JP2012218004A - 薄板状無端金属リングの製造装置及び製造方法 - Google Patents

薄板状無端金属リングの製造装置及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】薄板状無端金属リングを用いた車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトに関するものであり、耐久性に優れた薄板状無端金属リングの製造装置及び製造方法を提供する。
【解決手段】帯状金属部材12が固定ローラ67、移動ローラ68および弾性ローラ69に弛みのない状態でそれぞれ巻き掛けられて電動機により移動ローラ68が回転駆動されることで、帯状金属部材12が周方向に回転させられつつ、矢印dで示すように加圧ローラ70が帯状金属部材12の外周面24を内周側へ押圧する方向へ移動させられることによって、帯状金属部材12の中立面よりも内周側だけを塑性変形させるような所定の応力が帯状金属部材12に与えられる。
【選択図】図8

Description

この発明は、薄板状無端金属リングの製造装置及び製造方法に関するものである。
従来、この種の無端金属リングは、無段変速機(CVT)の動力伝達用の変速機用ベルトなどに用いられている。無段変速機用ベルトは、周長が少しずつ異なる複数の無端金属リングを径方向に相互に積層して形成したリング積層体と、このリング積層体により結束される、環状に連ねられた複数のエレメントとから構成される。この無段変速機用ベルトは、駆動プーリ及び従動プーリに掛け回され、相互に接触するエレメント間の押し力で該駆動プーリ及び該従動プーリに沿って回転し、駆動力を駆動プーリから従動プーリに伝達する。このような無端金属リングの製造装置としては、例えば、特許文献1に記載された周長補正装置が知られている。
この特許文献1に記載された周長補正装置は、駆動ローラおよび従動ローラと、それらのローラ間に巻回された無端金属リングの周方向の一部を、内側から外側に向けて局所的に押圧するための矯正ローラとから構成されている。この周長補正装置を用いることにより、無端金属リングには、幅方向の断面において外周側に凸状を成す円弧状形状が付与される。無端金属リングは、前記円弧状形状により、それが複数積層された際においてその積層状態が容易に保持されるようになる。
しかし、この特許文献1に記載された周長補正装置により製造された無端金属リングにおいては、無端金属リングの内周面側が外周側に向けて局部的に押圧されることによりその無端金属リングの内周部に引張残留応力が付与されるために、その内周部の強度が必要強度に対して余裕がなくなり、耐久性が低下するという問題があった。
そこで、本出願人は、特願2010−048250号の出願において、この問題を解決した積層リングの製造方法を提案している。
図17(a)は、この積層リングの製造方法を示すものであり、帯状金属部材120の周長を調整する周長調整工程後に行われる残留応力付与工程において、2個の固定ローラ680間に巻き掛けられた帯状金属部材120に対して、移動ローラ700を用いてその帯状金属部材120の外周面側から内周面側に向けて押圧することにより、帯状金属部材120の内周部に圧縮残留応力を付与し、帯状金属部材120の耐久性を高めようとしたものである。
特開2009−22991号公報
しかしながら、先に提案した残留応力付与工程においては、以下のような問題があった。
すなわち、積層リングの製造方法において、前記帯状金属部材120に形成される外周側に凸状を成す円弧状形状は、周長調整工程後に残留応力付与工程がある場合には、周長調整工程におけるローラの外周形状のみならず残留応力付与工程の固定ローラ680の外周形状の影響を受けて形成される。
ところが、帯状金属部材120に対して、移動ローラ700を用いてその帯状金属部材120の外周面側から内周面側に向けて押圧すると、移動ローラ700部分における帯状金属部材120の円弧状形状が、図17(d)に断面図を示すように、複雑な形状となり、最終的な帯状金属部材120の円弧状形状が崩れたり、帯状金属部材120の幅方向の残留応力分布が不均一となり、耐久性が低下するなどの問題があった。
これらの問題は、主には移動ローラ700部分における帯状金属部材120の円弧状形状が、図17(d)に断面図を示すように複雑な形状であるため、移動ローラ700の外周面の断面形状と帯状金属部材120の断面形状とを完全に一致させることができないことによるものと考えられる。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、耐久性に優れた薄板状無端金属リングの製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記の問題点を解決するために、本発明の薄板状無端金属リングの製造装置は、次の構成を有している。
(1)薄板状無端金属リングの製造装置であって、前記金属リングの内周側に配置される保持用ローラと、前記金属リングの内周側に配置される内周側ローラとその内周側ローラとは前記金属リングを挟んで対向するように外周側に配置される外周側ローラとから成る圧縮残留応力付与手段と、から成ることを特徴とする。
(2)(1)に記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、前記圧縮残留応力付与手段の内周側ローラが弾性体で構成され、外周側ローラが剛体で構成されていることを特徴とする。
(3)(1)乃至(2)のいずれか1つに記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、前記内周側ローラと金属リングとの接触長さに比べて前記外周側ローラと金属リングとの接触長さの方が短いことを特徴とする。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、前記外周側ローラの外周面は、幅方向の中央が凹となるような形状に構成されていることを特徴とする。
(5)薄板状無端金属リングの製造方法であって、前記金属リングの内周側に配置される保持用ローラと、前記金属リングの内周側に配置される内周側ローラとその内周側ローラとは前記金属リングを挟んで対向するように外周側に配置される外周側ローラとから成る圧縮残留応力付与手段と、を用いて薄板状無端金属リングを製造することを特徴とする。
上記構成を有する本発明の薄板状無端金属リングの製造装置及び製造方法の作用・効果について説明する。
本発明の薄板状無端金属リングの製造装置では、
(1)前記金属リングの内周側に配置される保持用ローラと、前記金属リングの内周側に配置される内周側ローラとその内周側ローラとは前記金属リングを挟んで対向するように外周側に配置される外周側ローラとから成る圧縮残留応力付与手段と、から成ることを特徴とするので、圧縮残留応力付与手段において金属リングの円弧状形状が大きく崩れることがなく、したがって金属リングの幅方向の残留応力分布が均一となり、耐久性が向上するという優れた効果を奏する。
(2)(1)に記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、前記圧縮残留応力付与手段の内周側ローラが弾性体で構成され、外周側ローラが剛体で構成されていることを特徴とするので、外周側ローラの外周面に沿って金属リングの円弧状形状が形成されることとなり、その部分で円弧状形状が大きく崩れることがなく、したがって金属リングの幅方向の残留応力分布が均一となり、簡単な構成で耐久性を向上させることができる。
(3)(1)乃至(2)のいずれか1つに記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、前記内周側ローラと金属リングとの接触長さに比べて前記外周側ローラと金属リングとの接触長さの方が短いことを特徴とするので、金属リングの幅方向の残留応力分布が均一となり、簡単な構成で耐久性を向上させることができる。
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、前記外周側ローラの外周面は、幅方向の中央が凹となるような形状に構成されていることを特徴とする金属リングの幅方向の残留応力分布が均一となり、簡単な構成で耐久性を向上させることができる。
また、本発明の薄板状無端金属リングの製造方法では、
(5)薄板状無端金属リングの製造方法であって、前記金属リングの内周側に配置される保持用ローラと、前記金属リングの内周側に配置される内周側ローラとその内周側ローラとは前記金属リングを挟んで対向するように外周側に配置される外周側ローラとから成る圧縮残留応力付与手段と、を用いて薄板状無端金属リングを製造することを特徴とするので、圧縮残留応力付与手段において金属リングの円弧状形状が大きく崩れることがなく、したがって金属リングの幅方向の残留応力分布が均一となり、耐久性が向上した金属リングを提供することができるという優れた効果を奏する。
実施形態1に係る車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルトの周方向の一部を示す斜視図である。 帯状金属部材について、それを幅方向の断面と共に示す斜視図である。 帯状金属部材の横断面に垂直な方向の残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 積層リングの製造工程を説明するための工程図である。 図4の周長調整工程で用いられる周長調整装置を概念的に示す図である。 図4の周長調整工程終了直前の引張応力および曲げ応力を加算した総応力の厚み方向の分布を示す図である。 自由状態とされた帯状金属部材に残留する残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 (a)は図4の残留応力付与工程P9にて用いられる残留応力付与装置を概念的に示す図、(b)は図8(a)におけるI−I線拡大断面図である。 残留応力付与装置の移動ローラ付近を示す断面図である。 残留応力付与装置の加圧ローラ付近を示す断面図である。 図4の残留応力付与工程において、帯状金属部材に与えられる総応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4の残留応力付与工程後において、帯状金属部材の降伏応力の変化を説明する図である。 自由状態とされた帯状金属部材に残留する残留応力のうち、図4の周長調整工程において帯状金属部材に付与された残留応力を除いた応力に起因して残留する応力の厚み方向の分布を示す図である。 自由状態とされた帯状金属部材に残留する応力の厚み方向の分布を示す図である。 図4の窒化処理によって帯状金属部材に付与される残留応力の厚み方向の分布を示す図である。 変形例に係る残留応力付与装置を示す説明図である。 (a)先の出願に係る残留応力付与装置を示す説明図、(b)は図17(a)のII−II線断面図、(c)は図17(a)のIII−III線断面図、(d)は図17(a)のIV−IV線断面図である。
(実施形態1)
以下、本発明に係る薄板状無端金属リングの製造装置について、実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は、適宜簡略化或いは変形誇張されて描画されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも実施例と同一ではない。
図1は、本発明に係る薄板状無端金属リングの製造装置により製造される薄板状無端金属リングを用いた車両用ベルト式無段変速機の伝動ベルト10の周方向の一部を示す斜視図である。図1において、伝動ベルト10は、それぞれ複数の無端環状の帯状金属部材(この発明の薄板状無端金属リングに相当)12が密着状態でそれぞれ積層されて成る相互に並列に配設された一対の積層リング14と、その積層リング14に沿ってそれぞれ厚み方向に環状に連ねられた板状の金属から成る複数の金属エレメント18とを備えている。
この金属エレメント18の幅方向の両側面には、それぞれ幅方向の中央に向けて略水平に延びる一対のリング保持溝20が形成されている。一対の積層リング14は、前記複数の金属エレメント18を支持するために、それら複数の金属エレメント18にそれぞれ形成された一対のリング保持溝20内にそれぞれ挿入されている。積層リング14は、例えば、周長が内周側から外周側に向かうほど順次大きくなるように調整された複数の帯状金属部材12が、内周側から順に積層されて成る。なお、図1では、便宜上、3個の帯状金属部材12から成る積層リング14が図示されているが、6個とか10個の帯状金属部材12により構成しても差し支えない。
図2は、積層リング14を構成する複数の帯状金属部材12のうちの1の帯状金属部材12について、それを幅方向の断面と共に示す斜視図である。図2において、帯状金属部材12は、例えばマルエージング鋼またはステンレス鋼などの鋼から成るものである。そして、帯状金属部材12は、幅方向の断面が外周側(図2においては上側)に凸状を成す円弧状(クラウニング)となるように形成されている。これにより、帯状金属部材12は、複数積層されたときにおいて、内周面22および外周面24がその内周側および外周側にそれぞれ設けられる帯状金属部材の外周面および内周面とそれぞれ係合することで、互いの積層状態が容易に保持されるようになっている。
図3は、自由状態における帯状金属部材12の横断面に垂直な方向の残留応力σ(MPa又はN/mm2)の厚み方向の分布を示す図である。帯状金属部材12は、図2に示すように厚みtを有しており、図3のtはこれに対応している。図3に示すように、帯状金属部材12の厚み方向の外周部および内周部には、σ=0を示す破線よりも負側(左側)に示される圧縮残留応力がそれぞれ残留している。そして、帯状金属部材12の厚み方向の中央部には、σ=0を示す破線よりも正側(右側)に示される引張残留応力が残留している。図3の2点鎖線は、伝動ベルト10の積層リング14を例えば6個の帯状金属部材12で構成する場合に最低限圧縮側に要求される残留応力の厚み方向の分布を示しており、帯状金属部材12の残留応力が2点鎖線で示す残留応力分布よりも圧縮側すなわち図3の左側であれば、その帯状金属部材12が必要な強度を有していることになる。本実施例の帯状金属部材12は、厚み方向のどの位置においても残留応力が2点鎖線で示す残留応力よりも圧縮側に分布しているので、図1に示す伝動ベルト10の積層リング14を例えば6個の帯状金属部材12で構成する場合に必要な予め設定された強度を有していることになる。
図4は、図1に示す積層リング14の製造工程を説明するための工程図である。以下、この図4の工程図を参照して積層リング14の製造方法を説明する。
図4において、先ず、帯鋼切断工程P1では、例えばマルエージング鋼またはステンレス鋼などの帯鋼30が所定の長さに切断されて、平板32が形成される。
次いで、溶接工程P2では、平板32の一方および他方の切断面同士が互いに溶接されて、円筒状部材34が形成される。
次いで、第1溶体化工程P3では、溶接工程P2における溶接時の熱により溶接部位付近が部分的に硬くなった円筒状部材34の硬度を均質化するために、その円筒状部材34に第1の溶体化処理が施される。
次いで、円筒状部材切断工程P4では、円筒状部材34が軸心方向の所定長さ毎に上記軸心に直交する方向に切断されて、複数の短円筒状部材36がそれぞれ形成される。
次いで、バレル研磨工程P5では、上記短円筒状部材36の全部又はその一部が回転または振動する所定容器内に研磨材と共に入れられて研磨される。
次いで、圧延工程P6では、上記研磨された短円筒状部材36が所定の厚みに圧延され
て、環状部材38が形成される。
次いで、第2溶体化工程P7では、圧延工程P6における圧延により変形させられた環
状部材38の金属組織の形状を元に復元させるために、その環状部材38に第2の溶体化
処理が施される。
次いで、周長調整工程P8では、上記第2の溶体化処理が施された環状部材38が予め
定められた所定の周長に調整される。図5は、図4の周長調整工程P8で用いられる周長調整装置を概念的に示す図である。図5において、周長調整装置40は、軸心C1まわりの回転可能に設けられた位置固定の固定ローラ42と、軸心C1に平行な軸心C2まわりの回転可能且つ固定ローラ42に対して接近および離間可能に設けられた移動口一ラ44とを備えている。上記固定ローラ42および移動口一ラ44の外周面は、軸心C1およびC2を通る断面において外周側に凸状を成す円弧状にそれぞれ形成されている。
周長調整工程P8では、上記のように構成される周長調整装置40が用いられて、帯状金属部材12が固定ローラ42および移動ローラ44に弛みのない状態で巻き掛けられて電動機(図示せず)により移動ローラ44が回転駆動されることで、矢印cで示すように帯状金属部材12が周方向に回転させられつつ、矢印bで示すように移動ローラ44が固定ローラ42から離間させられることによって、帯状金属部材12が周方向に引き伸ばされる。本実施例では、予め実験的に求められた関係から、図5に1点鎖線で示す移動ローラ44の原位置からの変位Yに基づいて、帯状金属部材12の周長が予め定められた所定値に調整される。なお、帯状金属部材12は、上記周長の調整に際して固定ローラ42および移動ローラ44の外周面の形状が転写されことにより、幅方向の断面が外周側に凸状を成す円弧状に形成される。
図6は、前記帯状金属部材12の前記周長調整工程P8終了直前の引張応力σTAおよ
び曲げ応力σbAを加算した総応力σ1の厚み方向の分布を示す図である。周長調整工程P8の終了直前において、帯状金属部材12には、図6に1点鎖線で示される前記移動ローラ44による引張応力σTAと、図6に2点鎖線で示される移動ローラ44による曲げ応力σbAとが付与される。
図6において、総応力σ1が帯状金属部材12の降伏応力σy0を超える降伏領域S1は、その総応力σ1が取り除かれてもひずみが残る領域である。上記降伏応力σy0は、帯状金属部材12の材質により定まる固有値である。前記周長調整工程P8終了直前に帯状金属部材12は、中立面Nよりも外周側が外周側に向かうほど大きく周方向に塑性変形し、中立面Nよりも内周側が弾性変形した状態とされる。
帯状金属部材12は、上記のような状態から張力T1が取り除かれて自由状態とされると、ひずみを元に戻そうと変形するが、中立面Nよりも外周側にはひずみが残る。そして、上記変形の際に、帯状金属部材12の外周部は、残留ひずみが大きい外周側ほど周方向に圧縮される。図7は、上記自由状態とされた帯状金属部材12に残留する応力すなわち残留応力σrAの厚み方向の分布を示す図である。図7に示すように、帯状金属部材12の外周部には、外周側ほど大きい圧縮残留応力が残留し、内周部には、所定の引張残留応力σrA1が残留する。
図4に戻って、周長調整工程P8に次いで、残留応力付与工程P9では、周長が調整された前記帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力が付与される。図8(a)は、残留応力付与工程P9にて用いられる残留応力付与装置66を概念的に示す図である。図8(b)は、図8(a)におけるI−I拡大断面図ある。図8(a)において、残留応力付与装置66は、軸心C3まわりに回転可能に設けられた位置固定の固定ローラ67と、軸心C3に平行な軸心C4まわりに回転可能且つ固定ローラ67に対して接近および離間可能に設けられた移動口一ラ68と、軸心C3、C4にそれぞれ平行な軸心C5まわりに回転可能に設けられた弾性ローラ(この発明の内周側ローラに相当)69と、軸心C5に平行な軸心C6まわりに回転可能に設けられる金属製の加圧ローラ(この発明の外周側ローラに相当)70とから構成される。なお、固定ローラ67と移動口一ラ68とによりこの発明の保持用ローラが構成される。
上記固定ローラ67および移動口一ラ68の外周面は、軸心C3およびC4を通る断面において外周側に凸状を成す円弧状にそれぞれ形成されている。また、上記加圧ローラ70は、軸心C6を通る断面において凹状を成す円弧状に形成され、その曲率半径は、上記固定ローラ67および移動口一ラ68の外周面と略同じかそれよりもやや小さく形成されている。また、弾性ローラ69は、軸心C5を通る断面において直線を成すように形成されている。また、前記固定ローラ68、移動口一ラ68、弾性ローラ69及び加圧ローラ70は、同径に構成されている。更に、前記固定ローラ68、移動口一ラ68及び加圧ローラ70は、鉄やアルミニュウムなどの金属材料により形成され、また、前記弾性ローラ69は、ゴムやウレタンなどの弾性材料により形成されている。
前記帯状金属部材12は、前記固定口一ラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69に巻き掛けられた状態で支持される。つまり、前記固定口一ラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69は、前記帯状金属部材12の内側に位置することとなる。
図9は、図8(a)に示された残留応力付与装置66の移動口一ラ68付近を示す断面図である。図9に示すように、保持力調整装置40は、支持壁48に固定された油圧式アクチュエータ50と、その油圧式アクチュエータ50の出力ロッド52の先端部に固定され、移動ローラ68の回転軸54の両端部を回転可能に支持する支持部材56と、油圧式アクチュエータ50の出力ロッド52に作用する軸心方向の力を測定することで移動ローラ68から帯状金属部材12へ作用する第3荷重F3を間接的に測定するロードセル60と、上記移動ローラ68の回転軸54を回転駆動する電動機58とを備えている。上記油圧式アクチュエータ50は、第1油圧室62に油圧が供給されることにより、出力ロッド52およびそれに連結された移動ローラ68を、図8(a)および図9に矢印aで示す固定ローラ67に接近する方向へ移動させ、また、第2油圧室64に油圧が供給されることにより、出力ロッド52およびそれに連結された移動ローラ68を、図8(a)および図9に矢印bで示す固定ローラ67から離間する方向へ移動させ、それにより、前記固定口一ラ68、移動口一ラ68および弾性ローラ69に巻き掛けられた状態の前記帯状金属部材12に第3荷重F3(張力)を付与することができる。
前記加圧ローラ70は、弾性ローラ69上に支持された帯状金属部材12の外周面を内周側に向けて局部的に押圧する方向、およびそれとは反対の帯状金属部材12から離間する方向にそれぞれ移動可能に設けられている。前記弾性ローラ69と前記加圧ローラ70とにより圧縮残留応力付与機構(この発明の圧縮残留応力付与手段に相当)が構成される。
図10は、図8(a)に示された残留応力付与装置66の加圧ローラ70付近を示す断面図である。図10に示すように、応力付与装置71は、支持壁72に固定された油圧式アクチュエータ74と、その油圧式アクチュエータ74の出力ロッド76の先端部に固定され、加圧口一ラ70の回転軸78の両端部を回転可能に支持する支持部材80と、油圧式アクチュエータ74の出力ロッド76に作用する軸心方向の力を測定することで加圧ローラ70から帯状金属部材12へ作用する第2荷重F2を間接的に測定するロードセル82とを備えている。上記油圧式アクチュエータ74は、第1油圧室84に油圧が供給されることにより、出力ロッド76およびそれに連結された加圧ローラ70を、図(a)および図10に矢印dで示す帯状金属部材12の外局面24を弾性ローラ69に向かって内周側へ押圧する方向へ移動させ、また、第2油圧室86に油圧が供給されることにより、出力ロッド76およびそれに連結された加圧ローラ70を、図(a)および図10に矢印eで示す帯状金属部材12から離間する方向へ移動させるものである。
ここで、前記保持力調整装置40の油圧式アクチュエータ50は、ロードセル60から供給される第3荷重F3を表す信号に基づいて、また、前記応力付与装置71の油圧式アクチュエータ74は、ロードセル82から供給される第2荷重F2を表す信号に基づいて、帯状金属部材12のうち弾性ローラ69および加圧ローラ70による曲げ応力σbCの中立面N(図11参照)よりも内周側だけを塑性変形させるような、且つ固定ローラ67および移動ローラ68によっては塑性変形させずに加圧ローラ70によってのみ塑性変形させるような応力を、帯状金属部材12に与えるために、予め理論的に求められた以下の条件を満たすように第2荷重F2及び第3荷重F3を制御する。
上記条件のうちの第3荷重F3は、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動口一ラ68によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbA’と、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなる範囲で可及的に大きくすることである。
そして、上記条件のうち第2荷重F2は、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動口一ラ68によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、弾性ローラ69および加圧ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbCと、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなる範囲で可及的に大きくすることである。上記引張応力σTC、曲げ応力σbC、および曲げ応力σbA’は、以下の式(1)乃至式(3)により表される。式(1)において、T2は帯状金属部材12の周方向の張力であり、例えば、予め定められた関係から第3荷重F3に基づいて算出される。また、A1は、帯状金属部材12の周長調整工程P8終了直前の断面積である。式(2)及び(3)において、Eは帯状金属部材12のヤング率であり、rCは加圧ローラ70の半径であり、rA’は固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69の半径であり、ここでは固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69は同じ径である。
σTC=T2/A1・・・(1)
σbC=E*(t/2)/(rc+(t/2))・・・(2)
σbA’=E*(t/2)/(rA’+(t/2))・・・(3)
図8(a)に戻って、残留応力付与工程P9では、上記のように構成される残留応力付与装置66が用いられて、帯状金属部材12が固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69に弛みのない状態でそれぞれ巻き掛けられる。その後保持力調整装置40により移動ローラ68が移動させられて帯状金属部材12に張力が付与されられた後、前記電動機58により移動ローラ68の一方が回転駆動されることで、矢印fで示すように帯状金属部材12が周方向に回転させられる。この状態で、矢印dで示すように、第2荷重F2の力でもって加圧ローラ70が帯状金属部材12の外周面24を内周側へ押圧する方向へ移動させられることによって、加圧ローラ70と弾性ローラ69により帯状金属部材12の中立面N(図11参照)よりも内周側だけを塑性変形させるような所定の応力が帯状金属部材12に与えられる。
このとき、帯状金属部材12の内側に固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69が配置され、帯状金属部材12の外側に加圧ローラ70が配置されているため、帯状金属部材12と加圧ローラ70外周面との接触長さは、帯状金属部材12と弾性ローラ69外周面との接触長さに比べて短く、安定して帯状金属部材12の中立面N(図11参照)よりも内周側だけを塑性変形させることができる。また、図8(b)に示すように、帯状金属部材12および弾性ローラ69は、加圧ローラ70外周面の凹状を成す円弧状形状に倣って凸状の円弧状に湾曲し、帯状金属部材12の幅方向において前記均一に前記塑性変形をさせることができ、帯状金属部材12の中立面N(図11参照)よりも内周側に以下に説明するような均一な残留応力を付与することが可能となり、耐久性が向上する。さらに、帯状金属部材12は、加圧ローラ70外周面の凹状を成す円弧状形状に倣って凸状の円弧状に湾曲するため、帯状金属部材12の凸状の円弧状形状が崩れることがなく、耐久性が向上する。
図11は、図4の残留応力付与工程P9において前記帯状金属部材12に与えられる複数の応力を加算した総応力σ2の厚み方向の分布を示す図である。残留応力付与工程P9において帯状金属部材12には、図11に1点鎖線で示される前記固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69による引張応力σTCと、図11に2点鎖線で示される加圧ローラ70および弾性ローラ69による曲げ応力σbCとが付与される。また、長破線で示されるのは、周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAである。ここで、残留応力付与工程P9実行時の帯状金属部材12の降伏応力は、前工程による加工硬化によって、図12に矢印gで示すように降伏応力σy0から降伏応力σy1に増加している。
図11において、総応力σ2が帯状金属部材12の降伏応力σy1を超える降伏領域S2は、その総応力σ2が取り除かれてもひずみが残る領域である。残留応力付与工程P9において帯状金属部材12は、中立面Nよりも内周側の一部が内周側に向かうほど大きく周方向に塑性変形し、上記一部よりも外周側が弾性変形した状態とされる。
帯状金属部材12は、上記のような状態から第3荷重F3及び第2荷重F2が取り除かれて自由状態とされると、ひずみを元に戻そうと変形するが、中立面Nよりも内周側の一部にはひずみが残る。その変形の際に、帯状金属部材12の内周部は、残留ひずみが大きい内周側ほど周方向に圧縮される。図13は、上記自由状態とされた帯状金属部材12に残留する応力すなわち残留応力σrのうち、前記残留応力σrAを除いた応力に起因して残留する応力すなわち残留応力σrCの厚み方向の分布を示す図である。図13に示すように、帯状金属部材12の内周部には、内周側ほど大きい圧縮残留応力が付与される。図14は、上記自由状態とされた帯状金属部材12に残留する残留応力σrの厚み方向の分布を示す図である。図14に示すように、帯状金属部材12の内周部および外周部には、内周側および外周側ほど大きい圧縮残留応力がそれぞれ残留し、また、中央部には、引張残留応力が残留する。
図4に戻って、残留応力付与工程P9に次いで、時効処理工程P10では、帯状金属部材12に時効処理が施される。本実施例では、上記時効処理として、帯状金属部材12を所定の温度まで加熱して十分な時間保持した後に冷却を行うことによって、帯状金属部材12を調質させる処理が行われる。
次いで、窒化処理工程P11では、帯状金属部材12に窒化処理が施される。本実施例
では、上記窒化処理として、帯状金属部材12を加熱しつつ所定濃度の窒化性ガス例えばアンモニア分解ガスを含む雰囲気内で所定時間保持することによって、帯状金属部材12の表面の層に窒素を拡散させる処理が行われる。図15は、上記窒化処理によって帯状金属部材12に付与される残留応力σrNの厚み方向の分布を示す図である。図15に示すように、上記窒化処理によって、帯状金属部材12の内周部および外周部には、内周側および外周側ほど大きい圧縮残留応力がそれぞれ残留させられ、また、中央部には、引張残留応力が残留させられる。そして、図15に示される残留応力σrNが前工程までに付与された残留応力σrに加えて付与されることで、帯状金属部材12の残留応力の厚み方向の分布は、図3に示すような分布となる。
次いで、積層工程P12では、周長が異なる複数個の帯状金属部材12が、内周側から外周側に向かうほど順に周長が大きくなるように互いに密着状態で積層されて、積層リング14が形成される。
本実施例の積層リング14の製造方法によれば、固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69に巻き掛けられた帯状金属部材12を移動ローラ68により張力を付与しながら周方向に回転させ、その帯状金属部材12の外周側に設けられた加圧口一ラ70を用いてその帯状金属部材12の外周面24を弾性ローラ69に向かって内周側に向けて局部的に押圧することによって、加圧口一ラ70および弾性ローラ69により帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力σrCを付与する残留応力付与工程P9を含むことから、周長調整工程P8において帯状金属部材12の内周面22が外周側に向けて局部的に押圧されることでその帯状金属部材12の内周部に引張残留応力σrA1が残留しても、残留応力付与工程P9において帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力σrCが付与されるために、帯状金属部材12が伝動ベルト10の積層リング14の構成部品として用いられる場合に最低限圧縮側に要求される残留応力に対して、帯状金属部材12の内周部の強度余裕が多く(大きく)なるので、帯状金属部材12の耐久性を高めることができる。
また、本実施例の積層リング14の製造方法によれば、残留応力付与工程P9では、帯
状金属部材12の中立面Nよりも内周側の一部だけを塑性変形させるために、第3荷重F3は、帯状金属部材12の中立面Nよりも外周側において、移動口一ラ68によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbA’と、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなる範囲で可及的に大きくなるように制御され、また、第2荷重F2は、帯状金属部材12の中立面Nよりも内周側において、移動口一ラ68によって帯状金属部材12に加えられる引張応力σTCと、弾性ローラ69および加圧ローラ70によって帯状金属部材12に加えられる曲げ応力σbCと、前記周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された残留応力σrAとの和を、帯状金属部材12の降伏応力σy0よりも小さくなる範囲で可及的に大きくなるように制御されることから、残留応力付与工程P9における帯状金属部材12の塑性変形領域(降伏領域)が厚み方向の一部となって帯状金属部材12の周長を変化させないので、周長調整工程P8において調整された帯状金属部材12の周長を変化させずに、その帯状金属部材12の内周部に圧縮残留応力を付与することができる。
また、本実施例の積層リング14の製造装置によれば、帯状金属部材12の内側に固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69が配置されているため、帯状金属部材12と加圧ローラ70外周面との接触長さは、帯状金属部材12と弾性ローラ69外周面との接触長さに比べて短く、安定して帯状金属部材12の中立面N(図11参照)よりも内周側だけを塑性変形させることができ、帯状金属部材12の残留応力分布が周方向においてばらつくことを抑制することができる。
また、本実施例の積層リング14の製造装置によれば、帯状金属部材12および弾性ローラ69は、加圧ローラ70外周面の凹状を成す円弧状形状に倣って凸状の円弧状に湾曲し、帯状金属部材12の幅方向において前記均一に前記塑性変形をさせることができ、帯状金属部材12の中立面N(図11参照)よりも内周側に幅方向に均一な残留応力を付与することが可能となり、また、周長調整工程P8において帯状金属部材12に付与された帯状金属部材12の凸状の円弧状形状(クラウニング形状)も崩れる恐れがなく、耐久性が向上する。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限
定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、帯状金属部材12は、マルエージング鋼およびステンレス鋼以外の鋼材から
形成されてもよい。
また、保持力調整装置40及び応力付与装置71の機械的構成は、一例が開示されたものであり、その他の公知の機械的構成であっても実現される。例えば、移動口一ラ68及び加圧ローラ70を移動させるために用いられる油圧式アクチュエータは、それに代えて、例えば電気式または空気圧式等の他の方式のアクチュエータが用いられ得る。
また、残留応力付与装置66に代えて、図17に示される残留応力付与装置200が用いられてもよい。図17は、残留応力付与装置の他の実施例を示す図である。尚、説明中前述の実施例と同様の作用効果を奏するものには同一の符号を付して説明する。残留応力付与装置200は、帯状金属部材12の内側に設けられた移動ローラ68および弾性ローラ69と、それら移動ローラ68および弾性ローラ69に巻き掛けられた帯状金属部材12の外周面24を内周側に局部的に押圧する加圧ローラ70とを備えている。すなわち前述の実施例においては、固定ローラ67、移動口一ラ68および弾性ローラ69によって帯状金属部材12が保持されていたが、この実施例では、移動ローラ68および弾性ローラ69により保持されている点で異なるが、その他の構成は同様である。
また、残留応力付与装置66(200)の固定ローラ67および移動ローラ68と、弾性ローラ69とを同じ径にしたが同じ径である必要はない。特に弾性ローラ69の径を小径にした場合には、帯状金属部材12の凸状の円弧状形状(クラウニング形状)がフラット形状に近づくため、加圧ローラ70の外周面の凹状を成す円弧状形状が製作しやすくなり、より一層帯状金属部材12の幅方向において均一に塑性変形をさせることができて均一な残留応力を付与することが可能となり、また凸状の円弧状形状(クラウニング形状)も崩れる恐れがなく、耐久性が向上する。
また、周長調整工程P8と残留応力付与工程P9は別々の工程である必要はなく、周長調整工程P8と残留応力付与工程P9とを一つの工程で行うようにしても良い。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明
は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
10・・・伝動ベルト
12・・・帯状金属部材
66・・・残留応力付与装置
67・・・固定ローラ
68・・・移動ローラ
69・・・弾性ローラ
70・・・加圧ローラ

Claims (5)

  1. 薄板状無端金属リングの製造装置であって、
    前記金属リングの内周側に配置される保持用ローラと、
    前記金属リングの内周側に配置される内周側ローラと、その内周側ローラとは前記金属リングを挟んで対向するように外周側に配置される外周側ローラとから成る圧縮残留応力付与手段と、
    から成る薄板状無端金属リングの製造装置。
  2. 請求項1に記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、
    前記圧縮残留応力付与手段の内周側ローラが弾性体で構成され、外周側ローラが剛体で構成されていることを特徴とする薄板状無端金属リングの製造装置。
  3. 請求項1乃至2に記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、
    前記内周側ローラと金属リングとの接触長さに比べて前記外周側ローラと金属リングとの接触長さの方が短いことを特徴とする薄板状無端金属リングの製造装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載する薄板状無端金属リングの製造装置において、
    前記外周側ローラの外周面は、幅方向の中央が凹となるような形状に構成されていることを特徴とする薄板状無端金属リングの製造装置。
  5. 薄板状無端金属リングの製造方法であって、
    前記金属リングの内周側に配置される保持用ローラと、
    前記金属リングの内周側に配置される内周側ローラと、その内周側ローラとは前記金属リングを挟んで対向するように外周側に配置される外周側ローラとから成る圧縮残留応力付与手段と、
    を用いて薄板状無端金属リングを製造することを特徴とする薄板状無端金属リングの製造方法。
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