JP2011186866A - プラント監視・制御装置およびその保守支援方法 - Google Patents

プラント監視・制御装置およびその保守支援方法 Download PDF

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Abstract

【課題】パラメータチューニングの作業効率を向上させる。
【解決手段】保守支援装置3は、制御装置2の演算素子パラメータ情報222の一部の演算素子パラメータの値を仮設定するとき、制御ロジック情報321に含まれる演算素子から仮設定対象演算素子を選択して、仮設定対象演算素子情報323を生成し、オペレータにより入力される演算素子のパラメータの値から仮設定演算素子パラメータ情報325を生成。制御装置2は、保守支援装置3から送信される仮設定対象演算素子情報323を仮設定対象演算素子情報223として記憶し、演算素子パラメータ情報222のうち仮設定対象演算素子情報223で指定される演算素子に対応付けられた仮設定前の演算素子パラメータ情報を退避演算素子パラメータ情報224として記憶し、保守支援装置3から送信される仮設定演算素子パラメータ情報325を用いて、退避された部分の演算素子パラメータ情報222を更新。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラントの運転状態を監視・制御するプラント監視・制御装置およびその保守支援方法に関する。
一般に、発電プラントなどで用いられるプラント監視・制御装置は、プラントの各機器からその運転状況を示す情報(例えば、ボイラの温度、燃焼ガスの流量、タービンの回転速度など)や、監視・操作センタのオペレータによって入力される指示情報に基づき、所定の目的(例えば、タービンの回転速度を一定に保つなど)を達成するために、各機器を制御する情報(例えば、燃焼ガスの流量の増減量など)を出力する。そのために、プラント監視・制御装置には、プラントの各機器から入力される情報と、オペレータによって入力される指示情報と、を用いてプラントの各機器に出力する制御情報を演算するための制御ロジックが組み込まれている。そして、その制御ロジックには、様々な演算素子が含まれている。
その演算素子の中には、比例積分素子や折れ線関数素子など、その素子の動作を定めるために所定のパラメータを定義しなければならないものがある。そのような演算素子は、プラント監視・制御装置の制御ロジックで頻繁に用いられ、しかも、そのパラメータの値が制御ロジックの出力(制御情報)に大きな影響を与える場合も多い。そのため、プラントを実際に稼働させて、そのパラメータを現実によく適合するように合わせ込む作業が行われる。その作業は、パラメータチューニングと呼ばれる。
なお、本明細書では、そのパラメータチューニングに、一時的に使用するパラメータの値を設定することを、「仮設定」と呼ぶ。また、プラントの本稼働などに永続的に使用するパラメータとして設定することを、「本設定」と呼ぶ。従って、「本設定」されるパラメータの値は、パラメータの「仮設定」とプラントの試験稼働とを繰り返して得られる最適値が用いられることになる。
引用文献1には、プラント監視・制御装置の制御ロジックにおけるパラメータチューニングの例、とくに、そのチューニングを支援するコンピュータ(保守支援装置)における操作画面や処理手順の例が開示されている。
特開平11−167413号公報
しかしながら、引用文献1では、パラメータの仮設定と本設定とをとくに区別することがされていないため、次のような不都合が生じている。
引用文献1に記載の支援ツールの操作画面には、制御ロジックの図面が表示され、その表示画面に表示されたパラメータチューニング対象の演算素子の近傍には、そのときその演算素子に設定されているパラメータが表示される。パラメータチューニングの試験担当者には、その表示されたパラメータが、本設定により設定されたものなのか、仮設定により設定されたものなのか、分からなくなることがあった。
この場合、パラメータチューニングの試験担当者が演算素子を選択してその演算素子のパラメータが、本設定により設定されたものか、仮設定により設定されたものかを確認するためには、その演算素子のパラメータ設定画面を表示させて、そのパラメータが本設定により設定されたものであるか、仮設定により設定されたものであるかを判断するという面倒な操作が必要であった。
また、従来用いられている保守支援装置のコンピュータで仮設定によるパラメータチューニングを行う場合には、仮設定したパラメータは制御装置の記憶装置に記憶され、保守支援装置のコンピュータには仮設定前のパラメータが記憶される。この保守支援装置のコンピュータに記憶された仮設定前のパラメータを用いて、制御装置に記憶された仮設定したパラメータをいつでも元に戻すことができる。しかしながら、その元に戻す機能があるがゆえに、試験担当者による何らかの操作誤りによって、仮設定したパラメータが元に戻された場合には、それまで仮設定したパラメータが失われるようなことがあった。
以上のように、従来のプラント監視・制御装置では、制御ロジックのパラメータチューニングを行う場合、その作業効率を向上させるための配慮が十分になされていなかった。そのため、パラメータチューニングの作業効率を十分に向上させることができなかった。
そこで、本発明は、パラメータチューニングの作業効率を向上させることが可能なプラント監視・制御装置およびその保守支援方法を提供することを目的とする。
本発明のプラント監視・制御装置は、制御装置と保守支援装置とにより構成され、制御装置の記憶装置には、プラントのアクチュエータへ出力する制御情報を演算するための制御ロジック情報およびその制御ロジック情報に含まれる演算素子の演算素子パラメータ情報が記憶され、制御装置は、その制御ロジック情報に従って演算処理を行い、制御情報をプラントへ出力し、また、保守支援装置は、制御装置の記憶装置に記憶されている演算素子パラメータ情報を仮設定して制御装置のパラメータチューニングを支援する。
そして、その制御装置は、保守支援装置から演算素子パラメータ情報の仮設定を求める仮設定要求情報を受信したときには、(1)保守支援装置から送信される仮設定対象演算素子情報を受信し、記憶措置に記憶しておき、(2)記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報のうち、仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けられた演算素子パラメータ情報を退避し、(3)保守支援装置から送信される仮設定演算素子パラメータ情報を受信して、その仮設定演算素子パラメータ情報により記憶装置に記憶されている演算素子パラメータ情報を更新することを特徴とする。
本発明のプラント監視・制御装置では、制御装置の記憶装置に仮設定対象演算素子情報が記憶されるので、仮設定対象演算素子を他の演算素子と識別することが可能になる。従って、保守支援装置の表示装置に表示される制御ロジック図上で、仮設定対象演算素子を他の演算素子と識別可能に表示することが可能になる。また、仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けられた仮設定後の演算素子パラメータ情報を保守支援装置にバックアップしておくことも可能になる。
本発明によれば、プラント監視・制御装置におけるパラメータチューニングの作業効率が向上する。
本発明の実施形態に係るプラント監視・制御装置の構成の例を示した図。 保守支援装置の表示装置に表示される表示画面の例を示した図であり、(a)は、演算素子パラメータ設定前の制御ロジック図表示画面の例、(b)は、演算素子パラメータ設定画面の例、(c)は、演算素子パラメータ設定後の制御ロジック図表示画面の例。 制御装置の記憶装置に記憶される制御ロジック情報および演算素子パラメータ情報の構成の例、ならびに、保守支援装置で設定されてその記憶装置に記憶される仮設定対象演算素子情報および仮設定演算素子パラメータ情報の構成の例を示した図。 演算素子パラメータを仮設定する場合の情報の流れの様子を示した図。 演算素子パラメータの仮設定処理の処理フローの例を示した図。 演算素子パラメータの本設定処理の処理フローの例を示した図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るプラント監視・制御装置の構成の例を示した図である。図1に示すように、本発明の実施形態に係るプラント監視・制御装置1は、1つ以上の制御装置2と保守支援装置3とが通信ネットワーク7を介して互いに通信可能に接続されて構成される。制御装置2は、演算処理装置21および記憶装置22を有する一般的なコンピュータまたはPLC(Programmable Logic Controller)などによって構成され、さらに、センサ情報入力装置23および制御情報出力装置24を含んでいる。
センサ情報入力装置23は、プラント内に設けられた各種のセンサ4(例えば、ボイラの温度計や燃焼ガスの流量計など)に接続され、センサ4からプラントの運転状態を表す情報(例えば、ボイラの温度や燃焼ガスの流量など)を取得する。また、制御情報出力装置24は、プラント内に設けられた各種のアクチュエータ5(例えば、燃焼ガス配管のバルブの開度を調節するモータ)に接続され、アクチュエータ5に対し、その駆動を制御する制御情報(例えば、燃焼ガス配管のバルブの開度情報など)を出力する。
制御装置2は、さらに、通信ネットワーク7を介して、プラントの中央管理室などに設置された監視・操作装置6に接続されている。監視・操作装置6は、監視用表示装置61および操作卓62を含んで構成される。監視用表示装置61は、壁などに埋め込まれた大画面の表示装置や卓上型の表示装置などにより構成され、また、操作卓62は、専用のスイッチボードや一般的なキーボードなどによって構成される。監視オペレータは、操作卓62を介して制御装置2に対する様々な指示情報を入力することができ、その入力された指示情報は、通信ネットワーク7を介して制御装置2へ送信される。
制御装置2内の記憶装置22には、制御ロジック情報221および演算素子パラメータ情報222が記憶されている。制御ロジック情報221は、センサ情報入力装置23から入力されるセンサ情報や監視・操作装置6から送信された指示情報などに基づき、アクチュエータ5へ出力すべき制御情報を演算する制御ロジックを、制御ロジック図として表すための情報である。なお、演算処理装置21は、制御ロジック情報221を実行可能なプログラムに変換した上で、そのプログラムを実行することにより制御情報を演算し、制御情報出力装置24へ出力する。
制御ロジック情報221が表す制御ロジック図には、様々な演算素子が含まれている。その演算素子の中には、比例積分素子や折れ線関数素子など、その動作特性を定めるパラメータの値を定める必要があるものがある。演算素子パラメータ情報222は、そのような演算素子それぞれについてそのパラメータの値を定めた情報である。なお、そのパラメータの値は、通常、制御ロジック情報221が表す制御ロジック図が設計されるとき、設計者の経験やシミュレーションなどに基づいて定められるが、必要に応じて、パラメータチューニングが行われる。
記憶装置22には、そのパラメータチューニングの際に必要となる仮設定対象演算素子情報223および退避演算素子パラメータ情報224が記憶されるが、その詳細については後記する。
保守支援装置3は、制御装置2の制御ロジック情報221や演算素子パラメータ情報222の設計、あるいは、制御装置2のパラメータチューニングなどに際して用いられ、演算処理装置31、記憶装置32、表示装置33、入力装置34などを有する一般的なコンピュータによって構成される。なお、表示装置33は、一般的な卓上型の液晶表示装置などであり、入力装置34は、一般的なキーボード、マウスなどである。
保守支援装置3は、記憶装置32に記憶されている制御ロジック情報321および演算素子パラメータ情報322を、それぞれ制御装置2の記憶装置22に記憶されている制御ロジック情報221および演算素子パラメータ情報222へローディングすることができる。なお、プラント監視・制御装置1に複数の制御装置2が含まれている場合には、記憶装置32には、それぞれの制御装置2ごとに、それぞれの制御装置2に対応付けられた制御ロジック情報321および演算素子パラメータ情報322が記憶される。ただし、本明細書では、繁雑になるのを避けるために、制御装置2を識別することについての説明を省略する。
仮設定対象演算素子情報323は、パラメータチューニングに際して、試験担当者が制御ロジック情報321に含まれる演算素子の中から選択した仮設定対象演算素子を識別する情報である。また、仮設定演算素子パラメータ情報325は、その選択した仮設定対象演算素子に対して、試験担当者が入力した仮設定するパラメータの値を記憶した情報である。これら仮設定対象演算素子の選択および仮設定演算素子パラメータの値の入力は、表示装置33および入力装置34を介して行われる。
記憶装置32には、パラメータチューニングの際に入力情報の記憶領域として用いられる仮設定対象演算素子情報323および仮設定演算素子パラメータ情報225が記憶されるが、その詳細については後記する。
図2は、保守支援装置3の表示装置33に表示される表示画面の例を示した図であり、(a)は、演算素子パラメータ設定前の制御ロジック図表示画面の例、(b)は、演算素子パラメータ設定画面の例、(c)は、演算素子パラメータ設定後の制御ロジック図表示画面の例である。試験担当者がパラメータチューニングを行うときには、保守支援装置3は、入力装置34から入力される所定の指示情報に従って、まず、図2(a)に示すような制御ロジック図を表示装置33に表示する。
図2(a)において、2重丸は、外部に対する入力端子または出力端子、四角は、演算素子、矢印は、情報または信号の移動方向を表している。ちなみに、図2(a)の例では、加算演算素子(+)、関数演算素子(Fx)、信号発生素子(SG)が含まれ、関数演算素子(Fx)および信号発生素子(SG)には、その動作特性を定めるパラメータの値を規定する必要がある。
なお、実際の制御ロジック図は、図2(a)のように簡単なものではなく、はるかに複雑なものであり、通常、複数画面に亘って表示される。その場合、1画面の制御ロジック図は、従来の紙の図面の1枚に対応させることが多い。例えば、図2(a)に示した制御ロジック図の例では、右下部分の長方形の枠内に、図面のシート番号(SN−003)が表示されている。
試験担当者は、表示装置33に表示された制御ロジック図(図2(a))を介して仮設定対象演算素子を選択することができる。その場合には、試験担当者は、例えば、マウスカーソルなどを用いて、関数演算素子(Fx)を選択する。そうすると、保守支援装置3は、図2(b)に示すような演算素子パラメータ設定画面を表示する。
図2(b)において、「演算素子名称」は、仮設定対象演算素子として選択された演算素子の種別を表す情報であり、「演算素子識別番号」は、その演算素子を当該制御ロジック図の中でユニークに識別する識別情報である。また、「X1,Y1,X2,Y2,・・・,X10,Y10」は、当該演算素子の動作特性を定めるパラメータの名称である。
ここで、前記の各パラメータの名称に対する「現在値」の欄には、当該演算素子に対して、そのとき制御装置2の演算素子パラメータ情報222に記憶されているパラメータの値が表示される。また、「入力値」の欄には、当該パラメータを設定するために試験担当者が入力したパラメータの値が表示される。また、「仮設定値」の欄には、「入力値」の欄に入力されたパラメータの値が、制御装置2の演算素子パラメータ情報222の当該パラメータの値として仮設定されたとき、その仮設定されたパラメータの値として表示される。
図2(b)の演算素子パラメータ設定画面には、その右下部に「グラフ」、「本設定」、「仮設定」、「終了」などのメニューボタンが表示されている。「仮設定」ボタンは、演算素子パラメータの仮設定処理の実行を指示するボタンであり、例えば、試験担当者が「入力値」の欄に各パラメータの値を入力した後、「仮設定」ボタンをクリックすると、後記にて詳しく説明する演算素子パラメータの仮設定処理が保守支援装置3および制御装置2においてそれぞれ実行される。
次に、その演算素子パラメータの仮設定処理の実行が終了すると、保守支援装置3は、図2(b)の演算素子パラメータ設定画面の「入力値」欄表示されていたパラメータの値を「仮設定値」の欄にも表示する。
さらに、保守支援装置3は、演算素子パラメータの仮設定した後に制御ロジック図を表示する場合には、図2(c)に示すように、その制御ロジック図において、仮設定対象演算素子(この例では、関数演算素子(Fx))を、例えば、色違いに表示したり、網掛け表示したり、「仮設定」の文字を表示したりすることによって、他の演算素子(仮設定非対象演算素子)と識別可能なように表示する。また、信号発生素子(SG)のように、演算素子付近にパラメータ値(K=2.5)が表示される場合は、パラメータ値を色違いに表示したり、「仮設定」の文字を表示したりすることによって、他の演算素子と識別可能なようにする。
また、図2(b)の演算素子パラメータ設定画面で、「本設定」ボタンがクリックされた場合には、保守支援装置3および制御装置2においては、後記にて説明する演算素子パラメータの本設定処理が実行される。また、「グラフ」ボタンがクリックされた場合には、保守支援装置は、そのとき仮設定されている演算素子パラメータで制御装置2およびプラントが実際に稼働したときに制御装置2において得られる、当該演算素子の出力信号やあらかじめ登録された主要信号の時間推移のグラフが表示装置33に表示される。
図3は、制御装置2の記憶装置22に記憶される制御ロジック情報221および演算素子パラメータ情報222の構成の例、ならびに、保守支援装置3で設定されてその記憶装置32に記憶される仮設定対象演算素子情報323および仮設定演算素子パラメータ情報325の構成の例を示した図である。
図3(a)に示すように、制御ロジック情報221は、演算素子名称、演算素子識別番号、シート番号、入力信号名、出力信号名などの情報を含んで構成され、当該演算素子が演算素子パラメータを含むものであれば、そのパラメータのパラメータ名称、パラメータ格納アドレスを、さらに含んで構成される。
ここで、演算素子名称は、その演算素子の種別を表す情報であり、演算素子識別番号は、当該演算素子を制御ロジック情報221でユニークに識別するための識別情報である。また、シート番号は、制御ロジック情報221が表す制御ロジック図が複数の図面に分割して表示される場合、その図面のページを識別する番号である。
また、入力信号名は、当該演算素子へ入力される信号の信号名称であり、他の演算素子の出力信号名または入力端子の信号名で表される。また、出力信号名は、当該演算素子から出力される信号の信号名称であり、他の演算素子の入力信号名または出力端子の信号名として用いられる。なお、1つの演算素子において、複数の入力信号名が設定されてもよく、また、複数の出力信号名が設定されてもよい。
また、パラメータ格納アドレスは、当該演算素子パラメータが演算素子パラメータ情報222の一部として記憶装置22に格納されたときの、記憶装置22におけるアドレスを表す情報である。なお、1つの演算素子に対して複数の演算素子パラメータが1セットにして記憶される場合には、パラメータ格納アドレスは、その1セットのパラメータの先頭アドレスのみを記憶するものとしてもよい。
次に、図3(b)に示すように、演算素子パラメータ情報222は、各演算素子のパラメータのパラメータ値のみから構成される。
なお、保守支援装置3の記憶装置32に記憶される制御ロジック情報321および演算素子パラメータ情報322は、制御装置2の記憶装置22に記憶される制御ロジック情報221および演算素子パラメータ情報222と同等の構成であるので、その構成は、図3(a)、(b)に示した通りである。
次に、図3(c)に示すように、保守支援装置3の記憶装置32に記憶される仮設定対象演算素子情報323は、仮設定対象演算素子として選択された演算素子についての演算素子名称、演算素子識別番号およびシート番号を含んで構成される。すなわち、保守支援装置3は、図2(a)の制御ロジック表示画面を介して仮設定対象演算素子が選択されると、制御ロジック情報321を参照して、その選択された仮設定対象演算素子についての演算素子名称、演算素子識別番号、シート番号などを取り出し、仮設定対象演算素子情報323として記憶装置32に記憶する。
次に、図3(d)に示すように、保守支援装置3の記憶装置32に記憶される仮設定演算素子パラメータ情報325は、図2(b)の演算素子パラメータ設定画面を介して入力される1つ以上の演算素子パラメータの値により構成される。
図4は、演算素子パラメータを仮設定する場合の情報の流れの様子を示した図であり、(a)は、試験担当者が仮設定対象演算素子パラメータの入力を終えた時点で保守支援装置3の記憶装置32に記憶されている情報の状況を表し、(d)は、演算素子パラメータの仮設定が終了した時点における制御装置2の記憶装置22に記憶されている情報の状況を表し、(b)、(c)は、(d)に到る途中経過を表している。
まず、試験担当者が演算素子パラメータを仮設定する場合には、保守支援装置3は、まず、表示装置33に図2(a)に示したような制御ロジック図を表示する。そして、試験担当者が、その表示された制御ロジック図の中から仮設定対象演算素子を選択すると、保守支援装置3は、制御ロジック情報321の中から、その選択された仮設定対象演算素子についての情報を抽出し、仮設定対象演算素子情報323を生成する(図4丸囲み1)。次に、保守支援装置3は、演算素子パラメータ設定画面(図2(b)参照)を介して入力される演算素子パラメータの値に基づき仮設定演算素子パラメータ情報325を生成する(図4丸囲み2)。
次に、仮設定対象演算素子情報323は、制御装置2へ送信され、仮設定対象演算素子情報223として記憶装置22に記憶される(図4丸囲み3)。
次に、制御装置2は、仮設定対象演算素子情報223の演算素子識別番号をキーにして制御ロジック情報221を検索して、演算素子識別番号が一致する演算素子のパラメータ格納アドレスを取得し、そのパラメータ格納アドレスが指し示すアドレスに格納されている演算素子パラメータ情報222のパラメータの値を取り出し、退避演算素子パラメータ情報224として、記憶装置22に記憶する(図4丸囲み4)。
次に、保守支援装置3が仮設定演算素子パラメータ情報325にそのパラメータ格納アドレスを添付した情報を制御装置2へ送信するので、制御装置2は、仮設定演算素子パラメータ情報325およびそのパラメータ格納アドレスを受信し、そのパラメータ格納アドレスが指し示すアドレスの演算素子パラメータ情報の値を、受信した仮設定演算素子パラメータ325で更新する(図4丸囲み5)。
以上により、保守支援装置3で選択され入力された演算素子の演算素子パラメータが制御装置2の演算素子パラメータ情報222に仮設定されたことになるので、パラメータチューニングの試験担当者は、その仮設定した演算素子パラメータにより制御装置2およびプラントを稼働させ、パラメータチューニングを行うことができる。なお、以上の演算素子パラメータが仮設定の場合には、保守支援装置3の記憶装置32に記憶されている演算素子パラメータ情報322には、何ら変更は加えられない。
従って、パラメータチューニングが行われるときに、保守支援装置3の記憶装置32には、それまでのプラントの通常運転時に制御装置2で使用されていた演算素子パラメータ情報322(つまり、以前に「本設定」された演算素子パラメータ情報)、および、そのとき「仮設定」された仮設定演算素子パラメータ情報325の両情報が同時に記憶されていることになる。また、制御装置2は、それまでのプラントの通常運転時に制御装置2で使用していた演算素子パラメータ情報322(つまり、以前に「本設定」された演算素子パラメータ情報)のうち、「仮設定」の対象となった演算素子パラメータ情報の仮設定前のパラメータの値を、退避演算素子パラメータ情報224として記憶装置22に記憶している。
従って、制御装置2は、その退避演算素子パラメータ情報224を用いて、演算素子パラメータ情報222をいつでも以前の「本設定」された演算素子パラメータ情報の状態へ戻すことができる。また、保守支援装置3における操作誤りなどにより、制御装置2の記憶装置22に記憶されている「仮設定」された演算素子パラメータを含む演算素子パラメータ情報222が誤って以前の「本設定」された演算素子パラメータ情報に戻された場合にも、保守支援装置3が「仮設定」後の仮設定対象演算素子情報323および仮設定演算素子パラメータ情報325を記憶装置32に記憶しているので、「仮設定」後の制御装置2における演算素子パラメータ情報222を復元することができる。
図5は、演算素子パラメータの仮設定処理の処理フローの例を示した図である。なお、図5は、図4の情報の流れを処理の流れで表したものであるので、その説明の一部は、図4の説明と重複する。
図5に示すように、保守支援装置3の演算処理装置31は(処理の実行主体は、演算処理装置31であるが、以下、単に、「保守支援装置3は」という)、まず、あらかじめ指定された制御装置2についての制御ロジック情報321に基づき、図2(a)のような制御ロジック図を表示装置33に表示する(ステップS11)。そして、保守支援装置3は、その表示された制御ロジック図の中からマウスカーソルなどで演算素子を選択する情報として、仮設定対象演算素子選択情報を入力するとともに(ステップS12)、仮設定対象演算素子情報323を生成する。
次に、保守支援装置3は、前記の仮設定対象演算素子選択情報で指定される演算素子について、図2(b)に示すような演算素子パラメータ設定画面を表示する(ステップS13)。そして、保守支援装置3は、その演算素子パラメータ設定画面および入力装置34を介して設定される仮設定対象演算素子の演算素子パラメータの値を入力し(ステップS14)、仮設定演算素子パラメータ情報325を生成する。
次に、保守支援装置3は、制御装置2へ演算素子パラメータの仮設定を求める仮設定要求情報を送信し(ステップS15)、さらに、仮設定対象演算素子情報323を送信する(ステップS16)。一方、制御装置2の演算処理装置21は(処理の実行主体は、演算処理装置21であるが、以下、単に、「制御装置2は」という)、保守支援装置3から送信される仮設定要求情報を受信し(ステップS21)、さらに、仮設定対象演算素子情報323を受信する(ステップS22)、受信した仮設定対象演算素子情報323を仮設定対象演算素子情報223として記憶装置22に記憶する。
次に、制御装置2は、演算素子パラメータ情報222から、仮設定対象演算素子情報223で指定される仮設定対象演算素子に対応する演算素子パラメータ情報を抽出し、抽出した演算素子パラメータ情報を退避演算素子パラメータ情報として記憶装置22に記憶する(ステップS23)。なお、仮設定対象演算素子情報223で指定される仮設定対象演算素子に対応する演算素子パラメータ情報は、仮設定対象演算素子情報223の演算素子識別番号をキーにして制御ロジック情報221を検索して、演算素子識別番号が一致する演算素子のパラメータ格納アドレスを取得し、そのパラメータ格納アドレスが指し示すアドレスに格納されている演算素子パラメータ情報222のパラメータの値として得ることができる。
次に、保守支援装置3が仮設定演算素子パラメータ情報235およびそのパラメータ格納アドレスを送信するので(ステップS17)、制御装置2は、保守支援装置3から送信された仮設定演算素子パラメータ情報235およびそのパラメータ格納アドレスを受信する(ステップS24)。そして、制御装置2は、演算素子パラメータ情報222のうち、パラメータ格納アドレスが指し示すアドレスの演算素子パラメータの値を、仮設定演算素子パラメータ情報325で更新する(ステップS25)。
一方、保守支援装置3は、制御装置2での演算素子パラメータの仮設定が終了すると、その後、制御ロジック図を表示するときには(ステップS18)、図2(c)に示すように、仮設定対象演算素子を、色違い表示するなどして、仮設定非対象演算素子と識別可能なように表示する。
図6は、演算素子パラメータの本設定処理の処理フローの例を示した図である。図6に示すように、ステップS31−S34の処理は、図5のステップS11−S14の処理とほとんど同じである。すなわち、演算素子パラメータの本設定時に試験担当者が行う操作は、仮設定の場合とほとんど同じである。ここでは、ステップS34までの処理の説明を省略する。
ステップS34までの処理により、本設定対象演算素子が選択され、その本設定対象演算素子に対する演算素子パラメータの値(本設定演算素子パラメータ情報)が設定されたことになる。そこで、保守支援装置3は、制御装置2へ演算素子パラメータの本設定を求める本設定要求情報を送信し(ステップS35)、さらに、本設定演算素子パラメータ情報およびそのパラメータ格納アドレスを送信する(ステップS36)。一方、制御装置2は、保守支援装置3から送信される本設定要求情報を受信し(ステップS41)、さらに、本設定演算素子パラメータ情報およびそのパラメータ格納アドレスを受信する(ステップS42)。
次に、保守支援装置3は、演算素子パラメータ情報322のうち、パラメータ格納アドレスが指し示すアドレスの演算素子パラメータの値を、前記送信した本設定演算素子パラメータ情報で更新する(ステップS37)。また、制御装置2は、演算素子パラメータ情報222のうち、パラメータ格納アドレスが指し示すアドレスの演算素子パラメータの値を、前記受信した本設定演算素子パラメータ情報で更新する(ステップS43)。
すなわち、制御装置2においても、また、保守支援装置3においても、それぞれの記憶装置22,32に記憶されている演算素子パラメータ情報222,322は、保守支援装置3を介して設定された本設定演算素子パラメータ情報で全く同じように更新される。従って、保守支援装置3は、演算素子パラメータ情報の本設定された後も、制御装置2の演算素子パラメータ情報222と同じ演算素子パラメータ情報322を有することに変わりはない。
なお、演算素子のパラメータチューニングでは、仮設定した演算素子パラメータをそのまま本設定の演算素子パラメータとする場合が多いが、その場合には、保守支援装置3は、その記憶装置32に記憶されている演算素子パラメータ情報322を、制御装置2の記憶装置22に記憶されている仮設定演算素子パラメータを含んだ演算素子パラメータ情報222で置き換え、さらに、記憶装置32に記憶されている仮設定対象演算素子情報323および仮設定演算素子パラメータ情報325を消去する。また、制御装置2は、その記憶装置22に記憶されている仮設定対象演算素子情報223および退避演算素子パラメータ情報224を消去する。
以上、本実施形態によれば、演算素子パラメータの仮設定が行われたときには、制御装置2および保守支援装置3は、その記憶装置22,32に、仮設定対象演算素子情報223,323を記憶している。従って、保守支援装置3は、表示装置33に表示する制御ロジック図において、仮設定された演算素子を本設定された演算素子と識別可能なように表示することができる。その結果、パラメータチューニングの試験担当者は、容易に仮設定された演算素子と本設定された演算素子とを区別することができるようになる。
また、保守支援装置3は、以前に本設定された演算素子パラメータ情報322とそのとき仮設定された仮設定演算素子パラメータ情報325とを併せ持っているので、制御装置2の記憶装置22に記憶された仮設定後の演算素子パラメータ情報222が何らかの原因で失われた場合でも、演算素子パラメータ情報322と仮設定演算素子パラメータ情報325を用いて、仮設定後の演算素子パラメータ情報222を復元することができる。
以上のように、本実施形態のプラント監視・制御装置1では、パラメータチューニングの試験担当者にとって使い勝手のよい機能が付加されているので、パラメータチューニングの作業効率が向上する。
1 プラント監視・制御装置
2 制御装置
3 保守支援装置
4 センサ
5 アクチュエータ
6 監視・操作装置
7 通信ネットワーク
21 演算処理装置
22 記憶装置
23 センサ情報入力装置
24 制御情報出力装置
31 演算処理装置
32 記憶装置
33 表示装置
34 入力装置
61 監視用表示装置
62 操作卓
221 制御ロジック情報
222 演算素子パラメータ情報
223 仮設定対象演算素子情報
224 退避演算素子パラメータ情報
235 仮設定演算素子パラメータ情報
321 制御ロジック情報
322 演算素子パラメータ情報
323 仮設定対象演算素子情報
325 仮設定演算素子パラメータ情報

Claims (9)

  1. プラントの運転状態を検知するセンサと、前記プラントの運転状態を制御するアクチュエータと、オペレータが操作情報を入力する監視・操作装置と、に接続され、
    前記センサから入力されるセンサ情報と前記監視・操作装置から入力される操作情報とを用いた制御ロジックの内容を表した制御ロジック情報、および、前記制御ロジック情報に含まれている演算素子の特性を規定する演算素子パラメータ情報を記憶する記憶装置と、前記制御ロジック情報に従って演算処理を実行し、その演算処理結果を制御情報として前記アクチュエータに出力する演算処理装置と、を含んでなる制御装置と、
    前記制御装置に接続され、オペレータが入力する情報に基づいて、前記制御装置の記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報の一部の情報を仮設定してパラメータチューニングを支援する保守支援装置と、
    を含んで構成されたプラント監視・制御装置であって、
    前記制御装置の演算処理装置は、
    前記演算素子パラメータ情報の仮設定の処理を行う構成として、
    前記保守支援装置から送信される、前記仮設定の対象演算素子を指定する仮設定対象演算素子情報を受信し、前記記憶装置に記憶する第1の処理部と、
    前記記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報のうち、前記受信した仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けられた演算素子パラメータ情報を、前記記憶装置の、前記演算素子パラメータ情報が記憶されている領域と異なる領域に退避させる第2の処理部と、
    前記保守支援装置から送信される、前記仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応する仮設定演算素子パラメータ情報を受信して、前記記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報のうち、前記仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けられた演算素子パラメータ情報を、前記受信した仮設定演算素子パラメータ情報で更新する第3の処理部と、
    を備えること
    を特徴とするプラント監視・制御装置。
  2. 前記制御装置の演算処理装置は、
    前記保守支援装置から送信された前記演算素子パラメータ情報の仮設定を求める仮設定要求情報を受信することを契機として、前記第1ないし第3の処理部の処理を順に実行すること
    を特徴とする請求項1に記載のプラント監視・制御装置。
  3. 前記保守支援装置は、表示装置を備え、
    前記制御ロジック情報に基づいて制御ロジック図を生成し、前記生成した制御ロジック図を前記表示装置に表示し、さらに、
    前記表示した制御ロジック図に含まれる演算素子のうち、前記仮設定対象演算素子情報に含まれる演算素子の表示を、他の演算素子の表示と識別可能に表示すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載のプラント監視・制御装置。
  4. 前記保守支援装置は、記憶装置を備え、
    前記制御装置の記憶装置に記憶される前記仮設定対象演算素子情報、および、前記演算素子パラメータ情報のうち前記仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けて記憶される前記仮設定演算素子パラメータ情報を、バックアップ情報として自身の記憶装置に記憶することを
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のプラント監視・制御装置。
  5. 前記保守支援装置は、通信ネットワークを介して1以上の前記制御装置に接続されていること
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のプラント監視・制御装置。
  6. プラントの運転状態を検知するセンサと、前記プラントの運転状態を制御するアクチュエータと、オペレータが操作情報を入力する監視・操作装置と、に接続され、
    前記センサから入力されるセンサ情報と前記監視・操作装置から入力される操作情報とを用いた制御ロジックの内容を表した制御ロジック情報、および、前記制御ロジック情報に含まれている演算素子の特性を規定する演算素子パラメータ情報を記憶する記憶装置と、前記制御ロジック情報に従って演算処理を実行し、その演算処理結果を制御情報として前記アクチュエータに出力する演算処理装置と、を含んでなる制御装置と、
    前記制御装置に接続され、オペレータが入力する情報に基づいて、前記制御装置の記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報の一部の情報を仮設定してパラメータチューニングを支援する保守支援装置と、
    を含んで構成されたプラント監視・制御装置の保守支援方法であって、
    前記制御装置の演算処理装置は、
    前記保守支援装置から送信された前記演算素子パラメータ情報の仮設定を求める仮設定要求情報を受信したときには、
    前記保守支援装置から送信される、前記仮設定の対象演算素子を指定する仮設定対象演算素子情報を受信し、前記記憶装置に記憶する第1の処理と、
    前記記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報のうち、前記受信した仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けられた演算素子パラメータ情報を、前記記憶装置の、前記演算素子パラメータ情報が記憶されている領域と異なる領域に退避させる第2の処理と、
    前記保守支援装置から送信される、前記仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応する仮設定演算素子パラメータ情報を受信して、前記記憶装置に記憶されている前記演算素子パラメータ情報のうち、前記仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けられた演算素子パラメータ情報を、前記受信した仮設定演算素子パラメータ情報で更新する第3の処理と、
    を前記処理の順に従って実行すること
    を特徴とするプラント監視・制御装置の保守支援方法。
  7. 前記保守支援装置は、表示装置を備え、
    前記制御ロジック情報に基づいて制御ロジック図を生成し、前記生成した制御ロジック図を前記表示装置に表示し、さらに、
    前記表示した制御ロジック図に含まれる演算素子のうち、前記仮設定対象演算素子情報に含まれる演算素子の表示を、他の演算素子の表示と識別可能に表示すること
    を特徴とする請求項6に記載のプラント監視・制御装置の保守支援方法。
  8. 前記保守支援装置は、記憶装置を備え、
    前記制御装置の記憶装置に記憶される前記仮設定対象演算素子情報、および、前記演算素子パラメータ情報のうち前記仮設定対象演算素子情報で指定される演算素子に対応付けて記憶される前記仮設定演算素子パラメータ情報を、バックアップ情報として自身の記憶装置に記憶することを
    を特徴とする請求項6または請求項7に記載のプラント監視・制御装置の保守支援方法。
  9. 前記保守支援装置は、通信ネットワークを介して1以上の前記制御装置に接続されていること
    を特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれか1項に記載のプラント監視・制御装置の保守支援方法。
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