JP2011187476A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
鉛フリー半田に用いられるような260℃程度の高温半田リフロー処理によっても耐半田クラック性に優れた熱硬化性接着剤組成物およびそれを用いた半導体パッケージを提供すること。
【解決手段】
繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程と、前記工程により接着された支持体と半導体素子とを所定の加熱条件Bにて封止用樹脂組成物により封止する工程と、前記工程により封止された後、熱処理する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、所定の反り評価試験における前記熱硬化性接着剤組成物の反り量1が所定の条件式を満たすものである熱硬化性接着剤組成物。
【選択図】なし
Description
[1] 繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程と、
前記工程により接着された支持体と半導体素子とを所定の加熱条件Bにて封止用樹脂組成物により封止する工程と、
前記工程により封止された後、熱処理する工程と
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂組成物が、以下の反り評価試験において、その反り量1が下記条件式1を満たすものである半導体装置の製造方法。
[反り評価試験:シリコンチップ(サイズ:10×10mm、厚み:0.2mm)を支持体(ガラス/エポキシ積層板製、サイズ:15×15mm、厚み:0.44mm)上に前記熱硬化性接着剤組成物に前記加熱条件Aにより硬化接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後前記加熱条件Bにて2分間加熱した後の反り量1を測定する。]
[条件式1:−10(μm)≦反り量1≦10(μm)]
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを接着する工程(1)と、前記工程(1)より接着された支持体と半導体素子とを封止する工程(2)と、熱処理する工程(3)を有する半導体装置の製造方法であって、半導体素子と支持体との接着に用いる熱硬化性接着剤組成物が所定の反り評価試験において得られる反り量が所定の条件式を満たすものであることを特徴とする。
前記の工程を経て製造された半導体装置は、更にマザーボードへ搭載するためにIRリフローという熱処理(加熱)を行う工程により半田付けが行われる。上述のように熱硬化性接着剤組成物の硬化接着工程(工程1)以降、すべての工程は半導体装置を加熱する工程であり、また各工程により加熱温度が異なるため、各部材間の線膨張係数の差による各部材の変形にも差が生じ、その結果半導体装置内に応力が発生することとなる。
前記のような各熱処理工程における半導体装置全体の変形(反り)により、半導体装置内にある支持体と半導体素子を接着している熱硬化性接着剤組成物の硬化層に応力が生じることになる。特に、封止工程(工程2)の段階における半導体素子が接着された支持体の反りが重要であり、通常封止工程は175℃付近の温度で行われるが、175℃の反りが大きい場合には封止時の封止樹脂の圧力によって支持体に接着された半導体素子の反りが抑えられ半導体装置に著しい応力が蓄積されることとなる。さらに、その状態でポストモールドキュア(工程3)、IRリフローなどの熱処理工程を経ると、封止時に蓄積された応力に加え、各熱処理工程時の半導体装置各部材の熱膨張に伴う応力の発生により半導体装置の内部応力はより一層高くなる。
半導体装置の製造に用いられる熱硬化性接着剤組成物に要求される接着強度の評価方法について詳細に説明する。熱硬化性接着剤組成物を介して接着された支持体とシリコンチップとの接着強度は、支持体に熱硬化性接着剤組成物を介して4×4mm□のシリコンチップ(厚み:525μm)を接着し、250℃におけるシェア強度を測定することで評価することができる。通常25N以上の接着強度が出れば、ワイヤーボンディング時や封止時に剥がれてしまうことはないため、25Nを超えるかどうかを判断基準とする。
反り評価を行うための試験用半導体装置1として、図1に例示するような熱硬化性接着剤組成物2を介して支持体3とシリコンチップ4とを硬化接着したものを用いる。
温度可変レーザー三次元測定機(日立エンジニアリングアンドサービス社製、LSI−150)を用いてシリコンチップ表面中央部の高さおよびシリコンチップ表面四隅の高さを測定し、シリコンチップ表面中央部の高さとシリコンチップ表面四隅との差を反り量1とした。より具体的には、シリコンチップの対角を結ぶ対角線をスキャニングすることにより対角線の形状を求め、対角の高さの平均と中央部の高さの差を求めることにより反り量1を算出した。
本発明に係る半導体装置の製造方法において用いられる熱硬化性接着剤組成物の使用方法について具体的な例を用いてに説明する。
本発明に係る半導体装置の製造方法において用いられる熱硬化性接着剤組成物が液状接着剤の場合、上述したような各種成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練を行い、更に真空脱泡することにより、液状接着剤を得ることができる。得られた液状接着剤は市販のダイボンダーを用いて、例えば支持体(特にリードフレーム)の所定の部位にディスペンス塗布された後、半導体素子をマウントして加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂等を主成分とする封止樹脂を用いてトランスファー成形することにより半導体装置を得ることができる。
(熱硬化性接着剤組成物の調製)
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)および1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1記載の混合比率にて配合し、3本ロールにて混合し、更に真空脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
実施例1の熱硬化性接着剤組成物について、下記の接着強度の測定方法に従い、支持体をガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度120−140℃)とし、175℃15分の硬化条件による硬化後、250℃環境下における接着強度を測定した。結果は45Nであった。
実施例1の熱硬化性接着剤組成物を用いて樹脂支持体とシリコンチップとを硬化接着し、反り量1を測定した。反り量1は−5.9μmであった。
厚み0.3mmのBT基板を支持体とし、シリコンチップ(7x7mm、厚み0.35mm)を配置する。その後半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G760)を用いて、5.5×6.6×1.0mmのパネル状に封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、吸水しない状態でIRリフローを1度通す。その後ボディサイズ:10×12mmにダイシングソーを用いて個片化することにより半導体装置(MAPBGA)を得た。以下実施例2乃至7、並びに比較例についても同様に半導体装置を作製した。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
実施例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は36Nであった。
実施例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−0.5μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製およびパーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
実施例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は32Nであった。
実施例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−9.1μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
実施例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は35Nであった。
実施例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は8.3μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物として2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
実施例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は28Nであった。
実施例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は2.2μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
実施例6の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は38Nであった。
実施例6の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−8.8μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物として1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径0.5μmの球状シリカ、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
実施例7の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は31Nであった。
実施例7の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−6.4μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)を、ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)を、上記熱硬化性樹脂の硬化剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
比較例1の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は44Nであった。
比較例1の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−29.7μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
比較例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は35Nであった。
比較例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−24.2μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)を、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)を、上記熱硬化性樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(DIC(株)製、DIC−BPF)およびジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)を、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
比較例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は18Nであった。
比較例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は13.9μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)および1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
比較例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は23Nであった。
比較例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−14.6μmであった。
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)および1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径0.5μmの球状シリカを、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
比較例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は33Nであった。
比較例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−16.2μmであった。
各実験例において測定した接着強度の測定方法の詳細は下記の通りである。
4×4mmシリコンチップを支持体としてガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度120−140℃)上にマウントし、表面温度が175℃に設定されたオーブン中で15分加熱し、硬化した。硬化直後250℃での熱時ダイシェア強度を測定した(単位:N/チップ)。この時の測定値が25N/チップ以上であるものを合格とした。
各実施例及び比較例について、上記にて製造された半導体装置を85℃、相対湿度60%の条件下で168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行い、処理後のパッケージを超音波深傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。各符号は、以下の通りである。
○:半導体装置内部の半導体素子の剥離が発生しなかった。
×:半導体装置内部の半導体装置の剥離が発生した。
2・・・支持体
3・・・シリコンチップ
11・・・試験用半導体装置
Claims (11)
- 繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程と、
前記工程により接着された支持体と半導体素子とを所定の加熱条件Bにて封止用樹脂組成物により封止する工程と、
前記工程により封止された後、熱処理する工程と
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記熱硬化性接着剤組成物が、以下の反り評価試験において、その反り量1が下記条件式1を満たすものである半導体装置の製造方法。
[反り評価試験:シリコンチップ(サイズ:10×10mm、厚み:0.2mm)を支持体(ガラス/エポキシ積層板製、サイズ:15×15mm、厚み:0.44mm)上に前記熱硬化性接着剤組成物に前記加熱条件Aにより硬化接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後前記加熱条件Bにて2分間加熱した後の反り量1を測定する。]
[条件式1:−10(μm)≦反り量1≦10(μm)] - 前記熱硬化性接着剤組成物が、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含むものである請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記化合物のラジカル重合可能な官能基が不飽和炭素−炭素結合である請求項2記載の半導体装置の製造方法。
- 前記化合物のラジカル重合可能な官能基が、(メタ)アクリロイル基である請求項2または3記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、マレイミド環を有する化合物である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記マレイミド環を有する化合物が、芳香族環を有さないビスマレイミド化合物である請求項5記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、ブタジエン化合物の重合体または共重合体である請求項2または3に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体の分子内に少なくとも1つの官能基を有する請求項7記載の半導体装置の製造方法。
- 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体が有する官能基が、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはマレイン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基である請求項8記載の半導体装置の製造方法。
- (メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、ブタジエン化合物およびアリルエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の化合物を含むものである請求項1記載の半導体装置の製造方法。
- 前記アリルエステル系化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物である請
求項10に記載の半導体装置の製造方法。
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