JP2006138842A - 金属光フィルタを用いた検出装置及び検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】カットオフ周波数を有するセンサを提供する。
【解決手段】本発明は、センサとして機能することが可能な光カットオフ周波数を備える金属光フィルタを提供する。この金属光フィルタは、ほぼ平行な第1の表面および第2の表面を備える誘電体層と、誘電体層の第1の表面上に形成された金属層と、を有する。金属層は、周期的格子を形成するように構成された断面を備える穴を備えており、この穴は屈折率を備える材料を含んでいる。穴の屈折率を変更するか、または、穴の断面を変更することによって、金属光フィルタの光カットオフ周波数を修正できる。
【選択図】図1c
【解決手段】本発明は、センサとして機能することが可能な光カットオフ周波数を備える金属光フィルタを提供する。この金属光フィルタは、ほぼ平行な第1の表面および第2の表面を備える誘電体層と、誘電体層の第1の表面上に形成された金属層と、を有する。金属層は、周期的格子を形成するように構成された断面を備える穴を備えており、この穴は屈折率を備える材料を含んでいる。穴の屈折率を変更するか、または、穴の断面を変更することによって、金属光フィルタの光カットオフ周波数を修正できる。
【選択図】図1c
Description
本発明は、金属光フィルタを用いた検出装置及び検出方法に関する。
表面プラズモン共鳴(Surface Plasmon Resonance、SPR)ベースのセンサは、とりわけ、バイオセンサ用途において、薄膜厚の測定に用いられるのが一般的である。SPR用途において、通常、プリズムを用いて、薄い金属層(典型的には金)の表面プラズモン・モードに光を結合し、光検出器(photo detector)を用いて、金属薄膜からの反射が測定される。入射光の入射角または入射光の波長が、共鳴条件に適合するように変更される。共鳴条件は、金属層の近くの周囲屈折率によって決まるので、金属薄層の下側に付着した薄膜の屈折率が分っている場合、共鳴入射角または共鳴波長の測定によって、薄膜の厚さが得られる。典型的なバイオセンサ用途では、最初に、金属層の下側に、変換層が付着させられる。次に、共鳴入射角または共鳴波長のシフトによって、標的検体と変換層の結合が決定される。
SPRでは、一般に、かさばり一体化が困難なプリズム結合が必要とされ、SPRベースのセンサは、一般に、表面プラズモン・モードにとって十分な吸収長を備えるために、およそ数ミリメートルほどのサイズを必要とする。SPRでは、一般に、垂直入射が認められないので、SPRセンサをCMOS検出器に直接一体化するのがより困難になる。
先行技術文献(例えば、非特許文献1参照)に解説のSPRベース・センサに関する最近の研究によって、金薄膜のナノホール・アレイを通る強化光透過に基づく、SPRセンサにおける垂直入射が可能になる。従って、サブウェーブレングス・ホール(subwavelength holes)のアレイを通る垂直入射光の透過(transmission)は、下記によって示されるSPR条件を満たす波長で強化される。
ここで、pはアレイの周期性であり、i及びjは整数であり、εffは金属・誘電体界面における有効誘電率であり、εmは金属の誘電率である。表面プラズモン媒介透過度は、サブウェーブレングス・アパーチャ(subwavelength apertures)を通る光の透過に関するベーテの法則(Bethe’s law)から予測されるよりも数桁高い。強化透過は、強力な電界局在化によって達成される。
図1aには、上述の非特許文献1に示されているようなSPRベース・センサに対しても同様の働きをするように構成された、金属格子構造39が示されている。厚さ0.4μmのSi層34の上に、厚さ0.4μmの金の金属層32が付着している。金の金属層32に深さ0.2μmまでエッチングを施して、正方形の穴95が形成されている。正方形の穴35は、一辺が0.3μmであり、格子定数が1μmの正方形の格子を形成している。
図1bには、深さが0.2μmで、屈折率nが1.44の材料で被覆された正方形の穴35を備える、金属格子構造39からの垂直入射光に関する反射プロフィール(reflection profile)45が示されている。反射プロフィール45には、周波数190THz及び244THzに、それぞれ、ディップ(dip、窪み)50及び55が生じる。これらのディップは、SPRの検討から予測されるように、ディップ50がλ〜naに対応し、ディップ55がλ〜na/√2に対応する金属格子構造39に関する、金属の表面プラズモン・モードとの結合から生じる共鳴である。透過は−80dB未満である。カット・オフ周波数は存在しないという点に留意されたい。
Brolo et al, "Langmuir", 2004, 20, 4813
Brolo et al, "Langmuir", 2004, 20, 4813
本発明の目的は、カットオフ周波数を有するセンサを提供することである。
ネットワーク・トポロジを備えた金属製光学的バンドギャップ(Metal Photonic Bandgap、MPBG)構造は、誘電体製の光学的バンドギャップ(Photonic Bandgap、PBG)構造と同様の周期的穴構造を備える1つ以上の等電位金属層を有している。MPBG構造は、カット・オフ周波数を有している。カットオフ周波数未満では、透過率が大幅に低下する。これは、一般に、光学的バンドギャップが複数の比較的狭い周波数範囲にわたって広がる、純粋に誘電体によるPBG構造とは対照的である。金属散乱体(scatter)が分離されたMPBG構造(例えば、参考までに本明細書において援用されている、Sigalas et al., “Physical Review”, B52, 11744, 1995を参照)は、誘電体構造と同様の特性を示し、カット・オフ周波数がない。
本発明によれば、金属光フィルタ(metal optical filter)であるMPBG構造は、屈折率、あるいはまた、試料物質の薄膜厚を測定するためのセンサとして用いることも可能である。金属光フィルタのカット・オフ周波数は、金属光フィルタの穴の周囲屈折率によって決まる。従って、既知の屈折率を有する薄膜の厚さは、金属光フィルタのカット・オフ周波数を測定することによって求めることが可能である。バイオセンサ用途において、変換層は、金属光フィルタの表面及び穴内に付着させることが可能である。次に、変換媒質に対する標的検体の結合が、カット・オフ周波数のシフトによって測定される。
図1cには、本発明による実施態様が示されている。金属光フィルタ199は、厚さ0.4μmのSi層194の上に付着した厚さ0.4μmの金の金属層192を備えている。金属導波路が形成されるように、金の金属層192を完全に貫く、深さ0.4μmのエッチングを金の金属層192に施して、正方形の穴195が形成されている。正方形の穴195は、一辺が0.3μmであり、格子定数aが1μmの正方形格子を形成している。
図1dには、屈折率nが1.44の材料で被覆された正方形の穴195を備える金属光フィルタに関する垂直入射光について、反射プロフィール145及び透過プロフィール144が示されている。反射プロフィール145には、図1bにおける反射プロフィール45の反射ディップ50に対応する反射ディップ150が、ほぼ182THzのあたりに示されており、図1bにおける反射プロフィール45の反射ディップ55に対応する反射ディップ155が、ほぼ232THzのあたりに示されている。しかし、図1bとは対照的に、この場合、カット・オフ周波数158が96THzに存在する。カット・オフ周波数が、金属を包囲する屈折率が最高の材料のカット・オフ周波数によって決まることが理解されているものと仮定すると、金属光フィルタ199のカット・オフ周波数は、後述する方程式(2)によって概略が示される。反射プロフィール45におけるSPRに関連した反射ディップ50及び55には、反射プロフィール145に対応する反射ディップ150及び155があるが、反射プロフィール45には、対応するカット・オフ周波数がない。従って、カット・オフ周波数の挙動は、SPRに関連した特徴とは別個で、異なるものであり、金属導波路としての金属光フィルタ199の挙動から生じる。
本発明の実施態様の1つに従って、図1e及び図1gには、金属光フィルタ100が示され、図1fには、改良金属光フィルタ150が示されている。金属光フィルタ100の場合、金属層102が、一般には、SiO2層である層104を被覆しており、金属層102及び104にはエッチングによる穴105が開いている。穴105は、正方形の格子を形成している。金属層102は、一般に、動作周波数に応じて、アルミニウム、銀、金、銅、または、鉄から製作することが可能である。例えば、アルミニウムの場合、可視スペクトル内において、また、銀では明確さの劣るカット・オフ周波数が生じ、金では明瞭なカット・オフ周波数が得られない低周波数紫外スペクトルにおいてさえ、明確なカット・オフ周波数が得られる。銅または鉄は、一般に、約200THz未満の周波数で有用である。図1fの改良金属光フィルタ150は、平面図では、図1gの金属光フィルタ100と同様であるが、一般に金属層102と同じ組成の追加金属層165を備えている。追加金属層165は、金属光フィルタ150のQを改善する働きをする。改良金属光フィルタ150は、屈折率の低い誘電体基板(不図示)の上に配置することが可能である。
図2a及び図2bには、それぞれ、正方形格子定数aが約0.8μmの、ただし、層104が除去された、金属光フィルタ100に関する反射プロフィール及び透過プロフィールが示されている。金属層102は、厚さが約0.8μmで、半径0.4aの穴105を備えており、金属層102の上方と下方の両方、及び、穴105内に空気が存在する。図2aの場合、反射プロフィール201には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール203には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール205には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図2bの場合、透過プロフィール202には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール204には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール206には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。反射係数及び透過係数は、伝達行列法を用いて計算される。図2aの計算に関して、金属層102の誘電率は、300THzにおける銀の誘電率値である、−48.8+3.2iであるとみなされる。金属の誘電率が周波数依存性であっても、大部分の金属は、一般に、計算において誘電率に一定の値を選んでも、その結果に大きく影響することはない。屈折率の二乗が非磁性材料の誘電率であるという点に留意されたい。
図2aに示すように、反射は、約240THzのカット・オフ周波数νc未満では、ほぼ100パーセントまで上昇し、νcにおいて低下する。図2bに示すように、透過は、約240THzのカット・オフ周波数νc未満では、大幅に降下し、νcの付近においてピークに達する。カット・オフ周波数に関する結果は、単一の完全な金属導波路のカット・オフ周波数に関する近似公式に一致する。
νc=c/2dn (2)
ここで、cは光の速度であり、nは金属を包囲する材料の屈折率であり、dは穴の直径である。d/aが一定の格子構造における複数金属導波路の場合、カット・オフ周波数は、格子定数aと反比例する。
ここで、cは光の速度であり、nは金属を包囲する材料の屈折率であり、dは穴の直径である。d/aが一定の格子構造における複数金属導波路の場合、カット・オフ周波数は、格子定数aと反比例する。
図3aの場合、反射プロフィール301には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール303には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール305には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図3bの場合、透過プロフィール302には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール304には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール306には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図2a、図2bと同じ構成に保つが、屈折率が約1.4の材料を穴105内部に配置することによって、図3bに示すように、カット・オフ周波数が約160THzに移行する。カット・オフ周波数のシフトは、図2a、図2bの構成から約33パーセントである。このシフトを利用して、異なる材料または小分子の屈折率が求められる。反射プロフィール301と反射プロフィール303及び反射プロフィール305、または、透過プロフィール302と透過プロフィール304及び透過プロフィール306を比較すると明らかなように、入射角を約15度まで増しても、カット・オフ周波数はあまり変化しない。このため、単純なレンズを利用して、ほぼ垂直に入射させることが可能になる。角度依存性が弱くなると、小さいスポット・サイズの利用が可能になり、その上さらに、比較的高いQ値が維持されて、コンパクトなセンサ・サイズが可能になる。
図4aの場合、反射プロフィール401には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール403には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール405には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図4bの場合、透過プロフィール402には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール404には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール406には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図4a、図4bの場合、SiO2層104が、金属層102の下方に追加されており、金属層102の上方には空気が存在する。SiO2層104は、格子定数aの約0.6倍の、約0.48μmの厚さを備えるものとみなされる。他のパラメータは、図2a〜図3bに関するものと同じである。穴105には、空気が充填され、カット・オフ周波数は、SiO2層104のない図2a、図2bの240THzに比較すると、図4a、図4bに示すように約158THzである。これは、SiO2層104の追加による、透過カット・オフ周波数のシフトが約33パーセントであることを表わしている。
図5aの場合、反射プロフィール501には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール503には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール505には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図5bの場合、透過プロフィール502には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール504には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール506には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図5a、図5bは、穴105が約1.4の屈折率の材料で充填されている点を除けば、図4a、図4bと同じパラメータを備えている。カット・オフ周波数は、SiO2層104のない図3a、図3bの160THzに比べると、図5a、図5bに示すように110THzにシフトしている。これは、SiO2層104の追加による、透過カット・オフ周波数のシフトが約31パーセントであることを表わしている。
図6aの場合、反射プロフィール601には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール603には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール605には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図6bの場合、透過プロフィール602には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール604には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール606には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図6a、図6bは、穴の半径が格子定数aの約0.3倍である約0.2μmである点を除けば、図4a、図4bと同じパラメータを備えている。半径が0.24μmの穴105は、空気が充填されており、カット・オフ周波数は、穴105の半径が0.32μmである、図4a、図4bの158THzに比べると、170THzにシフトしている。
図7aの場合、反射プロフィール701には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール703には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール705には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図7bの場合、透過プロフィール702には、金属層102に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール704には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール706には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図7a、図7bは、半径が0.24μmの穴105が、屈折率が1.4の材料で充填されている点を除けば、図6a、図6bと同じパラメータを備えている。カット・オフ周波数は、穴105が屈折率が1.4の材料で充填され、半径が0.32μmである、図5a、図5bの110THzに比べると、135THzにシフトしている。
本発明のもう1つの実施態様に従って、図8には、金属光フィルタ800のスーパーセル(supercell)810の平面図がしめされている。格子定数aは0.8μmである。穴805の半径は0.24μmであり、一方、穴806の半径は0.32μmである。金属光フィルタ800の場合、スーパーセル810が、4つの平面方向全てにおいて繰り返される。穴806のカット・オフ周波数は穴805より低いので、反射プロフィールまたは透過プロフィールに第2のより低いカット・オフ周波数が生じることになる。
図9aの場合、反射プロフィール901には、金属層802に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール903には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール905には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図9bの場合、透過プロフィール902には、金属層802に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール904には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール906には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。穴805及び806には、空気が充填されており、図9a、図9bには、図8の本発明による実施態様に関する約167THzのカット・オフ周波数が示されている。約167THzの透過ピーク及び反射ディップは、全ての穴105の半径が0.24μmで、空気が充填されている、図6a、図6bに示す約170THzのカット・オフ周波数に近い。図9aには、132THzの反射ディップが示され、図9bには、より大きい穴806のために生じる、約132THzの透過ピークも示されている。
図10aの場合、反射プロフィール1001には、金属層802に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が示されており、反射プロフィール1003には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の反射係数が示されており、反射プロフィール1005には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の反射係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。図10bの場合、透過プロフィール1002には、金属層802に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が示されており、透過プロフィール1004には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TM(横磁界)偏光した光の透過係数が示されており、透過プロフィール1006には、垂線に対して約15度の入射角で入射する、TE(横電界)偏光した光の透過係数が示されているが、全て、周波数と対比されている。穴805及び806には、屈折率が1.4の材料が充填されており、図10a、図10bには、約130THzのカット・オフ周波数が示されている。約130THzの透過ピークは、全ての穴105の半径が0.24μmで、屈折率が1.4の材料が充填されている、図7a、図7bに示す約135THzのカット・オフ周波数に近い。図10a、図10bには、より大きい穴806のために生じる、約104THzの反射ディップ及び透過ピークも示されている。単一分子の検出が求められる場合、一般に、穴105の1つを除く全てに材料が充填され、穴105のうち1つだけ空いた状態にする。これによって、分子の検知が穴105においてのみ行われるという保証が得られる。充填材料は、屈折率が約1.4のガラスまたはSiO2とすることが可能である。これによって、カットオフ周波数がより低い周波数に移行し(カット・オフ周波数と屈折率との関係に関する方程式2参照)、このカット・オフ周波数では、穴105に分子が存在することによる影響はほとんどないといって差し支えない。しかし、穴806の場合、図8に示す穴のサイズを拡大すると、カット・オフ周波数がさらに低い周波数へと移行する可能性があり(方程式2参照)、穴806内に単一分子が存在する場合に、カット・オフ周波数の変化による検出が可能になる。
図11には、一般に実施態様100及び800が組み込まれた、フィルタ・アレイ1100の本発明による実施態様が示されている。金属光フィルタ1150、1155、及び、1160は、カット・オフ周波数が異なっている。フィルタ・アレイ1100は、上部から照射され、検出器は、フィルタ・アレイ1100の下方に配置されている。フィルタ・アレイ1100は、任意の数の金属光フィルタに拡張することが可能である点に留意されたい。例えば、各金属光フィルタは、約20μm2であり、1mm2の領域内に、2500までの金属光フィルタを配列することが可能である。
図12aには、DUT1207に関して反射スペクトルと透過スペクトルの両方を測定するための典型的な測定システムに関する本発明による実施態様が示されている。例えば、DUT1207は、フィルタ・アレイ1100とすることもできるし、あるいは、個別金属光フィルタ100及び800とすることも可能である。波長可変レーザ源1250によって、光ビームが発生し、この光ビームが、一般に、所望の周波数範囲にわたって掃引され、偏光コントローラ1240を通過して、所望の偏光状態を発生する。一般に、直径が約1mm〜10mmの範囲のビームを生じるピグテール・コリメータとすることが可能なコリメータ1220によって、ほぼ平面波がビーム・スプリッタ1287に対して出射され、ビーム・スプリッタによって、入射ビームの一部が入射パワー検出モニタ1209に送られ、入射ビームの一部が低開口数レンズ1288に送られる。コリメータ1220及び低開口数レンズ1288によって、ビーム直径が検知領域に適合させられる。ビームの一部は、低開口数レンズ1288から被測定物(DUT)1207に向かう。ビームの一部は、DUT1207を通って、透過パワー検出モニタ1208に送られる。透過パワー検出モニタ1208は、金属光フィルタ100または800の透過をモニタする単一検出器とすることもできるし、あるいは、フィルタ・アレイ1100の透過をモニタする検出器アレイとすることも可能である。DUT1207に達するビームの一部は、反射によってビーム・スプリッタ1287に戻され、反射ビームの一部は、ビーム・スプリッタ1287によってビーム・スプリッタ1286に送られる。ビーム・スプリッタ1286によって、反射ビームの一部は、DUT1207の画像化に用いられるカメラ1210に送られ、反射ビームの一部は、反射パワー検出モニタ1211に送られる。反射パワー検出モニタ1211は、金属光フィルタ100または800からの反射をモニタする単一検出器とすることもできるし、あるいは、フィルタ・アレイ1100からの反射をモニタする検出器アレイとすることも可能である。
図12bには、DUT1207に関して反射スペクトルと透過スペクトルの両方を測定するための典型的な測定システムに関する本発明による実施態様が示されている。例えば、DUT1207は、フィルタ・アレイ1100とすることもできるし、あるいは、個別金属光フィルタ100及び800とすることも可能である。広帯域光源1251によって、光ビームが発生し、この光ビームが、偏光子1241に通されて、直線偏光ビームを生じることになる。直線偏光ビームは、一般に、直径が約1mm〜10mmの範囲のビームを生じるピグテール・コリメータとすることが可能なコリメータ1220を通過する。コリメータ1220によって、ほぼ平面波がビーム・スプリッタ1287に対して出射され、ビーム・スプリッタによって、入射ビームの一部が入射パワー検出モニタ1209に送られ、入射ビームの一部がDUT1207に送られる。ビームの一部は、DUT1207を通って分散素子1298に送られる。分散素子1298は、例えば、回折格子とすることも可能である。分散素子1298によって、ビームの透過部分が、透過パワー検出モニタ1208によって検出される成分波長に分割される。透過パワー検出モニタ1208は、金属光フィルタ100または800の透過をモニタする単一検出器とすることもできるし、あるいは、フィルタ・アレイ1100の透過をモニタする検出器アレイとすることも可能である。DUT1207に達するビームの一部は、反射によってビーム・スプリッタ1287に戻され、反射ビームの一部は、ビーム・スプリッタ1287によってビーム・スプリッタ1286に送られる。ビーム・スプリッタ1286によって、反射ビームの一部は、DUT1207の画像化に用いられるカメラ1210に送られ、反射ビームの一部は、分散素子1299に送られる。分散素子1299は、例えば、回折格子とすることも可能である。分散素子1299によって、ビームの反射部分が、反射パワー検出モニタ1211によって検出される成分波長に分割される。反射パワー検出モニタ1211は、金属光フィルタ100または800からの反射をモニタする単一検出器とすることもできるし、あるいは、フィルタ・アレイ1100からの反射をモニタする検出器アレイとすることも可能である。
図13a、図13bには、それぞれ、本発明による実施態様の平面図及び側面図が示されている。金属光フィルタ1300には、入射導波路1305と出射導波路1310を備えており、入射導波路1305及び出射導波路1310は、両方とも、波長がwdで、厚さがtである。図13a、図13bに示すように、入射導波路1305と出射導波路1310の間には、長さL、幅wm、及び、厚さtの金属板1315及び1320が配置されている。金属板1315及び1320は、幅wのギャップ1375に離隔されている。ギャップ1375に屈折率の異なる材料を挿入すると、金属光フィルタ1300の透過特性が変化し、材料のわずかな試料を利用して屈折率を求めることが可能になる。
図14には、金属光フィルタ1300の透過が周波数の関数として示されている。図14の目的上、金属板1315及び1320は、完全な導体であると仮定される。本発明による実施態様の場合、金属板1315及び1320は、一般に、約200THz未満の周波数の場合、金、銀、または、アルミニウムから製作されることになり、図14は、これらの金属に当てはまる。約400〜700THz以上の範囲にわたる周波数の場合、図14は、もはや、金の金属板の性能に関する良いモデルではない。透過プロフィール1405には、ギャップ1375に空気が充填されており、導波路1305及び1310の屈折率が、約3.4で、wd〜1.4a、wm〜w〜0.5a、L〜a、及びt〜0.6aの場合の、金属光フィルタ1300の透過が示されている。金属板1315及び1320の長さによって、上述の金属光フィルタ100及び800のような、2次元金属光フィルタにおける格子間隔aに類似した、特性長が得られる。透過プロフィール1410には、ギャップ1375に屈折率が約1.4の材料が充填されており、導波路1305及び1310の屈折率が、約3.4で、wd〜1.4a、wm〜w〜0.5a、L〜a、及びt〜0.6aの場合の、金属光フィルタ1300の透過が示されている。透過プロフィール1405及び1410は、金属光フィルタ100及び800を透過する場合の上述の透過プロフィールに類似している。透過プロフィール1405及び1410は、カット・オフ周波数未満では透過率が低く、カット・オフ周波数において、透過プロフィール1405の場合は1.23c/a、透過プロフィール1410の場合は0.9c/aである、透過率のピークを示す。透過プロフィール1405から透過プロフィール1410へのカット・オフ周波数のシフトは約27パーセントである。透過プロフィール1405の場合、導波路1305及び1310とギャップ1375内の空気との屈折率不整合が大きいため、透過率は、カット・オフ周波数で約4パーセントに過ぎない。透過プロフィール1410の場合、屈折率不整合が低減するため、カット・オフ周波数における透過率は、6.5パーセントまで改善される。
他の全てのパラメータを同じにしておいて、図13a、図13bの導波路1305及び1310の屈折率を約3.4から約2に低下させると、図15aに示すように、カット・オフ周波数における透過率が上昇する。透過プロフィール1505及び1510に示すように、透過率は、それぞれ、約10パーセント及び35パーセントまで上昇する。しかし、透過プロフィール1505及び1510には、カット・オフ周波数における所望の急峻な降下は存在しない。導波路1305及び1310と、空気または屈折率が約1.4の他の材料といった、まわりの材料との屈折率対比が減少するので、電磁波閉じ込めが弱められる。
図15bには、ギャップ1375のさまざまなw値に関する金属光フィルタ1300の透過が周波数の関数として示されている。他の全ての値は、金属光フィルタ1300に関して上述の通りである。透過プロフィール1525は、w〜0.375aに対応し、透過プロフィール1535は、w〜0.5aに対応し、透過プロフィール1545は、w〜0.625aに対応する。図15bの透過プロフィール1525、1535、及び、1545の比較から明らかなように、透過はギャップ1375の幅wを広げることによって増進される。
金属光フィルタ1600の場合、図16の側面図に示すように、金属板1615及び1620の厚さtをt〜1.2aに増すと、カット・オフ周波数未満における透過の減少が増す。図17には、これが示されている。透過プロフィール1705は、空気が充填されたギャップ1375に関するものであり、透過プロフィール1710は、屈折率が約1.4の材料が充填されたギャップに関するものである。a〜1.2μmとすると、t〜1.44μmが得られ、透過プロフィール1705の場合、カット・オフ周波数が約308THzになり、透過プロフィール1710の場合、カット・オフ周波数が約225THzになる。
図18には、図13a、図13b、及び、図16に示す実施態様を組み合わせて、マルチ・センサ構成1800が実行されている、本発明によるマルチ・センサ構成1800の実施態様の1つが示されている。入射導波路1805は、それぞれ金属板1831によって包囲された、幅の異なる可能性のある、ギャップ1855、1865、及び、1875に光を送り込む。入射導波路は、単一入射モードが、一般に、異なるサイズのギャップ1855、1865、及び、1875に入射することを保証するため、一般に、テーパ状になっている。モードが異なれば、カット・オフ周波数も多少異なるので、ギャップに2つ以上のモードを入射させるのは望ましくない。出射導波路1810、1820、及び、1830は、それぞれ、各ギャップ1855、1865、及び、1875の透過プロフィールを求めるのに適した検出器に出射光を送る。
図19には、例えば、一辺が約0.48μmの正方形の穴1905を備えた、格子定数が約0.8μmの、本発明による実施態様が示されている。例えば、層1902にエッチングを施して、十字形とすることも可能な正方形の穴1905を形成することが可能であり、層1902は、厚さが一般に約0.32μmの金層とすることが可能である。層1902は、一般に、厚さが一般に約0.48μmのSiO2層(不図示)の上に位置している。
図20aの場合、反射プロフィール2005には、屈折率が1.4の材料が充填された正方形の穴1905に関して、金層1902に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。反射プロフィール2010には、屈折率が1.41の材料が充填された正方形の穴1905に関して、金層1902に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。図20a、図20bに関する結果は、金の周波数依存屈折率を用いて得られた。
図20bの場合、透過プロフィール2015には、屈折率が1.4の材料が充填された正方形の穴1905に関して、金層に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。カット・オフ周波数は、約196.3THzである。透過プロフィール2020には、屈折率が1.41の材料が充填された正方形の穴1905に関して、金層1902に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。カット・オフ周波数は、約195THzである。屈折率が、それぞれ、1.4及び1.41の場合のカット・オフ周波数である約196.3THzと約195THzを比較すると、Δλ/Δn〜1000nmの感度の目安が得られる。この感度は、一般に、米国特許出願公開第10/799,020号明細書に記載の誘電体2次元フォトニック結晶構造から得られる約200nm程度の感度の4倍を超える。金属光フィルタ1900に関する感度が増大するのは、金層1902によって、光の大部分が正方形の穴1905に近接した領域に閉じ込められ、同時に、誘電体2次元フォトニック結晶構造によって、光の大部分が誘電体領域に閉じ込められるためである。
層1902の金属に関する本発明によるもう1つの選択は、クロムである。図21a、図21bには、厚さが一般に約0.32μmで、他のパラメータが図19と同じであるクロム層1902の結果が示されている。図21aの場合、反射プロフィール2105には、屈折率が1.4の材料が充填された正方形の穴1905に関して、クロム層1902に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。反射プロフィール2110には、屈折率が1.41の材料が充填された正方形の穴1905に関して、クロム層1902に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。図21a、図21bの結果が、クロムの周波数依存反射係数を用いて得られたという点に留意されたい。クロムは反強磁性のため、クロムの誘電率の実部は、周波数とともに急激に増大し、約235THzにおいて正になり(金属は、紫外領域を除くと、一般に、誘電率の値が負である)、約280THzで最大値に達し、その後、減少して、約350THzで再び負になる。
図21bの場合、透過プロフィール2115には、屈折率が1.4の材料が充填された正方形の穴1905に関して、クロム層に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。カット・オフ周波数は、約197THzである。透過プロフィール2120には、屈折率が1.41の材料が充填された正方形の穴1905に関して、クロム層1902に対する垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。カット・オフ周波数は、約195.1THzである。屈折率が、それぞれ、1.4及び1.41の場合のカット・オフ周波数である約196.3THzと約195THzを比較すると、Δλ/Δn=1500nmのシフトが得られる。金属層1902にクロムを利用すると、金属層1902に金を用いることによって得られるシフトに対してシフト量が増すが、損失が大幅に増し、狭帯域光源を用いる場合、S/N比が悪いので、カット・オフ周波数の測定がいっそう困難になる。金属層1902にクロムを用いる場合にシフト量が増すのは、上述のクロムに関する誘電率の実部が急激に増大するためである。他の材料も、周波数とともに、誘電率の急激な変化を示す。例えば、AlAsは、大部分の周波数について、誘電率の実部が正であるが、約12THzにおいて、AlAs材料は、AlAs結晶構造の振動モードに起因する鋭い共鳴を示し、これが、誘電率の急激な変化に変換され、誘電率の実部が、11THzと12THzの間で負になる。
図22a、図22bの場合、格子定数aは約1μmであり、正方形の穴1905の辺は、約0.4μmの長さであり、正方形の穴1905には、空気が充填されている。図22a、図22bの結果が、金の周波数依存屈折率を利用して得られたという点に留意されたい。図22aの場合、反射プロフィール2205には、厚さが約0.4μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。反射プロフィール2210には、厚さが約0.1μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。反射プロフィール2215には、厚さが約0.05μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。
図22bの場合、透過プロフィール2206には、厚さが約0.4μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。透過プロフィール2211には、厚さが約0.1μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。透過プロフィール2216には、厚さが約0.05μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。品質係数(quality factor)Qは、透過プロフィール2206の場合、約22であり、透過プロフィール2211の場合、約10であり、透過プロフィール2216の場合、約7である。これによって明らかなように、0.4a以上の金層1902は(ここで、aは格子定数である)、一般に、優れたQをもたらす。
図23a、図23bの場合、格子定数aは、約1μmであり、正方形の穴1905の辺は、約0.6μmの長さであり、正方形の穴1905には、空気が充填されている。図23a、図23bの結果が、金の周波数依存屈折率を利用して得られたという点に留意されたい。図23aの場合、反射プロフィール2305には、厚さが約0.4μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。反射プロフィール2310には、厚さが約0.1μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。反射プロフィール2315には、厚さが約0.05μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の反射係数が周波数と対比して示されている。図22aの反射プロフィール2205、2210、及び、2215と、図23aの反射プロフィール2305、2310、及び、2315を比較すると明らかなように、反射ディップは、図23aのほうが目立たない。これから分るように、辺長が0.4a未満の正方形の穴は(ここで、aは格子定数である)、一般に、より高いQをもたらす。
図23bの場合、透過プロフィール2306には、厚さが約0.4μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。透過プロフィール2316には、厚さが約0.1μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。透過プロフィール2316には、厚さが約0.05μmの金層1902の垂線に対して約0度の入射角で入射する光の透過係数が周波数と対比して示されている。図22bの透過プロフィール2206、2211、及び、2216と、図23bの透過プロフィール2306、2311、及び、2316を比較すると明らかなように、透過ピークは、図23bのほうが目立たない。これから分るように、辺長が0.4a未満の正方形の穴は(ここで、aは格子定数である)、一般に、より高いQをもたらす。
図24a、図24bには、層1902が銀であり、正方形の穴1905の辺長が約0.36μmであり、格子定数が約0.6μmである場合の図19の構造に関して、透過プロフィール及び反射プロフィールが周波数と対比して示されている。銀層1902は、厚さが約240nmで、上面と底面の両方とも、空気によって包囲されている。図24a、図24bには、銀層1902の上面及び底面、さらに、正方形の穴1905の内部に、それぞれ、厚さが約30nm及び屈折率が1.4の薄膜層を付着させると、反射プロフィール及び透過プロフィールがどれほど変化するかが示されている。反射プロフィール2401及び透過プロフィール2411には、薄膜が存在しない場合の、約336THzのカット・オフ周波数が示されている。反射プロフィール2402及び透過プロフィール2412には、単一薄膜層を付着させた場合の、約296THzのカット・オフ周波数が示されている。反射プロフィール2403及び透過プロフィール2413には、2つの薄膜層を付着させた場合の、約277THzのカット・オフ周波数が示されている。反射プロフィール2404及び透過プロフィール2414には、3つの薄膜層を付着させた場合の、約265THzのカット・オフ周波数が示されている。反射プロフィール2405及び透過プロフィール2415には、6つの薄膜層を付着させた場合の、約255THzのカット・オフ周波数が示されている。付着した30nmの第1の薄膜層によって、カット・オフ周波数に約336THz〜296THzの最大シフトが生じることになる。これは、電磁界分布が、正方形の穴1905の壁面近くで最大になり、中心において最小になることを示している。薄膜層が、中心に向かって弱くなる電磁界分布部分に入り込むにつれて、薄膜層の効果は低減する。
本発明の説明は特定の実施態様に関連して行われたが、当該技術者であれば分るように、以上の説明に鑑みて、多くの代替、修正、及び、変更実施態様が明らかになる。従って、本発明は、付属の請求項の理念及び範囲内にある、こうした代替、修正、及び、変更実施態様を包含することを意図したものである。
100 金属光フィルタ
102 金属層
104 誘電体層
105 穴
150 金属光フィルタ
165 第2の金属層
192 金属層
194 誘電体層
195 穴
199 金属光フィルタ
102 金属層
104 誘電体層
105 穴
150 金属光フィルタ
165 第2の金属層
192 金属層
194 誘電体層
195 穴
199 金属光フィルタ
Claims (11)
- センサとして機能することが可能な光カット・オフ周波数を備える金属光フィルタであって、
ほぼ平行な第1の表面および第2の表面を備える誘電体層と、
前記誘電体層の前記第1の表面上に形成された金属層と、を有し、
前記金属層が、周期的格子を形成するように構成された断面を備える穴を備えており、該穴が屈折率を備える材料を含んでおり、
前記穴の前記屈折率を変更するか、または、前記穴の前記断面を変更することによって、前記金属光フィルタの光カット・オフ周波数を修正できる、金属光フィルタ。 - 前記穴の断面がほぼ円形である、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記穴の断面がほぼ正方形である、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記金属層が金から構成される、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記金属層が銀から構成される、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記金属層がクロムから構成される、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記誘電体層が、二酸化珪素、空気、または、屈折率が約2未満の他の材料から構成される、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記穴のうち第1の穴の断面積が前記穴の残りの穴よりも大きい、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記穴が、前記誘電体層を貫いている、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- さらに、前記誘電体層の前記第2の表面上に形成された第2の金属層を有し、該第2の金属層が、前記周期的格子を形成するように構成された前記断面を備える前記穴を含む、請求項1に記載の金属光フィルタ。
- 前記誘電体層が、ある光周波数範囲にわたって光学的に透過である、請求項1に記載の金属光フィルタ。
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