JP2011190727A - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピンロッド4の回転軸方向の一端部外周に出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを分離して嵌合固定した構造を安価に実現することを課題とする。
【解決手段】 ピンロッド4の嵌合部31を出力ギヤ部材11の第1圧入孔33に圧入固定し、ピンロッド4の最端部32をセンサ保持部材12の第2圧入孔34に圧入固定している。これにより、ピンロッド4の回転軸方向のアクチュエータ側の端部外周に出力ギヤ部材11およびセンサ保持部材12が強固に嵌合保持される。これにより、従来の技術と比べて部品点数および組付工数を低減できるので、コスト削減を図ることができる。
したがって、ピンロッド4の回転軸方向のアクチュエータ側の端部外周に出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを分離して嵌合固定した構造を、従来の技術と比べて安価に実現することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室に吸い込まれる吸入空気を制御する吸気制御弁を備えた内燃機関の吸気装置に関するもので、特に内燃機関の燃焼室内において旋回流(吸気渦流)を発生させる吸気流制御弁を備えた内燃機関の吸気装置に係わる。
[従来の技術]
従来より、内燃機関の吸気装置として、内燃機関(エンジン)の燃焼室に連通する吸気通路の通路断面積を絞ることで、エンジンの燃焼室内において混合気の旋回流(吸気渦流)を発生させて燃焼効率の向上を図るようにした吸気渦流発生装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
この吸気渦流発生装置は、エンジンの吸気通路を形成する吸気ダクトと、エンジンの吸気通路を開閉してエンジンの燃焼室に吸い込まれる吸入空気を制御する吸気流制御弁(SCVまたはTCVと、この吸気流制御弁の弁体であるバルブを支持するピンロッドと、このピンロッドを介してバルブを駆動するアクチュエータとを備えている。このアクチュエータは、モータおよび複数の減速ギヤ等によって構成されている。
なお、吸気ダクトには、ピンロッドの回転軸方向のアクチュエータ側の端部の周囲を取り囲む円筒ハウジングが形成されている。
そして、特許文献1に記載のピンロッドの回転軸方向の一端部には、減速ギヤおよびストッパレバーをピンロッドに連結するジョイントシャフトが嵌合保持されている。このジョイントシャフトには、径大部および径小部が設けられている。ジョイントシャフトの径大部の外周には、ボールベアリングやオイルシールを介して、円筒ハウジングに回転自在に支持される円筒面が形成されている。
ここで、ジョイントシャフトの径小部には、減速ギヤ(出力ギヤ)にインサート成形されるストッパレバーをジョイントシャフトの径大部に組み付けるための第1ナット部材と螺合する第1外周ネジ部が形成されている。また、ピンロッドは、ジョイントシャフトよりも回転軸方向の一端側に突出した小判型部(突出部)に、センサ固定レバーをジョイントシャフトの径小部に組み付けるための第2ナット部材と螺合する第2外周ネジ部が形成されている。なお、センサ固定レバーには、吸気流制御弁のバルブ開度を検出するバルブ開度センサのマグネットまたは非接触式の磁気検出素子が固定されている。
また、ピンロッドの回転軸方向の一端部には、断面多角形状の多角形状部、断面円形状の円形状部、および2面幅を有する小判型の突出部が形成されている。なお、ピンロッドの回転軸方向の一端部は、バルブ側から先端側に向けて、多角形状部、円形状部、突出部の順に段階的に断面積が小さくなっている。そして、多角形状部の一部には、ジョイントシャフトの径大部(円筒部)を貫通する断面円形状の第1圧入孔に圧入される断面多角形状の第1嵌合部が設けられている。また、円形状部の一部には、ジョイントシャフトの径小部(円筒部)を貫通する断面円形状の第2圧入孔に圧入される断面円形状の第2嵌合部が設けられている。
そして、特許文献1に記載の吸気渦流発生装置においては、吸気流制御弁のバルブ開度を変更するピンロッドの一端部外周に、減速ギヤおよびストッパレバーとマグネットおよびセンサ固定レバーとを分離して固定している。
これによって、ピンロッドとジョイントシャフトとの間で回転スリップ等の異常状態が発生している場合であっても、ピンロッドと一体的に回転するマグネット、およびこのマグネットから放出される磁束を検出する磁気検出素子を有するバルブ開度センサによって、その回転スリップ等の異常状態を検知することが可能となる。
また、本実施例のピンロッドの2つの第1、第2嵌合部は、円筒形状のジョイントシャフトの各第1、第2圧入孔に圧入固定されている。
ここで、ピンロッドの第1嵌合部の断面形状は多角形状であり、ジョイントシャフトの第1圧入孔の孔形状は円形状である。また、ピンロッドの第2嵌合部の断面形状は円形状であり、ジョイントシャフトの第2圧入孔の孔形状は円形状である。
これによって、ピンロッドの第1嵌合部の外周面とジョイントシャフトの第1圧入孔の孔壁面との間に形成される隙間を通って吸入空気が漏れ出した場合であっても、ピンロッドの第2嵌合部の外周面とジョイントシャフトの第2圧入孔の孔壁面との間の気密性を確保することが可能となる。
また、ジョイントシャフトの第1圧入孔の孔径を、第2圧入孔の孔径よりも大きく設定し、ピンロッドの第1嵌合部の断面積を、第2嵌合部の断面積よりも大きく設定している。これによって、吸気圧力により吸気流制御弁のバルブを介してピンロッドに加わる捩じりトルクを、第2嵌合部よりも断面積の大きい第1嵌合部にて受けることができるので、第1嵌合部よりも断面積の小さい第2嵌合部における応力集中を緩和することが可能となる。
[従来の技術の不具合]
ところが、特許文献1に記載の吸気渦流発生装置においては、減速ギヤおよびこの減速ギヤを保持するストッパレバーをピンロッドに組み付けるために、ジョイントシャフトおよび第1ナット部材が必要であり、また、マグネットおよびこのマグネットを保持するセンサ固定レバーをピンロッドに組み付けるために、ジョイントシャフトおよび第2ナット部材が必要である。さらに、第1ナット部材が螺合する第1外周ネジ部をジョイントシャフトの径小部に形成するために、ジョイントシャフトにねじ切削加工を施す必要があり、また、第2ナット部材が螺合する第2外周ネジ部をピンロッドの小判型の突出部に形成するために、ジョイントシャフトにねじ切削加工を施す必要がある。
また、断面多角形状のピンロッドの多角形状部よりも先端側に、断面円形状の円形状部、および2面幅を有する小判型の突出部を形成するために、ピンロッドに外周切削開口を施す必要がある。
したがって、特許文献1に記載の吸気渦流発生装置においては、吸気流制御弁のバルブ開度を変更するピンロッドの一端部外周に、減速ギヤおよびストッパレバーとマグネットおよびセンサ固定レバーとを分離固定する構造を採用することで、上述したような優れた効果を備えるものの、ジョイントシャフトおよびピンロッドに対してねじ切削加工を施す必要があり、部品点数および組付工数が多く、製造コストが上昇するという問題が生じている。
特開2009−013934号公報
本発明の目的は、部品点数や組付工数を減らしてコスト削減を図ることのできる内燃機関の吸気装置を提供することにある。また、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材とを分離してシャフトに固定する構造を安価に実現することのできる内燃機関の吸気装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明によれば、ギヤまたはこのギヤを保持するギヤ保持部材とセンサまたはこのセンサを保持するセンサ保持部材とを分離してシャフトに固定されている。そして、シャフトの回転軸方向に垂直な断面は、多角形状に形成されている。そして、ギヤまたはギヤ保持部材は、シャフトを圧入固定する多角孔形状の第1圧入孔を有している。また、センサまたはセンサ保持部材は、シャフトの嵌合部を圧入固定する多角孔形状の第2圧入孔を有している。
これによって、ジョイントシャフトの第1、第2圧入孔にピンロッドの第1、第2嵌合部を圧入固定する構造、ジョイントシャフトに第1ナット部材を締め付けることで、ジョイントシャフトの外周にギヤ保持部材を組み付ける構造、およびピンロッドに第2ナット部材を締め付けることで、ピンロッドの外周にセンサ保持部材を組み付ける構造を採用することなく、ギヤまたはギヤ保持部材の第1圧入孔、センサまたはセンサ保持部材の第2圧入孔にシャフトを圧入固定する構造を採用しているので、第1、第2ナット部材、ジョイントシャフトを廃止することができる。また、これに伴って第1ナット部材と螺合する第1外周ネジ部、第2ナット部材と螺合する第2外周ネジ部が不要となるので、ネジ切削加工を廃止できる。これにより、従来の技術と比べて部品点数および組付工数を低減できるので、コスト削減を図ることができる。
したがって、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材とを分離してシャフトに固定する構造を、従来の技術と比べて安価に実現することができる。
請求項2に記載の発明によれば、多角孔形状の第1圧入孔は、ギヤまたはギヤ保持部材をその軸線方向に貫通する貫通孔形状に形成されている。
請求項3に記載の発明によれば、シャフト(の回転軸方向の一端部)に、ギヤまたはギヤ保持部材の第1圧入孔に貫通圧入される多角形状の第1嵌合部が設けられている。また、シャフトは、ギヤまたはギヤ保持部材の第1圧入孔を貫通して第1圧入孔の開口端面より突出するように延びている。
ここで、ギヤまたはギヤ保持部材に設けられる多角孔形状の第1圧入孔およびセンサまたはセンサ保持部材に設けられる多角孔形状の第2圧入孔に、断面多角形状のシャフトを圧入固定すると、ギヤまたはギヤ保持部材、あるいはセンサまたはセンサ保持部材とシャフトとの間の気密性の確保が難しくなるという問題がある。
また、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材とを分離してシャフトに固定する構造の一例として、センサまたはセンサ保持部材をギヤまたはギヤ保持部材に当接または近接した状態で、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材とを順にシャフトに圧入した場合には、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材との間の気密性の確保が難しくなるという問題がある。
ギヤまたはギヤ保持部材とシャフトとの間の気密性、あるいはセンサまたはセンサ保持部材とシャフトとの間の気密性、あるいはギヤ保持部材とセンサ保持部材との間の気密性を確保できないと、ケーシングの内部(吸気通路)を流れる吸入空気がケーシングの外部に洩れ出てしまう気密洩れ等の品質上の問題が生じる懸念がある。
そこで、センサまたはセンサ保持部材とシャフトとの間の気密性を確保できるようにして、気密洩れ等の品質上の問題を解消するという目的を、請求項4〜8に記載の発明により実現した。
請求項4に記載の発明によれば、センサまたはセンサ保持部材は、ギヤまたはギヤ保持部材に当接または近接して設置されている。そして、センサまたはセンサ保持部材(の回転軸方向の一端面)に、第1圧入孔の開口端面に対向する対向端面が形成されている。
請求項5に記載の発明によれば、多角孔形状の第2圧入孔は、センサまたはセンサ保持部材の対向端面で開口し、この開口側から奥側まで延びる袋孔形状に形成されている。
請求項6に記載の発明によれば、シャフト(の回転軸方向の一端部)に、センサまたはセンサ保持部材の第2圧入孔に圧入される多角形状の第2嵌合部が設けられている。
請求項7に記載の発明によれば、第2圧入孔の奥側に、第2圧入孔の奥側を閉塞する底部が設けられている。
請求項8に記載の発明によれば、第2圧入孔の底部に、シャフト(の第2嵌合部)の回転軸方向の一端面に当接または対向する底面が形成されている。
なお、シャフトの回転軸方向の一端部に、先ずギヤまたはギヤ保持部材を圧入固定した後に、センサまたはセンサ保持部材を圧入固定する。
これによって、センサまたはセンサ保持部材とシャフトの第2嵌合部との間に形成される隙間を袋孔形状の第2圧入孔によって気密シールすることで、センサまたはセンサ保持部材とシャフトとの間の気密性を容易に確保できる。これにより、ケーシングの内部(吸気通路)を流れる吸入空気がケーシングの外部に洩れる(気密洩れ)等の品質上の問題を解消することができる。
請求項9に記載の発明によれば、センサまたはセンサ保持部材の回転軸方向の一端面に、センサまたはセンサ保持部材の対向端面に対して反対側の端面が設けられている。そして、アクチュエータに、センサまたはセンサ保持部材の対向端面に対して反対側の端面との間に所定の隙間を隔てて対向する対向部が設けられている。
請求項10に記載の発明によれば、センサまたはセンサ保持部材に、第1圧入孔の開口端面に対向する対向端面に対して反対側の端面、およびこの端面からアクチュエータの対向部側へ向けて突出する球面状の突起部が設けられている。
これによって、仮にシャフトの第2嵌合部に対してセンサまたはセンサ保持部材の圧入抜けが発生し、シャフトと一体的に回転するセンサまたはセンサ保持部材の球面状の突起部がアクチュエータの対向部に当たって摺接するようになった場合であっても、アクチュエータの対向部に対するシャフトの摺動トルクの増加を抑制できるので、バルブおよびシャフトの動作不良を抑制することができる。
また、ギヤまたはギヤ保持部材とケーシングのハウジングとの間の気密性を確保できるようにして、気密洩れ等の品質上の問題を解消するという目的を、請求項11〜13に記載の発明により実現した。
請求項11に記載の発明によれば、ケーシングとアクチュエータとの間に、ギヤまたはギヤ保持部材を収容するギヤ収納室が形成されている。
請求項12に記載の発明によれば、ギヤまたはギヤ保持部材とケーシングのハウジングとの間に介在してギヤまたはギヤ保持部材を回転自在に軸支する軸受け部材を備えている。そして、ケーシングのハウジングは、軸受け部材を介して、ギヤまたはギヤ保持部材を回転自在に支持している。
請求項13に記載の発明によれば、ギヤまたはギヤ保持部材とケーシングのハウジングとの間の気密を確保するための環状の第1シール部材を備えている。この第1シール部材は、ギヤまたはギヤ保持部材の周囲を周方向に取り囲むように配置されている。
これによって、ギヤまたはギヤ保持部材とケーシングのハウジングとの間に形成される隙間を環状の第1シール部材によって気密シールすることで、ギヤまたはギヤ保持部材とケーシングのハウジングとの間の気密性を容易に確保できる。これにより、ケーシングの内部(吸気通路)を流れる吸入空気がケーシングの外部に洩れ出てしまう気密洩れ等の品質上の問題を解消することができる。
また、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材との間の気密性を確保できるようにして、気密洩れ等の品質上の問題を解消するという目的で、請求項14に記載の発明によれば、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材との間に配置されて、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材との間の気密を確保するための環状の第2シール部材を備えている。
これによって、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材との間に形成される隙間を環状の第2シール部材によってシールすることで、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材との間の気密性を容易に確保できる。これにより、ケーシングの内部(吸気通路)を流れる吸入空気がケーシングの外部に洩れ出てしまう気密洩れ等の品質上の問題を解消することができる。
ここで、内燃機関が、複数の気筒を有する内燃機関(エンジン)であっても良い。また、吸気通路が、内燃機関の各気筒毎に吸入空気を供給する複数の吸気通路であっても良い。また、複数の吸気通路を、内燃機関の気筒配列方向に並列配置しても良い。
また、バルブが、複数の吸気通路毎に回転自在に収容された複数のバルブであっても良い。また、シャフトが、複数のバルブを連動可能となるように連結する1本のピンロッドであっても良い。
また、シャフトの嵌合部を、ピンロッドの回転軸方向の一端側に設けても良い。
また、シャフトが、ギヤまたはギヤ保持部材を貫通して延びるピンロッドであっても良い。また、シャフトに、ギヤまたはギヤ保持部材を貫通して外方側(アクチュエータ側)に突出した最端部を設け、この最端部が第2圧入孔に圧入して固定される構造を採用しても良い。
内燃機関の吸気装置の全体構造を示した概略図である(実施例1)。 内燃機関の吸気装置の主要構造を示した断面図である(実施例1)。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、部品点数や組付工数を減らしてコスト削減を図るという目的、また、ギヤまたはギヤ保持部材とセンサまたはセンサ保持部材とを分離してシャフトに固定する構造を安価に実現するという目的を、シャフトの嵌合部をギヤ保持部材の第1圧入孔、センサ保持部材の第2圧入孔の順に圧入固定することで実現した。
[実施例1の構成]
図1および図2は本発明の実施例1を示したもので、図1は内燃機関の吸気装置の全体構造を示した図である。
本実施例の内燃機関の吸気装置は、複数の気筒を有する内燃機関(直列4気筒エンジン:以下エンジンと言う)の各気筒(シリンダ)毎に吸入空気を供給する複数の吸気通路が、エンジンの気筒配列方向に並列配置された吸気通路構造を具備し、エアクリーナ、電子制御スロットル装置、吸気渦流発生装置等を備えている。また、エンジンは、例えば自動車等の車両のエンジンルーム内に搭載されている。
本実施例の吸気渦流発生装置は、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(吸気渦流、タンブル流)を発生させる複数の吸気流制御弁(タンブル流制御弁、TCV)を備えている。複数のTCV(バルブユニット)は、インテークマニホールド1内に格納される角筒状のカートリッジ2、およびこのカートリッジ2の内部に開閉自在(回転自在)に収容された吸気流制御バルブ(以下バルブと略す)3等によって構成されている。
また、吸気渦流発生装置は、複数のバルブ3を支持固定すると共に、複数のバルブ3を連動可能となるように連結する1本のピンロッド(シャフト)4と、複数のバルブ3を駆動する駆動力を発生するモータ(図示せず)、およびこのモータの駆動力をピンロッド4に伝達する円弧状の出力ギヤ5を有するアクチュエータと、ピンロッド4の回転に伴って回転する円弧状のマグネット(磁石)6、およびこのマグネット6から放出される磁束を検出するホール素子7を有するバルブ開度センサとを備えている。
ここで、インテークマニホールド1には、ピンロッド4の回転軸方向の一端部(アクチュエータ側の端部)を回転自在に収容するブロック状(または円筒状)のハウジング(シャフト軸受け部)8、およびピンロッド4の回転軸方向の他端部(アクチュエータ側に対して反対側の端部)を回転自在に収容する円筒状(またはブロック状)のハウジング(シャフト軸受け部)9が樹脂一体成形されている。
また、アクチュエータは、内部にモータおよび動力伝達機構を内蔵するアクチュエータ本体(アクチュエータケース)10、および最大外径部(外周部)に出力ギヤ5を樹脂一体成形した出力ギヤ部材11を有している。
また、バルブ開度センサは、マグネット6を保持すると共に、マグネット6をピンロッド4に組み付けるためのマグネットロータ(センサ保持部材)12を有している。
そして、吸気渦流発生装置は、ピンロッド4の回転軸方向の一端部外周(アクチュエータ側の端部外周)に出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを分離して固定した構造を採用している。
また、吸気渦流発生装置は、インテークマニホールド1のハウジング8と出力ギヤ部材11との間に介在して、ピンロッド4および出力ギヤ部材11を回転自在に軸支する円環状のボールベアリング(以下ベアリングと略す)13と、出力ギヤ部材11の周囲を円周方向に取り囲むように配置されて、インテークマニホールド1のハウジング8と出力ギヤ部材11との間に形成される環状隙間を気密シールする円環状の第1シール部材(第1弾性シール部材:以下オイルシールと言う)14と、出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12との間に配置されて、出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12との間に形成される環状隙間を気密シールする円環状の第2シール部材(第2弾性シール部材:以下Oリングと言う)15とを備えている。
ここで、エンジンは、エアクリーナ(内燃機関のエアクリーナ)で濾過された清浄な吸入空気とインジェクタより噴射された燃料との混合気を、各気筒の燃焼室内で燃焼させて得られる熱エネルギーにより出力を発生するガソリンエンジンである。
エンジンは、複数の気筒(第1〜第4気筒)を有し、第1〜第4気筒が気筒配列方向に直列に配置されたシリンダブロックと、複数の吸気ポート(インテークポート)および複数の排気ポート(エキゾーストポート)を有するシリンダヘッドとを備えている。
また、エンジンのシリンダヘッドには、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸入空気を導入するための吸気管(吸気ダクト)と、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出する排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気管(排気ダクト)とが接続されている。
吸気ダクトの内部には、エアクリーナで濾過された清浄な外気を、エアクリーナホース、電子制御スロットル装置のスロットルボディ、インテークマニホールド1、吸気ポートを経由して、エンジンの各気筒毎の燃焼室に導入するための吸気通路(複数の独立吸気通路を含む)が形成されている。また、吸気ダクトは、エアクリーナケース、エアクリーナホース、スロットルボディおよびインテークマニホールド1等によって構成されている。 また、エンジンのシリンダブロックの内部には、気筒配列方向に4つの燃焼室が形成されている。また、シリンダブロックの各気筒の内部に形成されるシリンダボア内には、連接棒を介して、クランクシャフトに連結されたピストンがその摺動方向に摺動自在に支持されている。
エンジンの各気筒毎の燃焼室に独立して接続される複数の吸気ポートは、ポペット型の吸気バルブ(インテークバルブ)によって開閉される。また、エンジンの各気筒毎の燃焼室に独立して接続される複数の排気ポートは、ポペット型の排気バルブ(エキゾーストバルブ)によって開閉される。
また、エンジンのシリンダヘッドには、先端部が各気筒毎の燃焼室内に露出するようにスパークプラグが取り付けられている。そして、シリンダヘッドには、各吸気ポート内に最適なタイミングで燃料を噴射するインジェクタ(電磁式燃料噴射弁)が取り付けられている。
ここで、本実施例の電子制御スロットル装置は、図示しないスロットルバルブのバルブ開度に相当するスロットル開度に応じて、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に吸い込まれる吸入空気の流量(吸入空気量)を可変制御するシステムである。
この電子制御スロットル装置は、エンジンの吸気ダクトの途中に設置されたスロットルボディ、吸気ダクトの内部(共通吸気通路)を流れる吸入空気量を可変するバタフライ型のスロットルバルブ、およびこのスロットルバルブを閉弁作動方向(または開弁作動方向)に付勢するリターンスプリング(またはデフォルトスプリング)等によって構成されている。
また、スロットルボディには、スロットルバルブを支持固定するシャフト(回転軸)を開弁作動方向(または閉弁作動方向)に駆動するアクチュエータが搭載されている。このアクチュエータは、電力の供給を受けると駆動力を発生するモータ、およびこのモータの駆動力をスロットルバルブのシャフト(回転軸)に伝達する動力伝達機構(例えば歯車減速機構)等を有している。
ここで、スロットルバルブを駆動するモータは、エンジン制御ユニット(エンジン制御装置:以下ECUと言う)によって電子制御されるモータ駆動回路を介して、自動車等の車両に搭載されたバッテリに電気的に接続されている。
ここで、本実施例の吸気渦流発生装置は、自動車等の車両のエンジンルームに設置されて、並列配置された複数の吸気通路17の吸気通路断面積を絞ることで、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(吸気渦流、タンブル流)を発生させるシステムである。
この吸気渦流発生装置は、電子制御スロットル装置と共に、エンジンの吸気系統に組み込まれている。そして、吸気渦流発生装置は、TCV(バルブユニット)を、インテークマニホールド1の内部にピンロッド4の回転軸方向に一定の間隔で並列的に複数配置した多連一体型のバルブ開閉装置である。
また、吸気渦流発生装置は、エンジンの吸気ダクトのスロットルボディよりも吸気流方向の下流側に結合されたインテークマニホールド1と、このインテークマニホールド1の内部(複数の独立吸気通路)を流れる吸入空気を制御する複数のTCV(バルブユニット、吸気流制御弁、タンブル流制御弁)と、これらのTCVの弁体であるバルブ3の回転中心部の内部に圧入固定される1本のピンロッド4と、このピンロッド4を介して、複数のTCVのバルブ開度(回転角度)を一括変更することが可能なアクチュエータと、複数のTCVのバルブ開度を、電子制御スロットル装置、点火装置、燃料噴射装置等の各システムと関連して制御するECUとを備えている。
本実施例のインテークマニホールド1は、複数のパーツよりなり、吸入空気の圧力脈動を低減するサージタンクと、このサージタンクの複数の出口に接続する複数の吸気分岐管とを備えたサージタンク一体型のインテークマニホールドである。なお、複数のパーツは、全て合成樹脂製となっている。
そして、インテークマニホールド1は、エンジンの各気筒毎の燃焼室に連通する複数の吸気通路(独立吸気通路)を形成するケーシングである。
このインテークマニホールド1の内部には、断面方形状のカートリッジ格納室19および断面方形状の独立吸気通路が気筒数に対応した個数形成されている。各独立吸気通路は、各吸気通路17を経由して、シリンダヘッドの各吸気ポートに互いに独立して接続されている。各カートリッジ格納室19の内部には、それぞれ対応したバルブユニット、特にカートリッジ2が嵌合保持されている。
また、各カートリッジ2の両側壁部には、円筒状に形成された2つのベアリング21を介して、各バルブ3の回転中心を成す回転中心部の両端部を回転自在に軸支するバルブ軸受け部が形成されている。なお、各カートリッジ2は、角環状のゴムガスケット(図示せず)を介して、インテークマニホールド1のカートリッジ格納室19内に弾性支持されている。
また、インテークマニホールド1は、複数のカートリッジ格納室19および複数の独立吸気通路を区画形成する複数の隔壁部22を有している。また、インテークマニホールド1には、複数の隔壁部22および全てのカートリッジ格納室19をピンロッド4の回転軸方向に貫通する複数のシャフト貫通孔23が形成されている。
複数の隔壁部22は、各カートリッジ2の周囲を取り囲むように設けられており、エンジンのシリンダヘッドの結合端面に気密的に結合する結合端面を有している。
また、インテークマニホールド1は、その回転軸方向の一方側(最外側)に形成される隔壁部22の側面から、回転軸方向の一方側(外部側、アクチュエータ側)に向かって突出する円筒状(またはブロック状)のハウジング8を有している。
また、インテークマニホールド1は、その回転軸方向の他方側(最外側)に形成される隔壁部22の側面から、回転軸方向の他方側(外部側、アクチュエータ側に対して反対側)に向かって突出する円筒状のハウジング9を有している。
なお、インテークマニホールド1、特にハウジング8の詳細は、後述する。
ここで、複数のTCVは、複数のカートリッジ2毎に、インテークマニホールド1の各独立吸気通路毎に対応して接続され、且つシリンダヘッドの各吸気ポート毎に対応して接続される複数の吸気通路(独立吸気通路)17を有している。すなわち、各カートリッジ2の内部には、断面方形状の吸気通路17がそれぞれ形成されている。これらの吸気通路17は、インテークマニホールド1の各独立吸気通路よりも吸気流方向の下流側に配設されて、複数の吸気ポートを介して、エンジンの各気筒毎の燃焼室に互いに独立して接続されている。
各カートリッジ2は、各バルブ3を開閉自在(回転自在)に収容している。これらのカートリッジ2の両側壁部の図示下方側には、内部と外部とを連通する一対(図示左右一対)のシャフト貫通孔24が回転軸方向に貫通している。シャフト貫通孔24の孔壁面には、円筒状のベアリング21が圧入固定されている。
そして、各カートリッジ2は、各吸気通路17の重力方向における下方側、つまり各吸気通路17の重力方向における下面側に、TCVのバルブ全開時に各バルブ3が吸気通路17のメイン通路に突き出さないように各バルブ3を収納(格納)するためのバルブ収納空間を有している。
複数のバルブ3は、1本のピンロッド4に串刺し状態となるように結合された回転型のバルブである。これらのバルブ3は、各吸気通路17内を流れる吸入空気量が最大となる全開位置から、各吸気通路17内を流れる吸入空気量が最小となる全閉位置に至るまでのバルブ作動範囲(バルブ3の作動可能範囲)にて回転角度(バルブ開度)が変更されることで、各カートリッジ2に対して相対回転して各吸気通路17を開閉する。つまり各吸気通路17の吸気通路断面積を絞る。
ここで、複数のバルブ3は、エンジンが冷えている時、あるいは吸入空気量が少なくて良い時に、アクチュエータ、特にモータの駆動力を利用して全閉される。すなわち、複数のTCVのバルブ開度が、全閉開度の状態(全閉位置)となるように制御される。なお、バルブ3の全閉位置とは、バルブ3を全閉した全閉開度の状態のことである。そして、全閉位置は、バルブ3の作動可能範囲の他方側の限界位置、つまり出力ギヤ部材11の全閉ストッパ部が全閉ストッパ(いずれも図示せず)に突き当たってこれ以上のバルブ3の全閉作動が規制される全閉側規制位置である。
また、複数のバルブ3は、エンジンの中・高速回転領域または中・高負荷領域の時に、モータの駆動力を利用して全開される。すなわち、複数のTCVのバルブ開度が、全開開度の状態(全開位置)となるように制御される。
なお、バルブ3の全開位置とは、バルブ3を全開した全開開度の状態のことである。そして、全開位置は、バルブ3の作動可能範囲の一方側の限界位置、つまり出力ギヤ部材11の全開ストッパ部が全開ストッパ(図示せず)に突き当たってこれ以上のバルブ3の全開作動が規制される全開側規制位置である。
また、複数のバルブ3は、エンジン停止時にモータへの電力の供給が停止されると、例えばスプリング等の付勢力によって全開位置(または全開位置より僅かに閉じた中間開度の状態(中間位置))に戻される。
ここで、複数のTCVは、複数のバルブ3毎の回転中心部に、ピンロッド4の回転軸方向に貫通する多角孔形状のシャフト貫通孔(多角孔、四角孔)25を有している。また、シャフト貫通孔25の一部には、ピンロッド4を貫通圧入する丸孔形状(または多角孔形状)のシャフト圧入孔26が設けられている。
また、複数のバルブ3は、各カートリッジ2の軸線方向(吸気流方向)に対して直交する方向に延びる円筒状のバルブ軸(回転中心部)27を有している。このバルブ軸27は、ピンロッド4の周囲を周方向に取り囲むように配設されている。
また、複数のバルブ3は、その回転中心を成す回転中心部(バルブ軸27)が、バルブ中心部よりも、バルブ板厚方向に対して垂直なバルブ面方向の片側(図示下方側)に偏った位置に設置されている。
これにより、複数のTCVのバルブ全開時には、各バルブ3が吸気通路17のメイン通路に突き出さないように、各カートリッジ2の下部のバルブ収納空間内に収納(格納)することができるので、バルブ全開時における吸入空気の圧力損失を低減することが可能となる。
また、本実施例では、バルブ3のバルブ上端面の一部(中央部)、つまりバルブ軸側に対して反対側のバルブ上端面を切り欠くことで、エンジンの各気筒毎の燃焼室内に供給する吸入空気に吸気渦流(タンブル流)を生じさせるための長方形状の開口部(切欠き部、スリット)28が形成されている。なお、この開口部28は設けなくても良い。また、バルブ3のバルブ左右側面の一部を切り欠くことで、開口部(主開口部)28よりも開口面積の小さい副開口部を形成しても良い。
また、インテークマニホールド1、複数のカートリッジ2および複数のバルブ3は、例えばポリアミド(PA)等の合成樹脂(熱可塑性樹脂)によって一体的に形成されている。
ここで、本実施例のピンロッド4は、圧入嵌合によって複数のバルブ3毎に形成される各バルブ軸27の内部(シャフト貫通孔25、シャフト圧入孔26)に挿入されている。このピンロッド4は、複数のバルブ3の各バルブ軸27を串刺し状態となるように結合することで、全てのバルブ3を連動可能に連結する1本の駆動軸である。また、ピンロッド4は、複数のTCVのバルブ開度を変更する回転軸であって、複数のバルブ3毎に設けられる各シャフト圧入孔26の孔壁面に圧入固定されている。これにより、ピンロッド4は、複数のバルブ3を支持固定することが可能となる。
なお、ピンロッド4の詳細は、後述する。
本実施例のアクチュエータは、電力の供給を受けて駆動力を発生するモータ(図示せず)、このモータの駆動力をピンロッド4に伝達する動力伝達機構、および内部にモータおよび動力伝達機構を内蔵するアクチュエータ本体10等を有している。
動力伝達機構は、モータの回転速度を所定の減速比となるように減速すると共に、モータの駆動力(モータトルク)を増大させる歯車減速機構によって構成されている。この歯車減速機構は、モータのモータシャフト(出力軸)に固定されたウォームギヤと、このウォームギヤに噛み合うヘリカルギヤと、このヘリカルギヤと同一軸心上に配置されたスパーギヤ、このスパーギヤに噛み合う出力ギヤ5と、ピンロッド4の回転軸方向の一端部外周(アクチュエータ側の端部外周)に固定された出力ギヤ部材11とを備えている。なお、ヘリカルギヤとスパーギヤとの間には、両ギヤと一体的に回転動作を行う合成ゴム製の衝撃吸収部材が配置されている。
出力ギヤ5は、合成樹脂によって一体的に形成されている。この出力ギヤ5は、出力ギヤ部材11の外周部(最大外径部)に一体的に形成されて、出力ギヤ部材11の最大外径部からアクチュエータ側に円弧状に突出するように設けられている。
これらの各ギヤは、インテークマニホールド1のハウジング8とアクチュエータ本体10との間に形成されるギヤ収納空間29に回転自在に収容されている。
アクチュエータ本体10は、センサ保持部材12の図示右側の端面(最端面)との間に所定の隙間を隔てて対向する対向部30を備えている。
なお、出力ギヤ部材11の詳細は、後述する。
ここで、ピンロッド4を介して、複数のバルブ3を駆動するモータは、ECUによって通電制御(駆動)されるように構成されている。このECUには、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
また、ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づいて、電子制御スロットル装置のモータおよび吸気渦流発生装置のモータを通電制御すると共に、燃料噴射装置(電動フューエルポンプ、インジェクタ等)および点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)を駆動するように構成されている。これにより、エンジンの運転中に、吸入空気量、TCVのバルブ開度、燃料噴射量等が制御指令値(制御目標値)となるように制御される。
また、ECUは、イグニッションスイッチがオフ(IG・OFF)されると、メモリ内に格納された制御プログラムまたは制御ロジックに基づく上記の燃料噴射制御や点火制御等を含むエンジン制御が強制的に終了されるように構成されている。
また、ECUは、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、バルブ開度センサ、冷却水温センサ、エアフローメータおよび排気ガスセンサ等の各種センサからのセンサ出力信号が、A/D変換器によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータに入力されるように構成されている。
バルブ開度センサは、磁力を発生する円弧状のマグネット6と、このマグネット6の磁極面に対して所定の磁気ギャップを隔てて対向して配置されて、マグネット6の磁極面から放出される磁束を検出するホール素子7と、ピンロッド4の回転軸方向の一端部(アクチュエータ側の端部外周に固定されたセンサ保持部材12とを備え、マグネット6の回転角度に対するホール素子7の出力変化特性を利用して複数のバルブ3の回転角度(複数のTCVのバルブ開度)を検出する非接触式の回転角度検出装置である。
マグネット6は、長期間磁力を安定して発生し続ける永久磁石であって、ホール素子7の感磁面に対向する磁極面が、全閉位置(または全開位置)から全開位置(または全閉位置)に向けて徐々に円弧状に傾斜する傾斜面となっている。このマグネット6は、ホール素子7およびアクチュエータ本体10に対して相対回転するセンサ保持部材12に接着剤等の固定手段を用いて保持固定されている。あるいはセンサ保持部材12の内部にインサート成形されている。
また、マグネット6およびこのマグネット6を保持するセンサ保持部材12は、検出対象物としての複数のバルブ3およびピンロッド4の回転に伴って回転するように、センサ保持部材12に保持固定されている。なお、マグネット6の代わりに、電力の供給を受けると磁力を発生する電磁石を用いても良い。
ホール素子7は、磁気回路の途中、つまり一対の分割ヨーク(磁性体)の対向部間に形成される磁束検出ギャップを通過する磁束密度(ホール素子7を鎖交する磁束密度)に応じて出力が変化する非接触式の磁気検出素子を構成している。このホール素子7は、アクチュエータ本体10、特にアクチュエータケースのセンサ搭載部に保持固定されている。なお、ホール素子7の代わりに、ホールICまたは磁気抵抗素子を用いても良い。
これにより、マグネット6がピンロッド4の回転に伴って回転することで、ホール素子7の感磁面に対向する、マグネット6の磁極面との磁気ギャップが長くなる(または短くなる)ので、ホール素子7を通過する磁力が変化する。そして、ホール素子7を通過する磁力が変化することにより、ホール素子7より出力されるセンサ出力信号が変化する。このため、ホール素子7のセンサ出力信号を測定することで、複数のTCVのバルブ開度を検出する。
なお、センサ保持部材12の詳細は、後述する。
次に、本実施例のピンロッド4、出力ギヤ部材11およびセンサ保持部材12の詳細を図1および図2に基づいて説明する。
インテークマニホールド1には、複数の隔壁部22のうち最もアクチュエータ側の吸気通路17とギヤ収納空間29とを隔離する隔壁部22が設けられている。
ピンロッド4は、複数の吸気通路17の配列方向(エンジンの気筒配列方向に対して並列方向)に対して平行な回転軸方向に真っ直ぐに延びるように配設されている。このピンロッド4は、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状(例えば四角形状)に形成された多角断面シャフト(角形鋼製シャフト)であって、例えば鉄系金属(S45C)等の金属材料によって一体的に形成されている。
そして、ピンロッド4の回転軸方向の一端部の外周には、出力ギヤ部材11、センサ保持部材12が順次圧入固定されている。
そして、ピンロッド4の回転軸方向の一端部は、出力ギヤ部材11、ベアリング13、オイルシール14を介して、インテークマニホールド1のハウジング8に回転方向に摺動自在に軸受けされている。また、ピンロッド4の回転軸方向の他端部は、インテークマニホールド1のハウジング9に回転方向に摺動自在に軸受けされている。このハウジング9の内部空間は、その外部側の開口端が閉鎖部によって閉塞された袋孔状のシャフト収容孔となっている。
ここで、ピンロッド4の回転軸方向の一端部は、複数の隔壁部22のうち最もアクチュエータ側に設けられる隔壁部22のシャフト貫通孔23を貫通してハウジング8およびアクチュエータ本体10の内部(ギヤ収納空間29)に突き出している。また、ピンロッド4の回転軸方向の一端部は、出力ギヤ部材11の内部(多角貫通孔形状の第1圧入孔33) を貫通してアクチュエータ側に向けて延びる多角断面シャフト(角形鋼製シャフト)である。
ピンロッド4の回転軸方向の一端部(アクチュエータ側の端部)には、出力ギヤ部材11の回転中心部に貫通圧入される断面多角形状の第1嵌合部(以下嵌合部31と言う)と、センサ保持部材12の回転中心部に圧入される断面多角形状の第2嵌合部(以下最端部32と言う)とが設けられている。
ピンロッド4の嵌合部31は、出力ギヤ部材11の中心部を回転軸方向に貫通するように設置されている。
ピンロッド4の最端部32は、センサ保持部材12の中心部に差し込まれるように設置されている。
出力ギヤ部材11の回転中心部には、ピンロッド4の嵌合部31を圧入して固定する多角貫通孔形状の第1圧入孔33が形成されている。この第1圧入孔33は、出力ギヤ部材11の回転中心部をその軸線方向(ピンロッド4の回転軸方向)に貫通する貫通孔形状に形成されている。
センサ保持部材12の回転中心部には、ピンロッド4の最端部32を圧入して固定する多角袋孔形状の第2圧入孔34が形成されている。
出力ギヤ部材11は、合成樹脂によって一体的に形成されている。この出力ギヤ部材11は、外周部に出力ギヤ5が形成される円弧状の最大外径部(径大部、円弧状部)41、この円弧状部41よりも外径が小さい第1中間外径部(円筒部)42、この円筒部42よりも外径が小さい第2中間外径部(円筒部)43、およびこの円筒部43よりも外径が小さい最小外径部(径小部、円筒部)44等を有している。
また、出力ギヤ部材11のセンサ保持部材12側の端面には、センサ保持部材12の嵌合凸部45が差し込まれる段付きの嵌合凹部46が設けられている。
円筒部44の外周面には、ベアリング13、オイルシール14を介して、インテークマニホールド1のハウジング8に回転自在に支持される円筒面(摺動面)が形成されている。
また、円筒部44の回転軸方向の両側の端面には、第1圧入孔33の開口端面が設けられている。つまり第1圧入孔33は、バルブ側(吸気通路側)の開口端面で開口し、センサ保持部材12側の開口端面で開口し、一方の開口側から他方の開口側に向けて真っ直ぐに貫通して延びている。
センサ保持部材12は、合成樹脂によって一体的に形成されている。このセンサ保持部材12は、出力ギヤ部材11に当接または接近して設置されている。また、センサ保持部材12は、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46に嵌め込まれる段付きの嵌合凸部45、およびマグネット6を埋設するブロック47等を有している。
嵌合凸部45は、径大部(円筒部)、およびこの径大部よりも外径の小さい径小部(円筒部)を有している。嵌合凸部45の径小部には、第1圧入孔33の開口端面に対向する対向端面が形成されている。
第2圧入孔34は、対向端面で開口し、この開口側から奥側まで軸線方向に真っ直ぐに延びる袋孔形状に形成されている。第2圧入孔34の奥側には、第2圧入孔34の奥側を閉塞する底部48が設けられている。第2圧入孔34の底部48には、ピンロッド4の回転軸方向の一端面(最端部32の端面)に当接または所定の隙間を隔てて対向する底面が形成されている。なお、最端部32の端面(ピンロッド4の回転軸方向の一端面)は、第2圧入孔34の底面に当接または所定の隙間を隔てて対向している。
ブロック47は、出力ギヤ5の内径側に形成される内部空間内に納まるように設置されている。このブロック47には、第1圧入孔33の開口端面に対向する対向端面に対して反対側の最端面、およびこの最端面からアクチュエータ本体10の対向部30側へ向けて突出する球面状の突起部49が設けられている。
ベアリング13は、出力ギヤ部材11の円筒部44の円筒面とインテークマニホールド1のハウジング8の内周面との間に介在して、出力ギヤ部材11を回転自在に支持する軸受け部材である。これにより、インテークマニホールド1のハウジング8は、ベアリング13、オイルシール14を介して、ピンロッド4および出力ギヤ部材11を回転自在に支持することが可能となる。
オイルシール14は、出力ギヤ部材11の円筒部44の円筒面とインテークマニホールド1のハウジング8の内周面との間の気密を確保するための第1シール部材である。このオイルシール14は、出力ギヤ部材11の円筒部44の周囲を円周方向に取り囲むように設置されている。
Oリング15は、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46とセンサ保持部材12の嵌合凸部45との間に配置されている。このOリング15は、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46とセンサ保持部材12の嵌合凸部45との間の気密を確保するための第2シール部材である。
[実施例1の作用]
次に、本実施例の内燃機関の吸気装置、特に吸気渦流発生装置の作用を図1および図2に基づいて簡単に説明する。
ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、スロットルバルブを駆動するモータを通電制御すると共に、燃料噴射装置(電動フューエルポンプ、インジェクタ等)および点火装置(イグニッションコイル、スパークプラグ等)を駆動する。これにより、エンジンが運転される。
このとき、エンジンの特定気筒が排気行程から、吸気バルブが開弁し、ピストンが下降する吸気行程に移行すると、ピストンの下降にしたがって当該気筒の燃焼室内の負圧(大気圧よりも低い圧力)が大きくなり、開弁している吸気ポートから燃焼室に混合気が吸い込まれる。
また、ECUは、エンジンが温まっており、吸入空気量が多く必要な時、つまりエンジンの中・高速回転領域または中・高負荷領域の時に、モータへの供給電力を制御(例えばモータを通電)する。
そして、モータの駆動力が、歯車減速機構のウォームギヤ、ヘリカルギヤ、スパーギヤ、出力ギヤ5に伝わり、更に、出力ギヤ5からこの出力ギヤ5を樹脂一体成形した出力ギヤ部材11を経てピンロッド4に伝わる。
これにより、ピンロッド4によって串刺し状態に結合された複数のTCVの各バルブ3は、モータの駆動力によって開弁作動方向に駆動されるため、開かれる。
ここで、本実施例では、出力ギヤ部材11の回転方向の一方側に全開ストッパ部が設けられている。このため、モータの駆動力を利用して出力ギヤ部材11を開弁作動方向に回転させると、出力ギヤ部材11の全開ストッパ部が全開ストッパに突き当たる。そして、出力ギヤ部材11が全開ストッパに突き当たると、複数のTCVのバルブ開度が、全開位置にて開弁した全開開度の状態(全開位置)となるように規制される。
この場合に、エンジンのインテークマニホールド1の複数の独立吸気通路から、複数のカートリッジ2毎に形成される各吸気通路17に流入した吸気流は、複数の吸気通路17をストレートに通過して、複数のカートリッジ2からエンジンのシリンダヘッドに設けられる吸気ポート内に導入される。そして、吸気ポートを通過した吸気流は、吸気ポートの吸気弁口から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(吸気渦流、タンブル流)は発生しない。
一方、ECUは、エンジンが冷えており、吸入空気量が少なくても良い時、つまりエンジン始動時またはアイドル運転時に、モータへの供給電力を制御(例えばモータを通電)する。
これにより、複数のTCVの各バルブ3は、モータの駆動力によって閉弁作動方向に駆動されるため、閉じられる。
ここで、本実施例では、出力ギヤ部材11の回転方向の他方側に全閉ストッパ部が設けられている。このため、モータの駆動力を利用して出力ギヤ部材11を閉弁作動方向に回転させると、出力ギヤ部材11の全閉ストッパ部が全閉ストッパに突き当たる。そして、出力ギヤ部材11が全閉ストッパに突き当たると、TCVのバルブ開度が、全閉位置にて閉弁した全閉開度の状態(全閉位置)となるように規制される。
この場合、エンジンのインテークマニホールド1の複数の独立吸気通路から、複数のカートリッジ2の入口部を経て各吸気通路17に流入した吸気流は、殆どカートリッジ2のハウジング上壁部の通路壁面とバルブ3のバルブ上端面との間の隙間(開口部28)を通過して、複数のカートリッジ2の出口部から吸気ポートの上層部内に導入され、吸気ポートの上層部の天壁面に沿って流れる。そして、吸気ポートの上層部の天壁面に沿って流れる吸気流は、吸気ポートの吸気弁口から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流が発生するため、エンジン始動時またはアイドル運転時における燃焼室内での燃焼効率が向上し、燃費やエミッション(例えばHC低減効果)等が改善される。
[実施例1の効果]
以上のように、本実施例の内燃機関の吸気装置、特に吸気渦流発生装置においては、ピンロッド4の嵌合部31が断面多角形状であり、出力ギヤ部材11の第1圧入孔33が多角貫通孔形状であるため、複数のTCVのバルブ全閉位置(またはバルブ全開位置)と出力ギヤ部材11の取付角度とが対応(合致)するように、ピンロッド4の嵌合部31を出力ギヤ部材11の第1圧入孔33に挿入して圧入嵌合すると、出力ギヤ部材11がピンロッド4の嵌合部31の周方向に対して移動不能となる。
これにより、少なくともピンロッド4に対するギヤ部品(出力ギヤ5)の相対回転運動が抑制(または規制)される。
また、ピンロッド4の最端部32が断面多角形状であり、センサ保持部材12の第2圧入孔34が多角袋孔形状であるため、複数のTCVのバルブ全閉位置(またはバルブ全開位置)および出力ギヤ部材11の取付角度とセンサ保持部材12の取付角度(マグネット6の肉厚が最も薄い部分の磁極面がホール素子7の感磁面に磁気ギャップを隔てて対向する位置に相当する回転角度)とが対応(合致)するように、ピンロッド4の最端部32をセンサ保持部材12の第2圧入孔34に挿入して圧入嵌合すると、センサ保持部材12がピンロッド4の最端部32の周方向に対して移動不能となる。
これにより、少なくともピンロッド4に対するセンサ部品(マグネット6)の相対回転運動が抑制(または規制)される。
また、吸気渦流発生装置においては、ピンロッド4の回転軸方向の一端部外周(アクチュエータ側の端部外周)に出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを分離して嵌合固定した構造を採用している。
これによって、例えば出力ギヤ部材11の全開ストッパ部を全開ストッパに突き当てた状態、つまり複数のTCVのバルブ開度を全開開度の状態に設定し、マグネット6の磁極面より放出される磁束を検出するホール素子7のセンサ出力信号を測定する。このとき、予め設定された全開開度のセンサ出力値と現在のセンサ出力値との間にズレがあれば、ピンロッド4と出力ギヤ5および出力ギヤ部材11との間の回転スリップ等の異常状態を、ピンロッド4の回転に伴って回転するマグネット6を有するバルブ開度センサによって検知することが可能となる。これにより、複数のTCVの各バルブ3の制御上の基準位置を今回のセンサ出力値に補正すれば、バルブ開度制御の精度を向上することができる。
また、吸気渦流発生装置においては、ピンロッド4の嵌合部31を出力ギヤ部材11の第1圧入孔33に圧入固定し、ピンロッド4の最端部32をセンサ保持部材12の第2圧入孔34に圧入固定している。これにより、ピンロッド4の回転軸方向の一端部外周(アクチュエータ側の端部外周)に出力ギヤ部材11およびセンサ保持部材12が強固に嵌合保持される。
これによって、ジョイントシャフトの第1、第2圧入孔にピンロッドの第1、第2嵌合部を圧入固定する構造、ジョイントシャフトに第1ナット部材を締め付けることで、ジョイントシャフトの外周にギヤ保持部材を組み付ける構造、およびピンロッドに第2ナット部材を締め付けることで、ピンロッドの外周にセンサ保持部材を組み付ける構造を採用することなく、ピンロッド4の嵌合部31を出力ギヤ部材11の第1圧入孔33に圧入固定し、ピンロッド4の最端部32をセンサ保持部材12の第2圧入孔34に圧入固定する構造を採用しているので、特許文献1では必要であった第1、第2ナット部材、ジョイントシャフトを廃止することができる。また、これに伴って第1ナット部材と螺合する第1外周ネジ部、第2ナット部材と螺合する第2外周ネジ部が不要となるので、ネジ切削加工を廃止できる。これにより、従来の技術と比べて部品点数および組付工数を低減できるので、コスト削減を図ることができる。
したがって、ピンロッド4の回転軸方向のアクチュエータ側の端部外周に出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを分離して嵌合固定した構造を、従来の技術と比べて安価に実現することができる。
ここで、ピンロッド4の嵌合部31を出力ギヤ部材11の第1圧入孔33に圧入固定し、ピンロッド4の最端部32をセンサ保持部材12の第2圧入孔34に圧入固定すると、ピンロッド4の外周面と出力ギヤ部材11の第1圧入孔壁面またはセンサ保持部材12の第2圧入孔壁面との間の気密性の確保が難しくなるという問題がある。
また、ピンロッド4の回転軸方向のアクチュエータ側の端部外周に出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを分離して嵌合固定する構造の一例として、出力ギヤ部材11にセンサ保持部材12を当接または近接した状態で、出力ギヤ部材11とセンサ保持部材12とを順にピンロッド4に圧入した場合には、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46の端面とセンサ保持部材12の嵌合凸部45の端面との間の気密性の確保が難しくなるという問題がある。
そして、インテークマニホールド1のハウジング8の内周面と出力ギヤ部材11の外周面との間の気密性、あるいはピンロッド4の外周面と出力ギヤ部材11の第1圧入孔壁面またはセンサ保持部材12の第2圧入孔壁面との間の気密性、あるいは出力ギヤ部材11の嵌合凹部46の端面とセンサ保持部材12の嵌合凸部45の端面との間の気密性を確保できないと、インテークマニホールド1のカートリッジ格納室19に格納されるカートリッジ2の内部(吸気通路17)を流れる吸入空気がインテークマニホールド1の外部に洩れ出てしまう気密洩れ等の品質上の問題が生じる懸念がある。
そこで、ピンロッド4の最端部32の外周面とセンサ保持部材12の第2圧入孔壁面との間の気密性を確保できるようにして、気密洩れ等の品質上の問題を解消するという目的で、センサ保持部材12の第2圧入孔34を多角袋孔形状に形成している。つまり第2圧入孔34の奥側に、第2圧入孔34の奥側を閉塞する底部48が設けられている。
これによって、ピンロッド4の最端部32の外周面とセンサ保持部材12の第2圧入孔壁面との間に形成される筒状隙間を袋孔形状の第2圧入孔34によって気密シールすることで、ピンロッド4の最端部32の外周面とセンサ保持部材12の第2圧入孔壁面との間の気密性を容易に確保できる。これにより、インテークマニホールド1の内部(吸気通路17)を流れる吸入空気がインテークマニホールド1の外部に洩れる(気密洩れ)等の品質上の問題を解消することができる。
また、インテークマニホールド1のハウジング8の内周面と出力ギヤ部材11の円筒部44の円筒面(外周面)との間の気密性を確保できるようにして、気密洩れ等の品質上の問題を解消するという目的で、インテークマニホールド1のハウジング8の内周面と出力ギヤ部材11の円筒部44の円筒面との間に円環状のオイルシール14を設置している。 これによって、インテークマニホールド1のハウジング8の内周面と出力ギヤ部材11の円筒部44の円筒面との間に形成される環状隙間をオイルシール14によって気密シールすることで、インテークマニホールド1のハウジング8の内周面と出力ギヤ部材11の円筒部44の円筒面との間の気密性を容易に確保できる。これにより、インテークマニホールド1の内部(吸気通路17)を流れる吸入空気がインテークマニホールド1の外部に洩れる(気密洩れ)等の品質上の問題を解消することができる。
そこで、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46の端面とセンサ保持部材12の嵌合凸部45の端面との間の気密性を確保できるようにして、気密洩れ等の品質上の問題を解消するという目的で、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46の端面とセンサ保持部材12の嵌合凸部45の端面との間にOリング15を設置している。
これによって、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46の端面とセンサ保持部材12の嵌合凸部45の端面との間に形成される環状隙間をOリング15によって気密シールすることで、出力ギヤ部材11の嵌合凹部46の端面とセンサ保持部材12の嵌合凸部45の端面との間の気密性を容易に確保できる。これにより、インテークマニホールド1の内部(吸気通路17)を流れる吸入空気がインテークマニホールド1の外部に洩れる(気密洩れ)等の品質上の問題を解消することができる。
また、吸気渦流発生装置においては、センサ保持部材12に、第1圧入孔33の開口端面に対向する対向端面に対して反対側の端面(最端面)から対向部30側へ向けて突出する球面状の突起部49を設けている。
これによって、仮にピンロッド4の最端部32に対してセンサ保持部材12の圧入抜けが発生し、ピンロッド4と一体的に回転するセンサ保持部材12の突起部49がアクチュエータ本体10の対向部30に当たって摺接するようになった場合であっても、アクチュエータ本体10の対向部30に対するピンロッド4の摺動トルクの増加を抑制できるので、複数のTCVの各バルブ3およびピンロッド4の動作不良を抑制することができる。
[変形例]
本実施例では、吸気渦流発生装置を、エンジンの各気筒毎の燃焼室内にて混合気の燃焼を促進させるための縦方向の吸気渦流(タンブル流)の生成が可能となるように構成したが、吸気渦流発生装置を、エンジンの各気筒毎の燃焼室内にて混合気の燃焼を促進させるための横方向の吸気渦流(スワール流)の生成が可能となるように構成しても良い。また、吸気渦流発生装置を、エンジンの燃焼を促進させるためのスキッシュ渦の生成が可能となるように構成しても良い。
本実施例では、本発明を、内燃機関の吸気渦流発生装置に適用しているが、本発明を、電子制御スロットル装置や、内燃機関の吸気通路の通路長や吸気通路断面積を変更する吸気可変装置に適用しても良い。
本実施例では、バルブ3のバルブ軸27を駆動するアクチュエータを、モータおよび動力伝達機構(例えば歯車減速機構等)によって構成したが、バルブの軸を駆動するアクチュエータを、モータのみによって構成しても良い。なお、バルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段を設置しても設置しなくても構わない。
また、インテークマニホールド(または吸気ダクト)等のケーシング内部に形成される吸気通路に設置されたバルブを有し、内燃機関の燃焼室に吸い込まれる吸入空気を制御する吸気制御弁として、本実施例のTCV(タンブル流制御弁)の代わりに、スロットルボディ内部に形成される吸気通路に設置されたスロットルバルブを有し、内燃機関の燃焼室に吸い込まれる吸入空気(吸気)の流量を制御する吸気流量制御弁、ハウジング内部に形成される吸気通路に設置されたアイドル回転速度制御バルブを有し、スロットルバルブを迂回する吸入空気(吸気)の流量を制御する吸気流量制御弁等を用いても良い。
また、ケーシング(またはハウジング)とバルブとによって構成される吸気制御弁として、吸気流制御弁または吸気流量制御弁の代わりに、吸気通路開閉弁、吸気通路切替弁、吸気圧力制御弁を用いても良い。また、吸気制御弁を、タンブル流制御弁(実施例1)やスワール流制御弁等の吸気流制御弁、内燃機関の吸気通路の通路長や吸気通路断面積を変更する吸気可変弁等に適用しても良い。また、内燃機関として、ディーゼルエンジンを用いても良い。また、内燃機関として、多気筒エンジンだけでなく、単気筒エンジンを用いても良い。
本実施例では、1個のカートリッジ2の内部に1個のバルブ3を開閉自在に組み込んだバルブユニット(カートリッジ)を、ケーシングとしてのインテークマニホールド1の内部にピンロッド4の回転軸方向に一定の間隔で複数配置した多連一体型のバルブ開閉装置(吸気通路開閉装置)を採用しているが、ケーシング(その他の吸気ダクトまたはエンジンヘッドカバーまたはシリンダヘッド)の内部にシャフトの回転軸方向に一定の間隔で複数のバルブを直接配置した多連一体型のバルブ開閉装置(吸気通路開閉装置)を採用しても良い。この場合には、カートリッジ2を廃止できる。
また、モータおよび動力伝達機構(歯車減速機構)等によって構成されるアクチュエータ(特にギヤ)により駆動されるバルブは、多連一体型の吸気制御バルブに限定されず、内燃機関の吸気通路に設置されるバルブであれば、1個の吸気制御バルブであっても良い。また、歯車減速機構を、モータのモータシャフトに固定されるモータギヤ(ピニオンギヤ)、このモータギヤに噛み合う中間減速ギヤ、およびこの中間減速ギヤに噛み合う最終減速ギヤ等の2段減速機構により構成しても良い。
1 インテークマニホールド(ケーシング)
2 カートリッジ
3 吸気流制御弁のバルブ(吸気流制御バルブ)
4 ピンロッド(シャフト)
5 出力ギヤ
6 マグネット(磁石)
7 ホール素子(磁気検出素子)
8 インテークマニホールドのハウジング
10 アクチュエータ本体(アクチュエータケース)
11 出力ギヤ部材
12 センサ保持部材(マグネットロータ)
13 ボールベアリング(軸受け部材)
14 オイルシール(第1シール部材)
15 Oリング(第2シール部材)
30 アクチュエータ本体の対向部
31 ピンロッドの嵌合部(シャフトの第1嵌合部)
32 ピンロッドの最端部(シャフトの第2嵌合部)
33 出力ギヤ部材の第1圧入孔
34 センサ保持部材の第2圧入孔
49 センサ保持部材の突起部

Claims (14)

  1. (a)内燃機関の気筒に吸入空気を供給する吸気通路を形成するケーシングと、
    (b)このケーシングの内部に回転自在に収容されて、前記吸気通路を開閉するバルブと、
    (c)このバルブを支持するシャフトと、
    (d)前記バルブを駆動する動力を発生するモータ、およびこのモータの動力を前記シャフトに伝達するギヤを有するアクチュエータと、
    (e)磁力を発生する磁石、およびこの磁石から放出される磁束を検出する磁気検出素子を有し、前記磁気検出素子を通過する磁束密度の変化に基づいて前記バルブの開度を検出するセンサと
    を備え、
    前記ギヤまたはこのギヤを保持するギヤ保持部材と前記センサまたはこのセンサを保持するセンサ保持部材とを分離して前記シャフトに固定した内燃機関の吸気装置において、 前記シャフトは、その回転軸方向に垂直な断面が多角形状に形成されており、
    前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材は、前記シャフトを圧入固定する多角孔形状の第1圧入孔を有し、
    前記センサまたは前記センサ保持部材は、前記シャフトを圧入固定する多角孔形状の第2圧入孔を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記第1圧入孔は、前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材をその軸線方向に貫通する貫通孔形状に形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記シャフトは、前記第1圧入孔に貫通圧入される多角形状の第1嵌合部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記センサまたは前記センサ保持部材は、前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材に当接または近接して設置されて、前記第1圧入孔の開口端面に対向する対向端面を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  5. 請求項4に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記第2圧入孔は、前記対向端面で開口し、この開口側から奥側まで延びる袋孔形状に形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  6. 請求項5に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記シャフトは、前記第2圧入孔に圧入される多角形状の第2嵌合部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記第2圧入孔の奥側には、前記第2圧入孔の奥側を閉塞する底部が設けられていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  8. 請求項7に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記第2圧入孔の底部には、前記シャフトの回転軸方向の一端面に当接または対向する底面が形成されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  9. 請求項4ないし請求項8のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記センサまたは前記センサ保持部材は、前記対向端面に対して反対側の端面を有し、 前記アクチュエータは、前記センサまたは前記センサ保持部材の対向端面に対して反対側の端面との間に所定の隙間を隔てて対向する対向部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  10. 請求項9に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記センサまたは前記センサ保持部材は、前記対向端面に対して反対側の端面、およびこの端面から前記対向部側へ向けて突出する球面状の突起部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  11. 請求項1ないし請求項10のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記ケーシングは、前記アクチュエータとの間に、前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材を収容するギヤ収納室を形成するハウジングを有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  12. 請求項11に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材と前記ハウジングとの間に介在して前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材を回転自在に軸支する軸受け部材を備え、
    前記ハウジングは、前記軸受け部材を介して、前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材を回転自在に支持することを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材の周囲を周方向に取り囲むように配置されて、前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材と前記ハウジングとの間の気密を確保するための環状の第1シール部材を備えたことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
  14. 請求項1ないし請求項13のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、
    前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材と前記センサまたは前記センサ保持部材との間に配置されて、前記ギヤまたは前記ギヤ保持部材と前記センサまたは前記センサ保持部材との間の気密を確保するための環状の第2シール部材を備えたことを特徴とする内燃機関の吸気装置。
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