JP2011188804A - 非燃焼たばこ材料の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】添加剤を添加した後の乾燥工程を省略することができ、もって無煙たばこ製品の製造効率の向上が図れる非燃焼たばこ材料の製造方法を提供する。
【解決手段】非燃焼たばこ材料の製造方法は、たばこの葉を細かく粉砕し、たばこ粒を生成する粉砕工程と、粉砕工程により得られたたばこ粒に添加剤及び香料を混合するブレンド工程とを備えており、このブレンド工程は、混合室25内に投入されたたばこ粒に添加剤及び香料を順次添加し、混合室25に回転揺動を加えながら、この混合室内のみで行われ、たばこ粒に加水する加水プロセスと、加水されたたばこ粒に加熱処理する熱処理プロセスと、加熱処理後のたばこ粒を室温まで冷却する冷却プロセスと、冷却後のたばこ粒に固体粉末状の添加剤を添加し、たばこ粒と添加剤とを混合した混合物を生成する添加剤混合プロセスと、この混合物に、香料を添加して混合し、非燃焼たばこ材料を生成する加香プロセスとを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、非燃焼たばこ材料の製造方法に関する。
たばこ製品には、たばこ材料に着火することなく用いられる無煙たばこ製品がある。これら無煙たばこ製品にはスヌースや無煙吸引パイプ等が知られている。スヌースは、パウチ内にたばこの葉を裁刻又は細かく粉砕して得られるたばこ粒を含む粉状のたばこ材料を充填したもので、使用者の口腔内にて用いられる。無煙吸引パイプはその内部に前記たばこ材料を充填した通気性のカートリッジを有し、使用者はたばこ材料に着火せず、カートリッジを通じて空気を吸い込むことで、たばこ材料の香味を味わうことができる。
このような無煙たばこ製品に用いられる非燃焼たばこ材料は、通常、たばこ粒に水を添加してたばこスラリーとし、このスラリーに消臭及び殺菌等のための加熱処理を施して冷却した後、添加剤(香味料、香味補強剤等)及び香料を順次添加して得られる(例えば、特許文献1等)。
ここで、添加剤は、添加剤を水に溶解させて得た液状添加剤としてたばこスラリーに添加されるのが一般的である。
国際公開第2007/126361号公報
ところで、液状添加剤が添加されたたばこスラリーは、多くの水分を含んでいるので、この後、乾燥工程を経てたばこ材料とする必要がある。
ここで、スヌースには、水分量が多いウェットタイプや、水分量が比較的少ないドライタイプのたばこ材料が使用されているが、無煙吸引ホルダに使用されたたばこ材料は、比較的水分量が少ないドライタイプである。このように、無煙たばこ製品の種類によって、たばこ材料に含ませるべき水分量が異なるため、上記乾燥工程にて、たばこ材料の水分量を目標値に精度良く一致させる必要があり、たばこスラリーの乾燥処理に手間がかかる。
また、水への溶解性が低い添加剤が使用される場合には、たばこスラリーに多量の液状添加剤が添加されるため、たばこスラリーの水分量も必然的に多くなり、その乾燥工程には長時間を要する。
以上のように、乾燥工程の実施には、手間がかかる上、長時間を要することもあるので、乾燥工程は無煙たばこ製品の製造効率を低下させる要因の一つとなっていた。
本発明は、上記の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、乾燥工程を省略することができ、もって無煙たばこ製品の製造効率の向上が図れる非燃焼たばこ材料の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の非燃焼たばこ材料の製造方法は、たばこの葉を細かく粉砕し、たばこ粒を生成する粉砕工程と、前記たばこ粒に添加剤及び香料を混合するブレンド工程とを備えた非燃焼たばこ材料の製造方法において、前記ブレンド工程は、混合室内に投入された前記たばこ粒に添加剤及び香料を順次添加し、前記混合室に回転及び揺動を加えながら、前記混合室内のみで行われ、前記たばこ粒に加水する加水プロセスと、前記加水されたたばこ粒を消臭及び殺菌のために加熱処理する熱処理プロセスと、前記加熱処理後の前記たばこ粒を室温まで冷却する冷却プロセスと、冷却後の前記たばこ粒に固体粉末状の添加剤を添加し、前記たばこ粒と前記添加剤とを混合した混合物を生成する添加剤混合プロセスと、前記混合物に、香料を添加して混合し、非燃焼たばこ材料を生成する加香プロセスとを含むことを特徴とする(請求項1)。
この構成によれば、たばこ粒に添加剤を固体粉末状の形態で添加するので、粉体同士の混合となり、たばこ粒と添加剤とを精度良く混合できる。しかも、混合した後に乾燥する必要がないので、乾燥工程を省略できる。
また、前記添加剤は、香味補強剤であり(請求項2)、具体的には、塩化ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムの何れかの粉末又はこれらの混合粉末であることが好ましい(請求項3)。
この構成によれば、たばこ粒の集合体に対し香味補強剤を均一に混合することができ、たばこの味を良くすることができる。
好ましくは、前記添加剤の粒径が250μm〜500μmである構成とする(請求項4)。
この構成によれば、たばこ粒と添加剤の混合物が、団塊状になることを防止でき、均一に混合することができる。
また、前記添加剤混合プロセスは、前記たばこ粒に対して前記香味補強剤を5〜10重量%添加し、前記たばこ粒のpHを7.5〜9.5に調整することが好ましい(請求項5)。
この構成によれば、たばこの味を良くするとともに味の安定化を図ることができる。
更に、前記たばこ粒の粒度は0.5mm〜2.0mmである構成とすることが好ましい(請求項6)。
この構成によれば、混合精度を一定にすることができる。
また、前記加水プロセスは、前記たばこ粒の水分を10〜15重量%に調整することが好ましい(請求項7)。
この構成によれば、得られる非燃焼たばこ材料が低水分であるので、品質が安定化する。
本発明に係る非燃焼たばこ材料の製造方法によれば、添加剤を水溶液の形態ではなく、固体粉末状の形態でたばこ粒と混合されるので、乾燥工程を省略することができ、無煙たばこの製造効率向上に寄与する。
本発明の非燃焼たばこ材料の製造方法に用いられる回転揺動式混合機の構成を一部切り欠いて示す正面図である。 図1のII−II線断面図である。 本発明の非燃焼たばこ材料の製造方法の作業手順を示す概略構成図である。
本発明に係る非燃焼たばこ材料の製造方法について説明する前に、まず、図1及び図2を参照し、本発明の製造方法で使用する回転揺動式混合機(以下、単にミキサという)2を説明する。
ミキサ2は、前述のたばこ粒を収容するカプセル4を備え、このカプセル4は、カプセルボディ8を備え、このカプセルボディ8は二重構造をなし、外シェル14及び内シェル16を有する。これら外シェル14及び内シェル16は両端が閉塞された円筒形状をなし、外シェル14と内シェル16の間に空洞部すなわち、ジャケット20が形成され、このジャケット20は内シェル16を全体的に覆っている。このジャケット20には、導入口22及び導出口24が設けられており、これら導入口22及び導出口24を介し、蒸気、温水、冷水のうちの1つをジャケット20内を通じて流すことができる。
内シェル16はその内部に混合室25を形成し、そして、内シェル16の内面には、4枚の撹拌フィン26が設けられている。これら撹拌フィン26はカプセルボディ8の軸線回りに等間隔を存して配置され、軸線に向けて径方向内側に延びている。
ここで、内シェル16の内面及び撹拌フィン26の表面には、フッ素樹脂コーティングが施されている。
カプセルボディ8の一端からは、たばこ粒の入出部10が同軸にして突設されている。この入出部10は、円筒形状をなし、外シェル14及び内シェル16を貫通して、混合室25に接続されている。即ち、入出部10は混合室25に臨んで開口した内端27及びカプセルボディ8の外側にて開口した外端28を有し、この外端28は蓋30によって開閉可能である。
また、カプセルボディ8の他端からは同軸にして挿通管12が突設され、この挿通管12は外シェル14及び内シェル16を貫通し、混合室25に臨んで開口した内端31及びカプセルボディ8の外側にて開口した外端32を有する。挿通管12の外端32にはシール部材34を介してロータリジョイント36が接続されている。より詳しくは、ロータリジョイント36は、挿入管12の軸線方向にシール部材34側から順次並ぶロータ40及びステータ42からなり、このようなロータリジョイント36を貫通して供給配管38が挿入管12と同軸に配置されている。この供給配管38は、挿入管12内を通じて混合室25内に延び、その先端はカプセルボディ8の軸線方向でみて混合室25の中央に位置付けられている。また、供給配管38の先端には、噴霧ノズル54が下向きにして取り付けられている。
供給配管38はステータ42から突出した基端39を有し、この基端39にユニバーサルジョイント44を介して接続管45が接続されている。この接続管45は切替弁46に接続されており、この切替弁46に水配管48、スチーム配管50及び香料配管52がそれぞれ接続されている。これら水配管48、スチーム配管50及び香料配管52は、水、蒸気及び液状香料の供給源にそれぞれ接続されており、切替弁46は水配管48、スチーム配管50及び香料配管52の何れかを接続管45、即ち、供給配管38に接続する切替位置と、接続管45を閉じる閉位置とを有する。
一方、ロータ40からは流体導入配管54及び流体導出配管56がそれぞれ延び、これら流体導入配管54及び流体導出配管56は、上述した導入口22及び導出口24にそれぞれ接続されている。一方、ステータ42からも流体導入配管58及び流体導出配管60が延び、これら流体導入配管58及び流体導出配管60は蒸気、温水、冷水の供給源に選択して接続可能となっている。そして、ロータリジョイント36はそのロータ40の回転に拘わらず、流体導入配管54,58同士、また、流体導出配管56,60同士を常時接続状態に維持する内部流路構成を有する。
なお、ロータリジョイント36には、混合室25内の温度等を測定する各種センサ及び混合室25内の圧力が所定値(大気圧)を超えることを防ぐ安全弁が配設されている(共に図示せず)。
上述したカプセル4は揺動台64を介して架台62に支持されている。
詳しくは、揺動台64は、カプセル4が載置される4つの回転車輪68を備え、これら回転車輪68はカプセル4の両端部に一対ずつ配置され、各対の回転車輪68はカプセル4の周方向に互いに離間している。また、揺動台64には各回転車輪68を回転駆動する回転駆動装置(図示せず)が内蔵されている。
一方、揺動台64は架台62に対し、カプセル4の両端部を交互に昇降させるべく揺動自在に取り付けられ、架台62には揺動台64の揺動装置(図示せず)が内蔵されている。
次に、上述のミキサ2を使用する非燃焼たばこ材料の製造方法について説明する。
まず、粉砕工程にて、国産バーレ種のたばこの葉を粉砕した後に分級し、粒度が0.5〜2.0mmのたばこ粒を得る。ここで、必要であれば、たばこ粒に香味付加のため、たばこの葉には発酵ラミナが少量混合されていることが好ましい。
次に、得られたたばこ粒を計量し、所定量のたばこ粒をブレンド工程に送り、たばこ粒に添加剤及び香料を添加してブレンド処理する。以下に、ブレンド工程について詳しく説明する。
まず、粉砕工程から送られてきたたばこ粒は、図3(a)に示すように、ホッパ70からミキサ2の入出部10を通じて、その混合室25に投入される。このとき、カプセル4は、入出部10側を斜め上方に向けた姿勢にされているとともに、入出部10の蓋30は予め開けられており、そして、カプセル4は揺動台64における各回転車輪68の回転に伴い、一方向に回転されている状態にある。
たばこ粒の投入が終了したら、図2(b)に示すように、入出部10を蓋30で閉じ、この後、揺動台64を介してカプセル4の揺動を開始させる。
次に、混合室25内のたばこ粒72に対する加水プロセスに移行する。この加水プロセスでは、切替弁46の切替位置が水配管48を選択する位置に切り替えられ、これにより、供給配管38を通じて噴霧ノズル54に水が供給され、噴霧ノズル54から混合室25内に水が噴霧される。ここでの水の噴霧にて、たばこ粒72の水分は10〜15重量%に調整される。このとき、カプセル4は回転しながら揺動されているので、たばこ粒72に水分を良好に馴染ませることができる。本発明の加水プロセスで加えられる水の噴霧量は比較的少なく、たばこ粒72はスラリー状とはならず、固体状態に保持されている。なお、加水工程に要する時間は約30分間である。
この後、熱処理プロセスに移行する。この熱処理プロセスでは、前述した流体導入配管54,58を介してジャケット20内を通じて蒸気を流す一方、切替弁46の切替位置がスチーム配管50を選択する位置に切り替えられることで、蒸気が供給配管38を通じて噴霧ノズル54に供給され、噴霧ノズル54から混合室25内に蒸気が噴霧される。それ故、混合室25内はその内外から加熱され、その内部の温度が約30分かけて100℃まで上昇し、この後、混合室25内の温度は約2時間100℃に保持してたばこ粒72を加熱処理する。ここで、混合室25内の圧力が大気圧を超えると、前述した安全弁が作動し、混合室25内を大気圧に戻す。なお、ミキサ2においては、ジャケット20は混合室25、即ち、内シェル16を全体的に覆っているので、混合室25の昇温速度は速く、従来の熱処理装置の半分の時間で目標温度の100℃に到達することができる。
上述の熱処理は、最終製品としての非燃焼たばこ材料にロースト感を付与し、よって、たばこ粒72の生臭さ等が低減され、また、たばこ粒72の殺菌効果も得られる。
次いで、冷却プロセスに移行する。この冷却プロセスでは、ジャケット20内に前述の蒸気に代えて水を導入して、混合室25内の温度を下げ、たばこ粒72を室温まで冷却する。このとき、混合室25内の結露防止のため、ジャケット20内に最初に40℃の温水を導入し、混合室25内の温度を40℃程度にする。この後、ジャケット20内に20℃の水を導入し、混合室25内の温度を室温まで低下させ、たばこ粒72を冷却する。このようにジャケット20内を流れる水の温度を段階的に低下させれば、混合室25内の結露の発生を抑えつつ、混合室25内のたばこ粒72を100℃から室温まで速やかに冷却することができる。この結果、冷却プロセスに要する時間は約45分で済む。
冷却プロセス終了後、添加剤混合プロセスに移行する。この添加剤混合プロセスにおいては、まず、カプセル4の回転を維持した状態で、その揺動が停止され、そして、図2(a)に示すように、カプセル4を入出部10側を斜め上方に向けた姿勢とする。この状態で、蓋30を開け、ホッパ70から入出部10を通じて固体粉末状の添加剤を混合室25内に投入する。ここで、添加剤は炭酸カリウムからなり、粒度は250μm以上500μm以下であり、ここでの添加量はたばこ粒72に対して5〜10重量%である。この後、蓋30を閉め、図2(b)に示すように、カプセル4の揺動を再開させ、約30分間、たばこ粒72に対する添加剤の混合作業を行う。
なお、添加剤としては、炭酸カリウムに限定されるものではなく、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム等であってもよい。
添加剤の混合作業が終了した後、加香プロセスに移行する。この加香プロセスでは、切替弁46の切替位置を香料配管52を選択する位置に切り替え、供給配管38を通じて噴霧ノズル54に液状香料を供給する。これにより、噴霧ノズル54から液状香料が混合室25内に噴霧され、たばこ粒72に香り付けを行い、最終製品である非燃焼たばこ材料を製造する。ここでの液状香料は、メンソール、コーヒー、果汁などの香料成分を含むことができ、そして、その溶媒には、水、アルコール、グリセリン、プロピレングリコール等を使用可能である。加香プロセスでの液状香料の添加量はたばこ粒に対し10〜20重量%である。
そして、加香プロセスは、たばこ粒72と液状香料とを馴染ませるため、カプセル4の回転及び揺動運動を継続しながら約30分間実施され、加香工程終了後の非燃焼たばこ材料のHOV(Hearson oven volatiles)及びpHをそれぞれ20〜30重量%、8.0〜9.0に調整する。ここで、HOVとは、非燃焼たばこ材料の湿度を示す指標であり、非燃焼たばこ材料を100℃で60分間乾燥した後、単位重量当たりの非燃焼たばこ材料中に含まれる水分量及び揮発成分量(香料)の合計量の割合である。
加香プロセスが終了した後は、混合室25からの非燃焼たばこ材料の排出作業を行う。この排出作業では、まず、カプセル4の揺動を止め、図3(c)に示すように、カプセル4を入出部10が斜め下方に向く姿勢とする。この状態で、蓋30を外し、混合室25から入出部10を通じて非燃焼たばこ材料を排出する。このとき、混合室25、即ち、内シェル16の内面や、撹拌フィン26の表面は、フッ素樹脂コーティングが施されているので、非燃焼たばこ材料は、内シェル16及び撹拌フィン26に付着することなく円滑に排出される。このため、混合室25内に非燃焼たばこ材料が残留することはなく、混合室25の清掃作業も効率よく行える。
なお、本発明の製造方法に用いられるミキサ2は、大気圧条件下でたばこ材料のブレンド処理を行うことができ、加圧容器型の混合装置に比べて取り扱いが簡単であり、作業性に優れているので、効率よく非燃焼たばこ材料を製造できる。
排出された非燃焼たばこ材料は、密閉容器に一時蔵置され、その後、スヌースや無煙吸引パイプの製造工程に送られる。
本発明に係る非燃焼たばこ材料の製造方法によれば、固体粉末状の添加剤を固体状態のたばこ粒と精度良く混合するので、液状添加剤とたばこ粒とを混合する従来の製造方法では必須の乾燥工程を省略することができる。しかも、本発明の添加剤混合プロセスは、室温で行われるので、乾燥工程後の冷却工程をも必要とせず、室温で実施される加香工程に直ぐに移行できる利点がある。
また、本発明に係る非燃焼たばこ材料の製造方法により得られる非燃焼たばこ材料は、湿度(HOV)が20〜30重量%と比較的低く、無煙吸引パイプやドライタイプのスヌースの製造にはそのまま使用可能となる。なお、ウェットタイプのスヌースを製造する場合にも、その製造工程にて非燃焼たばこ材料に水分を付加し、その水分量を調整すれば対応可能である。このように、本製造方法により得られる非燃焼たばこ材料は、ドライタイプ及びウェットタイプの両方に対応できるので、汎用性に優れる非燃焼たばこ材料を効率よく製造することができる。
(実施例)
国産バーレ種のたばこの葉を粉砕し、分級して粒度が0.5〜1.4mmのたばこ粒を得た。このたばこ粒を7kg計量し、ミキサ2に投入してブレンド処理した。ブレンド処理に含まれる各プロセスは、以下の条件で行った。ここで、加水プロセスにおける水分量及び添加剤混合プロセスにおいて添加される添加剤(炭酸カリウム)の粒径を、表1に示すように変化させた非燃焼たばこ材料を複数製造し、得られた非燃焼たばこ材料につき評価を行った。
加水プロセス:水を供給しカプセル4を30分間回転揺動した。
熱処理プロセス:カプセル4を回転揺動させながら室温より100℃まで30分かけて昇温し、100℃で2時間保持後、100℃から室温まで45分かけて冷却した。なお、昇温、保持の過程で、噴霧ノズルより105℃の蒸気も併せて噴霧し、カプセル内からも加熱した。
添加剤混合プロセス:炭酸カリウムの粉末を添加し、カプセルを30分間回転揺動した。
加香プロセス:メンソールのプロピレングリコール溶液を噴霧ノズルより噴霧し、カプセルを30分間回転揺動した。
得られたたばこ粒のpHをpH計で測定し、pH変動率を測定した。この結果を表1に示す。ここで、pH変動率は、以下のようにして求めた。
まず、カプセル4を水平位置にて停止させ、入出部10の内端27の部分から手前側、中間部、奧側の3つのエリアにて、それぞれ、右側、中央、左側の計9箇所から非燃焼たばこ材料をそれぞれサンプリングした。得られたサンプルに対し、前処理として、純水を加えて振とう機にかけて振とうし、その後、溶液を抽出し、得られた抽出液についてpH計を用いてpHを測定した。そして、得られた測定値の平均値、バラツキを求めて、pH変動率を算出した。
また、加香プロセス後の非燃焼たばこ材料をふるい機で選別し、ふるい網上に残るたばこ材料の重量とふるい網の下に落ちたたばこ材料の重量を測定して、たばこ材料の全体量からふるい網上に残るたばこ材料の割合を算出した。その結果を団塊の発生率として表1に示した。ここで、ふるい条件は、網目が1.18mmのふるい網を持つ振動ふるい機を用いた。なお、遠心式ふるい機を用いてもよい。
ここで、pH変動率が1%以下、団塊の発生率が0.1%以下のものを良(評価○)とし、pH変動率が1%を超え、団塊の発生率が0.1%を超えるものは不良(評価×)とし、その結果も併せて表1に示した。
Figure 2011188804
表1の結果より、本製造方法において、非燃焼たばこ材料の水分量を10〜15重量%、添加剤の粒径を250〜500μmの条件としたとき、pH変動率及び団塊の発生率がともに低く、良好な品質の非燃焼たばこ材料を効率よく得られることがわかる。
2 回転揺動式混合機(ミキサ)
4 カプセル
8 カプセルボディ
14 外シェル
16 内シェル
20 ジャケット
26 攪拌フィン
38 供給配管
62 架台
64 揺動台
68 回転車輪
72 たばこ粒

Claims (7)

  1. たばこの葉を細かく粉砕し、たばこ粒を生成する粉砕工程と、
    前記たばこ粒に添加剤及び香料を混合するブレンド工程と
    を備えた非燃焼たばこ材料の製造方法において、
    前記ブレンド工程は、
    混合室内に投入された前記たばこ粒に添加剤及び香料を順次添加し、前記混合室に回転及び揺動を加えながら、前記混合室内のみで行われ、
    前記たばこ粒に加水する加水プロセスと、
    前記加水されたたばこ粒を消臭及び殺菌のために加熱処理する熱処理プロセスと、
    前記加熱処理後の前記たばこ粒を室温まで冷却する冷却プロセスと、
    冷却後の前記たばこ粒に固体粉末状の添加剤を添加し、前記たばこ粒と前記添加剤とを混合した混合物を生成する添加剤混合プロセスと、
    前記混合物に、香料を添加して混合し、非燃焼たばこ材料を生成する加香プロセスと
    を含むことを特徴とする非燃焼たばこ材料の製造方法。
  2. 前記添加剤は、香味補強剤であることを特徴とする請求項1に記載の非燃焼たばこ材料の製造方法。
  3. 前記香味補強剤は、塩化ナトリウム、炭酸カリウム及び炭酸ナトリウムの何れかの粉末又はこれらの混合粉末であることを特徴とする請求項2に記載の非燃焼たばこ材料の製造方法。
  4. 前記添加剤の粒径が250μm〜500μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の非燃焼たばこ材料の製造方法。
  5. 前記添加剤混合プロセスは、
    前記たばこ粒に対して前記香味補強剤を5〜10重量%添加し、前記たばこ粒のpHを7.5〜9.5に調整することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の非燃焼たばこ材料の製造方法。
  6. 前記たばこ粒の粒度は0.5mm〜2.0mmであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の非燃焼たばこ材料の製造方法。
  7. 前記加水プロセスは、
    前記たばこ粒の水分を10〜15重量%に調整することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の非燃焼たばこ材料の製造方法。
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