JP2011184760A - 導電性繊維およびその製造方法 - Google Patents

導電性繊維およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性に優れた導電性繊維を提供する。
【解決手段】有機繊維と化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴を用いた無電解法により金属めっきされた前駆導電性繊維を、該前駆導電性繊維を構成する繊維体の融解温度未満の温度で熱処理を行い、その後、金属コロイドを含む液を用いて無電解法により再めっきすることにより得られる導電性繊維。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属コロイド溶液を用いて無電解法によりめっきされた前駆導電性繊維を加熱処理した後に、再度、金属コロイド溶液を用いて無電解法により再めっきすることにより得られる導電性繊維およびその製造法方法に関する。
ポリアミド繊維やポリエステル繊維などの高分子繊維を金属でめっきした導電性繊維は、従来から知られている。このような導電性繊維は、一般的な無電解めっき法によりめっきされる。しかしながら、従来の無電解めっき法は、エッチング、感応化処理、触媒化処理、無電解めっきなどの多段工程を必要とする方法であり、コストがかかり、多大なエネルギーを必要とする。さらに、クロム酸、シアン化合物、強アルカリなどの多くの有害物質を用いるため、環境に対する負荷も懸念されている。
そこで、特許文献1(特開2003−213442号公報)では、プラスチックと化学結合等により結合し得る部位と金属微粒子と吸着等により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴でプラスチックを無電解めっきする方法が開示されている。
また、金属被覆した繊維体に該繊維体の融解温度未満の温度で加熱処理することで密着性・耐久性の優れた金属被覆繊維に関する内容が特許文献2(特開2002−13068号公報)として開示されている。
さらに、繊維ではないが、微粒子に再めっきすることにより導電性の優れた導電性微粒子を実現する手法が、特許文献3(特開2008−101260号公報)に開示されている。
しかしながら、特許文献1のように、プラスチックと化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着等により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴として繊維に金属をめっきしただけでは、繊維に金属が被覆されるが導電性が不十分であり、その状態で、仮に特許文献2のように、熱処理を施しても導電性はある程度は改善されるが、未だ不十分である。
また、特許文献3のように、単に再めっきしただけでは、導電性があまり改善されるものではない。
特開2003−213442号公報 特開2002−13068号公報 特開2008−101260号公報
本発明は、繊維の金属めっきに係わる前述の状況に鑑み、処理工程が簡易であり、廃液処理などの付帯処理が容易な繊維の金属めっき方法を用い、導電性の良好な導電性繊維を提供することを目的としている。
本発明者らは、金属コロイドを含んだ有機バインダーをめっき浴として繊維に金属をめっきすることについて鋭意研究を行った結果、無電解めっきされた繊維に加熱処理を施し、無電解法により金属を再めっきすることにより、得られる導電性繊維の導電性が著しく向上することを見出して、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、有機繊維と化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴を用いた無電解法により金属めっきされた前駆導電性繊維を、該前駆導電性繊維を構成する繊維体の融解温度未満の温度で熱処理を行い、その後、金属コロイドを含む液を用いて無電解法により再めっきすることにより得られる導電性繊維に関する。
本発明によれば、導電性に優れた導電性繊維を得ることができ、また、有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし処理工程が少なく攪拌または放置するという極めて簡易な工程として実施することができ、また有害物質は必要とせず、廃液処理などの付帯処理が容易な導電性繊維の製造方法を提供することができる。
本発明において、「無電解法」とは、電源を用いずに、化学的な還元方法により金属を析出させる方法である。本発明でいう無電解法は、好ましくは、クロム酸、シアン化合物、強アルカリなどの有害物質を用いずに行われる方法である。このような好ましい方法は、例えば、特許文献1(特開2003−213442号公報)に記載される、プラスチックと化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着等により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴を用いた無電解めっきする方法である。以下、本発明において、単に「めっき」という場合でも、上記有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液を用いた無電解法により行われることを意味する。
また、本発明において「金属めっきする」とは、めっきされていない繊維に無電解法により金属をめっきすることをいう。本発明において、「再めっきする」とは、すでに金属めっきされた前駆導電性繊維に無電解法によりさらに金属をめっきすることをいう。この場合、前駆導電性繊維をめっきした金属と再めっきする金属とは、同じ種類であってもよいし、異なる種類であってもよい。本発明の再めっきにより得られる導電性繊維は、再めっきする前の前駆導電性繊維に比べて導電性が向上する。
さらに、本発明において、「前駆導電性繊維」とは、繊維に金属めっきすることにより得られる金属被覆繊維であり、繊維表面の少なくとも一部分にめっきが施されていればよい。このような前駆導電性繊維は、ある程度の導電性を有しており、以下の実施例に記載の電気抵抗の測定方法により測定される電気抵抗が、10〜10Ω程度であればよい。
本発明の導電性繊維は、金属めっきされた繊維からなる前駆導電性繊維を再めっきすることにより得られる。上記前駆導電性繊維は、有機繊維と化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着等により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴を用いた無電解法により金属めっきされたものが望ましい。
上記前駆導電性繊維を構成する繊維体は、従来公知の繊維であればよく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、ナイロン6、ナイロン6,6などのポリアミド、ポリアクリロニトリルなどのアクリル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの高分子材料を主成分とした合成繊維、木綿などの天然繊維、レーヨンなどのセルロース系繊維、これらの有機繊維のほかに、これらの複合繊維体などが挙げられる。これらの繊維体は、二種以上を混紡したものでも良く、合成繊維と天然繊維を混紡したものでも良い。このうち、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ポリアミド繊維などの合成繊維を用いたものについて、本発明は特に有用である。
上記繊維は複数の単繊維がより合わさったマルチフィラメントでもよいし、また単繊維(モノフィラメント)でもよい。
上記繊維の総繊度は0.1〜300dtex、好ましくは10〜200dtex、フィラメント数は1〜200本、好ましくは10〜100本程度である。
上記の繊維をめっきする金属としては、良好な導電性を有する金属であれば特に限定されず、例えば金、ニッケル、銅、プラチナ、パラジウム、銀などが挙げられる。導電性が高いことから、金、銀、銅がより好ましい。
これらの金属は、水またはメタノール、エタノールなどの親水性溶媒を媒体とする平均粒径が2〜100nmの金属コロイドとして用いられる。
上記金属コロイドは、テトラクロロ金酸、塩化ニッケル、硫酸銅、硝酸銀などの金属化合物の溶液に還元剤を加えることによって得られる。
ここで、金属コロイドの使用量は、用いられる繊維体1mgに対し、通常、金属換算で、1〜20mgが好ましい。
上記繊維と金属の間の有機バインダーの相互作用は、化学結合、ファンデルワールス力、静電的相互作用、吸着力などであり得る。このような相互作用を発揮する相互作用部位としてはアルキル基、芳香環若しくは複素環またはそれらの誘導体から選択される少なくとも1種が好ましい。あるいは、該相互作用部位としては、繊維と静電的引力により結合できるアミノ基、イミノ基、カルボキシル基、カルボニル基、スルホニル基、ホスホリル基から選択される少なくとも1種が好ましい。上記のアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状で飽和または不飽和であってよく、炭素数は特に限定されない。アルキル基の炭素数は1〜10個が好ましく、より好ましくは2〜8個である。
上記の相互作用部位は、チオール基、ジスルフィド基、アミノ基又はイミノ基がより好ましい。
上記有機バインダーの具体例としては、4−アミノチオフェノール、アミノフェニルジスルフィド、アミルメルカプタン、デカンチオール、ナフタレンチオール、2−メルカプトベンズイミダゾール、6−メルカプトプリン、4,4’−ジチオジピリジンなどが挙げられる。
ここで、有機バインダーの使用量は、用いられる繊維体1mgに対し、モル換算で1〜100μmolが好ましい。
上記の相互作用部位は、繊維の表面に予め形成させておいてもよいし、金属コロイドの表面に予め形成させておいてもよいし、金属めっきをする際のめっき浴中に有機バインダーとして添加しながら繊維体表面と金属との間に形成させてもよい。
上記の前駆導電性繊維は、金属化合物およびその還元剤、又は金属コロイドを含む溶液に繊維を投入し、有機バインダーを加えて攪拌又は静置することにより得ることができる。上記の攪拌又は静置は、めっき浴(上記の各成分を含む液)が完全凍結又は蒸発乾固することができない温度で行うことができ、操作の容易性の点から室温で行うのが好ましい。攪拌又は静置する時間は、用いる金属および繊維の量により適宜選択することができ、例えば1〜48時間程度で、約10〜200nm程度のめっき層を形成することができる。ここで、めっき層の厚さは、走査型電子顕微鏡などにより測定することができる(以下、同様)。
上記のようにして得られた前駆導電性繊維は、本発明の導電性繊維を得るために、熱処理および再めっきする前に、洗浄及び乾燥することが好ましい。このように、洗浄及び乾燥することにより、結合に用いられなかった相互作用部位や過剰の金属化合物を除くことができる。洗浄は水を用いて行うことが好ましい。乾燥は真空乾燥により、室温で24時間、又は60℃で3時間程度行うことができる。
本発明の導電性繊維を得るために加熱処理を行う際には、上記前駆導電性繊維を構成する繊維体の融解温度未満の温度、好ましくは120〜300℃以下で熱処理を行う必要がある。加熱時間は、1分以上であって120分以内で行い、加熱処理雰囲気は空気中でも良いが、金属被覆の酸化による変化を防止するためには窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気中で行うとよい。熱処理温度が、上記繊維体の融解温度以上であると、繊維体としての形状を保てなくなる。
本発明の導電性繊維を得るために再めっきする金属としては、上記の金属と同様のものを用いることができる。再めっきする金属は、上記の繊維をめっきする金属と同じであっても異なっていてもよい。好ましくは、例えば前駆導電性繊維をめっきした金属が金である場合、再めっきする金属として、金、ニッケル、銀又は銅を用いることができる。より好ましくは、前駆導電性繊維をめっきした金属と再めっきする金属が共に金又は銀である。
本発明の導電性繊維は、上記の前駆導電性繊維を、金属コロイドを含む溶液を用いて再めっきすることにより得ることができる。上記金属コロイドを含む溶液は、例えば金属化合物溶液に還元剤を加えることにより得ることができる。
再めっきの際の金属イオンの使用量は、繊維体1mgに対し、金属換算で0.1〜10mgが好ましい。
上記還元剤は、上記の金属化合物を金属単体に還元することができる物質であれば特に限定されない。金属として金を用いる場合、還元剤としては、クエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、水素化ホウ素ナトリウム、メタノールなどを用いることができる。金属として銀を用いる場合、還元剤としてはクエン酸ナトリウムなどを用いることができる。金属としてニッケルを用いる場合、還元剤としては、水素化ホウ素ナトリウム、ジメチルアミンボラン、次亜リン酸ナトリウムなどを用いることができる。金属として銅を用いる場合、還元剤としては、ホルムアルデヒド、アスコルビン酸ナトリウムなどを用いることができる。
本発明の導電性繊維は、分散剤を媒体として用いて再めっきされることが好ましい。上記分散剤を媒体とすることにより、前駆導電性繊維同士が凝集して再めっきの反応が妨害されることを防ぐことができる。上記分散剤は、メタノール、エタノール、ポリビニルアルコールなどのアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールなどが好ましい。
ここで、分散剤の使用量は、用いられる繊維体1mgに対し、通常、1〜20mgが好ましい。
本発明の導電性繊維は、上記の金属化合物及び還元剤又は金属コロイドと任意に分散剤を含む液に、上記の前駆導電性繊維を加えて攪拌又は静置することにより得ることができる。上記の攪拌又は静置は、これらの成分を含む液が完全凍結又は蒸発乾固しない温度で行うことができ、室温付近で行うことができる。5℃程度のやや低温で再めっきを行うことにより、反応がゆっくり進むため室温で再めっきした場合より良好な導電性繊維が得られる場合もある。再めっきの温度は、好ましくは室温以下、さらに好ましくは5〜10℃である。
また、攪拌又は静置する時間は、用いる金属及び前駆導電性繊維の量などにより適宜選択することができ、例えば5分〜2時間程度である。
以上の再めっきにより、約20〜250nmのめっき層を形成することができる。したがって、最終的に得られる本発明の導電性繊維は、総計で、約50〜300nmのめっき層を形成することができる。
本発明の別の観点は、無電解法により金属めっきされた繊維からなる前駆導電性繊維に熱処理を行い、金属コロイド溶液を用いて無電解法により再めっきすることからなる導電性繊維の製造方法であり、高い導電性を有する導電性繊維を製造することができる。
したがって、本発明の導電性繊維は、例えば電気抵抗値が100Ω(1cm当たり)以下の高い導電性を有する繊維となる。
以下に、本発明を実施例により、より詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例において、導電性繊維の電気抵抗は、デジタルマルチメーター(model 34970A Agilent社製)を用いて1cmのギャップを有する一対の電極に繊維を配置して、1cm当たりの電気抵抗を測定した。
また、めっき層の厚さは、めっき繊維をエポキシ系包埋樹脂で包埋し、クライオウルトラミクロトームを用い凍結状態で約80nm厚の超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡(TEM : 日立 H−8100)にて観察により測定した。
比較例1
金めっき導電性繊維の製造
1重量%テトラクロロ金(III)酸四水和物(和光純薬工業)水溶液24mLおよび2重量%クエン酸ナトリウム(片山化学工業)水溶液20mLに水を加え全量を200mLとした後、20分間、80℃に保ちながらマグネチックスターラーで攪拌(500rpm)することにより金ナノ粒子溶液(0.05重量%)を得た。
繊維への金コロイドの固定は、チオール化合物を用いて行った。チオールは、下式のように金に化学吸着することが知られており、本発明では繊維と金コロイドを結合する有機バインダーとして用いた。
Au + R-SH → R-S-Au + 1/2 H2
金コロイド溶液にポリエチレンテレフタレート繊維(75de/36fil,繊維長:6cm)及び有機バインダーとして500mMの4-アミノチオフェノール/エタノール溶液25μLを加え、室温で、ミックスローター(MIX-ROTAR VMR-5 アズワン社製)を用いて、30分、攪拌(100rpm)した。めっきした繊維を回収して十分水洗いした後、真空乾燥を行った。このときの前駆導電性繊維の電気抵抗値は、繊維の長さ1cmあたり284MΩ以上であった。また、このときのめっき層の厚さは、約60nmであった。
比較例2
比較例1で得られた前駆導電性繊維に熱処理を施した。熱処理は、卓上マッフル炉(KDF P70 デンケン社製)を用い、窒素雰囲気中で前駆導電性繊維を200℃で1時間加熱した。このときの前駆導電性繊維の電気抵抗値は17.8MΩであった。熱処理前に対し、導電性は改善されたが不十分であった。
実施例1
比較例2で準備した前駆導電性繊維に以下の手順により再めっきを行った。水全量10mlに前駆導電性繊維、ポリビニルアルコール(和光純薬工業)4mg、0.1Mしゅう酸(和光純薬工業)水溶液40μlおよび1重量%テトラクロロ金酸四水和物水溶液120μlを加え60分間、50℃に保ちながらマグネチックスターラーで攪拌(500rpm)した。めっきした繊維を十分水洗いした後、真空乾燥を行った。このとき得られた導電性繊維の電気抵抗値は40.2Ωであった。再めっき前、加熱処理前に対して、電気抵抗値が十分低い金めっき導電性繊維が得られた。また、このときのめっき層の厚さは、約120nmであった。
比較例3
比較例1で準備した前駆導電性繊維に熱処理を施さず実施例1に記載した再めっき処理を施した。再めっき処理後の導電性繊維は120MΩであった。導電性を改善するためには1次めっき>熱処理>再めっきのプロセスが有効であることが確認できた。また、このときのめっき層の厚さは、約120nmであった。
比較例4
銀めっき前駆導電性繊維の製造
水100mlに0.1M硝酸銀(和光純薬工業)を加え5℃に冷却した後に0.5重量%水素化ホウ素ナトリウム(和光純薬工業)水溶液880μl加え30分間、5℃に保ちながらマグネチックスターラーで攪拌(500rpm)することにより銀コロイド溶液(0.037重量%)を得た。
銀コロイド溶液25mlに有機バインダーとして0.1Mアミノフェニルジスルフィド/エタノール溶液62.5μlを添加、6cm長のポリエチレンテレフタレート繊維(75de/36fil)を入れてミックスローターを用いて、室温にて24時間攪拌(100rpm)した。めっきした繊維を回収して十分水洗いした後、真空乾燥を行った。得られた前駆銀めっき導電性繊維の電気抵抗値は、120MΩ以上であった。また、このときのめっき層の厚さは、約50nmであった。
比較例5
比較例4で得られた前駆導電性繊維に熱処理を施した。熱処理は、卓上マッフル炉を用い、窒素雰囲気中で前駆導電性繊維を250℃で1分間加熱した。このときの前駆導電性繊維の電気抵抗値は15.1MΩであった。熱処理前に対し、導電性は改善されたが不十分であった。
実施例2
比較例5の前駆導電性繊維に以下の手順により再めっきを行った。銀液として水6ml、硝酸銀350mg、25重量%アンモニア水400μlを混合した。アルカリ液として水6mlと水酸化カリウム250mgを混合した。還元液として水10ml、D-グルコース450mg、L-酒石酸40mgを混合し、10分間煮沸後エタノール1mlを添加した。上記銀液を3ml、アルカリ液を3ml、25重量%アンモニア水を140μl、還元液750mlを混合しためっき液に上記加熱処理した前駆導電性繊維を入れて、室温でミックスローターにて10分間攪拌し、銀めっき導電性繊維を得た。得られた銀めっき導電性繊維の電気抵抗値は8.4Ωであった。導電性の優れた導電性繊維を実現することができた。また、このときのめっき層の厚さは、約100nmであった。
実施例3
実施例2の再めっき処理を5℃の雰囲気中で行った。得られた銀めっき導電性繊維の電気抵抗値は6.0Ωであり、導電性の優れた導電性繊維を実現することができた。また、このときのめっき層の厚さは、約100nmであった。
実施例4
実施例2の再めっき処理を50℃の雰囲気中で行った。得られた銀めっき導電性繊維の電気抵抗値は14.1Ωであり、低温で再めっきを行ったほうが良好な導電性繊維が得られた。また、このときのめっき層の厚さは、約100nmであった。
実施例5
実施例4で得られた導電性繊維を再めっき処理後に再度250℃で1分の熱処理を行ったところ、得られた銀めっき導電性繊維の電気抵抗値は14.2Ωであり、導電性は変化しなかったが良好な導電性は維持していた。
比較例6
比較例4で得られた前駆導電性繊維に熱処理を施さずに、実施例2に記載した再めっき処理を施した。得られた銀めっき導電性繊維の電気抵抗値は120MΩ以上であり、導電性繊維としては不十分であった。導電性を改善するためには1次めっき>熱処理>再めっきのプロセスが有効であることが確認できた。また、このときのめっき層の厚さは、約100nmであった。
Figure 2011184760
本発明により得られる導電性繊維は、従来の導電性繊維に比べて導電性が優れており、その導電性を利用して電磁波シールド材、無塵服や手袋、靴、カバー、作業衣などの静電防止材料、あるいは電線の軽量化を図る代替材料などの用途に有用である。

Claims (7)

  1. 有機繊維と化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴を用いた無電解法により金属めっきされた前駆導電性繊維を、該前駆導電性繊維を構成する繊維体の融解温度未満の温度で熱処理を行い、その後、金属コロイドを含む液を用いて無電解法により再めっきすることにより得られる導電性繊維。
  2. 再めっきは室温以下で行う請求項1に記載の導電性繊維。
  3. 上記前駆電性繊維をめっきした金属と再めっきする金属とがともに銀である請求項1又は2に記載の導電性繊維。
  4. 上記前駆電性繊維をめっきした金属と再めっきする金属とがともに金である請求項1又は2に記載の導電性繊維。
  5. 上記前駆導電性繊維が、繊維が金属と相互作用部位を介して結合することによりめっきされている請求項1〜4いずれか1つに記載の導電性繊維。
  6. 有機繊維と化学結合により結合し得る部位と金属の微粒子と吸着により結合し得る部位とを有する有機バインダーと金属コロイドとを含む溶液をめっき浴とし、該めっき浴を用いて無電解法により金属めっきをほどこし、この金属めっきされた前駆導電性繊維を、該前駆導電性繊維を構成する繊維体の融解温度未満の温度で熱処理を行い、その後、金属コロイドを含む液を用いて無電解法により再めっきすることを特徴とする導電性繊維の製造方法。
  7. 再めっきが、分散剤を媒体として行われる請求項6に記載の導電性繊維の製造方法。
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