり得る。
開示の熱電変換装置30の一部を管状熱発生源81に貼り付ける。この際、引き出し用ケーブル71、72が接続された側の熱電変換装置30端部は、管状熱発生源81に接触しないように貼り付ける。その結果、開示の熱電変換装置30において、管状熱発生源81に接触している部分が高温となり、接触していない部分が相対的に低温となるため、開示の熱電変換装置30内には温度勾配が与えられ、起電力が発生する。
以上のように図7Aは、管状熱発生源81の形状を利用して、開示の熱電変換装置30内に温度勾配を与えた場合の一例である。
図7Bは、断熱材82を介して、開示の熱電変換装置30の一部が接触するように、管状熱発生源81に貼り付けた例を示す斜視図である。図7Bに示すように、引き出し用ケーブル71、72が接続された側の熱電変換装置30端部と管状熱発生源81との間に断熱材82を挿入する。すなわち、開示の熱電変換装置30において、一部は管状熱発生源81に接触するように貼り付けられたために高温となり、他の一部は断熱材82が挿入されたために相対的に低温となる。その結果、開示の熱電変換装置30内には温度勾配が与えられ、起電力が発生する。
断熱材82としては、発泡性セラミック材(発泡性アルミナ)、グラスウール織物などを用いることができる。また、開示の熱電変換装置30を管状熱発生源81へ接着するにあたり、接着剤は管状熱発生源81の温度により適宜選択することができる。例えば、100℃以下ではエポキシ樹脂、シリコン樹脂など、300℃以下ではポリミイド系の接着剤、400以上〜900℃程度ではアルミナ、石英ベースなどのセラミック系またはガラス系の固定剤を用いることができる。
図8は、開示する熱電変換装置がヒートシンクを有する半導体素子に適用された場合の例である。
図8において102はヒートシンク、103はサーマルインターフェース、104はパッケージされた半導体素子、105はプリント基板、106は開示の熱電変換装置30とプリント基板105とを固定する固定板である。
図8は、ヒートシンク102を熱発生源として利用する場合の一例である。パッケージされた半導体素子104は、熱を逃がす目的でヒートシンク102と接触させて実装されている。パッケージされた半導体素子104が稼動しているときに、ヒートシンク102に熱が伝わり高温となるため、熱発生源として利用が可能である。開示の熱電変換装置30はヒートシンク102に接続された側が高温となり、一方、固定板106に接続された側が低温となる。その結果、開示の熱電変換装置30内に温度勾配が与えられ、起電力が発生する。
図1を参照し、矩形パターン8対を基板に実装した場合について、各部寸法の例を示す。
パターン形状は矩形であり、一例としては、矩形パターンの幅が2.5mm、パターンの配置間隔が3.0mm、の場合について、各部位の寸法を示す。
一つの膜長さ35mmとし、基板の大きさとしては、基板幅は40mm、基板長さは30mmであれば、2.5mm×35mmの矩形パターンを図1のように8対を基板に実装することができる。
矩形パターンの幅が2.5mm、パターンの配置間隔が3.0mmであるため、ビアホール導体の径は、0.5〜1.0mmが望ましい。また、ビアホール導体中心間隔は、3.0mmであり、パターンの配置間隔と同じである。
図1の矩形パターン8対タイプの熱電変換装置に対して、温度勾配に対する起電力を見積もる。第1の膜22の材料として、p型半導体特性を示すCa3Co49を使用する。700K近傍では約140μV/Kの熱電変換特性を持つ。第2の膜23の材料として、n型半導体特性を示すCa0.9La0.1MnO3を使用する。700K近傍では約120μV/Kの熱電変換特性を持つ。温度勾配として並列配置で、矩形パターン8対を並べてあるため、8対の熱電変換特性は、260μV/K/対×8対=2080μV/Kとなる。
したがって、温度差50Kのとき、104mV、温度差100Kのとき208mV、温度差200Kのとき416mVの起電力を得ることができる。
また、矩形パターンの幅を1/10の0.25mmとし、パターンの配置間隔を0.30mm、ビアホール導体の径を0.05〜0.1mmとすると、基板への実装パターン数は10倍の80対とすることが可能となる。この場合、起電力は実装パターン数に対応するため、起電力も10倍となり、約4Vを得ることができる。
従来、p型およびn型の熱電変換材料からなるパターンを交互に、基板の一方の面のみに配置していた。例えば、p型をQ個、n型をQ個並べたとすると、従来例では、合計2Q個を実装したことになる。
これに対して、開示した熱電変換装置では、一方の面にp型、他方の面にn型の熱電変換材料からなるパターンを配置する。そのため、前記従来例と同じサイズの基板・パターンを用いた場合、開示の熱電変換装置では、一方の面にp型を2Q個、他方の面にはn型を2Q個並べることが可能であり、合計4Q個を実装することが可能となる。開示した熱電変換装置では、実装密度が向上し、実装パターン数が向上すると、起電力も向上する。そのため、開示した熱電変換装置では、前記従来例と同じサイズの基板・パターンを用いた場合、実装パターン数は2倍であり、起電力は最大で2倍の向上となる。
図9は、開示する熱電変換装置の実施例2に対する平面図である。
図9において、52−1、52−2、・・・、(52−s)は第1の膜22からなる平行四辺形パターン、53−1、53−2、・・・、53−sは第2の膜23からなる平行四辺形パターン、54−0、54−1、54−2、54−3・・・、54−2sはビアホール導体、を表している。sは1以上の整数であり、所望の起電力を得るために必要な平行四辺形パターン数を設計者が適宜設定することができる。
図1と同様、第1の膜22はp型熱電変換材料からなり、第2の膜23はn型熱電変換材料からなる、とする。またその他も、図1で用いた記号と同記号は、同部分を表すか、あるいは同じ意味を持つものとする。
基板21には、基板21を貫通するように、ビアホール導体54−0、54−1、54−2、54−3・・・、54−2sがあらかじめ配置してある。ビアホール導体54−0、54−1、54−2、54−3・・・、54−2sを配置した部分には、基板21の一方の面から他方の面に電気的な導通がある。
図9は、パターン形状が、平行四辺形の場合の一例である。
第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−1、52−2、・・・、(52−s)の配置は、基板21の一方の面に対して行い、複数の長い平行四辺形パターンを並列配置となるように並べ、かつ、並列配置は互いに離間するように行われる。第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−1、53−2、・・・、53−sの配置も、基板21の他方の面に対して同様に行われる。
第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−1、52−2、・・・、(52−s)と、第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−1、53−2、・・・、53−sとは、実線と点線とで示したように、図9の紙面上から見て、平行四辺形パターン長手方向の傾きは左右反対となっている。
第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−2について着目すると、一方の端部においては、第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−1との重なりは無い。もう一方の端部においては、第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−1とほぼパターン幅で重なりを持っている。パターン長手方向が傾いた平行四辺形であるためであり、実施例1での矩形パターンとの違いである。重なりを持った領域(パターン重なり領域)で、ビアホール導体54−2を介して、電気的に接続されている。平行四辺形形状の場合、ビアホール導体54−2を配置する近傍のパターン重なり領域幅は、ほぼ平行四辺形パターン幅の広さとして確保することが可能である。矩形パターンの場合は、パターン重なり領域をパターン幅の広さでは確保することは不可能であった。平行四辺形パターンの場合は、パターン重なり領域をより広く確保でき、ビアホール導体との電気的接続も広くできるため、矩形パターンの場合よりも有利な点と言える。
ビアホール導体54−0を出発点として、ビアホール導体54−0は、第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−1に接続され、第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−1は、ビアホール導体54−1に接続され、ビアホール導体54−1は、第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−1に接続される。
以下、順番にビアホール導体54−2 ⇒ 第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−2⇒ ビアホール導体54−3 ⇒ 第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−2・・・ と接続され、最終的には、第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−s ⇒ ビアホール導体54−2sと接続し、ビアホール導体54−2sが最終点となる。
以上のように、ビアホール導体54−0から54−2sの間において、第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−1、52−2、・・・、(52−s)と第2の膜23からなる平行四辺形パターン53−1、53−2、・・・、53−sとは、電気的に交互に直列接続されている。
ビアホール導体54−0、54−1、54−2、54−3・・・、54−2sは、各パターンを端部同士で接続することが好ましい。これによって、温度勾配により各パターンの長手方向に発生する起電力を、より効率的に、高く取り出すことが可能となる。
引き出し用ケーブル71、72は、直列接続の両端に接続される。そのため、引き出し用ケーブル71は、ビアホール導体54−0部上の第1の膜22からなる平行四辺形パターン52−1に接続され、引き出し用ケーブル72は、ビアホール導体54−2s部に直接接続される。
図9で左端のビアホール導体54−0は、引き出し用ケーブル71を接続する際に土台となっており、引き出し用ケーブル71の剥離防止の役割を担っている。
図9で右端のビアホール導体54−2sは、第2の膜23からなるパターン53−sの導通を基板21の表面に引き出す役割を担っている。そのため、ビアホール導体54−2sは引き出し用ケーブル72と直接接続される。
熱発生源から温度勾配が与えられた結果、熱電変換装置11に発生した起電力は、引き出し用ケーブル71、72から外部に取り出される。
熱電変換装置11は、引き出し用ケーブル71、72が接続されていない側を高温部分となるように熱発生源に実装することが好ましい。これは前述の図1の理由と同じである。
開示の熱電変換装置11によれば、従来のように、p型熱電変換材料からなるパターン隙間にn型熱電変換材料からなるパターンを形成する必要はなくなり、複雑なプロセスを必要としなくなる。また、基板の両面を利用してパターンを実装するため、基板へのパターン実装密度が従来よりも向上する。
以上のように、図9では第1の膜22、および、第2の膜23は、平行四辺形パターンである場合の一例を示したが、パターン形状はこの限りではない。実施例1では、第1の膜22と第2の膜23の長手方向が同じ方向についての例を記載したが、実施例2では、第1の膜22と第2の膜23の長手方向とが所定の角度を持って配置してもよい。ここで、所定の角度は、熱電変換装置の大きさなどの条件によって自由に選択することができる。
図9で、基板21の長手方向において、平行四辺形パターンの幅(平行四辺形の底辺)をaとし、パターンとパターンとの間隔をb、ビアホール導体径をdとして寸法関係を示す。
基板の一方に面に複数パターンを離間して並列に配置するためには、a<bの関係が必要である。
また、第1の膜22からなる平行四辺形パターンと第2の膜23からなる平行四辺形パターンとが重なるためには、b<2aの関係が必要である。以上より、パターン同士が離間し、かつ、パターン重なり領域を持つには、a<b<2aとする必要がある。
また、ビアホール導体54−0から54−2sの間隔はbとなる。
ビアホール導体同士が接触しないように、ビアホール導体の直径dは、a/2〜aであることが望ましい。
平行四辺形の高さ(基板幅方向における膜長さ)Lは、ビアホール導体の直径の2倍以上が好ましいため、2a≪Lが望ましい。2a>Lの場合は、ビアホール同士が接触してしまう可能性があり、熱電変換装置として機能しなくなる。
図10は、ビアホール導体を使用しない場合の、その他の導体の例を示した斜視図である。31、32、は導体である。
図10に示すように、基板(図示していない)外周に沿って、導線31、32で、第1の膜22と第2の膜23との端部が電気的に接続された例である。ビアホール導体に比べて、製造工程が簡素であり、安価である。
実施例1、2において、ビアホール導体を用いる場合について記載したが、これに限るものではない。
上記パターン、ビアホール導体の寸法形状、材料の選択は、使用環境、必要とする起電力に応じて設計者が任意に選択するものであり、これに限るものではない。
以上本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
さらに、開示の熱電変換装置は、様々な用途に応用することができる。たとえば、開示の熱電変換装置は、引き出し用ケーブル間に電圧を印加すれば、ペルチェ効果により、引き出し用ケーブルが接続されていない側は、引き出し用ケーブルが接続された側に比べて、相対的に低温になる。そのため、このようにペルチェ効果を利用すれば、引き出し用ケーブルが接続されていない側を、冷却または温度調整に用いることができる。
(付記1)
基板と、
p型熱電変換材料からなる第1の膜と、
n型熱電変換材料からなる第2の膜とを有し、
前記基板の一方の面に配置された前記第1の膜と、前記基板の他方の面に配置された前記第2の膜とが電気的に直列接続されている
ことを特徴とする熱電変換装置。(1)
(付記2)
前記第1の膜および前記第2の膜が、並列に複数配置されており、 前記第1の膜と前記第2の膜とが交互に、電気的に直接接続されている
ことを特徴とする付記1に記載の熱電変換装置。(2)
(付記3)
前記第1の膜と前記第2の膜とが、前記基板を介して、少なくとも一部が重なっている
ことを特徴とする付記1または2のいずれか1項に記載の熱電変換装置。(3)
(付記4)
前記第1の膜と前記第2の膜とが、長手方向を持つパターン形状であり、 前記第1の膜の長手方向と前記第2の膜の長手方向とが、所定の角度を有する
ことを特徴とする付記1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換装置。(4)
(付記5)
前記第1の膜と前記第2の膜とが、前記基板を貫通するビアホール導体を介して電気的に接続されている
ことを特徴とする付記1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換装置。(5)
(付記6)
前記第1の膜、および、第2の膜が、Rをアルカリ土類、または、アルカリ金属として、
R−Co、R−Mn、R−Tiなどのペロブスカイト型酸化物からなる
ことを特徴とする付記1〜5のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
(付記7)
前記第1の膜はp型半導体材料からなり、前記第2の膜はn型半導体材料からなる
ことを特徴とする付記1〜6のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
(付記8)
前記基板が、部分安定ジルコニア、安定化ジルコニア、ノンドープシリコン、ガラスのいずれかからなる
ことを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
(付記9)
前記ビアホール導体が、金属電気導体材料、p型半導体材料、n型半導体材料のいずれかからなる
ことを特徴とする付記5〜8のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
(付記10)
前記熱電変換装置の一方の面端部に断熱材を配置する
ことを特徴とする付記1〜9のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
(付記11)
400℃以上の熱発生源に対して、貼り付けて使用する
ことを特徴とする付記1〜10のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
(付記12)
基板の一方の面にp型熱電変換材料からなる第1の膜のパターンを形成する工程と、
前記基板の他方の面にn型熱電変換材料からなる第2の膜のパターンを形成する工程とを有し、
前記第1の膜のパターンと前記第2の膜のパターンとが電気的に直列接続されている
ことを特徴とする熱電変換装置の製造方法。(6)
1 基板
2 熱電変換装置
3 p型熱電変換素子
4 n型熱電変換素子
5 電極
6,7 入出力電極
10、11 熱電変換装置
21 ビアホール導体付き基板
22 第1の膜
22−1、22−2・・・、22−s 第1の膜22からなる矩形パターン
23 第2の膜
23−1、23−2・・・、23−s 第2の膜23からなる矩形パターン
24 ビアホール導体
24−0、24−1・・・、24−2s ビアホール導体
30 開示の熱電変換装置
31、32 導体
43、44 絶縁層
52−1、52−2・・・、52−s 第1の膜22からなる平行四辺形パターン
53−1、53−2・・・、53−s 第2の膜23からなる平行四辺形パターン
54−0、54−1・・・、54−2s ビアホール導体
71,72 引き出し用ケーブル
81 管状熱発生源
82 断熱材
102 ヒートシンク
103 サーマルインターフェース
104 パッケージされた半導体素子
105 プリント基板
106 開示の熱電変換装置30とプリント基板105とを固定する固定板
201 セラミックグリーンシート
202 ビアホール
203 導体ペースト
204 ビアホール導体
300 第1の膜22矩形パターン用マスキング治具
301 第2の膜23矩形パターン用マスキング治具
302 マスク成膜された第1の膜22からなる矩形パターン
303 マスク成膜された第2の膜23からなる矩形パターン
310 保護膜
401 保護シート

Claims (6)

  1. 基板と、
    p型熱電変換材料からなる第1の膜と、
    n型熱電変換材料からなる第2の膜と
    を有し、
    前記基板の一方の面に配置された前記第1の膜と、
    前記基板の他方の面に配置された前記第2の膜とが電気的に直列接続されている
    ことを特徴とする熱電変換装置。
  2. 前記第1の膜および前記第2の膜が、並列に複数配置されており、前記第1の膜と前記第2の膜とが、交互に電気的に直接接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の熱電変換装置。
  3. 前記第1の膜と前記第2の膜とが、前記基板を介して、少なくとも一部が重なっている
    ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  4. 前記第1の膜と前記第2の膜とが、長手方向を持つパターン形状であり、前記第1の膜の長手方向と前記第2の膜の長手方向とが所定の角度を有する
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  5. 前記第1の膜と前記第2の膜とが、前記基板を貫通するビアホール導体を介して電気的に直列接続されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱電変換装置。
  6. 基板の一方の面にp型熱電変換材料からなる第1の膜のパターンを形成する工程と、
    前記基板の他方の面にn型熱電変換材料からなる第2の膜のパターンを形成する工程とを有し、
    前記第1の膜のパターンと前記第2の膜のパターンとが電気的に直列接続されている
    ことを特徴とする熱電変換装置の製造方法。
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