JP2007115178A - プラント運転支援装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数のプラントの管理を統括して行うことが可能なプラント運転支援装置を提供する。
【解決手段】互いに同様な動作特性を有する複数のプラントの夫々から個別的にプラントデータを取得するプラントデータ取得手段と、前記各プラントに個別的に対応して前記各プラントの夫々の基本動作特性を模擬して構築されており、前記取得されたプラントデータに基づいて動作することにより模擬プラントデータを出力する複数のプラント模擬手段と、前記複数のプラントから特定のプラントを選択するプラント選択手段と、前記選択されたプラントに対応するプラント模擬手段からの模擬プラントデータに基づいて、当該模擬プラントの運転状態情報を表示する表示手段と、を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラントの制御及び運転状態の監視を行うプラント運転支援装置に関する。
近年、発電、石油精製、鉄鋼、ガス、上下水道などのプラントは、各生産工程における生成物の品質に関する物理量や化学量を実時間(リアルタイム)で計測することが困難であるため、プラント各部に設けられた温度センサ・流量計・圧力センサ等の各種計測機器や、バルブ・ヒータ等の各種調整機器から取得された機器の状況データに応じて、オペレータ自身のプラント運転制御の経験や技術的な秘訣(ノウハウ)に依存した運転制御が行われている。
例えば、プラントデータに基づいてプラントシミュレーションモデルのパラメータを随時修正しながら、プラントの動作と並行してプラントの動作を予測するプラントシミュレータを備えたシステムが開示されている(特許文献1参照)。
図7は、従来のプラント操業形態を模式的に示した図である。
同図に示すように、従来のプラント操業形態は、複数のプラントP1、P2、P3の夫々に対し、当該各プラントの制御及び監視を行うプラント運転支援装置101、102、103が1対1に接続されることで構成されている。
ここで、各プラント運転支援装置101のオペレータ(操作者)2aは、プラントP1から出力される当該プラントの運転状態を示すプラントデータに基づいて、プラント運転支援装置101の表示手段141に表示されるトレンドデータ等の報知情報を確認することによりプラントの状態監視を行う。また、プラント運転支援装置101が備える操作入力手段151を介してプラントP1の制御を指示する制御情報をプラントP1に送信することでプラントP1の制御を行う。なお、オペレータ2b及び2cに関してもオペレータ2aと同様にプラントP2及びP3の管理(監視と制御)を表示手段142、143及び操作入力手段152、153を夫々用いて行うことは言うまでもない。
特開平09−134213号公報
しかしながら、従来のプラント運転支援装置では、制御対象となる各種調整機器は各プラント固有の機器であるため、プラント毎に動作特性が異なり、オペレータはプラント毎に運転制御方法の経験や技術的な秘訣を習得しなければならず、複数のプラントを統括して制御及び監視することができないという問題があった。また、オペレータのプラント運転制御の経験や技術的な秘訣を他のオペレータに伝承させることが困難であるという問題があるため、安定したプラント運転制御を実現させることが困難である。
本発明の課題は、複数のプラントの管理を統括して行うことが可能なプラント運転支援装置を提供することである。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数のプラントの運転を支援するプラント運転支援装置であって、
前記複数のプラントの夫々から個別的にプラントデータを取得するプラントデータ取得手段と、
前記各プラントに個別的に対応して前記各プラントの夫々の基本動作特性を模擬して構築されており、前記取得されたプラントデータに基づいて動作することにより模擬プラントデータを出力する複数のプラント模擬手段と、
前記複数のプラントから特定のプラントを選択するプラント選択手段と、
前記選択されたプラントに対応するプラント模擬手段からの模擬プラントデータに基づいて、当該模擬プラントの運転状態情報を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴としている。
更に、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記複数のプラントに関する情報を前記表示手段に一覧表示させる複数プラント一覧表示手段を備え、
前記プラント選択手段は、前記一覧表示された複数のプラントに関する情報に基づいて特定のプラントを選択可能なことを特徴としている。
更に、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、
前記プラント選択手段により選択されたプラントに対して、当該プラントの制御に係る操作内容を含んだ操作情報を入力可能な操作入力手段と、
前記操作情報に応じた操作を前記選択されたプラントに設置されたフィールド機器に施すプラント制御手段と、
を備えたことを特徴としている。
更に、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記プラントの制御に係る操作内容を具体的な物理量で示した具体操作情報と、当該具体制御情報に比べより抽象的且つ簡略化された表現で示した抽象操作情報と、を対応付けて記憶したプラントモデル記憶手段と、
前記個別プラントモデル記憶手段を参照して、前記入力された操作情報に含まれた抽象操作情報に対応する具体操作情報を特定する個別操作特定手段と、
前記特定された具体制御情報に基づいて、前記選択されたプラントのフィールド機器への操作量を決定する操作量決定手段と、
を備え、
前記プラント制御手段は、前記操作量決定手段により決定された操作量に基づいて前記選択されたプラントのフィールド機器を操作することを特徴としている。
更に、請求項5に記載の発明は、請求項3又は4に記載の発明において、
前記プラントの動作状態を監視する監視モードと、前記プラントの制御を行う操作モードとを切り換え可能な監視/操作切換手段を備え、
前記プラント操作手段は、前記監視/操作切換手段により操作モードに切り換えられた場合に有効となることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、複数のプラントからのプラントデータに基づいて各プラントの基本動作特性を夫々模擬するプラント模擬手段を備えたことにより、各プラント間の動作特性の差異を解消した模擬プラントデータを取得することができるため、各模擬プラントデータの取り扱いを一般化することができる。これにより、例えば、複数のプラントが夫々異なる加熱方式により所定の濃度Aを有した反応生成物αを生成する動作特性を有していた場合、当該反応生成物αの濃度Aを基本動作特性とすることで、一般化された共通する基本動作特性「反応生成物αの濃度A」の模擬プラントデータに基づいてプラントを管理することができる。
また、複数のプラントから特定のプラントを選択し、この選択されたプラントに対応するプラント模擬手段からの模擬プラントデータに基づいて、当該模擬プラントの運転状態情報を表示することができる。これにより、選択されたプラントに対応するプラント模擬手段12からの模擬プラントデータに基づいてプラントの運転状態を確認することが可能であるため、複数のプラントの監視を統括して行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、複数のプラントに関する情報が一覧表示された画面に基づいて特定のプラントを選択することが可能であるため、容易な操作で複数のプラントから特定のプラントを選択することができる。
請求項3に記載の発明によれば、選択されたプラントの制御に係る操作を個別的に行うことが可能であるため、複数のプラントの制御を統括して行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、プラントの制御に係る操作内容を具体的な物理量に比べより抽象的且つ簡略化された表現で示した抽象操作情報により指示することができるため、オペレータはプラント固有の操作方法を習熟する必要が無くなる。そのため、プラント固有の機器構成や具体的な操作方法を知らなくても、本来そのプラントに要求される基本的な動作を身に付けてさえいれば運転操作することが可能であるため、オペレータの操作負荷を低減させることができるとともに、オペレータのプラントの運転制御の経験に拘わらず、安定したプラントの運転制御を実現することができる。
請求項5に記載の発明によれば、プラントの動作状態を監視する監視モードと、前記プラントの制御を行う操作モードとを切り換えることが可能であり、プラント操作手段は、操作モードに切り換えられた場合に有効となるため、プラント制御の誤操作を防止することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。ただし、発明の範囲は図示例に限定されないものとする。
まず、図1及び図2を参照して、プラント運転支援装置100について説明する。
図1は、本発明に係るプラント運転支援装置100によるプラント操業形態を模式的に示した図である。図2は、プラント運転支援装置100の内部構成を示した図であって、特定のプラント(プラントP1)の管理(監視及び操作)に係る各機能部を示した図である。
図1及び図2に示すとおり、プラント運転支援装置100は、プラントデータ取得手段11a、11b、11c、プラント模擬手段12a、12b、12c、データ表示部13a、13b、13c、表示手段14、操作入力手段15、プラント選択手段16、監視/操作切換手段17、プラント操作部18から構成されている。
プラントP1、P2、P3は、発電、石油精製、鉄鋼、ガス、上下水道等のプラント施設であって、各プラントはプラント運転支援装置100と相互に通信可能に接続されている。なお、各プラントは、互いに同様な動作特性を有していることが好ましい。ここで、動作特性とは、各プラントにより実現される特定の事象に係る動作の特性を意味する。なお、各プラントにおいて動作特性とする事象の規模は特に問わず、プラント全体により実現される事象を対象としてもよいし、特定の工程等により実現される事象を対象としてもよい。
プラントデータ取得手段11a、11b、11c(以下、総じてプラントデータ取得手段11という)は、プラントP1、P2、P3の夫々に設置された1又は複数のフィールド機器から出力されるプラントデータを取得し、プラント模擬手段12a、12b、12cへと夫々出力する。ここで、フィールド機器とは、温度センサ、圧力センサ、流量センサ等の計測機器と、バルブ開閉器や火力調整器等の調整機器を含む意であって、当該フィールド機器により計測される計測量や、調整の度合いを示す調整量等がプラントデータとして出力される。
プラント模擬手段12a、12b、12c(以下、総じてプラント模擬手段12という)は、物理法則又は化学法則の各種諸量に基づいた数式を用いて作成されたプラント制御モデルを用いてプラントP1〜P3内の各種工程を夫々模擬するプラントシミュレータであって、プラントデータ取得手段11により夫々取得されたプラントデータに基づいて、各プラントの基本動作特性を夫々模擬し、当該模擬されたプラントの運転状態を示す模擬プラントデータ(プロセスデータ)をデータ表示部13a、13b、13cへと夫々出力する。
ここで、基本動作特性とは、各プラントにより実現される基本的な事象(例えば、最終生成物生成)に係る動作の特性を意味しており、例えば、プラントP1を燃料電池プラントとした場合には、このプラントで生成される水素量や駆動用電力として発電する発電量(電力量)等に係る動作を対象とすることができる。なお、プラントP1、P2及びP3は、互いに同様な動作特性を有する場合には当該動作特性を基本動作特性とすることが好ましい。このように、各プラントの基本動作特性を夫々模擬するプラント模擬手段を備えたことにより、各プラント間の動作特性の差異を解消したプロセスデータを取得することができるため、各プロセスデータの取り扱いを一般化することができる。これにより、例えば、プラントP1、P2が夫々異なる加熱方式により所定の濃度Aを有した反応生成物αを生成する動作特性を有していた場合、当該反応生成物αの濃度Aを基本動作特性とすることで、一般化された共通する基本動作特性「反応生成物αの濃度A」のプロセスデータに基づいてプラントを管理することができる。
データ表示部13a、13b、13c(以下、総じてデータ表示部13という)は、プラント模擬手段12から入力されるプロセスデータに基づいて、当該プラント模擬手段12により模擬された各プラントの運転状態情報を含む各種情報を表示手段14に表示させる。
また、データ表示部13は、操作入力手段15を介して行われる選択等の画面操作に応じ、表示手段14の表示画面上に表示される画面の切り換え等を行う。また、データ表示部13は、プラント選択手段16、監視/操作切換手段17からの制御に応じ、表示手段14の表示画面上に表示される画面の制御を行う。
さらに、データ表示部13は、不揮発メモリ等からなる不図示の記憶手段を備え、当該記憶手段にプラントP1〜P3の夫々に関する固定的な情報(例えば、アイコン画像や各プラントの名称等の不変的な情報)が記憶されているものとし、データ表示部13の要求に応じて適宜読み出され、プロセスデータに基づいて表示される動的な情報とともに表示されるものとする。なお、本実施の形態では、データ表示部13をプラント模擬手段12に応じた数量備えた構成としたが、これに限らず、プラント模擬手段12から入力される複数のプロセスデータを一のデータ表示手段で処理させる態様としてもよい。
データ表示部13は、図2に示すとおり、複数プラント一覧表示手段131、トレンド表示手段132、オーバービュー表示手段133、詳細プロセス表示手段134を有して構成される。
ここで、複数プラント一覧表示手段131は、プラント模擬手段12から入力される運転状態情報に基づいて当該運転状態情報を各プラントに関する情報として表示手段14の表示画面上に一覧表示させる。
図3は、複数プラント一覧表示手段131による制御により表示手段14の表示画面上に表示された複数プラント一覧表示画面の一例を示した図である。同図において、領域A1には、プラントP1〜P3の夫々に対応するアイコン画像(I1〜I3)が表示されており、当該各アイコン画像の下部に位置する領域A2に、夫々のプラントに関する情報が表示されるようになっている。
トレンド表示手段132は、プラント模擬手段12から入力される運転状態情報に基づいて各プラントの運転状態を時系列的に示したトレンドグラフを表示手段14の表示画面(例えば、図3の領域A21、A22、A23等)に表示させる。
オーバービュー表示手段133は、後述する操作入力手段15を介して複数のプラントから特定のプラントが選択された場合に、当該選択されたプラントの動作に係る各種工程を示した工程情報及び各工程に含まれるプロセスの流れを概略的に示した概要プロセスフロー情報を表示手段14の表示画面上に表示させる。
図4は、オーバービュー表示手段133による制御により表示手段14の表示画面上に表示されたオーバービュー表示画面の一例を示した図である。なお、ここでは、プラントP1が選択された場合のオーバービュー表示画面を示しており、当該選択されたプラントP1に関する情報が領域A3に表示されるようになっている。同図において、領域A4には、上述した工程情報が表示されており、領域A5には、概要プロセスフロー情報が表示されるようになっている。
詳細プロセス表示手段134は、上述した図4のオーバービュー表示画面の領域A5に表示された概要プロセスフロー情報から、操作入力手段15を介して特定のプロセスが選択された場合に、当該プロセスに係る詳細情報を表示手段14の表示画面上に表示させる。
図5は、詳細プロセス表示手段134による制御により表示手段14の表示画面上に表示された詳細プロセス表示画面の一例を示した図である。同図において、アイコン画像I4〜I8は特定のプロセスに係るフィールド機器を示しており、操作入力手段15を介して各フィールド機器の状態を個別的に表示したり、操作したりできるようになっている。
表示手段14は、LCD(Liquid Crystal Display)やEL(Electro Luminescence)ディスプレイ等によって構成され、プラント運転支援装置100内において処理される各種情報を表示画面上に表示する。また、表示手段14は、操作入力手段15と一体的にタッチパネルを構成することとしてもよい。
操作入力手段15は、キーボードやポインティングデバイス等の機械的な入力装置であって、オペレータ2は、当該操作入力手段15を介してプラント運転支援装置100に係る種々の操作を行うことが可能となっている。
具体的に、操作入力手段15は、プラントの監視を行う監視モードと、プラントの制御に係る操作を行う操作モードとを切り換え可能な切換ボタン(不図示)を有しており、この切換ボタンを介した指示信号(以下、切換信号という)がプラント選択手段16を介して監視/操作切換手段17に出力されるようになっている。
また、操作入力手段15は、表示手段14に表示された複数プラント一覧表示画面(図3参照)に基づいて特定のプラントを選択することが可能となっており、この選択されたプラントに対応する指示情報(以下、プラント指示情報という)がプラント選択手段16に出力されるようになっている。
具体的には、図3に示した複数プラント一覧表示画面の領域A1に表示された複数のアイコン画像(I1〜I3)から、特定のプラントに対応するアイコン画像を操作入力手段15を介して選択することで、この選択されたプラントに対応するプラント指示情報がプラント選択手段16に出力されるようになっている。これにより、容易な操作で複数のプラントから特定のプラントを選択することができる。なお、本実施の形態では、アイコン画像I1〜I3から特定のプラントを選択することとしたが、これに限らず、他の領域が指示されることにより特定のプラントが選択できる態様としてもよい。また、図3では、指状のカーソルアイコンを、操作入力手段15を介して操作することにより、特定のプラント(プラントP1)を選択する態様を示したが、選択方法はこれに限らないものとする。
さらに、操作入力手段15は、前記選択された特定のプラントに対し、当該プラントの制御に係る操作内容を含んだ操作情報を入力することが可能となっている、この入力された操作情報がプラント選択手段16、監視/操作切換手段17を介してプラント操作部18に出力されるようになっている。
具体的には、図4に示したオーバービュー表示画面の領域A4、A5及び図5に示した詳細プロセス表示画面に表示された各種アイコン画像を操作入力手段15を介して指定し、操作情報を入力することが可能となっており、当該指定されたアイコン画像に対応する工程やフィールド機器に対する操作情報が監視/操作切換手段17を介してプラント操作部18に出力されるようになっている。なお、図4及び図5では、指状のカーソルアイコンを、操作入力手段15を介して操作することにより、特定の工程やフィールド機器を指定する態様を示しているが、指定方法はこれに限らないものとする。
オペレータ2により操作入力手段15を介して入力される操作情報には、プラントの制御に係る操作内容として抽象的且つ簡略化された表現により示される抽象操作情報が含まれるものとする。ここで、抽象操作情報とは、プラント制御に係る操作内容を具体的な物理量(例えば、パーセント(%)や実数値)で示した具体操作情報に比べより抽象的且つ簡略化された表現(例えば、「少し増加」、「大きく減少」等)により示した情報である。これにより、操作入力手段15を操作するオペレータ2は、上述した抽象操作情報に対応する抽象的な操作を行うことによりプラントの制御を行うことが可能であるため、容易な操作で各プラントを制御することができる。
プラント選択手段16は、データ表示部13を制御し、操作入力手段15から入力されるプラント指示情報で指示されたプラントに関する各種情報を表示手段14の表示画面上に表示させる。
また、プラント選択手段16は、操作入力手段15から入力されるプラント指示情報と操作情報とを操作切換手段17を介して、プラント操作部18に出力する。
監視/操作切換手段17は、操作入力手段15の切換ボタン(不図示)を介して入力される切換信号に応じ、プラントの監視を行う監視モードと、プラントの制御に係る操作を行う操作モードとを切り換える。
具体的に、監視/操作切換手段17は監視モード時において、プラント選択手段16を介して入力される操作情報及びプラント指示信号のプラント操作部18への出力を無効化することで、プラントの制御に係る操作が行われないよう排他処理を行うとともに、データ表示部13を制御することで、表示手段14の表示画面に基づいた操作情報の入力が行われないよう表示画面の排他処理を行わせる。
また、監視/操作切換手段17は操作モード時において、プラント選択手段16を介して入力される操作情報及びプラント指示信号のプラント操作部18への出力を有効化することで、プラントの制御に係る操作が可能な状態へと移行させるとともに、データ表示部13を制御することで、表示手段14の表示画面に基づいた操作情報の入力が可能な状態へと表示画面を移行させる。これにより、後述するプラント操作手段181は、操作モードに切り換えられた場合に有効となるため、オペレータ2によるプラント制御の誤操作を防止することができる。
プラント操作部18は、図2に示すとおり、プラント操作手段181、プラントモデル記憶手段182、個別操作特定手段183、操作量決定手段184、プラント制御手段185を有して構成され、プラントの制御に係る操作を実施する。
プラント操作手段181は、監視/操作切換手段17を介してプラント選択手段16から入力される操作情報とプラント指示信号とを対応付けて個別操作情報として個別操作特定手段183に出力する。
プラントモデル記憶手段182は、データベース(DB)手段等であって、上述した操作内容抽象操作情報として指示される操作内容と、当該抽象操作内容により指示される事象を実現させるためにフィールド機器に施す操作量を具体的な物理量で示した具体操作情報と、を対応付けた操作シーケンステーブルをプラント毎に予め記憶している。ここで、具体操作情報の操作量には、各プラントの運転制御方法の経験や技術的な秘訣(ノウハウ)に基づいた値が登録されることが好ましい。
個別操作特定手段183は、プラント操作手段181から入力される個別操作情報に含まれたプラント指示信号に対応するプラントの操作シーケンステーブルを参照し、当該個別操作情報に含まれた抽象操作情報に対応する具体操作情報を特定する。そして、この特定された具体操作情報をプラント指示信号と対応付けて操作量決定手段184に出力する。
操作量決定手段184は、個別操作特定手段183から入力される具体操作情報及びプラント指示信号に基づいて、当該プラント指示信号で指示されたプラントに設置されたフィールド機器の操作量を決定し、プラント制御手段185に出力する。
プラント制御手段185は、操作量決定手段184で決定された操作量に応じた制御を、プラント指示信号で指示されたプラントのフィールド機器に対して実施することで、プラントの制御を行う。
上記構成のプラント運転支援装置100は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から構成される不図示の制御系により制御されているものとする。なお、プラント運転支援装置100は上述した各部の夫々又は何れかに備えられた制御系により制御される態様としてもよいし、プラント運転支援装置100に単一に備えられた制御系により統括的に制御される態様としてもよい。
なお、制御系による制御は、ROMに記憶された各種データやシステムプログラム等をRAM内に展開し、これらのプログラム及びデータとの協働により行うソフトウェア処理により実現される態様としてもよいし、ハードウェア処理により実現される態様としてもよく、ソフトウェア処理とハードウェア処理との組合せにより実現される態様としてもよい。
次に、図6を参照して、プラント運転支援装置100の制御系により実行されるプラント運転支援処理について説明する。なお、本プラント運転処理における各処理は、上述した制御系及びプラント運転支援装置100の各部が有する機能により実行される処理を示している。
まず、複数プラント一覧表示手段131により表示手段14の表示画面上に複数プラント一覧表示画面(図3参照)が表示される(ステップS11)。次いで、この表示画面に基づき、各プラントに対応するアイコン画像I1〜I3から特定のプラントが操作入力手段15を介して選択されるまで待機される(ステップS12;No)。
ステップS12において、特定のプラントが選択されたと判定された場合には(ステップS12;Yes)、続いて、監視/操作切換ボタンを介した操作により監視/操作切換手段が監視モード又は操作モードの何れに設定されているかが判定される(ステップS13)。
ここで、監視モードに設定されていると判定された場合には(ステップS13;監視モード)、複数プラント一覧表示手段131によりステップS12で選択されたプラントに関する情報を含んだ画面(図4、図5参照)が、表示手段14の表示画面上に表示され(ステップS14)、ステップS19へと移行する。
一方、ステップS13において、操作モードに設定されていると判定された場合には(ステップS13;操作モード)、複数プラント一覧表示手段131によりステップS12で選択されたプラントに関する情報を含んだ画面(図4、図5参照)が、表示手段14の表示画面上に表示された後(ステップS15)、操作入力手段15を介した操作により操作情報が入力されるまで待機が行われる(ステップS16;No)。
ステップS16において、操作情報(抽象操作情報)が入力されたと判定された場合には(ステップS16;Yes)、個別操作特定手段183によりステップS12で選択されたプラントの操作シーケンステーブルがプラントモデル記憶手段182から参照され、ステップS16で入力された抽象操作情報に対応する具体操作情報が特定される(ステップS17)。
続いて、操作量決定手段184によりステップS17で特定された具体操作情報に基づいて、ステップS12で選択されたプラントに設置されたフィールド機器の操作量が決定され、この操作量に応じた制御がプラント制御手段185により実施された後(ステップS18)、ステップS19へと移行する。
ステップS19では、本処理を終了する旨の終了指示信号が操作入力手段15を介して入力されたか否かが判定され、終了指示信号の入力が確認されない場合には(ステップS19;No)、ステップS13へと再び戻る。また、ステップS19において終了指示信号が入力されたと判定された場合には(ステップS19;Yes)、本処理は終了する。
以上のように、本実施の形態によれば、複数のプラントP1〜P3から特定のプラントを選択し、この選択されたプラントに対応するプラント模擬手段12からのプロセスデータに基づいて当該模擬プラントの運転状態情報を表示することができる。これにより、選択されたプラントに対応するプラント模擬手段12からのプロセスデータに基づいてプラントの運転状態を確認することが可能であるため、複数のプラントの監視を統括して行うことができる。
また、選択されたプラントの制御に係る操作を個別的に行うことが可能であるため、複数のプラントの制御を統括して行うことが可能であり、プラントの制御に係る操作内容を具体的な物理量に比べより抽象的且つ簡略化された表現で示した抽象操作情報により指示することができるため、オペレータはプラント固有の操作方法を習熟する必要が無くなる。そのため、プラント固有の機器構成や具体的な操作方法を知らなくても、本来そのプラントに要求される基本的な動作を身に付けてさえいれば運転操作することが可能であるため、オペレータの操作負荷を低減させることができるとともに、オペレータのプラントの運転制御の経験に拘わらず、安定したプラントの運転制御を実現することができる。
上記実施の形態におけるプラント運転支援装置100の細部構成および詳細動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施の形態では、操作入力手段15を介して入力される操作情報の操作内容を抽象操作情報としたが、これに限らず、具体操作情報を直接入力可能な態様としてもよい。この場合、プラント制御手段185は、監視/操作切換手段17を介して入力される具体制御情報に基づいてプラント指示信号で指示されたプラントのフィールド機器を直接制御することとしてもよく、また、プラント模擬手段12の機能を用いない態様としてもよい。
また、操作入力手段15を介して入力された操作手順を不図示の記憶手段に記憶することで、過去に入力された操作情報を参照可能な構成とすることとしてもよい。この場合、複雑な操作であっても、その操作手順を適時参照することが可能であるため、各プラントの制御に係る操作の利便性を向上させることができる。
また、プラント運転支援装置100にパスワード入力により認証を行うパスワード認証手段や指紋や虹彩等の生体情報により認証を行う生体認証手段等の認証手段を更に備え、当該認証手段による認証が許可された後、プラント運転支援装置100に対する操作を可能とする態様としてもよい。例えば、上述した複数プラント一覧表示画面(図3参照)を表示する態様としてもよく、また、操作モードへの移行時に認証手段による認証を行う態様としてもよい。これにより、プラント運転支援装置100のセキュリティを向上させることができる。
さらに、上記実施の形態では、プラント運転支援装置100によりプラントの管理(監視及び制御)を行うこととしたが、これに限らず、例えば、ビルやオフィス等の建造物内に配置された監視カメラにより監視と、当該監視カメラの制御に適用することとしてもよい。この場合、データ表示部13により管理対象となる建造物の見取り図や監視カメラからの映像を表示させることが好ましい、
本発明のプラント運転支援装置によるプラント操業形態を模式的に示した図である。 本発明のプラント運転支援装置の内部構成を示した図である。 表示手段の表示画面上に表示された複数プラント一覧表示画面の一例を示した図である。 表示手段の表示画面上に表示されたオーバービュー表示画面の一例を示した図である。 表示手段の表示画面上に表示された詳細プロセス表示画面の一例を示した図である。 プラント運転支援処理の手順を示したフローチャートである。 従来のプラント運転支援装置によるプラント操業形態を模式的に示した図である。
符号の説明
P1、P2、P3 プラント
2、2a、2b、2c オペレータ
100、101、102、103 プラント運転支援装置
11、11a、11b、11c プラントデータ取得手段
12、12a、12b、12c プラント模擬手段
13、13a、13b、13c データ表示部
131 複数プラント一覧表示手段
132 トレンド表示手段
133 オーバービュー表示手段
134 詳細プロセス表示手段
14、141、142、143 表示手段
15、151、152、153 操作入力手段
16 プラント選択手段
17 監視/操作切換手段
18 プラント操作部
181 プラント操作手段
182 プラントモデル記憶手段
183 個別操作特定手段
184 操作量決定手段
185 プラント制御手段

Claims (5)

  1. 互いに同様な動作特性を有する複数のプラントの運転を支援するプラント運転支援装置であって、
    前記複数のプラントの夫々から個別的にプラントデータを取得するプラントデータ取得手段と、
    前記各プラントに個別的に対応して前記各プラントの夫々の基本動作特性を模擬して構築されており、前記取得されたプラントデータに基づいて動作することにより模擬プラントデータを出力する複数のプラント模擬手段と、
    前記複数のプラントから特定のプラントを選択するプラント選択手段と、
    前記選択されたプラントに対応するプラント模擬手段からの模擬プラントデータに基づいて、当該模擬プラントの運転状態情報を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とするプラント運転支援装置。
  2. 前記複数のプラントに関する情報を前記表示手段に一覧表示させる複数プラント一覧表示手段を備え、
    前記プラント選択手段は、前記一覧表示された複数のプラントに関する情報に基づいて特定のプラントを選択可能なことを特徴とする請求項1に記載のプラント運転支援装置。
  3. 前記プラント選択手段により選択されたプラントに対して、当該プラントの制御に係る操作内容を含んだ操作情報を入力可能な操作入力手段と、
    前記操作情報に応じた操作を前記選択されたプラントに設置されたフィールド機器に施すプラント制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のプラント運転支援装置。
  4. 前記プラントの制御に係る操作内容を具体的な物理量で示した具体操作情報と、当該具体制御情報に比べより抽象的且つ簡略化された表現で示した抽象操作情報と、を対応付けて記憶したプラントモデル記憶手段と、
    前記個別プラントモデル記憶手段を参照して、前記入力された操作情報に含まれた抽象操作情報に対応する具体操作情報を特定する個別操作特定手段と、
    前記特定された具体制御情報に基づいて、前記選択されたプラントのフィールド機器への操作量を決定する操作量決定手段と、
    を備え、
    前記プラント制御手段は、前記操作量決定手段により決定された操作量に基づいて前記選択されたプラントのフィールド機器を操作することを特徴とする請求項3に記載のプラント運転支援装置。
  5. 前記プラントの動作状態を監視する監視モードと、前記プラントの制御を行う操作モードとを切り換え可能な監視/操作切換手段を備え、
    前記プラント操作手段は、前記監視/操作切換手段により操作モードに切り換えられた場合に有効となることを特徴とする請求項3又は4に記載のプラント運転支援装置。
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