JP5057271B2 - 金属リングの製造方法 - Google Patents

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本発明は、マルエージング鋼からなり無段変速機用ベルトに用いられる薄板状無端金属リングの製造方法に関する。
無段変速機(CVT)の動力伝達に用いられる無段変速機用ベルトは、複数の薄板状無端金属リングを相互に積層することにより形成された金属リング積層体により、環状に積層配列された複数の金属エレメントを一体に結束したものである。各金属リングは、径方向に相互に積層可能とするために、少しずつ周長が異なるように形成されている。
この種の金属リング積層体は、次のようにして製造される。まず、マルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接して筒状のドラムを形成する。次に、該ドラムに対して、前記溶接時の熱により部分的に硬くなった硬度を均質化するために、第1の溶体化処理を施す。次に、第1の溶体化処理が施されたドラムを所定の幅に裁断し、圧延することにより、所望の周長を有する金属リングを形成する。この所望の周長とは、複数の金属リングを径方向に相互に積層可能とさせるための周長の設計値であり、積層される順番に従って少しずつ異なる周長に設定されている。
次に、圧延された金属リングに対して、圧延により変形した金属組織の形状を復元するために、第2の溶体化処理を施す。しかし、第2の溶体化処理が施された金属リングの周長は所望の周長と一致しなくなっているので、周長補正処理により所望の周長に補正する。従って、この周長補正処理は、前記金属リング積層体を形成する際に、複数の前記金属リングを相互に干渉させることなく積層するためには極めて重要である。
次に、周長補正された金属リングに時効処理及び窒化処理を施すことにより、該金属リングに所要の硬度を付与する。次に、以上により形成された周長が少しずつ異なる複数の金属リングを径方向に相互に積層することにより、金属リング積層体が形成される。
前記周長補正処理は、例えば下記特許文献1に記載された金属リング周長補正装置により行われる。この金属リング周長補正装置は、第2の溶体化処理が施された金属リングが掛け回される駆動ローラ及び従動ローラと、該金属リングを延引する矯正ローラとを備える。駆動ローラ及び従動ローラは、相対的に近接した状態で前記金属リングを掛け回し可能であり、相対的に離間する方向、例えば水平方向に変位可能となっている。また、矯正ローラは、駆動ローラ及び従動ローラの間の位置であって且つ駆動ローラ及び従動ローラに掛け回された金属リングの内方に設けられ、駆動ローラ及び従動ローラの変位方向と交差し且つ該金属リングを延引する方向、例えば垂直上方向に変位可能となっている。
前記金属リング周長補正装置により前記周長補正処理を行うときには、まず、駆動ローラ及び従動ローラを相対的に近接させた状態で、該駆動ローラ及び該従動ローラに第2の溶体化処理が施された金属リングを掛け回す。次に、駆動ローラと従動ローラとを相対的に離間させて所定の間隔に保持することにより金属リングを緊張させる。次に、金属リングを緊張させた状態で矯正ローラを垂直上方向に変位させることにより、金属リングは延伸され、所望の周長に補正される。
ところで、前記金属リングは、複数の該金属リングが径方向に相互に積層されて金属リング積層体が形成された際に積層状態の保持を容易にするために、外周面が幅方向の断面視で中央部が外方に向かって凸となる円弧形状であることが望ましい。
そこで、矯正ローラの外周面が幅方向の断面視で中央部が外方に向かって凸となる円弧形状となっている金属リング周長補正装置を用いることが考えられる。この金属リング周長補正装置により前記周長補正処理を行うときには、矯正ローラを前記垂直上方向に変位させて金属リングを引っ張り延伸させることにより、金属リングの周長が補正されるとともに該金属リングの外周面に上記円弧形状が付与されると予想される。
しかしながら、この金属リング周長補正装置では、金属リングに所望の円弧形状を付与することができないことがあるので、周長補正と円弧形状付与との両方を確実に行うことができる金属リング周長補正方法及びその装置が望まれる。
特開平11−290971号公報
本発明は、以上の点に鑑み、マルエージング鋼からなり無段変速機用ベルトに用いられ薄板状無端金属リングの周長補正と円弧形状付与とを一挙動で確実に行うことができる金属リングの製造方法を提供することを目的とする。
本願発明者は、上記金属リング周長補正装置において金属リングに所望の円弧形状を付与することができない原因について鋭意検討した結果、金属リング周長補正装置による円弧形状付与には、矯正ローラの外周面形状よりも直径の寄与が大きいこと、さらに、矯正ローラは特定の範囲の直径を備える必要があることを見出した。
そこで、上記目的を達成するために、本発明の金属リングの製造方法は、マルエージング鋼からなり無段変速機用ベルトに用いられ薄板状無端金属リングの製造方法において、マルエージング鋼からなる薄板の端部同士を溶接することにより筒状のドラムを形成するドラム形成工程と、前記ドラムを、真空炉内で760〜850℃の温度に0.5〜4時間保持することにより溶体化処理を施す第1の溶体化処理工程と、第1の溶体化処理工程で溶体化されたドラムを、所定の幅に裁断し、圧下率40〜50%で圧延することにより、所望の周長を有する金属リングを形成する圧延工程と、該圧延工程で得られた金属リングを、真空炉内で760〜850℃の温度に0.5〜4時間保持することにより溶体化処理を施す第2の溶体化処理工程と、相対的に近接した状態で金属リングを掛け回し可能であり、相対的に離間する方向に変位可能な駆動ローラ及び従動ローラを相対的に近接した状態で、前記第2の溶体化処理工程で得られた金属リングを掛け回し、該駆動ローラ及び該従動ローラを相対的に離間する方向へ変位させ、前記駆動ローラ及び前記従動ローラの間の位置であって且つ該駆動ローラ及び該従動ローラに掛け回された金属リングの内方に設けられ、円筒状であるか、又は外周面が幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状に形成されていて、15〜30mmの範囲の直径を備える矯正ローラを、該駆動ローラ及び該従動ローラの変位方向と交差し且つ該金属リングを延引する方向に変位させ、該金属リングを引っ張り延伸させることにより、該金属リングの周長を補正すると同時に、該金属リングの外周面に幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状を付与する周長補正工程と、周長が補正されるとともに円弧形状が付与された金属リングを、真空炉内で400〜500℃の温度に2〜3時間保持することにより時効処理を施す時効処理工程と、
該時効処理された金属リングを、アンモニアガスを含む不活性ガス雰囲気下で400〜500℃の温度に0.5〜10時間保持することにより窒化処理を施す窒化処理工程とを備えることを特徴とする。
本発明の製造方法によれば、まず、ドラム形成工程で溶接されたドラムに対して、第1の溶体化処理工程を前記条件で行うことにより、該ドラムを溶体化して溶接部の硬度と他の部分の硬度とを均質化する。次に、第1の溶体化処理工程で溶体化されたドラムに対して、圧延工程を前記条件で行うことにより、所定の幅及び所望の周長を有する金属リングを形成する。次に、第2の溶体化処理工程を前記条件で行うことにより、前記金属リングを溶体化して圧延により変形した金属組織の形状を復元させる。
このとき、ドラム形成工程、第1の溶体化処理工程、金属リング形成工程、及び第2の溶体化処理工程をそれぞれ前記条件で行うことにより、得られた金属リングは、次の周長補正工程において、所望の周長補正及び所望の円弧形状付与を確実に行うことができる。
次に、第2の溶体化処理工程で得られた金属リングを、相対的に近接した状態の前記駆動ローラ及び前記従動ローラに掛け廻し、該駆動ローラ及び該従動ローラを相対的に離間する方向へ変位させる。そして、前記矯正ローラを前記駆動ローラ及び前記従動ローラの変位方向と交差し且つ前記金属リングを延引する方向に変位させて金属リングを引っ張り延伸させることにより、該金属リングを所望の周長に補正することができる。
このとき、前記矯正ローラが15〜30mmの範囲の直径を備えていることにより、前記金属リングを所望の周長に補正すると同時に、該金属リングの外周面に幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる所望の円弧形状を付与することができる。すなわち、前記金属リングの周長補正と円弧形状付与とを一挙動で確実に行うことができる。前記矯正ローラは、円筒状であってもよく、外周面が幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状に形成されていてもよい。
次に、周長が補正されるとともに円弧形状が付与された金属リングに対して、時効処理工程を前記条件で行い、次いで、窒化処理工程を前記条件で行うことにより、所要の硬度を付与することができるとともに、補正された周長と付与された円弧形状とを確定することができる。
以上により、マルエージング鋼からなり無段変速機用ベルトに用いられる薄板状無端金属リングであって、周長が補正されるとともに円弧形状が付与された金属リングを得ることができる。得られた金属リングは、円弧形状が付与されているので、径方向に相互に積層されて金属リング積層体が形成された際に積層状態を容易に保持することができる。
また、得られた金属リングは、前記矯正ローラを前記方向に変位させて前記金属リングを延伸させたことにより、リング周方向の残留応力が付与されており、さらに、時効処理及び窒化処理が施されているので、無段変速機用ベルトが回転する際の該金属リングの耐疲労強度を向上することができる。
前記矯正ローラは、直径が小さいほど、前記金属リングの外周面に外周側への突出量が大きい円弧形状を付与することができ、直径が大きいほど、突出量が小さい円弧形状を付与することができる。そこで、本発明の製造方法においては、前記金属リングを引っ張り延伸させる動作は、15〜30mmの範囲の直径を備える前記矯正ローラにより行われるので、前記金属リングの周長補正と円弧形状付与とを一挙動でより確実に行うことができる。
前記動作が15mm未満の直径を備える前記矯正ローラにより行われる場合には、得られた円弧形状の外周側への突出量が過大となるので、複数の前記金属リングを径方向に相互に積層して形成された金属リング積層体により、環状に積層配列された複数の金属エレメントを一体に結束しようとする際に、該金属リング積層体が該金属エレメントに干渉して一体に結束することができないことがある。また、前記動作が30mmを超える直径を備える前記矯正ローラにより行われる場合には、前記突出量が過小となり、複数の前記金属リングを径方向に相互に積層する際に積層状態を保持することができなくなることがある。
なお、前記矯正ローラの直径が小さいほど、前記金属リングに大きな残留応力が付与され、直径が大きいほど、小さな残留応力が付与される。前記金属リングに適切な範囲の大きさのリング周方向の残留応力を付与することにより、前記金属リングが相互に積層されて形成された無段変速機用ベルトが回転する際、該金属リングの耐疲労強度を向上させることができる。しかし、前記矯正ローラの直径によっては、前記金属リングに過剰な残留応力が付与され、この過剰な残留応力により該金属リングの耐疲労強度が低下するおそれがあるので注意する必要がある。
次に、添付の図面を参照しながら本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。図1は無段変速機用ベルトの一部を示す斜視図である。図2は本発明の実施形態の金属リング周長補正装置を模式的に示す説明図である。
図1示の無段変速機用ベルトBは、複数の金属リングWを相互に積層することにより形成された金属リング積層体Rにより、複数の金属エレメントEからなる金属エレメント積層体を一体に結束したものである。この金属エレメント積層体は、一対の凹部を備える板状の金属エレメントEを板厚方向に相互に積層することにより環状に積層配列されたものであり、金属エレメント積層体の凹部Eaに挿入された金属リング積層体Rを介して一体に結束されている。
金属リング積層体Rは、少しずつ周長が異なる複数の金属リングWを径方向に相互に積層することにより形成される。金属リングWは、マルエージング鋼からなる薄板状無端金属リングであって、外周面が幅方向に断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状Waとなっている。これにより、複数の金属リングWを積層して金属リング積層体Rが形成される際に、各金属リングWの円弧形状Waが互いに係合して積層状態が容易に保持される。
本実施形態では、この金属リングWを次のようにして形成する。まず、マルエージング鋼の薄板の端部同士を溶接することにより筒状のドラムを形成する。該ドラムは前記溶接時の熱により部分的に硬度が硬くなっているので、次に、該ドラムに第1の溶体化処理を施し、硬度を均質化させる。この第1の溶体化処理は、例えば、該ドラムを真空炉内で760〜850℃の温度に0.5〜4時間保持することにより行われる。
次に、第1の溶体化処理が施されたドラムを真空炉から搬出して所定の幅に裁断し、圧下率40〜50%で圧延することにより、所望の周長を有する金属リングWが形成される。この所望の周長とは、複数の金属リングWを径方向に相互に積層可能とさせるための周長の設計値であり、積層される順番に従って少しずつ異なる周長に設定されている。周長補正された金属リングWは、前記圧延により金属組織の形状が変形しているので、次に、該金属リングWに第2の溶体化処理を施し、圧延結晶を再結晶させ、前記圧延により変形した金属組織の形状を復元させる。この第2の溶体化処理は、例えば、該金属リングWを真空炉内で760〜850℃の温度に0.5〜4時間保持することにより行われる。
第2の溶体化処理が施された金属リングWの周長は所望の周長と一致しなくなっているので、次に、金属リングWを真空炉から搬出し、周長を補正する。また、金属リングWが金属リング積層体Rとして径方向に相互に積層された際の積層状態が容易に保持されるようにするために、金属リングWの外周面に幅方向の断面視で中央部が外方に向かって凸となる円弧形状Waを付与する。
そこで、本実施形態では、金属リングWに対する周長補正と円弧形状付与とを図2(a)示の金属リング周長補正装置1により行う。
図2(a)示の金属リング周長補正装置1は、図1示の金属リング積層体Rを構成する金属リングWの周長を補正するとともに、金属リングWの外周面に円弧形状Waを付与する装置である。金属リング周長補正装置1は、金属リングWが掛け回される駆動ローラ2及び従動ローラ3と、金属リングWを延引する矯正ローラ4とを備える。
駆動ローラ2及び従動ローラ3は、相対的に近接した状態で金属リングWを掛け回し可能であり、相対的に離間する方向に変位可能となっている。駆動ローラ2は、モータ等の図示しない駆動手段により回転駆動自在に構成されている。また、従動ローラ3は、駆動ローラ2から離間する水平方向に変位自在となっている。
矯正ローラ4は、駆動ローラ2及び従動ローラ3の間の位置であって且つ駆動ローラ2及び従動ローラ3に掛け回された金属リングWの内方に設けられている。また、矯正ローラ4は、駆動ローラ2及び従動ローラ3の変位方向(水平方向)と交差し且つ該金属リングWを延引する垂直上方向に変位可能となっている。矯正ローラ4の直径Dは、変位したときに金属リングWの外周面に円弧形状Waを付与することができる範囲にあり、好ましくは15〜30mmの範囲であり、例えば30mmとなっている。
なお、矯正ローラ4は円筒状であってもよいし、図2(a)のA−A線断面図である図2(b)に示されるように、外周面4aが幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状に形成されたものであってもよい。
次に、図2(a)を参照しながら金属リング周長補正装置1の作動について説明する。まず、従動ローラ3を水平方向に変位して駆動ローラ2に近接させた状態で、駆動ローラ2及び従動ローラ3に第2の溶体化処理が施された金属リングWを掛け回す。次に、従動ローラ3を水平方向に変位して駆動ローラ2から離間させ、駆動ローラ2と従動ローラ3とを所定の間隔に保持することにより、金属リングWを緊張させる。
次に、金属リングWを緊張させた状態で、駆動ローラ2を回転駆動させることにより、金属リングWは駆動ローラ2及び従動ローラ3を周回させられる。次に、金属リングWを周回させた状態で、駆動ローラ2と従動ローラ3との軸間距離に基づいて金属リングWの実際の周長を算出する。次に、金属リングWの所望の周長と算出された金属リングWの実際の周長との差を求め、この差から矯正ローラ4の変位量xを決定する。
次に、矯正ローラ4を垂直上方向に付勢する。これにより、金属リングWは、矯正ローラ4に引っ張られて延伸され、塑性変形させられる。この結果、矯正ローラ4は、図2(a)に仮想線示する状態から、前記塑性変形に対応して次第に垂直上方向に変位する。
次に、矯正ローラ4の変位量が、金属リングWの所望の周長と算出された金属リングWの実際の周長との差により決定された変位量xに達したら、該変位量xを所定時間保持した後に矯正ローラ4を垂直下方向に変位させる。そして、矯正ローラ4が最初の位置に復帰したら、駆動ローラ2の回転駆動を停止させる。次に、従動ローラ3を駆動ローラ2に近接させることにより金属リングWの緊張を緩める。次に、金属リングWの緊張を緩めた状態で、駆動ローラ2及び従動ローラ3から金属リングWを取り外し、作動を完了する。
本実施形態の金属リング周長補正装置1によれば、矯正ローラ4を変位量xだけ変位させて金属リングWを延伸させることにより、金属リングWを所望の周長に補正すると同時に、矯正ローラ4が例えば30mmの直径Dを備えていることにより、金属リングWの外周面に幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる所望の円弧形状Waを付与することができる。すなわち、金属リングWの周長補正と円弧形状付与とを一挙動で確実に行うことができる。また、前記矯正ローラを前記方向に変位させて前記金属リングを引っ張り延伸させる際、該金属リングに適切な範囲の大きさのリング周方向の残留応力が付与される。
次に、金属リング周長補正装置1により所望の周長に補正され且つ所望の円弧形状が付与された金属リングWに対して、時効処理及び窒化処理を施すことにより所要の硬度を付与する。時効処理は、例えば、該金属リングWを真空炉内で400〜500℃の温度に2〜3時間保持することにより行われる。また、窒化処理は、例えば、時効処理が施された金属リングWを、アンモニアガスを含む不活性ガス雰囲気下で400〜500℃の温度に0.5〜10時間保持することにより行われる。
以上により形成された金属リングWは、金属リング周長補正装置1により外周面に所望の円弧形状Waが付与されているので、周長が少しずつ異なる複数の金属リングWを径方向に相互に積層して金属リング積層体Rが形成される際に、この円弧形状Waが互いに係合して金属リングWの積層状態を容易に保持することができるようになる。
無段変速機用ベルトの一部を示す斜視図。 本発明の実施形態の金属リング周長補正装置を模式的に示す説明図。
符号の説明
1…金属リング周長補正装置、 2…駆動ローラ、 3…従動ローラ、 4…矯正ローラ、 D…矯正ローラの直径、B…無段変速機用ベルト、 W…金属リング。

Claims (1)

  1. マルエージング鋼からなり無段変速機用ベルトに用いられる薄板状無端金属リングの製造方法において、
    マルエージング鋼からなる薄板の端部同士を溶接することにより筒状のドラムを形成するドラム形成工程と、
    前記ドラムを、真空炉内で760〜850℃の温度に0.5〜4時間保持することにより溶体化処理を施す第1の溶体化処理工程と、
    第1の溶体化処理工程で溶体化されたドラムを、所定の幅に裁断し、圧下率40〜50%で圧延することにより、所望の周長を有する金属リングを形成する圧延工程と、
    該圧延工程で得られた金属リングを、真空炉内で760〜850℃の温度に0.5〜4時間保持することにより溶体化処理を施す第2の溶体化処理工程と、
    相対的に近接した状態で金属リングを掛け回し可能であり、相対的に離間する方向に変位可能な駆動ローラ及び従動ローラを相対的に近接した状態で、前記第2の溶体化処理工程で得られた金属リングを掛け回し、該駆動ローラ及び該従動ローラを相対的に離間する方向へ変位させ、前記駆動ローラ及び前記従動ローラの間の位置であって且つ該駆動ローラ及び該従動ローラに掛け回された金属リングの内方に設けられ、円筒状であるか、又は外周面が幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状に形成されていて、15〜30mmの範囲の直径を備える矯正ローラを、該駆動ローラ及び該従動ローラの変位方向と交差し且つ該金属リングを延引する方向に変位させ、該金属リングを引っ張り延伸させることにより、該金属リングの周長を補正すると同時に、該金属リングの外周面に幅方向の断面視で中央部が外方に凸となる円弧形状を付与する周長補正工程と、
    周長が補正されるとともに円弧形状が付与された金属リングを、真空炉内で400〜500℃の温度に2〜3時間保持することにより時効処理を施す時効処理工程と、
    該時効処理された金属リングを、アンモニアガスを含む不活性ガス雰囲気下で400〜500℃の温度に0.5〜10時間保持することにより窒化処理を施す窒化処理工程とを備えることを特徴とする金属リングの製造方法。
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