JP2011187773A - キャパシタ - Google Patents

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Abstract

【課題】キャパシタの小型化、低コスト化を可能とし、さらに圧力開放および外部からの水分の浸入の可能性を低減させる。
【解決手段】本発明のキャパシタの弁体4の外部に面した部分の面積をSa、ケース2内部に面した部分の面積をSbとしたとき、これらSaとSbの比Sa/Sbを0.25以下とした。このように弁体4の内部に面した部分の面積を大きくすることで、ケース2内部で発生したガスは弁体4に浸透し易くなり、ガスのケース2外部への放出が積極的に行われる。一方、弁体4の外部に面した部分の面積を小さくすることでケース2外部の水分は弁体4に浸透しにくくなり、水蒸気等の水分のケース2内部への浸入の可能性を低減することができる。また、本発明では弁体4のみを用いて上記効果を奏しているので、キャパシタの小型化、低コスト化も可能となる。
【選択図】図4

Description

本発明は、各種電子機器、電気機器、産業機器、自動車等に用いられるキャパシタに関するものである。
有機系電解液の分解電圧は水系電解液より高く、有機系電解液を用いたキャパシタは耐電圧が2.0V以上である。また、リチウム塩を電解質として含む有機系電解液を用い、負極にリチウムイオンが可逆的に挿入、脱離することを特徴とするキャパシタは、耐電圧が3.0V以上である。これらの有機系電解液を用いたキャパシタは、水の電気分解電圧以上の耐電圧を持つことから、エネルギー密度が高いという長所を有している。
しかし、有機系電解液を用いるキャパシタにおいても、分極性電極として用いられる活性炭や、電解液、あるいは後天的に浸入する微量な水の存在によって、微弱な分解電流が流れ、長期使用期間中において分解ガスが発生する。この結果、分解ガスにより、キャパシタ内部の圧力が上昇し、最悪の場合にはキャパシタが破裂してしまう恐れがあった。
このキャパシタの破裂を防ぐ代表的な方法の1つとしては、キャパシタ素子を有機系電解液と共に収納した金属ケースと外部との間に、液体は透過しないがガスを透過することができるガス透過性部材を設置することが挙げられる。
例えば、特許文献1では、上記ガス透過性部材として、エチレン・プロピレン・ターポリマーあるいはイソブチレン・イソプレン・ラバーで形成されたゴム材を用い、さらにこのゴム材にナノカーボンファイバーを混入させることによって、ケース内が所定の圧力に達した際にはガスがゴム材を透過し、外部へ放出されるようにしていた。
このように、金属ケースと外部との間にガス透過性部材を設置する方法では、キャパシタ内のガスをゴム材に透過させることによって、キャパシタ内の内圧増大を抑制し、キャパシタの破裂の可能性を低減させていた。
ところで、近年においてはエネルギー密度上昇に伴ってキャパシタセル内部に収納される活性炭、電解液の使用量が増大し、結果としてガス発生量が増大してきている。このため、上記ガス透過性部材から外部に放出させるガス量も必然的に増大するのであるが、ガス透過性部材は一般にガス透過能力を高めると、外部からの水分浸入、具体的には水蒸気の透過能力も高まり、ガス透過性部材を用いたキャパシタにおいては内部に浸入した水蒸気によってキャパシタの劣化が促進されるという問題が発生していた。
これを解決するために、金属ケースと外部との間に、ガス透過性部材の代わりに可逆弁を用いてガスを放出する構造が採用され始めている。可逆弁とは、ケース内がある一定圧力以上になると弁が開放し、ガスを外部に逃がす機能を有し、さらにガスが外部に逃げた後は再び弁が閉鎖して、外部との封止性能を保持する機能を有する自己復帰型の弁である。
上記構造に関して特許文献2に記載の可逆弁100の構成を図8に示す。図8は特許文献2における可逆弁100の断面図である。
図8に示されるように、可逆弁100は封口部材101と、この封口部材101の上に載置されたキャップ102と、これら封口部材101とキャップ102の間に配設された複数の部材にて構成される。
封口部材101とキャップ102の間に配設された部材は、下方に配設された部材から順にワッシャ103、ガス透過性のシート104、押さえゴム105、ワッシャ106、弁体107となっている。
ここで、弁体107は、ワッシャ106に載置された状態でキャップ102に圧入されており、圧縮された状態で保持されている。また、シート104は、押さえゴム105にてワッシャ103上に押圧された状態となっている。
このように可逆弁100を構成することによって、キャパシタ内にガスが発生しキャパシタ内の内圧が異常に上昇した際には、弁体107が上方に押し上げられ、シート104を通過したガスのみが貫通孔108を通って通気孔109から外部へと放出されるのであった。この結果、キャパシタ内の駆動用電解液を外部へ漏出させることなく、可逆弁100を通じて圧力を開放させることを可能としていた。
また、可逆弁100は、圧力開放時以外は常に弁体107がキャップ102によって下方に押さえつけられており、弁体107とワッシャ106の間に隙間は無い状態となっているため、外部からの水蒸気の浸入の可能性を低減した構成となっていた。
このように、従来では可逆弁を用いることでキャパシタの内圧上昇時の圧力開放を可能とするとともに、外部からの水分の浸入の可能性を低減していた。
特開2006−135070号公報 国際公開第2008/099578号
確かに、上記可逆弁によると、キャパシタの内圧上昇時の圧力開放を可能とするとともに、外部からの水分の浸入の可能性を低減することができ、この結果、信頼性に優れたキャパシタを提供することを可能としていた。しかしながら、下記のような問題点を有していた。
すなわち、可逆弁はその部品点数が多いため、可逆弁を用いたキャパシタは上記ガス透過性部材を用いた場合に比べどうしてもキャパシタの軸方向の高さが高くなってしまうのであった。
自動車用途等のように高い電圧が要求される用途においては、キャパシタセルを複数個直列接続する必要があるが、このように高さの高いキャパシタを用いるとユニットとしての容積が大きくなってしまい、自動車内にキャパシタを配置することが困難となってしまう。
さらに、複雑な構造を有する可逆弁は一般的にガス透過性部材より高価であり、可逆弁を自動車内の全てのキャパシタに設けることはコスト面で問題があるものであった。
一方、この課題に対し、ガス透過性部材を用いて解決を図った場合は、キャパシタの低背化、低コスト化は可能であるが、前述したようにガス透過能力の高いガス透過性部材は、外部からの水蒸気の透過能力も高く、このため内部に浸入した水蒸気によってキャパシタの劣化が促進されるという問題を有している。
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、キャパシタの小型化、低コスト化が可能であり、さらに圧力開放を可能とするとともに、外部からの水分の浸入の可能性を低減できる信頼性に優れたキャパシタを提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために本発明のキャパシタは、キャパシタ素子と、前記キャパシタ素子と電解液とを共に収容したケースと、前記ケースの開口部を封止するとともに、孔を有する封口部材と、前記封口部材の孔を塞ぐように設けられた弁体とを少なくとも備え、前記弁体は外部に面した部分の面積をSa、前記ケース内部に面した部分の面積をSbとしたとき、これらSaとSbの比Sa/Sbを0.25以下とした。
本発明は、ケース外部に面した面積とケース内部に向けて面した面積に変化をもたせた弁体をキャパシタに用いることにより、この弁体のみで圧力開放と、外部からの水分の浸入の抑制を可能としている。さらに、この結果、部品点数の削減による低コスト化と小型化を実現することができる。
実施例1のキャパシタの正面図 実施例1のキャパシタの要部断面図 実施例1のキャパシタに収納されたキャパシタ素子の分解斜視図 実施例1の弁体の構成を示す図であり、(a)は弁体を封口部材に取り付ける前の斜視図、(b)は同取り付け後の断面図、(c)は同取り付け後の斜視図 本発明に関する実験に用いた実験部材の断面図 透過係数Ka/Kb比率の関係を示すグラフ 実施例2の弁体の構成を示す図であり、(a)は弁体を封口部材に取り付ける前の斜視図、(b)は同断面図、(c)は同取り付け後の断面図 従来の可逆弁の断面図
(実施例1)
以下、本実施例におけるキャパシタの構成について図1、図2、図3を用いて説明する。ここで、図1は本実施例のキャパシタの正面図、図2はキャパシタの要部断面図である。また、図3は、図1に示すキャパシタに収納されたキャパシタ素子1の分解斜視図である。
図1および図2に示されるように、本実施例におけるキャパシタはキャパシタ素子1を収納したケース2と、ケース2を封止する封口部材3と、ケース2内部で発生したガスを外部へ放出し圧力の上昇を防ぐ弁体4とを少なくとも有する。
ケース2はアルミニウムなどの金属にて形成され、上端が開口した有底円筒状の形状を有している。ケース2の上端開口部は、ケース2と同様にアルミニウム等の金属にて形成された封口部材3にて封止されており、図2に示されるようにケース2の開口端部はカーリングなどの加工により封口部材3の周縁に設けられたゴム体5を巻き込むような状態となっている。このケース2の開口部と封口部材3の周縁の間に介在するゴム体5は絶縁性であり、ケース2と封口部材3とは絶縁された状態となっている。この絶縁性のゴム体5等は、ケース2に設けられた絞り部6によって内側に圧縮されており、ケース2を強固に封止している。
また、ケース2は内部にキャパシタ素子1を図示しない電解液と共に収容しており、この電解液はキャパシタ素子1に含浸されている。
ケース2内に収容されたキャパシタ素子1の陽極7側の端面は、レーザー溶接等の方法によってアルミニウム等の金属で形成された中間体8を介して封口部材3の底面(ケース2内側の面)に機械的、かつ電気的に接合されている。この構成により封口部材3はキャパシタ素子1の陽極7の引き出し電極を兼ねている。また、中間体8を介してキャパシタ素子1の端面を封口部材3の底面に接続させることで、これらの部材の接続をより強固なものとしている。
なお、この中間体8は中央に貫通孔8aを有するドーナツ状となっており、ケース2内でガスが発生したときは、ガスはこの貫通孔を通ってケース2側から封口部材3側へと移動する。
一方、キャパシタ素子1の陰極9(図3にて図示)側の端面は、ケース2の内底面にレーザー溶接等で機械的、かつ電気的に接合されており、ケース2は陰極9側の引き出し電極を兼ねた構成となっている。
なお、本実施例においてはキャパシタ素子1の陽極7側の端面を封口部材3に、陰極9側の端面をケース2に接合したが、これを上下反転させて、陽極7側の端面をケース2に、陰極9側の端面を封口部材3に接合した構成としてもよい。
キャパシタ素子1は、図3に示されるように、陽極7と陰極9とを対向させ、これらの間にセパレータ10を介在させ捲回することで構成されている。陽極7、陰極9はそれぞれ集電体11、集電体12と、これら集電体11、集電体12の両面にそれぞれ形成された分極性電極層13、分極性電極層14とを有する。陽極7、陰極9は互いに逆方向に位置をずらして捲回されている。そしてキャパシタ素子1の両端の端面15、端面16から、陽極7と陰極9とがそれぞれ電気的に引き出されている。
次に、図4を用いて本発明のポイントである封口部材3の構成について詳しく説明する。ここで、図4(a)は弁体4を封口部材3に取り付ける前の分解斜視図、図4(b)は弁体4を封口部材3に取り付けた後の断面図、図4(c)は弁体4を封口部材3に取り付けた後の斜視図である。
図4(a)および図4(b)に示されるように、封口部材3は中央に孔17を有する略ドーナツ形状を有しており、その外周面18下端にはさらに外側に向けて突出した鍔部19が設けられている。この封口部材3にてケース2を封止した際には、封口部材3の外周面18と鍔部19とが上述したゴム体5を介してケース2の内周に圧着されることになる。
封口部材3は、ケース2を封止した際に上方に突出するように設けられたリング状の凸部20を有しており、この凸部20の内側に孔17が設けられている。
孔17の周囲には、孔17と同心円となるように第1の凹部21が窪んだ状態で設けられている。この第1の凹部21は弁体4が嵌め込まれる部分であり、封口部材3にてケース2を封止した際は、図4(c)に示されるように、弁体4が第1の凹部21に嵌め込まれ、孔17を封止した状態となる。ここで本実施例においては弁体4の材料としてシリコンゴムを用い、さらに弁体4の径は第1の凹部21の径よりも若干小さめにしている。これは、弁体4の径が第1の凹部21の径と同等、あるいは大きいものとすると、弁体4を第1の凹部21に嵌押する際に弁体4に撓みが生じ、実使用時におけるケース2の封止性能が劣化してしまう可能性があるためである。また、弁体4を第1の凹部21に嵌め込む際に、予め第1の凹部21の表面に接着剤(図示せず)を塗布することでケース2内の密封性を向上させることができる。
さらに、図4(a)に示されるように、第1の凹部21の底面にはドーナツ状の環状突起22を設けている。この環状突起22は図4(b)に示されるように弁体4を第1の凹部21に嵌め込んだ際には、弁体4の下底面に食い込んだ状態となる。この結果、環状突起22上の線圧が高められ、環状突起22と弁体4との密着性が増すともに電解液の漏洩ルートを延ばすことができ、電解液の外部への漏洩の可能性をさらに低減させることができる。
なお、弁体4の材料として本実施例ではシリコンゴムを用いたが、これに限られることなく電解液の外部への漏出を防ぐとともに電解液から発生したガスを外部へと放出することが可能な材料であればよい。例えばブチルゴムやエチレンプロピレンゴム等を用いてもよい。
第1の凹部21の周囲には、第2の凹部23が第1の凹部21よりも一段高い状態で設けられており、すなわち封口部材3の断面は図4(b)で示されるように孔17から凸部20に向かって階段状となっている。この第2の凹部23はガス非透過性部材24が嵌め込まれる部分であり、第1の凹部21と同様に孔17と同心円となるように設けられている。ガス非透過性部材24は例えば金属等のガスを透過させない部材で形成するものであり、本実施例においてはSUS(Stainless Used Steel)を用いている。この構成以外にも例えばアルミニウム等を用いてもよい。ガス非透過性部材24の固定は、第2の凹部23の外周に設けられたかしめ部25にてなされる。すなわち、実使用時においてはかしめ部25を内側にかしめて、ガス非透過性部材24に接触させることで、ガス非透過性部材24を封口部材3に固定させる。このかしめ部によりガス非透過性部材24は第2の凹部23に強固に固定される。なお、図4(a)〜図4(c)においては、わかりやすく図示するため、かしめ部25をかしめていない状態で図示している。図4(a)〜図4(c)に示されるようにかしめ部25は、かしめ作業を容易にするため、切り欠きを設けたリング状としている。なお、本実施例ではガス非透過性部材24の固定の方法として、上記かしめ部25に加えて接着剤(図示せず)を用いている。すなわち、ガス非透過性部材24を第2の凹部23および弁体4の上面側に接着剤を塗布し、これらとガス非透過性部材24を接着することでガス非透過性部材24を第2の凹部23により強固に固定している。
また、ガス非透過性部材24は、中央に貫通孔26を有するドーナツ状であり、第2の凹部23に嵌め込まれる。すなわちガス非透過性部材24を弁体4上に載置し、弁体4をガス非透過性部材24にて被覆した際には図4(c)に示すように貫通孔26から弁体4の上面の一部がケース2外部に向けて露出することになる。
ここで、弁体4のケース2外部に面した部分の面積と、ケース2内部に面した面積について述べる。
上述したように弁体4の上面は貫通孔26から外部に向けて露出した状態となっているが、これと同様に弁体4の下面は封口部材3の孔17を介してケース2内部方向に露出した状態となっている。
ここで、ガス非透過性部材24の貫通孔26の径と、封口部材3の孔17の径に関して、本実施例ではガス非透過性部材24の貫通孔26の径よりも封口部材3の孔17の径を大きいものとしている。特に本実施例では弁体4の上面の外部に面した面積をSa、弁体4の下面の内部に面した面積をSbとするとこれらSaとSbの面積の比Sa/Sbが0.25以下となるように貫通孔26の径と封口部材3の孔17の径を調整している。
なお、本実施例においては貫通孔26と封口部材3の孔17の形状を共に円形としたが、特にこれに限られるものではなく、上記Sa/Sbが0.25以下となるのであれば、どのような形状であってもよい。
このように本実施例では弁体4の外部に面した面積Saと内部に面した面積Sbの比率を調整することで、ケース2内の圧力開放と、外部からの水分の浸入の抑制を可能とすることができる。
この効果について図5および図6を用いて説明する。ここで図5は本発明に関する実験に用いた実験用弁体27と実験用ガス非透過性部材28の断面図であり、図6は後述するKa/Kb比率の関係を示すグラフである。
本実験においては、図5に示されるように、実験用弁体27の一方の面に実験用ガス非透過性部材28を配置している。実験用弁体27としては直径40mm、厚さ2mmの円板状のシリコンゴムを用い、実験用ガス非透過性部材28としては直径40mmの薄い円板状のアルミニウム板を用いた。
この構成において、実験用ガス非透過性部材28の中央に設けられた貫通孔29の径を変化させることで実験用弁体27の実験用ガス非透過性部材28側の面の被覆率を変化させ、各々の被覆率におけるガスの透過量を測定した。透過させるガスとしては二酸化炭素ガスを使用した。ガス透過量の測定においては、各々の被覆率において、図5に示す矢印a(実験用弁体27側から実験用ガス非透過性部材28側へ)方向にガスを透過させた際の透過係数と、矢印b(実験用ガス非透過性部材28側から実験用弁体27側へ)方向にガスを透過させた際の透過係数の2パターンを測定している。ここで、上記矢印a方向とは実使用時のキャパシタにおけるケース2内側からケース2外側への方向に相当するものであり、上記矢印b方向とはケース2外側からケース2内側への方向に相当するものである。
そして、これら矢印a方向における透過係数Kaと矢印b方向における透過係数Kbの比Ka/Kbにより、各々の被覆率におけるガスの透過の傾向を調べた。
例えば被覆率98.4%(貫通孔29の直径が5mm)においては矢印a方向における透過係数Kaは0.0437ml・mm/cm2/h/atmであり、矢印b方向における透過係数Kbは0.0329ml・mm/cm2/h/atmであったため、Ka/Kb比率は、0.0437/0.0329≒1.33となる。
上記の要領で、被覆率が70%、75%、80%、85%、90%、95%、および98.4%の7つのケースにおいてKa/Kb比率を求めた。
これらの結果に基づく被覆率とKa/Kb比率の関係を図6に示す。図6において縦軸はKa/Kb比率であり横軸は被覆率である。
図6からわかるように、被覆率が0%から被覆率70%あたりまではKa/Kb比率が1.0、すなわち単位時間、単位面積あたりのガスの透過量は矢印a方向も矢印b方向も同等である。しかし、被覆率75%あたりから少しずつKa/Kb比率が増加し、最終的に被覆率98.4%のケースにおいてはKa/Kb比率が1.33となった。すなわち、被覆率98.4%の構成においては矢印a方向の透過量は矢印b方向の透過量の1.33倍となっていることがわかる。
このように被覆率によって矢印a方向と矢印b方向の透過量に差が生じる現象について推測される原理について以下に説明する。
矢印a方向にガスを透過させた場合、実験用弁体27のガスの進行方向側(図5の右側)が実験用ガス非透過性部材28により被覆されているため、実験用弁体27のガスの供給元側(図5の左側)に面した面積は、ガスの進行方向側に面した面積より大きいこととなる。このようにガスの供給元側の面積が大きいため、ガスは実験用弁体27透過時に実験用弁体27に積極的に浸透し、実験用弁体27の大半の部分は浸透したガスにて飽和状態となる。そして、実験用弁体27のガスの進行方向側の面から外部に向けて積極的に放出される。
一方、矢印b方向にガスを透過させた場合、実験用弁体27のガスの供給元側に面した面積が上述の状態より比較的小さく、実験用弁体27透過時にガスは実験用弁体27の表面近傍までしか浸透することができない。したがって、矢印b方向にガスが浸透する場合は、上述の矢印a方向に浸透する場合に比べ、実験用弁体27のガスにて飽和状態となった部分が少ない。この結果、実験用弁体27の進行方向側へのガスの放出が少量となる。
この現象により、矢印a方向と矢印b方向の透過量に差が生じ、上述のような実験結果が得られたものと推測される。
そして、この実験結果および推測される原理から、本実施例においてはケース2内で発生したガスの外部への放出量を比較的大きく、また外部からケース2内部への水蒸気等の浸入を比較的少なくするために、弁体4のケース2内部に面した部分の面積をケース2外部に面した部分の面積よりも大きいものとしている。特に実験により、被覆率を75%以上とすると効果が得られるとの結果が得られているため、本実施例では弁体4の外部に面した面積Sa、弁体4の内部に面した面積Sbの比Sa/Sbが0.25以下となるようにガス非透過性部材24の貫通孔26の径と封口部材3の孔17の径を調整している。
この結果、本実施例のキャパシタではケース2内部から外部に向けてのガスの透過量はケース2外部から内部に向けてのガスの透過量に比べ多いものとなっている。
すなわち、実使用時においては、本実施例のキャパシタはケース2内部で発生したガスの外部への放出(圧力開放)を積極的に行い、さらにケース2外部の水蒸気等の内部への浸入を抑制したものとなっている。特に本実施例の場合、弁体4としてシリコンゴムを用いており、またシリコンゴムは高温、低温のどちらの状況においても優れた性能を発揮できる反面、耐水分透過性に対しては一般的にブチルゴム等に比べ劣っているものであるが、本実施例の構成によると外部からの水分の浸入を効果的に防ぐことができ、シリコンゴムであっても高い耐水分透過性を維持することができる。
なお、本実施例では上述したようにガス非透過性部材24と弁体4は図示しない接着剤にて接着されており、弁体4とガス非透過性部材24との間は接着剤にて充填された状態となっている。したがって、ケース2内部で発生したガスが、弁体4を透過してガス非透過性部材24と弁体4との界面に漏出し、さらにケース2外部へ漏れるということはなく、本実施例においてガスのケース2外部への漏出は貫通孔26からのみ行われる。
また、本発明のキャパシタは従来のように可逆弁を用いることなく弁体4にて上記の効果を達成しており、キャパシタの小型化や部品点数の減少による低コスト化も可能としている。また、比較的安価なシリコンゴムであっても上記の効果を達成することができ、シリコンゴムを用いることでさらなる低コスト化が可能となる。
弁体4の外部に面した面積Sa、弁体4の内部に面した面積Sbの比Sa/Sbを調節する方法としては、上述したように円形の貫通孔26を設けたガス非透過性部材24を被覆する方法であれば、キャパシタを大型化させることもなく本実施例の構成を達成でき、またコスト面からも優れた方法であるが、特にこの方法に限定されるものではない。
例えば、メッシュ状の金属板や、あるいはパンチングメタルを用い、弁体4を被覆した場合であっても上記効果を達成できる。
あるいは、弁体4をガスを透過させない金属等の部材で被覆する方法以外では、弁体4の形状により弁体4の外部に面した面積Sa、弁体4の内部に面した面積Sbの比Sa/Sbを調節する方法が挙げられる。
例えば、弁体4の形状を略円錐台あるいは略角錐台とし、弁体4の両端面のうち、面積が大きい端面をケース2内部に、面積が小さい端面をケース2外部に向くように弁体4を配置することで、外部に面した面積をケース2内部に面した面積よりも小さくすることができる。この場合は、弁体4は封口部材3の孔17に嵌入されるものであり、封口部材3の孔17の形状も弁体4の形状に合わせて適宜変更するとよい。
(実施例2)
本実施例のキャパシタは、上記実施例1で図1〜図4を用いて説明したキャパシタの構成を一部異なるようにしたものであり、これ以外の構成は実施例1と同様であるために同一部分には同一の符号を付与してその詳細な説明は省略し、異なる部分についてのみ以下に図面を用いて詳細に説明する。ここで、図7(a)は弁体31を封口部材3に取り付ける前の分解斜視図、図7(b)は弁体31を封口部材3に取り付ける前の分解断面図、図7(c)は弁体31を封口部材3に取付けた後の断面図である。
本実施例においては、図7(a)〜(c)に示すように、特に弁体31とガス非透過性部材32の形状が実施例1と異なる。弁体31とガス非透過性部材32の材料については実施例1と同じものを用いている。
図7(a)および(b)に示されるように、弁体31はハット状の形状を有している。すなわち、弁体31は有底円筒状の弁体頂部33と、この弁体頂部33の開口部周縁に設けられた一体でリング状の弁体鍔部34とで構成される。
一方、ガス非透過性部材32は弁体31と同様にハット状の形状を有しており、ガス非透過性部材頂部35とガス非透過性部材鍔部36とで構成されるが、ガス非透過性部材頂部35の内底面中央あたりに貫通孔37が設けられている。この貫通孔37の径は封口部材3に設けられた孔17の径よりも小さく、貫通孔37の面積は孔17の面積よりも小さいものとなっている。
本実施例のキャパシタはこれらを弁体31とガス非透過性部材32を図7(c)に示すように配置することで構成されている。
図7(c)に示されるように、弁体31の弁体頂部33は封口部材3の孔17に挿通され、弁体頂部33の底部は封口部材3の底面から図7(c)における下方に突出した状態となっている。すなわち実使用時には弁体頂部33の底部は封口部材3の底面からケース2内部へと突出した状態となっている。このように弁体31を所定の位置に配置した際、弁体鍔部34は第1の凹部21に嵌め込まれ、弁体鍔部34は係止部としての役割を果たす。なお、実施例1と同様に封口部材3には環状突起22が設けられており、この環状突起22が弁体鍔部34に食い込むことで電解液の漏洩の可能性を低減させるという効果を奏している。
ガス非透過性部材32のガス非透過性部材頂部35は弁体頂部33の中空部分に嵌め込まれている。この際、ガス非透過性部材頂部35の外側表面は弁体頂部33の内周面と密着している。また、ガス非透過性部材鍔部36は、弁体鍔部34の上面と封口部材3の第2の凹部23と接触し係止部としての役割を果たすとともに、ガス非透過性部材鍔部36は弁体鍔部34および第2の凹部23と密着している。
上述のように構成された本実施例のキャパシタにおいて、実施例1と同様に貫通孔37から弁体31がケース2外部に向けて面した面積は弁体31がケース2内部に面した面積(図7(c)の弁体31がケース2内部に向けて突出した部分(突出部38)の側面含む)よりも小さいものとし、弁体31の外部に面した面積をSa、弁体31のケース2内部に面した面積をSbとするとこれらSaとSbの面積の比Sa/Sbが0.25以下となるように貫通孔37の径と封口部材3の孔17の径を調整している。
この結果、実施例1と同様の理由によりケース2内の圧力開放と、ケース2外部からの水分の浸入の抑制が可能となる。
なお、弁体31がケース2内部に面した面積は上述のごとく突出部38の側面を含むものとしたが、弁体31がケース2内部に面した面積は突出部38の側面を含まずに図7(c)の突出部38の下端面のみとすることが好ましい。
これは突出部38の側面よりも下端面の方がケース2内部で発生したガスの弁体31への透過に関して寄与していると考えられるためである。したがって、弁体31がケース2外部に向けて面した面積と突出部38の下端面の面積の比を上述のように調整することで、より効果的かつ確実にケース2内の圧力開放と、外部からの水分の浸入の抑制を可能とすることができる。
さらに、本実施例のキャパシタであればキャパシタを図1の状態から上下逆転させて用いた場合であっても、ケース2内で発生したガスのケース2外部への透過を効果的に行える。
これは、弁体頂部33の底部が封口部材3の底面から突出していることによる。
すなわち、本実施例のキャパシタを上下逆転させた場合、ケース2内に収容された電解液は封口部材3側に溜まることになるが、弁体頂部33の底部は封口部材3の底面から突出しているため、キャパシタを上下逆転させた場合に上側先端面となる弁体頂部33の底面は電解液の液面から露出している。仮にガスの透過面となる弁体頂部33の底面が電解液の液面下に存在するのであれば、ケース2内で発生したガスが弁体31を介して外部に透過することが困難となるが、本実施例の場合は弁体頂部33の底面が電解液の液面から露出しているため、ケース2内で発生したガスの弁体31を介しての外部への透過を問題なく行うことができる。したがって、本実施例のキャパシタを上下逆転させて用いたとしても、ケース2内で発生したガスのケース2外部への透過を効果的に行うことができ、ケース2内の圧力開放を行うことができる。
なお、キャパシタを上下逆転させた場合に弁体頂部33の先端面を電解液の液面から露出させるためには、突出部38の高さやケース2に注入する電解液の量を適宜調整するとよい。
また、実施例1および実施例2では電気二重層キャパシタを対象としたが、この他、電気化学キャパシタ等のキャパシタであっても本発明を適用することができる。
本発明によるとキャパシタの小型化、低コスト化が可能であり、さらに圧力開放を可能とするとともに、外部からの水分の浸入の可能性を低減でき、信頼性の高いキャパシタを提供できる。したがって、本発明によるキャパシタは自動車を初めとする各種電子機器、電気機器、産業機器に用いられるキャパシタとして好適に機能し得る。
1 キャパシタ素子
2 ケース
3 封口部材
4 弁体
5 ゴム体
6 絞り部
7 陽極
8 中間体
8a 貫通孔
9 陰極
10 セパレータ
11 集電体
12 集電体
13 分極性電極層
14 分極性電極層
15 端面
16 端面
17 孔
18 外周面
19 鍔部
20 凸部
21 第1の凹部
22 環状突起
23 第2の凹部
24 ガス非透過性部材
25 かしめ部
26 貫通孔
27 実験用弁体
28 実験用ガス非透過部材
29 貫通孔
31 弁体
32 ガス非透過性部材
33 弁体頂部
34 弁体鍔部
35 ガス非透過性部材頂部
36 ガス非透過性部材鍔部
37 貫通孔
38 突出部

Claims (7)

  1. キャパシタ素子と、
    前記キャパシタ素子と電解液とを共に収容したケースと、
    前記ケースの開口部を封止するとともに、孔を有する封口部材と、
    前記封口部材の孔を塞ぐように設けられた弁体とを少なくとも備え、
    前記弁体は外部に面した部分の面積をSa、前記ケース内部に面した部分の面積をSbとしたとき、これらSaとSbの比Sa/Sbを0.25以下としたキャパシタ。
  2. 前記弁体は、その一部をガス非透過性部材にて被覆されることで外部に表出した面積を前記ケース内部に向けて露呈した面積より小さくした請求項1に記載のキャパシタ。
  3. 前記弁体を被覆するガス非透過性部材として貫通孔を有した金属板を用いた請求項2に記載のキャパシタ。
  4. 前記弁体を被覆するガス非透過性部材としてメッシュ状部材を用いた請求項2に記載のキャパシタ。
  5. 前記メッシュ状部材はパンチングメタルである請求項4に記載のキャパシタ。
  6. 前記弁体は略円錐台あるいは略角錐台の形状を有し、前記弁体の両端面のうち、面積が大きい端面が前記ケース内部と対向するように前記封口部材の孔に嵌挿した請求項1に記載のキャパシタ。
  7. 前記弁体は、上端部周縁にリング状の係止部を有した有底筒状の形状であるとともに、その底部が前記ケース内部に突出するように前記弁体が前記孔に嵌挿された請求1に記載のキャパシタ。
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