JP2011190213A - 中性エンドペプチダーゼ阻害剤 - Google Patents

中性エンドペプチダーゼ阻害剤 Download PDF

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Kensuke Misawa
憲佑 三沢
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Abstract

【課題】モルヒネ系物質の代謝物質、すなわち鎮痛剤として、あるいは降圧剤として有用である、優れた中性エンドペプチダーゼ活性阻害作用を有する中性エンドペプチダーゼ阻害剤の提供。
【解決手段】植物生薬であり、タデ科のダイオウの抽出物及び/又はマメ科エンジュ属に属する植物で、別名黄藤(キフジ)とも呼ばれるエンジュ(Sophora japonica)の抽出物を有効成分として含有する中性エンドペプチダーゼ阻害剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、中性エンドペプチダーゼ阻害剤に関する。
中性エンドペプチダーゼは、エンケファリンなどのオピオイドペプチド、サブスタンスP、ブラジキニンなどの神経ペプチド、心房性ナトリウム利尿ペプチドなどの血管作動性ペプチドを分解する酵素として知られている。そのため、中性エンドペプチダーゼ活性を阻害する作用を持った物質は、モルヒネ系物質の代謝物質、すなわち鎮痛剤(非特許文献1参照)として、あるいは降圧剤(非特許文献2参照)として有用であることが報告されている。
このように、中性エンドペプチダーゼ活性を阻害することで得られる効果は多岐にわたるが、従来知られている中性エンドペプチダーゼ阻害剤は安全性に問題があるものが多く、また、阻害効果が十分とはいえない等の問題点を有していた。そのため、新たな中性エンドペプチダーゼ阻害剤の探索が望まれている。
Malfroy B,Swerts JP,Guyon A,Roques BP,Schwartz JC.(1978)Nature,276,523−526. Kubota E,Dean RG,Balding LC,Burrell LM.(2002) Essays Biochem.,38,129−139.
本発明は、優れた中性エンドペプチダーゼ活性阻害作用を有する中性エンドペプチダーゼ阻害剤を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑み、鋭意検討を行った。その結果、ダイオウの抽出物及びエンジュ(Sophora japonica)の抽出物が共に、優れた中性エンドペプチダーゼ阻害活性を有することを見出した。本発明はこの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明は、ダイオウの抽出物及び/又はエンジュ(Sophora japonica)の抽出物を有効成分として含有する中性エンドペプチダーゼ阻害剤を提供するものである。
本発明によれば、優れた活性阻害効果を奏する中性エンドペプチダーゼ阻害剤を提供することができる。
ダイオウは生薬として、エンジュは生薬の原料として長年使用されてきている。したがって、本発明により、安全性の高い中性エンドペプチダーゼ阻害剤が提供される。
以下、本発明について、その好ましい実施態様の基づき詳細に説明する。
ダイオウは植物生薬であり、タデ科(Plygonaceae)のレウム パルマツム エル.(Rheum palmatum L.)、レウム タングチクム マキシム(Rheum tanguticum Maxim)、レウム オフィシナレ バイロン(Rheum officinale Baillon)もしくはレウム コレアヌム ナカイ(Rheum coreanum Nakai)又はこれらの種間雑種の根茎を意味する。ダイオウが中性エンドペプチダーゼ阻害活性を有することは全く知られていない。
エンジュは、マメ科エンジュ属に属する植物で、学名はソフォラ ジャポニカ(Sophora japonica)である。エンジュは別名、黄藤(キフジ)とも呼ばれ、その蕾を乾燥させたものは槐花とも呼ばれる。エンジュの抽出物が中性エンドペプチダーゼ阻害活性を有することは全く知られていない。
本発明におけるダイオウの抽出物は、レウム パルマツム エル.(Rheum palmatum L.)、レウム タングチクム マキシム(Rheum tanguticum Maxim.)、レウム オフィシナレ バイロン(Rheum officinale Baillon)もしくはレウム コレアヌム ナカイ(Rheum coreanum Nakai)又はこれらの種間雑種の根茎から抽出することができる。
また、本発明におけるエンジュの抽出物は、エンジュの任意の部位、例えば、花、樹皮、葉などから抽出することができるが、花から抽出することが好ましい。
本発明において、ダイオウの抽出物の調製に、ダイオウをそのまま、又は乾燥粉砕して用いることもできるが、その水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもでき、これらは精油等より精製したものを用いることもできる。また、ダイオウの抽出物の調製に市販品を用いることもできる。ダイオウそのもの又はダイオウの水蒸気蒸留物もしくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、エンジュの抽出物の調製に、エンジュの前記各部位をそのまま、又は乾燥粉砕して用いることもできるが、その水蒸気蒸留物又は圧搾物を用いることもでき、これらは精油等より精製したものを用いることもできる。また、エンジュの抽出物の調製に市販品を用いることもできる。エンジュの各部位又はその水蒸気蒸留物もしくは圧搾物は、いずれかを単独で、又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明における抽出物は、ダイオウから得られる抽出物及びエンジュから得られる抽出物の混合物であってもよい。
本発明において、ダイオウの抽出物及びエンジュの抽出物を得る方法は特に限定されず、適当な溶媒を用いた常法の抽出方法によって調製することができる。
抽出に用いる溶媒としては、植物成分の抽出に通常用いられるもの、例えば水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状及び環状エーテル類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;スクワラン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;トルエン等の芳香族炭化水素類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;及びピリジン類等が挙げられ、これら2種以上混合溶媒であってもよい。本発明において、抽出に用いる溶媒は水性アルコールが好ましく、90質量%以上の水性アルコールがより好ましく、95質量%以上の水性アルコールがさらに好ましく、95質量%以上のエタノールが特に好ましい。
また、抽出条件も通常の条件を適用でき、例えば抽出物が抽出される材料を3〜100℃で数時間〜数週間浸漬又は加熱還流するのが好ましく、室温付近の温度で1日〜4週間浸漬するのが特に好ましい。
また、本発明における抽出物は、市販の抽出物であってもよい。
本発明の中性エンドペプチダーゼ阻害剤の有効成分は、上記のように抽出された抽出物そのものであってもよいし、上記のように抽出された抽出物をさらに適当な分離手段、例えばゲル濾過カラムクロマトグラフィー等のカラムクロマトグラフィーや精密蒸留等により分画したものであってもよい。また、本発明の中性エンドペプチダーゼ阻害剤の有効成分は、前記抽出物を希釈、濃縮又は凍結乾燥した後、粉末又はペースト状にしたものであってもよい。すなわち、本発明における抽出物には、前記抽出方法で得られた各種溶剤抽出液の他、その希釈液、濃縮液や乾燥末等も含まれる。
本発明の中性エンドペプチダーゼ阻害剤は、本発明における抽出物そのものであってもよいし、さらに他の成分を含んでいてもよい。他の成分の例として、酸化チタン、炭酸カルシウム、精製水、乳糖、デンプン、アルコール、界面活性剤、油性物質、保湿剤、皮膚老化防止剤、美白剤、高分子化合物、防腐剤、増粘剤、乳化剤、薬効成分、紛体、紫外線吸収剤、色素、香料、乳化安定剤、pH調整剤等が挙げられる。本発明の中性エンドペプチダーゼ阻害剤に含まれる抽出物の量に特に制限はないが、前記抽出物が固形分換算で0.00001〜50重量%含まれるのが好ましく、0.001〜10重量%含まれるのが特に好ましい。
本発明の中性エンドペプチダーゼ阻害剤は効果的に中性エンドペプチダーゼ活性を阻害することができ、その用途としては、抗圧剤、鎮痛剤等が挙げられる。
本発明の中性エンドペプチダーゼ阻害剤の剤形に特に制限はなく、用途に応じて皮膚外用剤、経口剤、注射剤等の剤形をとることができる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
製造例1 ダイオウ抽出液の調製
ダイオウ(根茎)(大黄、新和物産より入手)40gに95%エタノール水溶液400mLを加え、常温で21日間浸漬した。これを桐山漏斗でろ過し、ろ液をダイオウ抽出液とした。この抽出液を濃縮したところ、その固形分は11.86gであり、抽出液の固形分濃度は3.40%(w/v)であった。
製造例2 エンジュ抽出液の調製
エンジュ(花)(槐花、新和物産より入手)40gに95%エタノール水溶液400mLを加え、常温で23日間浸漬した。これを桐山漏斗でろ過し、ろ液をエンジュ抽出液とした。この抽出液を濃縮したところ、その固形分は4.80gであり、抽出液の固形分濃度は1.48%(w/v)であった。
実施例1 中性エンドペプチダーゼ活性抑制試験
Cell System社より市販されている正常ヒト線維芽細胞を、10%牛胎児血清を含むDME培地で継体培養し、以下の試験に供した。試験方法は、The Journal of Biological Chemistry, 266(34), 23041−23047(1991)に記載の方法を参照した。
ラバーポリスマンを用いてシャーレから剥がした細胞を、リン酸緩衝食塩水中に浮遊させ、低速の遠心分離器を使って細胞を集めた後、同生理食塩水で3回洗浄した。得られた細胞を0.1% Triton X−100/0.2M Tris−HClバッファー(pH 8.0)に浮遊させ、超音波粉砕し、これをヒト線維芽細由来酵素液とした。
ヒト線維芽細由来酵素液100μLに、蒸発残分0.5%(w/v)に調整した前記各抽出液(評価サンプル)を2.0μL又は0.6μL、中性エンドペプチダーゼ基質(10mMグルタリル−Ala−Ala−Phe−4−メトキシ−β−ナフチルアミン)を2.0μL添加し、37℃にて1時間インキュベートした。これにより、ヒト線維芽細胞由来酵素液に含まれる中性エンドペプチダーゼ(NEP)が基質をAla−Phe間で切断してNEP分解産物を生じる。その後、ホスホラミドン(Phosphoramidon)を最終濃度1μMとなるように添加して反応を停止させた。
続いて、反応系にロイシンアミノペプチダーゼ(Leucine aminopeptidase)を最終濃度が0.50mU/mLとなるように添加し、37℃で1時間インキュベートした。これにより、NEP分解産物がロイシンアミノペプチダーゼによってさらに切断され、4−メトキシ−2−ナフチルアミンを生じる。生じた4−メトキシ−2−ナフチルアミンの蛍光強度を、蛍光分光光度計を用いて、励起波長340nm、蛍光波長425nmにて測定した。
コントロールとして、上記反応系において、評価サンプルの代わりに95%エタノール水溶液を2μL又は0.6μL加え、同様の操作を行った。
得られた測定値をもとに、以下の式から評価サンプルの中性エンドペプチダーゼ活性阻害率を求めた。
中性エンドペプチダーゼ活性阻害率(%)=100−{(評価サンプル添加時の4−メトキシ−2−ナフチルアミン量)/(コントロール添加時の4−メトキシ−2−ナフチルアミン量)}×100
結果を表1に示す。
Figure 2011190213
表1から明らかなように、本発明における抽出物が優れた中性エンドペプチダーゼ活性阻害効果を有することがわかった。

Claims (1)

  1. ダイオウの抽出物及び/又はエンジュ(Sophora japonica)の抽出物を有効成分として含有する中性エンドペプチダーゼ阻害剤。
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