JP2011187476A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

半導体装置の製造方法 Download PDF

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竜一 村山
Naoya Kanamori
直哉 金森
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Abstract

【課題】
鉛フリー半田に用いられるような260℃程度の高温半田リフロー処理によっても耐半田クラック性に優れた熱硬化性接着剤組成物およびそれを用いた半導体パッケージを提供すること。
【解決手段】
繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程と、前記工程により接着された支持体と半導体素子とを所定の加熱条件Bにて封止用樹脂組成物により封止する工程と、前記工程により封止された後、熱処理する工程とを有する半導体装置の製造方法であって、所定の反り評価試験における前記熱硬化性接着剤組成物の反り量1が所定の条件式を満たすものである熱硬化性接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
IC等の半導体素子と、金属フレームまたは有機基板等の支持体とを接着する方法としては、接着剤樹脂組成物を介して支持体上に半導体素子をマウントし硬化接着する方法が広く用いられている。近年、環境対応の一環として半導体装置を基板に搭載する際に使用する半田には鉛成分を含まないものが使用されることが多い。このような半田を使用するためには半田リフロー温度を従来の220〜245℃という温度範囲から260〜270℃という温度範囲へと高める必要がある。このため接着剤樹脂組成物には、半田リフロー温度の上昇に伴い発生する熱応力の増加に起因する半導体装置のクラック等の不具合を低減することが一層求められるようになってきている。
このような要求に対しては、接着剤樹脂組成物と半導体素子及び支持体との接着強度を高めることにより、半導体装置内部の応力が高くなった場合でも半導体素子剥離等の問題の低減を図る手法が検討されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、このような接着剤樹脂組成物であっても、高温環境下においては充分に効果が得られるというものではなく、特に260〜270℃といった高温での半田リフロー時に発生する、半導体素子の支持体からの剥離や半導体装置内部クラックという不具合を低減することはできていない。
特開2002−212267
本発明の目的は、260℃以上という高温環境下においても半導体装置にクラック等の不具合が生じず優れた信頼性を半導体装置に付与することができる半導体装置の製造方法を提供することにある。
このような目的は、下記[1]〜[12]に記載の本発明により達成される。
[1] 繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程と、
前記工程により接着された支持体と半導体素子とを所定の加熱条件Bにて封止用樹脂組成物により封止する工程と、
前記工程により封止された後、熱処理する工程と
を有する半導体装置の製造方法であって、
前記熱硬化性樹脂組成物が、以下の反り評価試験において、その反り量1が下記条件式1を満たすものである半導体装置の製造方法。
[反り評価試験:シリコンチップ(サイズ:10×10mm、厚み:0.2mm)を支持体(ガラス/エポキシ積層板製、サイズ:15×15mm、厚み:0.44mm)上に前記熱硬化性接着剤組成物に前記加熱条件Aにより硬化接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後前記加熱条件Bにて2分間加熱した後の反り量1を測定する。]
[条件式1:−10(μm)≦反り量1≦10(μm)]
[2] 前記熱硬化性接着剤組成物が、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含むものである[1]記載の半導体装置の製造方法。
[3]前記化合物のラジカル重合可能な官能基が不飽和炭素−炭素結合である[2]記載の半導体装置の製造方法。
[4] 前記化合物のラジカル重合可能な官能基が、(メタ)アクリロイル基である[2]または[3]記載の半導体装置の製造方法。
[5] 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、マレイミド環を有する化合物である[2]乃至[4]のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
[6] 前記マレイミド環を有する化合物が、芳香族環を有さないビスマレイミド化合物である[5]記載の半導体装置の製造方法。
[7] 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、ブタジエン化合物の重合体または共重合体である[2]または[3]に記載の半導体装置の製造方法。
[8] 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体の分子内に少なくとも1つの官能基を有する[7]記載の半導体装置の製造方法。
[9] 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体が有する官能基が、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはマレイン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基である[8]記載の半導体装置の製造方法。
[10] (メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、ブタジエン化合物およびアリルエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の化合物を含むものである[1]記載の半導体装置の製造方法。
[11] 前記アリルエステル系化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物である[10]に記載の半導体装置の製造方法。
本発明に係る半導体装置の製造方法を使用することにより、260℃以上の高温環境下においても半導体装置にクラック等の不具合が生じず、高温環境下において優れた信頼性を半導体装置に付与することができる。
試験用半導体装置の一例を示す概略断面図である。
(半導体装置の製造工程)
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法について詳細に説明する。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを接着する工程(1)と、前記工程(1)より接着された支持体と半導体素子とを封止する工程(2)と、熱処理する工程(3)を有する半導体装置の製造方法であって、半導体素子と支持体との接着に用いる熱硬化性接着剤組成物が所定の反り評価試験において得られる反り量が所定の条件式を満たすものであることを特徴とする。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、支持体と半導体素子とを前記熱硬化性接着剤組成物を用いて接着する工程 (工程1)を有する。具体的には、支持体または半導体素子に熱硬化性接着剤組成物を塗布し、塗布された熱硬化性接着剤組成物を介して支持体上に半導体素子を配置し、更に熱硬化性接着剤組成物を加熱硬化することにより支持体と半導体素子を接着する。
本発明に用いられる熱硬化性接着剤組成物を用いて接着する繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体とは、ガラス布に熱硬化性樹脂を含浸させて作製したプリプレグと呼ばれる樹脂含浸基材に銅箔を張り合わせた積層板のことである。ここで、ガラス布を含浸させる熱硬化性樹脂の代表的なものとしてはエポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂等が挙げられる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、前記工程(1)にて接着された支持体と半導体素子とを封止用樹脂により封止する工程(工程2)を有する。本工程において用いられる封止用樹脂は、熱硬化性樹脂が多く用いられ、封止後加熱により硬化させることが多い。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、上記工程(2)により半導体素子を封止した後に、更に熱処理(加熱)を行う工程(工程3)を有する。本工程は、封止材料の硬化反応を促進させることを目的とした工程であり、ポストモールドキュア等と呼ばれる。
(半導体装置を加熱する工程と半導体装置の反り)
前記の工程を経て製造された半導体装置は、更にマザーボードへ搭載するためにIRリフローという熱処理(加熱)を行う工程により半田付けが行われる。上述のように熱硬化性接着剤組成物の硬化接着工程(工程1)以降、すべての工程は半導体装置を加熱する工程であり、また各工程により加熱温度が異なるため、各部材間の線膨張係数の差による各部材の変形にも差が生じ、その結果半導体装置内に応力が発生することとなる。
例えば、前記工程(1)における支持体と半導体素子とを接着する際の温度は約175℃で行われることが多い。このとき、熱硬化性接着剤組成物は硬化反応に伴い体積収縮が生じるため硬化終了時点で支持体に接着された半導体素子に反りが生じることとなる。これを室温に戻すと半導体素子を上、支持体を下とし、凸型に反る。その後、封止する工程(工程2)により半導体素子が接着された支持体は約175℃まで加熱され、再び硬化終了時点の反りの状態に戻り封止される。
また、前記工程(2)において半導体素子等を封止した後に175℃で前記工程3によりポストモールドキュアが行われる。上述の通り、これは封止終了時点では封止樹脂の硬化反応は十分ではなく、本工程により封止樹脂の硬化を完了させ、機械的強度や寸法安定性を付与するためである。ポストモールドキュア工程の際には封止樹脂の体積収縮により半導体装置全体に反りが生じることになる。
更に具体的にモールド・アレイ・パッケージング方式によるボール・グリッド・アレイ (以下、MAPBGAという)(ボディサイズ:10×12mm、PKG厚み :1.0mm、ダイサイズ :7×7mm、ダイ厚み:0.35mm、基板:ビスマレイミドトリアジン樹脂製、厚み:0.3mm)の例を用いて説明する。シャードーモアレや温度可変レーザー三次元測定機などで上記の半導体装置を測定すると、半導体装置は室温では封止材側を上、支持体側を下として凸型に反った状態である。またIRリフロー温度に相当する260℃環境下では半導体装置は凹型に反る。封止直後室温環境下における半導体装置の反りに比べ、ポストモールドキュア(工程3)後の半導体装置の反りは大きく半導体素子を上に凹型に反る。またポストモールドキュア(工程3)を経た半導体装置の260℃環境下における反りは、ポストモールドキュア(工程3)を経ていないものに比べ凹型の反りが小さくなる傾向が見られる。これはポストモールドキュア(工程3)により封止樹脂の硬化反応が促進されたことに起因する。
(半導体装置の反りによる信頼性評価試験への影響)
前記のような各熱処理工程における半導体装置全体の変形(反り)により、半導体装置内にある支持体と半導体素子を接着している熱硬化性接着剤組成物の硬化層に応力が生じることになる。特に、封止工程(工程2)の段階における半導体素子が接着された支持体の反りが重要であり、通常封止工程は175℃付近の温度で行われるが、175℃の反りが大きい場合には封止時の封止樹脂の圧力によって支持体に接着された半導体素子の反りが抑えられ半導体装置に著しい応力が蓄積されることとなる。さらに、その状態でポストモールドキュア(工程3)、IRリフローなどの熱処理工程を経ると、封止時に蓄積された応力に加え、各熱処理工程時の半導体装置各部材の熱膨張に伴う応力の発生により半導体装置の内部応力はより一層高くなる。
半導体装置におけるダイアタッチ部分の剥離や封止樹脂のクラックという不具合は、上記のように発生する半導体装置内の応力の和が、ある一定の範囲を超えることにより生じるものと考えられる。このため、上述のように封止によって蓄積される応力が大きくなるほど半導体装置の信頼性評価での熱、吸水などによる応力の許容範囲は小さくなり、リフロー工程等の高温環境下における信頼性が低下することとなる。
これに対して熱硬化性接着剤組成物を介して支持体と半導体素子を接着する工程(工程1)が終了した後、封止工程(工程2)時の封止温度における支持体に接着された半導体素子の反りを小さくすることにより、封止時の応力の発生を抑えることができ、結果として各熱処理工程時の半導体内部に発生する内部応力を低減することができる。
上記のような半導体装置内部に発生する応力を低減させるための具体的手段としては、熱硬化性接着剤組成物を介して支持体と半導体素子を接着する工程(工程1)で、半導体素子を支持体に固定し始める温度を封止工程における封止温度に近づけること、が一例として挙げられる。その理由は、支持体と半導体素子を接着する工程(工程1)での反りは、硬化性接着剤組成物が硬化を開始し、半導体素子を支持体に固定し始めたときから発生すると考えるためである。これにより封止工程(工程2)の封止温度における反りを低減することが可能となり、半導体装置内部に発生する応力の低減を可能とする。
接着工程(工程1)において熱硬化性接着剤組成物が硬化し、半導体素子を支持体に固定し始める温度を制御できているか否かは、熱硬化性接着剤組成物の粘弾性測定(測定条件:昇温速度 10℃/min、周波数 1Hz、せん断応力 4000Pa、サンプルサイズ 25mmφ×厚み50μm、測定装置 HAAKE社製 RS−150)により評価することができる。
また、実際に封止工程(工程2)の封止温度において、支持体に接着された半導体素子の反りが平坦であるか否かは、所定の反り評価試験により評価することができる。本評価において支持体と半導体装置とを熱硬化性接着剤組成物を介して接着させた後のシリコンチップ反りを取り、当該反りの値が所定の範囲となるような熱硬化性接着剤組成物を用いることにより、封止用樹脂の圧力、体積収縮によって蓄積する応力を軽減することができる。
なお、接着工程(工程1)後、熱硬化性接着剤組成物の硬化開始温度の調整を行うだけでは、上述のような半導体装置内に発生する応力に起因する問題を解決することはできるものの、実際の半導体装置の生産工程における他の問題を解決することはできない。例えば、硬化終了後に行われるワイヤーボンディング工程における半導体素子の支持体からの剥離やワイヤーと半導体素子との接合不良といった問題がある。これらの問題は熱硬化性接着剤組成物の硬化反応が不十分であったために充分な接着力や弾性率が得られないため生じる。よって本発明に係る接着工程(工程1)の後の硬化開始温度を調整した熱硬化性接着剤組成物であっても上記のような生産工程上での問題を起こさないためには、接着工程(工程1)後の接着力(4x4mmのシリコンチップとの接着性、測定温度250℃)が4N以上、250℃における弾性率(測定条件:JIS K7244、引張モード、昇温速度 5℃/min、周波数 10Hz、サンプルサイズ 4×15mm×厚み200μm、測定装置 セイコーインスツルメンツ社製 DMS6100)が50MPa以上1000MPa以下であることが好ましい。
(接着強度の測定方法)
半導体装置の製造に用いられる熱硬化性接着剤組成物に要求される接着強度の評価方法について詳細に説明する。熱硬化性接着剤組成物を介して接着された支持体とシリコンチップとの接着強度は、支持体に熱硬化性接着剤組成物を介して4×4mm□のシリコンチップ(厚み:525μm)を接着し、250℃におけるシェア強度を測定することで評価することができる。通常25N以上の接着強度が出れば、ワイヤーボンディング時や封止時に剥がれてしまうことはないため、25Nを超えるかどうかを判断基準とする。
なお図1に示される支持体3とシリコンチップ4とを熱硬化性接着剤組成物で硬化接着する場合は、接着後の熱硬化性接着剤組成物の硬化層2が厚み20μm以上30μm以下になるように塗布量を調整して接着し、測定することが好ましい。
(反り評価方法)
反り評価を行うための試験用半導体装置1として、図1に例示するような熱硬化性接着剤組成物2を介して支持体3とシリコンチップ4とを硬化接着したものを用いる。
繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体を支持体とする場合、測定条件としてはガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度(120−140℃)、サイズ:15x15mm、厚み:0.44mm)からなる支持体上に熱硬化性接着剤組成物を塗布し、熱硬化性接着剤組成物の硬化層の厚みが20μm以上30μm以下となるようにシリコンチップ(10mm□、厚み0.2mm)を配置する。その後、前記加熱条件A(前記工程(1)における加熱条件)により前記熱硬化性接着剤組成物を硬化させ前記樹脂支持体とシリコンチップを接着する。接着後の半導体素子の前記加熱条件B(封止工程(工程2)における加熱条件)における反り量を反り量1とする。
前記の通り定義した反り量1は以下の方法で測定、算出した。
温度可変レーザー三次元測定機(日立エンジニアリングアンドサービス社製、LSI−150)を用いてシリコンチップ表面中央部の高さおよびシリコンチップ表面四隅の高さを測定し、シリコンチップ表面中央部の高さとシリコンチップ表面四隅との差を反り量1とした。より具体的には、シリコンチップの対角を結ぶ対角線をスキャニングすることにより対角線の形状を求め、対角の高さの平均と中央部の高さの差を求めることにより反り量1を算出した。
反り量1は−10μm以上10μm以下であることが好ましい。反り量1が上記範囲下限値以上または上記範囲上限値以下であれば封止時の封止樹脂による半導体内部に蓄積する応力を低減することができる。
本発明にに用いられる熱硬化性接着剤組成物は、熱硬化性樹脂および充填剤を含むことが好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば液状シアネート樹脂、液状エポキシ樹脂、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、アリルエステル系化合物等のラジカル重合可能な官能基を有する化合物、アリル基を有するトリアリルイソシアヌレート、フェノール樹脂等が挙げられる。前記液状エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルアミン型の液状エポキシ樹脂等が挙げられるが、硬化後に接着性や弾性率など半導体装置の組立てに十分な特性を得るためにはラジカル重合可能な官能基を有する熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。また成形加工性と言う観点からは、硬化性の良いラジカル重合可能な官能基が不飽和炭素−炭素結合である熱硬化性樹脂を含んでいることが好ましい。また本発明の目的を達成することが可能な範囲で、また硬化性、作業性、信頼性等に影響を与えない範囲でラジカル重合可能な官能基を有する化合物と、例えばエポキシ樹脂等と併用することも可能である。
本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物に用いることができる熱硬化性樹脂の一つである(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、例えば2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイルキシエチルフタル酸、2−(メタ)アクリロイルキシプロピルフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルメチルテトラヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルメチルテトラヒドロフタル酸、2−ヒドロキシ1,3ジ(メタ)アクリロキシプロパン、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4―シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート、エチル−α−(ヒドロキシメチル)(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ターシャルブチル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、その他のアルキル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャルブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフロロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロブチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ラウロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ステアロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,2−ジ(メタ)アクリルアミドエチレングリコール、ジ(メタ)アクリロイロキシメチルトリシクロデカン、2−(メタ)アクリロイロキシエチル、N−(メタ)アクリロイロキシエチルマレイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、N−(メタ)アクリロイロキシエチルフタルイミド、n−ビニル−2−ピロリドン、スチレン誘導体、α−メチルスチレン誘導体、(メタ)アクリル変性ポリブタジエンなどがあるが特に限定しない。
また、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物は、硬化性、作業性、接着性、信頼性等の点より2種類以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を併用してもかまわない。また、前記(メタ)アクリロイル基を有する化合物が、1分子に官能基を2つ以上含む多官能の(メタ)アクリロイル基を有する化合物であっても構わない。
また本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物に用いることができる熱硬化性樹脂の一つであるマレイミド環を有する化合 化合物としては、例えば1,2−ビス(マレイミド)エタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、6,7−メチレンジオキシ−4−メチルー3−マレイミドクマリン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−フェニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−スクシンイミジル3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル3−マレイミドプロピレート、N−スクシンイミジル3−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル3−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンズイミドリル)フェニル]マレイミド、炭酸9−フルオレニルメチルN−スクシンイミジル、炭酸2−ブロモベンジルスクシンイミジル 、3,3’−ジチオジプロピオン酸ジ(N−スクシンイミジル)、炭酸ジ(N−スクシンイミジル)、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(N−スクシンイミジル)ウロニウムテトラフルオロボラート、N−(1,2,2,2−テトラクロロエトキシカルボニルオキシ)こはく酸イミド、N−(2−クロロカルボベンゾキシオキシ)こはく酸イミド、N−(tert−ブトキシカルボニル)−O−ベンジル−L−セリンN−スクシンイミジル、N−アミノこはく酸イミド塩酸塩、N−ブロモこはく酸イミド、N−カルボベンゾキシオキシこはく酸イミド、N−クロロこはく酸イミド、N−エチルこはく酸イミド、N−ヒドロキシこはく酸イミド、N−ユードこはく酸イミド、N−フェニルこはく酸イミド、N−サクシニミジル6−(2,4−ジニトロアニリノ)ヘキサノエート、N−サクシニミジル6−マレイミドヘキサノアートなどが挙げられるが、好ましくは1分子中に2つのマレイミド環をもつビスマレイミドが硬化という観点からは好ましい。その2つのマレイミド環を脂肪族や芳香族の炭化水素やそれらの炭化水素からなるアルキレン基をエーテルやエステルなどを介し結合していても構わない。
前記マレイミド環を有する化合物の含有量は、特に限定されないが、前記液状樹脂組成物全体の0.5重量%以上25重量%以下であることが好ましく、特に1重量%以上18重量%以下であることが好ましい。含有量が前記下限値以上とすることにより半導体素子の支持体への好適な密着力を得ることが可能となる。また前記上限値以下とすることにより接着剤組成物を硬化した後の硬化物の弾性率を好適なものとし、前記硬化物の脆さに起因する半導体素子へのクラック発生を抑制することができる。
また本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物では上述の通りラジカル重合可能なブタジエン化合物の重合体または共重合体を使用することができる。ブタジエン化合物の重合体または共重合体を使用することで熱硬化性接着剤組成物の硬化物に低応力性を付与することができる。この低応力性の付与により半導体素子と支持体との密着性が向上し剥離が生じにくいものとなる。なお、熱硬化性接着剤組成物の硬化物に付与される低応力性に対してはブタジエン化合物の重合体または共重合体の主鎖骨格構造の影響が大きい。この点ブタジエンの重合体または共重合体のミクロ構造に着目した場合、溶媒として重クロロホルムを使用した1H−NMR(400MHz)における1.8〜2.2ppm(1,4ビニル結合)および4.8〜5.1ppm(1,2ビニル結合)のピーク面積比より算出した1,4ビニル結合と1,2ビニル結合の合計に対し1,4ビニル結合の割合が50%以上であることが好ましい。1,4ビニル結合の割合が多い方がブタジエン化合物の重合体または共重合体としての粘度が低く、得られた樹脂組成物の支持体への塗布等の作業性が優れ、その硬化物の低温における低応力性に優れるからである。より好ましくは、1,4ビニル結合の割合が、60%以上85%以下である。
本発明に用いられる熱硬化性接着剤組成物にブタジエン化合物の重合体または共重合体を用いる場合、その好ましい配合量は、樹脂組成物中1重量%以上15重%部以下である。前記範囲内とすることにより好適な作業性と低応力性を得ることができる。
本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物においては、他の樹脂との相溶性を高くする目的としては、官能基を有しているポリブタジエンを用いることがより好ましい。ポリブタジエンが有する具体的な官能基としては、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはマレイン酸基などが挙げられる。これらの官能基の中でも、相溶性が高くなり、塗布作業性に優れた樹脂組成物が得られる点でマレイン酸基を有するポリブタジエンを使用することがより好ましい。
また本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物に用いられる熱硬化性樹脂としては、アリルエステル系化合物を用いることができる。アリルエステル系化合物としては、例えばジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリート、ジアリルマレート、アリルメタクリレート、アリルアセトアセタートなどが挙げられる。
アリルエステル系化合物の数平均分子量は、特に限定されないが、500〜10,000が好ましく、特に500〜8,000が好ましい。数平均分子量が前記範囲内であると、硬化収縮を特に小さくすることができ、密着性の低下を防止することができる。
上述したような数平均分子量を有するアリルエステル系化合物としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−ノルボルネン−endo−2,3−ジカルボン酸、1,4−ジシクロジカルボン酸、アジピン酸等のジカルボン酸やそのメチルエステル誘導体と炭素数2〜8であるアルキレンジオールにより合成されたポリエステルの末端にアリルアルコールをエステル化により付加した両末端アリルエステル系化合物等が挙げられる。
本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物にアリルエステル系化合物を使用する場合、その含有量は、特に限定されないが、前記樹脂組成物全体の0.01重量%以上15重量%以下であることが好ましく、特に1〜11重量%が好ましい。含有量を前記下限値以上とすることにより硬化物の脆さを抑え、前記上限値以下とすることによりブリードの発生を抑制することができる。
本発明で使用される熱硬化性接着剤組成物に用いる熱硬化性樹脂は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、ブタジエン化合物およびアリルエステル系化合物の中から選ばれる少なくとも2種以上を含むものとすることができる。これにより、密着性と耐熱性とのバランスに特に優れた熱硬化性接着剤組成物を得ることができる。
前記マレイミド環を有する化合物やアリルエステル系化合物は、芳香族環を有さないことが好ましい。芳香族環は剛直な構造であり、その存在により硬化物の剛性が上がりすぎ硬化物が脆くなり、その結果半導体装置にクラックの発生が起こりやすくなるためである。この様な問題を解決するという観点では、ポリアルキレンオキサイドを主骨格に有することが好ましい。ポリアルキレンオキサイドを用いることにより260℃環境温度下において高弾性率でありながら脆さが抑制された接着剤組成物となり、半導体装置のクラック等の発生が抑制されると考えられる。
前記ポリアルキレンオキサイド中の繰り返しユニットに含まれるアルキレン基中の炭素数は3以上6以下が好ましい。炭素数が前記下限値以上であることにより、硬化物の吸水特性の低下を抑制し、IRリフロー工程における信頼性に必要な接着性を維持することができる。また炭素数を前記上限値以下とすることにより熱硬化性接着剤組成物自体の疎水性の上昇を抑え金属に対し好適な接着性を得ることができる。
本発明に用いられる熱硬化性接着剤組成物には、充填剤を含むことが好ましい。これにより粘度やチキソ性の調整や熱時弾性率などを向上させることができ、支持体もしくは半導体素子への塗布作業等の取り扱いが容易なものとなる。
前記の充填剤には導電性を付与するために銀、金、ニッケル、鉄等の金属粉を用いることができる。また、絶縁性を付与するためには例えばシリカ、アルミナのようなセラミック粒子または熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂の粒子を使用することができる。一般的に充填剤として使用されている粒子の形状には鱗状、球状、樹脂状、粉状等の種々の形状を有するものがあるが、本発明では形状については特に限定するものではない。
前記充填剤の含有量は、本願発明に係る熱硬化性接着剤組成物全体の60〜90重量%が望ましく、特に70〜85重量%が望ましい。含有量を前記範囲内とすることにより粘度やチキソ性を好適なものとすることができ、作業性を向上させることができる。
前記充填剤の平均粒子径は、1μm以上10μm以下が好ましく、特に2μm以上7μm以下が好ましい。平均粒子径を前記下限値以上とすることにより接着剤組成物の粘度を好適なものとすることができる。また、前記上限値以下とすることによりノズルのつまり等の成形時の問題を低減することができる。なお、前記平均粒子径は、例えばレーザー回析・散乱法を用いた粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法において用いられる熱硬化性接着剤組成物は、熱硬化性樹脂にラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含む場合、ラジカル開始剤を併用することが好ましい。
前記ラジカル開始剤としては、例えばメチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、1,1−ジ(tert−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチルー4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレラート、2,2−ジ(4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン)プロパン、p−メタンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、tert−ブチルヒドロパーオキサイド、ジ(2−tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジーtert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキサイド、ジラウリルパーオキサイド、ジ(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ベンゾイル(3−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド、ジ(4−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジn−pロピルパーオキシジカルボネート、ジイソプロピルパーオキシジカルボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカルボネート、ジsec−ブチルパーオキシジカルボネート、クミルパーオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシネオデカネート、tert−ヘキシルパーオキシネオデカネート、tert−ブチルパーオキシネオヘプタネート、tert−ヘキシルパーオキシピバラート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、2,5−ジメチル−2,5、−ジ(2−ジエチルヘキノイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネート、tert−ヘキシパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシ3,5,5−トリメチルヘキサネート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシモノカーボネート、tert−ヘキシルパーオキシベンゾネート、2,5―ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、tert−ブチルパーオキシアセトネート、tert−パーオキシー3−メチルベンゾネート、tert−ブチルパーオキシベンゾネート、tert−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート、3,3‘,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等が挙げられるが、これらを必要に応じて複数使用しても良い。また、これらの中でも保存性と硬化性の観点から分解開始温度が90〜160℃のものが好ましい。分解開始温度を前記範囲下限値以上とすることにより保存性に優れ、前記範囲上限値以下とすることにより硬化性に優れるものとなる。なお、分解開始温度は示差熱走査分析(DSC)により求められる。ステンレス製の密封型容器に約1mgの開始剤を入れ、10℃/分の昇温速度で試料を加熱し、求められる発熱ピークより分解開始温度を測定できる。
本願に係る半導体装置の製造方法において用いられる熱硬化性接着剤組成物は、必要によりカップリング剤、消泡剤、界面活性剤等の他の添加剤を含有していても構わない。
(熱硬化性接着剤組成物の使用方法)
本発明に係る半導体装置の製造方法において用いられる熱硬化性接着剤組成物の使用方法について具体的な例を用いてに説明する。
本発明に係る半導体装置の製造方法において用いられる熱硬化性接着剤組成物が液状接着剤の場合、上述したような各種成分を予備混合した後、3本ロールを用いて混練を行い、更に真空脱泡することにより、液状接着剤を得ることができる。得られた液状接着剤は市販のダイボンダーを用いて、例えば支持体(特にリードフレーム)の所定の部位にディスペンス塗布された後、半導体素子をマウントして加熱硬化する。その後、ワイヤーボンディングして、エポキシ樹脂等を主成分とする封止樹脂を用いてトランスファー成形することにより半導体装置を得ることができる。
なお、フィルム状接着剤についても上記と同様に使用することができる。この場合、例えば支持体にフィルム状接着剤をラミネートした後、同様の工程により、半導体装置を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
(熱硬化性接着剤組成物の調製)
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)および1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1記載の混合比率にて配合し、3本ロールにて混合し、更に真空脱泡して熱硬化性接着剤組成物を得た。
(実施例1 接着強度)
実施例1の熱硬化性接着剤組成物について、下記の接着強度の測定方法に従い、支持体をガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度120−140℃)とし、175℃15分の硬化条件による硬化後、250℃環境下における接着強度を測定した。結果は45Nであった。
(実施例1 反り評価)
実施例1の熱硬化性接着剤組成物を用いて樹脂支持体とシリコンチップとを硬化接着し、反り量1を測定した。反り量1は−5.9μmであった。
(半導体装置の作製)
厚み0.3mmのBT基板を支持体とし、シリコンチップ(7x7mm、厚み0.35mm)を配置する。その後半導体封止用エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製、EME−G760)を用いて、5.5×6.6×1.0mmのパネル状に封止し、その後175℃、4時間ポストモールドキュアを行い、吸水しない状態でIRリフローを1度通す。その後ボディサイズ:10×12mmにダイシングソーを用いて個片化することにより半導体装置(MAPBGA)を得た。以下実施例2乃至7、並びに比較例についても同様に半導体装置を作製した。
(実施例2)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
(実施例2 接着強度)
実施例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は36Nであった。
(実施例2 反り評価)
実施例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−0.5μmであった。
(実施例3)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製およびパーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
(実施例3 接着強度)
実施例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は32Nであった。
(実施例3 反り評価)
実施例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−9.1μmであった。
(実施例4)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
(実施例4 接着強度)
実施例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は35Nであった。
(実施例4 反り評価)
実施例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は8.3μmであった。
(実施例5)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物として2−メタクリロイロキシエチルコハク酸(共栄社化学(株)製、ライトエステルHO−MS)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
(実施例5 接着強度)
実施例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は28Nであった。
(実施例5 反り評価)
実施例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は2.2μmであった。
(実施例6)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
(実施例6 接着強度)
実施例6の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は38Nであった。
(実施例6 反り評価)
実施例6の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−8.8μmであった。
(実施例7)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物として1,4−シクロヘキサンジメタノールモノアクリレート(日本化成化学(株)製、CHDMMA)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径0.5μmの球状シリカ、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
(実施例7 接着強度)
実施例7の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は31Nであった。
(実施例7 反り評価)
実施例7の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−6.4μmであった。
(比較例1)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)を、ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)を、上記熱硬化性樹脂の硬化剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
(比較例1 接着強度)
比較例1の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は44Nであった。
(比較例1 反り評価)
比較例1の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−29.7μmであった。
(比較例2)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
(比較例2 接着強度)
比較例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は35Nであった。
(比較例2 反り評価)
比較例2の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−24.2μmであった。
(比較例3)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、アリルエステル系化合物としてポリアルキレンエステル含有アリルエステル(昭和電工(株)製、アリルエステル樹脂DA101)を、ラジカル開始剤として1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、ラジカル重合可能な官能基を有しない化合物としてジグリシジルビスフェノールF(日本化薬(社)製、RE−303S)を、クレジルグレシジルエーテル(阪本薬品(社)製、CGE)を、上記熱硬化性樹脂の硬化剤としてビスフェノールF(DIC(株)製、DIC−BPF)およびジシアンジアミド(旭電化(株)製、EH3636AS)を、硬化促進剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール(キュアゾール2P4MHZ:四国化成工業(株)製)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)およびテトラスルフィドジトリエトキシシラン(ダイソー(株)製、CABRUS4)を表1のように配合した。
(比較例3 接着強度)
比較例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は18Nであった。
(比較例3 反り評価)
比較例3の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は13.9μmであった。
(比較例4)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてテトラヒドロフルフリルメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステルTHF)、プロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)および1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径3μm、最大粒径20μmのフレーク状銀粉を、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
(比較例4 接着強度)
比較例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は23Nであった。
(比較例4 反り評価)
比較例4の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−14.6μmであった。
(比較例5)
接着剤を構成する樹脂組成物の配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
ラジカル重合可能な官能基を有する化合物としてプロピルジメタクリレート(共栄社化学(株)製、ライトエステル3PG)およびUM−90(1/1)DA(宇部興産株式会社製、1,6−ヘキサンジオール/1,4−ジメタノールシクロヘキサン(=1/1)と炭酸ジメチルから合成したポリカーボネートジオール(分子量約900)にアクロイル基を導入したポリカーボネートジアクリレート)、マレイミド環を有する化合物としてポリアルキレンマレイミド酢酸エステル(DIC(株)製、ルミキュアMIA−200)を、ブタジエン化合物の重合体または共重合体として1,4ビニル結合の割合が72%のポリブタジエンと無水マレイン酸との反応により得られる無水マレイン酸変性ポリブタジエン(数平均分子量3100、酸価74meqKOH/g、Satomer社製、Ricobond1731)を、ラジカル開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日本油脂(株)製、パーロイルL)および1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日本油脂(株)製、パーヘキサCS)を、充填剤として平均粒径0.5μmの球状シリカを、添加剤としてγ−グリシジルプロピルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)製、KBM−403E)を表1のように配合した。
(比較例5 接着強度)
比較例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で接着強度を測定した。結果は33Nであった。
(比較例5 反り評価)
比較例5の熱硬化性接着剤組成物について、実施例1と同様の方法で反りを測定した。反り量1は−16.2μmであった。
(接着強度の測定方法)
各実験例において測定した接着強度の測定方法の詳細は下記の通りである。
4×4mmシリコンチップを支持体としてガラス−エポキシ積層板(FR−4、ガラスクロス2層、表面太陽インキ PSR−4000AUS308、ガラス転移温度120−140℃)上にマウントし、表面温度が175℃に設定されたオーブン中で15分加熱し、硬化した。硬化直後250℃での熱時ダイシェア強度を測定した(単位:N/チップ)。この時の測定値が25N/チップ以上であるものを合格とした。
各実施例および比較例の接着剤組成物を用いて得られた半導体装置について、下記の耐半田クラック性の評価を行った。評価項目を内容と共に示す。得られた結果を表1に示す。
(耐半田クラック性)
各実施例及び比較例について、上記にて製造された半導体装置を85℃、相対湿度60%の条件下で168時間吸湿処理した後、IRリフロー処理(260℃、10秒、3回リフロー)を行い、処理後のパッケージを超音波深傷装置(透過型)により剥離の程度を測定した。各符号は、以下の通りである。
○:半導体装置内部の半導体素子の剥離が発生しなかった。
×:半導体装置内部の半導体装置の剥離が発生した。
実施例1〜7は、反り評価試験における反り量が所定の条件式を満たすものであり、半導体装置製造後における、IRリフロー処理を行っても半導体素子の剥離は発生しなった。一方、比較例は反り量の条件式を満たすものではなく総て半導体素子の剥離が発生した。
本発明により得られる熱硬化性接着剤組成物を用いると、IRリフロー処理等による高温環境下であっても耐半田クラック性に優れた半導体装置を得ることができる。
1・・・熱硬化性接着剤組成物の硬化層
2・・・支持体
3・・・シリコンチップ
11・・・試験用半導体装置

Claims (11)

  1. 繊維状支持基材に熱硬化樹脂を含浸させてなる樹脂支持体と半導体素子とを熱硬化性接着剤組成物を用いて所定の加熱条件Aにて接着する工程と、
    前記工程により接着された支持体と半導体素子とを所定の加熱条件Bにて封止用樹脂組成物により封止する工程と、
    前記工程により封止された後、熱処理する工程と
    を有する半導体装置の製造方法であって、
    前記熱硬化性接着剤組成物が、以下の反り評価試験において、その反り量1が下記条件式1を満たすものである半導体装置の製造方法。
    [反り評価試験:シリコンチップ(サイズ:10×10mm、厚み:0.2mm)を支持体(ガラス/エポキシ積層板製、サイズ:15×15mm、厚み:0.44mm)上に前記熱硬化性接着剤組成物に前記加熱条件Aにより硬化接着し(熱硬化性接着剤組成物の硬化層厚み:20μm以上30μm以下)、接着後前記加熱条件Bにて2分間加熱した後の反り量1を測定する。]
    [条件式1:−10(μm)≦反り量1≦10(μm)]
  2. 前記熱硬化性接着剤組成物が、ラジカル重合可能な官能基を有する化合物を含むものである請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記化合物のラジカル重合可能な官能基が不飽和炭素−炭素結合である請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記化合物のラジカル重合可能な官能基が、(メタ)アクリロイル基である請求項2または3記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、マレイミド環を有する化合物である請求項2乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記マレイミド環を有する化合物が、芳香族環を有さないビスマレイミド化合物である請求項5記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記ラジカル重合可能な官能基を有する化合物が、ブタジエン化合物の重合体または共重合体である請求項2または3に記載の半導体装置の製造方法。
  8. 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体の分子内に少なくとも1つの官能基を有する請求項7記載の半導体装置の製造方法。
  9. 前記ブタジエン化合物の重合体または共重合体が有する官能基が、ビニル基、エポキシ基、カルボキシ基、水酸基またはマレイン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1つの官能基である請求項8記載の半導体装置の製造方法。
  10. (メタ)アクリロイル基を有する化合物、マレイミド環を有する化合物、ブタジエン化合物およびアリルエステル系化合物からなる群より選ばれる少なくとも2種以上の化合物を含むものである請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  11. 前記アリルエステル系化合物が、芳香族環を有さないアリルエステル系化合物である請
    求項10に記載の半導体装置の製造方法。
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JP2009164500A (ja) * 2008-01-10 2009-07-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd 接着剤および半導体パッケージ

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