JP2011184302A - 芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを反応させることでビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、ビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートをアルコールと反応させることで芳香族ジカルボン酸エステルを製造する方法において、反応時間を短くする方法を提供すること。
【解決手段】平均粒子径が20〜100μmである芳香族ジカルボン酸をアルキレングリコールと反応させて、ビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、そのビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールをエステル交換反応させ、さらにそのエステル交換反応の生成物をアルコールで洗浄する、芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法によって上記の課題を解決することができる。
【選択図】なし
【解決手段】平均粒子径が20〜100μmである芳香族ジカルボン酸をアルキレングリコールと反応させて、ビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、そのビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールをエステル交換反応させ、さらにそのエステル交換反応の生成物をアルコールで洗浄する、芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法によって上記の課題を解決することができる。
【選択図】なし
Description
本発明は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコール、及びアルコールを、アルカリ触媒の存在下で反応させ、芳香族ジカルボン酸エステルを製造する方法に関するものである。
芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法として、芳香族ジカルボン酸をアルキレングリコールと反応させてビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、そのビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールとのエステル交換反応により芳香族ジカルボン酸エステルを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この方法において、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとの反応では、反応時間がかかり、多大なエネルギーコストがかかることが指摘されている。
本発明は、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとの反応時間を短くし、使用エネルギーの削減が達成できる芳香族カルボン酸エステルの製造方法を提供することである。
上記課題を解決すべく、使用する芳香族ジカルボン酸の粒子径を小さくすることにより、アルキレングリコールとの接触面積を増大させ、反応速度を速くすることにより、反応時間を短くすることを見出し、発明を為した。
本発明について、以下にその特徴を示す。
平均粒子径が20〜100μmの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを反応させて、ビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、そのビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールよりエステル交換反応させる芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法。
平均粒子径が20〜100μmの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとを反応させて、ビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、そのビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールよりエステル交換反応させる芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法。
本発明によれば、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの反応時間を従来の5時間より短く出来、結果エネルギーコストの削減が可能となる。
本発明においては、平均粒子径が20〜100μmの芳香族ジカルボン酸を用いる。その平均粒子径はより好ましくは25〜50μmである。芳香族ジカルボン酸の具体的な例としてはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、9,10−アントラセンジカルボン酸を上げることができる。更により好ましくはテレフタル酸を採用する事である。後述するように芳香族ジカルボン酸の平均粒子径を小さくすることによって、後述するエステル交換反応の速度を上げることができる。本発明に用いるアルキレングリコールとは、より好ましくはエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコールを用いることができる。更により好ましくはエチレングリコールを採用する事である。
本発明においては、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールを反応させるが、アルカリ触媒存在下によりビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造することが好ましい。上述した化合物の組合せにより、より好ましくはビス(2−ヒドロキシエチレン)テレフタレートを製造することである。更に、そのビス(2−ヒドロキシエチレン)テレフタレートとアルコール、より好ましくはメタノールを用いて、アルカリ触媒存在下でエステル交換反応をすることが本発明の製造方法には必要な工程である。アルコールとしては、メタノール以外にエタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、ヘキサノールを用いても良い。
使用する芳香族ジカルボン酸は粒子径が100μmを超えるとアルキレングリコールとのエステル化の反応時間を短縮するという本発明の課題を達成できなくなる。よって20〜100μm、より好ましくは25〜50μmの芳香族ジカルボン酸を使用する。その使用する芳香族ジカルボン酸の粒子径を細かくする方法について、例えばPGSS法(急速膨張法)など、一般の粉体を細かくする方法で得られた芳香族ジカルボン酸を用いることが好ましく採用することができる。
本発明の芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法における、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとの反応、及びビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールとの反応において、必要に応じて更なる反応時間の短縮の為、アルカリ触媒を用いるの良い。前記アルカリ触媒が炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酢酸ナトリウム及び酢酸カリウムよりなる群から選ばれる、1種または2種以上使用することもできる。本発明の芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法における、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールとの反応、及びビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールとの反応において、大気圧下で行うことが容易に実施可能な点で好ましいが、必要に応じて更なる反応時間の短縮の為、加圧して反応させても良い。
本発明の芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法における、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの反応において、副生する水を追い出しながらビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造することもできる。本発明の芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法において、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの反応において、反応温度が185〜230℃、より好ましくは195〜220℃を採用することができる。本発明の芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法における、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの反応において、平均粒子径が20〜100μmの芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの仕込み重量比率が1:2〜5、より好ましくは1:4であっても良い。なお、本発明の製造方法において、上記の芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの仕込み重量比率、用いる芳香族ジカルボン酸及びアルキレングリコールの具体的な化合物の種類を考慮すると、上記の芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの仕込みのモル比率は1:2よりアルキレングリコールが過剰に存在する場合が多い。つまり本発明において芳香族ジカルボン酸エステルと称しているが、実質的には主たる成分は芳香族ジカルボン酸ジエステルである。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。下記に記載する、反応終了の目安として使用している酸価の評価について、本実施例では使用実験装置で平沼オートタイトレーター COM−1600を使用し、サンプル調整用溶媒として、重量比でメタノール10:パラキシレン5:純水0.4の混合溶媒を使用した。
(実施例、比較例)
平均粒子径が約130μmのテレフタル酸(Entry1、比較例)、及び約25μmのテレフタル酸を100g(Entry2、実施例)(約0.6mol)とエチレングリコールを400g(約6.4mol)、炭酸カリウム2.5g(約0.02mol)を500mlセパラブルフラスコに入れ、電動撹拌機、電熱対式温度計、精留塔をセットし、マントルヒーターにて昇温した。設定温度は常圧下198℃〜218℃であり、水の留去状況により昇温するものとする。反応の進行具合は反応物の酸価(物質1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg))で確認した。その結果を表1に示した。
平均粒子径が約130μmのテレフタル酸(Entry1、比較例)、及び約25μmのテレフタル酸を100g(Entry2、実施例)(約0.6mol)とエチレングリコールを400g(約6.4mol)、炭酸カリウム2.5g(約0.02mol)を500mlセパラブルフラスコに入れ、電動撹拌機、電熱対式温度計、精留塔をセットし、マントルヒーターにて昇温した。設定温度は常圧下198℃〜218℃であり、水の留去状況により昇温するものとする。反応の進行具合は反応物の酸価(物質1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg))で確認した。その結果を表1に示した。
生成物にメタノール181g(約5.7mol)、炭酸ナトリウム3g(約0.03mol)を加え、エステル交換反応を行った。反応条件として、温度75℃、常圧、1時間で行った。生成したスラリーを固液分離した後、過剰量のメタノールで3回洗浄、固液分離し、粗テレフタル酸ジメチル134gを得た。得られた粗テレフタル酸ジメチルを8.0〜6.66kPa(60〜50mmHg)、温度210℃、段数10段の条件下で精留し、107gのテレフタル酸ジメチルを得た。
本実施例により、比較例に対して反応時間を2時間短縮することが出来たことから、反応に必要な熱エネルギー、及びその他反応に必要なエネルギーを削減することが可能と考えられる。
本発明の製造方法により、芳香族ジカルボン酸とアルキレングリコールの反応時間を従来の5時間より短く出来、結果エネルギーコストの削減が可能となる。
Claims (1)
- 平均粒子径が20〜100μmである芳香族ジカルボン酸をアルキレングリコールと反応させて、ビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートを製造し、そのビスヒドロキシアルキレン芳香族ジカルボキシレートとアルコールをエステル交換反応させ、さらにそのエステル交換反応の生成物をアルコールで洗浄する、芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法。
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JP2010047769A JP2011184302A (ja) | 2010-03-04 | 2010-03-04 | 芳香族ジカルボン酸エステルの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN115353453A (zh) * | 2022-09-29 | 2022-11-18 | 中国天辰工程有限公司 | 一种对苯二甲酸二甲酯的制备方法 |
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2010
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