JP2011192559A - 電池缶及びアルカリ電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】鉄の溶出の原因となるニッケル層の割れを極力減らすことができるため耐漏液特性に優れ、重負荷放電性能にも優れた電池缶を提供すること。
【解決手段】本発明の電池缶21は、鋼板92の一方面に鉄−ニッケル拡散層91を形成した基材M1を一方面が内側になるようにして深絞り加工を行い有底筒状に成形したものである。鉄−ニッケル拡散層91をその厚さ方向にグロー放電分光測定したときにニッケル測定強度が最大を示す深さ位置において、ニッケル測定強度の最大値に対する鉄測定強度の比を、鉄/ニッケル比率と定義する。鉄/ニッケル比率が0.01以上0.1以下となるように、鉄−ニッケル拡散層91を形成する。鉄−ニッケル拡散層91の厚さは0.5μm以上1.2μm以下であることが好ましく、この場合に重負荷放電性能がよりいっそう向上する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電池缶及びアルカリ電池に係り、特にはニッケルを主体とする層を内面側に有する有底筒状の電池缶に関するものである。
近年、重負荷放電用途の機器(例えばデジタル・スチル・カメラなどの電子デバイス)の増加や、これら機器の性能保障の長期化に伴い、高容量でかつ耐漏液特性性の高いアルカリ電池に対する需要が増えつつある。
アルカリ電池に代表される電池の場合、発電要素を密閉封止状態で収容するために金属製の正極缶が使用されている。例えばLR形のアルカリ電池では、有底円筒状の正極缶に筒状または環状の正極合剤を圧入状態で装填し、この正極合剤の内側に筒状セパレータ及びゲル状負極を装填することにより、発電要素が形成される。この場合、正極缶は正極端子及び正極集電体を兼ねたものとなる。
ところで、一般的なアルカリ電池の正極缶は電池缶用めっき鋼鈑の多段深絞りプレス加工により製造されるが、錆の発生を防ぐことを目的として、NPS(Nickel Plated Steel)と呼ばれるニッケルめっき鋼板がよく用いられている。また近年においては、さらなる高容量化、耐漏液特性の向上、重負荷放電の向上などを達成するべくNPSの改良が進められており、改良されたNPSを用いた電池缶も従来提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2008−41527号公報
ところが、従来における電池缶では、鋼板の内面側表層に1.0μm〜2.0μm程度のニッケル層(詳しくはニッケルめっきを主体とする鉄−ニッケル拡散層)を形成するのみの仕様となっていたため、電池缶作製時の深絞り加工の際にそのニッケル層に割れ、亀裂、剥離等が生じやすい。ゆえに、電池缶内面側における鉄の露出面積が増加しやすいという欠点がある。従って、電池とした状態で長期間保存すると、電池缶から鉄が溶出する結果、負極材料である亜鉛の腐食が進行し、電池内にて水素ガスを発生させる原因となる。そして、この場合には電池内圧が高まり、漏液発生に至る可能性がある。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、鉄の溶出の原因となるニッケル層の割れ等を極力減らすことができるため耐漏液特性に優れるとともに、重負荷放電性能にも優れた電池缶及びアルカリ電池を提供することにある。
上記課題を解決するための手段を以下に列挙する。
[1]鋼板の一方面に鉄−ニッケル拡散層を形成した基材を前記一方面が内側になるようにして深絞り加工を行い有底筒状に成形した電池缶であって、前記鉄−ニッケル拡散層をその厚さ方向にグロー放電分光測定したときにニッケル測定強度が最大を示す深さ位置において、ニッケル測定強度の最大値に対する鉄測定強度の比である鉄/ニッケル比率が0.01以上0.1以下となるように、前記鉄−ニッケル拡散層が形成されてなることを特徴とする電池缶。
従って、上記手段1に記載の発明によれば、鉄−ニッケル拡散層の鉄/ニッケル比率を0.01以上0.1以下という値に設定している。そのため、缶内面側表層部における鉄−ニッケル拡散層に鉄が存在しているとは言うものの、その鉄は極微量であってしかも合金化している。そして、合金化した鉄はイオン化しにくいことから、容易に溶出しないという利点がある。また、鉄が拡散していないニッケル層と比較して、鉄−ニッケル拡散層は軟らかいため、電池缶製造過程を経ても、割れ、亀裂、剥離等が起こりにくい。また、鉄−ニッケル拡散層の表層部で発生した亀裂は、その殆どが層内にて止まり、鋼板までは達しない。以上のことから、上記仕様の電池缶を用いれば、電池缶からの鉄の溶出を効果的に防止することができる。よって、耐漏液特性や重負荷放電性能を向上することができる。
[2]前記鉄−ニッケル拡散層の厚さは、0.5μm以上1.2μm以下であることを特徴とする手段1に記載の電池缶。
鉄−ニッケル拡散層の鉄/ニッケル比率が高いほど、鉄単体あるいはニッケル単体に比べて電気抵抗値が高くなり、また、合金比率の高い箇所が厚くなるほど、放電性能が悪化することが知られている。従って、上記手段2に記載の発明のように、鉄−ニッケル拡散層の厚さを0.5μm以上1.2μm以下という範囲に設定することで、鉄−ニッケル拡散層を有しない従来のものと同等の放電性能を維持することができる。
[3]前記鉄−ニッケル拡散層の表面に、厚さが0.1μm以上0.5μm以下の無光沢ニッケルめっき層を有することを特徴とする手段2に記載の電池缶。
従って、上記手段3に記載の発明の場合、鉄−ニッケル拡散層に割れ等が発生しにくい一方で、その表面にある無光沢ニッケルめっき層には電池缶製造過程にて割れ等が発生しやすく、電池缶内面側の表面を粗くすることができる。その結果、電池缶と正極材料との接触面積が増加し、電流が取り出しやすくなることから、さらなる重負荷放電性能の向上を達成することができる。
[4]前記鉄−ニッケル拡散層または前記無光沢ニッケルめっき層の表面粗さは、Ra0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする手段1乃至3のいずれか1項に記載の電池缶。
従って、上記手段4に記載の発明によれば、電池缶と正極材料との接触面積が確実に増加するため、電流を取り出しやすくすることができる。
[5]手段1乃至4のいずれか1項に記載の電池缶を用いたアルカリ電池。
以上詳述したように、請求項1乃至4に記載の発明によると、鉄の溶出の原因となるニッケル層の割れ等を極力減らすことができるため耐漏液特性に優れるとともに、重負荷放電性能にも優れた電池缶を提供することができる。また、請求項5に記載の発明によると、上記の優れた電池缶を用いているため耐漏液特性に優れるとともに重負荷放電性能にも優れたアルカリ電池を提供することができる。
本発明を具体化した一実施形態のアルカリ電池を示す縦断面図。 グロー放電発光分析による鉄/ニッケル比率を示すグラフであって、(a)は従来のもの、(b)は好適な鉄−ニッケル拡散層を有する本実施形態のもの、(c)は好適ではない鉄−ニッケル拡散層を有する比較例のものを示す。
以下、本発明を具体化した一実施の形態の筒型アルカリ電池11を図面に基づき詳細に説明する。
図1には、本実施形態におけるLR6形(単3形)のアルカリ電池11が示されている。アルカリ電池11を構成する正極缶21は、正極集電体を兼ねる有底円筒状の電池用金属部品である。正極缶21の底部中央には突起状の正極端子25が形成されている。このような正極缶21の筒部外周面には、絶縁性の付与及び意匠性の向上等のために外装ラベル23が巻き付けられている。
正極缶21の内部空間には、発電要素30(即ち、正極合剤31、セパレータ41及びゲル状負極51)が装填可能となっている。正極合剤31はリング状に成形されており、正極缶21の内部空間に複数個圧入して装填されている。その結果、正極缶21の内面に対して、正極合剤31の外周面が直接接触した状態となっている。発電要素の一部をなす正極合剤31は、二酸化マンガン及び黒鉛を主材として含み、ポリアクリル酸またはその塩類をバインダとして含んでいる。なお、ポリアクリル酸またはその塩類の含有量は、二酸化マンガンに対して0.4重量%以上1.5重量%以下という、好適範囲に設定されている。ゆえに、本実施形態の正極合剤31はある程度弾性を有したものとなっている。これら正極合剤31の内側には、有底円筒状のセパレータ41が挿入されている。セパレータ41は、例えば、ビニロン繊維やレーヨン繊維等といった複数種類の繊維を混抄してなる不織布を用いて構成されている。セパレータ41及び正極合剤51中には、水酸化カリウム水溶液等のようなアルカリ電解液が浸潤されている。セパレータ41の中空部にはゲル状負極51が充填されている。ゲル状負極51には、亜鉛、ゲル化剤及びアルカリ電解液が含有されている。ゲル化剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸及びその塩類、アルギン酸ソーダ、エーテル化デンプン等が好適である。
正極缶21の開口部の内面側には、複数の部品を組み付けてなる負極集電体60が装着されかつカシメ付けられ、その結果として正極缶21が気密に封口されている。この負極集電体60は、負極端子板61と、負極集電子71と、封口ガスケット81とによって構成されている。
封口ガスケット81は、例えばポリプロピレン樹脂などといったポリオレフィン系のような合成樹脂材料からなる射出成形部品である。ポリプロピレン樹脂の代わりにポリアミド樹脂等のようなアミド系樹脂を用いてもよい。この封口ガスケット81は中央部にボス部82を備えており、そのボス部82を貫通するボス孔内には負極集電子71が挿通可能となっている。
負極端子板61は、正極缶21とともにアルカリ電池11の外郭を構成する電池用金属部品であって、略円盤状に形成されている。この負極端子板61は、外側面に平坦な端子面が形成された中央平板部62を備えている。中央平板部62の内側面には、封口ガスケット81が装着されている。
負極集電子71は導電性金属からなる断面円形状の棒材であって、その先端部73は負極合剤51中に挿入配置されるようになっている。一方、負極集電子71の基端部72は、ボス部82のボス孔に挿通されるとともに、負極端子板61の中央平板部62の中央部に対してスポット溶接等により固着されている。その結果、負極端子板61の中央平板部62に対して垂直な方向に負極集電子71が延設されている。
以上のように構成された負極集電体60は、正極缶21の開口部22の内面側に装着されるとともに、開口部22側の端部がガスケット外周部分とともに径方向中心に向けて直角に折曲されている。その結果、負極集電体60が正極缶21の開口部に強固にかつ気密的に取り付けられている。
ところで、本実施形態の正極缶21は、鋼板92の一方面に鉄−ニッケル拡散層91を形成した基材M1を材料とし、これを一方面が内側になるようにして金型を用いて深絞り加工を行うことで、有底筒状に成形されている。なお、鉄−ニッケル拡散層91は内外両方の面にあってもよい。深絞り加工後の状態における鉄−ニッケル拡散層91の表面粗さは特に限定されないが、例えばRa0.1μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
本実施形態にて用いる鋼板92は、鉄を高純度で含有しており、具体的には鉄純度が98%以上であることが好ましい。鉄以外の成分としては、例えば、炭素、けい素、コバルト、マンガン、窒素、リン、アルミニウム、ニッケル、クロム等が微量に含まれていてもよい。
本実施形態の正極缶21の作製手順について述べると、まず、鋼板92における一方側面に厚さ0.1μm〜1.0μm程度のニッケルめっき層を形成し、いわゆるニッケルめっき鋼板とする。次いで、このニッケルめっき鋼板に対して、450℃〜700℃で0.1時間〜15時間程度の熱処理を施すことにより、鉄層中にニッケルを拡散させて鉄−ニッケル拡散層91を形成する。なお、鉄−ニッケル拡散層91の厚さは0.5μm以上1.2μm以下であることが好ましく、本実施形態ではその範囲内にて当該厚さを設定するようにしている。その理由は、当該厚さが0.5μm未満になると従来のものに比べて漏液発生率が高くなるからであり、当該厚さが1.2μm超になると重負荷放電パルス性能が従来のものに比べて低下するからである。
ここで、鉄−ニッケル拡散層91の厚さは、例えばグロー放電発光分析による測定により得ることができ、具体的には従来公知のグロー放電発光分析装置(例えばリガク社製:GDA750)を用いた測定により得ることができる。グロー放電発光分析では、鉄−ニッケル拡散層91が形成された鋼板92の表面をグロー放電で生成したアルゴンイオンによりスパッタリングし、飛散した鉄−ニッケル拡散層91の成分元素をスペクトル分析する。その結果、鉄−ニッケル拡散層91が形成された鋼板92の厚さ方向に存在する元素の分布状態を検出することができる。ちなみに、鉄−ニッケル拡散層91の厚さとは、鉄の最大GDS強度×10%の深さから、ニッケルの最大GDS強度×10%までの間の厚さのことを指している。
図2(a)〜(c)は、グロー放電発光分析による鉄/ニッケル比率を示すグラフであり、縦軸がGDS強度を示し、横軸が深さ位置を示している。そして図2(a)に示す従来技術の基材M1(現行品)の場合、ニッケル測定強度(GDS強度)が最大を示す深さ位置において、ニッケル測定強度の最大値(Niの強度ピーク)に対する鉄測定強度(GDS強度)の比である「鉄/ニッケル比率」が、0となっている。即ち、図2(a)のものは、鉄−ニッケル拡散層を備えておらず、単なるニッケルめっき層のみを備えている。また、図2(c)のものは、あまり好適ではない比較例を示している。また、ニッケルの強度ピークの深さ位置における鉄のGDS強度測定値はかなり大きく、それゆえ「鉄/ニッケル比率」が0.5程度となっている。ちなみに、「鉄/ニッケル比率」が0.1超になると、従来のものに比べて漏液発生率が高くなる傾向がある。これに対して、本実施形態の基材M1では、「鉄/ニッケル比率」が0.01以上0.1以下となっている。即ち、図2(b)においては、ニッケルの強度ピークの深さ位置における鉄のGDS強度測定値が、図2(c)のものに比べて明らかに小さくなっている。
以下、本実施形態をよりいっそう具体化した実施例について説明する。
ここでは、ニッケルめっき層の厚さ(μm)及び鉄−ニッケル拡散層91の厚さ(μm)の組み合わせをいくつか設定するとともに、拡散処理の際の温度・時間を調節して鉄/ニッケル比率を変更して、それぞれ基材M1とした。そして、これら基材M1を材料として用いて深絞り加工を行い、正極缶21を作製した。かかる正極缶21を用いてアルカリ電池11を組み立て(試作1〜29)、常温5年保存中のゲル状負極51中の鉄濃度(ppm)、常温5年保存中の漏液発生率、初度の重負荷パルス放電性能(指数)について、電池毎に検証を実施した。その結果を表1に示す。なお、重負荷パルス放電性能の試験では、(1500mW,2s/650mW,28s)×10/h、終止電圧1.05Vという条件を設定した。ちなみに、表1において「従来例」とあるのは、厚さが2μmニッケルめっき層のみを備え、鉄−ニッケル拡散層91を備えていない従来品を示す。
Figure 2011192559
表1によると、従来例を比較対象とした場合、鉄/ニッケル比率が0.01以上0.1以下という条件を満たすものの結果が総じて好ましく、なかでも特に鉄−ニッケル拡散層91の厚さが0.5μm以上1.2μm以下という条件を満たすものにおいて好結果が得られた。即ち、これらのものでは、常温5年保存中の漏液発生率が低減されるとともに、初度の重負荷パルス放電性能が向上した。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の正極缶21の場合、鉄−ニッケル拡散層91の鉄/ニッケル比率を0.01以上0.1以下という値に設定している。そのため、缶内面側表層部における鉄−ニッケル拡散層91に鉄が存在しているとは言うものの、その鉄は極微量であってしかも合金化している。そして、合金化した鉄はイオン化しにくいことから、容易に溶出しないという利点がある。また、鉄が拡散していないニッケル層と比較して、鉄−ニッケル拡散層91は軟らかいため、正極缶21の製造過程を経ても、割れ、亀裂、剥離等が起こりにくい。また、鉄−ニッケル拡散層91の表層部で発生した亀裂は、その殆どが層内にて止まり、鋼板92までは達しない。以上のことから、上記仕様の正極缶21を用いてアルカリ電池11を構成すれば、正極缶21からの鉄の溶出を効果的に防止することができる。また、鉄−ニッケル拡散層91の厚さを0.5μm以上1.2μm以下に設定することで重負荷放電性能をよりいっそう向上することができる。よって、耐漏液特性に優れるとともに、重負荷放電性能にも優れたアルカリ電池11を実現することができる。
なお、本発明の実施の形態は以下のように変更してもよい。
・例えば、鉄−ニッケル拡散層91の表面に形成されるニッケル層を、厚さが0.1μm以上0.5μm以下の無光沢ニッケルめっき層としてもよい。この場合、無光沢ニッケルめっき層の表面粗さをRa0.1μm以上1.0μm以下とすることが好ましい。即ち、鉄−ニッケル拡散層91に割れ等が発生しにくい一方で、その表面にある無光沢ニッケルめっき層には正極缶21の製造過程にて割れ等が発生しやすく、正極缶21の内面側の表面を粗くすることができるからである。その結果、正極缶21と正極材料との接触面積が増加し、電流が取り出しやすくなる。このため、さらなる重負荷放電性能の向上を達成することができる。
・上記実施形態では本発明を、LR6(単3形)の円筒形アルカリ電池に具体化したが、他のタイプの円筒形アルカリ電池、例えば、LR1(単5形)、LR03(単4形)、LR20(単1形)、LR14(単2形)、LR6(単3形)などに具体化してもよく、あるいは、ZRタイプに具体化してもよい。
・上記実施形態では本発明の電池缶を正極缶21として具体化したが、これを負極缶として具体化することもできる。
次に、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)鋼板の一方面に鉄−ニッケル拡散層を形成した基材を前記一方面が内側になるようにして深絞り加工を行い有底筒状に成形した正極缶であって、前記鉄−ニッケル拡散層をその厚さ方向にグロー放電分光測定したときにニッケル測定強度が最大を示す深さ位置において、ニッケル測定強度の最大値に対する鉄測定強度の比である鉄/ニッケル比率が0.01以上0.1以下となるように、前記鉄−ニッケル拡散層が形成されてなることを特徴とする正極缶。
11…アルカリ電池
21…電池缶として正極缶
91…鉄−ニッケル拡散層
92…鋼板
M1…基材

Claims (5)

  1. 鋼板の一方面に鉄−ニッケル拡散層を形成した基材を前記一方面が内側になるようにして深絞り加工を行い有底筒状に成形した電池缶であって、
    前記鉄−ニッケル拡散層をその厚さ方向にグロー放電分光測定したときにニッケル測定強度が最大を示す深さ位置において、ニッケル測定強度の最大値に対する鉄測定強度の比である鉄/ニッケル比率が0.01以上0.1以下となるように、前記鉄−ニッケル拡散層が形成されてなることを特徴とする電池缶。
  2. 前記鉄−ニッケル拡散層の厚さは、0.5μm以上1.2μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の電池缶。
  3. 前記鉄−ニッケル拡散層の表面に、厚さが0.1μm以上0.5μm以下の無光沢ニッケルめっき層を有することを特徴とする請求項2に記載の電池缶。
  4. 前記鉄−ニッケル拡散層または前記無光沢ニッケルめっき層の表面粗さは、Ra0.1μm以上1.0μm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電池缶。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電池缶を用いたアルカリ電池。
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