JP2011185300A - 積層リングの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯状金属部材の耐久性を高めることができる積層リングの製造方法を提供する。
【解決手段】固定ローラ42および移動ローラ44に巻き掛けられた帯状金属部材12を周方向に回転させつつ、移動ローラ44を固定ローラ42から離間させることにより、その帯状金属部材12の周長を伸ばす周長調整工程P8と、一対の固定ローラ68に巻き掛けられた帯状金属部材12を周方向に回転させつつ、その帯状金属部材12の外周側に設けられた移動ローラ70を用いてその帯状金属部材12の外周面24を内周側に向けて局部的に押圧することにより、その帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程P9とを含むことから、帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力が付与されるので、帯状金属部材12の耐久性を高めることができる。
【選択図】図10

Description

本発明は、車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに用いられる積層リングの製造方法に関し、特に、積層リングを構成する帯状金属部材の耐久性を高めるための技術に関するものである。
複数の無端環状の帯状金属部材が密着状態で積層されて成り、環状に連ねられた複数のエレメントを支持するために車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに用いられる積層リングが知られている。この積層リングは、例えば次のようにして製造される。先ず、マルエージング鋼またはステンレス鋼などの鋼板が両端部同士を溶接させられることにより、円筒状部材とされる。次いで、その円筒状部材がその軸心方向の所定間隔で分割されることにより、複数の短円筒状部材とされる。次いで、それら複数の短円筒状部材がそれぞれ周方向に引き伸ばされつつ周長が調整されることにより、周長の異なる複数の無端環状の帯状金属部材とされる。次いで、それら複数の帯状金属部材に例えば窒化処理やショットピーニングなどの表面処理が施されると共に時効処理が施されることにより、それらの例えば硬度や疲労強度などがそれぞれ向上される。そして、それら複数の帯状金属部材が互いに密着状態で複数積層されることにより、積層リングが形成される。このような積層リングの製造方法として、例えば、特許文献1に記載された製造方法が知られている。
特許文献1には、上記周長の調整に際して用いられる周長補正装置が記載されている。この周長補正装置は、駆動ローラおよび従動ローラと、それらに巻き掛けられた帯状金属部材の周方向の一部を内周側から外周側に向けて局部的に押圧することで帯状金属部材を周方向に引き伸ばす矯正ローラとを、備えて構成される。この周長補正装置を用いることにより、帯状金属部材には、幅方向の断面において外周側に凸状を成す円弧形状が付与される。帯状金属部材は、上記円弧形状が付与されることにより、それが複数積層されたときにおいてその積層状態が容易に保持されるようになる。
特開2009−22991号公報
ところが、上記従来の積層リングの製造方法においては、帯状金属部材の内周面が外周側に向けて局部的に押圧されることでその帯状金属部材の内周部に引張残留応力が付与されるために、その内周部の強度が必要強度に対して余裕が少なくなり、耐久性が低下するという問題があった。これに対して、従来では、1つの積層リングに用いられる帯状金属部材の数を増やすことで対処されていたが、これによれば、積層リングの部品点数が増加して製造コストが増加すると共に積層リングの重量が増加するという欠点があった。
本発明は以上の事情を背景としてなされたものであり、その目的とするところは、帯状金属部材の耐久性を高めることができる積層リングの製造方法を提供することにある。
かかる目的を達成するための請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a) 複数の無端環状の帯状金属部材が密着状態で積層されて成り、環状に連ねられた複数のエレメントを支持するために車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに用いられる積層リングの製造方法であって、 (b) 前記帯状金属部材が巻き掛けられた少なくとも2つの第1回転ローラを用いてその帯状金属部材を周方向に回転させつつ、前記少なくとも2つの第1回転ローラを相対的に離間させることにより、その帯状金属部材の周長を伸ばす周長調整工程と、(c) 前記帯状金属部材が巻き掛けられた少なくとも2つの第2回転ローラを用いてその帯状金属部材を周方向に回転させつつ、その帯状金属部材の外周側に設けられた第3回転ローラを用いてその帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することにより、その帯状金属部材の内周部に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程とを、含むことにある。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1にかかる発明において、前記残留応力付与工程は、前記帯状金属部材の中立面よりも内周側だけを塑性変形させることにある。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項2にかかる発明において、前記残留応力付与工程は、前記帯状金属部材の中立面よりも外周側において、前記第3回転ローラによって前記帯状金属部材に加えられる引張応力と、前記第2回転ローラによって前記帯状金属部材に加えられる曲げ応力と、前記周長調整工程においてその帯状金属部材に付与された残留応力との和が、その帯状金属部材の降伏応力よりも小さくなるように、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することにある。
また、請求項4にかかる発明の要旨とするところは、請求項2または3にかかる発明において、前記残留応力付与工程は、前記帯状金属部材の中立面よりも外周側において、前記第3回転ローラによって前記帯状金属部材に加えられる引張応力と、前記第3回転ローラによって前記帯状金属部材に加えられる曲げ応力と、前記周長調整工程においてその帯状金属部材に付与された残留応力との和が、その帯状金属部材の降伏応力よりも小さくなるように、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することにある。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至4のいずれか1にかかる発明において、前記残留応力付与工程は、(a) 前記周長調整工程終了直前の前記帯状金属部材の周方向の張力および断面積に基づいて、その帯状金属部材の周長調整工程終了時の降伏応力を算出し、(b) 前記帯状金属部材の中立面上において、前記第3回転ローラによって前記帯状金属部材に加えられる引張応力と、前記周長調整工程においてその帯状金属部材に付与された残留応力との和が、前記周長調整工程終了時の降伏応力と等しくなるように、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することにある。
また、請求項6にかかる発明の要旨とするところは、請求項1乃至5のいずれか1にかかる発明において、(a) 前記帯状金属部材は、鋼から成るものであり、(b) 前記残留応力付与工程より前に、前記帯状金属部材をAC1変態点以上に加熱して残留応力を除去する残留応力除去工程を含むことにある。
請求項1にかかる発明の積層リングの製造方法によれば、帯状金属部材が巻き掛けられた少なくとも2つの第1回転ローラを用いてその帯状金属部材を周方向に回転させつつ、前記少なくとも2つの第1回転ローラを相対的に離間させることにより、その帯状金属部材の周長を伸ばす周長調整工程と、帯状金属部材が巻き掛けられた少なくとも2つの第2回転ローラを用いてその帯状金属部材を周方向に回転させつつ、その帯状金属部材の外周側に設けられた第3回転ローラを用いてその帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することにより、その帯状金属部材の内周部に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程とを含むことから、周長調整工程において帯状金属部材の内周面が外周側に向けて局部的に押圧されることでその帯状金属部材の内周部に引張残留応力が付与されても、残留応力付与工程において帯状金属部材の内周部に圧縮残留応力が付与されるために、その内周部の強度が必要強度に対して余裕が多く(大きく)なるので、帯状金属部材の耐久性を高めることができる。
また、請求項2にかかる発明の積層リングの製造方法によれば、前記残留応力付与工程は、帯状金属部材の中立面よりも内周側だけを塑性変形させることから、残留応力付与工程における帯状金属部材の塑性変形領域(降伏領域)が厚み方向の一部となって帯状金属部材の周長を変化させないので、周長調整工程で調整された帯状金属部材の周長を変化させずに、その帯状金属部材の内周部に圧縮残留応力を付与することができる。
また、請求項3にかかる発明の積層リングの製造方法によれば、前記残留応力付与工程は、帯状金属部材の中立面よりも外周側において、第3回転ローラによって帯状金属部材に加えられる引張応力と、第2回転ローラによって帯状金属部材に加えられる曲げ応力と、前記周長調整工程においてその帯状金属部材に付与された残留応力との和が、その帯状金属部材の降伏応力よりも小さくなるように、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することから、残留応力付与工程での帯状金属部材の塑性変形領域(降伏領域)が厚み方向の一部となって帯状金属部材の周長を変化させないので、周長調整工程において調整された帯状金属部材の周長を変化させずに、その帯状金属部材の内周部に圧縮残留応力を付与することができる。
また、請求項4にかかる発明の積層リングの製造方法によれば、前記残留応力付与工程は、帯状金属部材の中立面よりも外周側において、第3回転ローラによって帯状金属部材に加えられる引張応力および曲げ応力と、前記周長調整工程においてその帯状金属部材に付与された残留応力との和が、その帯状金属部材の降伏応力よりも小さくなるように、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することから、帯状金属部材は前記第2回転ローラによっては塑性変形せず、第3回転ローラによってのみ厚み方向の一部が塑性変形されるので、帯状金属部材の残留応力分布が周方向においてばらつくことを抑制することができる。
また、請求項5にかかる発明の積層リングの製造方法によれば、前記残留応力付与工程は、前記周長調整工程終了直前の帯状金属部材の周方向の張力および断面積に基づいて、その帯状金属部材の周長調整工程終了時の降伏応力を算出し、帯状金属部材の中立面上において、第3回転ローラによって帯状金属部材に加えられる引張応力と、前記周長調整工程においてその帯状金属部材に付与された残留応力との和が、前記周長調整工程終了時の降伏応力と等しくなるように、その帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することから、周長調整工程において帯状金属部材が周方向に引き伸ばされることによる加工硬化によりその帯状金属部材の降伏応力が増加しても、残留応力付与工程では上記増加した降伏応力に基づいて帯状金属部材に加えられる応力を調整することができる。そのため、残留応力付与工程では、帯状金属部材の周長を変化させない範囲でその帯状金属部材の内周部の可及的に広い領域に圧縮残留応力を付与することができる。
また、請求項6にかかる発明の積層リングの製造方法によれば、帯状金属部材は、鋼から成るものであり、前記残留応力付与工程より前に、前記帯状金属部材をAC1変態点以上に加熱して残留応力を除去する残留応力除去工程を含むことから、残留応力付与工程の前に帯状金属部材に付された残留応力を除去することで残留応力付与工程において帯状金属部材に付される残留応力の精度を向上させることができる。
なお、本明細書中において、中立面とは、帯状金属部材がその外周面に対して垂直な方向に曲げられたときに、その帯状金属部材の内部において曲げ応力が発生しない面のことである。
ここで、好適には、前記帯状金属部材には、外周面から中立面までの距離に対する上記外周面から最大引張残留応力の作用位置までの距離の割合が、40%以上となり、且つ内周面から中立面までの距離に対する上記内周面から最大引張残留応力の作用位置までの距離の割合が、40%以上となるように、残留応力が付与される。帯状金属部材を伝動ベルトの構成部品として用いる場合に要求される残留応力は、中立面から外周側および内周側にそれぞれ向かうほど圧縮側となる。上記のようにすれば、帯状金属部材の外周部および内周部の残留応力が好適に圧縮側となるので、帯状金属部材の強度を好適に高めることができる。
本発明に係る車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトの周方向の一部を示す斜視図である。 図1の積層リングを構成する複数の帯状金属部材のうちの1の帯状金属部材について、それを幅方向の断面と共に示す断面図である。 図1の帯状金属部材が自由状態であるときの残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 図1に示す積層リングの製造工程を説明するための工程図である。 図4の周長調整工程にて用いられる周長調整装置を概念的に示す図である。 図5の周長調整装置のVI-VI矢視部断面を示す断面図である。 図4の周長調整工程において、帯状金属部材に作用する周方向の張力および移動ローラの変位と、経過時間との関係をそれぞれ示す図である。 図1の帯状金属部材の周長調整工程終了直前の総応力の厚み方向の分布を示す図である。 自由状態とされた帯状金属部材に残留する応力すなわち残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4の残留応力付与工程にて用いられる残留応力付与装置を概念的に示す図である。 図10の残留応力付与装置のXI-XI矢視部断面を示す断面図である。 図4の残留応力付与工程において帯状金属部材に与えられる総応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4の残留応力付与工程後において、帯状金属部材の降伏応力が加工硬化によって増加することを説明する図である。 図4の残留応力付与工程において自由状態とされた帯状金属部材に残留する残留応力のうち、周長調整工程で残留した残留応力を除いた応力に起因して残留する残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4の残留応力付与工程において自由状態とされた帯状金属部材に残留する残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4の窒化処理によって帯状金属部材に付与される残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 本発明の他の実施例における帯状金属部材の残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4に示す本発明の他の実施例の帯状金属部材の製造工程のうち、周長調整工程で用いられる周長調整装置を概念的に示す図である。 図18の周長調整装置のXIX-XIX矢視部断面を示す断面図である。 図4に示す本発明の他の実施例の帯状金属部材の製造工程のうち、残留応力付与工程において帯状金属部材に与えられる総応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4に示す本発明の他の実施例の帯状金属部材の製造工程の残留応力付与工程において、自由状態とされた帯状金属部材に残留する残留応力のうち、周長調整工程で残留した残留応力を除いた応力に起因して残留する残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 本発明の他の実施例の積層リングの製造工程を説明するための工程図である。 図4に示す本発明の他の実施例の帯状金属部材の製造工程のうち、残留応力付与工程にて用いられる残留応力付与装置を概念的に示す図である。 図23の残留応力付与装置のXXIV-XXIV矢視部断面を示す断面図である。 図23の残留応力付与装置のXXV-XXV矢視部断面を示す断面図である。 従来の帯状金属部材が自由状態であるときにおいて、その帯状金属部材の残留応力の厚み方向の分布を示す図である。
以下、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明に係る車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルト10の周方向の一部を示す斜視図である。図1において、伝動ベルト10は、それぞれ複数の無端環状の帯状金属部材12が密着状態でそれぞれ積層されて成る相互に並列に配設された一対の積層リング14と、その積層リング14に沿ってそれぞれ厚み方向に環状に連ねられた板状の金属から成る複数のエレメント18とを備えている。このエレメント18の幅方向の両側面には、幅方向の中央に向けて穿設された一対のリング保持溝20が形成されている。一対の積層リング14は、複数のエレメント18を支持するために、それら複数のエレメント18にそれぞれ形成された一対のリング保持溝20の一方内および他方内にそれぞれ挿入されている。積層リング14は、例えば、内周側から外周側に向かうほど周長が順に大きくなるように周長がそれぞれ調整された6個の帯状金属部材12が、内周側から順に積層されて成る。なお、図1では、便宜上、上記のように6個の帯状金属部材12から成る積層リング14が必ずしも6層に図示されていない。
図2は、積層リング14を構成する複数の帯状金属部材12のうちの1の帯状金属部材12について、それを幅方向の断面と共に示す斜視図である。図2において、帯状金属部材12は、例えばマルエージング鋼またはステンレス鋼などの鋼から成るものである。そして、帯状金属部材12は、幅方向の断面が外周側に凸状を成す円弧状となるように形成されている。これにより、帯状金属部材12は、複数積層されたときにおいて、内周面22および外周面24がその内周側および外周側にそれぞれ設けられる帯状金属部材の外周面および内周面とそれぞれ係合することで、互いの積層状態が容易に保持されるようになっている。
図3は、自由状態における帯状金属部材12の横断面に垂直な方向の残留応力σ(MPa又はN/mm)の厚み方向の分布を示す図である。帯状金属部材12は、図2に示すように厚みtを有しており、図3のtはこれに対応している。図3に示すように、帯状金属部材12の厚み方向の外周部および内周部には、σ=0を示す破線よりも負側(左側)に示される圧縮残留応力がそれぞれ残留している。そして、帯状金属部材12の厚み方向の中央部には、σ=0を示す破線よりも正側(右側)に示される引張残留応力が残留している。図3の2点鎖線は、伝動ベルト10の積層リング14を例えば6個の帯状金属部材12で構成する場合に最低限圧縮側に要求される残留応力の厚み方向の分布を示しており、帯状金属部材12の残留応力が2点鎖線で示す残留応力分布よりも圧縮側すなわち図3の左側であれば、その帯状金属部材12が必要な強度を有していることになる。本実施例の帯状金属部材12は、厚み方向のどの位置においても残留応力が2点鎖線で示す残留応力よりも圧縮側に分布しているので、図1に示す伝動ベルト10の積層リング14を例えば6個の帯状金属部材12で構成する場合に必要な予め設定された強度を有していることになる。
また、帯状金属部材12には、内周面22から1点鎖線で示す中立面Nまでの厚み方向の距離Aに対する、上記内周面22から最大引張残留応力の作用位置までの厚み方向の距離Bの割合が、約75%となるように、残留応力が付与されている。上記中立面Nは、厚み方向において、外周面24から厚みtの半分の距離のところに位置する。また、帯状金属部材12には、外周面24から中立面Nまでの厚み方向の距離Cに対する、上記外周面24から最大引張残留応力の作用位置までの厚み方向の距離Dの割合が、約100%となるように、残留応力が付与されている。
図4は、図1に示す積層リング14の製造工程を説明するための工程図である。以下、この図4の工程図を参照して積層リング14の製造方法を説明する。
図4において、先ず、帯鋼切断工程P1では、例えばマルエージング鋼またはステンレス鋼などの帯鋼30が所定の長さに切断されて、平板32が形成される。
次いで、溶接工程P2では、平板32の一方および他方の切断面同士が互いに溶接されて、円筒状部材34が形成される。
次いで、第1溶体化工程P3では、溶接工程P2における溶接時の熱により溶接部位付近が部分的に硬くなった円筒状部材34の硬度を均質化するために、その円筒状部材34に第1の溶体化処理が施される。
次いで、円筒状部材切断工程P4では、円筒状部材34が軸心方向の所定長さ毎に上記軸心に直交する方向に切断されて、複数の短円筒状部材36がそれぞれ形成される。
次いで、バレル研磨工程P5では、上記短円筒状部材36の全部又はその一部が回転または振動する所定容器内に研磨材と共に入れられて研磨される。
次いで、圧延工程P6では、上記研磨された短円筒状部材36が所定の厚みに圧延されて、環状部材38が形成される。
次いで、第2溶体化工程P7では、圧延工程P6における圧延により変形させられた環状部材38の金属組織の形状を元に復元させるために、その環状部材38に第2の溶体化処理が施される。
次いで、周長調整工程P8では、上記第2の溶体化処理が施された環状部材38が予め定められた所定の周長に調整される。図5は、図4の周長調整工程P8で用いられる周長調整装置40を概念的に示す図である。図5において、周長調整装置40は、軸心C1まわりの回転可能に設けられた位置固定の固定ローラ42と、軸心C1に平行な軸心C2まわりの回転可能且つ固定ローラ42に対して接近および離間可能に設けられた移動ローラ44とを備えている。上記固定ローラ42および移動ローラ44の外周面は、軸心C1およびC2を通る断面において外周側に凸状を成す円弧状にそれぞれ形成されている。なお、上記固定ローラ42および移動ローラ44は、本発明における第1回転ローラにそれぞれ相当するものである。
図6は、図5の周長調整装置40のVI-VI矢視部断面を示す断面図である。図6に示すように、周長調整装置40は、支持壁48に固定された油圧式アクチュエータ50と、その油圧式アクチュエータ50の出力ロッド52の先端部に固定され、移動ローラ44の回転軸54の両端部を回転可能に支持する支持部材56と、上記移動ローラ44の回転軸54を回転駆動する電動機58とを、備えている。上記油圧式アクチュエータ50は、第1油圧室62に油圧が供給されることにより、出力ロッド52およびそれに連結された移動ローラ44を、図5および図6に矢印aで示す固定ローラ42に接近する方向へ移動させ、また、第2油圧室64に油圧が供給されることにより、出力ロッド52およびそれに連結された移動ローラ44を、図5および図6に矢印bで示す固定ローラ42から離間する方向へ移動させるものである。
図5に戻って、周長調整工程P8では、上記のように構成される周長調整装置40が用いられて、帯状金属部材12が固定ローラ42および移動ローラ44に弛みのない状態で巻き掛けられて電動機58により移動ローラ44が回転駆動されることで、矢印cで示すように帯状金属部材12が周方向に回転させられつつ、矢印bで示すように移動ローラ44が固定ローラ42から離間させられることによって、帯状金属部材12が周方向に引き伸ばされる。本実施例では、予め実験的に求められた関係から、図5に2点差線で示す移動ローラ44の原位置からの変位Yに基づいて、帯状金属部材12の周長が予め定められた所定値に調整される。なお、帯状金属部材12は、上記周長の調整に際して固定ローラ42および移動ローラ44の外周面の形状が転写されことにより、幅方向の断面が外周側に凸状を成す円弧状に形成される。
図7は、図4の周長調整工程P8において前記帯状金属部材12に作用する周方向の張力Tおよび前記移動ローラ44の変位Yと、経過時間sとの関係をそれぞれ示す図である。図7に示すように、変位Yは、移動ローラ44の移動開始から時間s1まで一定の割合で増加され、その時間s1から周長調整工程P8の終了の時間s2まで所定値に保持される。これに対して、張力Tは、移動開始から時間s1までの間において、零から所定の張力T1を超える値まで急速に増加した後に上記所定の張力T1に向けて除々に低下し、時間s1から時間s2まで上記所定の張力T1に保持される。
図8は、前記帯状金属部材12の前記周長調整工程P8終了直前の引張応力σTAおよび曲げ応力σbAを加算した総応力σ1の厚み方向の分布を示す図である。周長調整工程P8の終了直前において、帯状金属部材12には、図8に1点鎖線で示される前記移動ローラ44による引張応力σTAと、図8に2点鎖線で示される移動ローラ44による曲げ応力σbAとが付与される。上記引張応力σTAおよび曲げ応力σbAは、以下の式(1)および式(2)により表される。なお、式(1)において、A1は帯状金属部材12の周長調整工程P8終了直前の断面積である。また、式(2)において、Eは帯状金属部材12のヤング率であり、tは帯状金属部材12の周長調整工程P8終了直前の厚みであり、rは移動ローラ44の半径である。
σTA=T1/A1・・・(1)
σbA=E*(t/2)/(r+(t/2))・・・(2)
図8において、総応力σ1が帯状金属部材12の降伏応力σy0を超える降伏領域S1は、その総応力σ1が取り除かれてもひずみが残る領域である。上記降伏応力σy0は、帯状金属部材12の材質により定まる固有値である。前記周長調整工程P8終了直前に帯状金属部材12は、中立面Nよりも外周側が外周側に向かうほど大きく周方向に塑性変形し、中立面Nよりも内周側が弾性変形した状態とされる。
帯状金属部材12は、上記のような状態から張力T1が取り除かれて自由状態とされると、ひずみを元に戻そうと変形するが、中立面Nよりも外周側にはひずみが残る。そして、上記変形の際に、帯状金属部材12の外周部は、残留ひずみが大きい外周側ほど周方向に圧縮される。図9は、上記自由状態とされた帯状金属部材12に残留する応力すなわち残留応力σrAの厚み方向の分布を示す図である。図9に示すように、帯状金属部材12の外周部には、外周側ほど大きい圧縮残留応力が残留し、内周部には、所定の引張残留応力σrA1が残留する。上記所定の引張残留応力σrA1は、以下の式(3)に示される値となる。
σrA1=σbA/4・・・(1)
図4に戻って、周長調整工程P8に次いで、残留応力付与工程P9では、周長が調整された前記帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力が付与される。図10は、残留応力付与工程P9にて用いられる残留応力付与装置66を概念的に示す図である。図10において、残留応力付与装置66は、軸心C3およびC4まわりの回転可能にそれぞれ設けられた一対の位置固定の固定ローラ68と、軸心C3およびC4にそれぞれ平行な軸心C5まわりの回転可能に設けられると共に、一対の固定ローラ68に巻き掛けられた帯状金属部材12の外周面24を内周側に向けて局部的に押圧する方向、およびそれとは反対の帯状金属部材12から離間する方向にそれぞれ移動可能に設けられた移動ローラ70とを備えている。上記固定ローラ68の一方の一端部には、その固定ローラ68を回転駆動するための図示しない電動機が連結されている。なお、上記固定ローラ68は、本発明における第2回転ローラに相当し、また、上記移動ローラ70は、本発明における第3回転ローラに相当するものである。
図11は、図10の残留応力付与装置66のXI-XI矢視部断面を示す断面図である。図11に示すように、残留応力付与装置66は、支持壁72に固定された油圧式アクチュエータ74と、その油圧式アクチュエータ74の出力ロッド76の先端部に固定され、移動ローラ70の回転軸78の両端部を回転可能に支持する支持部材80と、油圧式アクチュエータ74の出力ロッド76に作用する軸心方向の力を測定することで移動ローラ70から帯状金属部材12へ作用する第2荷重F2を間接的に測定するロードセル82とを、備えている。上記油圧式アクチュエータ74は、第1油圧室84に油圧が供給されることにより、出力ロッド76およびそれに連結された移動ローラ70を、図10および図11に矢印dで示す帯状金属部材12の外周面24を内周側へ押圧する方向へ移動させ、また、第2油圧室86に油圧が供給されることにより、出力ロッド76およびそれに連結された移動ローラ70を、図10および図11に矢印eで示す帯状金属部材12から離間する方向へ移動させるものである。また、油圧式アクチュエータ74は、ロードセル82から供給される第2荷重F2を表す信号に基づいて、帯状金属部材12のうち移動ローラ70による曲げ応力σbCの中立面N(図12参照)よりも内周側だけを塑性変形させ、且つ固定ローラ68によっては塑性変形させずに移動ローラ70によってのみ塑性変形させるような応力を、帯状金属部材12に与えるために、予め理論的に求められた以下の2つの条件を満たすように第2荷重F2を制御する。
上記2つの条件のうちの1つ目は、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、固定ローラ68によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbA’と、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなる範囲で可及的に大きくすることである。そして、上記2つの条件のうち2つ目は、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、移動ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbCと、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなる範囲で可及的に大きくすることである。上記引張応力σTC、曲げ応力σbC、および曲げ応力σbA’は、以下の式(3)乃至式(5)により表される。式(3)において、T2は帯状金属部材12の周方向の張力であり、例えば、予め定められた関係から第2荷重F2および移動ローラ70の移動量に基づいて算出される。また、式(2)において、rは移動ローラ70の半径であり、rA’は固定ローラ68の半径である。
σTC=T2/A1・・・(3)
σbC=E*(t/2)/(r+(t/2))・・・(4)
σbA’=E*(t/2)/(rA’+(t/2))・・・(5)
図10に戻って、残留応力付与工程P9では、上記のように構成される残留応力付与装置66が用いられて、帯状金属部材12が一対の固定ローラ68に弛みのない状態でそれぞれ巻き掛けられて前記電動機により固定ローラ68の一方が回転駆動されることで、矢印fで示すように帯状金属部材12が周方向に回転させられつつ、矢印dで示すように移動ローラ70が帯状金属部材12の外周面24を内周側へ押圧する方向へ移動させられることによって、帯状金属部材12の中立面N(図12参照)よりも内周側だけを塑性変形させるような所定の応力が帯状金属部材12に与えられる。
図12は、図4の残留応力付与工程P9において前記帯状金属部材12に与えられる複数の応力を加算した総応力σ2の厚み方向の分布を示す図である。残留応力付与工程P9において帯状金属部材12には、図12に1点鎖線で示される前記移動ローラ70による引張応力σTCと、図12に2点鎖線で示される移動ローラ70による曲げ応力σbCとが付与される。また、長破線で示されるのは、周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAである。ここで、残留応力付与工程P9実行時の帯状金属部材12の降伏応力は、前工程による加工硬化によって、図13に矢印gで示すように降伏応力σy0から降伏応力σy1に増加している。
図12において、総応力σ2が帯状金属部材12の降伏応力σy1を超える降伏領域S2は、その総応力σ2が取り除かれてもひずみが残る領域である。残留応力付与工程P9において帯状金属部材12は、中立面Nよりも内周側の一部が内周側に向かうほど大きく周方向に塑性変形し、上記一部よりも外周側が弾性変形した状態とされる。
帯状金属部材12は、上記のような状態から第2荷重F2が取り除かれて自由状態とされると、ひずみを元に戻そうと変形するが、中立面Nよりも内周側の一部にはひずみが残る。その変形の際に、帯状金属部材12の内周部は、残留ひずみが大きい内周側ほど周方向に圧縮される。図14は、上記自由状態とされた帯状金属部材12に残留する応力すなわち残留応力σのうち、前記残留応力σrAを除いた応力に起因して残留する応力すなわち残留応力σrCの厚み方向の分布を示す図である。図14に示すように、帯状金属部材12の内周部には、内周側ほど大きい圧縮残留応力が付与される。図15は、上記自由状態とされた帯状金属部材12に残留する残留応力σの厚み方向の分布を示す図である。図15に示すように、帯状金属部材12の内周部および外周部には、内周側および外周側ほど大きい圧縮残留応力がそれぞれ残留し、また、中央部には、引張残留応力が残留する。
図4に戻って、残留応力付与工程P9に次いで、時効処理工程P10では、帯状金属部材12に時効処理が施される。本実施例では、上記時効処理として、帯状金属部材12を所定の温度まで加熱して十分な時間保持した後に冷却を行うことによって、帯状金属部材12を調質させる処理が行われる。
次いで、窒化処理工程P11では、帯状金属部材12に窒化処理が施される。本実施例では、上記窒化処理として、帯状金属部材12を加熱しつつ所定濃度の窒化性ガス例えばアンモニア分解ガスを含む雰囲気内で所定時間保持することによって、帯状金属部材12の表面の層に窒素を拡散させる処理が行われる。図16は、上記窒化処理によって帯状金属部材12に付与される残留応力σrNの厚み方向の分布を示す図である。図16に示すように、上記窒化処理によって、帯状金属部材12の内周部および外周部には、内周側および外周側ほど大きい圧縮残留応力がそれぞれ残留させられ、また、中央部には、引張残留応力が残留させられる。そして、図16に示される残留応力σrNが前工程までに付与された残留応力σに加えて付与されることで、帯状金属部材12の残留応力の厚み方向の分布は、図3に示すような分布となる。
次いで、積層工程P12では、周長が異なる9個の帯状金属部材12が、内周側から外周側に向かうほど順に周長が大きくなるように互いに密着状態で積層されて、積層リング14が形成される。
本実施例の積層リング14の製造方法によれば、固定ローラ42および移動ローラ44(第1回転ローラ)に巻き掛けられた帯状金属部材12を周方向に回転させつつ、移動ローラ44を固定ローラ42から離間させることにより、その帯状金属部材12の周長を伸ばす周長調整工程P8と、一対の固定ローラ(第2回転ローラ)68に巻き掛けられた帯状金属部材12を周方向に回転させつつ、その帯状金属部材12の外周側に設けられた移動ローラ(第3回転ローラ)70を用いてその帯状金属部材12の外周面24を内周側に向けて局部的に押圧することにより、その帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力σrCを付与する残留応力付与工程P9とを含むことから、周長調整工程P8において帯状金属部材12の内周面22が外周側に向けて局部的に押圧されることでその帯状金属部材12の内周部に引張残留応力σrA1が残留しても、残留応力付与工程P9において帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力σrCが付与されるために、帯状金属部材12が伝動ベルト10の積層リング14の構成部品として用いられる場合に最低限圧縮側に要求される残留応力に対して、帯状金属部材12の内周部の強度余裕が多く(大きく)なるので、帯状金属部材12の耐久性を高めることができる。
因みに、図26は、上記残留応力付与工程P9が行われずに製造される従来の帯状金属部材の残留応力の厚み方向の分布を示す図である。図26に矢印kで示すように、従来の帯状金属部材の内周部の残留応力は、伝動ベルト10の積層リング14を6個の帯状金属部材で構成する場合に最低限圧縮側に要求される2点鎖線で示す残留応力よりも、引張側に分布するという問題があった。そのため、積層リング14を6個の帯状金属部材で構成するには強度が足りず、9個の帯状金属部材で構成されていた。なお、2点差線の残留応力分布の引張側すなわち右側に長破線で示す残留応力分布は、伝動ベルト10の積層リング14を9個の帯状金属部材で構成する場合に最低限圧縮側に要求される残留応力を示すものである。これに対して、本実施例の帯状金属部材12の残留応力はは、図3に示すように、伝動ベルト10の積層リング14を6個の帯状金属部材で構成する場合に最低限圧縮側に要求される2点鎖線で示す残留応力よりも、圧縮側すなわち左側に分布することから、積層リング14を6個の帯状金属部材で構成してもその積層リング14の強度が十分に確保される。そのため、積層リング14を9個の帯状金属部材で構成する場合に比べて軽量にすることができ、伝動ベルト10の製造コストを低減することができる。
また、本実施例の積層リング14の製造方法によれば、残留応力付与工程P9では、帯状金属部材12の中立面Nよりも内周側の一部だけを塑性変形させるために、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、固定ローラ68によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbA’と、周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和が、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなるように、移動ローラ70から帯状金属部材12へ作用する第2荷重F2が制御されることから、残留応力付与工程P9における帯状金属部材12の塑性変形領域(降伏領域)が厚み方向の一部となって帯状金属部材12の周長を変化させないので、周長調整工程P8において調整された帯状金属部材12の周長を変化させずに、その帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力を付与することができる。
また、本実施例の積層リング14の製造方法によれば、残留応力付与工程P9では、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、移動ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbCと、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和が、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなるように、移動ローラ70により帯状金属部材12の外周面24が内周側に局部的に押圧されることから、帯状金属部材12は固定ローラ68によっては塑性変形せず、移動ローラ70によってのみ厚み方向の一部が塑性変形されるので、帯状金属部材12の残留応力分布が周方向においてばらつくことを抑制することができる。
次に、本発明の他の実施例について説明する。なお、以下の実施例の説明において、実施例相互に重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図17は、本発明の他の実施例における帯状金属部材100(図2参照)の残留応力の厚み方向の分布を示す図である。図17に示すように、帯状金属部材100の厚み方向の外周部および内周部には、圧縮残留応力がそれぞれ残留している。そして、帯状金属部材100の厚み方向の中央部には、引張残留応力が残留している。本実施例の帯状金属部材100の残留応力は、伝動ベルト10の積層リング14を6個の帯状金属部材で構成する場合に最低限圧縮側に要求される2点鎖線で示される残留応力よりも、圧縮側すなわち左側となる。さらに、帯状金属部材100は、前述の実施例1の帯状金属部材12に比べて、上記2点鎖線で示される残留応力分布に対しての余裕が多い(大きい)。
また、帯状金属部材100には、内周面22から1点鎖線で示す中立面Nまでの厚み方向の距離Aに対する、上記内周面22から最大引張残留応力の作用位置までの厚み方向の距離Bの割合が、約100%となるように、残留応力が付与されている。また、帯状金属部材100には、外周面24から中立面Nまでの厚み方向の距離Cに対する、上記外周面24から最大引張残留応力の作用位置までの厚み方向の距離Dの割合が、約100%となるように、残留応力が付与されている。
図4において、周長調整工程P20では、第2の溶体化処理が施された環状部材38が予め定められた所定の周長に調整される。図18は、周長調整工程P20で用いられる周長調整装置102を概念的に示す図である。図19は、図18の周長調整装置102のXIX-XIX矢視部断面を示す断面図である。図18および図19において、周長調整装置102は、実施例1の周長調整装置40と比較して、固定ローラ42および移動ローラ44に巻き掛けられた帯状金属部材100の周方向の一部においてその帯状金属部材100の厚みtおよび幅Wを測定する測定機104と、油圧式アクチュエータ50の出力ロッド52に作用する軸心方向の力を測定することで移動ローラ44から帯状金属部材100へ作用する第1荷重F1を間接的に測定するロードセル106とが追加されている以外は、同じ構成である。
周長調整工程P20では、上記のように構成される周長調整装置102が用いられて、実施例1の周長調整工程P8と同様に、予め実験的に求められた関係から、図18に2点差線で示す移動ローラ44の原位置からの変位Yに基づいて、帯状金属部材100の周長が予め定められた所定値に調整されるとともに、図9に示すように、帯状金属部材100の外周部には外周側ほど大きい圧縮残留応力が付与され、帯状金属部材100の内周部には所定の引張残留応力σrA1が付与される。また、周長調整工程P20では、その周長調整工程P20終了直前の帯状金属部材100の厚みtおよび幅Wと、移動ローラ44から帯状金属部材100へ作用する第1荷重F1とが検出される。
図4に戻って、周長調整工程P20に次いで、残留応力付与工程P21では、実施例1の残留応力付与工程P9で用いられたものと同じ残留応力付与装置66が用いられて、周長が調整された帯状金属部材100の内周部に圧縮残留応力が付与される。なお、本実施例の残留応力付与工程P21は、実施例1の残留応力付与工程P9とは以下の点が異なる。
本実施例の残留応力付与工程P21では、予め定められた次式(6)および(7)で示される関係から、周長調整工程P20終了直前の帯状金属部材100の厚みtおよび幅W、および周長調整工程P20終了直前の第1荷重F1に基づいて、周長調整工程P20終了直前の帯状金属部材100の周方向の張力T1および断面積A1が算出され、予め定められた次式(8)で示される関係から、上記算出された張力T1および断面積A1に基づいて、帯状金属部材100の残留応力付与工程P21実行時の降伏応力σy1が算出される。
T1=F1/2・・・(6)
A=t*W・・・(7)
σy1=T1/A・・・(8)
また、残留応力付与工程P21では、油圧式アクチュエータ74は、上記算出された降伏応力σy1とロードセル82から供給される第2荷重F2を表す信号とに基づいて、帯状金属部材100の中立面N(図20参照)よりも内周側の可及的に広い領域を塑性変形させ、且つ固定ローラ68によっては塑性変形させずに移動ローラ70によってのみ塑性変形させるような所定の応力を、帯状金属部材100に与えるために、予め理論的に求められた以下の2つの条件を満たすように第2荷重F2を制御する。
上記2つの条件のうちの1つ目は、帯状金属部材100の中立面N上およびそれよりも外周側において、移動ローラ70によって帯状金属部材100に加えられる引張応力σTCと、固定ローラ68によって帯状金属部材100に加えられる曲げ応力σbA’と、前記周長調整工程P8において帯状金属部材100に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材100の降伏応力σy1以下にするとともに、帯状金属部材100の中立面N上において、引張応力σTCと残留応力σrAとの和を帯状金属部材100の降伏応力σy1と等しくすることである。そして、上記2つの条件のうち2つ目は、帯状金属部材100の中立面N上およびそれよりも外周側において、移動ローラ70によって帯状金属部材100に加えられる引張応力σTCと、移動ローラ70によって帯状金属部材100に加えられる曲げ応力σbCと、前記周長調整工程P8において帯状金属部材100に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材100の降伏応力σy1以下にすることである。
図20は、残留応力付与工程P21において帯状金属部材100に与えられる複数の応力を加算した総応力σ3の厚み方向の分布を示す図である。図20に示すように、残留応力付与工程P21では、総応力σ3が帯状金属部材100の降伏応力σy1を超える降伏領域S3が、帯状金属部材100の中立面Nよりも内周側において可及的に最大とされる。帯状金属部材100は、中立面Nよりも内周側の全部が内周側に向かうほど大きく周方向に塑性変形し、外周側が弾性変形した状態とされる。
帯状金属部材100は、上記のような状態から第2荷重F2が取り除かれて自由状態とされると、ひずみを元に戻そうと変形するが、中立面Nよりも内周側にはひずみが残る。その変形の際に、帯状金属部材100の内周部は、残留ひずみが大きい内周側ほど周方向に圧縮される。図21は、上記自由状態とされた帯状金属部材100に残留する残留応力のうち、前記残留応力σrAを除いた応力に起因して残留する応力すなわち残留応力σrCの厚み方向の分布を示す図である。図21に示すように、帯状金属部材100の内周部には、内周側ほど大きい圧縮残留応力が付与される。図14に示される実施例1の場合と比べると、本実施例の場合の方が、帯状金属部材100の内周部のより広い領域により大きな残留応力σrCが付与される。
本実施例の積層リング14の製造方法によれば、固定ローラ42および移動ローラ44(第1回転ローラ)に巻き掛けられた帯状金属部材100を周方向に回転させつつ、移動ローラ44を固定ローラ42から離間させることにより、その帯状金属部材100の周長を伸ばす周長調整工程P20と、一対の固定ローラ(第2回転ローラ)68に巻き掛けられた帯状金属部材100を周方向に回転させつつ、その帯状金属部材100の外周側に設けられた移動ローラ(第3回転ローラ)70を用いてその帯状金属部材100の外周面24を内周側に向けて局部的に押圧することにより、その帯状金属部材100の内周部に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程P21とを含むことから、周長調整工程P20において帯状金属部材100の内周面22が外周側に向けて局部的に押圧されることでその帯状金属部材100の内周部に引張残留応力が残留しても、残留応力付与工程P21において帯状金属部材100の内周部に圧縮残留応力が付与されるために、帯状金属部材100が伝動ベルト10の構成部品として用いられる場合に最低限圧縮側に要求される残留応力に対して、帯状金属部材100の内周部の強度余裕が多く(大きく)なるので、実施例1と同様に、帯状金属部材100の耐久性を高めることができる。
また、本実施例の積層リング14の製造方法によれば、残留応力付与工程P21は、周長調整工程P20終了直前の帯状金属部材100の周方向の張力T1および断面積A1に基づいて、その帯状金属部材100の周長調整工程P20終了時の降伏応力σy1を算出し、帯状金属部材100の中立面N上において、移動ローラ70によって帯状金属部材100に加えられる引張応力σTCと、前記周長調整工程P8において帯状金属部材100に付与された残留応力σrAとの和が、帯状金属部材100の降伏応力σy1と等しくなるように、帯状金属部材100の外周面24を内周側に向けて局部的に押圧することから、帯状金属部材100の周長を変化させない範囲でその帯状金属部材100の内周部の可及的に広い領域に圧縮残留応力を付与することができる。そのため、帯状金属部材100は、前述の実施例1の帯状金属部材12に比べて、伝動ベルト10の積層リング14を構成するために最低限圧縮側に要求される強度に対しての強度余裕を多く(大きく)することができる。
図22は、本発明の他の実施例の積層リング14(図1参照)の製造工程を説明するための工程図である。なお、本実施例の積層リング14を構成する帯状金属部材12(図1参照)は、実施例1と同様に、図3に示すような残留応力を有している。図22において、残留応力除去工程P30では、帯状金属部材12を、例えばAC1変態点以上の温度に加熱してその温度に保持した後に徐冷することにより、前工程までに帯状金属部材12に残留した残留応力が除去される。
次いで、残留応力付与工程P31では、周長調整工程P8で用いられたものと同じ周長調整装置40が用いられて、図9に示すように、帯状金属部材12の外周部に圧縮残留応力σrAが付与される。そして、残留応力付与工程P31では、実施例1の図4の残留応力付与工P9で用いられたものと同じ残留応力付与装置66が用いられて、図14に示すように、帯状金属部材12の内周部に内周側ほど大きい圧縮残留応力が付与される。その結果、帯状金属部材12の残留応力の厚み方向の分布は、図15に示すような状態とされる。
上記以外の構成は実施例1と同じであり、本実施例の積層リング14の製造方法によれば、実施例1と同様に、帯状金属部材12の耐久性を高めることができる。
また、本実施例の積層リング14の製造方法によれば、帯状金属部材12は鋼から成るものであり、残留応力付与工程P31の前に、帯状金属部材12をAC1変態点以上の温度に加熱してその温度に保持した後に徐冷することにより、その帯状金属部材12の残留応力を除去する残留応力除去工程P30を含むことから、残留応力付与工程P31の前に帯状金属部材12に付された残留応力を除去することで残留応力付与工程P31において帯状金属部材12に付される残留応力の精度を向上させることができる。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、帯状金属部材12は、マルエージング鋼およびステンレス鋼以外の鋼材から形成されてもよい。
また、残留応力付与装置66の機械的構成は、一例が開示されたものであり、その他の公知の機械的構成であっても実現される。例えば、移動ローラ70を移動させるために用いられる油圧式アクチュエータは、それに代えて、例えば電気式または空気圧式等の他の方式のアクチュエータが用いられ得る。また、固定ローラ68は、3つ以上設けられてもよい。
また、残留応力付与装置66に代えて、図23に示される残留応力付与装置200が用いられてもよい。図24は、図23のXXIV-XXIV矢視部断面を示す図であり、図25は、図23のXXV-XXV矢視部断面を示す図である。残留応力付与装置200は、帯状金属部材12の内周側に設けられた固定ローラ68および移動ローラ202と、それら固定ローラ68および移動ローラ202に巻き掛けられた帯状金属部材12の外周面24を内周側に局部的に押圧する固定ローラ204とを備えている。図24に示すように、上記固定ローラ204を回転可能に支持する支持部材80は、支持部材206を介して支持壁72に固定されている。図25に示すように、上記移動ローラ202は、油圧式アクチュエータ50によって矢印hで示す固定ローラ68に接近する方向、および矢印iで示す固定ローラ68から離間する方向のどちらか一方へ選択的に移動させられる。このように構成される残留応力付与装置200は、帯状金属部材12が固定ローラ68および移動ローラ202に弛みのない状態で巻き掛けられて電動機58により移動ローラ202が回転駆動されることで、矢印jで示すように帯状金属部材12が周方向に回転させられつつ、矢印iで示すように移動ローラ202が固定ローラ68から離間させられることによって、固定ローラ204により帯状金属部材12の外周面24が内周側へ押圧されるようになっている。
また、周長調整装置40(102)は、帯状金属部材12(100)を周方向に伸ばすための機械的構成の一例が開示されたものであり、その他の公知の機械的構成であっても実現される。例えば、固定ローラ42は、複数設けられてもよい。また、移動ローラ44は、帯状金属部材12(100)を周方向に伸ばすために、固定ローラ42から離間する方向に移動するものに限らず、例えば、一対の固定ローラ42の間に設けられて帯状金属部材12の内周面を外周側に向けて押圧するものであってもよい。
また、固定ローラ42および移動ローラ44の外周面は、必ずしも軸心C1およびC2を通る断面において外周側に凸状を成す円弧状でなくてもよい。例えば、円筒面状に形成されてもよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:伝動ベルト
12:帯状金属部材
14:積層リング
18:エレメント
24:外周面
42:固定ローラ(第1回転ローラ)
44:移動ローラ(第1回転ローラ)
68:固定ローラ(第2回転ローラ)
70:移動ローラ(第3回転ローラ)
A1:断面積
N1,N2:中立線
P8,P20:周長調整工程
P9,P21,P31:残留応力付与工程
P30:残留応力除去工程
T,T1,T2:張力
σTC:移動ローラ70による引張応力(第3回転ローラによる引張応力)
σbC:移動ローラ70による曲げ応力(第3回転ローラによる曲げ応力)
σbA’:固定ローラ68による曲げ応力(第2回転ローラによる曲げ応力)
σrA:残留応力(周長調整工程において帯状金属部材に付与された残留応力)
σy0,σy0:降伏応力

Claims (6)

  1. 複数の無端環状の帯状金属部材が密着状態で積層されて成り、環状に連ねられた複数のエレメントを支持するために車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに用いられる積層リングの製造方法であって、
    前記帯状金属部材が巻き掛けられた少なくとも2つの第1回転ローラを用いて該帯状金属部材を周方向に回転させつつ、該少なくとも2つの第1回転ローラを相対的に離間させることにより、該帯状金属部材の周長を伸ばす周長調整工程と、
    前記帯状金属部材が巻き掛けられた少なくとも2つの第2回転ローラを用いて該帯状金属部材を周方向に回転させつつ、該帯状金属部材の外周側に設けられた第3回転ローラを用いて該帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することにより、該帯状金属部材の内周部に圧縮残留応力を付与する残留応力付与工程と
    を、含むことを特徴とする積層リングの製造方法。
  2. 前記残留応力付与工程は、前記帯状金属部材の中立面よりも内周側だけを塑性変形させることを特徴とする請求項1の積層リングの製造方法。
  3. 前記残留応力付与工程は、前記帯状金属部材の中立面よりも外周側において、前記第3回転ローラによって該帯状金属部材に加えられる引張応力と、前記第2回転ローラによって該帯状金属部材に加えられる曲げ応力と、前記周長調整工程において該帯状金属部材に付与された残留応力との和が、該帯状金属部材の降伏応力よりも小さくなるように、該帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することを特徴とする請求項2の積層リングの製造方法。
  4. 前記残留応力付与工程は、前記帯状金属部材の中立面よりも外周側において、前記第3回転ローラによって該帯状金属部材に加えられる引張応力と、該第3回転ローラによって該帯状金属部材に加えられる曲げ応力と、前記周長調整工程において該帯状金属部材に付与された残留応力との和が、該帯状金属部材の降伏応力よりも小さくなるように、該帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧することを特徴とする請求項2または3の積層リングの製造方法。
  5. 前記残留応力付与工程は、
    前記周長調整工程終了直前の前記帯状金属部材の周方向の張力および断面積に基づいて、該帯状金属部材の該周長調整工程終了時の降伏応力を算出し、
    前記帯状金属部材の中立面上において、前記第3回転ローラによって該帯状金属部材に加えられる引張応力と、前記周長調整工程において該帯状金属部材に付与された残留応力との和が、該周長調整工程終了時の降伏応力と等しくなるように、該帯状金属部材の外周面を内周側に向けて局部的に押圧する
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1の積層リングの製造方法。
  6. 前記帯状金属部材は、鋼から成るものであり、
    前記残留応力付与工程より前に、前記帯状金属部材をAC1変態点以上に加熱して残留応力を除去する残留応力除去工程を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の積層リングの製造方法。
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