JP2011189543A - 金属フィルター、それを有する画像形成装置 - Google Patents

金属フィルター、それを有する画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インクジェット方式の画像形成装置において、そのインク流路に配設され、目詰まりが実質的におきない金属フィルターを提供すること。また、このような金属フィルターを有するインクジェット方式の画像形成装置を提供する。
【解決手段】樹脂微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなる樹脂エマルジョンと、水溶性溶剤と、水とを含む水性インクのインクジェット方式の画像形成装置のインク流路に使用される金属フィルターにおいて、当該フィルターは金属の基体がパーフルオロポリオキセタンまたは変性パーフルオロポリオキセタンの少なくとも1種で被覆される。
【選択図】図1

Description

本発明は金属フィルター、それを有する画像形成装置に関し、特にインクジェット方式の画像形成装置のインク流路に用いられる金属フィルター、そのインク流路に前記フィルターを有する画像形成装置に関する。
インクジェット記録技術は、加圧オンデマンド方式や荷電制御方式によってインクを微液滴化し、画像情報に応じて紙等の記録媒体に前記微液滴化したインクを付着させて記録する技術である。このようなインクジェット記録技術は、プリンタ、ファクシミリ及び複写装置などの画像形成装置に好適に用いられている。インクジェット記録技術は、記録媒体に直接インクを付着させて画像を形成できるため、電子写真記録のような感光体を用いた間接記録に比べ、簡便な装置構成で記録ができる。このため、今後、シート状の記録媒体への画像記録方式として更なる発展が期待されている。
しかし、さらなる画像の高精細化の実現には、飛翔インク滴の微小化が不可欠であり、1滴が数ピコリットルと言われる微小液滴の吐出のためには、従来にくらべて、インク滴を吐出するノズル孔自体も、さらに微小、微細化する必要があると考えられる。
このように微小で、且つ今後さらに微小化すると予想されるノズル孔からのインクの吐出、飛翔を安定化させるには、インク中にインクの流れを滞らせる異物が存在しないこと、あるいはノズル孔付近に付着して吐出精度を悪化させたり、吐出不能となる異物が存在しないことが必要である。このため、インク流路には異物除去を目的に、金属フィルターが従来から設置されている。
この金属フィルターとしては、金属繊維を編んだもの、不織布様に流路に結着したもの、薄い金属板をエッチングやメッキ等で孔を設けたものが利用されてきた(たとえば特許文献1〜2参照)。
一方近年、インクジェット用のインクとして水性インクが知られている。この水性インクは、樹脂微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなる樹脂エマルジョンを色材として使用している(たとえば特許文献3〜5参照)。この場合、特許文献4に記載の、「遊離ポリマー」の量が、各種のインク性能に影響すると推測される。
前記、金属フィルターを用いたインクジェット記録技術において、前記した水性インクを使用した場合、この水性インクが、遊離ポリマーによってフィルターの目詰まりなどによる通過性の悪化、フィルター抵抗の上昇が生じる。この結果、インク供給量の不足などインク吐出を不安定化させたり、さらに、不吐出状態も生じている。また、この遊離ポリマーは異物ではあるものの、非常に微細なものであり、インク中において一定の量の濃度であれば、直ちにインク吐出性の悪化につながるものではないが、金属フィルターに対して、大量に供給、通液した場合、金属フィルター表面に付着、凝集、堆積が生じ、その結果、フィルター抵抗(濾過抵抗)の上昇が生じる可能性がある。
また、フィルター抵抗の上昇が生じやすい、大量印字、印刷が必要とされるシステム、特にラインヘッド搭載の高速インクジェットプリンタでは、金属フィルターの必要性がシリアルプリンターに比べて一段と高い。このため、付着、凝集、堆積が生じにくい金属フィルターおよびこのフィルターを用いた高速インクジェットプリンタの発明が望まれている。
本発明は、上述した従来技術における問題点に鑑みてなされたものであって、インクジェット方式の画像形成装置において、そのインク流路に配設され、目詰まりが実質的におきない金属フィルターを提供することを目的としている。
また本発明は、このような金属フィルターをインク流路に有するインクジェット方式の画像形成装置を提供することを目的としている。
本発明は、上記した課題を解決するために成されたものであって、以下の解決手段を有することを特徴とする。
(1) 樹脂微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなる樹脂エマルジョンと、水溶性溶剤と、水とを含む水性インクのインクジェット方式の画像形成装置のインク流路に使用される金属フィルターにおいて、当該金属フィルターは金属の基体がパーフルオロポリオキセタンまたは変性パーフルオロポリオキセタンの少なくとも1種で被覆されたものであることを特徴とする。
(2) 前記(1)に記載の金属フィルターにおいて、前記基体上に0.1nm〜3nmの厚さで蒸着により被覆されていることを特徴とする。
(3) 前記(1)または(2)に記載の金属フィルターにおいて、前記基体がエッチングやメッキで孔を設けた金属薄板であり前記孔の側面で、その蒸着膜が除去されていることを特徴とする。
(4) 前記(1)から(3)のいずれかに記載の金属フィルターにおいて、前記金属フィルターが、Ni電鋳製フィルターであり、その開口径が5μm〜10μmであることを特徴とする。
(5) 前記(1)〜(4)のいずれかに記載の金属フィルターを水性インクの流路に用いたインクジェット方式の画像形成装置を特徴とする。
インクジェット方式の画像形成装置に用いられる水性インクに含有されている「遊離ポリマー」の付着を、金属フィルターの表面にパーフルオロポリオキセタンまたは変性パーフルオロポリオキセタンの少なくとも1種(これらの混合物も含む)を被覆する事によって、インク吐出の不安定化、不吐出を防止することができ、また高画質の記録を安定して提供できる画像形成装置を提供することができる。
金属フィルターの表面に特定の化合物を所定膜厚に形成した、本発明の金属フィルターの1例を示す拡大図である。 本発明の金属フィルターの孔の側壁部を除去した態様の例を示す拡大図である。 本発明の金属フィルターを搭載した画像形成装置の装置構成例を示す図である。 表1に示す実施例および比較例による金属フィルターを用いたインク通液による濾過抵抗の変化を測定したグラフであり、横軸は通液量(g)を表し、縦軸はフィルター抵抗[Pa・s/m]を表す。 本発明の金属フィルターを用いて顔料種の異なるインクの濾過抵抗の変化を測定したグラフであり、横軸は通液量(g)を表し、縦軸はフィルター抵抗[Pa・s/m]を表す。 基体の異なる金属フィルターを用いたインク通液による濾過抵抗の変化を測定したグラフであり、横軸は通液量(g)を表し、縦軸はフィルター抵抗[Pa・s/m]を表す。 表2に示す実施例6〜8および比較例06〜07の金属フィルターを用いたインク通液による濾過抵抗の変化を測定したグラフであり、横軸は通液量(g)を表し、縦軸はフィルター抵抗[Pa・s/m]を表す。 本発明の金属フィルターを用いたインク通液による濾過抵抗の変化を測定したグラフであり、フィルター壁の除去しないものと除去したものの比較をした例を示し、横軸は通液量(g)を表し、縦軸はフィルター抵抗[Pa・s/m]を表す。
本発明の金属フィルターは、好ましい態様として、使用される金属フィルターが金属繊維を編んだもの、金属繊維を不織布様に結着したもの、薄い金属板をエッチングやメッキ等で孔を設けたものを基体とし、パーフルオロポリオキセタンまたは変性パーフルオロポリオキセタンの少なくとも1種、好ましくはこれらの混合物を、この基体に被覆させたものであり、好ましくは上記基体上に膜厚0.1nm〜3nm(1Å〜30Å)で蒸着したものである。真空下で変性パーフルオロポリオキセタンの少なくとも1種、好ましくはこれらの混合物(被覆材料)を蒸着させる方法は、例えば、真空排気ポンプにて真空槽内に上記基体を載置し、所定の真空度まで排気したのち、これらの被覆材料を約400℃で気化させて真空槽に導入し、真空雰囲気を調整するとともに、高周波電源から放電電極に電力を供給してRFグロー放電を起こさせ、プラズマ雰囲気下に上記基体を表面処理して、その基体上に前記被覆材料による表面層を形成するものである。なお、材料及び真空槽内の真空度によっては、常温〜200℃程度の低温での表面層を形成することも可能である。
さらに好ましくは本発明のフィルターは、薄い金属板をエッチングやメッキ等で孔を設けた基体を、図2に示す様にフィルター孔側面の蒸着膜が除去されたものである。この側面のパーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタン膜の除去方法としては、裏面よりドライエッチング法により除去すること等が挙げられ、この方法が推奨される。たとえば平行平板型の電極に、高圧酸素雰囲気を流通させてプラズマを発生させたプラズマドライエッチングにより行う方法を挙げることができる。
さらに好ましくは図1のような、使用される金属フィルターの基体が、Ni電鋳製フィルターであり、その開口径(孔径)が5μm〜10μmのものである。
本発明の好ましい態様において行われる、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物の蒸着には、たとえばダイキン工業社製、商品名:オプツールDSXの使用が好ましく、その膜厚を0.1nm〜3nm(1Å〜30Å)とすることが好ましい。ただし本発明では前記混合物の蒸着に上記商品名のものでなくても、同等な効果を有するものであればこれを使用することができる。なおパーフルオロポリオキセタンの変性としては、アルコキシシラン末端変性(アルコキシシラン基による末端基の変性)を挙げることができる。
本発明の好ましい態様において被ろ過物の水性インクに使用できる顔料としては、カルボキシル基含有樹脂微粒子に、水不溶性または難溶性の色材を含有させてなる樹脂エマルジョン、すなわちカルボキシル基修飾ポリマーエマルジョンである。ここで「色材を含有」させたとは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態およびポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れかの状態又は双方の状態を有することを意味する。この場合、本発明に使用されるインクに配合される色材はポリマー微粒子にすべて封入または吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。上記色材としては、水不溶性若しくは水難溶性であって、上記カルボキシル基修飾ポリマーによって吸着等され得る色材であれば特に制限なく用いられる。なお本明細書において、水不溶性若しくは水難溶性とは、20℃で水100重量部に対して、色材が10重量部以上溶解しないことをいい、溶解するとは、水溶液以外の相に色材の分離や沈降が、目視により認められないことをいう。
上記色材としては、例えば、油溶性染料、油分散染料等の染料や、顔料等が挙げられる。良好な吸着・封入性の観点から油溶性染料及び分散染料を用いることも可能であるが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。またこのとき使用されるポリマーとしては、カルボキシル基を持つポリマー、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸等のポリマーが用いられ、上記色材の配合量は、ポリマーの配合量との関係において、該ポリマーの重量に対して約10〜200重量%、特に約25〜150重量%であることが好ましい。これらカルボン酸修飾ポリマーエマルジョンの水性インクにおける配合量は1〜20wt%であり、好ましくは3〜12wt%、より好ましくは5〜10wt%の範囲である。この範囲にあるインクは、カルボジイミド基を含有した前処理液を被印刷物上に塗布しておくことによって、表面にカルボン酸を保有する顔料を架橋させて凝集固化でき、紙表面に色材がとどまる。この現象によって、濃度低下、定着低下、にじみ、及び同効果によって、裏抜け、ビーディングが防止される。
さらに具体的には、カルボキシル基含有樹脂微粒子に含有しうる顔料として、有機顔料、無機顔料等が挙げられ、例えば、白黒用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。 更にカラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッドB(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19(キナクリドンレッド)、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:127(紺青)、28(コバルトブルー)、29(群青)、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等が挙げられ、複数混合して使用してもよい。また、これらに限定されるものではない。
これら顔料は1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら顔料の配合量は1〜25wt%であり、好ましくは上記カルボキシル基含有顔料が1〜25wt%、より好ましくは5〜15wt%の範囲である。この範囲にあるインクは、前処理液に含有されるカルボジイミド基含有の水溶性樹脂と確実、効果的に架橋反応し、濃度を高め、にじみを抑制し、定着低下を防止することができる。
本発明の好ましい態様において水性インクに水溶性溶剤を使用することができる。この水溶性溶剤とは、いわゆる水溶性有機溶剤である。
水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−へキサンジオール、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンかエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール等のヒドロキシ化合物;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;、2−ピロリド、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物(ラクタム類);、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等があげられる。これら水溶性有機溶剤の水性インクにおける配合量は10〜50wt%であり、これら水溶性有機溶剤は1種単独で使用してもよく、また、複数混合して使用してもよい。また、これらに限定されるものではない。
また、本発明のフィルターによって濾過される対象の水性インクにおいて、必要に応じて従来インクジェット記録用インクに使用されている各種の材料を含ませることができる。
このような材料としては界面活性剤、pH調製剤、防腐剤、防錆剤などを挙げることができる。
例えば界面活性剤としては、特に制限はないが、着色剤の種類や湿潤剤、浸透剤等の組み合わせによって、分散安定性を損なわない界面活性剤の中から目的に応じて適宜選択することができる。特に印刷用紙に印刷する場合には、表面張力が低く、レベリング性の高いものが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、特にフッ素系界面活性剤が好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜選択したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、旭硝子社製のサーフロンシリーズ(S−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145)、住友スリーエム社製のフルラードシリーズ(FC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431)、大日本インキ社製のメガファックシリーズ(F−470、F−1405、F−474、Dupont社のZonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR)、ネオス社製のFT−110、FT−250、FT−252、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のPF−151N等が挙げられ、これらの中でも良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点からネオス社製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のPF−151Nが特に好ましい。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオン(カウンターイオン)としては、Li、Na、K、NH 、(NHCHCHOH)、[NH(CHCHOH)、[NH(CHCHOH)等が挙げられる。なお、これらの対イオンはpH調整剤由来であっても良い。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシピロピレン基を有するものが水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、ビックケミー社、信越シリコーン社、東レ・ダウコーニング・シリコーン社等から容易に入手できる。ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、信越化学社製のKF−618、KF−642、KF−643等が挙げられる。また、前記フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤以外にも、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤等を用いることができる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、コハク酸エステルスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。
前記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等が挙げられる。前記アセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等が挙げられる。
該アセチレングリコール系界面活性剤は、市販品として、例えば、エアープロダクツ社製のサーフィノールシリーズ(104、82、465、485、TG)等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミノピロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
このような界面活性剤としては、市販品として、例えば、日光ケミカルズ社、日本エマルジョン社、日本触媒社、東邦化学社、花王社、アデカ社、ライオン社、青木油脂社、三洋化成社等から容易に入手できる。前記界面活性剤は、これらに限定されるものではなく、単独で用いてもよいし、複数のものを混合して用いてもよい。単独で記録用インク中に容易に溶解しない場合でも、混合することで可溶化され、安定に存在することができる。
前記界面活性剤の前記記録用インク中における含有量は、0.01質量%〜3質量%が好ましく、0.5質量%〜2質量%がより好ましい。ただし、水よりも高沸点の25℃のインク中で液体である液体成分の合計含有量は20質量%以下であり、15質量%以下が好ましい。前記含有量が0.01質量%未満になると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、一方3質量%を超えると記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
例えば樹脂エマルジョンで、樹脂エマルジョンとの連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性も向上させる効果を有するものを選ぶことができる。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンとしては、(メタ)アクリル酸エステル、又は(メタ)アクリル酸エステル及びスチレン等重合性単量体を重合開始剤と共に水中で重合させたものと、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分Aと界面活性剤Bとの混合の割合(A:Bの重量比)は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。
界面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合、エマルジョンとなりにくく、また前記範囲を超える場合、インクの耐水性が低下したり、浸透性が悪化する傾向があるので好ましくない。
前記エマルジョンの分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200重量部の範囲が適当である。市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)などが挙げられる。
本発明では吐出不良を防止するため、pH調整剤を加えてアルカリ性に保つ。これによってインクの分散状態が安定化し、吐出を安定化させることができる。したがって水性インクのpHは7以上11未満であることが好ましい。前記pHが11以上であると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットの材料を溶解する性能が大きくなり、インクの変質や漏洩、吐出不良等の問題を生じることがある。一方、pHが7未満であるとインクの分散状態が悪化する惧れがある。
本発明では、使用するインクに用いられるpH調整剤は、顔料を分散剤と共に混練分散する際に水に加えておく方が、湿潤剤、浸透剤等の添加剤と共に加えるよりも好ましい。これはpH調整剤によっては添加することで分散を破壊する場合もあるためである。前記pH調整剤としては、例えばアルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩等が挙げられる。前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物等が挙げられる。前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等が挙げられる。
本発明で使用するインクに用いられる防腐防黴剤としては、例えばデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、1,2ベンジソチアゾリン−3−オン等が挙げられる。
本発明で使用するインクに用いられる防錆剤としては、例えば酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
その他、目的に応じて金属イオン封止剤、(水溶性)紫外線吸収剤、(水溶性)赤外線吸収剤等も添加することができる。
以下本発明を実施例等により説明するが、本発明は下記の実施例等に限定されて解釈されるものではない。
(製造例1)
ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンの調製
(a)フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製:特開2001−139849号公報に記載の調製例3を追試して青色のポリマー微粒子分散体を得た。具体的には以下のとおりである。
(1)ポリマー溶液の調製機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下漏斗を備えた1L容のフラスコ内を十分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量は15000であった。
(2) フタロシアニン顔料のポリマー微粒子の水分散体の調製
前記(1)で得られたポリマー溶液28g、フタロシアニン顔料(大日本インキ化学工業(株)製、商品名:TGR−SD)26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、3本ロールミル〔(株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A〕を用いて20回混練した。
得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エパポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0重量%のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子の水分散体160gを得た。このポリマー微粒子をマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
(製造例2)
(b)ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製:上記(a)のフタロシアニン顔料をピグメントレッド122に変更した以外は前記製造例1と同様にして赤紫色のポリマー微粒子分散体を得た。このポリマー微粒子をマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
(製造例3)
(c)モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製:上記(a)のフタロシアニン顔料をピグメントイエロー74に変更した以外は製造例1と同様にして黄色のポリマー微粒子分散体を得た。このポリマー微粒子をマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
(製造例4)
(d)カーボンブラック含有ポリマー微粒子分散体の調製:上記(a)のフタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社FW100)に変更した以外は製造例1と同様にして黒色のポリマー微粒子分散体を得た。このポリマー微粒子をマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。
インクの作製方法
(i)顔料…上記した製造例1〜4により製造された、自己分散顔料/ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョン 8重量部
(ii)界面活性剤…ノニオン系: 2重量部
(iii)水溶性有機溶剤…ポリオキシプロピレンジグリセリルエーテル、グリセリン、1,3−ブタンジオール
25重量部
(iv)純水 残部
(v)pH調製剤…有機アミン(トリエタノールアミン)
0.5重量部
(vi)防腐剤
0.1重量部
(vii)防錆剤
0.1重量部
上記、(iv)純水、(iii)水溶性有機溶剤、(vi)防腐剤および(vii)防錆剤を投入し、ディゾルバー(DISPERMAT−FE)で分散撹拌し、樹脂分散液を作製した。この樹脂分散液に(i)顔料と適宜(ii)界面活性剤を投入し、顔料が無修飾顔料の場合はビーズミル(アシザワ−ラボスター)で分散撹拌し、顔料がカルボキシル基修飾顔料の場合はディゾルバー(DISPERMAT−FE)で分散撹拌し、顔料分散液を作製した。この顔料分散液を3μmフィルターで濾過して、インクジェット記録用インクとした。
実施例1
金属フィルターの作成例
金属フィルターの基体として、100μm厚みのNi電鋳製のプレート(フィルター開口径:フィルター孔径:10μm、孔密度25個/100×100μm)を用い、パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業社製オプツール(商標)DSX)を約400℃で気化させて真空槽に導入し、真空雰囲気を調整するとともに、高周波電源から放電電極に電力を供給してRFグロー放電を起こさせ、プラズマ雰囲気下で表面処理して、蒸着膜厚1nm(10Å)の金属フィルターを得た。
実施例2〜3および比較例1〜3
実施例1と同様の金属フィルターの基体を用い、表1に示すように蒸着膜厚を変えて金属フィルターを形成した。
実施例4〜8および比較例4〜7
表2に示す基体を用いて前記同様にパーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物(ダイキン工業社製オプツール(商標)DSX)を前記同様の条件により表面の蒸着膜厚を表2に示すように変えて金属フィルターを作成した。また実施例8は実施例2に示す金属フィルターを作成した後にドライエッチング法により表面の被覆膜を形成後、その孔の側壁の膜の除去を行った。このドライエッチング処理は平行平板型の電極に、高圧酸素雰囲気を流通させて、放電を行ったプラズマドライエッチングにより行った。
3.フィルター抵抗の評価方法
表1〜2に示す顔料の種を用いてインクを調製し、このインクの通液を各実施例、比較例のフィルターにより行った。
これらの実施例、比較例におけるフィルターユニットの前後の圧力測定([Pa・s/m])を行い、フィルター抵抗を算出した。
通液量の増加に対する上記フィルターユニットの通液によるフィルター抵抗を、各条件で比較した。
図3は本発明の連続吐出性評価に使用した液滴吐出装置の内部構造を示す概略図である。画像記録装置Aにおいて、給紙トレイ1は圧板2と、記録紙3を給紙する給紙回転体4がベース5に取り付けられている構成である。圧板2はベース5に取り付けられた回転軸aを中心に回転可能であり、ばね6により、給紙回転体4に付勢される。
この給紙回転体4と対向する圧板2の部位には、記録紙3の重送を防止するため、人工皮等の摩擦係数の大きい材質からなる分離パッド(図示せず)が設置されている。また給紙回転体4と対向する圧板2の部位には、圧板2と給紙回転体4の当接を解除する図示してないリリースカムが設けられている。
上記構成において、待機状態ではリリースカムが圧板2を所定位置まで押し下げている。これにより、圧板2と給紙回転体4の当接は解除される。この状態で、搬送ローラ7からの駆動力がギア等により給紙回転体4及びリリースカムに伝達されると、リリースカムが圧板2から離れて圧板2は上昇し、給紙回転体4と記録紙3が当接する。
給紙回転体4の回転に伴い記録紙3はピックアップされて給紙を開始し、図示しない分離爪によって1枚ずつ分離される。給紙回転体4は、搬送ガイド8、9を経由して記録紙3をプラテン10に送り込むべく回転する。
記録紙3は搬送ガイド8、9の間を通過し、搬送ローラ7まで導かれ、この搬送ローラ7とピンチローラ11とにより、プラテン10まで搬送される。その後、再び記録紙3と給紙回転体4との当接を解除した待機状態となって搬送ローラ7からの駆動力が切られる。
手差し給紙用の給紙回転体12は、手差しトレイ13上に搭載された記録紙3を、コンピュータの記録命令信号に従って給紙回転体12で給紙し、搬送ローラ7へ搬送するものである。
プラテン10まで搬送された記録紙3はラインヘッド14の下を通過する。ここで、記録紙搬送の速度と、液滴吐出のタイミングは図示してない電気回路で制御された信号に基づき、これにより所望の画像を形成する。
このような画像形成装置を用いて、前記した実施例および比較例で作成したフィルターによる濾過抵抗の変化を前記したフィルター抵抗の評価方法を用いて求めた。
得られた結果を、表1及び表2に示す。
表1に示すものは、基体がNi電鋳による各種異なる条件で作成したフィルターによる、濾過抵抗を求めたものである。
図4は、表1に示すもののうち、被濾過物のインクの顔料種が同じものの濾過抵抗の変化を示すグラフである。
被覆膜を形成しない比較例01〜02に対し、本発明の金属フィルターの実施例1〜3は、濾過抵抗の増加が抑えられていることが判る。
また図5は、本発明の金属フィルターの1例として同じものを用い(実施例2および比較例03)、被濾過物の顔料種を変えたときの濾過抵抗の変化を示すグラフである。
また図6は、表2に示すもののうち、表1とは基体の異なるものを用いた場合の本発明のフィルターと従来のフィルターの濾過抵抗の変化を比較したグラフである。なお基体として表1に示すNi電鋳を用いた例(実施例2)も、比較としてプロットした。
フィルターが基体として、「ステンレス繊維を編んだもの」「ステンレス繊維を編んだもの」においても「パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物の蒸着」は効果がある(比較例04、実施例4、比較例05、実施例5)ことが判る。なお基体に蒸着する条件は、前記条件と同様であるので、記載を省略した。
また図7は、表2に示すものであり、基体として表1で用いたものと同一であって、孔の側壁が残っている被覆膜の厚みが異なるもの2種と(実施例6、7)、孔の側壁を除去したもの(実施例8)とを、被覆膜の無い比較例06〜07とで比較して示したグラフである。
フィルター孔径が大きく(20μm)、あるいは小さく(10μm)なると、「パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物の蒸着」は効果が小さくなる(実施例6、比較例06)ことが判るが、効果はある。
また図8は、本発明の金属フィルターにおいて、孔の側壁が残っているものと(実施例2)、孔の側壁を除去したもの(実施例8)とした以外は条件が同一の実施例同士を、比較して示したものである。
フィルター孔側面の「パーフルオロポリオキセタン及び変性パーフルオロポリオキセタンの混合物の蒸着膜」を除去すると効果が大きくなることが判る(実施例2、実施例8)。これは孔の濡れ性の向上により濾過抵抗が下がったものと思われる。
Figure 2011189543
Figure 2011189543
1 給紙トレイ、2 圧板、3 記録紙、4 給紙回転体、5 ベース、6 ばね、7 搬送ローラ、8〜9 搬送ガイド、10 プラテン、11 ピンチローラ、12 給紙回転体、13 手差しトレイ、14 キャリッジ、15 インクジェットヘッド、A 画像記録装置、a 回転軸
特開2009−178766公報 特開2001−253083公報 WO 2006/137393パンフレット 特開2009−84501 特開2008−50400

Claims (5)

  1. 樹脂微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなる樹脂エマルジョンと、水溶性溶剤と、水とを含む水性インクのインクジェット方式の画像形成装置のインク流路に使用される金属フィルターにおいて、
    当該フィルターは金属の基体がパーフルオロポリオキセタンまたは変性パーフルオロポリオキセタンの少なくとも1種で被覆されているものであることを特徴とする金属フィルター。
  2. 前記基体上に0.1nm〜3nmの厚さで蒸着により被覆されていることを特徴とする請求項1に記載の金属フィルター。
  3. 前記基体がエッチングやメッキにより孔を設けた金属薄板であり前記孔の側面で、その蒸着膜が除去されていることを特徴とする請求項1または2に記載の金属フィルター。
  4. 前記金属フィルターが、Ni電鋳製フィルターであり、その開口径が5μm〜10μmであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の金属フィルター。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の金属フィルターを水性インクの流路に用いたことを特徴とするインクジェット方式の画像形成装置。
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