JP5810809B2 - 内燃機関の吸気装置 - Google Patents
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Description
従来より、内燃機関(エンジン)のシリンダヘッドのインマニ取付面に接続されるインテークマニホールドの内部に、エンジンの各気筒毎の燃焼室に供給される吸気を制御する吸気制御弁を搭載した内燃機関の吸気装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。
インテークマニホールドの内部には、エンジンの各気筒毎の吸気ポートに連通する吸気通路が形成されている。
吸気制御弁は、図5に示したように、インテークマニホールド101の内部に開閉自在に収容される複数のロータリバルブ102と、これらのロータリバルブ102の回転軸方向に延びるシャフト103と、複数のロータリバルブ102とシャフト103とを結合するカップリング104とを備え、吸気通路を流れる吸気を、吸気通路および吸気ポートの上部に偏流させてエンジンの燃焼室内において縦方向の旋回流を発生させるように構成されている。
また、シャフト103は、合成樹脂製のカップリング104を介して、複数のロータリバルブ102を連動可能となるように連結している。これにより、複数のロータリバルブ102の開度が1本のシャフト103により一括変更することが可能となる。
なお、シャフト103の回転軸方向の両端部は、カップリング104の両端面から外部に突き出している。
また、シャフト103の回転軸方向の他端部(第2端部)の外周には、円筒状のジョイントシャフト114が嵌合保持されている。シャフト103の第2端部およびジョイントシャフト114は、ボールベアリング115およびオイルシール116を介して、インテークマニホールド101の第2軸受け部107に回転自在に支持されている。
そして、吸気制御弁は、第1軸受け部106の軸受け孔108の開口部109からシャフト103を挿入し、次に、軸受け111を開口部109から挿入し、その後に、キャップ113を開口部109に嵌め込み、そのキャップ113によってインテークマニホールド101の内部(吸気通路)と外部(外気)との気密性を保持するように構成されている。
この場合、インテークマニホールドの軸受け部の内部には、軸受けを回転方向に摺動自在に軸支する摺動孔が形成されている。そして、軸受けの外周面(摺動面)と軸受け部の内周面(摺動孔の孔壁面、摺動面)との間には、シャフトおよび軸受けを軸受け部の内部で円滑に回転させるための摺動クリアランスが形成されている。
ところが、従来の吸気制御弁のシャフトの軸受け構造においては、いずれも気密保持用のキャップを組み付ける工程が必要になるという問題が生じている。
また、軸受けをインテークマニホールドの軸受け孔の孔壁面へ圧入固定し、軸受けの摺動孔内をシャフトが摺動する構造の場合、インテークマニホールドは圧入固定が可能な金属である必要があり、インテークマニホールドを金属化するのに、コストがかかるという問題が生じている。さらに、圧入精度を向上させるためのインテークマニホールドの軸受け孔の切削加工も必要になるという問題が生じている。
また、一般的に、樹脂強化に使用されるガラス繊維等が、軸受けの摺動により露出し、軸受け摩耗が促進され、軸受けガタが大きくなるという問題が生じている。
このシャフトの軸受け構造は、軸受けの外周に弾性部材を取り付け、軸受けの摺動孔内をシャフトが摺動する構造である。
ところが、特許文献2に記載の軸受けおよび弾性部材を、特許文献1と同じように、第1軸受け部の軸受け孔の開口部から挿入するようにした場合には、気密保持用のキャップを組み付ける工程が必要になるという問題が生じる。
ケーシングは、シャフトを挿入するための開口部、および吸気通路と開口部とを連通し、且つバルブの回転軸方向に延びる軸受け孔を有している。
弾性部材は、ケーシングの内周(軸受け孔の孔壁面)と軸受けの外周との間の隙間をシールするシール部を有し、
軸受けは、シャフトの軸線方向の一端部の周囲を周方向に取り囲むように配設された軸受け筒部、およびこの軸受け筒部の軸線方向の一端側を閉塞する閉鎖部(閉塞部)を有している。
軸受けは、シャフトの軸線方向の一端部が挿入され(て、シャフトの軸線方向の一端部を回転方向に摺動可能に軸支す)る摺動孔を有している。この摺動孔は、軸受け筒部の内部に設けられている。
そして、摺動孔は、その一端側(外部側、バルブ側に対して反バルブ側、吸気通路側に対して反吸気通路側)が、軸受け筒部の閉鎖部によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔(軸受け孔)となっている。
さらに、ケーシングは、軸受けおよび弾性部材よりも開口部側に、軸受け孔の孔壁面より径方向の内側に突出する突条リブを有している。この突条リブは、前記軸受けまたは前記弾性部材を係止する係止部を有している。
また、軸受けの軸受け筒部の内部に設けられる摺動孔は、その一端側が、閉鎖部によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔となっている。
これによって、軸受けの軸受け筒部の軸線方向の一端側を気密的に封止(密閉)することができるので、シャフトと軸受けとの間の気密性を保持することができる。これにより、シャフトと軸受けとの間の摺動クリアランスを通って、吸気通路内のエアが外部へ洩れるのを防止することができる。
また、キャップ部品を廃止することで、部品点数を削減し、且つキャップ部品の組付け工程を廃止することで、製造コストを削減することができる。
また、請求項1に記載の発明によれば、ケーシングの軸受けおよび弾性部材よりも開口部側に、軸受け孔の孔壁面より径方向の内側に突出する突条リブを設けている。この突条リブは、軸受けまたは弾性部材を係止する係止部を設けている。
これによって、軸受けまたは弾性部材の脱落を防止することができる。
これによって、シャフトの軸線方向の一端部が、シャフト挿入口から摺動孔内に差し込まれる。これにより。シャフトの軸線方向の一端部が、摺動孔内で、回転方向に摺動可能に軸支(支持)される。
そして、弾性突起の頂部(最大外径部)は、軸受け孔の孔壁面に接触または当接または密着している。
これによって、ケーシングの内周(軸受け孔の孔壁面)と弾性部材の弾性突起の頂部との間で発生する摩擦力(フリクション)によりケーシングに対して軸受けがスラスト方向にズレ難くなるので、ケーシングに対する軸受けの耐軸受けズレ性を確保することができる。これにより、ケーシングに対して軸受けを固定することができる。
また、軸受けの外周とケーシングの内周との間の隙間をシールする弾性突起を有する弾性部材によって、軸受けの外周とケーシングの内周との間の気密性を保持することができる。
ここで、シャフトと軸受けとがグリースまたはオイル等の潤滑剤を介して摺動接触しており、環状リブが筒部の筒方向に3つ以上所定の間隔を隔てて多列配置されている場合、グリースまたはオイル等の潤滑剤が、多列配置された環状リブのうち筒部の筒方向の両端部およびその近傍に位置する最外側の環状リブまで伝ってきても、グリースまたはオイル等の潤滑剤が最外側の環状リブにより塞き止められる。
これによって、仮に軸受けおよび弾性部材を取り付けたシャフトを開口部から軸受け孔の内部に容易に挿入することができる。
請求項6に記載の発明によれば、弾性部材は、軸受けの外周に焼付けられている。
本発明は、シャフトと軸受けとの間の気密性を保持するという目的と、ケーシングと軸受けとの間の気密性を保持するという目的と、部品点数や組付け工程を減少してコストを削減するという目的とを、弾性部材によって軸受けの外周とケーシングの内周との間の隙間をシールすると共に、シャフトの軸線方向の一端部が差し込まれる袋穴状の摺動孔を軸受けに設けたことで実現した。
図1ないし図4は本発明の実施例1を示したもので、図1および図2は内燃機関の吸気装置を示した図で、図3はタンブル制御弁(TCV)を示した図で、図4はタンブル制御弁(TCV)の軸受け構造を示した図である。
吸気渦流発生装置は、インテークマニホールドの上流側端部を介してスロットルボディまたはサージタンクの出口端に接続する合成樹脂製のケーシング1と、このケーシング1とは別体部品で構成された合成樹脂製のダクト(カートリッジ)2とを備えている。ケーシング1およびカートリッジ2は、エンジンのシリンダヘッド3のインマニ取付面に接続されている。
アクチュエータは、ケーシング1の外壁に装着されている。このアクチュエータは、電力の供給を受けて駆動力(トルク)を発生するモータ、およびこのモータの回転を減速してシャフト5に伝達する減速機構等により構成されている。また、アクチュエータは、シャフト5、カップリング6、ストッパレバー7およびバルブギヤ8を介して、複数のプレートバルブ4の開度(TCVのバルブ開度)を一括変更することが可能である。また、アクチュエータは、これらの各構成部品を収容するアクチュエータケース9を備えている。
ベアリングホルダ11は、軸受け(ベアリング)15および軸受け防振ゴム16を介して、シャフト5の軸線方向の一端部を回転可能に支持する第1軸受け部である。
ベアリングホルダ12は、軸受け(ボールベアリング)17およびオイルシール18を介して、シャフト5の軸線方向の他端部を回転可能に支持する第2軸受け部である。
カートリッジ2の内部には、複数の吸気通路21から吸気が流入する複数の吸気通路22が形成されている。
シリンダヘッド3の内部には、複数の吸気通路22から吸気が流入する複数の吸気ポート23が形成されている。
このエンジンは、吸気と燃料との混合気を燃焼室内で燃焼して得られる熱エネルギーにより出力を発生するものである。
エンジンは、複数の気筒(シリンダボア)および複数の燃焼室が気筒配列方向に直列に配置されている。
エンジンの各気筒(シリンダ)には、各吸気ポートまたは各燃焼室内に最適なタイミングで燃料を噴射するためのインジェクタ、および燃焼室内の混合気を点火するためのスパークプラグが取り付けられている。また、各気筒のシリンダボア内には、連接棒を介してクランクシャフトに連結されたピストンが摺動自在にそれぞれ支持されている。
また、エンジンには、各気筒毎の吸気ポートを開閉する吸気バルブ、および各気筒毎の排気ポートを開閉する排気バルブが取り付けられている。
吸気管の内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室に吸気を供給するための吸気通路が形成されている。
排気管の内部には、エンジンの各気筒毎の燃焼室より流出した排気ガスを排気浄化装置を経由して外部に排出するための排気通路が形成されている。
そして、エアクリーナの出口端は、フィルタエレメントを通過した吸気が流れる吸気通路を形成するインテークパイプ(ゴムホース)を介して、電子スロットル装置のスロットルボディに接続している。スロットルボディの出口端は、インテークマニホールドを介して、エンジンの各気筒毎の燃焼室および吸気ポート23に接続している。
なお、複数のバルブユニットの各カートリッジ2は、角環状のガスケット26を介して、ケーシング1のカートリッジ格納室内に弾性支持されている。これにより、温度変化によりケーシング1とシャフト5との間に熱膨張係数の差に基づく、組み付け用の摺動クリアランスのラジアル方向(半径方向)の寸法変化を吸収して、シャフト摺動トルクを低減することで、複数のプレートバルブ4の高応答性を確保することが可能なフローティングガスケット構造が構成される。
各カートリッジ2は、各プレートバルブ4を開閉自在に収容している。これらのカートリッジ2の両側壁部の図示下方側には、内部と外部とを連通する一対のシャフト貫通孔27が回転軸方向に貫通している。シャフト貫通孔27の孔壁面には、ベアリング25が圧入固定されている。
また、ケーシング1およびシリンダヘッド3は、吸気通路22および吸気ポート23の重力方向における下方側、つまり吸気通路22および吸気ポート23の重力方向における下面側に、バルブ全閉時にプレートバルブ4が吸気通路22および吸気ポート23内に突き出さないようにプレートバルブ4を収納(格納)するためのバルブ収納凹部29を有している。
複数のプレートバルブ4は、各吸気通路22の開口面積が最大となる全開位置から、各吸気通路22の開口面積が最小となる全閉位置に至るまでのバルブ作動範囲にて回転角度(バルブ開度)が変更されることで、ケーシング1およびカートリッジ2に対して相対回転して各吸気通路22を開閉する。つまり、各吸気通路22の通路断面積を絞る。
また、本実施例では、複数のプレートバルブ4のバルブ上端面の一部(中央部)、つまりバルブ軸側に対して反対側のバルブ上端面を切り欠くことで、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流を発生させるための長方形状の開口部(切欠き部、スリット)30が形成されている。
なお、複数のプレートバルブ4が全閉位置において停止している状態であっても、各吸気通路22の上部に隙間(プレートバルブ4のバルブ上端と吸気通路上側壁面との間に形成される隙間が形成されるように構成しても良い。
なお、複数のプレートバルブ4の全開位置とは、プレートバルブ4または吸気通路22を全開した全開開度の状態のことである。そして、全開位置は、各プレートバルブ4の作動可能範囲の一方側の限界位置、つまりカップリング6の外周に結合一体化されたストッパレバー7の全開ストッパ部が、全開ストッパ(図示せず)に突き当たってこれ以上のプレートバルブ4の全開作動が規制される全開側規制位置である。
なお、スプリング等の付勢力によって全てのプレートバルブ4が全開位置となるように開弁方向に付勢しても良い。
なお、複数のプレートバルブ4の全閉位置とは、プレートバルブ4または吸気通路22を全閉した全閉開度の状態のことである。そして、全閉位置は、各プレートバルブ4の作動可能範囲の他方側の限界位置、つまりストッパレバー7の全閉ストッパ部が全閉ストッパ(図示せず)に突き当たってこれ以上のプレートバルブ4の全閉作動が規制される全閉側規制位置である。
なお、スプリング等の付勢力によって全てのプレートバルブ4が全閉位置となるように開弁方向に付勢しても良い。
シャフト5は、複数のプレートバルブ4を串刺し状態となるように結合することで、全てのプレートバルブ4を連動可能に連結する1本の駆動軸である。このシャフト5は、複数のプレートバルブ4の各貫通孔32の内周に圧入固定されている。これにより、シャフト5は、複数のプレートバルブ4を支持固定することが可能となる。
シャフト5の回転軸方向の一端部、つまり第1端部41は、ベアリング15および軸受け防振ゴム16を介して、ケーシング1のベアリングホルダ11に回転自在に支持されている。なお、シャフト5の第1端部41は、断面が円形状となるように切削されている。 シャフト5の回転軸方向の他端部、つまり第2端部42の外周には、カップリング6が取り付けられている。
すなわち、カップリング6の外周には、ケーシング1に支持固定された全開ストッパ(全開ストッパスクリュー)または全閉ストッパ(全閉ストッパスクリュー)に選択的に係止されるストッパレバー7が嵌合保持されている。
ここで、カップリング6の径小部には、ストッパレバー7をカップリング6の径大部に組み付けるためのナット部材43と螺合する外周ネジ部が形成されている。また、シャフト5の回転軸方向の他端部には、センサ固定レバー44をカップリング6の径小部に組み付けるためのナット部材45と螺合する外周ネジ部が形成されている。
減速機構は、モータのモータシャフトの外周に圧入固定されたモータギヤ(ピニオンギヤ)、このモータギヤに噛み合って回転する中間ギヤ、およびこの中間ギヤに噛み合うバルブギヤ8を有している。これらの各ギヤは、アクチュエータケース9の内部に回転自在に収容されている。
また、ストッパレバー7の折り曲げ部47の回転方向の他方側(閉弁作動方向)には、全閉ストッパに係止される全閉ストッパ部が設けられている。これにより、ストッパレバー7の全閉ストッパ部が全閉ストッパに突き当たると、タンブル制御弁のバルブ開度が全閉開度の状態(全閉位置)となるように規制される。
ここで、シャフト5またはバルブギヤ8に、全てのプレートバルブ4を開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリングを組み付けても良い。
モータ駆動回路は、ECUのマイクロコンピュータより与えられる出力信号(例えばPWM信号のデューティ比)に対してモータへの供給電力(モータ駆動電流またはモータ印加電圧)を可変制御する。
ECUには、制御処理や演算処理を行うCPU、制御プログラムまたは制御ロジックや各種データを保存する記憶装置(ROMやRAM等のメモリ)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
ここで、クランク角度センサは、エンジンのクランクシャフトの回転角度を電気信号に変換するピックアップコイルよりなり、例えば30°CA(クランク角度)毎にNEパルス信号が出力される。また、マイクロコンピュータは、クランク角度センサより出力されたNEパルス信号の間隔時間を計測することによってエンジン回転速度(エンジン回転数)を検出(算出)するための回転速度検出手段として機能する。
マグネットロータ51は、検出対象物としての複数のプレートバルブ4およびシャフト5の回転に伴って回転するように、シャフト5の第2端部42に嵌合保持されたセンサ固定レバー44に保持固定されている。
ケーシング1には、上述したように、シャフト5の各第1、第2端部(ジャーナル、摺動部)41、42を回転方向に摺動自在に軸支する2つのベアリングホルダ11、12が一体的に形成されている。
ベアリングホルダ11の一部は、ケーシング1の右側面より軸線方向の一端側に向かって突出している。
ケーシング1は、ベアリングホルダ11の軸線方向の一端側で開口する開口部(シャフト挿入口)63を有している。このシャフト挿入口63は、ケーシング1の内部、つまりシャフト軸受け孔13、14および複数の貫通孔62を貫通するように、シャフト5を挿入するための開口部である。
また、ケーシング1は、ベアリングホルダ12の軸線方向の他端面とアクチュエータケース9との間にギヤ収納空間64を形成する円筒状のハウジング65を有している。また、ベアリングホルダ12の軸線方向の他端側で開口する開口部66は、アクチュエータケース9およびハウジング65によって気密的に保持(閉塞)されている。
突条リブ67は、軸受け防振ゴム16を係止する係止部68を有している。この突条リブ67は、シャフト挿入口側から係止部68の先端側に向かって徐々に内径が縮径するテーパ形状の傾斜面69を有している。
ここで、突条リブ67の係止部68の先端(最小内径部)の内径は、後述するベアリング15の側壁部71の外径よりも大きく、また、後述する軸受け防振ゴム16の弾性円筒部75の外径と同一寸法である。
なお、シャフト5の第1端部41は、その回転軸方向に垂直な断面が円形状に形成された円形状部(摺動部)となっている。この第1端部41の外周面は、ベアリング15の摺動孔74の内部において回転方向に摺動する摺動面となっている。
ベアリング15は、例えば銅や鉄等の金属を焼結した焼結部品であって、円筒形状に形成されている。このベアリング15は、シャフト5の第1端部41の外周面(摺動面)と軸受け防振ゴム16の内周面との間に介在する金属製の軸受け部材(ベアリング)である。
側壁部71は、シャフト5の第1端部41の周囲を周方向に取り囲むように配設された軸受け筒部である。
ベアリング15の側壁部71の内部には、シャフト5の第1端部41を回転方向に摺動自在に軸支する断面形状の摺動孔74が形成されている。この摺動孔74内には、シャフト5の第1端部41が挿入される。また、摺動孔74は、その外部側の開口端が、ベアリング15の閉塞端72によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔となっている。
そして、シャフト5の第1端部41の外周面(摺動面)とベアリング15の側壁部71の内周面、つまり摺動孔74の孔壁面(摺動面)との間には、シャフト5の第1端部41をベアリング15の内部で円滑に回転させるための摺動クリアランスが形成されている。
なお、ベアリング15の側壁部71は、弾性円筒部75の貫通孔76の内部に挿入された状態で保持固定されている。
複数の第1〜第3環状リブ77は、弾性円筒部75と伴って、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)とベアリング15の外周との間の環状隙間(または筒状隙間)をシールするシール部を構成している。
複数の第1〜第3環状リブ77は、半球状または多角状の断面を有し、弾性円筒部75の外周を円環状に取り囲むように、弾性円筒部75の円筒部の円周方向に連続して形成された弾性リブである。これらの第1〜第3環状リブ77は、弾性円筒部75の筒方向に所定の間隔を隔てて(等間隔で)多列配置されている。
これにより、軸受け防振ゴム16の第1〜第3環状リブ77の頂部とケーシング1のベアリングホルダ11の内周部とが、軸受け防振ゴム16の弾性変形に伴うベアリングホルダ11の内周部に対する摩擦力(フリクション)により密着することで、ケーシング1のベアリングホルダ11の最適位置に対する、シャフト5の第1端部41およびベアリング15の円筒部の耐軸受けズレ性を確保している。
次に、本実施例のTCVのバルブ開度の制御方法を図1ないし図4に基づいて簡単に説明する。
なお、エンジンの運転状況、例えばエンジン回転速度とエンジン負荷に基づいて要求タンブル比を求めて、要求タンブル比が所定値以上の時にTCVのバルブ(複数のプレートバルブ4)を全閉し、要求タンブル比が所定値未満の時に複数のプレートバルブ4を全開しても良い。
そして、吸気ポート23の上層部の天壁面に沿って流れる偏流は、シリンダヘッド3の吸気ポート23の吸気弁口(吸気ポート開口部)から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内において縦方向の旋回流(タンブル流)が発生するため、例えばエンジン始動時またはアイドル運転時における燃焼室内での燃焼効率が向上し、燃費やエミッション(例えばHC低減効果)等が改善される。
この場合、インテークマニホールドのうちの上流側端部から下流側端部(ケーシング1の吸気通路21)に流入した吸気流は、吸気通路22をストレートに通過して、複数のカートリッジ2の出口部から吸気ポート23内に導入される。
そして、吸気ポート23を通過した吸気流は、吸気ポート開口部から燃焼室内に供給される。このとき、エンジンの各気筒毎の燃焼室内においてタンブル流は発生しない。
以上のように、本実施例の吸気渦流発生装置においては、軸受け防振ゴム16のシール部(弾性円筒部75、第1〜第3環状リブ77)によってケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)とベアリング15の側壁部(軸受け筒部)71の外周との間の環状隙間(または筒状隙間)がシール(封止、密閉)される。また、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)に接触または当接または密着する第1〜第3環状リブ77を有する軸受け防振ゴム16によってケーシング1のベアリングホルダ11にベアリング15の側壁部71が固定される。
また、ベアリング15の側壁部71の内部に設けられる摺動孔74は、その一端側が、閉塞端72によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔となっている。
これによって、ベアリング15の側壁部71の軸線方向の一端側を気密的に封止(密閉)することができるので、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周との間の気密性を保持することができる。これにより、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周との間の摺動クリアランスを通って、吸気通路21、22内のエアが外部へ洩れるのを防止することができる。
また、ベアリング15は、内部に摺動孔74が形成された側壁部71、この側壁部71の軸線方向の一端側を閉塞する円環状の閉塞端72、および側壁部71の軸線方向の他端側で開口するシャフト挿入口73を有している。これによって、ベアリング15の側壁部71の軸線方向の一端側を封止できるので、シャフト5の第1端部(摺動部)41の隙間からのエア洩れを防止することができる。
これによって、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周(シャフト軸受け孔13の孔壁面)と軸受け防振ゴム16の第1〜第3環状リブ77の頂部との間で発生する摩擦力(フリクション)によりケーシング1のベアリングホルダ11に対してベアリング15がスラスト方向にズレ難くなるので、ケーシング1のベアリングホルダ11に対するベアリング15の耐軸受けズレ性を確保することができる。これにより、ケーシング1のベアリングホルダ11に対してベアリング15を固定することができる。
また、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周とベアリング15の外周との間の隙間をシールする第1〜第3環状リブ77を有する軸受け防振ゴム16によって、ケーシング1のベアリングホルダ11の内周とベアリング15の外周との間の気密性を保持することができる。
ここで、シャフト5の第1端部41の外周とベアリング15の側壁部71の内周(摺動孔74の孔壁面)とが、グリースまたはオイル等の潤滑剤を介して摺動接触しており、第1〜第3環状リブ77が軸受け防振ゴム16の弾性円筒部75の筒方向に3つ以上所定の間隔を隔てて多列配置されている場合、グリースまたはオイル等の潤滑剤が、多列配置された第1〜第3環状リブ77のうち弾性円筒部75の筒方向の両端部およびその近傍に位置する最外側の第3環状リブ77まで伝ってきても、グリースまたはオイル等の潤滑剤が最外側の第3環状リブ77により塞き止められる。
これによって、グリースまたはオイル等の潤滑剤が、第1、第3環状リブ77間に位置する中間の第2環状リブ77に付着することを防ぐことができるので、中間の第2環状リブ77への付着による中間の第2環状リブ77のフリクションの低下に伴う、ケーシング1のベアリングホルダ11に対するベアリング15の耐軸受けズレ性の低下を防止することができる。
これによって、突条リブ67の係止部68に軸受け防振ゴム16を係止することができるので、ベアリング15または軸受け防振ゴム16の脱落を防止することができる。
また、突条リブ67は、シャフト挿入口側から係止部68の先端(最小内径部)側に向かって徐々に内径が縮径するテーパ形状の傾斜面69を有している。
これによって、仮にベアリング15および軸受け防振ゴム16を取り付けたシャフト5をシャフト挿入口63からシャフト軸受け孔13の内部に容易に挿入することができる。
本実施例では、本発明を、内燃機関(エンジン)の燃焼室内において縦方向の旋回流(タンブル流)を発生させる吸気渦流発生装置に適用しているが、本発明を、内燃機関(エンジン)の燃焼室内において横方向の旋回流(スワール流)を発生させる吸気渦流発生装置に適用しても良い。また、本発明を、内燃機関(エンジン)の燃焼を促進させるためのスキッシュ渦の生成が可能となるように構成しても良い。
本実施例では、吸気制御弁の弁体であるプレートバルブ4またはロータリバルブを駆動するアクチュエータを、モータおよび減速機構を備えた電動アクチュエータによって構成したが、吸気制御弁の弁体であるバルブを駆動するアクチュエータを、モータのみによって構成しても良い。また、吸気制御弁の弁体であるバルブを駆動するアクチュエータを、電磁式または電動式負圧制御弁を備えた負圧作動式アクチュエータ、あるいは電磁アクチュエータによって構成しても良い。
なお、バルブを開弁作動方向または閉弁作動方向に付勢するスプリング等のバルブ付勢手段を設置しても設置しなくても構わない。
本実施例では、ベアリング15の円筒部の外周面に焼き付け等によって軸受け防振ゴム16が接合固定されているが、ベアリング15の外周面に接着剤等によって軸受け防振ゴム16が接合固定されていても良い。また、ベアリング15の外周面にかしめ等によって軸受け防振ゴム16が保持固定されていても良い。また、ベアリング15の外周面にバンド等によって軸受け防振ゴム16が保持固定されていても良い。
2 カートリッジ(ダクト)
3 シリンダヘッド
4 プレートバルブ
5 シャフト(ピンロッド)
11 ベアリングホルダ(第1軸受けホルダ)
12 ベアリングホルダ(第2軸受けホルダ)
13 シャフト軸受け孔
14 シャフト軸受け孔
15 ベアリング(軸受け)
16 軸受け防振ゴム(弾性部材)
63 シャフト挿入口(開口部)
67 突条リブ
68 係止部
69 傾斜面
71 側壁部(軸受け筒部)
72 閉塞端
73 シャフト挿入口
74 摺動孔
75 弾性円筒部
76 貫通孔
77 第1〜第3環状リブ
Claims (6)
- (a)内燃機関に吸気を供給する吸気通路を形成するケーシングと、
(b)前記吸気通路を開閉するバルブと、
(c)このバルブを支持すると共に、前記バルブの回転軸方向に延びるシャフトと、
(d)このシャフトの軸線方向の一端部を回転自在に支持する軸受けと、
(e)前記シャフトの軸線方向の一端部および前記軸受けを弾性支持する弾性部材と
を備えた内燃機関の吸気装置において、
前記ケーシングは、前記シャフトを挿入するための開口部、および前記吸気通路と前記開口部とを連通し、且つ前記バルブの回転軸方向に延びる軸受け孔を有し、
前記弾性部材は、前記軸受け孔の孔壁面と前記軸受けの外周との間の隙間をシールするシール部を有し、
前記軸受けは、前記シャフトの軸線方向の一端部の周囲を周方向に取り囲むように配設された軸受け筒部、この軸受け筒部の軸線方向の一端側を閉塞する閉鎖部、および前記軸受け筒部内に設けられて、前記シャフトの軸線方向の一端部が挿入される摺動孔を有し、 前記摺動孔は、その一端側が、前記閉鎖部によって閉塞される袋孔状のシャフト収納孔となっており、
前記ケーシングは、前記軸受けおよび前記弾性部材よりも前記開口部側に、前記軸受け孔の孔壁面より径方向の内側に突出する突条リブを有し、
前記突条リブは、前記軸受けまたは前記弾性部材を係止する係止部を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記軸受けは、前記軸受け筒部の軸線方向の他端側で開口するシャフト挿入口を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記弾性部材は、前記軸受けの周囲を周方向に取り囲むように配設された筒部を有し、 前記シール部は、前記弾性部材の筒部の外周より径方向の外側に突出する弾性突起であって、
前記弾性突起は、その頂部が、前記軸受け孔の孔壁面に接触または当接または密着していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項3に記載の内燃機関の吸気装置において、
前記弾性突起は、前記筒部の外周を周方向に取り囲むように、前記筒部の周方向に連続して形成された環状リブであって、
前記環状リブは、前記筒部の筒方向に所定の間隔を隔てて多列配置されていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記突条リブは、前記開口部側から前記係止部の先端側に向かって徐々に内径が縮径するテーパ形状の傾斜面を有していることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
- 請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載の内燃機関の吸気装置において、 前記弾性部材は、前記軸受けの外周に焼付けられていることを特徴とする内燃機関の吸気装置。
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