JP2011189600A - ギャップ調整装置、記録装置 - Google Patents
ギャップ調整装置、記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2011189600A JP2011189600A JP2010057143A JP2010057143A JP2011189600A JP 2011189600 A JP2011189600 A JP 2011189600A JP 2010057143 A JP2010057143 A JP 2010057143A JP 2010057143 A JP2010057143 A JP 2010057143A JP 2011189600 A JP2011189600 A JP 2011189600A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cam
- gap
- gap adjusting
- motor
- carriage
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
Abstract
【課題】ギャップ調整装置において専用のホームポジション検出センサーを設けることなく、即ちコストアップを招くことなく、ギャップを調整するカムを所定位置に停止させることのできるギャップ調整装置を得る
【解決手段】ギャップ調整装置16は、回転中心からの距離が円周方向に渡って変化するカム面18aを備え、駆動モーター21により一定の回転方向に駆動されるギャップ調整カム18を備えている。カム面18aは、円周方向における一の位置において駆動モーター21に最大負荷を与える形状を有しており、駆動モーター21を制御する制御部28が、前記最大負荷が生じる際の回転位相を基準にしてギャップ調整カム18を目的とする回転位相に停止させる。
【選択図】図5
【解決手段】ギャップ調整装置16は、回転中心からの距離が円周方向に渡って変化するカム面18aを備え、駆動モーター21により一定の回転方向に駆動されるギャップ調整カム18を備えている。カム面18aは、円周方向における一の位置において駆動モーター21に最大負荷を与える形状を有しており、駆動モーター21を制御する制御部28が、前記最大負荷が生じる際の回転位相を基準にしてギャップ調整カム18を目的とする回転位相に停止させる。
【選択図】図5
Description
本発明は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと被記録媒体との間のギャップが変化する方向に前記記録ヘッドの位置を調整するギャップ調整装置、およびこれを備えた記録装置に関する。
記録装置の1つとしてインクジェットプリンターがあり、該インクジェットプリンターのうち所謂シリアル型のものにおいては、インクジェット記録ヘッドが主走査方向に往復動するキャリッジの底部に設けられている。キャリッジは、主走査方向に延びるキャリッジガイド軸にガイドされながら、モーターの駆動力を受けて主走査方向に往復駆動される。
ここで、インクジェットプリンターには、厚さの異なる被記録媒体毎に適切に記録を実行する為に、インクジェット記録ヘッドと被記録媒体とのギャップを調整するギャップ調整装置が設けられる場合がある。
この様なギャップ調整装置の一例が、特許文献1に示されている。特許文献1に示されたギャップ調整装置は、モーターにより回転駆動されるギャップ調節カムと、このギャップ調節カムと係合するカムフォロワと、を備えている。ギャップ調節カムは、その外周にギャップが変化しない安定領域と、ギャップを変化させる遷移領域とを有しており、ギャップ調節カムの回転によりギャップが変化する様に構成されている。
上記特許文献1記載のギャップ調整装置においては、ギャップが変化しない安定領域を検出するセンサー(安定領域検出センサー)に加えて、ギャップ調節カムのホームポジションを検出する専用のセンサー(ホームポジション検出センサー)が設けられており、ギャップ調節カムを制御する制御部は、ホームポジション検出センサーからの検出情報をもとに、ギャップが現在どのポジションにあるかを把握できる様になっている。
しかしながらこの様に専用のホームポジション検出センサーを設けることで、装置のコストアップを招いていた。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ギャップ調整装置において専用のホームポジション検出センサーを設けることなく、即ちコストアップを招くことなく、ギャップを調整するカムを所定位置に停止させる(所望するギャップに切り換える)ことのできるギャップ調整装置を得ることにある。
そこで本発明はこの様な状況に鑑みなされたものであり、その目的は、ギャップ調整装置において専用のホームポジション検出センサーを設けることなく、即ちコストアップを招くことなく、ギャップを調整するカムを所定位置に停止させる(所望するギャップに切り換える)ことのできるギャップ調整装置を得ることにある。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと被記録媒体との間のギャップが変化する方向に前記記録ヘッドの位置を調整するギャップ調整装置であって、回転中心からの距離が円周方向に渡って変化するカム面を備え、モーターにより一定の回転方向に駆動されるカムと、前記カムのカム面と接するカム接触面と、を備え、前記カムの回転を介して前記ギャップを調整する構成を備え、前記カムのカム面が、円周方向における一の位置において前記モーターに最大負荷を与える形状を有し、前記モーターを制御する制御手段が、前記最大負荷が生じる際の回転位相を基準にして前記カムを目的とする回転位相に停止させることを特徴とする。
本態様によれば、ギャップ調整装置が備えるカムは、カム面が円周方向における一の位置においてモーターに最大負荷を与える形状を有しているので、モーターを制御する制御手段は、センサーからの検出情報を利用することなく、前記カムの基準位置(ホームポジション)を把握することができる。尚、モーターの最大負荷は、例えばモーター電流値や電圧値などで把握することができる。
そしてこの基準位置(前記最大負荷が生じる際の回転位相)を利用して、前記カムを目的とする回転位相に停止させることができるので、前記基準位置を検出する為の専用のセンサーを設けることによるコストアップを招くことなく、上記カムを所望する回転位相で停止させる(所望するギャップに切り換える)ことが可能となる。
本発明の第2の態様は、被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと被記録媒体との間のギャップが変化する方向に前記記録ヘッドの位置を調整するギャップ調整装置であって、回転中心からの距離が円周方向に渡って変化するカム面を備え、モーターにより一定の回転方向に駆動されるカムと、前記カムのカム面と接するカム接触面と、を備え、前記カムの回転を介して前記ギャップを調整する構成を備え、前記カムのカム面が、円周方向における一の位置において固有の負荷変動を前記モーターに与える形状を有し、前記モーターを制御する制御手段が、前記固有の負荷変動が生じる際の回転位相を基準にして前記カムを目的とする回転位相に停止させることを特徴とする。
本態様によれば、ギャップ調整装置が備えるカムは、カム面が円周方向における一の位置においてモーターに固有の負荷変動を与える形状を有しているので、モーターを制御する制御手段は、センサーからの検出情報を利用することなく、前記カムの基準位置(ホームポジション)を把握することができる。尚、モーターの負荷変動は、例えばモーター電流値や電圧値などで把握することができる。
そしてこの基準位置(前記固有の負荷変動が生じる際の回転位相)を利用して、前記カムを目的とする回転位相に停止させることができるので、前記基準位置を検出する為の専用のセンサーを設けることによるコストアップを招くことなく、上記カムを所望する回転位相で停止させる(所望するギャップに切り換える)ことが可能となる。
本発明の第3の態様は、第1のまたは第2の態様において、前記カムのカム面が、所定の回転位相範囲で回転中心からの距離が変化しない安定領域を複数備え、前記複数の安定領域により前記ギャップを段階的に切り換える構成を備えていることを特徴とする。
本態様によれば、前記カムのカム面が、所定の回転位相範囲で回転中心からの距離が変化しない安定領域を複数備え、前記複数の安定領域により前記ギャップを段階的に切り換える構成を備えているので、カムを駆動するモーターの停止制御に高い精度を必要とせず、所望するギャップに容易に且つ確実に切り換えることができる。
本発明の第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかにおいて、前記制御手段は、前記モーターの停止状態から前記モーターを駆動する際の加速制御が終了した後に、当該モーターの駆動負荷を検出して前記カムを目的とする回転位相に停止させることを特徴とする。
本態様によれば、前記制御手段は、前記モーターの停止状態から前記モーターを駆動する際の加速制御が終了した後に、当該モーターの駆動負荷を検出して前記カムを目的とする回転位相に停止させるので、加速制御期間中の不安定なモーター負荷の影響を排除して、確実なモーター駆動負荷の検出(現在ギャップの検出)を行うことができる。
本発明の第5の態様は、被記録媒体に記録を行う記録装置であって、第1から第4の態様のいずれかに係るギャップ調整装置を備えていることを特徴とする。本態様によれば、記録装置において、上記第1から第4の態様と同様な作用効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る記録装置の一実施形態であるインクジェットプリンター1の装置本体(外装ケースを外した状態)の斜視図、図2はキャリッジ10を下方から見た斜視図、図3はキャリッジ10の要部(メインキャリッジ13、中間部材22、サブキャリッジ27)の分解斜視図、図4はキャリッジ10内部の斜視図である。
また、図5はギャップ調整カム18の平面図及びギャップ調整装置16の制御系のブロック図、図6は駆動モーター21のモーター電流値とギャップ調整カム18の回転位相との関係(駆動電流波形)の一例を示すイメージ図、図7はギャップ調整カム18の基準位置を検出する制御の内容を示すフローチャートである。更に、図8(A)、(B)はギャップ調整カム18の他の実施形態を示す平面図である。
図1において符号5はインクジェット記録ヘッド31(図2)の走査方向(以下「主走査方向」と言う)に延びるキャリッジガイド軸を示しており、キャリッジ10は、キャリッジガイド軸5に案内されながら、図示を省略するモーターの動力により主走査方向に往復動するよう構成されている。即ち本実施形態に係るインクジェットプリンター1は、シリアル型のインクジェットプリンターである。
符号2は、主走査方向に延びるフレームを示している。キャリッジ10は、その重心の水平方向における位置がキャリッジガイド軸5から離れており、このためキャリッジ10はキャリッジガイド軸5まわりに回転しようとする傾向が生じている。フレーム2は、このキャリッジ10の回転を止めることにより、キャリッジ10の姿勢を規制する規制手段として機能している。尚、図4において符号15はスライダーを示しており、このスライダー15がフレーム2の内側面に当接することで、前記回転が止められるようになっている。
本実施形態に係るキャリッジ10は、インクカートリッジを搭載しない所謂オフキャリッジタイプであり、装置本体側に設けられた図示しないインクカートリッジから、図示を省略するインクチューブを介して、インクが供給される様になっている。尚、本発明に係るキャリッジが、インクカートリッジを搭載する所謂オンキャリッジタイプであっても構わないのは勿論である。
図1において符号6は用紙支持部材を示しており、被記録媒体の一例としての記録用紙が、用紙支持部材6に支持されることで、インクジェット記録ヘッド31との距離(以下「ペーパーギャップ」或いは単に「ギャップ」と言う)が規定される様になっている。尚、本実施形態に係るインクジェットプリンター(キャリッジガイド装置)1では、上記ペーパーギャップは用紙厚に応じて調整可能となっているが、この調整を行う機構(ギャップ調整装置16)については、後に説明する。
キャリッジ10は、図2に示すように底部にインクジェット記録ヘッド31を備えており、このインクジェット記録ヘッド31のヘッド面31aには、インク吐出ノズルが主走査方向と直交する方向に沿って所定間隔で配置されて成るノズル列(図示せず)が、主走査方向に沿って所定間隔で複数配置されている。
図1及び図2において符号11はキャリッジ10の上部開口を覆うカバーを示しており、このカバー11の内側に、インク供給のオンオフ制御を行うバルブ装置を含むインク供給制御機構(図示せず)が設けられている。
キャリッジ10は、その基体が図3に示すようにメインキャリッジ13と、中間部材22と、サブキャリッジ27と、により構成されている。メインキャリッジ13は軸受部13aを有しており、この軸受部13aにキャリッジガイド軸5が通されることで、メインキャリッジ13がキャリッジガイド軸5に案内される構成となっている。
またメインキャリッジ13には、図示を省略するモーターにより駆動される無端ベルト8(図1)の一部が固定されており、これによりメインキャリッジ13に主走査方向への駆動力が伝達され、主走査方向に牽引されるようになっている。
図3において、中間部材22はメインキャリッジ13とサブキャリッジ27との間に介在し、メインキャリッジ13とサブキャリッジ27とを接続する部材である。この中間部材22は、サブキャリッジ27に対してはねじ固定される。
一方中間部材22自身は、メインキャリッジ13に対してはペーパーギャップ調整方向(図4の上下方向)にスライド可能となるように設けられる。
より詳しくは、図3及び図4において符号22bは中間部材22に形成された、上下方向(ペーパーギャップ調整方向)に延びるガイド溝を示しており、このガイド溝22bに、メインキャリッジ13に形成されたボス13cが遊挿された状態となることで、中間部材22(即ちサブキャリッジ27)が、メインキャリッジ13に対してペーパーギャップ調整方向に案内される様になっている。
より詳しくは、図3及び図4において符号22bは中間部材22に形成された、上下方向(ペーパーギャップ調整方向)に延びるガイド溝を示しており、このガイド溝22bに、メインキャリッジ13に形成されたボス13cが遊挿された状態となることで、中間部材22(即ちサブキャリッジ27)が、メインキャリッジ13に対してペーパーギャップ調整方向に案内される様になっている。
次に、メインキャリッジ13に形成されたばね係止フック13cと中間部材22に形成されたばね係止フック22eとの間には、引っ張りばね23が掛架され、これにより中間部材22(サブキャリッジ27)が、メインキャリッジ13に対して上方に付勢された状態となっている。
また、中間部材22に形成されたばね係止フック22aと、メインキャリッジ13に形成されたねじ孔13bに螺合するねじ(不図示)との間に引っ張りばね24が掛架されており、中間部材22がメインキャリッジ13に対して付勢(押圧)された状態となっている。
同様に、サブキャリッジ27に形成されたねじ孔27aに螺合するねじ(不図示)と、メインキャリッジ13に形成されたねじ孔13eに螺合するねじ(不図示)との間に引っ張りばね25が掛架されていて、これによりサブキャリッジ27がメインキャリッジ13に向けて付勢された状態となっている。
以上により中間部材22がねじ固定されたサブキャリッジ27が、上部の両側2箇所と下部の両側2箇所とでメインキャリッジ13に対して引き寄せられ、保持された状態となっている。尚、引っ張りばね25の付勢力は引っ張りばね24の付勢力より小さく、引っ張りばね25による中間部材22及びサブキャリッジ27の保持機能を補助している。
一方、メインキャリッジ13の側には、図4に示すようにカム軸17により回転駆動されるギャップ調整カム18、18が設けられている。ギャップ調整カム18、18は、中間部材22の上部に設けられた「カム接触面」としてのカムフォロワ22c、22cと、上述した引っ張りばね23の付勢力により圧接していて、ギャップ調整カム18、18が回転することで、カムフォロワ22c、22c(中間部材22)が上下動する様になっている。即ち、ペーパーギャップが変化するようになっている。
尚、カム軸17の端部にはカム駆動歯車19が設けられており、キャリッジ10がホームポジション(図1の位置)に位置するときに、カム駆動歯車19が、サイドフレーム4に設けられた歯車輪列20と接続できるようになっている。サイドフレーム4には駆動モーター(例えば、DCモーター)21が設けられており、この駆動モーター21の動力によりカム軸17が回転駆動され、ペーパーギャップが変化する様になっている。
次に、サブキャリッジ27の底部には、ヘッドアセンブリー30が設けられる。ヘッドアセンブリー30は、インクジェット記録ヘッド31と、このインクジェット記録ヘッド31を保持するヘッドホルダー(全体不図示)とを備えて構成されている。
図4において符号32はインクジェット記録ヘッド31に設けられたインク導入針であり、複数色のインクの各色に対応して、インク導入針32が設けられ、図示しないインク流路に接続される様になっている。
ヘッドアセンブリー30は、サブキャリッジ27に対し、ヘッド面31aに平行な面内で回転可能に設けられ、図示を省略する傾き調整手段により、インクジェット記録ヘッド31の姿勢(傾き)調整が実行可能となっている。
以上の様に構成されたキャリッジ10において、メインキャリッジ13とサブキャリッジ27は、樹脂材料(例えばPPE(ポリフェニレンエーテル)樹脂)により形成されており、中間部材22は鋼材(例えばSECC)により形成されている。
即ち、メインキャリッジ13とサブキャリッジ27との間に介在するとともにサブキャリッジ27の側に固定され、ばね係止フック22aにおいて付勢手段(引っ張りばね24)による付勢力を受けてメインキャリッジ13に向けて付勢(押圧)される中間部材22は、サブキャリッジ27より剛性が高い性質を有している。
従ってサブキャリッジ27を樹脂材料により形成しつつ、引っ張りばね24の付勢力を大きく設定した場合であっても、サブキャリッジ27の変形を防止することができる。従ってサブキャリッジ27をメインキャリッジ13に対して確実に保持しながらも、サブキャリッジ27の変形を防止することが可能となる。
加えて、メインキャリッジ13とサブキャリッジ27との間に剛性の高い中間部材22、即ち自重の重い部材が介在することで、キャリッジ全体の重心を、メインキャリッジ13の側、即ち無端ベルト8側に移動させることができる。この結果、キャリッジ10が無端ベルト8により牽引される際の、キャリッジ10の首振り現象を抑止することが可能となっている。
続いて、図5〜図8を参照しながらギャップ調整装置16について詳説する。ギャップ調整装置16は、カム軸17に取り付けられ、回転中心(符号Yで示す)からの距離(符号Lで示す)が円周方向に渡って変化するカム面18aを備えたギャップ調整カム18を有し、当該ギャップ調整カム18を回転させることによりインクジェット記録ヘッド31の位置をペーパーギャップが変化する方向に調整する。
図5において符号28はギャップ調整カム18(カム軸17)を駆動する駆動モーター21を制御する制御部を示し、また符号29はギャップ調整カム18(カム軸17)の回転量を検出するエンコーダーを示している。
エンコーダー29は、駆動モーター21の回転軸、或いは歯車輪列20を構成する歯車のいずれか、或いはカム軸17、つまり駆動モーター21により回転駆動される回転体のいずれかに設けられたエンコーダースケール(不図示)と、これを検出する光学センサー(不図示)とを備えて構成されており、制御部28はエンコーダー29からの検出情報により、ギャップ調整カム18(駆動モーター21)の回転量を検出することが可能となっている。尚、本実施形態では、ギャップ調整カム18は図5の時計回り方向の一方向にのみ回転駆動される。
ここで、ギャップ調整カム18は、カム面18aが円周方向における一の位置において駆動モーター21に最大負荷を与える形状を有している。以下、これについて更に詳説する。図5において[−−]、[−]、[Typ]、[+]、[++]、の各符号で示すカム面18aの位置は、ペーパーギャップの段階を示しており、カム面18aは、[−−]→[−]→[Typ]→[+]→[++]の順にペーパーギャップが大きくなる様に形成されている。
即ち、ギャップ調整カム18の回転中心Yからの距離Lが、[−−]→[−]→[Typ]→[+]→[++]の順に長くなる様に形成されており、各表示位置で記した領域がカムフォロワ22cと接するときに、各ペーパーギャップのポジションをとる。
ここで、カム面18aにおいて、単位回転量あたりの距離Lの変化量が大きくなると、駆動モーター21の駆動負荷(モーター電流値)が大きくなるが、本実施形態ではカム面18aにおいて最大駆動負荷が生じる位置は複数設定されておらず、特定の一の位置において最大負荷が生じる様に形成されている。
本実施形態では、その一例としてペーパーギャップが[++]→[−−]に変化する途中(図5及び図6において符号(a)で示す位置)で駆動モーター21の駆動負荷(モーター電流値)が最大となる様に設定されており、これにより制御部28は、駆動モーター21の駆動電流値が最大となったことにより現在のペーパーギャップが[++]→[−−]に変化する途中の所定位置(以下これを「ホームポジション」と言う)にあることを把握することができる。
図7はギャップ調整カム18のホームポジションを検出する際の制御の一例を示すものであり、先ず変数OrgEncCntにエンコーダー読み取り値をセットし、また変数MaxCurrentにゼロをセットする(ステップS101)。ここで、OrgEncCntは後に基準位置がセットされる変数(エンコーダー29の読み取り値)であり、MaxCurrentは後に駆動モーター21の駆動電流値の最大値がセットされる変数である。
次いで、駆動モーター21の回転を開始し(ステップS102)、モーター起動後の加速区間が終了した後に(ステップS103においてYes)、ギャップ調整カム18を1回転させながらモーター電流値が最大となるときのエンコーダー読み取り値を取得する(ステップS104〜S106)。
ここで得られたエンコーダー読み取り値であるOrgEncCntは、モーター電流値MaxCurrentがギャップ調整カム18の一回転中最大となる位置、即ち図5のカム面18aにおける位置(a)がカムフォロワ22cと接するときの(ホームポジション)エンコーダー読み取り値である。従って360°回転位相分のエンコーダー読み取り幅をOneEncCntとすると、以降はエンコーダー読み取り値が「OrgEncCnt+OneEncCnt×n」(nは0または1以上の整数)となるときが、ホームポジションとなる。
そしてホームポジションからどの程度の回転位相だけギャップ調整カム18を回転させれば、ペーパーギャップが[−−]、[−]、[Typ]、[+]、[++]、のこれらいずれに切り換わるかは予め判るので、以降は制御部28は得られたOneEncCntを基準にして、所望するペーパーギャップに切り換えることが可能となる。尚、ホームポジション(カム面18aにおける位置(a)がカムフォロワ22cと接するとき)の状態から各ギャップポジションに切り換える為の回転位相は、予め記憶手段に記憶されている。
以上説明したように、ギャップ調整装置16においては、ギャップ調整カム18のカム面18aが、円周方向における一の位置において駆動モーター21に最大負荷を与える形状を有しており、制御部28、前記最大負荷が生じる際の回転位相(ホームポジション)を基準にしてギャップ調整カム18を所望する回転位相に停止させるので、ホームポジションを検出する為の専用のセンサーを設けることによるコストアップを招くことなく、ギャップ調整カム18を所定位置に停止させる(所望するギャップに切り換える)ことが可能となる。
また、本実施形態では、制御部28は、駆動モーター21の停止状態から当該駆動モーター21を駆動する際の加速制御が終了した後に、ギャップ調整カム18の一回転中における駆動モーター21の最大負荷を検出するので(図7のステップS103)、モーターの加速制御期間中の不安定な負荷変動の影響を排除して、確実な最大負荷の検出を行うことができる。
尚、[−−]、[−]、[Typ]、[+]、[++]の各ギャップを規定するカム面18aは、各ギャップにおいて所定の回転位相範囲で回転中心からの距離Lが変化しない安定領域が形成される様にするのが好ましい。これにより、駆動モーター21の停止制御に高い精度を必要とせず、所望するペーパーギャップに容易に且つ確実に切り換えることができる
次いで、ギャップ調整カム18の他の実施形態について説明する。図8(A)に示すギャップ調整カム18’は、カム面18a’に、突出部18bを備えている。また、図8(B)に示すギャップ調整カム18”も同様に、カム面18a’’に、突出部18cを備えている。
即ち、ギャップ調整カム18’および18”は、カムの一回転動作中の所定位相においてモーター電流値が突発的に変化する様に構成されており、即ち固有の負荷変動が生じるように構成されており、従って他の領域においてモーター電流値が最大となるように形成されていても、この様に固有の負荷変動が生じることでカムの基準位置を検出することができる。
以上説明した実施形態は、あくまで一例であり、本発明がこれに限定されないことは言うまでもない。例えば、上記実施形態ではインクジェット記録ヘッド23を含むユニット(上記実施形態ではサブキャリッジ27)、即ち可動側(駆動モーター21の回転により変位動作する側)に「カム接触面」としてのカムフォロワ22cを設け、当該可動側のユニットを変位可能に支持する固定側(駆動モーター21の回転によっても変位動作しない側:上記実施形態ではメインキャリッジ13)にギャップ調整カム18を設けたが、逆の関係であっても構わない。
また以上説明した実施形態では、インクジェットプリンター1としてシリアル型の液体噴射装置、即ちインクジェット記録ヘッド23が用紙幅方向に移動しながら記録を行う液体噴射装置を例にして説明したが、これに限定されないことは言うまでもなく、例えば記録ヘッドが固定的に設けられた、所謂ラインヘッド型の液体噴射装置にも適用可能である。
また、液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材(被搬送材)に記録を行うプリンター、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録媒材に相当する被噴射材(被搬送材)に噴射して、前記液体を前記被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
1 インクジェットプリンター、2 フレーム、4 サイドフレーム、5 キャリッジガイド軸、6 用紙支持部材、8 無端ベルト、10 キャリッジ、11 カバー、13 メインキャリッジ、15 スライダー、16 ギャップ調整装置、17 カム軸、18 ギャップ調整カム、18a カム面、18b、18c 突出部、19 カム駆動歯車、20 歯車輪列、21 駆動モーター、22 中間部材、23、24、25 引っ張りばね、27 サブキャリッジ、28 制御部、29 エンコーダー、30 ヘッドアセンブリー、31 インクジェット記録ヘッド、32 インク導入針
Claims (5)
- 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと被記録媒体との間のギャップが変化する方向に前記記録ヘッドの位置を調整するギャップ調整装置であって、
回転中心からの距離が円周方向に渡って変化するカム面を備え、モーターにより一定の回転方向に駆動されるカムと、
前記カムのカム面と接するカム接触面と、を備え、前記カムの回転を介して前記ギャップを調整する構成を備え、
前記カムのカム面が、円周方向における一の位置において前記モーターに最大負荷を与える形状を有し、
前記モーターを制御する制御手段が、前記最大負荷が生じる際の回転位相を基準にして前記カムを目的とする回転位相に停止させる、
ことを特徴とするギャップ調整装置。 - 被記録媒体に記録を行う記録ヘッドと被記録媒体との間のギャップが変化する方向に前記記録ヘッドの位置を調整するギャップ調整装置であって、
回転中心からの距離が円周方向に渡って変化するカム面を備え、モーターにより一定の回転方向に駆動されるカムと、
前記カムのカム面と接するカム接触面と、を備え、前記カムの回転を介して前記ギャップを調整する構成を備え、
前記カムのカム面が、円周方向における一の位置において固有の負荷変動を前記モーターに与える形状を有し、
前記モーターを制御する制御手段が、前記固有の負荷変動が生じる際の回転位相を基準にして前記カムを目的とする回転位相に停止させる、
ことを特徴とするギャップ調整装置。 - 請求項1または2に記載のギャップ調整装置において、前記カムのカム面が、所定の回転位相範囲で回転中心からの距離が変化しない安定領域を複数備え、
前記複数の安定領域により前記ギャップを段階的に切り換える構成を備えている、
ことを特徴とするギャップ調整装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載のギャップ調整装置において、前記制御手段は、前記モーターの停止状態から前記モーターを駆動する際の加速制御が終了した後に、当該モーターの駆動負荷を検出して前記カムを目的とする回転位相に停止させる、
ことを特徴とするギャップ調整装置。 - 被記録媒体に記録を行う記録装置であって、請求項1から4のいずれか1項に記載されたギャップ調整装置を備えている、
ことを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010057143A JP2011189600A (ja) | 2010-03-15 | 2010-03-15 | ギャップ調整装置、記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010057143A JP2011189600A (ja) | 2010-03-15 | 2010-03-15 | ギャップ調整装置、記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2011189600A true JP2011189600A (ja) | 2011-09-29 |
Family
ID=44795025
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010057143A Withdrawn JP2011189600A (ja) | 2010-03-15 | 2010-03-15 | ギャップ調整装置、記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2011189600A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013173251A (ja) * | 2012-02-24 | 2013-09-05 | Seiko Epson Corp | プラテンギャップ調整方法およびプリンター |
JP2015231706A (ja) * | 2014-06-10 | 2015-12-24 | キヤノン株式会社 | キャリッジ装置およびヘッドの位置調整機構 |
JP6284601B1 (ja) * | 2016-10-14 | 2018-02-28 | 東友科技股▲ふん▼有限公司Teco Image Systems Co.,Ltd. | プリントヘッドのピッチ調整装置 |
CN112937135A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-06-11 | 重庆品胜科技有限公司 | 一种打印参数自动调节方法及系统 |
-
2010
- 2010-03-15 JP JP2010057143A patent/JP2011189600A/ja not_active Withdrawn
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013173251A (ja) * | 2012-02-24 | 2013-09-05 | Seiko Epson Corp | プラテンギャップ調整方法およびプリンター |
JP2015231706A (ja) * | 2014-06-10 | 2015-12-24 | キヤノン株式会社 | キャリッジ装置およびヘッドの位置調整機構 |
JP6284601B1 (ja) * | 2016-10-14 | 2018-02-28 | 東友科技股▲ふん▼有限公司Teco Image Systems Co.,Ltd. | プリントヘッドのピッチ調整装置 |
CN112937135A (zh) * | 2021-01-28 | 2021-06-11 | 重庆品胜科技有限公司 | 一种打印参数自动调节方法及系统 |
CN112937135B (zh) * | 2021-01-28 | 2023-02-17 | 重庆品胜科技有限公司 | 一种打印参数自动调节方法及系统 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5531856B2 (ja) | 位置調整機構及び記録装置 | |
US8888247B2 (en) | Image forming apparatus including recording head for ejecting liquid droplets | |
US8573723B2 (en) | Image forming apparatus including recording head for ejecting liquid droplets | |
JP2016538157A (ja) | 印刷領域の狭いモジュラー式プリンタ | |
US20060170720A1 (en) | Printing apparatus, program, and printing method | |
JP2009196344A (ja) | 液体吐出装置 | |
JP4446151B2 (ja) | 記録装置および液体噴射装置 | |
US9211743B2 (en) | Droplet discharge device and droplet discharge method | |
JP2011189600A (ja) | ギャップ調整装置、記録装置 | |
JP2011177995A (ja) | 記録装置及び記録方法 | |
JP2007276288A (ja) | ヘッド取付位置調整機構及び液体噴射装置と記録装置 | |
JP2007229925A (ja) | 画像形成装置 | |
JP2007276289A (ja) | キャリッジ取付位置調整機構及び液体噴射装置と記録装置 | |
JP2010234757A (ja) | 画像記録装置 | |
US9090074B2 (en) | Ink-jet recording apparatus | |
JP2011235476A (ja) | 液体噴射装置 | |
JP2010125832A (ja) | キャリッジ、該キャリッジを備えた記録装置 | |
JP2005280206A (ja) | ペーパーギャップの調整装置、記録装置及び液体噴射装置 | |
JP2016000463A (ja) | 印刷装置 | |
JP5304550B2 (ja) | キャリッジ及び記録装置 | |
JP2011051213A (ja) | キャリッジ及び記録装置 | |
US10093118B2 (en) | Recording apparatus | |
JP5196137B2 (ja) | 記録装置 | |
JP2004268346A (ja) | 液体噴射装置 | |
JP4670840B2 (ja) | インクジェット記録装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20130604 |