JP2011192592A - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】外装ケースに対して外部から力が加わった場合においても、内部に収納されたコアパックがダメージを受け難く、高い安全性能を有する電池パックを提供する。
【解決手段】電池パックは、上ケース部材10と下ケース部材20とが、互いの開口部同士を向かい合わせに嵌合することにより、外装ケースを構成している。外装ケース内には、複数の素電池49,・・を含むコアパックが収納されている。そして、電池パックでは、下ケース部材20において、その内底面上に、外側壁22に沿った状態でその内側に内壁26が設けられている。内壁26には、外側壁22に対して斜め方向に延設され、コアパックから離間した離間部分26aと、コアパックに対して面接触している部分26bとの2つの部分を以って構成されている。離間部分26aは、下ケース部材20のコーナー部分を起点として設けられている。
【選択図】図6

Description

本発明は、電池パックに関し、特に、外装ケースにおける内部構造に関する。
電池パックは、例えば、ノートブック型パーソナルコンピュータ(ノートパソコン)や電動工具、さらには、電動自動車や電動アシスト自転車など多くの機器の電源として用いられている。
図14に示すように、例えば、ノートパソコン用の電池パックでは、上ケース部材910と下ケース部材920との係合により外装ケースが構成され、その内部に素電池および基板などからなるコアパックが収納された構成を有する。そして、電池パックは、ノートパソコン本体に対して、矢印Nの方向に挿入され、一部9aがノートパソコン本体内に収納され、残りの部分9bがノートパソコン本体から外部に突出した状態となる。なお、電池パックとノートパソコン本体との電気的な接続は、コネクタ951を介してなされる。
ところで、電池パックは、落下の際などに外部に突出したコーナー部分が接地した場合などには、局所的に大きな力(衝撃力)Fが加わる。このとき、内部に収納されたコアパック、特に素電池が変形しないようにすることが安全面から重要となる。
力Fが外装ケースのコーナー部分に加わった場合にも、内部に収納されたコアパック(特に、素電池)の保護を図るために、例えば、図15に示すように、下ケース部材920における外側壁922に沿ってその内側に形成される内壁926について、コーナー部分から一定の長さ部分をコアパック(図15では、素電池949およびリード板955)から離間させるようにしている(離間部分)。そして、コーナー部分から一定の長さ離間した部分では、コアパックの素電池に対して接触するようにしている(接触部分)。
このような構成をとることによって、従来の電池パックでは、内壁926によりコアパックの保持を図りながら、コーナー部分から加わる力Fによって素電池949を始めとするコアパックが受けるダメージを軽減しようとされている。即ち、外装ケースのコーナー部分に対応して、内壁926とコアパックとが離間した緩衝領域(バンパーエリア)を設けることにより、コーナー部分に局所的に加わった力Fによるコアパックの素電池等が受けるダメージを軽減することができるとされている。
特開2009−224072号公報
しかしながら、図15に示すように、従来の電池パックでは、内壁926における離間部分から直交する状態で、1または複数のリブ926a,926bが設けられており、各先端が、コアパックにおける素電池949あるいはリード板955に点(あるいは線)接触している(矢印Pで指し示す部分)ので、外装ケースのコーナー部分に対して外部から加わった衝撃力Fは、リブ923a,926bを介して、その先端からコアパックに対して局部的に直接伝達される。
よって、図15に示す従来の電池パックでは、コアパックにおけるリブ926a,926bの先端に当接している部分が大きなダメージを受ける。
本発明は、上記問題の解決を図るべくなされたものであって、外装ケースに対して外部から力が加わった場合においても、内部に収納されたコアパックがダメージを受け難く、高い安全性能を有する電池パックを提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、次の構成を採用する。
本発明に係る電池パックは、ともに皿状をし、互いの開口部同士を向かい合わせに組み合わされることにより、外装ケースを構成する第1ケース部材および第2ケース部材と、1または複数の素電池を含み、外装ケース内に収納されるコアパックとを備える。そして、本発明に係る電池パックでは、第1ケース部材において、その内底面上に、側壁の一部に沿った状態でその内側に内壁が立設されており、第1ケース部材の内壁が、その延在方向において、コアパックに対して離間した離間部分と、離間部分に連続し、コアパックに対して面接触する面接触部分との2つの部分を以って構成されている。
さらに、本発明に係る電池パックでは、第1ケース部材における内壁の離間部分が、第1ケース部材を平面視する場合のコーナー部分を起点として設けられている。
本発明に係る電池パックでは、第1ケース部材の内壁において、コアパックに対して離間した位置に配された離間部分を有する。この離間部分は、第1ケース部材におけるコーナー部分に設けられているので、コーナー部分から加わった力に対して、当該離間部分とコアパックとの間の空間が、外部から加わる衝撃力等に対する緩衝領域(バンパーエリア)として機能する。これより、本発明に係る電池パックでは、外装ケースのコーナー部分に対して外部から加わった力が、コアパック(素電池や基板)に直接伝達されることを防止できる。
また、本発明に係る電池パックでは、内壁が上記離間部分と面接触部分との2つの部分を以って構成されている。即ち、本発明に係る電池パックでは、第1ケース部材において、図15の矢印Pで指し示すような点接触あるいは線接触でコアパックに当接する部分が存在しない。よって、外装ケースのコーナー部分に対して外部から力が加わった場合においても、その力が第1ケース部材の内壁を介して局所的にコアパック(特に、素電池)に対して伝達されることがない。
以上より、本発明に係る電池パックは、外装ケースに対して外部から力が加わった場合においても、内部に収納されたコアパックがダメージを受け難く、高い安全性能を有する。
本発明に係る電池パックでは、例えば、次のようなバリエーションを採用することができる。
本発明に係る電池パックは、上記構成において、内壁における離間部分が、当該部分に対応する側壁に対して、第1ケース部材におけるコーナー部分の起点から斜め方向に延設されており、内壁の面接触部分に対して斜め方向に突き合わされた状態で連続するという構成を採用することができる。
上記のように、内壁における離間部分が側壁に対して斜め方向に延設されているという構成を採用する場合には、外装ケースのコーナー部分に対して外側から加わった力が、内壁を介してコアパックに伝達される場合に、面接触部分との突き合わせ部分で力の分散が図られる。これより、コアパックに対して局所的に大きな力が加わることが防止される。よって、上記構成を採用する場合には、さらに高い安全性を確保することができる。
本発明に係る電池パックは、上記構成において、第1ケース部材のコーナー部分を起点として、上記離間部分とは異なる方向において、内壁が切り欠かれた領域が存在するという構成を採用することができる。
上記のように、内壁が切り欠かれた領域を設ける場合には、当該切り欠かれた領域が、コアパックに対し力が直接加わるのを抑制する機能を発揮する。特に、上記のように、内壁が切り欠かれた領域を、第1ケース部材のコーナー部分を起点とする箇所に設けられている場合には、コーナー部分に対して外部から加わった衝撃力が、直接コアパックに伝達されず、コアパックの保護という観点から好ましい。
本発明に係る電池パックは、上記構成において、第1ケース部材における内壁と、第2ケース部材における側壁との、一方に係止爪が設けられ、他方にそれと係合する係止孔または係止凹部が設けられており、第1ケース部材と前記第2ケース部材とが、係止爪と係止孔または係止凹部との係止により、互いに係合されており、第1ケース部材には、その側壁における係止に係る箇所よりも開口縁に近い部分に、当該部分に嵌入される第2ケース部材の該当部分の切断に供する切除工具を案内するためのスリットが設けられているという構成を採用することができる。
使用済みの電池パックについては、安全面および環境面などから、積極的にリサイクルされることが望ましい。そして、上記のように、第1ケース部材の上記箇所にスリットを設けておく場合には、予め切除工具を侵入させる位置が明確となっているので、解体時における安全性を確保することができる。即ち、解体作業をする際、内部に収納されたコアパックなどに対して傷を付けたりすることを未然防止できる。そして、第1ケース部材と第2ケース部材の係合部分を、該当電池パックに設計図などを確認しなくても、第1ケース部材と第2ケース部材との係合を確実に解除することができる。
本発明に係る電池パックは、上記構成において、第1ケース部材および第2ケース部材が、ともに樹脂材料を用い形成されているという構成を採用することができる。
本発明に係る電池パックは、上記構成において、機器への装着時において、外装ケースの一部が機器の外部へと突出し、第1ケース部材の内壁における離間部分の起点となるコーナー部分が、機器の外部へと突出する部分に存在するという構成を採用することができる。このように、外装ケースにおける外部突出部分に上記コーナー部分が存在する場合には、当該コーナー部分に対して外部から加わる力に対して、本発明の構成が特に有効である。
本発明に係る電池パックは、上記構成において、コアパックが、内壁により外装ケース内での保持がなされているという構成を採用することができる。
実施の形態に係る電池パック1の外観構成を示す模式斜視図である。 電池パック1における内部の概略構成を示す模式展開斜視図である。 電池パック1に内蔵されているコアパック40の構成を示す模式斜視図(一部、模式展開斜視図)である。 電池パック1における上ケース部材10の構成を示す模式斜視図である。 電池パック1における下ケース部材20の構成を示す模式斜視図である。 下ケース部材20と素電池49との相互の位置関係を示す模式平面図である。 下ケース部材20と素電池49との相互の位置関係を示す模式断面図である。 下ケース部材20と素電池49との相互の位置関係を示す模式斜視図である。 変形例1に係る電池パックにおける下ケース部材120との相互の位置関係を示す模式平面図である。 変形例2に係る電池パックにおける下ケース部材220の構成を示す模式斜視図である。 (a)は、変形例2に係る電池パックの使用中における状態を示す模式断面図であり、(b)は、変形例2に係る電池パックを分解する途中の状態を示す模式断面図である。 (a)は、変形例3に係る電池パックにおける下ケース部材320が備える嵌入受け部325の構成を示す模式斜視図であり、(b)は、下ケース部材320における嵌入受け部325の構成を示す模式平面図である。 (a)は、比較例に係る下ケース部材820が備える嵌入受け部825の構成を示す模式斜視図であり、(b)は、下ケース部材820における嵌入受け部825の構成を示す模式断面図である。 従来技術に係る電池パックの外観構成を示す斜視図である。 従来技術に係る電池パックにおける下ケース部材920と素電池949との相互の位置関係を示す平面図である。
以下では、本発明を実施するための形態およびその変形例について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で示す具体例は、本発明の構成およびその構成から奏される作用・効果を分かりやすく説明するために用いる一例であって、本発明は、特徴とする主要な構成部分以外について、以下の具体例に何ら限定を受けるものではない。
[実施の形態]
実施の形態では、ノートパソコン用の電池パック1を一例として構成上の特徴およびこれから奏される作用・効果について説明する。
1.外観構成
実施の形態に係る電池パック1の外観構成について、図1を用い説明する。
図1に示すように、電池パック1では、上ケース部材10と下ケース部材20との組み合わせを以って外装ケースが構成されている。そして、上ケース部材10の天面(Z軸方向上側の外底面)には、ラベル30が貼付されている。ラベル30には、例えば、ユーザに対する使用上の注意や、リサイクル時の注意などが記載されている。
電池パック1は、ノートパソコンに対して、矢印Aの方向(X軸方向手前側)に向けて挿入され、一部1aがノートパソコン内に収納され、残りの部分1bがノートパソコンから突出した状態となる。なお、電池パック1は、ノートパソコンとの間において、コネクタ51を介して電気的な接続が図られる。
2.内部の概略構成
電池パック1における内部の概略構成について、図2を用い説明する。
図2に示すように、パック電池1は、上ケース部材10と下ケース部材20とが互いの開口部同士を向い合せにした状態で嵌合され、これにより形成される内部空間にコアパック40が収納された構成となっている。コアパック40には、上記コネクタ51も構成要素として含まれている。
また、上ケース部材10の外底面(Z軸方向上側の面)には、上記のように、ラベル30が添付されている。
3.コアパック40の構成
電池パック1が備えるコアパック40の構成について、図3を用い説明する。
図3に示すように、コアパック40は、9本の素電池41〜49を構成要素として含んでいる。9本の素電池41〜49は、ともに円筒型の外観形状を有し、互いに同一サイズとなっている。また、9本の素電池41〜49は、例えば、リチウムイオン二次電池であって、外装が金属材料で構成されている。
9本の素電池41〜49は、互いの間がリード板52〜55およびリード線57,58などで接続されており、温度ヒューズ56も接続されている。
コアパック40には、素電池41〜49の他に、コネクタ51が実装された基板50も構成要素として含まれている。図3では図示を省略しているが、基板50には、コネクタ50とともに、充放電制御用のICやFET素子など電子部品も実装されている。
4.上ケース部材10および下ケース部材20の構成
電池パック1の外装ケースを構成する上ケース部材10と下ケース部材20の各構成について、図4および図5を用い説明する。
先ず、図4に示すように、上ケース部材10は、全体として皿状をしており、4つの側壁11〜14を備えている。側壁11〜14には、その内壁面側に、下ケース部材20との係合に用いられる複数のフック11a,12a,・・が設けられている。上ケース部材10における側壁11〜14は、底壁内面からZ軸方向に立設されており、複数のフック11a,12a,・・の各々は、X軸方向あるいはY軸方向の各内側を向くように形成されている。
次に、図5に示すように、下ケース部材20も、全体として皿状をしており、4つの外側壁21〜24を備える。下ケース部材20の底壁内面からは、4つの外側壁21〜24のそれぞれに沿うように、内壁25〜28がZ軸方向に立設されている。外側壁21,22,24と対応する内壁25,26,28との間には、上ケース部材10の側壁11,12,14の板厚に相当するスペースがあけられている。また、外側壁23と内壁27との間には、コアパック40における基板50を収納するためのスペースもあけられている。
下ケース部材20の内壁25〜28には、上ケース部材10における側壁11〜14に設けられたフック11a,12a,・・に各々対応する箇所に、孔25a,・・があけられている。
上ケース部材10と下ケース部材20とは、上ケース部材10における側壁11〜14が、下ケース部材20における外側壁21〜24と内壁25〜28の各間に設けられたスペースに嵌入され、上ケース部材10の側壁11〜14に設けられたフック11a,12a,・・が、下ケース部材20の内壁25〜28に開けられた孔25a,・・に係止されることにより、上ケース部材10と下ケース部材20とが係合する。
5.下ケース部材20における内壁25,26,28の構成
下ケース部材20における内壁25,26,28の構成について、内壁25,26を例として、図6から図8を用い説明する。なお、図6から図8は、図5における矢印Bで指し示す部分を模式的に拡大した図、あるいは、その模式的な断面図である。矢印Bで指し示す部分は、電池パック1をノートパソコンに装着した際に外部へ突出する部分1bのコーナー部分(図1を参照)に相当する部分である。
先ず、図6に示すように、下ケース部材20における内壁26は、コアパック40の素電池49などに対し、スペース20aをあけた状態で離間する離間部分26aと、コアパック40におけるリード板55に面接触する面接触部分26bとから構成されている。離間部分26aは、下ケース部材20のコーナー部分を起点とし、X軸方向に向けた一部領域に設けられている。離間部分26aは、これに対応する外側壁22に対して並行するのではなく、コーナー部分を起点としてX軸(外側壁22の延設方向)に対して斜め方向に延設されている。
図6に示すように、内壁26における離間部分26aは、X軸方向の上側から下側に行くに従って、外側壁22から離れるように斜め方向に延設されている。即ち、内壁26における離間部分26aは、下ケース部材20のコーナー部分で最も外側壁22に接近し、面接触部分26bとの突き合わせ部分に向けて、外側壁22から離れるように形成されている。そして、離間部分26aと面接触部分26bとは、X軸およびY軸の両軸に対して斜め方向となるように突き合わされている。
内壁26における離間部分26aとコアパック40における素電池49との間のスペース20aは、下ケース部材20の突出部のコーナー部分に対して外部から加わる衝撃力(図6に示す矢印F)に対して、コアパック40との間での緩衝領域(バンパーエリア)としての役割を果たす。
なお、下ケース部材20は、樹脂材料から構成され、外側壁21〜24および内壁25〜28と、底壁などが一体に形成されている。
次に、図7に示すように、電池パック1においては、コアパック40における素電池49などが、下ケース部材20における内壁26の面接触部分26b(図6を参照)の面接触により(矢印Dで指し示す部分)、内部での動きが規制された状態で保持がなされている。具体的には、コアパック40における素電池49は、リード板55を介して内壁26の面接触を受け、Y軸方向右側への動きが規制されている。同様に、下ケース部材20の内壁25、27,28との面接触を受けて、コアパック40の動きが規制されている。
なお、図7に示すように、上ケース部材10とコアパック40との間には、下ケース部材20の内壁25〜28の板厚に相当するスペースがあけられており、上ケース部材10における側壁11〜14とコアパック40とが直接接触することはない。
図6に戻って、下ケース部材20におけるY軸方向に延設された内壁25については、その大部分において、素電池49,・・の外周面に接触し、コアパック40の動きを規制する働きをする。ただし、下ケース部材20のコーナー部分に相当する領域については、内壁25の一部が切り欠かれている。具体的には、図8に示すように、内壁25は、コーナー部分を起点とする一部領域が切り欠かれている(矢印Eで指し示す部分)。この部分においては、コアパック40における素電池49は、内壁25に接触することはなく、側壁21との間に構成されるスペースが衝撃に対する緩衝領域(バンパーエリア)の役割を果たす。
6.優位性
本実施の形態に係る電池パック1では、下ケース部材20の内壁26が、コアパック40の素電池49などから離間した位置に配された離間部分26aと、面接触する面接触部分26bとの2つの部分を以って構成されている。この内、内壁26の離間部分26aは、下ケース部材20におけるコーナー部分を起点として設けられ、面接触部分26bに連続しているので、コーナー部分に対して外部から加わった衝撃力Fに対して、当該離間部分26aとコアパック40の素電池49などとの間のスペース20aが、衝撃力Fに対する緩衝領域(バンパーエリア)として機能する。これより、本実施の形態に係る電池パック1では、コーナー部分に対して外部から加わる衝撃力Fに対し、緩衝領域の存在によりコアパック40(素電池49,・・や基板50)に直接伝達されることを防止できる。
また、電池パック1では、下ケース部材20における内壁26が離間部分26aと面接触部分26bとの2つの部分を以って構成されているので、図15の矢印Pで指し示すような点接触あるいは線接触でコアパックに当接する部分が存在しない。よって、下ケース部材のコーナー部分に外部から衝撃力Fが加わった場合にあっても、当該衝撃力Fが下ケース部材20の内壁26を介して局所的にコアパック40(特に、素電池49,・・)に対して伝達されることがない。
また、図7に示すように、電池パック1では、上ケース部材10の側壁11〜14は直接コアパック40に接触しておらず、上ケース部材10のコーナー部分に対して外部から加わった衝撃力が、内部のコアパック40に直接で影響を与えることはない。
また、電池パック1では、下ケース部材20における内壁26の離間部分26aが、当該部分26aに対応する側壁22に対して、下ケース部材20におけるコーナー部分の起点から斜め方向に延設されており、内壁26の面接触部分26bに対して斜め方向に突き合わされた状態で連続するという構成を採用している。このように、内壁26における離間部分26aが側壁22に対して斜め方向に延設されているという構成を採用する本実施の形態に係る電池パック1では、下ケース部材20のコーナー部分に対し外側から加わった衝撃力Fが、内壁26を介してコアパック40の素電池49などに伝達される場合に、面接触部分26bとの突き合わせ部分で力の分散が図られる。これより、コアパック40の素電池49などに対して局所的に力が加わることが防止される。よって、上記構成を採用する場合には、高い安全性を確保することができる。
電池パック1では、図8などに示すように、下ケース部材25におけるコーナー部分を起点とする一部が、切り欠かれているので(図8における矢印Eで指し示す部分)、当該切り欠かれた領域が、コアパック40の素電池49,・・などに対し力が直接伝達されるのを抑制する役割を果たす。即ち、当該切り欠かれたことによって構成されるスペースも、コーナー部分に対して外部から加わる衝撃力Fとの関係で、緩衝領域となる。
以上より、本実施の形態に係る電池パック1は、外装ケース(上ケース部材10、下ケース部材20)に対して外部から衝撃力Fが加わった場合においても、内部に収納されたコアパック40の素電池41〜49および基板50などがダメージを受け難く、高い安全性能を有する。
[変形例1]
変形例1に係る電池パック2について、図9を用い説明する。なお、以下では、上記実施の形態に係る電池パック1との差異のみを説明するものとし、それ以外の構成については、上記実施の形態に係る電池パック1と同様の構成を備えるものである。
図9に示すように、本変形例に係る電池パック2では、下ケース部材120における内壁126において、コーナー部分を起点としてコアパックの素電池49などとの間にスペース(矢印Gで指し示す部分)をあけた離間部分を有し、また、コアパックのリード板55に対して面接触する面接触部分126bを有するということについては、上記同様である。
しかし、本変形例に係る電池パック2の下ケース部材120では、離間部分が対応する外側壁122の延設方向(X軸方向)に対して並行している。このため、離間部分における面接触部分126bが、略直交方向に突き合わせられることになる(部分126a)。このため、下ケース部材120のコーナー部分に外部から加わった衝撃力に対して、上記実施の形態に係る電池パック1のような力の分散は図られない。このため、本変形例に係る電池パック2では、上記実施の形態に係る電池パック1に対しては、耐衝撃性という観点から若干不利となる。
但し、図15に示す従来技術に係る電池パックと比較する場合には、本変形例に係る電池パック2においても、下ケース部材120とコアパック(特に、素電池49)とが点接触あるいは線接触することはないので、その分だけ耐衝撃性という観点で効果を奏する。
[変形例2]
変形例2に係る電池パックの構成について、図10および図11を用い説明する。なお、以下においても、上記実施の形態に係る電池パック1との差異のみを説明するものとし、それ以外の構成については、上記実施の形態に係る電池パック1と同様の構成を備えるものである。
先ず、図10に示すように、下ケース部材220における外側壁221には、複数のスリット221aが形成されている。スリット221aは、並行して設けられている内壁225における孔225aがあけられた箇所に対応して設けられている。具体的には、本変形例においては、内壁225における3つの孔225aに対応し、Y軸方向において、それよりも広い領域をカバーするようにスリット221aが設けられている。スリット221aのサイズは、図10の二点鎖線で囲んだ部分に示すように、外側壁221の開口縁辺から高さHだけ下方の箇所で、高さHを以って形成され、また、幅Wに関しては、内壁225における3つの孔225aが設けられた短冊状部分の幅よりも両側にそれぞれ幅Wだけ広く形成されている。なお、高さHについては、例えば、0.3[mm]〜0.7[mm]程度の範囲(例えば、0.5[mm])とすることができ、また、幅Wについては、2[mm]〜6[mm]程度の範囲(例えば、4[mm])とすることができる。
次に、図11(a)に示すように、本変形例に係る電池パックでは、下ケース部材220の外側壁221のスリット221aの内側の少し下方には、上ケース部材210と下ケース部材220との係合に係るフック211aと孔225aとの係止構造があり、スリット221aは、リユース・リサイクル時におけるケース解体のための目印として設けられている。
具体的には、図11(b)に示すように、リユース・リサイクルを行う際には、回収した電池パックについて、上ケース部材210と下ケース部材220との係合を解除する必要があるが、本変形例に係る電池パックの場合には、下ケース部材220の外側壁221に設けられたスリット221aからカッタ500のカッタ刃501を差し込み、下ケース部材220の外側壁221について、部分221bと部分221cとに二分する。この際、上ケース部材210の外側壁211についても切断されることになり、上ケース部材210と下ケース部材220とを分離することができる。
本変形例に係る電池パックのように、下ケース部材220における外側壁221にリユース・リサイクルの際の解体作業のためのスリット221aを設けることとすれば、解体作業を行う作業者が解体作業部位を正確に認識することができ、高い作業効率を達成することができる。
また、図11(b)に示すように、カッタ500のカッタ刃501から一定の箇所に、ストッパ502を取り付けておくようにすれば、内部に収納された素電池49や基板や配線などを不用意に傷つけることがなく、作業における高い安全性を確保することができる。具体的には、上ケース部材210の外側壁211の板厚を厚みTとするとき、当該厚みTと同じか、それよりも少しだけ長いカッタ刃501の有効長さLとなるように、ストッパ502を取り付けておくことにより、内部の素電池49までカッタ刃501が到達するまでに、ストッパ502が下ケース部材220の外側壁221の外面221fに当接して止まることになる。
以上のように、本変形例に係る電池パックの構造を採用する場合には、下ケース部材220の外側壁221にスリット221aを設けることにより、リユース・リサイクルの際の上ケース部材210と下ケース部材220との係合解除を、高い安全性を確保し、且つ、高い作業効率を以って行うことができる。
[変形例3]
変形例3に係る電池パックの構成について、図12および図13を用い説明する。なお、以下においても、上記実施の形態に係る電池パック1との差異のみを説明するものとし、それ以外の構成については、上記実施の形態に係る電池パック1と同様の構成を備えるものである。
図12に示すように、本変形例に係る電池パックでは、下ケース部材320における外側壁321の係止に係る構造が、上記実施の形態に係る電池パック1と相違する。即ち、図5における矢印Cで指し示す部分の構造が相違し、それ以外の部分については上記実施の形態と同様である。
図12(a)に示すように、本変形例に係る電池パックでは、下ケース部材320の側壁321の内側の一部に、上ケース部材の外側壁に設けられたフックとの係止に用いられる嵌入受け部325がフックに対応して設けられている。嵌入受け部325は、X軸方向左下側からこれを見るとき、逆L字状をしており、また、図12(b)に示すように、Z軸方向上側からこれを見るとき、コの字状をしている。図12(a)に示すように、上ケース部材の外側壁のフックは、矢印Iの向きに、図12(b)における間隙325cに対して挿入される。
図12(a)に示すように、嵌入受け部325における下辺325aは、Y軸方向の左上から右下に向けて抜き勾配θが付けられている。この抜き勾配θは、下ケース部材320の作成時における金型を抜く際のためのものである。
図12(a)における矢印H、および図12(b)における矢印Jで指し示すように、本変形例に係る電池パックでは、嵌入受け部325におけるY軸方向右端部分に、機械的な補強のための三角リブ325bが設けられている点に特徴を有する。
図13(a)に示す比較例のように、三角リブを設けず、機械的な補強がなされていない嵌入受け部825においては、下辺825aの抜き勾配θに起因して、Y軸方向右端部分825bの板厚みを確保することができない(矢印Kで指し示す部分)。この部分を矢印Lの方向に見た図13(b)に示すように、比較例に係る嵌入受け部825のY軸方向右端部分825bの板厚Tが薄くならざるを得ず(図13(b)の矢印Mで指し示す部分)、電池パックの落下などにより外部から加わった衝撃力Fが外側壁821を伝達された場合において、Y軸方向右端部分825bが破壊されるおそれがあった。
Y軸方向右端部分825bが破壊された場合には、上ケース部材と下ケース部材820との係合が外れてしまうことも考えられ、問題を生ずる。
図12(a)および図12(b)に示すように、本変形例に係る電池パックでは、嵌入受け部325に三角リブ325bを設けているので、電池パックの落下などにより外部から加わった衝撃力Fが外側壁321を伝達された場合においても、嵌入受け部325が容易に破壊されることがない。よって、本変形例に係る電池パックでは、図13に示す比較例に係る電池パックに比べて、上ケース部材と下ケース部材320との間での高い係合力を確保することができる。
[その他の事項]
上記実施の形態および変形例1〜3は、本発明の特徴的な構成および作用・効果を説明するために用いた一例であって、本発明は、上記に限定されるものではない。例えば、図1から図5などに示すように、扁平型の直方体状の外観形状を有する電池パック1,2,・・を一例として採用したが、電池パックの外観形状はこれに限らず、Z軸方向の高さが高いもの、即ち、非扁平形状のものとしても、上記同様の効果を得ることができる。
また、図3に示すように、上記実施の形態および変形例1〜3では、素電池41〜49として円筒型の外観形状を有するリチウムイオン電池を採用し、コアパック40に9本の素電池41〜49を含むこととしたが、素電池の形態およびコアパックにおける素電池の構成本数などについては、これに限られない。例えば、素電池の外観形状については、角型であっても、ラミネート型電池のように扁平な形状のものとすることもできる。
電池の種類については、ニッケルカドミウム(Ni−Cd)電池やニッケル水素(Ni−MH)電池などのアルカリ電池とすることもでき、さらには、キャパシタなどを採用することも排除するものではない。
さらに、上記実施の形態および変形例1〜3では、下ケース部材20,120,220,に内壁25〜28,126,225を備える構成としたが、上ケース部材に内壁を備える構成とすることもできる。この場合においても、上記構成を採用することにより、同様の効果を得ることができる。
また、上ケース部材および下ケース部材の構成材料については、樹脂材料にかがらず、表面を絶縁処理などした金属材料を採用することも可能である。
本発明は、モバイル機器に装着して使用するに際し、外部から加わる衝撃力に対しても高い安全性が維持される電池パックを実現するのに有用である。
1,2.電池パック
10.上ケース部材
11〜14.側壁
20,120,220,320.下ケース部材
21〜24,122,221,321.外側壁
25〜28,126,225.内壁
30.ラベル
40.コアパック
41〜49.素電池
50.基板
51.コネクタ
52〜55.リード板
56.温度ヒューズ
57,58.リード線
325.嵌入受け部
500.カッタ
501.カッタ刃
502.ストッパ

Claims (7)

  1. ともに皿状をし、互いの開口部同士を向かい合わせに組み合わせることにより、外装ケースを構成する第1ケース部材および第2ケース部材と、
    1または複数の素電池を含み、前記外装ケース内に収納されるコアパックと、を備え、
    前記第1ケース部材には、その内底面上において、側壁の一部に沿った状態でその内側に内壁が立設されており、
    前記内壁は、その延在方向において、前記コアパックに対して離間した離間部分と、前記離間部分に連続し、前記コアパックに対して面接触する面接触部分との2つの部分を以って構成されており、
    前記離間部分は、前記第1ケース部材を平面視する場合のコーナー部分を起点として設けられている
    ことを特徴とする電池パック。
  2. 前記内壁における前記離間部分は、当該部分に対応する前記側壁に対して、前記起点から斜め方向に延設されており、前記面接触部分に対して斜め方向に突き合わされた状態で連続する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記コーナー部分を起点として、前記離間部分とは異なる方向において、前記内壁が切り欠かれた領域が存在する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電池パック。
  4. 前記第1ケース部材における前記内壁と、前記第2ケース部材における側壁には、一方に係止爪が設けられ、他方に前記係止爪と係合する係止孔または係止凹部が設けられており、
    前記第1ケース部材と前記第2ケース部材とは、前記係止爪と前記係止孔または前記係止凹部との係止により、互いに係合されており、
    前記第1ケース部材には、その側壁における前記係止に係る箇所よりも開口縁に近い部分に、当該部分に嵌入される前記第2ケース部材の該当部分の切断に供する切除工具を案内するためのスリットが設けられている
    ことを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の電池パック。
  5. 前記第1ケース部材および前記第2ケース部材は、ともに樹脂材料を用い形成されている
    ことを特徴とする請求項1から4の何れかに記載の電池パック。
  6. 機器への装着時において、前記外装ケースの一部は、前記機器の外部へと突出し、
    前記離間部分の起点となる前記コーナー部分は、前記機器の外部へと突出する部分に存在する
    ことを特徴とする請求項1から5の何れかに記載の電池パック。
  7. 前記コアパックは、前記内壁により前記外装ケース内での保持がなされている
    ことを特徴とする請求項1から6の何れかに記載の電池パック。
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