JP2011184588A - 光硬化型樹脂組成物、及びこれを用いてなるフィルム導光板 - Google Patents

光硬化型樹脂組成物、及びこれを用いてなるフィルム導光板 Download PDF

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Mariko Toyama
真理子 外山
Yasushi Sugimoto
靖 杉本
Keiji Hamada
啓司 濱田
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Abstract

【課題】微細形状転写性および耐高温特性に優れた光硬化型樹脂組成物、およびこれを用いてなるフィルム導光板を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)ヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物と、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物と、1分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物と、を含有し、前記イソシアネート基と、前記ヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物及び前記カプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物中の水酸基との当量比(NCO/OH)が、0.8〜1.2になるように配合してなるウレタンオリゴマー、(B)2官能モノマー、(C)光開始剤、(D)フェノール系酸化防止剤、及び(E)リン系酸化防止剤を含む光硬化型樹脂組成物、およびこれを用いてなるフィルム導光板を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、微細形状転写性及び耐高温特性に優れる光硬化型樹脂組成物、及びこれを用いてなるフィルム導光板に関し、具体的には、携帯電話等のバックライト部材に使用されるフィルム導光板用材料に関する。
携帯電話、PDA、モバイルタイプPC(パーソナルコンピュータ)、ATM(現金自動預け払い機)等のディスプレイには、画面表示のための液晶表示装置が広く採用されている。この液晶表示装置には、液晶表示パネルの裏面側から光を照射して表示画面の輝度を高めるバックライトユニットが採用されている。このバックライトユニットには、蛍光管やLED等の光源からの光を導光し、主面全体から液晶表示パネルに向けて出射させる導光板が用いられている。従来、例えば特許文献1には、端部に配した蛍光管からの光を複数積層した導光板で導光する平面発光板が提案されている。この平面発光板の導光板では、複数枚を積層して蛍光管の直径と同じ厚さ以上とすると共に、蛍光管を覆うように端部が加工されている。なお、このような導光板は、一般には射出成形方式で作製されている。
特開平5−173131号公報
しかしながら、上記従来の技術には以下の課題が残されている。
すなわち、近年、導光板は、最終製品の軽量化、薄型化のために、より薄くすることが求められ、特に小型化が可能なLEDを光源として採用した場合に、このLED光源の厚さに対応した薄型化が求められている。従来、多くは射出成型方法を用いて導光板を作製しているが、この成型方法では、大面積でかつ薄型化を図る場合に形状全体に樹脂が転写、充填されず、薄型化には限界があった。また、十分に充填させるために、射出成型の成型機を大型化し、射出圧力を上げることで高い充填性を維持して薄型化することも可能であるが、設備費用に多大なコストがかかってしまい製品コストの増大を招いてしまう。このため、これらの課題を解決するフィルム状の薄型導光板が求められている。
上記課題を解決するために、発明者らはフィルム導光板を開発することとした。フィルム導光板とは、一端面から光を入光させる導光フィルムと、導光フィルムの一側面に配置された光硬化性樹脂を備え、光硬化性樹脂には光の入光方向に配列された複数の凸部が形成されており、導光フィルムに導光された光が前記凸部の壁面により反射されて前記導光フィルムの他側面に向けて出射される機能を持つフィルムである。
そして、より薄型化が可能な成型法として紫外線硬化樹脂成型方法を用いてシート状導光板を作製することが考えられる。
一方、携帯電話等は様々な環境条件下で使用されるために、携帯電話等の部材には耐環境特性(耐高温)が求められる。導光板においては、環境変化においても黄色度が変わらないことが求められる。しかし、従来の光硬化性樹脂では、初期の透明性は優れるものの、高温下でその透明性を維持することは難しかった。また、フィルム導光板向け材料として、微細な形状を正確に転写できるということも求められる。
そこで、本発明は、微細な形状であっても転写性に優れ、また耐高温特性に優れる光硬化型樹脂組成物、及びこれを用いてなるフィルム導光板を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定のウレタンオリゴマーと、フェノール系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤を選択することにより、微細形状転写性と耐高温特性が向上することを見出し、さらに、特定の2官能モノマーを添加することによって、適度な架橋密度が得られ、微細形状転写性をより向上することができることを見出し、本発明をするに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(7)に記載の事項をその特徴とするものである。
(1)(A)1分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物と、
下記一般式(I)で表されるヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物と、

(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であり、nは1〜20の整数である。)
下記一般式(II)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物と、

(式中、Rは、水素又はメチル基であり、Rは直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基であり、nは1〜10の整数である。)
を、前記イソシアネート基と前記一般式(I)及び前記一般式(II)中の水酸基との当量比(NCO/OH)が0.8〜1.2になるように配合してなるウレタンオリゴマー、
(B)2官能モノマー、
(C)光開始剤、
(D)フェノール系酸化防止剤、及び
(E)リン系酸化防止剤
を含むことを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
(2)前記(A)ウレタンオリゴマーの重量平均分子量Mwが、2,000〜20,000である前記(1)に記載の光硬化型樹脂組成物。
(3)前記(B)2官能モノマーが、下記一般式(III)で表される化合物である前記(1)又は(2)に記載の光硬化型樹脂組成物。

(式中、Rは、直鎖又は分岐を有するアルキレン基であり、Rは、水素またはメチル基である。)
(4)前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)2官能モノマーとの配合比が、質量比で1:9〜9:1の範囲である前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物。
(5)前記(C)光開始剤が、前記(A)ウレタンオリゴマー及び前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して、0.01〜5質量部含まれる前記(1)〜(4)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物。
(6)前記(D)フェノール系酸化防止剤が、前記(A)ウレタンオリゴマー及び前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部含まれる前記(1)〜(5)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物。
(7)前記(D)フェノール酸化防止剤が、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンからなる群から選択される1種である前記(1)〜(6)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物。
(8)前記(E)リン系酸化防止剤が、前記(A)ウレタンオリゴマー及び前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して0.001〜5質量部含まれる前記(1)〜(7)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物。
(9)前記(E)リン系酸化防止剤が、3,9−ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ブチリデンビス[(2−tert−ブチル−5−メチル−4,1−フェニレン)オキシ]ビス(亜ホスホン酸ジトリデシル)、[(ブタン−1,1,3−トリイル)トリス[[2−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン]オキシ]]トリス(亜ホスホン酸ジトリデシル)、亜リン酸ジフェニルイソデシル、亜リン酸トリス(2‐エチルヘキシル)、亜リン酸トリイソデシル、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリス(トリデシル)、亜リン酸トリオレイルからなる群から選択される1種である前記(1)〜(8)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物。
(10)前記(1)〜(9)のいずれかに記載の光硬化型樹脂組成物を硬化させてなるフィルム導光板。
本発明によれば、微細形状転写性及び耐高温特性に優れる光硬化型樹脂組成物これを用いてなるフィルム導光板を提供することができる。さらに、本発明の光硬化型樹脂組成物は、光学特性も良好なことから、フィルム導光板の用途に留まらず、微細形状転写が必須の光学レンズシート(例えば、反射フィルム等)においても優れた効果を発揮することが可能である。
フィルム導光板の製造工程の一実施形態を示す図である。 山形繰り返し単位形状の一例を示す断面図である。 反射フィルムの一例を示す図である。 液晶表示装置用スペーサーの製造工程の一実施形態を示す図である。 ナノインプリントの製造工程の一実施形態を示す図である。 液晶表示装置用配向膜の一例を示す図である。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、(A)ウレタンオリゴマー、(B)2官能モノマー、(C)光開始剤、(D)フェノール系酸化防止剤、及び(E)リン系酸化防止剤を必須成分として含有してなる光硬化性樹脂組成物である。以下、各成分について詳細に説明する。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、(A)ウレタンオリゴマーと、(D)フェノール系酸化防止剤及び(E)リン系酸化防止剤の系に、(B)2官能モノマーを添加し、微細形状転写性と耐高温特性(特に、微細形状転写性)を向上させたものである。
[(A)ウレタンオリゴマー]
上記(A)ウレタンオリゴマーは、1分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物と、下記一般式(I)

(式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であり、nは1〜20の整数である。)
で表されるヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物と、下記一般式(II)
(式中、Rは、水素又はメチル基であり、Rは直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基であり、nは1〜10の整数である。)
で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物と、を前記イソシアネート基と前記一般式(I)及び前記一般式(II)中の水酸基との当量比(NCO/OH)が0.8〜1.2になるように配合して得られるものである。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」という記載は、メタクリレートとアクリレートの両方を意味する。
(ジイソシアネート化合物)
前記1分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネートなどが挙げられ、これらは単独で又は混合して用いることができる。これらの中では、得られるウレタンオリゴマーの黄変度、ハンドリング性が良好なことから、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネートが好ましい。
(一般式(I)で表されるヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物)
前記一般式(I)中、Rで表されるアルキレン基は、炭素数1〜10の直鎖、環状、分岐のアルキレン基であり、中でも直鎖が好ましい。また、nが2以上の場合、[]内の繰り返し単位は同一でなくても構わない。
一般式(I)で表されるヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、メチルペンタンジオール変性ポリテトラメチレングリコール、プロピレングリコール変性ポリテトラメチレングリコール、エチレングリコール−プロピレングリコール・ブロックコポリマー、エチレングリコール−テトラメチレングリコールコポリマー等が挙げられ、また、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ブタンジオール等を単独又は混合してジメチルカーボネート化合物と脱メタノール反応させて得られる重量平均分子量500〜2,000のポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらの中で、適度に柔軟性のある回折型集光フィルムが得られることを考慮すると、重量平均分子量300〜2,000のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールが好ましく、重量平均分子量500〜1,800のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールがより好ましい。
また、ウレタンオリゴマーの重量平均分子量を調整する目的で、ヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物の高分子量体と低分子量体を併用して用いることもできる。例えば、ある系においてポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量850)のみでウレタンオリゴマーを合成した場合、得られるウレタンオリゴマーの重量平均分子量は、10,000であるが、ポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量850)に対して重量比で50分の1、ジエチレングリコール(重量平均分子量106)を加えると、ウレタンオリゴマーの重量平均分子量は7,000に減少する。このように、低分子量体のヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物、例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール等を少量加えることで、高分子量体のヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物の柔軟さを保ちながら、ウレタンオリゴマーの重量平均分子量を減少させることができる。また、逆に低分子量体のヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物に高分子量体のヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物、例えば、ポリエチレングリコール(重量平均分子量2,000)、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量2,000)、ポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量2,000)等を加えることで、ウレタンオリゴマーの高分子量化をすることもできる。
(一般式(II)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物)
上記一般式(II)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物は、ポリカプロラクトンオリゴマーにラジカル重合性を有する(メタ)アクリル二重結合を1つ導入した不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトンである。一般式(II)中、Rが表すアルキレン基は、炭素数1〜4が好ましく、2〜3がより好ましい。
一般式(II)で表される化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート1mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート2mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート3mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート5mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート10mol付加品等が挙げられるが、適度に柔軟性のあるフィルム導光板が得られることを考慮すると、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート2mol付加品、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート3mol付加品がより好ましい。また、ポリカプロラクトンに付加する(メタ)アクリレートとして、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等も使用することができる。
また、(A)ウレタンオリゴマーを合成する際には、上記原料成分の他に、公知の重合禁止剤や触媒を添加することもできる。
また、上記(A)ウレタンオリゴマーの重量平均分子量Mwは、2,000〜20,000の範囲であることが好ましく、4,000〜18,000の範囲であることがより好ましく、6,000〜16,000の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量が2,000より小さいと充分な柔軟性が得られにくくなる傾向があり、20,000より大きくなると、2官能モノマーとの相溶性が悪くなる傾向がある。なお、本発明における上記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法(GPC)により、標準ポリスチレンによる検量線を用いて測定することができる。
上記(A)ウレタンオリゴマーの合成方法を以下に示す。まず攪拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を三口フラスコに取り付け、空気ガスを導入した後、前記一般式(I)で表されるヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物、前記一般式(II)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物、重合禁止剤、触媒を適量入れ、70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつジイソシアネート化合物を均一滴下し、反応させる。この場合において、前記イソシアネート基と前記一般式(I)及び前記一般式(II)中の水酸基との当量比(NCO/OH)が0.8〜1.2になるように配合する。滴下終了後、約5時間反応させたところで、IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了させる。重合禁止剤としては、公知の重合禁止剤が使用でき、例えば、p−メトキシキノン、p−メトキシフェノール、p−t−ブチルカテコール等が挙げられる。また、触媒としては、ウレタンオリゴマー合成に用いる公知の触媒が使用でき、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、トリエチレンジアミン等が挙げられる。
また、上記(A)ウレタンオリゴマー合成の際に、分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
[(B)2官能モノマー]
本発明の光硬化型樹脂組成物は、(B)2官能モノマーを必須成分として有するが、当該2官能モノマーの存在により、微細形状転写性をより向上させることができる。
上記(B)2官能モノマーは、ウレタンオリゴマー(A)の反応性希釈剤としての役割を果たすものがよく、例えば、下記一般式(III)で表される化合物が好ましい。

(式中、Rは、直鎖又は分岐を有するアルキレン基であり、Rは水素またはメチル基である。)
一般式(III)中、Rが表すアルキレン基は、炭素数2〜10が好ましく、5〜9がより好ましい。
一般式(III)で表される2官能モノマーとしては、Rにフェニル基やエーテル結合を骨格に含むものは耐高温性が劣ることから、直鎖又は分岐を有するアルキレン基を含むもの、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートメタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1.5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオ―ルジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、等の2官能(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらは単独で又は二種類以上を組み合わせて使用することができる。
以上の2官能モノマーの中で、金型との離型性、基材フィルムとの密着性、および作業性等を考慮すると、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレートが好ましい。また、単官能、および3官能以上のモノマーを金型との離型性、基材フィルムとの密着性、作業性等を考慮して併用することもできる。
[(C)光開始剤]
本発明の光硬化型樹脂組成物に用いる上記(C)光開始剤は、工業用UV照射装置の紫外線を効率良く吸収して活性化し、硬化樹脂を黄変させないものであれば特に特定されるものではない。例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2−ヒドロキシ−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノンとトリプロピレングリコールジアクリレートとの混合物、およびオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ)−エチルエステルとオキシーフェニルーアセチックアシッド2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルエステルの混合物等が挙げられるが、硬化後の臭気の問題からオリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン、オリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノンとトリプロピレングリコールジアクリレートとの混合物、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ)−エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−(2−ヒドロキシ−エトキシ)−エチルエステルの混合物等が好ましい。
[(D)フェノール系酸化防止剤]
本発明の第4成分である(D)フェノール系酸化防止剤は、熱酸化劣化を抑制し高分子に長寿命を付与するために汎用する主要なラジカル捕捉剤であれば制限されることはなく、例えば1,3,5−トリス(4−t−ブチル−4−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンゼン)イソシアヌレート、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、トリエチレングリコールビス{3−(3’−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェノール)プロピオネート、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサピロ〔5.5〕ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5,−ジ−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等のフェノール系酸化防止剤が挙げられるが、酸化防止効果をより発揮するものとして4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール、n−オクタデシル−β−(4’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート、テトラキス{メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート}メタン、3,9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサピロ〔5.5〕ウンデカン等がより好ましい。
[(E)リン系酸化防止剤]
本発明の第5成分である(E)リン系酸化防止剤は、前記(D)フェノール系酸化防止剤と相まって耐高温性に寄与するものである。
(E)リン系酸化防止剤としては、例えば、3,9−ビス(4−ノニルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(オクタデシルオキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノキシ)−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、2,4,8,10−テトラキス(1,1−ジメチルエチル)−6−[(2−エチルヘキシル)オキシ]−12H−ジベンゾ[d,g][1,3,2]ジオキサホスホシン、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェノキシ)ホスフィン、ブチリデンビス[(2−tert−ブチル−5−メチル−4,1−フェニレン)オキシ]ビス(亜ホスホン酸ジトリデシル)、[(ブタン−1,1,3−トリイル)トリス[[2−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン]オキシ]]トリス(亜ホスホン酸ジトリデシル)、トリスノニルフェニルホスファイト、亜リン酸ジフェニル(2−エチルヘキシル)、亜リン酸(8−メチルノニル)ジフェニル、亜リン酸トリイソデシル、亜リン酸トリフェニル、等が挙げられる。
前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)2官能モノマーとの配合比は、質量比で1:9〜9:1の範囲であることが好ましく、2:8〜8:2の範囲であることがより好ましく、3:7〜7:3の範囲であることが特に好ましい。(A)成分を10質量%以上とすることにより、粘度が低くなりすぎて作業性が低下しまうことを防止でき、また、フィルムに亀裂が入る不具合を防止又は低減することができる。また、(A)成分を90質量%以下とすることで粘度が高くなりすぎて作業性が低下することを防止できる。
また、前記(C)光開始剤は、前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して0.01〜5質量部含まれることが好ましく、0.1〜3質量部含まれることがより好ましい。(C)光開始剤が、0.01質量部未満になると、活性光線に対する活性が低下する傾向にあり、5質量部を超えて添加しても効果はあまり期待できず、コスト的に好ましくない。
また本発明は、(D)フェノール系酸化防止剤を、上記(A)ウレタンオリゴマーと上記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して0.001〜5質量部含有してなるのが好ましく、0.05〜3質量部の範囲がより好ましい。(D)フェノール系酸化防止剤が0.001質量部未満になると、耐高温性が低下する傾向にあり、5質量部を超えて添加しても効果はあまり期待できず、コスト的に好ましくない。
また本発明は、(E)リン系酸化防止剤を、上記(A)ウレタンオリゴマーと上記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して0.001〜5質量部含有してなるのが好ましく、0.05〜3質量部の範囲がより好ましい。(E)リン系酸化防止剤が0.001質量部未満になると、耐高温性が低下する傾向にあり、5質量部を超えて添加しても効果はあまり期待できず、コスト的に好ましくない。
本発明の光硬化型樹脂組成物に、分子量調整剤として、メルカプタン系化合物、チオグリコール、四塩化炭素、α−メチルスチレンダイマー等を必要に応じて添加することができる。
また、本発明の光硬化型樹脂組成物には、劣化防止、熱的安定性、成形性および加工性などの観点からチオエーテル系の酸化防止剤、脂肪族アルコール、脂肪酸エステル、フタル酸エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、高級脂肪酸金属塩などの離型剤、その他滑剤、可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重金属不活性化剤などを添加してもよい。
前記チオエーテル系酸化防止剤としては、ビス[3−(ドデシルチオ)プロパン酸]チオビス[2−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン]、テトラキス[3−(ドデシルチオ)プロピオン酸]メタンテトライルテトラキスメチレン、3,3’−チオジプロパン酸ジトリデシル等が挙げられる。
本発明の光硬化型樹脂組成物は、フィルム導光板用の材料として好適に使用することができる。このフィルム導光板は、支持基材フィルムの少なくとも一方の表面に、微細形状パターンを有する本発明の光硬化型樹脂組成物の硬化体を形成してなるものである。
本発明の光硬化型樹脂組成物を用いてフィルム導光板を作製する方法としては、特に限定されないが、例えば、図1に示すように、所望の微細形状パターンが形成された金型1に本発明の光硬化型樹脂組成物2を充填し、その上に光透過性の支持基材フィルム3を重ね合わせ、その上からローラー4等によりこれらを延展、平坦化した後、支持基材フィルム3を通して光硬化型樹脂組成物に紫外線を照射してこれを硬化させる。硬化終了後に、金型1から支持基材フィルム3と一体になった光硬化型樹脂組成物硬化体を離型することでフィルム導光板5を得ることができる。
上記金型の材質としては、特に限定されないが、例えば、アルミニウム、ニッケル、銅、これらの合金などが挙げられる。また、金型に形成される微細形状パターン、すなわち回折型集光フィルムの微細形状パターンとしては、特に限定されないが、例えば、その断面が、山形(三角)形状、凸凹形状、階段形状、台形形状、正弦波状形状等の繰り返し単位を有する繰り返しパターンを挙げることができる。また、繰り返し単位の寸法としては、回折型の集光フィルムとするために、支持基材フィルム面に対する水平方向および垂直方向の寸法を共に10μm以下とすることが好ましく、その下限は、微細形状転写性を考慮すると、水平方向3μm以上、垂直方向2.5μm以上とすることが好ましい。図2は、繰り返し単位の断面形状が山形である場合の水平方向および垂直方向を示す図である。また、同図における頂角(図6の角α+角β)は、45°以上60°以下であることが好ましく、図6における角αは、20°以下、角βは25°以上40°以下であることがより好ましい。
上記光透過性の支持基材フィルムとしては、光透過性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、塩化ビニル樹脂フィルム、ポリメタクリルアミド樹脂フィルム、ポリエステル樹脂フィルム等の透明合成樹脂フィルムなどを用いることができる。支持基材フィルムの厚さは、25〜200μmが好ましく、50〜150μmがより好ましい。支持基材フィルムの厚さが厚くなり過ぎると、集光フィルムの重さが重くなり、薄過ぎると硬化時に反りが発生する傾向がある。
上記紫外線照射に用いる光源は、ケミカルランプ、低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンランプ等を使用することができ、照射雰囲気は、大気中等でよく、特に限定されない。また、本発明の光硬化型樹脂組成物は、ラジカル重合開始剤を用いた熱重合で硬化させることもできる。ラジカル重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘキサノン−1−カルボニトリル、アゾジベンゾイル等のアゾ化合物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の水溶性触媒および過酸化物あるいは過硫酸塩と還元剤の組み合わせによるレドックス触媒等、通常のラジカル重合に使用できるものはいずれも使用することができる。
また、本発明の光硬化型樹脂組成物は、微細形状転写性に優れる特徴があり、フィルム導光板のような山形の繰り返し形状に限らず、水平方向1nm以上、垂直方向1nm以上までの形状が転写できる。その特性を活かして、例えば、反射フィルム(図3)、液晶表示装置用スペーサー(図4)、ナノインプリント(図5)、液晶表示装置用配向膜(図6)、導波路のコア材およびクラッド材、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズシート、ディヒューザー、モスアイ無反射構造等に使用することができ、また光学特性が優れていることから、微細な部品、装置等でも使用することができ、例えば、インクジェット用光学部品(マイクロレンズ、光配線など)、MEMS等にも使用することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ウレタンオリゴマーの合成>
(ウレタンオリゴマー1)
攪拌機、温度計、冷却管および空気ガス導入管を2Lの三口フラスコに取り付け、空気ガスを導入した後、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学(株)製 商品名PTG850SN 一般式(I)においてn=11、R=(CH)520.80g、ジエチレングリコール1.06g、不飽和脂肪酸ヒドロキシアルキルエステル修飾ε−カプロラクトン(ダイセル化学工業(株)製 商品名FA2D 一般式(II)においてn=3、R=H)275.20g、重合禁止剤としてp−メトキシキノン0.5g、触媒としてジブチルチ錫ジラウレート(東京ファインケミカル(株)製、商品名L101)0.3gを入れ、70℃に昇温後、70〜75℃で攪拌しつつイソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製 商品名デスモジュールI)222gを2時間かけて均一滴下し、反応を行った。滴下終了後、約5時間反応させたところで、IR測定の結果、イソシアネートが消失したことを確認して反応を終了し、重量平均分子量が7,000のウレタンオリゴマー1(UA1)を得た。
なお、重量平均分子量の測定条件は次のとおりである。
〈GPC条件〉
使用機器:日立L−6000型〔(株)日立製作所〕
カラム :ゲルパックGL−R420+ゲルパックGL−R430+ゲルパックGL−R440(計3本)〔いずれも日立化成工業(株)製商品名〕
溶離液 :テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量 :1.75ml/min.
検出器 :L−3300RI〔(株)日立製作所〕
(実施例1〜6および比較例1〜3)
表1に示すとおりの成分を混合して、実施例1〜6および比較例1〜3の各光硬化型樹脂組成物を調製した。
<光硬化型樹脂組成物の微細形状転写性評価>
まず、この樹脂組成物の特徴である微細形状転写性について評価するのに、フィルム導光板金型を用いた。フィルム導光板金型(材質Ni−P、山形形状のピッチ幅76.5μm、高さ0.597〜1.130μm、頂角50度、格子パターンサイズ縦12cm、横5cmの小型金型)に、上記で得た樹脂組成物を垂らし、その上に支持基材フィルムとなるアクリルフィルム(住友化学(株)製、商品名AテクノロイS001、膜厚200μm)を重ねあわせ、更にその上からローラーを走らせ平坦化した後、露光を行うことで樹脂組成物を硬化させた。硬化条件は、メタルハライドランプを用い、積算露光量2,000mJ/cmで露光を行った。硬化終了後、金型からフィルム導光板を剥がし、これをサンプルとした。なお、比較例1および4の組成で調製した樹脂組成物は粘度が高く、取り扱いが困難であったため、サンプルを作製することができなかった。また、比較例2の組成で調整した樹脂組成物から作製されたサンプルは大きくカールし亀裂が生じたため以下の評価を行うことができなかった。
<光硬化型樹脂組成物の耐高温性評価>
ガラス板の上に厚さ3mmのシリコン製のスペーサーを設け樹脂を適量流し込み、その上にガラス板を被せ、露光し測定用サンプルを得た。硬化条件は、メタルハライドランプを用い、積算露光量6,000mJ/cmで露光を行った。硬化終了後、スペーサーから硬化物を取り出し、これをサンプルとした。上記のようにして得られた各実施例および比較例の樹脂板サンプルについて、この樹脂組成物の耐高温特性について評価し、その結果を表1にまとめて示した。なお、比較例1および4の組成で調製した樹脂組成物は粘度が高く、取り扱いが困難であったため、サンプルを作製することができなかった。また、比較例2の組成で調整した樹脂組成物から作製されたサンプルは亀裂が生じたため以下の評価を行うことができなかった。
(微細形状転写性)
転写性は、金属顕微鏡にて各フィルム導光板サンプルの山形形状の頂角を確認することで評価した。評価基準は以下のとおりである。
○・・・良好(頂角:100度、高さ:設計値±0.01μm)
△・・・転写不十分(頂角:99〜90度、高さ:設計値±0.05μm)
×・・・転写不可
なお、上記設計値は入光方向から0.59μmから1.13μmと徐々に高くなっていく山形の繰り返し形状である。
表1に示すとおり、実施例1〜6、および比較例4〜9のフィルム導光板サンプルはいずれも、金型設計値通りの形状を転写しており、微細形状転写性が良好であることが確認された。ウレタンオリゴマーを用いなかった比較例2は、硬化後に金型と樹脂組成物の貼り付きが起こり、フォルム導光板の作製が不可能であった。
(耐高温特性)
耐高温性は高温試験前後のイエローネスインデックスの値で評価した。測定条件は測定装置(色度・濁度測定器(日本電色工業(株))を用いて測定した。
表1に示すように、フェノール系酸化防止剤およびリン系酸化防止剤を添加した実施例1〜6の樹脂組成物は、高温試験前後において、両酸化防止剤のうちのいずれか一方を添加していない比較例5〜9と比較して、黄色度の変化量は少なく耐熱着色性に優れている。
表1に示すように、フェノール系酸化防止剤のみを添加している比較例5及び6、またリン系酸化防止剤のみを添加している比較例7〜9は、いずれの試験においても満足する対高温着色性の効果を満足できなかった。
表1及び表2中の略号について以下に示す。
UA:ウレタンオリゴマー
AA:アクリルアクリレートオリゴマー(日立化成工業(株)製 ヒタロイド7885SS2*溶剤型材料であったため、エバポレーターにて脱溶剤してから用いた)
EA:エポキシアクリレートオリゴマー(日立化成工業(株)製 ヒタロイド7660−1*溶剤型材料であったため、エバポレーターにて脱溶剤してから用いた)
FA−128AS:(日立化成工業(株)製モノマー、2−メチル−1,8オクタンジオールジアクリレート(下記式(A))と1,9−ノナンジオールジアクリレート(下記式(B))との混合物)
Irg754:(チバ・ジャパン(株)製光開始剤、オキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−オキソ−2−フェニル−アセトキシ−エトキシ]エチルエステルとオキシ−フェニル−アセチックアシッド2−[2−ヒドロキシ]−エトキシ−エチルエステルの混合物)
AO70:(アデカ(株)製、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)(下記式(C)))
AO80:(アデカ(株)製、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカン(下記式(D)))
260:(アデカ(株)製、3,9−ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン(下記式(E)))
522A:(アデカ(株)製、[(ブタン−1,1,3−トリイル)トリス[[2−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン]オキシ]]トリス(亜ホスホン酸ジトリデシル) (下記式(F)))
3010:(アデカ(株)製、亜リン酸ジフェニルイソデシル(下記式(G)))
以上より、実施例1〜6を用いて作製したフィルム導光板は、微細形状転写性、耐高温性において優れていることが分かる。
1 金型
2 光硬化型樹脂組成物
3 支持基材フィルム
4 ローラー
5 フィルム導光板
6 液晶表示用スペーサーの金型
7 ガラス
8 粘着剤
9 ナノインプリントの金型
10 液晶分子
11 液晶配表示用配向膜

Claims (10)

  1. (A)1分子中にイソシアネート基を2個有するジイソシアネート化合物と、
    下記一般式(I)で表されるヒドロキシル基含有メチレングリコール系化合物と、

    (式中、Rは、炭素数1〜10の直鎖もしくは分岐鎖のアルキレン基であり、nは1〜20の整数である。)
    下記一般式(II)で表されるカプロラクトン変性(メタ)アクリレート化合物と、

    (式中、Rは、水素又はメチル基であり、Rは直鎖又は分岐鎖を有するアルキレン基であり、nは1〜10の整数である。)
    を、前記イソシアネート基と前記一般式(I)及び前記一般式(II)中の水酸基との当量比(NCO/OH)が0.8〜1.2になるように配合してなるウレタンオリゴマー、
    (B)2官能モノマー、
    (C)光開始剤、
    (D)フェノール系酸化防止剤、及び
    (E)リン系酸化防止剤
    を含むことを特徴とする光硬化型樹脂組成物。
  2. 前記(A)ウレタンオリゴマーの重量平均分子量Mwが、2,000〜20,000である請求項1に記載の光硬化型樹脂組成物。
  3. 前記(B)2官能モノマーが、下記一般式(III)で表される化合物である請求項1又は2に記載の光硬化型樹脂組成物。

    (式中、Rは、直鎖又は分岐を有するアルキレン基であり、Rは水素またはメチル基である。)
  4. 前記(A)ウレタンオリゴマーと前記(B)2官能モノマーとの配合比が、質量比で1:9〜9:1の範囲である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  5. 前記(C)光開始剤が、前記(A)ウレタンオリゴマー及び前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して、0.01〜5質量部含まれる請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  6. 前記(D)フェノール系酸化防止剤が、前記(A)ウレタンオリゴマー及び前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して、0.001〜5質量部含まれる請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  7. 前記(D)フェノール酸化防止剤が、ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルベンゼンプロパン酸)エチレンビス(オキシエチレン)、3,9−ビス[2−〔3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5・5]ウンデカンからなる群から選択される1種である請求項1〜6のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  8. 前記(E)リン系酸化防止剤が、前記(A)ウレタンオリゴマー及び前記(B)2官能モノマーの合計量100質量部に対して0.001〜5質量部含まれる請求項1〜7のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  9. 前記(E)リン系酸化防止剤が、3,9−ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)フェノキシ]−2,4,8,10−テトラオキサ−3,9−ジホスファスピロ[5.5]ウンデカン、ブチリデンビス[(2−tert−ブチル−5−メチル−4,1−フェニレン)オキシ]ビス(亜ホスホン酸ジトリデシル)、[(ブタン−1,1,3−トリイル)トリス[[2−(1,1−ジメチルエチル)−5−メチル−4,1−フェニレン]オキシ]]トリス(亜ホスホン酸ジトリデシル)、亜リン酸ジフェニルイソデシル、亜リン酸トリス(2‐エチルヘキシル)、亜リン酸トリイソデシル、亜リン酸トリラウリル、亜リン酸トリス(トリデシル)、亜リン酸トリオレイルからなる群から選択される1種である請求項1〜8のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の光硬化型樹脂組成物を硬化させてなるフィルム導光板。
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