JP2011191688A - 光学フィルタ及び表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属薄膜を用いた単純な構造で透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御できる光学フィルタ及びこの光学フィルタを用いた表示装置を提供する。
【解決手段】光学フィルタは、長軸方向と短軸方向とを有する複数の開口部を備えた金属膜を備える。金属膜には、開口部の長軸方向と長方形格子の長軸方向とが一致するように前記複数の開口部が長方形格子状に配列されると共に、開口部の短軸方向の長さ及び長方形格子の短軸方向の長さが入射する光の波長よりも短くなるように、複数の開口部が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルタ及び表示装置に関する。
従来、透過する光の強度、色(波長)、偏光等を制御する種々の光学フィルタが知られている。例えば、色吸収型の色素を用いたRGBカラーフィルタ等の色フィルタが、液晶ディスプレイ等に用いられている。また、誘電体薄膜の多層構造により、界面で反射される光の干渉を利用した干渉フィルタが知られている。これら色フィルタ、干渉フィルタは、透過する光の波長を制御する特性(波長選択性)を備えているが、通常、偏光を制御する特性(偏光特性)は備えていない。
また、偏光を制御する光学フィルタは、偏光フィルタ、偏光板、偏光子などと称される。代表的な偏光フィルタとしては、特定の直線偏光を透過させる偏光特性を備えた吸収型偏光子がある。吸収型偏光子は、所定方位の電場を吸収し、所定方位と直交する方位の電場を透過することにより、特定の直線偏光を作り出している。この吸収型偏光子は、色素を吸収させた樹脂フィルムを一方向に延伸させることで、上記の偏光特性を得ている。
一般に、偏光フィルタは波長選択性を備えていない。例えば、液晶ディスプレイで用いられる偏光フィルタは、すべての可視領域の光に対して同様な偏光特性を有しており、色フィルタと併用されている。従来、透過光の波長と偏光を同時に制御できる光学フィルタを作製することは困難であり、偏光フィルタに色フィルタを積層した複雑な積層構造を利用することが一般的であった。
一方、近時、ナノ構造による偏光特性を備えた偏光フィルタが提案されている(非特許文献1)。ナノ構造を備えた偏光フィルタは、微細パターンが形成された凹凸基板上に誘電体多層膜を積層して得られた、自己クローニング型の2次元フォトニック結晶である。誘電体多層膜は、スパッタ積層とバイアスエッチングとを組み合わせて交互に成膜されている。この2次元フォトニック結晶は、面内の構造異方性により垂直入射光に対し偏光子として機能する。例えば、TM偏光は透過し且つTE偏光を反射する、液晶プロジェクタ用の偏光子が記載されている。
また、サブ波長構造のホールアレイを形成した金属薄膜からなる透過膜が提案されている(非特許文献2、特許文献1〜3)。ホールアレイにおける各ホールは、格子状に配列されている。この金属薄膜によれば、各ホールの形状を長軸方向の長さと短軸方向の長さとが異なる形状とすることにより、透過光の偏光依存性を得ることができる。
特開2008−270061号公報 特表2006−509358号公報 特開2000−111851号公報
川上彰二郎等「光産業の共通ツールとしてのフォトニック結晶」、応用物理 第74巻 第2号 (2005) 180〜185頁 C.Genet & T.W.Ebbesen "Light in tiny holes" NATURE 445, 39 (2007)
しかしながら、自己クローニング型の2次元フォトニック結晶を作製するには、まず、ナノ構造が形成された凹凸基板を作製しなければならない。また、次に、スパッタ積層とバイアスエッチングとを交互に繰り返し行って、凹凸基板上に誘電体多層膜を積層しなければならない。このように非特許文献1に記載された偏光フィルタは、製造工程が非常に複雑で高コストである、という問題がある。
また、非特許文献2、特許文献1〜3に記載された金属薄膜は、ホールアレイの格子配列が正方格子や三角格子などの等方的な格子配列であり、透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御できない、という問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、金属薄膜を用いた単純な構造で透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御できる光学フィルタと、この光学フィルタを用いた表示装置と、を提供することにある。
上記目的を達成するために各請求項に係る発明は下記構成を備えたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明は、長軸方向と短軸方向とを有する複数の開口部を備えた金属膜であって、開口部の長軸方向と長方形格子の長軸方向とが一致するように前記複数の開口部が長方形格子状に配列されると共に、開口部の短軸方向の長さ及び長方形格子の短軸方向の長さが入射する光の波長よりも短くなるように前記複数の開口部が形成された金属膜を、備えた光学フィルタである。
請求項2に記載の発明は、前記入射する光の偏光方向に応じて、透過する光の波長が異なる請求項1に記載の光学フィルタである。
請求項3に記載の発明は、前記開口部の短軸方向の長さが、入射する光の波長の2分の1以下である請求項1又は請求項2に記載の光学フィルタである。
請求項4に記載の発明は、前記透過する光の波長が、380nm〜780nmの範囲の可視領域の波長である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項5に記載の発明は、前記開口部の短軸方向の長さが390nm以下であり且つ前記長方形格子の短軸方向の長さが240nm以上490nm以下である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項6に記載の発明は、前記金属膜の抵抗率が5×10−5Ω・cm以下である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項7に記載の発明は、前記金属膜を構成する材料が、アルミニウム、金、銀、銅、及びこれらの1種以上を含む合金からなる群から選択される請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項8に記載の発明は、前記金属膜を構成する材料が、アルミニウムである請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項9に記載の発明は、前記金属膜の厚さが、10nm〜10μmの範囲である請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項10に記載の発明は、前記入射する光に対し透明な基板を更に備え、前記金属膜が前記基板上に形成された請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光学フィルタである。
請求項11に記載の発明は、画像データに応じて画像を表示する表示装置であって、請求項10に記載された光学フィルタと、前記光学フィルタに前記基板側から前記画像データに応じた偏光分布を有する光を照射する光源と、を備え、前記光学フィルタを透過する光の波長が前記偏光分布に応じて変調されて、画像データに応じた画像が表示される透過型の表示装置である。
請求項12に記載の発明は、画像データに応じて画像を表示する表示装置であって、請求項10に記載された光学フィルタと、前記光学フィルタの前記基板側に配置された反射部材と、前記光学フィルタに前記金属膜側から偏光分布を有する光を照射する光源と、を備え、前記光学フィルタを透過し且つ前記反射部材で反射されて前記光学フィルタを再度透過する光の波長が前記偏光分布に応じて変調されて、画像データに応じた画像が表示される反射型の表示装置である。
請求項1に記載の光学フィルタによれば、金属薄膜を用いた単純な構造で透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御できる、という効果が得られる。
請求項2に記載の光学フィルタによれば、透過光の波長が、入射する光の偏光方向に応じて変化する、という効果が得られる。例えば、互いに直交する偏光に対して、異なる波長の透過光を得ることができる。
請求項3に記載の光学フィルタによれば、光が金属に吸収され生成するプラズモン励起に起因した透過光と、導波に起因した透過光とを得ることができる、という効果が得られる。即ち、プラズモン励起に起因した透過光と導波に起因した透過光との強度比が、入射する光の偏光方向に応じて変化する。その結果、透過光の波長が、入射する光の偏光方向に応じてアクティブに変化する、という効果が得られる。
請求項4に記載の光学フィルタによれば、入射する光の偏光方向に応じて、透過光の波長が可視領域の範囲で変化する、という効果が得られる。
請求項5に記載の光学フィルタによれば、入射する光の偏光方向に応じて、透過光の波長が可視領域の範囲で変化すると共に、プラズモン励起に起因した透過光と導波に起因した透過光とを得ることができる、という効果が得られる。
請求項6に記載の光学フィルタによれば、光学フィルタを透過する光の伝搬損失を低減することができる、という効果が得られる。
請求項7に記載の光学フィルタによれば、プラズモン励起に起因した透過光を得ることが可能である、という効果が得られる。
請求項8に記載の光学フィルタによれば、プラズモン励起に起因した透過光を得ることが容易である、という効果が得られる。
請求項9に記載の光学フィルタによれば、金属膜の波長レベルでの加工が容易になると共に、金属膜の応力が小さい、基板等への密着力が強い、機械的な強度が高い、という効果が得られる。
請求項10に記載の光学フィルタによれば、金属膜の加工や保持が容易になる、という効果が得られる。
請求項11、請求項12に記載の表示装置によれば、本発明の光学フィルタが透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御できるので、偏光フィルタ及び色フィルタを1つの光学フィルタで置き換えることができる、という効果が得られる。即ち、従来の液晶ディスプレイ等の表示装置では、偏光フィルタに色フィルタを積層した複雑な積層構造を利用していたが、これを1つの光学フィルタで置き換えることができ、部品点数が減少すると共に製造が容易になる、という効果が得られる。
(A)は本発明の実施の形態に係る光学フィルタの構造を模式的に示す平面図であり、(B)は(A)に示す光学フィルタのA−A線に沿った断面図である。 (A)〜(G)は、本発明の実施の形態に係る光学フィルタ10の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。 作製例1に係る光学フィルタのSEM観察像を示す図である。 作製例1に係る光学フィルタの光学特性の評価結果を示すグラフである。 作製例2に係る光学フィルタのSEM観察像を示す図である。 作製例2に係る光学フィルタの光学特性の評価結果を示すグラフである。 (A)は長方形格子の長軸方向に垂直な入射光の偏光方向を示す図である。(B)はプラズモンモードの透過光が発生する原理を説明するための模式図である。(C)はプラズモンモードの透過スペクトルが長方形格子の短軸方向の長さに応じて変化する様子(シミュレーション結果)を示すグラフである。 (A)は長方形格子の長軸方向に平行な入射光の偏光方向を示す図である。(B)は導波モードの透過光が発生する原理を説明するための模式図である。(C)は導波モードの透過スペクトルが開口部の短軸方向の長さに応じて変化する様子(シミュレーション結果)を示すグラフである。 (A)は可視領域の範囲で透過スペクトルがアクティブに変化する光学フィルタの構造を模式的に示す平面図である。(B)は(A)に示す光学フィルタの透過光のモードの偏光依存性を示す模式図である。 (A)は可視領域を含む広い波長範囲で透過スペクトルが変化する光学フィルタの構造を模式的に示す平面図である。(B)は(A)に示す光学フィルタの透過光のモードの偏光依存性を示す模式図である。 (A)は従来の透過型の液晶ディスプレイの構造を示す模式図である。(B)は本実施の形態に係る光学フィルタを適用した透過型の液晶ディスプレイの構造を示す模式図であり、(C)は(B)に示す液晶ディスプレイの動作を説明する模式的な分解図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を説明する。
<光学フィルタの構造>
図1(A)は、本発明の実施の形態に係る光学フィルタの構造を模式的に示す平面図である。図1(B)は、図1(A)に示す光学フィルタのA−A線に沿った断面図である。図1(A)及び(B)に示すように、光学フィルタ10は、入射光に対し透明な基板12と、基板12上に形成された金属薄膜14とを備えている。後述する通り、金属薄膜14は、入射光の波長レベルの微細構造を備えている。この光学フィルタ10では、基板12側から入射光が照射され、金属薄膜14側から透過光が取り出される。
金属薄膜14は、太い実線の矢印で図示したように、長軸方向と短軸方向とを有する複数の開口部16を備えている。この例では、開口部16の開口形状は「長方形」である。これら複数の開口部16は、太い点線で図示された二次元格子18の各格子点上に配列されている。二次元格子18は、複数の単位格子が二次元状に周期的に配置された周期構造である。この例では、二次元格子18は、長軸方向と短軸方向とを有する長方形格子20から構成されている。
複数の開口部16は、開口部16の長軸方向と長方形格子20の長軸方向とが一致するように、長方形格子状に配列されている。開口部16及び長方形格子20の両方が、長軸方向と短軸方向とを有する(即ち、縦横比が異なる)非対称な構造を備えており、それらの長軸方向が一致することにより、光学フィルタ10は、透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御できるようになる。
ここで、金属薄膜14の微細構造について説明する。開口部16の長軸方向の長さを「A」とし、開口部16の短軸方向の長さを「A」とする。開口部16の短軸方向の長さ「A」は、入射光の波長よりも短い。開口部16の短軸方向の長さ「A」は、入射光の波長の2分の1以下とすることが好ましい。この場合には、透過光の波長を入射光の偏光方向に応じてアクティブに制御することが可能となる。例えば、透過光の波長を可視領域の範囲でアクティブに制御する場合には、開口部16の短軸方向の長さ「A」を390nm以下とする。また、長方形格子20の長軸方向の長さを「G」とし、長方形格子20の短軸方向の長さを「G」とする。長方形格子20の短軸方向の長さ「G」は、入射する光の波長よりも短い。
また、複数の開口部16の各々は、金属薄膜14を膜厚方向に垂直に貫通する貫通孔である。開口部16の底面には、金属薄膜14の下層にある基板12が露出している。なお、図1(A)に示す平面図は、光学フィルタ10を金属薄膜14側から見たときの平面図である。図1(A)では図示を省略するが、図1(B)に示すように、開口部16を除く金属薄膜14の表面は、誘電体膜22で覆われている。また、開口部16の側面及び底面を含む光学フィルタ10の表面は、保護膜24で覆われている。誘電体膜22及び保護膜24を設けることは必須ではない。誘電体膜22及び保護膜24は、適宜、省略してもよい。
基板12は、金属薄膜14の支持基板として設けられている。基板12上に金属薄膜14を設けることは必須ではなく、金属薄膜14を支持する必要が無い場合には、金属薄膜14単体で光学フィルタを構成することもできる。従って、基板12は入射光に対し透明な基板であればよい。基板12としては、石英基板等のガラス基板、サファイヤ基板、窒化ケイ素(Si)基板、炭化ケイ素(SiC)基板、窒化ガリウム(GaN)基板等、無機材料からなる透明基板を用いることができる。また、ポリイミド、ポリエチレン等、耐熱性の高分子(樹脂)材料からなる透明基板を用いてもよい。基板12の厚さは、機械的な強度を保つ等の観点から、10μm〜2mmの範囲が好ましい。
一般には、金属薄膜14の抵抗率が低い方が、光学フィルタを透過する光の伝搬損失を低減することができる。本実施の形態では、金属薄膜14は、透過光の波長と偏光とを同時に制御する光学フィルタとして機能する程度に伝搬損失を低下させる観点から、抵抗率が5×10−5Ω・cm以下となるように構成することが好ましい。更に伝搬損失を低下させるために、金属薄膜14の抵抗率は1×10−5Ω・cm以下がより好ましい。
金属薄膜14の材料としては、アルミニウム、金、銀、銅等の金属材料を用いることができる。アルミニウム、金、銀、銅の少なくとも1種以上を含む合金を用いてもよい。これらの金属薄膜は、上記の微細構造を備えることにより、金属薄膜を透過する透過光の波長を、金属薄膜に入射する入射光の偏光方向に応じて変化させる。また、これらの金属薄膜によれば、後述する通り、プラズモン励起に起因した透過光を得ることが可能である。可視領域の光、特に、青色光に対するプラズモン励起が容易で、加工性に優れるという点で、アルミニウムが特に好ましい。
金属薄膜14の厚さは、10nm〜10,000nm(10μm)の範囲である。また、十分な透過光強度を得ると共に加工を容易にするためには、金属薄膜14の厚さは、50nm〜200nmの範囲がより好ましい。一般には、金属薄膜14の厚さが小さい方が、入射光の波長レベルの微細構造での加工が容易になる。
誘電体膜22及び保護膜24の材料としては、光学フィルタの透過率を向上させるために、基板12と同程度の屈折率を有する材料が好ましい。例えば、基板12として石英基板(屈折率1.45)を用いる場合には、誘電体膜22及び保護膜24の材料として、二酸化ケイ素(SiO)、窒化ケイ素(Si)、酸化アルミニウム(Al)等を用いることができる。誘電体膜22の厚さは、10nm〜200nmの範囲が好ましく、20nm〜100nmの範囲がより好ましい。保護膜24の厚さは、10nm〜10,000nm(10μm)の範囲が好ましく、10nm〜1,000nm(1μm)の範囲がより好ましい。
<光学フィルタの製造方法>
次に、本実施の形態に係る光学フィルタの製造方法について説明する。図2(A)〜(G)は、上記の光学フィルタ10の製造方法の一例を模式的に示す断面図である。ここでは、後述する作製例1に示すスリット形状の開口部16を備えた光学フィルタ10の製造方法として具体的に説明する。開口部16の長軸方向の長さ「A」は4700nm、開口部16の短軸方向の長さ「A」は225nm、長方形格子20の長軸方向の長さ「G」は5000nm、長方形格子20の短軸方向の長さ「G」は325nmである。
まず、図2(A)に示すように、厚さ0.5mmの石英基板12上に、電子ビーム蒸着法により、金属薄膜14として厚さ200nmのアルミニウム膜を成膜した。
次に、図2(B)に示すように、金属薄膜14上に、プラズマ気相成長(PECVD)法により、誘電体膜22として厚さ50nmのシリコン酸化膜(SiO)を形成した。続いて、誘電体膜22上に、スピンコート法により、電子線描画用のレジスト膜26を形成した。
次に、図2(C)に示すように、電子線描画により、レジスト膜26をスリット形状の開口部16が長方形格子状に配列されるように、600μm×600μmのエリアにパターニングした。開口部16の形状、長方形格子20の形状は、上述した通りである。
次に、図2(D)に示すように、レジストパターン26をエッチングマスクとして、CHFガスによる反応性イオンエッチングにより、シリコン酸化膜(SiO)からなる誘電体膜22をエッチングし、レジストパターンを誘電体膜22に転写した。
次に、図2(E)に示すように、レジストパターンが転写された誘電体膜(SiO)22をエッチングマスクとして、塩素プラズマによるドライエッチングにより、アルミニウムからなる金属薄膜14をエッチングして、金属薄膜14に複数の開口部16を形成した。
次に、図2(F)に示すように、酸素プラズマによるドライエッチングにより、残留するレジスト膜26を除去した。このとき、エッチングマスクとして用いた誘電体膜22は、金属薄膜14上に残留する。残留した誘電体膜22は、保護膜として機能する。
最後に、図2(G)に示すように、PECVD法により、表面全体を覆う保護膜24として厚さ50nmのシリコン酸化膜(SiO)を形成した。これにより、スリット形状の開口部16を備えた光学フィルタ10が得られた。
<光学フィルタの作製例1>
上述した製造方法により、スリット形状の開口部16を備えた光学フィルタ10を作製した(作製例1)。図3は作製例1に係る光学フィルタのSEM観察像を示す図である。開口部16のAは4700nm、Aは225nm、長方形格子20のGは5000nm、Gは325nmである。なお、スリット型であるが一次元格子ではない。スリット形状の複数の開口部16が二次元格子18の各格子点上に配列された二次元アレイである。
製造方法の中で言及した通り、加工エリアは600μm×600μm、基板12は厚さ0.5mmの石英基板、金属薄膜14は厚さ200nmのアルミニウム膜、誘電体膜22は厚さ50nmのSiO膜、保護膜24は厚さ50nmのSiO膜である。図3に示すように、作製例1に係る光学フィルタをSEM観察した結果、アルミニウム膜に所望のナノ加工パターン(微細構造)が形成されていることが確認できた。
次に、作製例1に係る光学フィルタについて特性を評価した。フィルタ特性の光学評価には、CCDカメラとマルチチャネル分光器搭載の透過型顕微鏡(オリンパス社製「BX51」)を用いた。光源には顕微鏡に内蔵のハロゲンランプを用いた。サンプルの下部から偏光させた光をサンプルに入射させ、透過光のスペクトルを対物レンズで集光し、マルチチャンネル分光器(浜松ホトニクス社製「PMA−11」)で測定した。
図4は作製例1に係る光学フィルタの光学特性の評価結果を示すグラフである。縦軸は光学フィルタの透過率を表し、横軸は透過光の波長を表している。入射光の偏光方向を、0°、30°、60°、90°と変化させて、透過スペクトル(即ち、透過光の波長及び透過率)を測定した。入射光の偏光方向が、長方形格子の長軸方向と平行のときが「0°」であり、長方形格子の長軸方向と垂直になるときが「90°」である。入射光の偏光方向に応じて、透過する波長域が異なっていることが分かる。即ち、入射光の偏光状態に依存して透過光が変化する光学フィルタが、1枚の光学素子で実現されている。
<光学フィルタの作製例2>
上述した製造方法と略同様の方法により、長方形の開口部16を備えた光学フィルタ10を作製した(作製例2)。図5は作製例2に係る光学フィルタのSEM観察像を示す図である。開口部16のAは300nm、Aは105nm、長方形格子20のGは405nm、Gは400nmである。加工エリアは600μm×600μm、基板12は厚さ0.5mmの石英基板、金属薄膜14は厚さ200nmのアルミニウム膜、誘電体膜22は厚さ50nmのSiO膜である。作製例2では、保護膜24は省略した。図5に示すように、作製例2に係る光学フィルタをSEM観察した結果、アルミニウム膜に所望のナノ加工パターン(微細構造)が形成されていることが確認できた。
次に、作製例1と同様の方法によりフィルタ特性の光学評価を行った。図6は作製例2に係る光学フィルタの光学特性の評価結果を示すグラフである。縦軸は光学フィルタの透過率を表し、横軸は透過光の波長を表している。入射光の偏光方向を、0°、30°、60°、90°と変化させて、透過スペクトルを測定した。作製例1と同様に、入射光の偏光方向に応じて、透過する波長域が異なっていることが分かる。
作製例2に係る光学フィルタでは、600nm以上の波長域で偏光依存性が大きくなる。600nm以上の波長域では、入射光の偏光方向が0°では透過率が略ゼロであるのに対し、入射光の偏光方向が30°、60°、90°と大きくなるほど透過率が大きくなる。例えば、入射光を90°偏光させた場合には、600nm以上の波長域で光が透過して、赤色のフィルタとして機能する。一方、入射光を0°偏光させた場合には、透過する波長域が可視光域ではないので、可視光が透過しない状態となる。
即ち、作製例2に係る光学フィルタは、600nmの波長に近く狭い範囲の波長に限定すれば、透過光の波長と偏光を同時に制御できる光学フィルタとして機能する。この場合の消光比(=透過光強度の最大値/透過光強度の最小値)は22dB以上であった。
<光学フィルタの動作原理>
次に、本実施の形態に係る光学フィルタの動作原理について説明する。上記の光学フィルタ10は、金属薄膜14を用いた単純な構造で、透過光の波長と偏光とを所望の状態に同時に制御する。この動作原理は、プラズモンに起因した透過光(プラズモンモード)と、導波に起因した透過光(導波モード)とが発生し得るという、入射光の波長レベルの周期構造を備えた金属薄膜に特有の性質に基づくものである。
上述した通り、長方形格子の長軸方向と平行な入射光の偏光方向を「0°」とし、長方形格子の長軸方向と垂直な入射光の偏光方向を「90°」とする。プラズモンモードは、入射光の偏光方向90°に近付くほど大きくなるが、導波モードは、入射光の偏光方向0°に近付くほど大きくなる。従って、2つのモードが混在するように金属薄膜14の周期構造を設計することで、入射光の偏光方向に応じて、プラズモンモードの透過光と導波モードの透過光との強度比が変化し、透過スペクトル(透過光の強度及び波長)がアクティブに変化する光学フィルタを得ることができる。
まず、図7(A)〜(C)を参照して、プラズモンモードについて説明する。図7(A)は長方形格子の長軸方向に垂直な入射光の偏光方向を示す図である。図7(B)はプラズモンモードの透過光が発生する原理を説明するための模式図である。図7(C)はプラズモンモードの透過光の強度が長方形格子の短軸方向の長さに応じて変化する様子(シミュレーション結果)を示すグラフである。
図7(A)に示すように、太い実線の矢印で図示した入射光の偏光方向は、金属薄膜14の長方形格子20の長軸方向、即ち、スリット形状の開口部16の長軸方向に対し垂直である。このように入射光の偏光方向が90°の場合には、金属薄膜14を透過する光は、プラズモンに起因した透過光(プラズモンモード)となる。
図7(B)に示すように、入射光の波長レベルの周期構造を備えた金属薄膜14では、太い点線の矢印で図示した入射光(電磁波)と金属薄膜14との相互作用により、金属薄膜14の表面にプラズモン(電子の集団的な振動)28が励起されて光吸収が生じる。これにより、太い実線の矢印で図示したように、スリット形状の開口部16を周期構造に応じた波長の光が透過する「プラズモン共鳴」という現象が発生する。透過光の波長は、開口部16の形状及び配列に応じて変化する。
図7(C)に示すように、プラズモンモードの透過スペクトルは、金属薄膜14の長方形格子20の短軸方向の長さ「G(ピッチ)」に応じて変化する。入射光の偏光方向を90°、開口部16の短軸方向の長さ「A(スリット)」を175nm、金属薄膜14の厚さ(深さ)を120nmで一定とする。この条件の下で、「G(ピッチ)」の値を、225nm、275nm、325nm、375nm、425nmと変化させて、シミュレーションにより透過スペクトルを得た。
「G(ピッチ)」の値に応じて、透過スペクトルが変化していることが分かる。「G」の値が425nmでは、透過光の波長帯域は約630nm以上であり、透過率も約65%以下である。「G」の値が低下するに従って、透過光の波長帯域が短波長側に拡がると共に透過率も向上する。「G」の値が225nmでは、400nmから900nmの範囲で、透過率は略100%である。
次に、図8(A)〜(C)を参照して、導波モードについて説明する。図8(A)は長方形格子の長軸方向に平行な入射光の偏光方向を示す図である。図8(B)は導波モードの透過光が発生する原理を説明するための模式図である。図8(C)は導波モードの透過光の強度が開口部の短軸方向の長さに応じて変化する様子(シミュレーション結果)を示すグラフである。
図8(A)に示すように、太い実線の矢印で図示した入射光の偏光方向は、金属薄膜14の長方形格子20の長軸方向、即ち、スリット形状の開口部16の長軸方向に対し平行である。このように入射光の偏光方向が0°の場合には、金属薄膜14を透過する光は、導波に起因した透過光(導波モード)となる。
図8(B)に示すように、入射光の波長レベルの周期構造を備えた金属薄膜14は、太い点線の矢印で図示した入射光のうち、開口部16の短軸方向の長さ「A」が2分の1波長(λ/2)以下となる成分だけを通過させ、「A」が2分の1波長(λ/2)より長くなる成分を遮断(カットオフ)する。これにより、太い実線の矢印で図示したように、スリット形状の開口部16を短軸方向の長さ「A」に応じた波長の光だけが透過する。
図8(C)に示すように、導波モードの透過スペクトルは、金属薄膜14の開口部16を短軸方向の長さ「A(スリット)」に応じて変化する。入射光の偏光方向を0°、
金属薄膜14の短軸方向の幅を100nm、金属薄膜14の厚さ(深さ)を200nmで一定とする。なお、金属薄膜14の短軸方向の幅は、長方形格子20の短軸方向の長さ「G(ピッチ)」に比例して増減する。この条件の下で、「A(スリット)」の値を、225nm、275nm、325nm、375nm、425nmと変化させて、シミュレーションにより透過スペクトルを得た。
「A(スリット)」の値に応じて、透過スペクトルが変化していることが分かる。透過率55%以下を基準とすると、「A(スリット)」の値が425nmでは、透過光の波長帯域は約850nm以下である。「A」の値が低下するに従って、透過光の波長帯域が狭くなり、「A」の値225nmでは、透過光の波長帯域は約450nm以下である。
以上の説明から、プラズモンモードと導波モードとが混在するように金属薄膜14の周期構造を設計することで、入射光の偏光方向に応じて、透過スペクトルがアクティブに変化する光学フィルタが得られることが分かる。
<可視領域で波長及び偏光を制御する条件>
次に、可視領域の範囲で透過スペクトルがアクティブに変化する光学フィルタの設計について説明する。透過光の波長が可視領域の範囲で変化する光学特性は、液晶ディスプレイ等の表示装置において重要な特性である。
図9(A)は可視領域の範囲で透過スペクトルがアクティブに変化する光学フィルタの構造を模式的に示す平面図である。図9(B)は図9(A)に示す光学フィルタの透過光のモードの偏光依存性を示す模式図である。
図9(A)に示すように、光学フィルタの構造は、図1(A)に示す光学フィルタ10の構造と基本的には同じである。可視領域の範囲で、入射光の偏光方向に応じて透過スペクトルをアクティブに変化させるためには、図9(B)に示すように、可視領域の範囲で、点線で図示するプラズモンモードと、実線で図示する導波モードとが混在するように、光学フィルタ10の金属薄膜14の周期構造を設計する。
可視領域の範囲を、波長380nm〜780nmの範囲とする。図9(A)に示すように、開口部16の短軸方向の長さ「A」を、可視領域の長波長側の上限値である780nmの(1/2)倍の390nm以下とし、可視領域の短波長側の下限値である380nmの(1/2)倍の190nm以上とする。
同時に、長方形格子20の短軸方向の長さ「G」を、可視領域の長波長側の上限値である780nmの約(1/1.6)倍の490nm以下とし、可視領域の短波長側の下限値である380nmの約(1/1.6)倍の約240nm以上とする。なお、導波モードの説明において言及した通り、金属薄膜14の短軸方向の幅は、長方形格子20の短軸方向の長さ「G」に比例して増減する。なお、(1/1.6)倍という数値は、2次元の金属ホールアレイのバンド構造に基づく周知の定数である。
図9(A)に示すように、光学フィルタ10の金属薄膜14の周期構造を設計することで、図9(B)に示すように、可視領域の範囲で、プラズモンモード(点線)と導波モード(実線)とが混在するようになる。従って、入射光の偏光方向を0°から90°へと変化させることで、導波モードが減少(即ち、波長によるカットオフが減少)すると同時に、プラズモンモードが増加(即ち、透過する波長が変化)して、可視領域の範囲で透過スペクトルをアクティブに変化させることが可能となる。
なお、上記の条件を満たさない場合でも、透過光の波長と偏光を同時に制御することは可能である。図10(A)は可視領域を含む広い波長範囲で透過スペクトルが変化する光学フィルタの構造を模式的に示す平面図である。図10(B)は図10(A)に示す光学フィルタの透過光のモードの偏光依存性を示す模式図である。
図10(A)に示すように、開口部16の短軸方向の長さ「A」を、可視領域の長波長側の下限値である380nmの(1/2)倍の190nm以下とし、長方形格子20の短軸方向の長さ「G」を、可視領域の長波長側の上限値である780nmの約(1/1.6)倍の490nm以下とし、可視領域の短波長側の下限値である380nmの約(1/1.6)倍の約240nm以上とする。
図10(A)に示すように、光学フィルタ10の金属薄膜14の周期構造を設計することで、図10(B)に示すように、可視領域の範囲ではプラズモンモード(点線)のみが存在するようになる。一方、可視領域より短波長側では導波モード(実線)のみが存在するようになる。従って、入射光の偏光方向を0°から90°へと変化させることで、導波モードが減少してプラズモンモードに切り替わり、プラズモンモードが増加するというように、広い波長範囲で透過スペクトルを変化させることができる。
<光学フィルタの応用例>
次に、本実施の形態に係る光学フィルタを表示装置に適用した応用例について説明する。図11(A)は従来の透過型の液晶ディスプレイの構造を示す模式図である。図11(B)は本実施の形態に係る光学フィルタを適用した透過型の液晶ディスプレイの構造を示す模式図であり、図11(C)は図11(B)に示す液晶ディスプレイの動作を説明する模式的な分解図である。
図11(A)に示すように、従来の透過型の液晶ディスプレイ30は、バックライト32、第1の偏光フィルタ34、第1の電極層36、液晶層38、第2の電極層40、第2の偏光フィルタ42、及びカラーフィルタ44が、バックライト32側からこの順に積層された構造を備えている。カラーフィルタ44は、赤色光(R光)を透過するR領域44R、緑色光(G光)を透過するG領域44G、及び青色光(B光)を透過するB領域を備えている。
従来の透過型の液晶ディスプレイ30では、バックライト32から出射された光は、第1の偏光フィルタ34で直線偏光に変換されて、液晶層38に入射する。液晶層38は複数の液晶セルから構成されており、液晶層38を挟持する第1の電極層36及び第2の電極層40により、液晶セル毎に画像データに応じた所定の電圧が印加されて、透過率分布が変化する。液晶層38に入射された偏光は、透過率分布が形成された液晶層38により強度変調されて、偏光フィルタ42に入射する。偏光フィルタ42で偏光変調された透過光は、カラーフィルタ44に入射して、色(波長)変調されて出射される。これにより、画像データに応じたカラー画像が表示される。
これに対して、図11(B)は本実施の形態に係る光学フィルタを適用した透過型の液晶ディスプレイ30Aは、従来の透過型の液晶ディスプレイ30の第2の偏光フィルタ42及びカラーフィルタ44が、上記の光学フィルタ10で置き換えられている。偏光フィルタ及び色フィルタの積層構造を1つの光学フィルタで置き換えることにより、部品点数が減少すると共に、液晶ディスプレイの製造が容易になる。それ以外の構造は、従来の透過型の液晶ディスプレイ30と同じであるため、同じ符号を付して説明を省略する。
図11(C)に示すように、本実施の形態に係る光学フィルタを適用した透過型の液晶ディスプレイ30Aでは、バックライト32から出射された光は、第1の偏光フィルタ34で偏光変調されて、液晶層38に入射する。液晶層38に入射された偏光は、画像データに応じてセル毎に透過率分布が形成された液晶層38により強度変調され、光学フィルタ10に入射する。光学フィルタ10は、入射光の偏光方向(矢印で示す)に応じて、入射された偏光を色(波長)変調し、波長と偏光とが同時に制御された透過光が出射される。これにより、画像データに応じたカラー画像が表示される。
なお、上記では本実施の形態に係る光学フィルタを適用した透過型の液晶ディスプレイについて説明したが、本実施の形態に係る光学フィルタは、液晶層により強度変調された光を反射部材で反射させて光学フィルタに入射する反射型の液晶ディスプレイにも適用することができる。この場合にも、偏光フィルタ及び色フィルタの積層構造を1つの光学フィルタで置き換えることができ、部品点数が減少すると共に液晶ディスプレイの製造が容易になる。
10 光学フィルタ
12 基板
14 金属薄膜
16 開口部
18 二次元格子
20 長方形格子
22 誘電体膜
24 保護膜
26 レジスト膜
30 液晶ディスプレイ
30A 液晶ディスプレイ
32 バックライト
34 偏光フィルタ
36 電極層
38 液晶層
40 電極層
42 偏光フィルタ
44 カラーフィルタ

Claims (12)

  1. 長軸方向と短軸方向とを有する複数の開口部を備えた金属膜であって、開口部の長軸方向と長方形格子の長軸方向とが一致するように前記複数の開口部が長方形格子状に配列されると共に、開口部の短軸方向の長さ及び長方形格子の短軸方向の長さが入射する光の波長よりも短くなるように前記複数の開口部が形成された金属膜を、備えた光学フィルタ。
  2. 前記入射する光の偏光方向に応じて、透過する光の波長が異なる請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 前記開口部の短軸方向の長さが、入射する光の波長の2分の1以下である請求項1又は請求項2に記載の光学フィルタ。
  4. 前記透過する光の波長が、380nm〜780nmの範囲の可視領域の波長である請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  5. 前記開口部の短軸方向の長さが390nm以下であり且つ前記長方形格子の短軸方向の長さが240nm以上490nm以下である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  6. 前記金属膜の抵抗率が5×10−5Ω・cm以下である請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  7. 前記金属膜を構成する材料が、アルミニウム、金、銀、銅、及びこれらの1種以上を含む合金からなる群から選択される請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  8. 前記金属膜を構成する材料が、アルミニウムである請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  9. 前記金属膜の厚さが、10nm〜10μmの範囲である請求項1から請求項8までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  10. 前記入射する光に対し透明な基板を更に備え、
    前記金属膜が前記基板上に形成された請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の光学フィルタ。
  11. 画像データに応じて画像を表示する表示装置であって、
    請求項10に記載された光学フィルタと、
    前記光学フィルタに前記基板側から前記画像データに応じた偏光分布を有する光を照射する光源と、
    を備え、
    前記光学フィルタを透過する光の波長が前記偏光分布に応じて変調されて、画像データに応じた画像が表示される透過型の表示装置。
  12. 画像データに応じて画像を表示する表示装置であって、
    請求項10に記載された光学フィルタと、
    前記光学フィルタの前記基板側に配置された反射部材と、
    前記光学フィルタに前記金属膜側から偏光分布を有する光を照射する光源と、
    を備え、
    前記光学フィルタを透過し且つ前記反射部材で反射されて前記光学フィルタを再度透過する光の波長が前記偏光分布に応じて変調されて、画像データに応じた画像が表示される反射型の表示装置。
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