JP2006150926A - 金属製品及び金属製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光沢があり経時により変色しにくい金属製品及び金属製品の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも表面部が金属を主成分とする母材、の表面に、少なくとも石英層と、ジルコンセラミックス層とで構成される多層構造を備える金属製品である。また、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、該母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程と、該石英層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して他の石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも表面部が金属を主成分とする母材、の表面に、少なくとも石英層と、ジルコンセラミックス層とで構成される多層構造を備える金属製品である。また、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、該母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程と、該石英層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して他の石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
【選択図】なし
Description
本発明は、光沢があり経時により変色しにくい金属製品、及び金属製品の製造方法に関する。
ブローチやペンダントのような装飾品用銀製品は大気中に放置すると表面が変色しやすい。一般に金属の表面に保護層を設けて変色を防止することが行なわれる。保護層としては樹脂塗料の塗布(例えば、特許文献1参照。)が考えられるが、樹脂層は金属に比べて柔らかいので傷がつきやすく、又、手触りも異なり触ったときの重厚感に不満がある。ホーローの技術を適用して母材表面を保護する(例えば、特許文献2参照。)ことも考えられるが、ホーロー層により母材表面の銀光沢の光が遮断されて銀製品本来の光沢が失われる。シリカの薄膜を装飾品の母材表面にじかに設けることも開示されている(例えば、特許文献3参照。)が、この薄膜は衝撃に対して弱く使用時の衝撃によりヒビやはがれが生じやすい。
特開平9−241532号公報(特許請求の範囲)
特開平9−67140号公報(特許請求の範囲)
特開平8−3764号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、光沢があり経時により変色しにくい金属製品及び金属製品の製造方法を提供することにある。
本発明の要旨とするところは、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材、の表面に、少なくとも石英層と、ジルコンセラミックス層とで構成される多層構造を備える金属製品である。
かかる金属製品において、前記多層構造が、1又は複数の樹脂層を含み得ることにある。
本発明の他の要旨とするところは、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材、の表面に、1又は複数の樹脂層と、石英層又はジルコンセラミックス層とで構成される多層構造を備える金属製品である。
かかる金属製品において、少なくとも1の前記樹脂層を形成するための樹脂には、着色剤が混入され得る。
かかる金属製品において、前記着色剤の混入量が、前記樹脂の全量に対して0.1乃至10重量%であることが好ましい。
かかる金属製品において、前記金属は、金、銀、銅、プラチナ、鉄等から選択され得る。
本発明の又別の要旨とするところは、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程と、
該石英層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して他の石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
該母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程と、
該石英層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して他の石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
かかる金属製品の製造方法において、前記母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程が、
前記母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程を含み、
該樹脂層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程であってもよい。
前記母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程を含み、
該樹脂層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程であってもよい。
本発明の更に別の要旨とするところは、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して石英層に転化させる工程と、
該石英層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して他の石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
該母材の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して石英層に転化させる工程と、
該石英層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して他の石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
かかる金属製品の製造方法において、前記母材の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程が、
前記母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程を含み、
該樹脂層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程であってもよい。
前記母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程を含み、
該樹脂層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程であってもよい。
本発明の又更に別の要旨とするところは、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程と、
該樹脂層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
該母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程と、
該樹脂層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
本発明の更に他の要旨とするところは、少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程と、
該樹脂層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
該母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程と、
該樹脂層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して石英層に転化させる工程とを含む金属製品の製造方法である。
かかる金属製品の製造方法において、前記樹脂は、着色剤を混入して成る樹脂であり得る。
本発明により、光沢があり経時により変色しにくく、耐久性良好な金属製品が提供される。
更に、本発明により、金属アレルギー体質の者が装着してもアレルギー症状が出にくい装飾品が得られる。
又、本発明による金属製品は抗菌性を有する。
又更に、本発明により、母材の光沢を残しつつ、有色の透光性を備えた樹脂層によって着色された金属製品が提供される。
本発明に係る金属製品について、特に銀製品の態様について以下に説明する。図1の断面図に示すように、本発明によって得られる銀製品1は、銀を主成分とする母材4の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を転化させた薄い石英層3が形成され、更に、石英層3の表面にポリシラザンを含有する層を転化させた薄い他の石英層8が形成されてなるものである。銀製品1はブローチ、ペンダント、腕輪、指輪台、指輪環、ネックレス、ロザリオ、ピアス、ネクタイピン、カフス、キーホルダ部品、イヤリング、装飾用鎖、ペンダント、化粧品容器、洋食器、カップ等の記念品、美錠、バックル、ボタン、ライター、バッジ、記念グッズ、置物、レリーフ、等の身体装飾用品或いは室内装飾用品ないしはそれらに用いられる部材、である。更には、カバン、ハンドバッグ、財布等の携帯品の部品、である。
石英層3は、アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層が加熱され、転化されて成る石英層である。アルコキシシランとしては、四官能性アルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン等の四官能性化合物;三官能性アルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、Y−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、Y−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等の三官能性化合物;二官能性アルコキシシランとしてはジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、Y−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の二官能性化合物が挙げられる。
又、アルコキシシランの代わりに、又はこれと併用して、その加水分解生成物を用いることもできる。アルコキシシランの加水分解生成物は、アルコキシシランを常法により加水分解することで容易に得ることができ、加水分解率が50〜60%程度までの部分加水分解物であってもよい。
他の石英層8は、ポリシラザンを含有する層が大気に曝されて、転化されて成る石英層である。ポリシラザンは、(−Si−N−)の繰り返し単位を2以上有する重合体であり、ケイ素原子(4価)の残りの2つの結合手、又は窒素原子(3価)の残りの1つの結合手には、それぞれ水素原子や有機基(アルキル基等)が結合している。ポリシラザンは、このような繰り返し単位のみから成る線上構造であってもよく、ケイ素原子の残りの2つの結合手の一方、又は両方と窒素原子の結合手とが結合した環状構造を含んでもいてもよい。
ポリシラザンは、大気中で分解し、窒素原子が酸素原子に置換してシリカとなる。ポリシラザンから形成されるシリカは、加水分解性シラン化合物から形成されるシリカに比較してより緻密なシリカが形成される。例えば、ペルヒドロポリシラザンから形成されたシリカは、緻密で耐摩耗性に優れた表面層を形成することができる。
ポリシラザンは、実質的に有機基を含まないペルヒドロポリシラザン、アルコキシ基等の加水分解性基がケイ素原子に結合したポリシラザン、ケイ素原子にアルキル基等の有機基が結合しているポリシラザン等がある。特に、ペルヒドロポリシラザンは、その硬化温度の低さ、及び硬化後の被膜の緻密さの点で好ましい。
又、ポリシラザンには、鎖状、環状、若しくは架橋構造を有するもの、又は分子内にこれらの複数の構造を同時に有するものがあり、これらのうち1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
以上の構成から成る銀製品1は、以下に示す方法によって製造される。少なくとも表面部が銀を主成分とする母材4を脱脂した後、アルコキシシラン、又はその加水分解生成物を含有する層を母材4の表面に形成する。アルコキシシラン、又はその加水分解生成物を含有する層は、焼き付け乾燥されることによって石英層3に転化される。次に、石英層3の表面にポリシラザンを含有する層を形成し、この層を大気に曝すことによって他の石英層8に転化させる。
なお、上記の態様において、ポリシラザンを含有する層は大気に曝されて他の石英層8に転化されているが、石英層8に転化する方法は、大気に曝す、即ち常温で放置する方法に限定されず、加熱による転化、加湿による転化、及びこれらの組み合わせによって転化されてもよく、石英層8への転化方法は特に限定されない。以下に示す各種態様においても同様である。
このようにして得られる銀製品1は、母材4の表面に石英層3及び他の石英層8で構成される2層の石英層を備え、銀を主成分とする母材4の表面が硬くかつ透明な石英層3、8で保護されるので、光沢が増し、かつ、銀の触感が失われない。
又、銀製品1の最外層にある石英層8は、ポリシラザンを含有する層が転化されて成る層であり、この層は抗菌作用を備えるため、その効果として抗菌性を有する銀製品1が得られる。
なお、本発明に係る銀製品は、石英層3及び石英層8が逆に形成されて成る銀製品1a(不図示)のような態様であってもよい。つまり、母材4の表面にポリシラザンを含有する層を転化させた薄い石英層8が形成され、次に、石英層8の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を転化させた薄い他の石英層3が形成されて成るものであってもよい。銀製品1aにおける最外層に、アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を転化させて成る石英層3を形成することによって、銀製品1に比較して硬い最外層が得られ、傷が付きにくく、耐久性良好な銀製品1aが得られる。
又、本発明の他の態様として、アルコキシシラン等を含有する層を転化して成る石英層3の代わりに、又はこの層と共に、ジルコンセラミックス層7が形成された多層構造を備える銀製品1bであってもよい。ジルコンセラミックス層7は、ジルコン(ZrO2・SiO2)が生成されるセラミックスコーティング剤、例えばアルコキシシランとZrアルコキシドの混合物から成るコーティング剤を母材4の表面に塗布後、焼き付け乾燥することによって形成される。例えば、図2に示すように、母材4の表面に、ジルコンセラミックス層7を介して石英層8を形成することによって、母材4の表面が硬いジルコンセラミックス層7で保護され、より耐久性の高い銀製品1bが得られると共に、銀製品1bの光沢を更に増すことができる。
なお、母材4の表面に形成される多層構造の態様は上述したものに限定されず、石英層3と石英層8、ジルコンセラミックス層7と石英層8の態様の他、石英層3とジルコンセラミックス層7の態様や石英層3、8及びジルコンセラミックス層7の態様等、何れであってもよい。又、母材4の表面における石英層3等の形成順序も特に限定されず、母材4の表面には、石英層3、石英層8及びジルコンセラミックス層7の何れが先に形成されてもよい。
本発明の別の態様について以下に説明する。図3に示す銀製品2は、銀を主成分とする母材4の表面に薄い樹脂層6が形成され、更に、樹脂層6の表面に薄い石英層8aが形成されてなるものである。銀製品2は、銀製品1と同様、ブローチ、ペンダント等の身体装飾用品、或いは室内装飾用品ないしはそれらに用いられる部材、である。更には、カバン、ハンドバッグ、財布等の携帯品の部品、である。
樹脂層6は光を透過させる層を形成する透光性の樹脂から成る。この透光性の樹脂としては例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、セルロース誘導体、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルシリコン系樹脂、シリコン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げら、中でもアクリル系樹脂やアクリルシリコン系樹脂が好適に用いられる。アクリル系樹脂による樹脂層6の形成には、例えば、溶剤型のアクリル樹脂塗料が好適に用いられる。又、アクリルシリコン系樹脂による樹脂層6の形成には、例えば、市販のアクリルシリコン塗料を用いることができる。樹脂層6の厚さは1〜200μmであることが好ましい。10〜100μmであることが石英層8aを外力に対して安定させかつ銀製品2の触感をあつぼったくさせないうえで更に好ましい。
なお、樹脂層6は、上記の樹脂から選択される透光性の樹脂を、母材4の表面に、吹き付け或いは刷毛塗り等の方法で塗布し、この塗布された樹脂を必要に応じて加熱して焼き付け乾燥することによって形成される。
一方、石英層8aの厚さは、0.5〜50μmであることが銀製品2にさらなる光沢を付与するうえで好ましい。
本発明の銀製品2のこのような構成により、母材4の表面が硬くかつ透明な石英層8aで保護されるので、光沢が増し、かつ、銀の触感が失われない。又、石英層8aが樹脂層6を介して母材4の表面に固定されているので、石英層8aが受ける外力の衝撃が樹脂層6で吸収され石英層8aがひび割れることが殆どない。
更に、樹脂層6は石英層8aとは異なる屈折率を有する樹脂から構成することができ、この場合は、母材4の表面からの反射光が屈折及び干渉して虹様の豊かな光沢を得ることが出来る。
母材4の表面はプライマー処理されてから樹脂層6が形成されることが両者間の接着力が強固となり好ましい。プライマーとしては、変性塩素化ポリオレフィンを主組成とする溶液や、イソシアネート基含有シラン化合物及び変性エポキシ樹脂を主組成とする溶液や、変性塩素化ポリオレフィンを主組成とする溶液などが挙げられ、変性塩素化ポリオレフィンを主組成とする溶液が母材4の表面と樹脂層6との接着力を高めるうえで最も好ましいが、プライマーとしては母材4の表面と樹脂層6との接着力を高めるものであればこれらに限定されない。
変性塩素化ポリオレフィンを主組成とする溶液のような樹脂組成物を主組成分とするプライマーは、プライマー処理時に母材4の表面に塗布されて重合し、図4に示すように、その組成物による薄膜10が母材4の表面に形成されるので、母材4の表面には、薄膜10と、樹脂層6と、石英層8aとの3層が形成されることとなり、得られた銀製品2aは母材4の表面からの反射光が屈折及び干渉して虹様の豊かな光沢を得るという効果が更に高まる。
石英層8aはゾルーゲル法、或いは、ポリチタノカルボシラン系塗料、ポリ(ジシル)シラザン系塗料、ポリシラザン系塗料、ポリメタロシラザン系塗料等の塗料によるコーティングで形成することが出来る。なかでもポリシラザン系塗料が光沢に優れ、安定した皮膜が得られ好ましい。
樹脂層6の形成には、硝酸セルロースを主成分とする溶液を用いることが石英層8aとの硬さのマッチング及び接着性のうえで好ましい。この溶液をプライマー処理された母材4の表面(プライマーにより形成された薄膜の表面)に塗布し加熱乾燥することにより硝酸セルロースを主成分とする樹脂層6が形成される。この溶液の溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチルが主溶剤として、イソプロパノール、ブタノール、トルエンが副溶剤として好適に用いられる。
更に、この硝酸セルロースを主成分とする溶液は、アルキド樹脂、アクリル樹脂、アミン樹脂などが含まれていてもよい。この溶液をプライマー処理された母材4の表面(プライマーにより形成された薄膜の表面)に塗布し加熱乾燥することにより硝酸セルロースのほかに、アルキド樹脂、アクリル樹脂、アミン樹脂などを成分とする樹脂層6が形成される。
これらの溶液における樹脂成分の濃度は10〜30重量%であることが均一な樹脂層を形成するうえで好ましい。15〜25重量%であることが均一な樹脂層を形成するうえでさらに好ましい。
本発明の更に別の態様においては、樹脂層6が熱硬化性のアクリル系樹脂から成ることが石英層8aとの硬さのマッチング及び接着性のうえで好ましい。又、樹脂層6がシリコン化合物を組成として含むときには、石英層8aとの接着性が強くなり好ましい。例えば、このアクリル系樹脂が、反応性シリル基と水酸基を必須成分として含有するアクリル系共重合体、シリコン化合物、多官能性イソシアナ−ト化合物、硬化触媒を配合した組成物から得られるものであってもよい。
又、樹脂層6は、アミノ−アルキド樹脂、アミノ−ポリエステル系樹脂、アミノ−アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂から成る層であってもよい。
以上、樹脂層6を備える銀製品2、2aについて詳述したが、樹脂層6は、先に説明した銀製品1、1a、1b等の各態様において形成されてもよい。つまり、石英層3、8及びジルコンセラミックス層7と共に樹脂層6を形成することによって、石英層3等が樹脂層6を介して母材4の表面に固定されているので、石英層3等が受ける外力の衝撃が樹脂層6で吸収され石英層3等がひび割れることが殆どない。
又、銀製品2、2aの態様において形成される石英層8aの代わりに、又は石英層8aと共に、ジルコンセラミックス層7が形成されてもよく、アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層が転化されて成る石英層3が形成されてもよい。
更に、樹脂層6は、銀製品の各態様において、母材4の表面に形成されることが、樹脂層6の表面に形成される石英層3、8、8a及びジルコンセラミックス層7が受ける外力の衝撃を吸収できる点で好ましいが、母材4の表面に石英層3等を介して樹脂層6が形成されてもよい。銀製品における最外層を樹脂層6とすることによって、石英層3、8等が直接外力の衝撃を受けてひび割れが発生することがなく、又、肌触りの良好な銀製品が得られる。
又更に、本発明の別の態様として、樹脂層6を形成する透光性の樹脂には、着色剤が混入されてもよい。例えば、図5に示す銀製品2bは、まず母材4の表面に着色剤12が混入された透光性の樹脂を塗布し、この樹脂を必要に応じて加熱することにより樹脂層6aを形成する。そして、樹脂層6aの表面にポリシラザンを含有する層を形成し、この層を大気に曝して石英層8に転化することによって銀製品2bが得られる。
樹脂層6bは、上述したアクリル系樹脂やアクリルシリコン系樹脂等の透光性の樹脂に着色剤12を混入し、この着色剤12が混入された樹脂を母材4の表面に塗布して、必要に応じて加熱することによって形成される。「着色剤」とは、顔料及び/又は染料を含む意であり、着色剤12としては無機顔料、有機顔料、天然染料、合成染料等の何れであってもよく、特に限定されるものではない。
又、着色剤12の混入量は、アクリル系樹脂やアクリルシリコン系樹脂等の樹脂の全量に対して0.1乃至10重量%であることが好ましい。着色剤12の混入量が0.1重量%未満では、鮮明な着色効果に欠ける場合があり、一方で10重量%を超えると、アクリル系樹脂等の透光性が損なわれるため、母材4の光沢を損なうこととなる。
このようにして得られる銀製品2bには、透光性の樹脂に着色剤12を混入して形成される樹脂層6a、すなわち有色の透光性を備える樹脂層6aが形成されている。従って、母材4の光沢を残しつつ、着色剤12で着色された銀製品2bが得られる。又、銀製品2bの表面には石英層8が形成されているため、傷が付きにくく、光沢が増し、更に抗菌性をも有する銀製品2bが得られる。又更に、石英層8が受ける外力の衝撃が樹脂層6aで吸収され、石英層8がひび割れることも殆どない。
なお、銀製品2bの態様では、樹脂層6aの表面に石英層8が形成されているが、その他の態様として、石英層8の代わりに、又は石英層8と共に、アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層が転化されて成る石英層3やジルコンセラミックス層7が形成されてもよい。
更に、本発明の別の態様として、例えば銀製品2bに係る有色の透光性を備える樹脂層6aと石英層8との間に、アクリル系樹脂やアクリルシリコン系樹脂等の透光性の樹脂から成る樹脂層6が形成された銀製品2cのような態様であってもよい(図6)。このように、樹脂層6aと石英層8との間に樹脂層6を介在させることによって、着色剤12を含んで成る樹脂層6aによる鮮明な着色効果が得られると共に、樹脂層6による母材4の表面からの反射光の屈折及び干渉によって、より豊かな光沢が得られる。又、石英層8が受ける外力の衝撃吸収率が高まり、石英層8がひび割れることも殆どなく、銀製品2cの耐久性も向上する。
又、上記の銀製品2cの態様においても、石英層8の代わりに、又は石英層8と共に、アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層が転化されて成る石英層3やジルコンセラミックス層7が形成されてもよい。
更に、銀製品2b、2c及びこれらの他態様において、母材4の表面に形成される樹脂層6、6b、石英層3、8、及びジルコンセラミックス層7の形成順序も特に限定されないが、図6に示す銀製品2cの態様が、着色効果、光沢及び耐久性等の面でより好ましい。
以上、詳述した本発明の態様における母材4は、少なくとも表面部が銀を主成分とするものであって、高純度の銀を素材とする母材、銀を主成分とする合金を素材とする母材、金属体表面にめっき、蒸着、張り付け等により銀或いは銀を主成分とする合金の層が形成された母材の何れをも意味するものとする。すなわち、銀による光沢を有する母材を意味するものとする。
又、本発明における母材4は、少なくとも表面部が銀を主成分とするものに限定されない。すなわち、少なくとも表面部が例えば、金、銀、銅、プラチナ、鉄等から選択される種々の金属を主成分とする母材であれば、何れであってもよい。更に、少なくとも表面部がこれらの金属を主成分とする母材とは、高純度の金等を素材とする母材、金等を主成分とする合金を素材とする母材、他の金属体表面にめっき、蒸着、張り付け等により金等或いは金等を主成分とする合金の層が形成された母材の何れをも意味するものとする。すなわち、金等の金属による光沢を有する母材を意味するものとする。
又、少なくとも表面部が上記金属を主成分とする金属製品としては、ブローチ、ペンダント、腕輪、指輪台、指輪環、ネックレス、ロザリオ、ピアス、ネクタイピン、カフス、キーホルダ部品、イヤリング、装飾用鎖、ペンダント、化粧品容器、洋食器、カップ等の記念品、美錠、バックル、ボタン、ライター、バッチ、記念グッズ、置物、レリーフ、カラン、取っ手等の身体装飾用品、或いは室内装飾用品ないしはそれらに用いられる部材、である。更には、カバン、ハンドバッグ、財布等の携帯品の部品、である。
以下に、本発明の金属製品及びその製造方法についての実施例を示す。なお、以下の実施例において使用した各種コーティング剤、塗料、プライマー等は、何れも市販のものである。
母材として銀製のブローチを用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、アルコキシシランとZrアルコキシドの混合物から成るコーティング剤を塗布する。これを電気釜により80℃で2時間、焼き付け乾燥した後、1日間自然乾燥させた。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、洗浄後、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で拭きあげる。電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行った後、20日間常温で保存することにより銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のあるブローチであった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)が、上記と同様の処理を行った銀製の指輪を装着したが、1ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
これらの銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を15回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。未処理の銀製品につき同様の耐久テストを行ったところ、1回目の一連の操作が終わったところでうっすらと表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を15回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。未処理の銀製品につき同様の耐久テストを行ったところ、1回目の一連の操作が終わったところでうっすらと表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製のブローチを用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、アルコキシシラン系コーティング剤を塗布する。これを電気釜により80℃で2時間焼き付け乾燥した後、1日間自然乾燥させた。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、洗浄後、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で拭きあげる。電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行った後、20日間常温で保存することにより銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のあるブローチであった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)が、上記と同様の処理を行った銀製の指輪を装着したが、1ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製のブローチを用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で拭きあげる。電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行った後、1日間自然乾燥した。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、洗浄後、アルコキシシラン系コーティング剤を塗布する。これを電気釜により80℃で2時間焼き付け乾燥した後、20日間常温で保存することによって銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のあるブローチであった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)が、上記と同様の処理を行った銀製の指輪を装着したが、1ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製のブローチを用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、変性ポリオレフィンを主成分とするプライマーを塗布、10分風乾後更に室温で30分自然乾燥した。母材の表面に生成したプライマー層の厚さは7μmであった。このプライマー層の表面に、硝酸セルロースを主成分とする溶液と、酢酸エチル、酢酸ブチル、イソプロパノールを主成分とするうすめ液とを、溶液2:うすめ液1(体積比)の割合で混合したものを塗布した。塗布後1日間自然乾燥した。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で拭きあげる。電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行った後、20日間常温で保存することにより銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のあるブローチであった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)が、上記と同様の処理を行った銀製のネックレスを装着したが、1ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を15回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。未処理の銀製品につき同様の耐久テストを行ったところ、1回目の一連の操作が終わったところでうっすらと表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を15回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。未処理の銀製品につき同様の耐久テストを行ったところ、1回目の一連の操作が終わったところでうっすらと表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製の指輪を用い、実施例4と同様の処理を行った。この処理後の指輪を装着して通常の温泉旅行(赤倉温泉:2泊)を行った。旅行後に指輪に変色は認められなかった。通常の銀製の指輪を用い、同様の温泉の使用を行った場合は、指輪の表面が薄く黄色に変色した。
母材として銀製のブローチを用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、水洗した。この水洗後、変性ポリオレフィンを主成分とするプライマーを塗布、10分風乾後更に室温で60分自然乾燥した。母材の表面に生成したプライマー層の厚さは8μmであった。このプライマー層の表面に、溶剤型のアクリル樹脂塗料を塗布した。塗布後2時間自然乾燥した。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し水洗した。この水洗後、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で拭きあげ、電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行うことによって銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のあるブローチであった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)が、上記と同様の処理を行った銀製のネックレスを装着したが、2ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製の指輪を用い、実施例6と同様の処理を行った。この処理後の指輪を装着して通常の温泉旅行(赤倉温泉:2泊)を行った。旅行後に指輪に変色は認められなかった。
母材として銀製の指輪を用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、水洗した。この水洗後、母材の表面に、アクリルシリコン塗料を塗布し、130℃で20分焼き付け乾燥を行った。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し水洗した。この水洗後、アルコキシシラン系コーティング剤を塗布した。これを電気釜により80℃で2時間焼き付け乾燥した後、1日間自然乾燥させた。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、洗浄後、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で表面を拭きあげる。電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行った後、20日間常温で保存することにより銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のある指輪であった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)がこの銀製品を装着したが、2ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製の指輪を用い、中性洗剤にて洗浄し、有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、乾燥後、水洗した。この水洗後、母材の表面に、アクリルシリコン塗料を塗布し、130℃で20分焼き付け乾燥を行った。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し水洗した。この水洗後、アルコキシシランとZrアルコキシドの混合物から成るコーティング剤を塗布した。これを電気釜により80℃で2時間焼き付け乾燥した後、1日間自然乾燥させた。ふたたび有機溶剤を含浸させた布で拭いて脱脂し、洗浄後、ポリシラザン系塗料を湿らせた布で表面を拭きあげる。電気釜により100℃で1時間焼き付け乾燥を行った後、20日間常温で保存することにより銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材より光沢に優れ高級感のある指輪であった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
又、通常の銀製品を身に付けるとかゆみや湿疹というアレルギー症状が出る者(1名)がこの銀製品を装着したが、2ヶ月経過後もアレルギーの症状が自身で認められなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を20回くりかえしたところではじめてうっすらと銀製品の表面が黄色味を帯びてきた。
母材として銀製の指輪を用い、超音波洗浄して脱脂した。この脱脂後、母材の表面に、下地として溶剤型のアクリル樹脂塗料を吹き付け塗布した。塗布後、電気釜により100℃で10分仮焼き乾燥し、中塗りとして再びアクリル樹脂塗料(同上)を吹き付け塗布した。塗布後、電気釜により140℃で15分焼き付け乾燥し、母材表面に2層の樹脂層を形成した。この樹脂層の表面にポリシラザン系塗料をディッピングして、塗料が定着するまで常温で自然乾燥した。乾燥後、電気釜により100℃で2時間焼き付け乾燥を行うことによって銀製品を得た。
得られた銀製品は、もとの母材と何ら変わりない状態の指輪であった。この銀製品は1ヶ月の試用によりキズやクラックが生じなかった。
この銀製品につき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を100回繰り返したが銀製品の表面が変色することはなかった。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を100回繰り返したが銀製品の表面が変色することはなかった。
母材としてメッキの施された鋳鉄製のカランを用い、超音波洗浄して脱脂した。脱脂後、母材の表面に、溶剤型のアクリル樹脂塗料全量に対して着色剤(染料)を5重量%混入したものを吹き付け塗布した。塗布後、電気釜により100℃で20分仮焼き乾燥し、中塗りとして着色剤を混入していないアクリル樹脂塗料を吹き付け塗布した。塗布後、電気釜により140℃で30分焼き付け乾燥し、母材表面に2層の樹脂層を形成した。この樹脂層の表面にポリシラザン系塗料をディッピングして、塗料が定着するまで常温で自然乾燥した。乾燥後、電気釜により100℃で4時間焼き付け乾燥を行うことによって着色されたカランを得た。
得られたカランは、もとの母材より光沢に優れ、かつ着色剤によって彩色された高級感のあるカランであった。このカランは1ヶ月の試用によりキズやクラック、錆び等が生じなかった。
このカランにつき、以下の耐久テストを実施した。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を100回繰り返して1ヶ月ほど放置したが、カランの表面に錆びが生じることはなかった。
硫黄を5重量%混入した水を40℃に保ち、銀製品を10秒間浸漬して取り出し、食器洗い用のスポンジで約20Nの力で10往復させて擦った。この一連の操作を100回繰り返して1ヶ月ほど放置したが、カランの表面に錆びが生じることはなかった。
1、1b、2、2a:銀製品
3、8、8a:石英層
4:母材
6、6a:樹脂層
7:ジルコンセラミックス層
10:薄膜
12:着色剤
3、8、8a:石英層
4:母材
6、6a:樹脂層
7:ジルコンセラミックス層
10:薄膜
12:着色剤
Claims (13)
- 少なくとも表面部が金属を主成分とする母材、の表面に、少なくとも石英層と、ジルコンセラミックス層とで構成される多層構造を備える金属製品。
- 前記多層構造が、1又は複数の樹脂層を含むことを特徴とする請求項1に記載の金属製品。
- 少なくとも表面部が金属を主成分とする母材、の表面に、1又は複数の樹脂層と、石英層又はジルコンセラミックス層とで構成される多層構造を備える金属製品。
- 少なくとも1の前記樹脂層を形成するための樹脂に、着色剤が混入されることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の金属製品。
- 前記着色剤の混入量が、前記樹脂の全量に対して0.1乃至10重量%である請求項4に記載の金属製品。
- 前記金属が、金、銀、銅、プラチナ、鉄から選択される請求項1乃至請求項4の何れかに記載の金属製品。
- 少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程と、
該石英層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して他の石英層に転化させる工程と
を含む金属製品の製造方法。 - 前記母材の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程が、
前記母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程
を含み、
該樹脂層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程である請求項7に記載の金属製品の製造方法。 - 少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して石英層に転化させる工程と、
該石英層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して他の石英層に転化させる工程と
を含む金属製品の製造方法。 - 前記母材の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程が、
前記母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程
を含み、
該樹脂層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程である請求項9に記載の金属製品の製造方法。 - 少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程と、
該樹脂層の表面にアルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を形成する工程と、
該アルコキシシラン又はその加水分解生成物を含有する層を加熱して石英層に転化させる工程と
を含む金属製品の製造方法。 - 少なくとも表面部が金属を主成分とする母材を準備する工程と、
該母材の表面に樹脂を塗布して樹脂層を形成する工程と、
該樹脂層の表面にポリシラザンを含有する層を形成する工程と、
該ポリシラザンを含有する層を大気に曝して石英層に転化させる工程と
を含む金属製品の製造方法。 - 前記樹脂が、着色剤を混入して成る樹脂である請求項8、請求項10乃至請求項12の何れかに記載の金属製品の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005102235A JP2006150926A (ja) | 2004-04-06 | 2005-03-31 | 金属製品及び金属製品の製造方法 |
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JP2004318938 | 2004-11-02 | ||
JP2005102235A JP2006150926A (ja) | 2004-04-06 | 2005-03-31 | 金属製品及び金属製品の製造方法 |
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ID=36629771
Family Applications (1)
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JP2005102235A Withdrawn JP2006150926A (ja) | 2004-04-06 | 2005-03-31 | 金属製品及び金属製品の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2006150926A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2010067422A1 (ja) * | 2008-12-09 | 2010-06-17 | 株式会社ジュエリー・ミウラ | Au-Alの金属化合物を主とする合金及びこれを用いた装飾品 |
CN101779895A (zh) * | 2010-03-30 | 2010-07-21 | 陈贵鹏 | 陶瓷真空保温杯的制作工艺 |
JP2011184719A (ja) * | 2010-03-05 | 2011-09-22 | Shin Etsu Handotai Co Ltd | 耐食性部材、気相成長装置、気相成長方法及びコーティング方法 |
-
2005
- 2005-03-31 JP JP2005102235A patent/JP2006150926A/ja not_active Withdrawn
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