JP2011184722A - パターン形成方法、パターン形成基板及び太陽電池素子 - Google Patents

パターン形成方法、パターン形成基板及び太陽電池素子 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の高温・低温・真空・ガス雰囲気中などの様々なマスク使用環境下で、格子状、櫛形、環状などの所定のパターンの成膜を、単独のマスクを用いて1回の成膜で行うことができるパターン形成方法、該方法によって作成されたパターン形成基板、及び該基板を用いた太陽電池素子の提供。
【解決手段】(1)マスクの非開口部へターゲット材料が広がることにより、マスクの開口部と異なる形状のパターンが形成されるように、基板とマスクの間に空間が存在する状態で成膜を行うパターン形成方法。
(2)開口部が非開口部分を有し、該開口部の基板側に、ターゲット側と異なる連続した空間を持つマスクを用い、前記開口部に対応するパターン形状の成膜に加えて、前記非開口部分に対応する空間にもターゲット材料が回り込んで堆積し成膜されるパターン形成方法。
【選択図】図24

Description

本発明は、パターン形成方法、該方法で作成されたパターン形成基板、及び該基板を用いた太陽電池素子に関する。
成膜によるパターンの形成においてマスクが用いられており、通常、成膜したいパターン毎にマスクが作製されている。作製されるマスクは、1パターンに対して1枚だけでなく、種類の異なる複数枚のマスクを1組にして用いたり、複数のマスクを入れ替えて用いている。1枚のマスクを使用していても、所望のパターン形成のため、基板の方向を変えたり、マスクの方向を変えたりして、複数回成膜を行うこともある。
例えば格子状パターンの成膜を行う場合、平行なスリット状の開口部があるマスクを用い、まず格子のx方向の成膜を行い、次にy方向の成膜を行って格子状パターンを形成する方法や、格子の交点部分を切ることにより、直接ではないが格子状に見えるパターンを形成する方法が知られている。
また、環状パターンの成膜を行う際に、パターンの外周部を形成するマスクと内周部を形成するマスクを同時に用いて成膜を行ったり、環状パターンの一部を形成するマスクを用いて複数回の成膜を行ったりすることが知られている。
更に、格子状パターンを持つマスクを用いてダミー材料の成膜を行った後、正規の材料で全面成膜を行い、次いでダミー材料を除去する方法も知られている。この方法によれば、ダミー材料の無い部分にのみ正規の材料が残るので、格子状パターンの成膜が出来る。
しかし、従来のパターン形成方法では、格子状パターンや環状パターンを、単独のマスクを用いて1回の成膜で形成することは困難であった。
また、従来の複数枚のマスクを用いる方法、複数回の成膜を行う方法のいずれも、成膜を行う際の作業工程が増加する。
一般的に、作業工程が増加するほど、装置規模の増加・増大、使用部品数の増加、材料使用量の増加、作業時間の増加などが起こりやすく、それによってコストが増加するし、工程数が増加したことにより、必要になる技術が増加・高度化する。また作業工程の増加は歩留まりの低下を生むことがある。
上記問題点について、格子状パターンの場合を例として説明する。格子状パターンではx方向とy方向のパターンを成膜する必要があるため最低2回の成膜工程が必要である。
まずマスクが2枚の場合、マスクを2つ用意してそれぞれのマスクで成膜を行う必要がある。この2回の成膜工程を一箇所で行った場合、マスクの入れ替えを行うための技術・設備・工程が必要になる。また、成膜工程を2箇所で行った場合、当然ながら成膜のための設備が2箇所(2台)必要になり、成膜工程の他に装置間の搬送工程も増加する。
次にマスクが1枚の場合、x方向のパターンを成膜した後、y方向のパターンの成膜が出来るようにマスク又は基板を回転させる必要がある。そのため、マスク又は基板の回転工程が必要となる。更に、成膜面を均一にする目的で、マスクを基板又は基板ホルダーにセットして共に回転させながら成膜を行う場合、x方向パターンの成膜後、マスクのセットを外して、マスク又は基板のどちらかを回転させた後、再びセットする工程が必要となる。基板又は基板ホルダーにセットしない場合、成膜中はマスター・スレーブのようにして、常に2つの回転速度を同期させる技術の他、マスクと基板のどちらか一方を回転させるか、特定の時間だけ同期を外してパターンを直交させる技術や工程が必要である。
更に、格子状集電電極を作製する場合には、格子の交点部分を開口させないようにすれば1枚のマスクでも成膜が可能になるが、格子の交点部分で電極が離れている状態になるため、2回成膜により電極が繋がっている場合に比べて抵抗が高いものしかできない。
一方、特許文献1には、従来の電気メッキ中に生じる、メタルマスク側の可撓性及びメッシュとメタルが薄膜であることによる浮きや、位置ズレの発生を抑え、寸法精度の良好なメタルスクリーン版を得る目的で、メッシュとメタルを大気中において可視可能な平台の上で樹脂製の接着性材料を用いて貼り合わせ、その後、樹脂を硬化させる工程及び作業支持体から剥離する工程により、寸法精度の良好なメタルスクリーン版を得る発明が開示されている。
この発明は、格子状パターンや環状パターンを、単独のマスクを用いて1回の成膜で形成する点で本発明と類似する。しかし、マスクは常温・常圧・大気雰囲気だけで使用されているのではなく、高温・低音・真空・ガス雰囲気など様々な環境下で使用されている。そのため、スクリーン印刷等で用いるマスクでは、上記環境下での使用が著しく制限されると共に、作製条件や作製した膜の精度が制限されるという問題がある。また、接着剤を用いることに伴う様々な問題(後述)がある。
本発明は、従来の高温・低温・真空・ガス雰囲気中などの様々なマスク使用環境下で、格子状、櫛形、環状などの所定のパターンの成膜を、単独のマスクを用いて1回の成膜で行うことができるパターン形成方法、該方法によって作成されたパターン形成基板、及び該基板を用いた太陽電池素子の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜8)の発明によって解決される。
1) マスクを用いて基板にパターンを成膜するに際し、マスクの非開口部へターゲット材料が広がることにより、マスクの開口部と異なる形状のパターンが形成されるように、基板とマスクの間に空間が存在する状態で成膜を行うことを特徴とするパターン形成方法。
2) 開口部が非開口部分を有し、該開口部の基板側に、ターゲット側と異なる連続した空間を持つマスクを用い、前記開口部に対応するパターン形状の成膜に加えて、前記非開口部分に対応する空間にもターゲット材料が回り込んで堆積し成膜されることを特徴とするパターン形成方法。
3) マスクの開口部から前記空間に回り込んだターゲット材料が、マスクの基板側の空間領域によって、回り込む範囲を制限されていることを特徴とする1)又は2)に記載のパターン形成方法。
4) マスクが隣接する二つの開口部を有し、該二つの開口部及びその間の非開口部の基板側で前記空間が連続しており、前記二つの開口部に対応する基板上に成膜されるとともに、前記二つの開口部から回り込んだターゲット材料が、前記非開口部に対応する基板上にも重なり合うように堆積して成膜されることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のパターン形成方法。
5) 前記パターンが、格子状パターン、櫛形パターン、又はそれらの複合パターンであることを特徴とする1)〜4)のいずれかに記載のパターン形成方法
6) 1)〜5)のいずれかに記載のパターン形成方法により作成されたことを特徴とするパターン形成基板。
7) 前記パターンが、光電変換素子又は電光変換素子に用いる電極パターンであることを特徴とする6)に記載のパターン形成基板。
8) 6)又は7)に記載のパターン形成基板を、受光側の入射面に配置したことを特徴とする太陽電池素子。
本発明によれば、従来の高温・低温・真空・ガス雰囲気中などの様々なマスク使用環境下で、格子状、櫛形、環状などの所定のパターンの成膜を、単独のマスクを用いて1回の成膜で行うことができるパターン形成方法、該方法によって作成されたパターン形成基板、及び該基板を用いた太陽電池素子を提供できる。その結果、パターン形成のコストを大幅に下げることができる。
また、従来行われていた次工程のフォトリソグラフィ工程や印刷工程を実施することなく、パターン形成を行うことができる。
また、一回の成膜で作製される格子状集電電極の抵抗を減らすことができる。
成膜装置の一例の概略図 成膜部(001)の断面の概略図 TS間距離とターゲット材料の広がりの関係を示す概念図 広がりの概念図・1(マスク無) 広がりの概念図・2(マスク有、MSU=0、TMO・大) 広がりの概念図・3(マスク有、MUS≠0、TMO・大) 広がりの概念図・4(マスク有、MUS≠0、TMO・小) 成膜パターン概念図・1(全体・格子状集電電極) 成膜パターン概念図・2(一部・井の字) マスク概念図・1(井の字 開口 従来例) マスク概念図・2(井の字 従来例) マスク概念図・3(井の字 本発明で用いる例) 電極概念図・1(一部 本発明例) 電極概念図・2(一部 従来例) 交点部における成膜概念図(本発明例) マスク形状例・1 マスク形状例・2 回り込みの図・1 回り込みの図・2 回り込みの図・3 回り込みの図・4 回り込みの図・5 回り込みの図・6 従来の成膜方法で作製可能なパターン・1(格子状) 従来の成膜方法で作製可能なパターン・2(格子状) 従来の成膜方法で作製可能なパターン・3(櫛形) 本発明の成膜方法のマスクについて・1(格子状) 本発明の成膜方法のマスクについて・2(格子状) 成膜方法の違いとマスク強度・1(櫛形) 成膜方法の違いとマスク強度・2(櫛形:複合) 成膜方法の違いとマスク強度・3(櫛型:複合) 本発明の成膜方法を用いたデバイス例・1(格子状) 本発明の成膜方法を用いたデバイス例・2(櫛形:複合) 本発明の成膜方法を用いたデバイス例・3(格子状・櫛型:複合) 成膜フロー図・1(チャート) 成膜フロー図・2(チャート) 成膜フロー図・3(基板状態) 成膜フロー図・4(チャート) 成膜フロー図・5(チャート) 成膜フロー図・6(チャート) 成膜フロー図・7(基板状態)
以下、上記本発明について詳しく説明する。
スパッタリングなどで成膜を行う際に、成膜材料がターゲットから垂直に飛び出し、マスク及び被成膜面に対して垂直に付着することは少なく、成膜条件によって一定の広がりを持つ(図3参照)。膜質を均一にする目的で、成膜材料、基板などを回転させたりする場合、更にそれが顕著に現れる。また、一般的な成膜の場合、成膜源と被成膜面の距離(以下、TS間距離という)が近いほど、大きな広がり角を持つ材料であっても被成膜面に到達できる。このことは成膜装置又は成膜工程におけるTS間距離が短いほど、単位時間当たりの堆積量(成膜レート)が大きくなることからも分かるし、二等辺三角形や円錐などを考えれば自明である。
しかし、マスクを用いた成膜では、通常、ターゲット材料の広がりは忌避すべきものである。なぜなら、マスクの浮きなどにより、形成したい箇所以外にターゲット材料が回り込み、基板上に堆積することで、高精細な成膜が出来ないといった問題が生じるからである。ここで“浮き”とは、マスクが基板から離れており、マスクと基板の間に空間が存在する場合のマスクの状態を指す。
回り込みの改善方法としては、浮きを防ぐためマスクの材質を変形が起こりにくい硬質なものに変えたり、TS間距離が大きな状態で成膜を行ったり、マスクを可能な限り被成膜面に近づけたりする方法がある。また、マスクと基板を直接接触させても問題の起こらない場合には、マスクを直接接触させた状態で成膜を行うなどの手法が取られている。
しかし、TS間距離を大きくすると、前述したように成膜レートの低下を招き、成膜時間の増加につながる。また、成膜レートが低くなり、被成膜面から外れる材料が多くなることは、材料コストや再利用のための回収コストの増加、整備費の増加につながる。そのため、産業用の量産ラインでは、成膜時間を減らして生産性を挙げるため、TS間距離の短い装置が使われることがある。例えば、光ディスク作製に用いるスパッタ装置の場合、昔の量産初期の頃には、TS間距離は約10cmであったが、最近はTS間距離が2〜3cmの量産装置が登場している。
一方、本発明のパターン形成方法では、マスクの非開口部へターゲット材料が広がることにより、マスクの開口部と異なる形状のパターンが形成されるように、基板とマスクの間に空間が存在する状態で成膜を行うことを特徴とする。すなわち、基板とマスクとの間に空間を存在させ、従来技術における浮きとは異なる「意図的な浮き」を作り、積極的にターゲット材料の広がりを利用することによって、従来のマスク使用環境下において、格子状、櫛形、環状などの所定のパターンの膜を、単独のマスクを用いて1回の成膜で形成することを可能にした。
これにより、パターン形成の工程数を減らすことができるし、従来行われていた次工程のフォトリソグラフィ工程や印刷工程を実施することなく、パターン形成を行うことができる。
マスクには膜形成材料(ターゲット)側の面(MO面)と、パターンが形成される基板側の面(MU面)が存在するが(図2参照)、本発明のパターン形成方法ではMU面側に浮いた箇所を有するマスクを用いるとよい。例えば、膜形成材料側の面をMO面、パターンが形成される基板側の面をMU面として、MO面からMU面までを平行な面が連続していると見た場合に、少なくとも一つの面をなす層がMU面と異なる形状を有し、かつ、MU面近傍には膜形成材料の回り込みが可能な空間を有するマスクを用いるとよい。そうすれば、該空間により、MO面側から見ると成膜が出来ないように見える接合部や格子の交点部にも、膜形成材料が回り込むことができる。
このような本発明のパターン形成方法は、TS間距離の短い量産装置では特に効果的である。

前記マスクの例として、後述する図13−1〜図14−6に示すものが挙げられるが、これらの態様に限られるわけではない。
すなわち、図に示したのは、マスクの開口部の一方向の断面であり、他の方向の断面はこれと同じである必要はない。例えば、図ではMU面近傍に空間が存在する状態を示しているが、他の方向の断面ではマスクがMU面と接触していて空間が存在しない状態でもよい。また、図ではMO面近傍の開口面積よりもMU面近傍の開口面積の方が大きい場合を示しているが、開口面積の関係は同等又は逆であってもよい。
要は、ある方向の断面を見たとき、MU面近傍に膜形成材料の回り込みが可能な空間を有する形状になっていればよい。
また、開口部の壁面の一部又は全部が、2段以上の階段形状であるものや、漏斗状の断面形状であるものが挙げられるが、これらの形状も適宜変更可能である。
また、格子状パターンを形成する開口部を有するマスクの場合、格子の交点部分において、その断面で見たとき、MO面側が一部で開口しないように周辺の非開口部と繋がっており、かつ、該繋がった交点部分のMU面の近傍領域が空間を有している。換言すれば、該開口されていない部分のMU面が、非開口部分のMU面を基準として凹部となるような形状が挙げられる。
また、環状パターンの場合には、MO面側は部分的に環が途切れて環の外周部のマスクと内周部のマスクが接合しており、MU面側は途切れていないような接合部を持つマスクを用いることで、パターン形成が可能となる。
本発明のパターン形成方法を格子状集電電極(図5参照)の作製に適用すると、一回の成膜でありながら格子の交点部も成膜できるので、従来に比べて格子状集電電極の抵抗を減らすことができる。
従来のパターン形成方法では、格子の交点部が開口されていないため、1回の成膜では格子の交点部の成膜が出来ず、実質上、電気的に繋がっていると見なしているだけであるから、抵抗が大きい。
本発明で用いるマスクの材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄、銅、及びそれらの合金など、通常マスクとして用いられている各種金属が挙げられる。
なお、成膜方法に適合する材料であれば、ガラスやポリカーボネイトなどのプラスチックでもよく、それらを単独で又は適宜組合せて使用することができる。
本発明で用いるマスクを作製する方法としてはエッチングなどが挙げられる。エッチングの場合、異方性エッチングでも等方性エッチングでもよい。また、マスクの材質が金属又は合金の場合、エッチングにより様々な大きさに開口したメタルマスクを拡散接合により接合させることで、高い開口率を持ちながら本発明の特定形状部分を厚く作成することが可能となり、複雑なパターンの形成、及び、厚みや空間の大きさ(被成膜面からの浮き具合)のコントロールを正確に行うことが可能となる。その結果、高精細なパターンを持つ成膜が可能となる。また、接着剤を使用していないため耐薬品性に優れ環境負荷も少ないし、現在使用している装置をそのまま使用できる。また、耐熱性に優れ、加熱使用でも経時変化が少なく、洗浄工程により繰り返し使用することが出来るため、マスク分の費用を更に下げることが出来る。
接着剤を使用する場合には、真空状態にしたり加熱したりすることにより、接着剤からガスが発生することが知られている。真空装置の場合、ガスが発生すると真空度が下がり、所定の真空度に達成するまでの時間が遅くなる。成膜装置や評価装置などで真空装置向けのガスが出にくい粘着材のついた固定用又はマスキング用のテープなどがあるが、これらを用いてもガスの発生を完全に抑えることは難しく、繰り返し使用には向かない。事前に十分なガス抜きを行ってガスの発生を抑えることは可能であるが、接着剤を用いている以上、ガスの発生を完全に抑えることは出来ない。また、当然であるが、ガスは不純物になるため膜質の低下を招き、膜質の低下はそのまま歩留まりの低下、検査や改善を目的とした装置・工程の追加につながるため、コスト増を引き起こす。
本発明の応用分野の例としては、格子状集電電極を持つ太陽電池素子などの半導体デバイスの作製が挙げられる。
また、従来技術により櫛形電極用のマスクを設計し、単独のマスクを用いて1回の成膜で電極を作製すると、櫛の部分は1方向しか最外周部と接していないため、耐久性が低くなる。
これに対し、本発明のパターン形成方法では2方向で最外周部と接するマスクを用いるので(図17−1参照)耐久性が上がる。また、取り扱い(ハンドリング)が容易になり、同一マスクの使用回数の増加によってマスクのコスト低減などが可能になるため、生産性を高めることが出来る。
このように本発明の応用分野は広く、特に量産装置に好適であるから、多くの産業分野での利用が期待される。
以下、従来技術を含めた図面を示して、本発明のパターン形成方法、関連するパターン形成用マスク及び成膜装置について説明する。
図1は本発明のパターン形成方法を実施する成膜装置の一例の概略図である。この装置は、成膜部(001)、装置の状態のモニター及び装置全体の制御を行う制御部(002)を有し、成膜部(001)と制御部(002)は伝達用ケーブル(003)で電気的に繋がっている。伝達用ケーブル(003)の役目としては、成膜部(001)の状態の制御部(002)への伝達、制御部(002)からの命令の成膜部(001)への伝達などがある。
なお、以下の説明図においては、T面、M面、MU面、MO面、S面の全てが平行で、各面の中心が同一直線状に並んでいる場合を示すが、複合ターゲットによる同時成膜、省スペース化、高速化などを目的として、複数のターゲットや複数の基板、マスクが入る装置であって、各面の全てが平行でないものや、各面の中心が同一直線状に並んでいないものものも本発明の態様に含まれる。
図2は、成膜部(001)の断面の概念図である。成膜部(001)には、ターゲット(004)、マスク(005)、基板(006)が存在する。また、それらを支持する機構(不図示)を有する。マスク(005)には、パターンに応じた開口部(図中の破線で示した部分)が設けられている。更に、成膜部(001)には、伝達用ケーブル(003)を通して制御部(002)へ伝達する、成膜部(001)の状態の情報を得るための機構(不図示)、及び、伝達用ケーブル(003)を通して制御部(002)からの命令を成膜部(001)へ伝達するために必要な機構(不図示)が存在する。
ターゲット(004)の基板(006)側の面をT、基板(006)のターゲット(004)側の面(被成膜面側)をSとし、TとSの間の距離をTSと定義する。また、マスク(005)のターゲット(004)側の面をMO、マスク(005)の基板(006)側の面をMUとし、TとMOの間の距離をTMO、SとMUの間の距離をMUSと定義する。
図3は、TSとターゲット材料の広がりの関係を示す概念図であり、図3中のT、S1、S2、TS1、TS2(TS1<TS2)は、図2中のT、S、TSに対応している。
図3は、図2において、マスク(005)が無い場合であり、ターゲット(004)のある一点からターゲット材料が(007)の様に飛び出ているとした時の成膜中の状態を示す概念図である。つまり、図3中のTは、ターゲット(004)の基板(006)側の面であり、S1、S2は、それぞれの位置に設置した基板(006)のターゲット(004)側の面を示している。
(007)は、ターゲット(004)のある一点から最大θの角度を持ってターゲット材料が飛び出た場合のターゲット材料の広がりを示す概念図で、(008)と(009)は直径Aの基板(006)をTS1とTS2の位置に設置したときの成膜度合いを示した概念図である。この時、広がり(007)が持つ角度はθであり、θ1、θ2は、TS1、TS2の位置にセットした基板(008)、(009)に到達するターゲット材料の最大角であり、TS1<TS2の前提条件及び図から明らかなように、θ1>θ2である。
図に示したθ>θ1>θ2の場合、基板(008)、(009)に示すように全面に膜が堆積し、その量は基板(008)の方が多い。また、図には示していないが、広がり(007)の持つ角度が、θ1>θ>θ2の場合、ターゲット(004)から飛び出たターゲット材料は、基板(009)の全域に堆積することは出来るが、基板(008)の全域には堆積出来ない。同様に、広がり(007)の持つ角度がθ2>θの場合、ターゲット(004)から飛び出たターゲット材料は、基板(008)であっても、その全域には堆積出来ない。
A、TS、TS1、TS2、θ、θ1、θ2の間には、次の関係式が成立する。
A=2・TS・tanθ=2・TS1・tanθ1=2・TS2・tanθ2
図4−1は、ターゲット材料の広がりの概念図・1(マスク無)であり、図4−1中のT、S、TSは、図3と同様に成膜中の状態を示す概念図であり、図2中のT、S、TSに対応している。
(010)は、ある角度θを持って広がり(007)のように拡散したターゲット材料が、基板(006)の表面Sに到達した時の堆積位置を示した概念図である{上が正面図(広がり、基板堆積)、下が平面図}。θ3は、基板(006)に到達するターゲット材料の最大角を表す。
以下、図4−2〜図4−4において、特に断りのない限り、図の構成及び記号の意味は図4−1の場合と同じである。
図4−2は、ターゲット材料の広がりの概念図・2(マスク有、MSU=0、TMO・大)であり、MO、MUは、図2中のMO、MUに対応している。
図4−1との違いは、マスク(005)が設置されている点である。更に、マスク(005)には、(φB>φC)を満たすように、φCの開口部が設けられている。
θ4はマスク(005)に遮られること無く、堆積膜(010)に到達する最大角を表し、θ3>θ4の関係を満たす。
マスク(005)が在ることによりターゲット(004)が基板(006)に到達できる領域を限定することが出来る。これが一般的なマスクによるパターン形成の例である。
なお、MSU=0といっても完全に接していない場合もある。何故なら、被成膜面にマスクが接することによるダメージなどが懸念されるためである。そのため、基板やマスクは支持機構や保持機構、マスク外周部などにより、回り込みのない程度、ごく僅か浮いていることがあるが、この場合もMSU≠0ではなく、MSU=0又はMSU≒0とする。回り込みのない程度、ごく僅か浮いている場合というのは、後述する図4−3で定義されるθ5、φDが、θ5≒θ4(φD≒φC)となる場合である。
図4−3は、ターゲット材料の広がりの概念図・3(マスク有、MSU≠0、TMO・大)であり、MO、MUは、図2中のMO、MUに対応している。
図4−2との違いは、マスク(005)のMU面がTから離れている点(MSU≠0)である。これにより、マスク(005)に設けられている開口部が同じφCであっても、マスク(005)に遮られること無く、堆積膜(010)に到達する最大角はθ5となる。θ5は、θ5>θ4の関係を満たす。また、基板(006)上に成膜される堆積膜(010)の直径はφDとなる。φDは、φD>φCの関係を満たす。
図4−4は、ターゲット材料の広がりの概念図・4(マスク有、MSU≠0、TMO・小)であり、MO、MUは、図2中のMO、MUに対応している。
図4−3との違いは、TがSに近づくことでTS、TMSが短くなっていることである。これにより、マスク(005)に設けられている開口部が同じφCであっても、マスク(005)に遮られること無く、堆積膜(010)に到達する最大角はθ6となる。θ6は、θ6>θ5の関係を満たす。また、基板(006)上に成膜される堆積膜(010)の直径はφEとなる。φEは、φE>φDの関係を満たす。
図5は、成膜パターン概念図・1(全体・格子)であり、格子状集電電極の成膜パターンを示す。
図には、電極取り出し部(011)を持つ格子状集電電極(012)を示している。
図6は、成膜パターン概念図・2(一部・井の字)であり、図5に示す格子状集電電極(012)の一部(013)を抜き出したものである。
また、十字に組み合わさっているところを、格子の交点部(014)とする。
図7は、マスク概念図・1(井の字 開口 従来例)であり、図6に示す格子状集電電極の一部(013)に対応する形状の開口部を持つマスク(015)を示す。
この場合、マスク(015)中央の(016)の部分のマスクは周囲と接していない。このため、マスク(015)を成膜部(001)で用いる際、通常のマスク保持機構とは別に、マスクの部分(016)を正確な位置に持ってくるための機構や保持する機構が必要となる。
図8は、マスク概念図・2(井の字 従来例)であり、前記格子状集電電極の一部(013)の形状を作るために、2種類のマスク(017)と(018)を用いて、成膜を2回行う場合のマスクを示す。
工程としては、まずマスク(017)をセットして成膜を行い、その後、マスク(017)をマスク(018)に交換して成膜を行う。
図9は、マスク概念図・3(井の字 本発明で用いる例)であり、前記格子状集電電極の一部(013)の形状を作るために、1種類のマスク(019)を用い、1回で成膜を行う場合のマスクを示す。
工程としては、マスク(019)をセットして成膜を行うだけである。マスクの開口部の断面が全て図4−2のようになっている場合、格子の交点部(014)は成膜されない。しかし、格子の交点部(014)近傍の開口部が図4−3のように基板(006)から浮いていれば、被成膜面側では回り込みが発生し、平面図で見る場合、前記格子状集電電極の一部(013)のようなパターン〔図10の(020)〕が出来る。浮いていなければ、平面図で見る場合、格子の交点部(014)で途切れたパターン〔図11の(022)〕が出来る。
図10は、電極概念図・1(一部 本発明例)であり、マスク(019)を用いて集電電極層を作製した素子の集電電極層近傍の状態を示す。成膜パターン・1(020)は、格子状集電電極(012)や格子状集電電極の一部(013)に対応している。
成膜パターン・1(020)の上層又は下層(021)に絶縁(高抵抗)材料がある。該上層と下層(021)の絶縁材料の材質は異なっていても良い。基板を下としてみる場合、格子状パターン層を下層に持ってくるか上層に持ってくるかで材料が変わる。上層に持ってくる場合、通常電極が剥き出しで使用されることはなく、状況に応じ、前記上層又は下層(021)で被覆や封止がされている。
図11は、電極概念図・2(一部)であり、格子の交点部(014)で切れている集電電極層を採用した素子の集電電極層近傍の状態を示す。成膜パターン・2(022)は、格子状集電電極(012)や格子状集電電極の一部(013)に対応している。
成膜パターン・1(020)の上層又は下層(021)に絶縁(高抵抗)材料がある。該上層と下層(021)の絶縁材料の材質は異なっていても良い。基板を下としてみる場合、格子状パターン層を下層に持ってくるか上層に持ってくるかで材料が変わる。上層に持ってくる場合、通常電極が剥き出しで使用されることはなく、状況に応じ、前記上層又は下層(021)で被覆や封止がされている。
図12は、格子の交点部(014)における成膜概念図(本発明例)であり、基板(006)の上にマスク(019)の格子の交点部(014)が来るようにセットした状態で成膜を行った状態を示す。
上の図(平面図)には、基板(006)とマスク(019)を示し、真中の図(断面図)には、基板(006)とマスク(019)と堆積膜(010)を示し、下の図(平面図)には、マスク(019)と堆積膜(010)を示した。
図13−1は、本発明のパターン形成方法で用いるマスク形状例・1であり、図中のMO、MUは、図2中のMO、MUに対応している。
基板(006)から浮いているマスク(005)の開口端部の形状が階段状になっている例である。
図13−2は、本発明のパターン形成方法で用いるマスク形状例・2であり、図中のMO、MUは、図2中のMO、MUに対応している。
基板(006)から浮いているマスク(005)の開口端部の形状が漏斗状になっている例である。
図14−1(回り込みの図・1)は、本発明のパターン形成方法による成膜状態の断面を示す概念図である。
マスク(005)に設けられたある開口部において、MO面の開口端から基板(006)に垂線を下ろしたときの交点をw、MU面の開口端から基板(006)に垂線を下ろしたときの交点をxとし、X=x−w、とするとき、X≠0(|X|>0)を満たす。
図14−2(回り込みの図・2)は、本発明のパターン形成方法による別の成膜状態の断面を示す概念図である。
マスク(005)に設けられたある開口部のうち、X≠0(|X|>0)を満たす開口部を通過した成膜材料が、基板(006)上に堆積した堆積膜(010)の外周上の点をyとし、Y=y−w、とするとき、|X|≧|Y|[{(w≧y≧x)∧(x≠w)}∨{(x≧y≧w)∧(x≠w)}]を満たす。
図14−3(回り込みの図・3)は、本発明のパターン形成方法による更に別の成膜状態の断面を示す概念図であり、図14−1、図14−2に対し、断面が非対称であるときの補足を加えるものである。
マスク(005)に設けられたある開口部において、一端が従来と同じ形状(Y1=0)であり、他端が本発明の形状(Y2≠0)である場合、|X|≧|Y|を満たすことを示す。ある開口部の両端(一端・1、他端・2)が作るw,x,y(w1,x1,y1,w2,x2,y2)を、w1≧y1≧x1、x2≧y2≧w2、とするとき、|X|≧|Y|は、[{(w1≧y1≧x1)∧(x1≠w1)}∨{(x2≧y2≧w2)∧(x2≠w2)}]と置き換えることが出来る。このとき、{(w1≧y1≧x1)∧(x1≠w1)}は誤だが、(x2≧y2≧w2)∧(x2≠w2)}は正である。そのため、この開口部は|X|≧|Y|を満たしている。
また、x2=y2であるが、これは、回り込みは発生しているが、その領域を制限していることを示す。つまり、本発明の成膜方法は、回り込む領域を制限することもできる。
図14−4(回り込みの図・4)は、本発明のパターン形成方法による更に別の成膜状態の断面を示す概念図であり、図14−1〜図14−3に対し、一部のxが存在しないときの補足を加えるものである。
マスク(005)に設けられたある開口部が分離した2つの開口部分(開口・1、開口・2)を有する場合において、w,x,y(w11,x11,y11,w21,y21,w22,x22,y22)を、Z11=y12−y21、W22=w21−w12、とするとき、[{(Z11>0)∧(W22>0)}∧{(Z11>W22)∨(Z11=W22)∨(Z11<W22)}]を満たす。
マスク(005)に設けられた分離した開口・1と開口・2(W22>0)により、各開口部分を通過して基板(006)上に形成される2つの堆積膜(010)が部分的に重なりを持っていることを示すため、(Z11>0)を満たす必要がある。
図14−5(回り込みの図・5)は、本発明のパターン形成方法による更に別の成膜状態の断面を示す概念図であり、図14−1〜図4−4に対し、w=x(X=0)となるときの補足を加えるものである。
マスク(005)に設けられたある開口部において、w=x(X=0)となるときの、その開口部の断面で最も狭い箇所の開口端から基板(006)に下ろした垂線の交点をvとし、V=v−w、とするとき、V≠0(|V|>0)を満たす。
図14−6(回り込みの図・6)は、本発明のパターン形成方法による更に別の成膜状態の断面を示す概念図であり、w=x(X=0)となるときの、図14−4の場合について更に補足を加えるものである。
図14−4における重なり[{(Z11>0)∧(W22>0)}∧{(Z11>W22)∨(Z11=W22)∨(Z11<W22)}]において、w11,w22は関与していないため、w=x(X=0)であっても問題ない。
また、図14−1〜図14−6において、全てをvで考えないのは、開口部の幅が同じで、かつ場所が階段状や斜面状になっているものが考えられるためである。
図15−1は、従来の成膜方法で作製可能なパターン・1(格子状)を示す概念図であり、従来の格子状のマスクパターン(023)と形成された成膜パターン(024)を示す。
図15−2は、従来の成膜方法で作製可能なパターン・2(格子状)を示す概念図であり、従来の格子状のマスクパターン(025)と形成された成膜パターン(026)を示す。
図15−1の成膜パターン(024)や図15−2の成膜パターン(026)で示すような形状が連続して所定の格子状集電電極を形成している場合、どちらも部分的に途切れている。そのため、繋がっている格子状集電電極の方が抵抗が低い。
図15−3は、従来の成膜方法で作製可能なパターン・3(櫛形)を示す概念図であり、従来のマスクパターン(027)と形成された成膜パターン(028)を示す。
図16−1は、本発明の成膜方法のマスク・1(格子状)を示す概念図である。
本発明の成膜方法で特徴的な箇所の概念図を、図14−1〜図14−3に示し、従来の成膜方法で可能な成膜パターンとマスクパターンを、図15−1〜図15−3に示したが、本発明の成膜方法のマスクパターンについて説明を補足する。
図16−1は格子状パターンを成膜する際のマスクパターンである。(029)はMO面の形状の概念を示し、(030)はMU面の概念を示す。このようなマスクパターンを用いることにより、図15−1の成膜パターン(024)や図15−2の成膜パターン(026)のような途中で途切れているようなパターンではなく、繋がっているパターンを1回の成膜で作製することが可能になる。
図16−2は、本発明の成膜方法のマスク・2(格子状)を示す概念図である。
図16−1と同様に、格子状パターンを成膜する際のマスクパターンであり、(031)はMO面の形状の概念を示し、(032)はMU面の概念を示す。
本発明の特徴の1つである、回り込みとMU面側での堆積膜(010)の重なりについて、図14−4で記載した条件を満たし、途切れの無い格子状パターンが成膜できるならば、MO面の形状は1つに限定されるものではない。例えば図16−1の(029)や図16−2の(031)などのマスクパターンでもよく、これら以外の形状であってもよい。
また、MU面についても、非成膜部分の全てがMU面において非開口である必要は無く、(032)のようにMU面において(113)のように開口されていてもよく、MO面が(114)のように非開口で、かつ、MU面において、MO面が開口している部分(115)に対応する(116)と繋がっていない場合には、非成膜部分に成膜されることは無い。そのため、MO面と同様に、途切れの無い格子状の所定のパターンが成膜できるならば、MU面の形状は1つに限定されるものではない。例えば図16−1の成膜パターン(030)や図16−2の成膜パターン(032)などでもよく、これら以外の形状であってもよい。
また、マスク材料のない部分が増えれば、マスク材料の軽減などのメリットもある。
図17−1(成膜方法の違いとマスク強度・1)は、櫛型の成膜パターン・1(035)を成膜する際、従来の方法で用いているマスクパターン(033)と、本発明の方法で用いるマスクパターン(034)を示したものである。
マスクパターン(033)では、櫛型の部分(117)が右側の(118)でしか外周部と繋がっていないが、マスクパターン(034)では左側の一部(119)も外周部と繋がっている。そのため、マスクパターン(034)はマスクパターン(033)に比べマスクの強度が高い。
図17−2(成膜方法の違いとマスク強度・2)は、櫛型のパターンを互い違いに組み合わせた複合成膜パターン・2(038)を成膜する際、従来の方法で用いているマスクパターン(036)と、本発明の方法で用いるマスクパターン(037)を示したものである。
マスクパターン(036)では、マスク中央部(120)は上下の一箇所ずつ(121)でしか外周部と繋がっていないが、マスクパターン(037)では左右の一部(122)が外周部と繋がっている。そのため、マスクパターン(037)はマスクパターン(036)に比べてマスクの強度が高い。
図17−3(成膜方法の違いとマスク強度・3)は、櫛型のパターンをアンテナのように組み合わせた複合成膜パターン・3(041)を成膜する際、従来の方法で用いているマスクパターン(039)と、本発明の方法で用いるマスクパターン(040)を示したものである。
マスクパターン(039)では、マスク中央部(123)はそれぞれ右又は左の一箇所ずつ(124)でしか外周部と繋がっていないが、マスクパターン(040)では中央部(125)において上下方向でも外周部と繋がっている。そのため、マスクパターン(040)はマスクパターン(039)に比べマスクの強度が高い。
図18−1は、本発明の成膜方法を用いたデバイス例・1であり、格子状パターンを形成した複合基板(042)の概念図である。
複合基板(042)は所定の効果が得られるのであれば、本発明方法で形成された成膜パターン層が(126)以外に複数層存在していてもよい。
複合基板(042)は基板(127)上にある幾つかの層(128)、(129)で構成されているが、これは本発明の方法で形成された成膜パターン層(126)を含む複数層で構成された複合基板の概念図を示すためのものである。
図18−2は、本発明の成膜方法を用いたデバイス例・2であり、櫛型:複合のパターンを形成した複合基板(043)の概念図である。
複合基板(043)は所定の効果が得られるのであれば、本発明方法で形成された成膜パターン層が(130)以外に複数層存在していてもよい。
複合基板(043)は基板(131)上にある幾つかの層(132)、(133)で構成されているが、これは本発明の方法で形成された成膜パターン層(130)を含む複数層で構成された複合基板の概念図を示すためのものである。
図18−3は、本発明の成膜方法を用いたデバイス例・3であり、格子・櫛型:複合のパターンを形成した複合基板(044)の概念図である。
複合基板(044)は所定の効果が得られるのであれば、本発明方法で形成された成膜パターン層が(134)以外に複数層存在していてもよい。
複合基板(044)は基板(135)上にある幾つかの層(136)、(137)で構成されているが、これは本発明の方法で形成された成膜パターン層(134)を含む複数層で構成された複合基板の概念図を示すためのものである。
図19〔成膜フロー図・1(チャート)〕は、従来の成膜方法(フォトリソグラフィなど)におけるフローをチャート形式で示した概念図である。
この時、必要な工程数は9となる。また、図19〜図25において、確認・検査工程や洗浄工程のチャート及び基板状態は割愛するが、これらの工程は図19〜図25に記載の工程や図が多いほど多くなってくるのが一般的である。
また、成膜後の膜に対するアニール等の処理も共通と考えられるので省略する。
図20〔成膜フロー図・2(チャート)〕は、従来の成膜方法(フォトリソグラフィなど)におけるフローをチャート形式で示した概念図である。図19と異なるのは、レジスト塗布がパターン成膜で行えるという点である。
この時、必要な工程数は6となる。
図21〔成膜フロー図・3(基板状態)〕は、図19、図20で示したチャートに従ったときの基板の状態を示す概念図である。
(100)〜(105)はそれぞれの段階での基板を示すものであり、これらを繋いでいる実線の矢印はフローを示したものである。詳細は後述する。(106)はこの成膜において用いるマスクの概念図である。点線の矢印はこの(106)をセット(アウト)するところを示したもので、指示している実線の矢印のフローにマスクを用いる工程があることを示している。
レジストがパターン成膜出来ない図19の場合、基板(100)にレジストを成膜し(101)とする。そして、(106)を用いてパターンニングを行うと、(1021)をもつ基板(102)となる。(1021)の部分のレジストを除去することで、(1031)という下地が出た状態の基板(103)が得られる。ここに目的材料を成膜すると、(1031)の所に目的の材料が入り(1041)のパターンが形成され、(104)となる。このとき、(1042)の上にも目的の成膜材料が成膜されているが、レジストの除去時に一緒に除去できる。(1042)のレジストを除去し、(1051)のように下地が見える状態にした完成図を(105)に示す。
レジストがパターン成膜可能な図20の場合、(106)を用いてレジストのパターン成膜及び硬化を行うことで(103)を一度に作製することが出来る。
図22〔成膜フロー図・4(チャート)〕は、従来の成膜方法(スパッタや蒸着など)におけるフローをチャート形式で示した概念図である。
この時、必要な工程数は6となる。
図23〔成膜フロー図・5(チャート)〕は、従来の成膜方法(スパッタや蒸着など)におけるフローをチャート形式で示した概念図である。図22と異なるのは、同一マスクが使用できるということである。
この時、必要な工程数は5となる。ただし成膜の都合上、マスクをセットした状態で基板又はマスクを回転させることが出来ない場合、マスクアウト(x方向)→基板又はマスクの回転→マスクセット(y方向)となるため、工程数は7となる。
図24〔成膜フロー図・6(チャート)〕は、本発明方法におけるフローをチャート形式で示した概念図である。
この時、必要な工程数は3となる。
図25〔成膜フロー図・7(基板状態)〕は、図22〜図24で示したチャートに従ったときの基板の状態を示す概念図である。
(107)〜(109)はそれぞれの段階での基板を示すものであり、これらを繋いでいる実線の矢印はフローを示したものである。詳細は後述する。(112)は本発明方法で用いるマスクの概念図である。(110)、(111)は従来方法の図22、図23の場合に用いるマスクである。点線の矢印はこれらのマスクをセット(アウト)するところを示したもので、指示している実線の矢印のフローにマスクを用いる工程があることを示している。マスク(110)と(111)とを繋いでいる点線の矢印は、基板の回転が可能で同形状のマスクが使用可能な図23の場合の、基板を基準とした時のマスクの流れを示したものである。
本発明方法を用いることが出来ない図22、図23の場合、基板(107)にマスク(110)を用いて基板(108)を成膜する。次に、マスク(111)を用いて成膜を行うと基板(109)が完成する。
本発明方法を用いることが出来る図24の場合、基板(107)にマスク(112)を用いて成膜を行うことにより、一回の成膜で基板(109)が完成する。
001:成膜部
002:制御部
003:伝達用ケーブル
004:ターゲット
005:マスク
006:基板
007:(ターゲット材料の)広がり
008:成膜度合い・1
009:成膜度合い・2
010:堆積膜
011:電極取り出し部
012:格子状集電電極
013:格子状集電電極の一部(井形)
014:格子の交点部
015:マスク(井形)
016:マスクの部分(井形中央)
017:マスク(井形一部・1)
018:マスク(井形一部・2)
019:マスク(井形・本発明例)
020:成膜パターン・1
021:パターン層の上層及び下層
022:成膜パターン・2
023:マスクパターン(従来・1)
024:成膜パターン(従来・1)
025:マスクパターン(従来・2)
026:成膜パターン(従来・2)
027:マスクパターン(従来・3)
028:成膜パターン(従来・3)
029:マスクパターン(本発明・1)
030:マスクパターン(本発明・2)
031:マスクパターン(本発明・3)
032:マスクパターン(本発明・4)
033:マスクパターン(従来・4)
034:マスクパターン(本発明・5)
035:成膜パターン・1
036:マスクパターン(従来・5)
037:マスクパターン(本発明・6)
038:成膜パターン・2
039:マスクパターン(従来・6)
040:マスクパターン(本発明・7)
041:成膜パターン・3
042:複合基板(格子状パターン付)
043:複合基板(複合櫛型パターン付)
044:基板(複合格子・櫛型パターン付)
100:複合基板(フォトリソ工程前)
101:基板(レジスト塗布済み)
102:基板(レジストパターン硬化済み)
1021:パターン部((102)に存在するパターン部)
103:基板(レジストパターン形成後)
1031:パターン部((103)に存在するパターン部)
104:基板(材料成膜済み)
1041:パターン部((104)に存在するパターン部・1)
1042:パターン部((104)に存在するパターン部・2)
105:基板(材料成膜・レジスト除去後)
1051:パターン部((105)に存在するパターン部)
106:マスク(格子状パターン形成用マスク)
107:基板(成膜前)
108:基板(成膜途中)
109:基板(成膜完了)
110:マスク(レジストパターン形成後)
111:マスク(材料成膜済み)
112:マスク(材料成膜・レジスト除去後)
113:MU面の開口部
114:MO面の非開口部
115:MO面の開口部
116:115に対応するMU面の開口部
117:マスクパターンの櫛型の部分
118:外周部と繋がっている部分
119:外周部と繋がっている部分
120:マスク中央部
121:外周部と繋がっている部分
122:外周部と繋がっている部分
123:外周部と繋がっている部分
124:外周部と繋がっている部分
125:マスク中央部
126:成膜パターン層
127:基板
128:基板(127)上にある層
129:基板(127)上にある層
130:成膜パターン層
131:基板
132:基板(127)上にある層
133:基板(127)上にある層
134:成膜パターン層
135:基板
136:基板(127)上にある層
137:基板(127)上にある層
T :ターゲット(004)の基板(006)側の面
S :基板(006)のターゲット(004)側の面(被成膜面側)
TS :TとSの間の距離
MO :マスク(005)のターゲット(004)側の面
MU :マスク(005)の基板(006)側の面
TMO:TとMOの間の距離
MUS:SとMUの間の距離
S1 :基板(008)のターゲット(004)側の面(被成膜面側)
S2 :基板(009)のターゲット(004)側の面(被成膜面側)
TS1:TとS1の間の距離
TS2:TとS2の間の距離
A :基板(008)(009)の直径
φA :基板(006)の直径
φB :基板(006)の直径
φC :マスク(005)の開口部の直径
φD :マスク(005)の開口部の直径
φE :マスク(005)の開口部の直径
φL :ターゲット材料の広がりの最大径
θ :ターゲット材料の広がりの最大角
θ1 :基板(008)に到達するターゲット材料の最大角
θ2 :基板(009)に到達するターゲット材料の最大角
θ3 :基板(006)に到達するターゲット材料の最大角
θ4 :基板(006)に到達するターゲット材料の最大角
w、w1、w2:マスク(005)の開口部のMO面の開口端から基板(006)に
垂線を下ろしたときの交点
x、x1、x2:マスク(005)の開口部のMU面の開口端から基板(006)に
垂線を下ろしたときの交点
X :x−w
X1 :x1−w1
X2 :x2−w2
y :X≠0(|X|>0)を満たす開口部を通過した成膜材料が基板(006)上
に堆積した堆積膜(010)の外周上の点
Y :y−w
Y1 :y1−w1
Y2 :y2−w2
w11、w12:開口・1、開口2を有するマスク(005)の、開口・1のMO面の
開口端から基板(006)に垂線を下ろしたときの交点
w21、w22:開口・1、開口2を有するマスク(005)の、開口・2のMO面の
開口端から基板(006)に垂線を下ろしたときの交点
x11:開口・1のMU面の開口端から基板(006)に垂線を下ろしたときの交点
x22:開口・2のMU面の開口端から基板(006)に垂線を下ろしたときの交点
y11、y12:開口・1を通過した成膜材料が基板(006)上に堆積した堆積膜
(010)の外周上の点
y21、y22:開口・2を通過した成膜材料が基板(006)上に堆積した堆積膜
(010)の外周上の点
Z11:y12−y21
W22:w21−w12
V :w=x(X=0)となるときの開口部の断面で最も狭い箇所の開口端から基板
(006)に下ろした垂線の交点
V :v−w
特開2004−284182号公報

Claims (8)

  1. マスクを用いて基板にパターンを成膜するに際し、マスクの非開口部へターゲット材料が広がることにより、マスクの開口部と異なる形状のパターンが形成されるように、基板とマスクの間に空間が存在する状態で成膜を行うことを特徴とするパターン形成方法。
  2. 開口部が非開口部分を有し、該開口部の基板側に、ターゲット側と異なる連続した空間を持つマスクを用い、前記開口部に対応するパターン形状の成膜に加えて、前記非開口部分に対応する空間にもターゲット材料が回り込んで堆積し成膜されることを特徴とするパターン形成方法。
  3. マスクの開口部から前記空間に回り込んだターゲット材料が、マスクの基板側の空間領域によって、回り込む範囲を制限されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパターン形成方法。
  4. マスクが隣接する二つの開口部を有し、該二つの開口部及びその間の非開口部の基板側で前記空間が連続しており、前記二つの開口部に対応する基板上に成膜されるとともに、前記二つの開口部から回り込んだターゲット材料が、前記非開口部に対応する基板上にも重なり合うように堆積して成膜されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパターン形成方法。
  5. 前記パターンが、格子状パターン、櫛形パターン、又はそれらの複合パターンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のパターン形成方法
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のパターン形成方法により作成されたことを特徴とするパターン形成基板。
  7. 前記パターンが、光電変換素子又は電光変換素子に用いる電極パターンであることを特徴とする請求項6に記載のパターン形成基板。
  8. 請求項6又は7に記載のパターン形成基板を、受光側の入射面に配置したことを特徴とする太陽電池素子。
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