JP2011189454A - 中ぐり工具 - Google Patents

中ぐり工具 Download PDF

Info

Publication number
JP2011189454A
JP2011189454A JP2010057202A JP2010057202A JP2011189454A JP 2011189454 A JP2011189454 A JP 2011189454A JP 2010057202 A JP2010057202 A JP 2010057202A JP 2010057202 A JP2010057202 A JP 2010057202A JP 2011189454 A JP2011189454 A JP 2011189454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cartridge
pressing pin
rotary holder
screw
cutting blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010057202A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuta Daimon
雄太 大門
Sukenori Yamaura
▲祐▼紀 山浦
Kotaro Muraoka
浩太郎 村岡
Tatsuhiko Tanaka
龍彦 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2010057202A priority Critical patent/JP2011189454A/ja
Publication of JP2011189454A publication Critical patent/JP2011189454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】回転ホルダの重心変化を抑制し、切刃位置の高精度な調整を容易に行うことができる中ぐり工具を提供すること。
【解決手段】回転ホルダ3の表面に切刃2を突出させ、回転ホルダ3を回転させて切刃2により被切削物の内周面を切削する中ぐり工具1において、切刃2が回転ホルダ3の表面に弾性変形可能に支持されたカートリッジ5の先端部51に設けられ、カートリッジ5の先端部51を押圧して切刃2の突出量を調整可能な押圧ピン6を備え、回転ホルダ3に埋設されたアジャストスクリュー9、及びアジャストスクリュー9に螺合し、該アジャストスクリュー9の回動により軸方向に移動して、押圧ピン6を付勢するテーパ面10Bを有したカラー部材10を備えた。
【選択図】図2

Description

本発明は、被切削物の内周面を所定の内径に切削する中ぐり工具に関する。
一般に、精密ラインボーリング加工に用いられる中ぐり工具は、軸心回りに回転する長尺円柱状の回転ホルダの径方向に突出する切刃位置を微調整することにより、被切削物の内周面を所定の内径に高精度に切削している。切刃位置の微調整は、頻繁に行われるので、作業性に優れたものであることが好ましい。
従来、このような中ぐり工具として、例えば、特許文献1に開示された微調整式マイクロカートリッジを装着したものが知られている。この微調整式マイクロカートリッジは、回転ホルダに着脱自在に装着される筒状のブッシュと、先端に切刃が設けられブッシュに調整ナットを介して嵌入されるカートリッジと、カートリッジの基端側にクランプねじによって固定されるワッシャと、ワッシャとブッシュとの間に介装されてワッシャを介してカートリッジをその基端側に付勢する皿バネとを備えており、回転ホルダの径方向に突出する切刃の突出量を微調整することができる。切刃の突出量の微調整は、スパナ等の作業用工具で調整ナットを回動させ、カートリッジを出没させることにより行う。
ところで、特許文献1に開示された微調整式マイクロカートリッジを回転ホルダに装着する場合、皿ばね、ワッシャ、調整ナット等を内蔵するサイズの大きなブッシュを回転ホルダに収容するので、大きな穴のカートリッジ装着部を回転ホルダに形成する必要がある。回転ホルダは、大きな穴のカートリッジ装着部や平面部が形成されると、剛性が著しく低下するため、切削加工時の切削抵抗によって回転ホルダが撓み、切刃の位置が安定せず、加工精度が劣化するという問題があった。
特許第2950074号公報
これを解消するために、先端部に切刃を有し、基端部が回転ホルダに片持ち支持されたカートリッジと、このカートリッジの先端部の裏面側に一端が当接して当該カートリッジを押圧する押圧ピンと、この押圧ピンの他端と当接するテーパ面が形成されて回転ホルダ内を進退する調整ねじとを備え、この調整ねじを回転ホルダに対して進退させることにより、テーパ面と当接する押圧ピンを回転ホルダの径方向に移動させ、押圧ピンに押圧されるカートリッジの先端部の撓み量を変化させて回転ホルダの径方向における切刃の位置を調整する構成が模索されている。
この構成では、ワッシャ、調整ナット等を内蔵するサイズの大きなブッシュを有するカートリッジを回転ホルダに収容する必要がないため、回転ホルダに形成するカートリッジ装着部のサイズが小さくなり、回転ホルダの剛性を高く保持することができる。更に、調整ねじは、1回転した際の移動量がねじ部の1ピッチ分であり、テーパ面のテーパ角度が緩やかであれば、押圧ピンの移動に伴う切刃の位置変化は微小である。そのため、切刃の位置を容易に微調整することができる。
しかしながら、この構成では、テーパ面は調整ねじと一体に形成され、この調整ねじとともに回動するため、この調整ねじの同軸度に切刃の調整位置が影響され、高精度な位置調整が困難となっていた。また、切刃の調整時に、調整ねじが回転ホルダ内を進退するため、回転ホルダの重心位置が変化してしまい、回転バランスの悪化が懸念されていた。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、回転ホルダの重心変化を抑制し、切刃位置の高精度な調整を容易に行うことができる中ぐり工具を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、回転ホルダの表面に切刃を突出させ、前記回転ホルダを回転させて前記切刃により被切削物の内周面を切削する中ぐり工具において、前記切刃が、前記回転ホルダの表面に弾性変形可能に支持されたカートリッジの自由端に設けられ、前記カートリッジの自由端を押圧して前記切刃の突出量を調整可能な押圧ピンを備え、前記回転ホルダに埋設されたアジャストスクリュー、及びアジャストスクリューに螺合し、該アジャストスクリューの回動により軸方向に移動して、前記押圧ピンを付勢する付勢面を有したカラーを備えたことを特徴とする。
この構成によれば、アジャストスクリューの回動によりカラーが軸方向に移動し、このカラーに形成された付勢面に付勢された押圧ピンがカートリッジの自由端を押圧して切刃の突出量を調整するため、切刃の調整位置におけるアジャストスクリューの同軸度の影響が低減され、精度の高い位置調整を容易に行うことができる。また、アジャストスクリューの回動によりカラーだけが軸方向に進退するため、回転ホルダの重心位置の変化が小さく、回転バランスの悪化を抑制することができる。
この構成において、前記付勢面が、前記アジャストスクリューの回動量に応じ、前記押圧ピンの押し退け量を比例的に増大させるテーパ面である構成としても良い。この構成によれば、切刃の突出量の調整をアジャストスクリューの回動量によって簡単に行うことができる。
また、前記押圧ピンを前記テーパ面と面接触させても良い。この構成によれば、カラーのテーパ面と押圧ピンとの接触面積が増大するため、このテーパ面に作用する面圧を低減することができ、当該テーパ面の摩耗を抑制することができる。このため、カラーを繰り返し移動させた場合であっても、切刃の突出量の調整する際の精度が安定する。
また、アジャストスクリューの回動操作部が、前記回転ホルダの表面に露出するようにしても良い。この構成によれば、回転ホルダの外側から六角レンチ等の調整用工具を回動操作部に挿入して、アジャストスクリューを回動することにより、切刃の突出量の調整を簡単に行うことができる。さらに、アジャストスクリューは、回転ホルダに回動自在に埋設されているため、アジャストスクリューの操作を、例えば多軸ロボット等の締付機を用いて行う場合、アジャストスクリューの軸方向に動く軸を設ける必要はなく、締付機の構成を簡素化することができる。
本発明によれば、アジャストスクリューの回動によりカラーが軸方向に移動し、このカラーに形成された付勢面に付勢された押圧ピンがカートリッジの自由端を押圧して切刃の突出量を調整するため、切刃の調整位置におけるアジャストスクリューの同軸度の影響が低減され、精度の高い位置調整を容易に行うことができる。また、アジャストスクリューの回動によりカラーだけが軸方向に進退するため、回転ホルダの重心位置の変化が小さく、回転バランスの悪化を抑制することができる。
また、本発明によれば、付勢面が、アジャストスクリューの回動量に応じ、押圧ピンの押し退け量を比例的に増大させるテーパ面としたため、切刃の突出量の調整をアジャストスクリューの回動量によって簡単に行うことができる。
また、前記押圧ピンを前記テーパ面と面接触させたため、カラーのテーパ面と押圧ピンとの接触面積が増大し、このテーパ面に作用する面圧を低減することができ、当該テーパ面の摩耗を抑制することができる。このため、カラーを繰り返し移動させた場合であっても、切刃の突出量の調整する際の精度が安定する。
また、アジャストスクリューの回動操作部が、前記回転ホルダの表面に露出するようにしたため、回転ホルダの外側から六角レンチ等の調整用工具を回動操作部に挿入して、アジャストスクリューを回動することにより、切刃の突出量の調整を簡単に行うことができる。
本発明の実施形態に係る中ぐり工具を示す模式斜視図である。 図1のII−II線切断断面図。 図2のIII−III線切断断面図。 図2の部分拡大図である。
本発明の実施形態に係る中ぐり工具1について、図面を参照して説明する。
図1を参照して、中ぐり工具1は、精密ラインボーリング加工に用いられるラインバーである。中ぐり工具1は、軸心O回りに回転ホルダ3を被切削物(図示しない)に対して相対回転させ、回転ホルダ3の径方向に突出する切刃2によって、被切削物に形成された長尺円柱形状の穴の内周面を所定の内径に高精度に切削する。
中ぐり工具1は、長尺円柱状の工具本体である回転ホルダ3と、切刃2を有する切削刃具4が固定され、回転ホルダ3に装着される複数のカートリッジ5とを備えている。カートリッジ5は、固定された切削刃具4が軸心Oに沿って回転ホルダ3の先端側、基端側に交互に位置するように装着される。また、各カートリッジ5は、回転ホルダ3の外周面に所定角度間隔で均等に配置されており、回転ホルダ3が回転した際の重心位置が軸心Oに一致するようになっている。回転ホルダ3は、超硬合金や鋼材等からなる略長尺円柱状のものであり、その基端には、図示しない工作機械の主軸等に挿入されクランプされるシャンク部31を有している。
中ぐり工具1は、図2及び図3に示すように、各カートリッジ5に対応させて、切刃2の位置、すなわち回転ホルダ3の径方向における切刃2(切削刃具4)の突出量Xを、カートリッジ5を押圧して変化させる押圧ピン6と、押圧ピン6の位置を調整する調整部7とを備えている。切刃2は、軸心Oを通って回転ホルダ3の径方向(図2及び図3における上下方向)に延びる軸線Aに沿って移動する。
調整部7は、回転ホルダ3に埋設された保持部材8と、この保持部材8に回動自在に軸支される本体部9A及び本体部9Aから延びて外周面に雄ねじが形成される雄ねじ部9Bを一体に有するアジャストスクリュー9と、このアジャストスクリュー9の雄ねじ部9Bに螺合する雌ねじ部10Aを内周面に有し、当該アジャストスクリュー9の回動により回転ホルダ3の径方向(図2及び図3における左右方向)の軸線Qに沿って進退する略円筒形状のカラー部材(カラー)10とを備える。この軸線Qは、軸心Oを通り、上記した軸線Aに直交する。
カラー部材10の外周面の一部には、カラー部材10の一端から他端に向けて傾斜するテーパ面(付勢面)10Bが形成され、このテーパ面10Bとカートリッジ5との間に押圧ピン6が配置される。このテーパ面10Bは、アジャストスクリュー9の回動量に応じ、押圧ピン6の移動量(押し退け量)を比例的に増大させるようになっている。この構成によれば、切刃2の突出量の調整をアジャストスクリュー9の回動量によって簡単に行うことができる。
また、カラー部材10の外周面には、上記した軸線Qに沿って溝部10Cが形成され、この溝部10Cには回転ホルダ3内に設けられた回り止めボルト11の先端11Aが挿入されて当該カラー部材10がアジャストスクリュー9とともに回動することを防止している。
回転ホルダ3には、カートリッジ5を装着するためのカートリッジ装着部32と、押圧ピン6を収容して押圧ピン6がその内部を摺動する押圧ピン収容穴33と、調整部7を収容して調整部7のカラー部材10がその内部をスライド移動する調整部収容部34と、回り止めボルト11を収容して固定される回り止めボルト収容孔35とが形成されている。
カートリッジ装着部32は、回転ホルダ3の外周面を軸心O方向に沿って延びるキー溝状に切り欠くことにより形成されている。このカートリッジ装着部32の軸心O側の底面32Aには、図3に示すように、カートリッジ5の基端部56を固定するためのねじ穴36が形成されている。また、カートリッジ装着部32の側面32Bは、図2及び図3に示すように、上記軸線Aと略平行に形成され、カートリッジ5の側面部を囲んでいる。
調整部収容部34は、図2に示すように、軸心Oを通って回転ホルダ3の径方向の軸線Qに沿って延びるように形成された穴部であり、調整部収容部34の一端(図2における左端)は、回転ホルダ3の外周面で開口し、他端は軸心Oを通過して閉塞されている。調整部収容部34は、保持部材8を介して、アジャストスクリュー9の本体部9Aが軸支される保持エリア34Aと、この保持エリア34Aに連なりアジャストスクリュー9の雄ねじ部9Bに螺合されるカラー部材10が移動する移動エリア34Bとを備える。
保持エリア34Aは、回転ホルダ3の外周面で開口に連通して断面円形に形成された大径穴部34A1、大径穴部34A1より小径の断面円形に形成された中径穴部34A2、及び中径穴部34A2より小径の断面円形に形成された小径穴部34A3を有し、階段状に形成されている。大径穴部34A1には、保持部材8が螺合する雌ねじが形成されている。また、移動エリア34Bは、小径穴部34A3と同一径の断面円形に形成されている。
押圧ピン収容穴33は、カートリッジ装着部32の軸心O側の底面32Aと調整部収容部34の移動エリア34Bとを連通し、断面円形に形成されている。本実施形態では、押圧ピン収容穴33は、移動エリア34Bを移動するカラー部材10のテーパ面10Bに略垂直に形成され、テーパ面10Bから押圧ピン6に付勢された付勢力をスムーズにカートリッジ5に伝達できるようになっている。
また、回り止めボルト収容孔35は、回転ホルダ3の外周面から軸線Aに沿って延び、調整部収容部34の移動エリア34Bと連通する。この回り止めボルト収容孔35は、回り止めボルト11が収容される形状に形成され、回り止めボルト11の頭部が収容される穴部35Aと、この穴部35Aより小径に形成されて回り止めボルト11の雄ねじに螺合するねじ穴部35Bとを備える。
カートリッジ5は、略角柱状に形成されており、長手方向の先端部51の表面側(図2における左側、図3における上側)には、切削刃具4を固定する固定座52が形成されている。なお、カートリッジ5の回転ホルダ3への装着方向に拘らず、切削刃具4が取り付けられる側を先端部51とする。切削刃具4は、切刃2がカートリッジ5の表面から突出するように固定座52に載置された状態で、固定ねじ53等の押え金具を用いて押圧固定される。なお、切削刃具4は、立体窒化ホウ素の多結晶体からなるCBNスローアウェイチップであり、外形が略六角形の平板状に形成されている。
また、カートリッジ5の先端部51には、厚さ方向に貫通する貫通孔55が形成され、この貫通孔55には押圧ピン6の端面に当接し、カートリッジ5に固定された切削刃具4の切刃2の突出量を微調整するためのラジアル調整ねじ12が螺合している。このラジアル調整ねじ12は、切削刃具4の交換時等の初期状態において、切削刃具4やカートリッジ5の個体差を調整するものであり、当該ラジアル調整ねじ12の先端部は、カートリッジ5を貫通して、押圧ピン6の端面61に当接している。
初期状態においては、カラー部材10は、テーパ面10Bの最も低い位置で押圧ピン6と当接するように位置調整がなされている。このため、この初期状態において、切削刃具4やカートリッジ5の個体差を調整して各カートリッジ5の切刃2の突出量を同じ値に調整しておくことにより、すべてのカートリッジ5で切削刃具4を、テーパ面10Bの最も低い位置から最も高い位置に至るまで使用することができ、切削刃具4の長寿命化を図ることができる。
一方、長手方向の基端部56には、厚さ方向に貫通する貫通孔57が形成されている。カートリッジ装着部32に収容されたカートリッジ5は、貫通孔57に挿通されたねじ13がねじ穴36に螺合することにより、回転ホルダ3に装着される。カートリッジ5は、先端部51と基端部56との間の裏面側(図3における下側)にスリット58形成されており、表裏方向に弾性変形することが可能なようになっている。この構成では、カートリッジ5の先端部51が自由端となる。
押圧ピン6は、押圧ピン収容穴33に嵌挿可能な略円柱形状に形成されている。押圧ピン6は、カートリッジ5から突出するラジアル調整ねじ12の先端部と当接する端面61が、押圧ピン6の押圧ピン収容穴33内の摺動により切刃2を軸線Aに沿って移動させるに適した形状に形成されており、ここでは、押圧ピン6の外周面に略垂直な平面に形成されている。また、押圧ピン6は、カラー部材10のテーパ面10Bと当接する端面62が、カラー部材10の調整部収容部34内の移動距離に応じて押圧ピン6が押圧ピン収容穴33内を摺動するに適した形状に形成されており、ここでは、押圧ピン6の外周面に略垂直な平面に形成されている。
保持部材8は、外形が調整部収容部34の保持エリア34Aに嵌る形状をなしており、大径穴部34A1と同径の断面円形に形成された大径部8A、中径穴部34A2と同径の断面円形に形成された中径部8B、及び小径穴部34A3と同径の断面円形に形成された小径部8Cとを備える。大径部8Aには、大径穴部34A1の雌ねじに螺合する雄ねじが形成されている。保持部材8は、複数の部品に分割され、内部にアジャストスクリュー9を回動自在に収容した状態で調整部収容部34に取り付けられる。中径部8B及び小径部8Cは、調整部収容部34の中径穴部34A2及び小径穴部34A3をそれぞれ同径に形成されているため、各中径穴部34A2及び小径穴部34A3と嵌合する。
また、保持部材8を調整部収容部34に収容した際に、中径部8Bと小径部8Cとの間の段部8Dが中径穴部34A2と小径穴部34A3との間の壁部に当接するため、保持部材8の位置決めがなされる。また、保持部材8の内部は、アジャストスクリュー9の本体部9Aの頭部9A1、首部9A2及び回動操作部9A3をそれぞれ回転可能に軸支するように、これら頭部9A1、首部9A2及び回動操作部9A3と同径の断面円形状に形成され、内面にメタル等のすべり軸受けが設けられている。
保持部材8は容易に緩むことはないが、中ぐり工具1に緩み防止機構を設けてもよい。緩み防止機構は、例えば、ホーローセットスクリュー(ホロセット)15を用いて構成することが可能である。この場合、調整部収容部34の大径穴部34A1と直交して連通し、上記した回り止めボルト収容孔35を略平行に外周面まで延びるねじ穴37を、回転ホルダ3に形成する。ねじ穴37に螺合したホーローセットスクリュー15の頭部に係合させた六角レンチを回動させて、ホーローセットスクリュー15の先端部を保持部材8の大径部8Aに押し当てて、保持部材8に生じる緩みを防止する。
アジャストスクリュー9は、上述のように、保持部材8に回動自在に軸支される本体部9Aを備え、この本体部9Aは、大径の断面円形に形成された頭部9A1と、この頭部9A1よりも小径の断面円形に形成された首部9A2とを備え、この首部9A2の径が雄ねじ部9Bと略同じ径に形成されている。一方、首部9A2と反対側には、頭部9A1よりも小径の断面円形に形成された回動操作部9A3が設けられている。
このように、アジャストスクリュー9の本体部9Aには、小径の回動操作部9A3、大径の頭部9A1及び小径の首部9A2が順次形成されており、これら回動操作部9A3、頭部9A1及び首部9A2を保持部材8でそれぞれ回動自在に保持されているため、アジャストスクリュー9は、自己の回動により回転ホルダ3の軸線Qに沿って移動することが防止され、回動操作部9A3の位置決めを正確に行うことができる。
また、回動操作部9A3は、保持部材8を貫通して回転ホルダ3の表面に露出している。このため、回転ホルダ3の外側から六角レンチ等の調整用工具を回動操作部9A3に挿入し、当該調整用工具を回動することにより、アジャストスクリュー9を簡単に操作することができる。さらに、アジャストスクリュー9は、保持部材8内に回動自在に保持されているため、回動操作部9A3の位置がアジャストスクリュー9の回動により当該アジャストスクリュー9の軸方向(回転ホルダ3の軸線Q方向)に移動することがない。このため、アジャストスクリュー9の操作を、例えば多軸ロボット等の締付機を用いて行う場合であっても、アジャストスクリュー9の軸方向に動く軸を設ける必要はなく、締付機の構成を簡素化することができる。
次に、以上のように構成された中ぐり工具1における切刃2の位置調整について説明する。
図2に示すように、アジャストスクリュー9の回動操作部9A3に係合させた六角レンチ等の調整用工具を回動して、保持部材8に軸支されたアジャストスクリュー9を回動させる。すると、アジャストスクリュー9に螺合されたカラー部材10は、調整部収容部34の移動エリア34B内をアジャストスクリュー9の軸方向に沿って、当該アジャストスクリュー9の頭部9A1から離間する方向にスライド移動する。これにより、押圧ピン6の端面62と当接するカラー部材10のテーパ面10Bが拡径して、押圧ピン6がカートリッジ5の方に向かって押圧ピン収容穴33内を摺動する。
すると、押圧ピン6の端面61が、ラジアル調整ねじ12の先端部を介して、カートリッジ5の先端部51の裏面側を押庄し、カートリッジ5を弾性変形させて先端部51を撓ませ、切刃2が回転ホルダ3の径方向外側に突出するように軸線Aに沿って移動する。
一方、回動操作部9A3に係合させた調整用工具を逆方向に回動してアジャストスクリュー9を反対方向に回動させると、カラー部材10は、移動エリア34B内をアジャストスクリュー9の頭部9A1に接近する方向にスライド移動する。これにより、押圧ピン6の端面62と当接するカラー部材10のテーパ面10Bが縮径して、押圧ピン6がカートリッジ5から離間する方向に向かって押圧ピン収容穴33内を摺動する。
すると、押圧ピン6の端面61が、カートリッジ5の先端部51の裏面を押圧する押出量が減少して、カートリッジ5の弾性変形が復元されて先端部51の撓み量が減少し、切刃2が回転ホルダ3の径方向内側に陥没するように軸線Aに沿って移動する。
ところで、本実施形態のカートリッジ5は、回転ホルダ3の外周面を溝状に切り欠いて形成されたカートリッジ装着部32に、基端部56を固定した状態で配置されている。このため、カートリッジ5の先端部51は、押圧ピン6により弾性変化した際のカートリッジ5の復元力により、押圧ピン6に当接した位置で保持されている。
従って、先端部51に設けられた切刃2の位置は、切削時に、カートリッジ5にかかる力によって変動するおそれがあるため、先端部51の変動を抑えることが望ましい。
このため、本実施形態では、図4に示すように、カートリッジ装着部32は、その側面32Bを軸線Aと略平行に形成する一方、押圧ピン収容穴33をカラー部材10のテーパ面10Bに垂直な方向に設けることにより、カートリッジ5の変位方向に対して、押圧ピン6の付勢方向がテーパ面10Bの傾斜角だけ傾くようになっている。
このため、テーパ面10Bが押圧ピン6を付勢する付勢力P1は、平行成分P2と垂直成分P3とに分割することができ、垂直成分P3=P1sinθが、カートリッジ5の先端部51を変位するための付勢力として作用し、平行成分P2=P1cosθが、カートリッジ5の先端部51をカートリッジ装着部32の一方の側面32Bに押し付ける付勢力として作用する。
この構成では、カートリッジ5の先端部51は、常時、P1cosθの力でカートリッジ装着部32の一方の側面32Bに押し付けられているため、切削時における切刃2の位置変動を抑制することができ、優れた加工精度を得ることができる。
以上のように、本実施形態にかかる中ぐり工具1においては、上記特許文献1に開示されたようにワッシャ、調整ナット等を内蔵するサイズの大きなブッシュを有するカートリッジを、回転ホルダ3に収容する必要がない。そのため、回転ホルダ3に形成するカートリッジ装着部32のサイズが小さくなる。また、特許文献1に開示された微調整式マイクロカートリッジを用いた場合のように、調整ナットに差し込むスパナ等を用いることなく、アジャストスクリュー9の回動操作部9A3に六角レンチ等の調整用工具を係合させて回動することにより、切刃2の位置を調整することができる。そのため、スパナ等を用いるために必要な切り欠きを回転ホルダの外表面を形成する必要がない。これらにより、回転ホルダ3の剛性は高いものとなり、切削加工時の切削抵抗によって回転ホルダ3が撓むことが防止されるので、切刃2の位置が安定し、優れた加工精度を得ることが可能となる。また、優れた加工精度を維持したまま、切削速度を上げることができ、加工時間を削減することが可能となる。
また、本実施形態によれば、回転ホルダ3の表面に切刃2を突出させ、回転ホルダ3を回転させて切刃2により被切削物の内周面を切削する中ぐり工具1において、切刃2が回転ホルダ3の表面に弾性変形可能に支持されたカートリッジ5の先端部51に設けられ、カートリッジ5の先端部51を押圧して切刃2の突出量を調整可能な押圧ピン6を備え、回転ホルダ3に埋設されたアジャストスクリュー9、及びアジャストスクリュー9に螺合し、該アジャストスクリュー9の回動により軸方向に移動して、押圧ピン6を付勢するテーパ面10Bを有したカラー部材10を備えたため、アジャストスクリュー9の回動によりカラー部材10が軸方向に移動し、このカラー部材10に形成されたテーパ面10Bに付勢された押圧ピン6がカートリッジ5の先端部51を押圧して切刃2の突出量を調整することにより、切刃2の調整位置におけるアジャストスクリュー9の同軸度の影響が低減され、精度の高い位置調整を容易に行うことができる。
また、アジャストスクリュー9の回動によりカラー部材10だけが軸方向に進退するため、回転ホルダ3の重心位置の変化が小さく、回転バランスの悪化を抑制することができる。
また、調整用工具を1回転回動させたとき、カラー部材10の移動量は、アジャストスクリュー9の雄ねじ部9Bの1ピッチ分であり、テーパ面10Bのテーパ角度が緩やかであれば、押圧ピン6の移動に伴う切刃2の位潭変化は微小である。そのため、切刃2の位置を容易に微調整することができる。
また、本実施形態によれば、テーパ面10Bは、アジャストスクリュー9の回動量に応じ、押圧ピン6の移動量を比例的に増大させるため、切刃2の突出量の調整をアジャストスクリュー9の回動量によって簡単に行うことができる。
また、本実施形態によれば、押圧ピン6をカラー部材10のテーパ面10Bと面接触させたため、このテーパ面10Bと押圧ピン6との接触面積が増大することにより、このテーパ面10Bに作用する面圧を低減することができ、当該テーパ面10Bの摩耗を抑制することができる。このため、カラー部材10をアジャストスクリュー9の軸方向に沿って繰り返し移動させた場合であっても、切刃2の突出量の調整する際の精度が安定する。
また、本実施形態によれば、アジャストスクリュー9の回動操作部9A3が回転ホルダ3の表面に露出するため、回転ホルダ3の外側から六角レンチ等の調整用工具を回動操作部9A3に挿入して、アジャストスクリュー9を回動することにより、切刃2の突出量の調整を簡単に行うことができる。さらに、アジャストスクリュー9は、回転ホルダ3に回動自在に埋設されているため、アジャストスクリュー9の操作を、例えば多軸ロボット等の締付機を用いて行う場合、この締付機に、アジャストスクリュー9の軸方向に動く軸を設ける必要はなく、該締付機の構成を簡素化することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは勿論である。
1 中ぐり工具
2 切刃
3 回転ホルダ
4 切削刃具
5 カートリッジ
6 押圧ピン
9 アジャストスクリュー
9A3 回動操作部
10 カラー部材(カラー)
10B テーパ面
32 カートリッジ装着部
32A 底面
32B 側面
33 押圧ピン収容穴
34 調整部収容部
34A 保持エリア
34B 移動エリア
51 先端部(自由端)
56 基端部
61 端面
62 端面
9A3 回動操作部
9A3 回動操作部
A 軸線
O 軸心
Q 軸線

Claims (4)

  1. 回転ホルダの表面に切刃を突出させ、前記回転ホルダを回転させて前記切刃により被切削物の内周面を切削する中ぐり工具において、
    前記切刃が、前記回転ホルダの表面に弾性変形可能に支持されたカートリッジの自由端に設けられ、前記カートリッジの自由端を押圧して前記切刃の突出量を調整可能な押圧ピンを備え、前記回転ホルダに埋設されたアジャストスクリュー、及びアジャストスクリューに螺合し、該アジャストスクリューの回動により軸方向に移動して、前記押圧ピンを付勢する付勢面を有したカラーを備えたことを特徴とする中ぐり工具。
  2. 前記付勢面が、前記アジャストスクリューの回動量に応じ、前記押圧ピンの押し退け量を比例的に増大させるテーパ面であることを特徴とする請求項1に記載の中ぐり工具。
  3. 前記押圧ピンを前記テーパ面と面接触させたことを特徴とする請求項2に記載の中ぐり工具。
  4. 前記アジャストスクリューの回動操作部が、前記回転ホルダの表面に露出することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の中ぐり工具。
JP2010057202A 2010-03-15 2010-03-15 中ぐり工具 Pending JP2011189454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010057202A JP2011189454A (ja) 2010-03-15 2010-03-15 中ぐり工具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010057202A JP2011189454A (ja) 2010-03-15 2010-03-15 中ぐり工具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011189454A true JP2011189454A (ja) 2011-09-29

Family

ID=44794914

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010057202A Pending JP2011189454A (ja) 2010-03-15 2010-03-15 中ぐり工具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011189454A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9457410B2 (en) Cutting tool as well as a holder blade therefor
US7266873B2 (en) Throw-away burnishing tool for outside diameter and for inside diameter
JP2006528079A (ja) 回転切削工具用切削ヘッド
JP6627174B2 (ja) 切れ刃位置の調整機構及び刃先交換式切削工具
EP3585546A1 (en) Hole machining tool and guide pad adjustment mechanism therefor
JPWO2008105043A1 (ja) タップホルダ
JP2012518548A (ja) 調整機構を有する切削工具
US10307833B2 (en) Cutting tool comprising a cutting tool holder and a cutting insert therefor
US20150306672A1 (en) Cutting tool assembly
JP5320018B2 (ja) 中ぐり工具
JP4693480B2 (ja) ツールホルダ
JP2011194482A (ja) 中ぐり工具
WO2017051714A1 (ja) 刃先交換式切削工具
JP4813879B2 (ja) ボーリングヘッド
JP5275749B2 (ja) 中ぐり工具
JP2006263828A (ja) 切削工具
JP2011189454A (ja) 中ぐり工具
JP2017217708A (ja) 刃先交換式リーマ用ホルダおよび刃先交換式リーマ
JP2011194481A (ja) 中ぐり工具
CN107206514B (zh) 作业工具、调整机构、工具体及切削工具
JP2015213968A (ja) 穴加工工具の振れ調整機構
JP2006136970A (ja) 外径微調整式ボーリングバー
JP2007144598A (ja) 切削工具
JP2008296326A (ja) 切削ホルダ、及び切削工具
JP4770254B2 (ja) 切削工具