JP2011184719A - 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法 - Google Patents

耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2011184719A
JP2011184719A JP2010049098A JP2010049098A JP2011184719A JP 2011184719 A JP2011184719 A JP 2011184719A JP 2010049098 A JP2010049098 A JP 2010049098A JP 2010049098 A JP2010049098 A JP 2010049098A JP 2011184719 A JP2011184719 A JP 2011184719A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
metal
coating film
vapor phase
phase growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2010049098A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Shibata
有希 芝田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Handotai Co Ltd filed Critical Shin Etsu Handotai Co Ltd
Priority to JP2010049098A priority Critical patent/JP2011184719A/ja
Publication of JP2011184719A publication Critical patent/JP2011184719A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】クラック等の膜欠陥が発生するおそれが無く、耐食性を大きく向上させることができるコーティング膜が施された耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法を提供することを目的とする。
【解決手段】金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面が耐食性のコーティング膜で覆われた耐食性部材であって、少なくとも、前記コーティング膜は3層以上の構造からなり、前記3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層で、前記最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を含むものであることを特徴とする耐食性部材。
【選択図】図1

Description

本発明は、コーティング膜が施された耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法に関するものである。
従来、IC、LSI、VLSI等の半導体デバイスの製造プロセスにおいては、加熱、エッチング、酸化等の各種処理、CVD、PVD、プラズマCVD等による成膜、スパッタリング、イオン注入等、様々なプロセスを行うために、様々な半導体製造装置が用いられている。
これらの半導体製造装置では、各製造プロセスにおいて、通常、腐食性ガスや腐食性液体が頻繁に用いられているため、これらの腐食性物質に接する金属製部材は腐食しやすく、パーティクル発生の原因となるばかりではなく、金属製部材中に含まれる金属不純物が装置内を汚染し、半導体ウェーハに汚染による欠陥を発生させる懸念があった。
例えば、ドライエッチングプロセスにおいては、塩化水素や臭化水素ガスなどの腐食性ガスを用いているために、エッチング装置に用いる鉄やアルミニウムなどの金属製部材の材質として、耐食性に考慮した材料を採用する必要に迫られていた。
半導体製造装置の金属材料としては、従来の鉄に代えてステンレススチールを用いたり、あるいはステンレススチールの表面に電解研磨を施し、さらにその上に不動態膜(Cr)を形成したものが用いられる。
また、ステンレススチールの中でも、耐食性に優れているSUS316Lが用いられることもあるが、この場合においても、半導体製造装置が使用される環境下では必ずしも十分満足できる耐食性を有しているとはいえない。また、表面にさらにフッ素樹脂をコーティングすることも行われているが、このフッ素樹脂コーティング膜にも微量ながら金属不純物が存在しており、これが不純物汚染の原因ともなる。さらに、フッ素樹脂は使用温度に限界があるために、フッ素樹脂の耐熱温度を超えるような高温で処理する半導体製造装置には適用できなかった。
一方、半導体製造装置の金属材料として、アルミニウムが用いられている部分では、表面耐食性を高めるために、表面をアルマイト処理して耐食性を改善することも試みられている。しかしながら、アルマイト処理されたアルミニウム部材の表面には微細な孔が多数存在しているために、その孔の中に処理ガスが吸着され、以降の工程で、この吸着ガスが放出されて悪影響を及ぼすおそれが大きい。また、表面に微細孔が存在すると、洗浄が困難で不純物汚染の原因ともなる。
また、従来、高温条件下で使用される金属の防錆加工法として、ポリシラザンの熱分解物で金属製部材表面を被覆し、高温耐食性を改善することも試みられている(特許文献1)。この方法は、ペルヒドロポリシラザンあるいはポリオルガノシラザンを、金属製部材の表面に塗布した後、100〜600℃で加熱してシリカガラス膜に転化させることにより、金属製部材の表面上に、耐食性に優れた膜あるいは高温耐酸化性に優れた膜を被覆するものである。
特開平5−345983号公報
しかし、ポリシラザンの熱分解物で金属製部材表面を被覆する方法では、ペルヒドロポリシラザンあるいはポリオルガノシラザン単体を単層で塗布したものであるから、緻密質でしかも柔軟性のあるコーティング膜を得ることは困難であった。
例えば、ステンレススチール製のチャンバーの場合、耐酸化性を持たせるために、チャンバー内壁にペルヒドロポリシラザンを塗布し、その後大気中で焼成することで、二酸化ケイ素を主成分とするコーティング膜を施す。この場合、表面の凹凸をカバーするためと、耐酸化性を向上させるために、できるだけ緻密でしかも厚みのあるコーティング膜を施す必要があるが、塗布する塗布膜の膜厚を厚くしようとすると、膜が重なったり、あるいはコーティング液が溜まったりすることにより、塗布膜の膜厚に局所的に厚くなる部分が生じ、その後の加熱処理の際にクラックや変形等の不具合が生じ易くなる。したがって、塗布膜の膜厚は全体的に薄くせざるを得ず、高々1.5〜2μm程度が限界であった。
また、ペルヒドロポリシラザンから得られた膜自体は緻密で耐食性の高い膜であるが、このペルヒドロポリシラザンをステンレススチール等の金属の表面に塗布し、焼成した場合、素材である金属との熱膨張係数の違いから膜中にストレスがかかり、ピンホール、亀裂、マイクロクラック等の膜欠陥が生じ易い。また、コーティングされる金属の表面自体に鋭角なキズ、ピンホール、深い凹凸等の欠陥があった場合、コーティングする膜厚を厚くしなければ金属の表面を完全に覆うことはできないが、金属の表面をペルヒドロポリシラザンから得られた厚い二酸化ケイ素膜で覆うと、膜中により多くのピンホール、亀裂、マイクロクラック等の膜欠陥が発生してしまう。以上により、上記のコーティング膜を施した金属製部材では、膜欠陥から腐食が進み、結果的に耐食性が劣ることとなっていた。
一方、膜欠陥を減少するには膜厚を薄くすればよいのであるが、そのようにすると、金属の表面を完全に覆うことができなくなり、結果的に耐食性が劣ることとなる。さらに、金属製部材の鋭角部、例えば端面や鋭利なキズ部には、塗布膜が付着しにくく均一なコーティング膜形成が困難である。このように、上記公知のポリシラザンを用いた膜では、半導体製造装置のように、高温で腐食性雰囲気のような過酷な条件で使用される装置の腐食防止対策としては不十分なものであった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、クラック等の膜欠陥が発生するおそれが無く、耐食性を大きく向上させることができるコーティング膜が施された耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面が耐食性のコーティング膜で覆われた耐食性部材であって、少なくとも、前記コーティング膜は3層以上の構造からなり、前記3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層で、前記最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を含むものであることを特徴とする耐食性部材を提供する。
このように、本発明のコーティング膜の3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層であれば、金属表面との密着性が高い層を最下層することでコーティング膜の剥離が生じにくく、また、強固で耐食性の高い緻密な層を最表層とすることでコーティング膜で覆われた金属製部材の耐食性を大きく向上させることができる。そして、最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を有するものであれば、緩衝層として機能して、コーティング膜を厚くしてもクラックが生じにくくなり、耐食性の向上と気体の透過を防止できるコーティング膜が施された耐食性部材となる。
このとき、前記金属製部材の表面の金属は、ステンレスとすることができる。
このように、本発明の耐食性部材の金属製部材の表面の金属としては、半導体製造装置に一般的に用いられているステンレスとすることができる。
このとき、前記コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであることが好ましい。
このように、コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであれば、膜厚均一で、欠陥がほとんどないコーティング膜が形成されるため、より耐食性の高い耐食性部材となる。
また、本発明は、少なくとも、チャンバーと、前記チャンバー内に連通し、該チャンバー内にガスを導入するガス導入管と、前記チャンバー内に連通し、該チャンバー内からガスを排出するガス排出管と、前記チャンバー内に配置され、ウェーハを載置するサセプタとを具備する気相成長装置であって、少なくとも、該気相成長装置を構成する部材のうち、金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面は、3層以上の構造からなるコーティング膜で覆われ、該3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層で、前記最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を含むものであることを特徴とする気相成長装置を提供する。
このように、本発明のコーティング膜の3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層であれば、金属表面との密着性が高い層を最下層することでコーティング膜の剥離が生じにくく、また、強固で耐食性の高い緻密な層を最表層とすることでコーティング膜で覆われた金属製部材の耐食性を大きく向上させることができる。そして、最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を含むものであれば、緩衝層として機能して、コーティング膜を厚くしてもクラックが生じにくくなり、耐食性を大きく向上でき、気体透過を防止できる。このため、パーティクルの発生や、金属不純物汚染の無い気相成長を行うことができる気相成長装置となる。
このとき、前記金属製部材の表面の金属は、ステンレスとすることができる。
このように、本発明の気相成長装置のコーティングする金属製部材の表面の金属としては、気相成長装置に一般的に用いられているステンレスとすることができる。
このとき、前記コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであることが好ましい。
このように、コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであれば、膜厚均一で、欠陥がほとんどないコーティング膜を形成するのが容易であるため、より耐食性が高く、気相成長においてパーティクルの発生がほとんど無い気相成長装置となる。
また、本発明の気相成長装置を用いて、前記サセプタ上にウェーハを載置し、前記ガス導入管から反応性ガスを前記チャンバー内に導入し、該導入された反応性ガスを前記ガス排出管から排出しながら、前記ウェーハ上に気相成長を行うことを特徴とする気相成長方法を提供する。
このように、本発明の気相成長装置を用いて、ウェーハ上に気相成長を行うことで、パーティクルの発生や、金属不純物汚染の無い気相成長を行うことができるため、高品質のエピタキシャルウェーハを作製することができる。
また、本発明は、金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面を3層以上の構造の耐食性のコーティング膜で覆うコーティング方法において、少なくとも、前記金属製部材の金属の表面上にポリシラザン溶液を塗布して熱処理することにより最下層の緻密層を形成し、該緻密層より上にアルコキシシラン溶液を塗布して熱処理することにより中間層の柔軟層を形成し、該柔軟層より上にポリシラザン溶液を塗布して熱処理することにより最表層の緻密層を形成することを特徴とするコーティング方法を提供する。
このように、本発明において、コーティング膜の3層以上の構造の最表層と最下層として、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層を形成することにより、金属表面との密着性が高い層を最下層することでコーティング膜の剥離が生じにくく、また、強固で耐食性の高い緻密な層を最表層とすることでコーティングされた金属製部材の耐食性を大きく向上させることができる。そして、最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を形成することによって、緩衝層として機能して、コーティング膜を厚くしてもクラックが生じにくくなり、耐食性を大きく向上できる。
このとき、前記金属製部材の表面の金属を、ステンレスとすることができる。
このように、コーティングする金属製部材の表面の金属としては、半導体製造装置に一般的に用いられているステンレスとすることができる。
前記コーティング膜の厚さを、0.5〜10μmとすることが好ましい。
このように、コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであれば、膜厚均一で、欠陥がほとんどないコーティング膜が形成されるため、金属製部材の耐食性をより高くすることができる。
前記金属製部材の金属の表面を、予め平滑化処理することによって平均表面粗さRa3.2μm以下にして、その後、前記金属の表面を前記コーティング膜で覆うことが好ましい。
このように、予め平滑化処理することによって平均表面粗さRa3.2μm以下にすることで、コーティング膜の付着性が良くなり、長寿命で、より耐食性の高いコーティング膜を施すことができる。
以上のように、本発明によれば、耐食性の高いコーティング膜を膜欠陥を発生させずにコーティングすることができるため、例えば半導体製造に用いられる装置の金属製部材の耐食性を大きく向上することができる。
本発明の耐食性部材の実施態様の一例を示す部分断面図である。 本発明の気相成長装置の実施態様の一例を示す概略図である。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は、本発明の耐食性部材の実施態様の一例を示す部分断面図である。
図1に示すように、本発明の耐食性部材15は、金属を含む材料からなる金属製部材14の金属の表面が耐食性のコーティング膜10で覆われた耐食性部材15であって、少なくとも、コーティング膜10は3層以上の構造からなり、3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層11、13で、最表層と最下層の間の中間層は、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層12である。
最下層の緻密層13は、ポリシラザンから生成されるガラス質の二酸化ケイ素(SiO)の層であるため、堅く強固で緻密であり、ステンレス等の金属の表面との密着性が良く、耐食性も良い。しかしながら、緻密であるがゆえに単体で厚く形成すると熱応力等によるクラックを生じやすいため、緻密層13上にアルコキシシランから生成される二酸化ケイ素(SiO)の柔軟層12を形成することで、クラックを防止できる。しかし、この柔軟層12は多量の有機物を含むことから耐食性に欠けるため、さらに柔軟層12上にポリシラザンから生成される最表層の緻密層11を形成することで、柔軟層12を緩衝層としてクラックが入りにくく、耐食性も高い3層以上の構造のコーティング膜10となる。このようなコーティング膜10により、金属製部材14の耐食性を大きく向上させた本発明の耐食性部材15となる。
このような、本発明の耐食性部材は、半導体製造プロセスに用いられる各種反応性ガスや腐食性ガス等、あるいは各種処理液に直接接触するか接触する可能性が大である部材として用いることができ、例えば、エッチング装置、CVD装置、PVD装置、プラズマCVD装置、スパッタ装置、イオン注入装置等の各種装置のチャンバー等に用いることができる。
その他、ロードロックチャンバー、トランスファーチャンバー、プロセスチャンバーなどの内壁、搬送用ロボット、ゲートバルブ、ゲートバルブを構成するシャッター、ガス供給系もしくは排気系の配管、ガス供給系もしくは排気系で使用されるバルブ、レギュレータ、圧力センサー、マスフローコントローラー、フィルタ、逆止弁、マニフォールドなどを構成する金属製部材に本発明のコーティング膜をコーティングして本発明の耐食性部材とすることができる。また、腐食性ガス・液体保管用ボトルあるいはボンベについても、本発明を適用することにより顕著な腐食性改善効果を期待できる。
以下、特に本発明の耐食性部材を気相成長装置に用いた例として、本発明の気相成長装置について説明する。図2は、本発明の気相成長装置の実施態様の一例を示す概略図である。
図2に示す気相成長装置24のチャンバー(反応容器)26は、例えばSUSからなるチャンバーベース25と、チャンバーベース25を上下から挟む透明石英部材27、28とから形成される。このチャンバー26内には、チャンバーベース25をカバーする不透明石英部材16、29と、ウェーハWを上面で支持するサセプタ17とを備えている。
このサセプタ17はウェーハ回転機構18に接続されており、気相成長中はサセプタ17を回転させて、エピタキシャル層をウェーハW上に膜厚均一に気相成長させる。このウェーハ回転機構18内部はSUSが使われており、ウェーハ回転機構18内部をパージするパージガス導入管19が設けられている。
チャンバー26には、チャンバー26内に原料ガス及びキャリアガス(例えば、水素)を含む気相成長ガスをサセプタ17の上側の領域に導入して、サセプタ17上に載置されたウェーハWの主表面上に原料ガスとキャリアガスを供給するガス導入管20、21が接続されている。
また、チャンバー26のガス導入管20、21が接続された側の反対側には、チャンバー26内からガスを排出するガス排出管22、23が接続されている。
そして、本発明の気相成長装置を構成する部材のうち、金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面は、3層以上の構造からなるコーティング膜で覆われ、3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層で、最表層と最下層の間の中間層は、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層である。
このコーティングされる金属製部材としては、HClガス等の反応性ガスと接触する部材が好ましく、例えば、チャンバーベース25、ガス導入管20、21、ガス排出管22、23等の反応性ガスに対して露出された面をコーティングすることが好ましい。
この本発明のコーティング膜は、高濃度の酸化性ガスによっても酸化されるおそれが無く、耐食性、耐酸化性に限らず、気体の透過防止等も向上するため、不純物汚染やパーティクルの発生の無い気相成長を行うことができる気相成長装置となる。
また、本発明の気相成長方法は、上記した本発明の気相成長装置を用いて、サセプタ上にウェーハを載置し、ガス導入管から反応性ガスをチャンバー内に導入し、導入された反応性ガスをガス排出管から排出しながら、ウェーハ上に気相成長を行う。
このような気相成長方法であれば、パーティクルの発生や、金属不純物汚染の無い気相成長を行うことができるため、高品質のエピタキシャルウェーハを作製することができる。
次に、上記のような本発明の耐食性部材及び気相成長装置にコーティング膜をコーティングする方法の一例として、以下、本発明のコーティング方法を説明する。
本発明のコーティング方法では、例えば、所望の形状に成型した金属製部材の表面にコーティング膜をコーティングする。
まず、コーティングの前に、コーティングされる金属製部材に前処理を行うことが好ましい。
前処理としては、例えば、コーティングされる金属製部材の表面端部稜線に、R処理を行って端部稜線の曲率半径を0.2以上とすることが好ましい。本発明において、金属製部材の表面端部稜線にR処理を施す理由として、金属製部材表面に塗布液を塗布する際に、その端部稜線に沿って、平坦部より塗布膜の膜厚に厚い部分ができ、塗布膜の加熱分解時にクラックが入り、その部分から腐食が発生してしまう場合があるが、端部稜線に上記のR処理を施すと、塗布膜の局部的な膜厚変化が生じにくく、膜厚均一にコーティングでき、クラックの発生が比較的容易に阻止できる。
また、前処理として、予め、コーティングされる金属製部材の金属の表面を平滑化処理して、好ましくは平均表面粗さRa3.2μm以下、より好ましくは平均表面粗さRa1μm以下にする。
表面形状によって塗布した塗布膜の付着性が異なってくる。すなわち、金属製部材の表面は、通常旋盤加工などによる加工傷やクラックなどの凹凸が存在しているが、この表面の凹凸を予め平滑化して上記範囲の表面粗さにすることで、付着性が良くなり、均一な膜を形成することが容易で、さらにピンホールの発生を防止できるため、耐食性のより高いコーティング膜を形成できる。
この平滑化処理としては、例えば、金属製部材表面の鋭角状の突起等を研磨により鈍化させる、又は研削により除去することができる。この研磨法としては、機械研磨、電解研磨、バフ研磨、化学研磨などの方法があるが、化学研磨法が最も優れた性状の表面を形成できるので好ましい。
また、前処理として、サンドブラスト処理またはガラスビーズブラスト処理を施しておくのも有効である。このサンドブラスト処理は、研磨材として充分な切削力を有する炭化ケイ素(SiC)、アルミナ(Al)あるいはガラスを用いることで、金属製部材の表面に存在する鋭角状の突起や凹凸を鈍化させることができるため、コーティング膜との付着性がより良くなる。
そして、上記のような前処理後に、金属製部材の金属の表面を水洗して付着物等を除去し、次いで、脱脂処理を施すために有機溶剤等を用いて洗浄し、乾燥させて、その後コーティングを行う。
本発明のコーティング方法では、金属製部材の金属の表面上にポリシラザン溶液を塗布して熱処理することにより最下層の緻密層を形成し、当該緻密層上にアルコキシシラン溶液を塗布して熱処理することにより中間層の柔軟層を形成し、その後柔軟層上にポリシラザン溶液を塗布して熱処理することにより最表層の緻密層を形成する。なお、本発明のコーティング方法では、3層以上のコーティング膜であればよく、柔軟層上に緻密層を2層形成する等により4層以上の構造とすることもできる。また、その他中間層として、他の種の層をさらに設けることが可能である。
この本発明のコーティング方法における緻密層の出発原料となるポリシラザンを含む緻密層形成用塗布液(ポリシラザン溶液)は、例えば各所定量のポリシラザンを有機溶媒に溶解した溶液を用いることができる。
この有機溶媒は、ポリシラザンの反応に悪影響を与えないものであればよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、トリメチルベンゼン、トリエチルベンゼン等の芳香族化合物、シクロブタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等のシクロパラフィン、n−ペンタン、i−ペンタン、n−ヘキサン、i−ヘキサン、n−ヘプタン、i−ヘプタン、n−オクタン、i−オクタン、n−ノナン、i−ノナン、n−デカン、i−デカン等の飽和炭化水素化合物、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のエーテル類等が好適に用いられる。
ポリシラザンとしては、少なくとも分子内にSi−N結合を有するもので、下記化学式(1)で表される骨格を繰り返し単位として鎖状に結合した鎖状ポリマー、あるいは環状に結合した環状ポリマーである。また、それらポリマーを2種類以上を混合したものでもよい。
Figure 2011184719
(但し、R1、R2、R3は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基のいずれか1種である)
本発明に用いるポリシラザンとしては、最も緻密性を持つ膜が形成されるR1、R2、R3が全て水素であるペルヒドロポリシラザンもしくは、緻密性を持ちながらも比較的柔軟性も併せ持つ膜が形成され、前駆体の中で最も入手が容易であるR1,R2が水素、R3がメチル基であるポリメチルヒドロシラザンが望ましい。
また、柔軟層の出発原料となるアルコキシシランを含む柔軟層形成用塗布液(アルコキシシラン溶液)は、例えば各所定量のアルコキシシランを有機溶媒に溶解した溶液を用いることができる。
この有機溶媒は、アルコキシシランの反応に悪影響を与えないものであればよく、アセトン、n−ブチルケトン、i−ブチルケトン等、ケトン類が好適に用いられる。
アルコキシシランは、少なくとも分子内にO−Si−O結合を有するもので、下記化学式(2)で表されるモノマーまたは、下記化学式(3)で表される骨格を繰り返し単位として鎖状に結合した鎖状ポリマー、あるいは環状に結合した環状ポリマーである。
Figure 2011184719
Figure 2011184719
(但し、R1、R2、R3、R4は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基のいずれか1種である)
本発明に用いるアルコキシシランとしては、R1、R2、R3、R4を全てメチル基としたメチルシリケートが最も望ましい。
本発明において、上記溶液の塗布法としては、例えば、ディップ塗布法、スピンコート法、スプレー塗布法、刷毛塗り法、静電塗布法、グラビアロール塗布法、バー塗布法、フロー塗布法等がある。
本発明において、溶液を塗布する際に、水分が存在すると塗布膜成型前に分解反応が進行してしまい均一な膜となりにくいため、塗布工程においては、可能な限り水分を排除できるように雰囲気制御できる方法が好ましい。このため、ディップ法、スプレー法が適している。また、スピンコート法は均一な膜が得られやすい特徴があるが、コーティングされる金属製部材が曲面を有する形状のものには、ディップ法、スプレー法の適用が好ましい。ただし、ディップ法は曲面を有する部材にも適用可能であるが、均一な膜厚を得るためには技能の習熟が必要である。また、スプレー法は複雑形状の金属製部材の被覆には、技術的な困難が伴うが、比較的容易に膜厚均一な塗布膜を得ることができる。
また、溶液を塗布した塗布膜の厚さは、所望のコーティング膜の膜厚の120%〜200%となるよう制御することが望ましい。
塗布膜を乾燥し、加熱してシリカガラスに転化すると、収縮が起こり膜厚は減少する。従って、所望のコーティング膜の膜厚に対して上記範囲で塗布膜の厚さを設定することが好ましい。例えばスピンコート法においては、供給する塗布液の量及び回転時間、回転速度を調整することにより塗布膜の厚みを調整することができる。また、ディップ法においては、溶液の粘度、溶媒種、被塗布物の形状によって、スプレー法においては、スプレー時間、溶液濃度によって、塗布膜の厚みを調整できる。
本発明における熱処理としては、溶液を上記のように塗布した後、ポリシラザン溶液又はアルコキシシラン溶液の塗布膜を乾燥させて、例えば、溶液が塗布された金属性部材を、大気中あるいは水蒸気を含む雰囲気中で、80〜400℃の温度範囲で30〜180分加熱処理する。
ポリシラザン溶液の塗布膜は、上記加熱処理プロセスで、加熱処理の初期段階においては、ペルヒドロポリシラザンやポリオルガノシラザンの反応が進行すると、Si−O結合の他に、Si−N結合、Si−H結合、Si−R結合等を含む重合体が形成される。この段階では、シロキサン結合(Si−O−Si)が充分形成されていないために、セラミックスへの転化が不十分なものである。加熱処理が更に進行すると、前記重合体が水や酸素と反応することで反応物の酸化、水蒸気による加水分解が進行し、シロキサン結合(Si−O−Si)あるいはSi−N結合が形成されて、緻密性を有するセラミックスに転化して緻密層となる。また、アルコキシシラン溶液の塗布膜は、上記加熱処理プロセスで、加熱処理が進行すると、アルコキシシランが水や酸素と反応し、アルキル基等がアルコールとして脱離することで、柔軟性を有するセラミックスに転化して柔軟層となる。また、塗布膜を乾燥させた後、触媒を使用することにより低温で反応を行わせることもできる。
上記のように形成される本発明のコーティング膜全体の厚みは、0.5〜10μmの範囲が好ましい。
厚みが0.5μm以上であれば、金属製部材の表面に均一な膜を形成するのが容易で、十分な耐食性改善効果を得ることができる。また、厚みが0.5μm以上であれば、コーティング膜にピットやピンホールが発生しにくいため、不純物ガスが蓄積されず、半導体製造装置の汚染を防止し、さらには耐食性も高く保つことができる。また、コーティング膜を厚くするために塗布膜が厚くなると、作業環境中に存在するパーティクルを塗布膜が取り込んで塗布膜欠陥が発生する心配もなく、塗布膜欠陥を防止するために、塗布する際の作業環境を必要以上に高清浄化する必要もないため、低コストに高品質のコーティング膜を形成できる。
また、コーティング膜の厚さを、10μm以下とすれば、均一な厚さの膜を形成することが容易で、クラック発生も防止できる。さらに、コーティング膜を10μmより厚くすることによる、耐食性の向上は少ないため、厚さが10μm以下であれば経済的である。
以上説明したように、本発明によれば、例えば、チャンバーの主要部を構成するステンレススチール板等に、コーティングする際に、クラック等の発生を防止しながらコーティングでき、当該コーティング膜により高濃度の酸化性ガスによる酸化を防止することができる。このため、特殊な装置を用いることなく、耐酸化性、耐食性、気体の透過防止等に優れたステンレス製チャンバーとすることができ、しかも比較的安価である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法によりステンレススチール板の表面に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.3μmの緻密層とした。
次いで、メチルシリケート溶液をスピンコート法により上記の緻密層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの柔軟層とした。
次いで、ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法により上記の柔軟層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.3μmの緻密層とした。
以上により、ステンレススチール板の表面に、緻密層、柔軟層及び緻密層の3層構造のコーティング膜が形成された。このコーティング膜の膜厚は1.1μmであった。
(実施例2)
ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法によりステンレススチール板の表面に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.3μmの緻密層とした。
次いで、メチルシリケート溶液をスピンコート法により上記の緻密層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの柔軟層とした。
次いで、ポリメチルヒドロシラザン溶液をスピンコート法により上記の柔軟層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの緻密層とした。
以上により、ステンレススチール板の表面に、緻密層、柔軟層及び緻密層の3層構造のコーティング膜が形成された。このコーティング膜の膜厚は1.3μmであった。
(実施例3)
ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法によりステンレススチール板の表面に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.3μmの緻密層とした。
次いで、メチルシリケート溶液をスピンコート法により上記の緻密層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの柔軟層とした。
次いで、ペルヒドロポリシラザンとポリメチルヒドロシラザンを1:1の割合で混合した溶液をスピンコート法により上記の柔軟層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの緻密層とした。
以上により、ステンレススチール板の表面に、緻密層、柔軟層及び緻密層の3層構造のコーティング膜が形成された。このコーティング膜の膜厚は1.3μmであった。
(実施例4)
ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法によりステンレススチール板の表面に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.3μmの緻密層とした。
次いで、メチルシリケート溶液をスピンコート法により上記の緻密層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの柔軟層とした。
次いで、ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法により上記の柔軟層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.3μmの緻密層とした。
次いで、ペルヒドロポリシラザンとポリメチルヒドロシラザンを1:1の割合で混合した溶液をスピンコート法により上記の柔軟層上に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、厚み0.5μmの緻密層とした。
以上により、ステンレススチール板の表面に、緻密層、柔軟層、緻密層、緻密層の4層構造のコーティング膜が形成された。このコーティング膜の膜厚は1.6μmであった。
なお、上記実施例1−4でコーティング膜を形成したステンレススチール板は、材質がSUS316Lで、前処理として、コーティングする表面を研磨して表面粗さRa3.2μm以下にしたものを用いた。
(比較例1)
ペルヒドロポリシラザン溶液をスピンコート法によりステンレススチール板の表面に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、無機質シリカ層とした。この無機質シリカ層の膜厚は0.8μmであった。
(比較例2)
ポリメチルヒドロシラザン溶液をスピンコート法によりステンレススチール板の表面に塗布し、その後、大気中、350℃にて1時間熱処理を行い、有機質シリカ層とした。この有機質シリカ層の膜厚は0.8μmであった。
表1は、実施例1〜4及び比較例1、2の加熱試験の特性評価試験結果を示すものである。
なお、加熱試験の条件は、コーティングされたステンレススチール板を、腐食性ガス(塩化水素ガス)雰囲気で、200℃、30分加熱した。
Figure 2011184719
ここで、上記の加熱試験の特性評価における判定基準は、次の様である。
1)変色の有無
◎:全く変色が認められなかった。
○:端面近傍のみに僅かに淡い変色が認められた。
△:全面に僅かに淡い変色が認められた。
×:全面に変色が認められた。
2)クラックの有無
◎:全く異常が認められなかった。
○:微小なマイクロクラックが一部に認められた。
△:クラックが一部に認められた。
×:クラックが全面に認められた。
3)腐食の有無
◎:全く異常が認められなかった。
○:膜の一部が損傷しているのが認められた。
△:膜の一部が剥離(または消失)しているのが認められた。
×:膜が完全に剥離(または消失)しているのが認められた。
表1によれば、実施例1〜4では、クラックの発生は全く認められないか、微小なマイクロクラックが一部に認められる程度であり、表面の変色(腐食)も僅かに認められる程度であった。特に、実施例3、4は、「クラックの有無」及び「変色(腐食)の有無」共に優れていることが確認された。
一方、比較例1、2では、全ての評価項目において劣っているのが確認された。全面の変色が認められ、膜が剥離しているのが認められた。このように、比較例1、2は、実施例1〜4と比較して膜の特性が劣っていることが確認された。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…コーティング膜、 11、13…緻密層、 12…柔軟層、
14…金属製部材、 15…耐食性部材、16、29…不透明石英部材、
17…サセプタ、 18…ウェーハ回転機構、 19…パージガス導入管、
20、21…ガス導入管、 22、23…ガス排出管、 24…気相成長装置、
25…チャンバーベース、 26…チャンバー、 27、28…透明石英部材、
W…ウェーハ。

Claims (11)

  1. 金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面が耐食性のコーティング膜で覆われた耐食性部材であって、少なくとも、前記コーティング膜は3層以上の構造からなり、前記3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層で、前記最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を含むものであることを特徴とする耐食性部材。
  2. 前記金属製部材の表面の金属は、ステンレスであることを特徴とする請求項1に記載の耐食性部材。
  3. 前記コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の耐食性部材。
  4. 少なくとも、チャンバーと、前記チャンバー内に連通し、該チャンバー内にガスを導入するガス導入管と、前記チャンバー内に連通し、該チャンバー内からガスを排出するガス排出管と、前記チャンバー内に配置され、ウェーハを載置するサセプタとを具備する気相成長装置であって、少なくとも、
    該気相成長装置を構成する部材のうち、金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面は、3層以上の構造からなるコーティング膜で覆われ、該3層以上の構造の最表層と最下層は、ポリシラザンを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする緻密層で、前記最表層と最下層の間の中間層として、アルコキシシランを熱処理して得られた二酸化ケイ素を主成分とする柔軟層を含むものであることを特徴とする気相成長装置。
  5. 前記金属製部材の表面の金属は、ステンレスであることを特徴とする請求項4に記載の気相成長装置。
  6. 前記コーティング膜の厚さは、0.5〜10μmであることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の気相成長装置。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の気相成長装置を用いて、前記サセプタ上にウェーハを載置し、前記ガス導入管から反応性ガスを前記チャンバー内に導入し、該導入された反応性ガスを前記ガス排出管から排出しながら、前記ウェーハ上に気相成長を行うことを特徴とする気相成長方法。
  8. 金属を含む材料からなる金属製部材の金属の表面を3層以上の構造の耐食性のコーティング膜で覆うコーティング方法において、少なくとも、前記金属製部材の金属の表面上にポリシラザン溶液を塗布して熱処理することにより最下層の緻密層を形成し、該緻密層より上にアルコキシシラン溶液を塗布して熱処理することにより中間層の柔軟層を形成し、該柔軟層より上にポリシラザン溶液を塗布して熱処理することにより最表層の緻密層を形成することを特徴とするコーティング方法。
  9. 前記金属製部材の表面の金属を、ステンレスとすることを特徴とする請求項8に記載のコーティング方法。
  10. 前記コーティング膜の厚さを、0.5〜10μmとすることを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のコーティング方法。
  11. 前記金属製部材の金属の表面を、予め平滑化処理することによって平均表面粗さRa3.2μm以下にして、その後、前記金属の表面を前記コーティング膜で覆うことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載のコーティング方法。
JP2010049098A 2010-03-05 2010-03-05 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法 Pending JP2011184719A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010049098A JP2011184719A (ja) 2010-03-05 2010-03-05 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010049098A JP2011184719A (ja) 2010-03-05 2010-03-05 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2011184719A true JP2011184719A (ja) 2011-09-22

Family

ID=44791353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010049098A Pending JP2011184719A (ja) 2010-03-05 2010-03-05 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2011184719A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018035691A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 トヨタ自動車株式会社 遮熱膜の製造方法
JP2018035688A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 トヨタ自動車株式会社 遮熱膜の製造方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0899061A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Tonen Corp SiO2 系セラミック被膜の形成方法
JP2002105676A (ja) * 2000-07-27 2002-04-10 Contamination Control Service:Kk コーティング膜とそれが施された部材及びコーティング膜の製造方法
JP2006150926A (ja) * 2004-04-06 2006-06-15 Tatatomi Kazama 金属製品及び金属製品の製造方法
JP2006229152A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku 真空処理装置における水素原子発生源及び水素原子輸送方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0899061A (ja) * 1994-09-30 1996-04-16 Tonen Corp SiO2 系セラミック被膜の形成方法
JP2002105676A (ja) * 2000-07-27 2002-04-10 Contamination Control Service:Kk コーティング膜とそれが施された部材及びコーティング膜の製造方法
JP2006150926A (ja) * 2004-04-06 2006-06-15 Tatatomi Kazama 金属製品及び金属製品の製造方法
JP2006229152A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Japan Advanced Institute Of Science & Technology Hokuriku 真空処理装置における水素原子発生源及び水素原子輸送方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018035691A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 トヨタ自動車株式会社 遮熱膜の製造方法
JP2018035688A (ja) * 2016-08-29 2018-03-08 トヨタ自動車株式会社 遮熱膜の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5291275B2 (ja) コーティング膜が施された部材及びコーティング膜の製造方法
Barroso et al. Polymeric and ceramic silicon-based coatings–a review
US11279661B2 (en) Heat treated ceramic substrate having ceramic coating
US8017062B2 (en) Semiconductor processing components and semiconductor processing utilizing same
US7374818B2 (en) Coating system for silicon based substrates
US6974781B2 (en) Reactor precoating for reduced stress and uniform CVD
US20060040054A1 (en) Passivating ALD reactor chamber internal surfaces to prevent residue buildup
JP2007531304A5 (ja)
KR20020008395A (ko) 화학 증착 시스템 및 방법
US20020173117A1 (en) Semiconductor processing component
JP2011184719A (ja) 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法
TW202113135A (zh) 用於高溫腐蝕環境之基板支撐件蓋
US20020058108A1 (en) Pre-treatment of reactor parts for chemical vapor deposition reactors
KR20090025171A (ko) 기판 처리 장치 및 반도체 장치의 제조 방법
KR20130046352A (ko) 성막 장치 및 그 운용 방법
EP1508629B1 (en) Method for removing a composite coating from a ceramic substrate
KR101559112B1 (ko) 공정부품 표면의 세라믹 코팅막 및 이의 형성방법
JP4178239B2 (ja) 高密着性酸化物皮膜及びその製造方法
KR20120024336A (ko) 저온 실리콘카바이드 코팅층 형성 방법
JP2003188159A (ja) Cvd装置及び半導体装置の製造方法
JP3956291B2 (ja) 半導体処理用部材
JPH09139329A (ja) 半導体熱処理用ダミーウエハ
JPH09110475A (ja) 半導体装置製造用シリカガラス治具

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120717

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141104

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150519

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20151027