JP2011183908A - 全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車 - Google Patents

全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車 Download PDF

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Abstract

【課題】全ての回転輪を個々に回転駆動して方向変換することができる、全駆動型回転体付き車輪を提供する。
【解決手段】ホイール16の周囲の回転体17a,17bに従動傘歯車21a,21bを備え、1つ置きの回転体17aの従動傘歯車21aを第1の回転分配伝達機構22を介して第1の回転体用モータ18で駆動し、残り1つ置きの回転体17aの従動傘歯車21bを第2の回転分配伝達機構23を介して第2の回転体用モータ19で駆動する。制御部13は、前進時、後進時及び斜め方向走行時に右又は左へ方向変換するときは、一の回転体の接地状態が終わりになると共に次の一の回転体の接地状態が始まる、2つの回転体17a,17bが接地状態にある時間帯に、接地状態が終わりになる回転体の周速と、接地状態が始まる回転体の周速とを相違させるように、第1、第2の回転体用モータ18,19の制御を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、直進方向に駆動回転されるホイールの周囲にホイールとは別の駆動源で車輪の直進方向に対して直交方向へ駆動回転される複数個の回転体を備え、平面上を全方向に移動する、特に全ての回転体を受動回転ではなく能動回転させるタイプの全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車に関するものである。
平面上を全方向に走行する全方向移動車は、全駆動型回転体付き車輪を備えている。全ての回転体を受動回転ではなくホイールを回転駆動するモータとは別のモータで能動回転させるタイプの全駆動型回転体付き車輪は、ホイールと、ホイールの周囲に配設される複数個の回転体と、を有し、走行駆動源として、ホイールを駆動回転する一のモータと、複数個の回転体を駆動回転する他のモータと、を有している。複数個の回転体は、ホイールの外周面のブラケットに設けられホイールの回転平面内に軸心を有する車軸に支持されている。
従って、個々の回転体は、ホイールの回転方向に直交する方向に回転するようになっている。そうして、前後方向の走行は、一のモータでホイールを前進回転又は後進回転させて行い、横方向走行は、他のモータでホイールを右回転又は左回転させて行い、斜め方向の走行は、ホイールを回転させると共に全部の回転体を回転させることにより行う。
従来の、全ての回転体を受動回転ではなく能動回転させるタイプの全駆動型回転体付き車輪としては、例えば特許文献1〜4のものが知られている。
特許文献1に記載されている固定式車輪は、車輪外周部に円形の軸を備え、この軸に車輪の回転方向と直角方向に回転するローラ及び緩衝部材を交互に連続して配置し自在に方向転換できる構成である。
特許文献2に記載されている回転体付き車輪は、直進方向に駆動回転されるホイールの周囲に車輪の直進方向に対して直交方向へ回転される複数個の回転体を備え、各回転体が、車軸を中心とする半径方向に対して交差する回転軸線を中心に回転自在に支持され、車輪回転方向前側に対応する先端部の直径を後端部の直径よりも小さくし、周面の母線を車輪外周円の円弧となるように形成され、各回転体の先端部が隣接する回転体の基端部に近接し得るように、各回転体の先端部が、隣接する回転体の基端部に形成された凹部に部分的に侵入している構成である。
特許文献3に記載されている全方向移動用車輪は、ホイールの外側に、外面が車輪外周円に一致する複数の樽形分割ローラが隣接する樽形分割ローラ同士を連結して配設され、各樽形分割ローラが支持部材とローラ軸とで支持され、一の樽形分割ローラに回転力を伝達する動力伝達手段を備えている。
特許文献4に記載されている移動搬送機構は、ホイール部材の周囲に複数の副車輪が回転自在に支持され、ホイールと固定されたホイール回転中心軸と副車輪を駆動するための出力部材とを同軸対向して備えて差動機構で連結し、さらに差動機構を副車輪に連結してなり、出力部材の自転による回転で副車輪が回転され、かつ出力部材の公転に伴ってホイール部材が回転する構成である。
特開平11−227404号公報 特開2002−137602号公報 特開2005−67334号公報 特開2009−179110号公報
特許文献1及び特許文献2に記載された技術は、回転輪を駆動する構成ではないので、車輪の回転に伴って回転輪が回転して側方への移動成分が入る走行中に、回転輪が段差に出合うと、この段差を乗り越えられない場合がある。
特許文献3に記載された全方向移動用車輪は、動力伝達手段から回転力を直接に伝達される樽形分割ローラには回転力が伝わるが、樽形分割ローラにはガタやバックラッシが多く、回転力を直接に伝達される樽形分割ローラから隣接の樽形分割ローラには、回転力が伝わりにくく、反対側の樽形分割ローラにはさらに回転力が伝わりにくい。この全方向移動用車輪によれば、上記反対側の樽形分割ローラに負荷が掛かれば、この負荷は、回転力を直接に伝達される樽形分割ローラに対して大きな抵抗となる。このため、この全方向移動用車輪によれば、樽形分割ローラを円滑に回転駆動することができない。
特許文献4に記載された移動搬送機構は、円周方向の4等分位置の副車輪が駆動され、残りの副車輪は駆動される副車輪から軸を介して回転伝達される。このため、この移動搬送機構は、駆動される副車輪の数が4つとなるので、副車輪の駆動性が改善されるが、基本的には、特許文献3に記載された全方向移動用車輪と同様に、副車輪の駆動性が悪いという同じ問題点を残している。
特許文献3に記載された全方向移動用車輪及び特許文献4に記載された移動搬送機構は、図15に示すように、回転体を回転させずホイールを回転させる前進方向A及び後進方向Bと、ホイールを回転させず回転体を回転させる横方向C,Dと、ホイールを回転させると共に回転体を回転させる斜め方向E,F,G,Hの計8方向に走行することができるが、走行方向を変換する機能を備えていない。
そこで、本発明者は、特許文献1及び特許文献2に記載された回転体付き車輪について、回転輪が回転して横方向の移動成分を生じる走行中に、回転輪が段差に出合っても、この段差を乗り越えられるようにすることを解決課題とし、回転輪を駆動する構造として、特許文献3及び特許文献4の駆動をさらに考察し、種々に工夫を重ねて本発明を完成させたものである。
また、本発明者は、特許文献1及び特許文献2に記載された回転輪を有する回転体付き車輪について、回転輪に駆動を与えるに際して以下のような問題に着目した。
すなわち、特許文献1に記載された回転体は、径が両端で小さく中央で大きい樽形であり、所定速度で回転すると、設置位置が異なることによって回転輪の回転速度が連続的に変化する。また、特許文献2に記載された回転体は、半紡錘形であり、設置位置が異なることによって回転輪の回転速度が連続的に変化することに加え、同時に接地する一の回転体の大径端部と他の一の回転体の小径端部との周速が相違し、大径端部から小径端部に乗り換える状態では速度が落ちるので大径端部から小径端部に乗り換える状態がちょうど段差に対応してしまうときは、ロックしてしまい、該段差を乗り越えることができない虞がある。さらに同時に接地する一の回転体の大径端部と他の一の回転体の小径端部との周速が相違することに起因して進行方向が変わってしまう虞もある。
本発明は、上述した点に鑑み案出されたもので、ホイールを回転させ回転体を回転させない前進時、後進時及びホイールを回転させ回転体を回転させる斜め方向走行時(右斜め方向前進時、左斜め方向前進時、右斜め方向後進時又は左斜め方向後進時)のうち、少なくとも前進時に右又は左へ方向変換することができる、全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車を提供することを目的としている。
本発明は、回転輪同士の連鎖による回転伝達を介さないで全ての回転輪を個々に回転駆動して回転輪が段差を円滑に乗り越えられる、全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車を提供することを目的としている。
また本発明は、回転輪が半紡錘形又は樽形であることに起因して回転輪の接地位置の径が変化しても周速が変化せず、回転輪の回転による横方向の速度成分を安定させることができて、乗り心地が向上する、全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車を提供することをさらなる目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の全駆動型回転体付き車輪は、車体フレームに回転可能に支持されかつ車体フレームに支持される走行用モータにより駆動回転されるホイールと、ホイールの周囲に備えられ車輪外周円の円弧を形成する周面を有し回転体用モータの回転動力を伝達されて車輪の直進方向に対して直交方向へ駆動回転される複数の回転体と、走行用モータ及び回転体用モータの回転を制御する制御部と、を備え、複数の回転体は、1つ置きの第1群の各回転体が第1の回転体用モータの回転動力を個々に伝達され、残り1つ置きの第2群の各回転体が第2の回転体用モータの回転動力を個々に伝達される構成であり、制御部は、前進時、後進時及び斜め方向走行時のうち、少なくとも前進時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、一の回転体の接地状態が終わりになると共に次の一の回転体の接地状態が始まる、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯に、接地状態が終わりになる回転体の周速と接地状態が始まる回転体の周速とを相違させるように、第1及び第2の回転体用モータの制御を行う構成であることを特徴とする。
本発明によれば、前進時又は後進時にはホイールを回転させ、かつ回転体を回転させない前進時又は後進時に、制御部に右又は左へ方向変換する指令を入力した場合には、制御部は、第1及び第2の回転体用モータに対する制御を、上述したように、第1及び第2の回転体用モータが、ホイール外に備えられる場合と、ホイール内に備えられる場合とで相違させるが、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、第1及び第2の回転体用モータのうち、接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、接地状態が始まる回転体の周速を接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用する、ということにおいて相違しない。
この制御により、前進時又は後進時に右又は左へ方向変換することができる。前進時又は後進時におけるこの制御は、回転体が、半紡錘形であるか、樽形であるか、略短円筒形であるかに関わらず同一に行うものである。
本発明によれば、複数の回転体が、半紡錘形に形成されているか、又は径の大きい樽形と径が小さい樽形とが交互に配列されていて、径が小さい端部の一部が隣接する回転体の径の大きい端部に入り込んだ状態にかつ径が小さい端部の一部が隣接する回転体の径の大きい端部に入り込んだ状態に備えられた構成である場合には、制御部は、斜め方向走行時(右斜め方向前進時、左斜め方向前進時、右斜め方向後進時又は左斜め方向後進時)には、回転体の接地位置の直径が変化しても接地位置の直径部分の周速が所定速度になるように第1及び第2の回転体用モータを変速制御し、かつ一の回転体の大径端部と他の一の回転体の小径端部とが同時に接地状態のときに大径端部の周速と小径端部の周速とが一致するように第1及び第2の回転体用モータを位相を持たせて変速制御する。
さらに斜め方向走行時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、第1及び第2の回転体用モータのうち、接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、接地状態が始まる回転体の周速を接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用する。
この構成により、斜め方向走行時に横方向の速度成分を安定させることができ、斜め方向走行から右又は左へ方向変換することができる。
本発明によれば、複数の回転体が同一の大きさの樽形である場合には、制御部は、斜め方向走行時には、回転体の接地位置の直径が変化しても接地位置の直径部分の周速が所定速度になるように、第1又は第2の回転体用モータを変速制御し、さらに斜め方向走行時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、第1及び第2の回転体用モータのうち、接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、接地状態が始まる回転体の周速を接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用する。この構成により、斜め方向走行時に横方向の速度成分を安定させることができ、斜め方向走行から右又は左へ方向変換することができる。
複数の回転体が、同一の大きさの略短円筒形である場合には、制御部は、斜め方向走行時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、第1及び第2の回転体用モータのうち、接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、接地状態が始まる回転体の周速を接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用する。この構成により、斜め方向走行から右又は左へ方向変換することができる。
前進時又は後進時にはホイールを回転させ、かつ回転体を回転させない。斜め方向の走行時は、ホイールを回転させ、かつ回転体を回転させる。
本発明は、第1及び第2の回転体用モータが、ホイール外に備えられる場合とホイール内に備えられる場合の両方を含むものである。第1及び第2の回転体用モータがホイール外に備えられる場合には、第1及び第2の回転体用モータを走行用モータに同期させて回転させることで、第1群及び第2群の回転体を回転させないようにすることができ、第1及び第2の回転体用モータを走行用モータに非同期させて回転させることで、第1群及び第2群の回転体を回転させることができる。
これに対し、第1及び第2の回転体用モータがホイール内に備えられる場合には、走行用モータの回転に関わらず、第1及び第2の回転体用モータを回転させれば、第1群及び第2群の回転体を回転させることができる。この場合には、第1及び第2の回転体用モータへの給電にスリップリングとブラシを用い、かつ、通信により制御を行う。
上記の制御は、第1及び第2の回転体用モータが、モータの回転数に注目すれば、ホイール外に備えられる場合と、ホイール内に備えられる場合とで相違することになるが、回転体の回転に注目すれば、同一制御であることが理解される。
本発明の倒立制御型一輪車は、上記構成の全駆動型回転体付き車輪を備え、制御部が、走行用モータに対して車両の前後方向の倒立制御を行うと共に、第1及び第2の回転体用モータに対して車両の横方向の倒立制御を行う、ことを特徴とする。
本発明によれば、1つ置きの第1群の各回転体が第1の回転体用モータの回転動力を個々に伝達され、残り1つ置きの第2群の各回転体が第2の回転体用モータの回転動力を個々に伝達され、少なくとも前進時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯に、接地状態が終わりになる回転体の周速と、接地状態が始まる回転体の周速とを相違させるように、制御部が第1、第2の回転体用モータの制御を行うので、少なくとも前進時に右又は左へ方向変換することができる。また、回転輪同士の連鎖による回転伝達を介さないで全ての半紡錘形又は樽形の回転輪を個々に回転駆動する構成であるから、回転輪が段差を円滑に乗り越えられる、全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪を倒立制御型一輪車に適用した場合の概略の側面図である。 図1の全駆動型回転体付き倒立制御型一輪車の内部構造を示す概略斜視図である。 図1の倒立制御型一輪車の内部構造を示す模式的な縦断面図である。 図1の倒立制御型一輪車のIV−IV矢視図である。 図1の倒立制御型一輪車が移動できる方向を示す移動方向図である。 図1の倒立制御型一輪車の、前進又は後進走行から方向変換させる制御を説明するための図である。 前進又は後進走行から方向変換させる一パターンの説明図である。 前進又は後進走行から方向変換させる他の一パターンの説明図である。 前進又は後進走行から方向変換させる他の一パターンの説明図である。 前進又は後進走行から方向変換させる他の一パターンの説明図である。 斜め方向の走行状態を説明するための図である。 斜め方向の走行時における回転体の、位相が異なる変速制御を説明するための図である。 斜め方向の走行から方向変換させる制御を説明するための図である。 斜め方向の走行から方向変換させる一パターンの説明図である。 斜め方向の走行から方向変換させる他の一パターンの説明図である。 斜め方向の走行から方向変換させる他の一パターンの説明図である。 斜め方向の走行から方向変換させる他の一パターンの説明図である。 (a)は、横方向走行時に接地走行する回転体が1つのときを示す図、(b)は横方向走行時に接地走行する回転体が2つのときを示す図である。 本発明の第2実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の内部構造を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第3実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の内部構造を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第4実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の内部構造を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第5実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の内部構造を示す模式的な縦断面図である。 本発明の第6実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の要部を示す模式的な正面図である。 前進方向又は後進方向への走行時に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 前進方向又は後進方向への走行時に右に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 前進方向又は後進方向への走行時に左に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 斜め方向への走行時に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 (a)は右斜め方向への走行時を示す説明図、(b)は右斜め方向への走行時に右に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図、(c)は右斜め方向への走行時に左に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 (a)は左斜め方向への走行時を示す説明図、(b)は左斜め方向への走行時に左に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図、(c)は左斜め方向への走行時に右に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 本発明の第7実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の要部を示す模式的な正面図である。 前進方向又は後進方向への走行時に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 斜め方向への走行時に方向変換するときの回転体の速度変化を示す説明図である。 本発明の第8実施形態に係り、全駆動型回転体付き車輪の要部を示す模式的な正面図である。 回転体の前後進を指示する線と、左右の横方向移動を指示する線と、方向変換を指示する線と、の角度に応じて指示する強度が異なっている3つの指示線図である。
以下、本発明の実施形態に係る全駆動型回転体付き車輪及び倒立制御型一輪車について図面を参照して説明する。
〔第1実施形態〕
図1,図2は、第1実施形態に係る全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪1は、倒立制御型一輪車に適用した場合を示すもので、運転者Mが跨いで座りかつ両足を着地できる高さに調整可能なサドル11を有する。このサドル11は車体フレーム12の頂部に備えている。サドル11は、図1において左端11aが車両前方側、右端11bが車両後方側である。図2に示すように、車体フレーム12は、中程より上部が筒状に形成され、この筒状の車体フレーム12内に、制御部13と、バッテリ14と、走行用モータ15と、を収容している。図2〜図4に示すように、車体フレーム12は、下部に、走行用モータ15により駆動回転されるホイール16と、ホイール16の周囲に配列され車輪の直進方向に対して直交方向へ回転する複数の回転体17a,17bとからなる車輪部分、及びホイール16の両側に備えられ1つ置きの第1群の回転体17aを駆動回転するための第1の回転体用モータ18及び残り1つ置きの第2群の回転体17bを駆動回転するための第2の回転体用モータ19を収容している。車体フレーム12は、下端両側部に一対のステップ121を備え、各ステップ121には下面より突出して補助輪122を備えている。全駆動型回転体付き車輪1は、倒立制御していないときは2つの補助輪122を含む3点支持で起立状態に維持される。
走行用モータ15は、回転伝達機構20を介してホイール16と接続されている。回転伝達機構20は、モータ出力軸に設けられた小径の原プーリ20aと、ホイール16の側面に一体に設けられた大径の従プーリ20bと、原プーリ20aと従プーリ20bとに巻掛けされた無端Vベルト20cとからなる巻掛機構が採用されている。なお、巻掛伝達機構に替えて歯車伝達機構としても良い。
図4,図6に示すように、全ての回転体17a,17bは、車輪の前進回転方向下流側に対応する一端が小径端部171で車輪の前進回転方向上流側に対応する他端が大径端部172であり車輪外周円の円弧を形成する周面を有する二分割構造の半紡錘形に形成されている。さらに各回転体の小径端部171の一部は、車輪の回転方向下流側に隣接する回転体の大径端部172に入り込んだ状態に備えられている。1つ置きの第1群の回転体17aが第1の回転体用モータ18により回転される。残り1つ置きの第2群の回転体17bが第2の回転体用モータ19により回転される構成である。
図2に示すように、各回転体17a,17bは、ホイール16の筒部の外側に配設された複数のブラケット26の各ブラケット間に位置され、ブラケット26により両端支持される軸27により、ホイール16の回転軸を中心とする半径方向に対して交差する軸線を回転中心として回転可能に支持されている。これにより、各回転体17a,17bは、車輪の直進方向に対して直交方向へ回転し得る。
図3に示すように、全駆動型回転体付き車輪1は、1つ置きの第1群の各回転体17aを個別に駆動回転するために、第1群の各回転体17aの内部空間に位置して固定された「従車」としての従動傘歯車21aと、第1の回転体用モータ18により駆動回転される第1の太陽平歯車22aの回転を複数の従動傘歯車21aに分配伝達する第1の回転分配伝達機構22と、を備えている。また、全駆動型回転体付き車輪1は、残り1つ置きの第2群の各回転体17bを個別に駆動回転するために、第2群の各回転体17bの内部空間に位置して固定された「従車」としての従動傘歯車21bと、第2の回転体用モータ19により駆動回転される第2の太陽平歯車23aの回転を複数の従動傘歯車21bに分配伝達する第2の回転分配伝達機構23と、を備えている。さらにこの全駆動型回転体付き車輪1は、ホイール16の位相を検出するアブソリュートエンコーダ24を備えている。
上記構成によれば、第1群の回転体17aの一つ一つを駆動するための第1の回転分配伝達機構22と、第2群の回転体17bの一つ一つを駆動するための第2の回転分配伝達機構23をホイール16内に備えた構成であるので、ホイール16の外周に配置した回転体17a,17bの数が多い場合でも、全ての回転体17a,17bの個々の駆動を実現できる。
アブソリュートエンコーダ24は、車輪の位相(回転方向の位置)を制御部13に出力すると共に、車体の1回転あたり所定のパルスを制御部13に出力する。これにより、制御部13は、アブソリュートエンコーダ24から出力された信号を入力して車体の位相を逐次検出することができ、かつ車速を随時に得ることができる。
図3に示すように、第1の回転分配伝達機構22は、第1の太陽傘歯車22aを含み、第1の太陽傘歯車22aの回転を複数の回転体のうち、1つ置きの第1群の回転体17aに固定された従動傘歯車21aに、以下の構成により分配伝達する。
第1の回転分配伝達機構22は、第1の太陽傘歯車22aと、第1の太陽傘歯車22aの周囲に配設され第1の太陽傘歯車22aと噛み合う複数の遊星傘歯車22bと、各遊星傘歯車22bと同軸一体に設けられた原動傘歯車22cとからなり、原動傘歯車22cが従動傘歯車21aと噛み合っている。第1の太陽傘歯車22aと、遊星傘歯車22bの軸は、ホイール16に軸支されている。
図3に示すように、第2の回転分配伝達機構23は、第2の太陽傘歯車23aを含み、第2の太陽傘歯車23aの回転を残り1つ置きの第2群の回転体17bに固定された従動傘歯車21bに、以下の構成により分配伝達する。
第2の回転分配伝達機構23は、第2の太陽傘歯車23aと、第2の太陽傘歯車23aの周囲に配設され第2の太陽傘歯車23aと噛み合う複数の遊星傘歯車23bと、各遊星傘歯車23bと同軸一体に設けられた原動傘歯車23cとからなり、原動傘歯車23cが従動傘歯車21bと噛み合っている。第2の太陽傘歯車23aと遊星傘歯車23bの軸は、ホイール16に軸支されている。
制御部13は、CPUと、プログラムを格納しているROMと、速度演算部131と、パルス出力部132と、走行用モータ15と第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19に対応するモータドライバ133,134,135と、ジャイロセンサ136と、を備えている。速度演算部131は、アブソリュートエンコーダ24から出力された信号を入力して車体の速度を逐次検出する。パルス出力部132は、アブソリュートエンコーダ24から出力された角度信号を入力して車輪の位相を演算し、この位相と速度演算部131で演算した速度に基づいて所定パターンの変速回転となるようにパルスを出力する。
制御部13は、CPUが、ROMに格納されているプログラムをリードし、車両の走行制御を行うための図示しない入力装置(操縦ハンドル)からの走行制御信号に基づいてプログラムを実行する。これにより、パルス出力部132から、各モータに対応するモータドライバ133〜135にそれぞれ所要のパルスが出力され、走行用モータ15と第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19の回転制御が行われる。
ジャイロセンサ136は、極めて短時間毎に倒立制御を行うための車体フレーム12の傾斜角度と傾き角速度を演算し制御部13に出力する。また、ジャイロセンサ136は、一輪車に乗った運転者が希望する方向に走行するため、希望走行方向に体重移動する姿勢をとることによって、車体フレーム12が傾いていく方向及び傾き角速度を短時間毎に演算し制御部13に出力する。
〔全駆動型回転体付き車輪1の倒立制御〕
図1に示すように、全駆動型回転体付き車輪1は、倒立制御していないときは2つの補助輪122を含む3点支持で前傾斜に起立した状態に維持され、運転者Mがサドル11に座り車体フレーム12の上端後部に備えた起動スイッチ25をオンにすると、倒立制御を開始し、図1に示すように自立する。
制御部13は、ジャイロセンサ136から倒立制御用信号を入力して走行用モータ15の駆動を倒立制御する。これによりホイール16の回転が制御されて車体フレーム12の車両の前後方向の倒立が制御されるまた、この制御部13は、第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動を倒立制御し、これにより回転体17a,17bの回転を制御して車体フレーム12の車両の横方向の倒立制御を行う。
〔全駆動型回転体付き車輪1の全方向移動〕
図1,図2に示すように、全駆動型回転体付き車輪1では、倒立制御の開始後、運転者Mが両足をステップ121に乗せて希望移動方向に上半身を傾けて体重移動すると、体重移動の方向に車体フレーム12が傾き、ジャイロセンサ136が傾き方向と傾き角と傾き角速度とを極めて短時間ごとに計測して検出信号を制御部13に送る。
そして、全駆動型回転体付き車輪1は、制御部13が、車両の前後方向の倒立制御と左右方向の倒立制御とを同時に行いながら、さらにホイール16の回転と回転体17a,17bの回転を選択的に行うように、走行用モータ15と第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動制御を行うことで、図5に示すように、方向変換を含む全方向移動となる走行を行うことができる。
図3,図5に示すように、制御部13は、進行方向へ車体を体重移動することにより、回転体17a,17bを回転させずホイール16を回転させる矢印Aの前進方向及び矢印Bの後進方向と、ホイール16を回転させず回転体17a,17bを回転させる矢印C,Dの横方向と、ホイール16を回転させると共に回転体17a,17bを回転させる矢印E,F,G,Hの斜め方向の計8方向に走行できるように、モータの駆動制御を行う。
さらに、制御部13は、車体を傾かせる体重移動の姿勢を戻さずに変更することにより、前進方向中、後進方向中、横方向への走行中及び斜め四方への走行中に、矢印A1,A2,B1,B2,C1,C2,D1,D2,E1,E2,F1,F2,G1,G2,H1,H2で示すように、それぞれ左右に方向変換できるように、モータの駆動制御を行う。
図34は、前後進を指示する線と、左右の横方向移動を指示する線と、方向変換を指示する線と、の角度に応じて指示する強度が異なっている3つの指示線図を示す。前後進を指示する線は、+180°〜−180°の範囲で実線のサイン曲線で示され、体重移動の方向が0°のときに前進の指示値が最大値となり、また±180°のときに後進の指示値が最大値となる。太い一点鎖線は、+180°〜−180°の範囲で示され、体重移動の方向が+45°〜−45°の範囲のときに指示値が0であり、+90°のときに右方向の指示値が最大値となり、−90°のときに左方向の指示値が最大値となり、また±180°のときに指示値が0となる。方向変換を指示する線は、−90°〜+90°の範囲で細い点線のサイン曲線で示され、+45°のときに右への方向変換の指示値が最大値となり、また−45°のときに左への方向変換の指示値が最大値となる。
制御部13は、図34に対応するデータ及びこのデータに照合するプログラムを有している。
制御部13は、ジャイロセンサ136から得られた体重移動方向の角度値を、図34に示す3つの指示線に沿って、前後方向の移動速度、横移動速度及び方向変換速度を合成し、制御部13に指示することで、体重移動の姿勢に基づいて自然な運転制御が実現でき、また余分なセンサを省くことができる。
なお、制御部13に対し方向変換を指示する指示器を備えてもよい。図1では、制御部13に対し方向変換を指示する指示器として、サドル11の左端(車両前方端)11aにポテンショメータ30が備えられている。ポテンショメータ30は、左右に揺動する指示レバー30aと、指示レバー30aを中央位置に戻すばねとを有し、指示レバー30aを右又は左へ揺動することにより、このレバーを傾きに応じ右方向又は左方向に変換支持信号を制御部13に出力する。図2では、制御部13に対し方向変換を指示する指示器として、左右一対のステップ121に一対の感圧センサ31a、31bを備えていて、足裏で感圧センサ31a又は31bを押圧すると、右方向又は左方向に変換支持信号を制御部13に出力する。
〔前進方向A及び後進方向Bの走行制御〕
運転者Mが、車両が停止状態となる垂直姿勢から、図5において、車両1に関し、矢印Aの前進方向又は矢印Bの後進方向へ体重移動した姿勢をとると、矢印Aの前進方向又は矢印Bの後進方向に走行させることができる。
制御部13は、運転者Mが上記体重移動姿勢をとることに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいた演算の結果として、図5の矢印Aの前進方向又は矢印Bの後進方向に走行させる制御内容を導出し、以下のような制御を行う。
この制御部13は、回転体17a,17bが回転を行わず、ホイール16が前進回転又は後進回転するように、モータ制御を行う。
この実施形態では、第1及び第2の回転体用モータ18,19がホイール16の外に備えられた構成であるので、制御部13は、第1,第2の太陽傘歯車22a,23aの回転をホイール16の回転に一致するように、走行用モータ15と、第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動を制御する。これによって、回転体17a,17bは回転を行わず、ホイール16が前進回転又は後進回転する制御を行うことができる。
さらに、この実施形態では、走行用モータ15が巻掛機構を介してホイール16を減速回転し、第1及び第2の回転体用モータ18,19が第1,第2の太陽傘歯車22a,23aを直動回転する構成であるから、巻掛機構の減速比を仮に1:3であるとすれば、制御部13は、走行用モータ15の3回転と、第1及び第2の回転体用モータ18,19の1回転と、が同期するように制御する。
なお、運転者Mが、垂直姿勢に一度戻すと、車両は停止状態になる。
〔前進方向A及び後進方向Bの走行状態から、右又は左へ方向変換する走行制御〕
運転者Mが、車両の前進方向A又は後進方向Bへ体重移動した姿勢から、車両が停止状態になる垂直姿勢に一度戻すことなく、斜め走行方向へ体重移動する姿勢に変えると、図5の矢印Aの前進方向又は矢印Bの後進方向の走行から、矢印A1もしくはB1の右方向、又は矢印A2又はB2の左方向へ方向変換させることができる。
制御部13は、運転者Mが上記体重移動姿勢を変えたことに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいた演算の結果として、図5に示す、前進方向A又は後進方向Bの走行から、矢印A1もしくはB1の右方向、又は矢印A2又はB2の左方向へ方向変換させる制御内容を導出し、以下のような制御を行う。
図6は、図5の前進方向A又は後進方向Bの走行から、矢印A1もしくはB1の右方向、又は矢印A2もしくはB2の左方向へ方向変換させる制御を説明するための図である。
一の回転体(図において右から2番目の回転体17a)の接地状態が終わりになると共に、次の一の回転体(図において右から3番目の回転体17b)の接地状態が始まる状態を示している。1つ置きの第1群の回転体17aは第1の回転体用モータ18によって図7中の第1の速度グラフとなるように駆動回転される。また、残り1つ置きの第2群の回転体17bは第2の回転体用モータ19によって図7中の第2の速度グラフとなるように駆動回転される。図6に示すように、右から1番目の回転体17bが、接地状態が終わりになる回転体であり、右から2番目の回転体17aが、接地状態が始まる回転体であるとき、該2つの回転体が共に接地状態にある時間に対応して、接地状態が終わりになる右から2番目の回転体17aを間欠回転(山形p1の部分)する。次に、右から2番目の回転体17aが、接地状態が終わりになる回転体であり、右から3番目の回転体17bが、接地状態が始まる回転体であるとき、該2つの回転体が共に接地状態にある時間に対応して、接地状態が終わりになる右から3番目の回転体17bを間欠回転(山形p1の部分)する。こうして、次々に2つの回転体が同時に接地状態になる毎に、第1及び第2の回転体用モータ18,19を交番して間欠駆動させることにより、第1群の回転体17aと第2群の回転体17bとを交番して間欠回転させ、方向変換を行うことができる。
なお、ここでは、接地状態が始まる回転体の周速がゼロ(回転停止)であり、接地状態が終わりになる回転体を右回転又は左回転させる構成であるが、接地状態が終わりになる回転体の周速がゼロ(回転停止)であり、接地状態が始まる回転体を右回転又は左回転させる構成としてもよい。
要するに、制御部13は、方向変換する前の制御として、上述したように、回転体17a,17bが回転を行わず、ホイール16が前進回転又は後進回転する制御を行っている状態から、図6に示すように、回転体17aが第1の速度グラフのように間欠回転し、回転体17bが第1の速度グラフとは位相を異ならせた第2の速度グラフのように間欠回転する、方向変換制御を行う。回転体17a,17bの間欠回転は、対応する第1の回転体用モータ18又は第2の回転体用モータ19が、走行用モータ15の回転に対して相対回転を生じるように制御されることにより実行される。
図7〜図10は、制御部13が、前進時又は後進時に、右又は左に方向変換しうる制御パターンを示している。制御部13が、全てのパターンを有しているのではなく、いずれか1つのパターンを有している。図7〜図10の各図において、回転体17a,17bのいずれも接地状態にあり、図で下側の回転体の接地状態が終わりになる回転体で、図で上側の回転体の接地状態が始まる回転体として表されている。また、(a)の接地状態から、回転体1つ分の前進回転又は後進回転があって、(b)の接地状態に移行したものとして表している。
図7(a),(b)では、図6を用いて説明したように、接地状態が始まる回転体を瞬時回転することを繰り返して右へ方向変換する(図5の矢印A1,B1の方向変換)ところを示している。
図8(a),(b)では、図6を用いて説明したように、接地状態が始まる回転体を瞬時回転することを繰り返して左へ方向変換(図5の矢印A2,B2の方向変換)するところを示している。
図9,図10は、図6を用いた説明以外の方向変換を示している。
図9(a),(b)では、接地状態が終わりになる回転体を瞬時回転することを繰り返して右へ方向変換するところを示している。
図10(a),(b)では、接地状態が終わりになる回転体を瞬時回転することを繰り返して左へ方向変換するところを示している。
制御部13は、右へ方向変換する1つのパターンと、左へ方向変換する1つのパターンと、を有する制御を行う。
なお、運転者Mが、車両の前進方向A又は後進方向Bへ体重移動した姿勢から、車両が停止状態になる垂直姿勢に一度戻すことなく、元の前進方向A又は後進方向Bへ体重移動する姿勢に復帰すると、制御部13は、方向変換の制御を終了して、前進方向A又は後進方向Bへ走行する制御に復帰するように構成されている。
〔斜め方向の走行制御〕
運転者Mが、車両が停止状態となる垂直姿勢から、図5の矢印Eの右斜め前方向、矢印Fの左斜め前方向、矢印Gの右斜め後方向、矢印Hの左斜め後方向、の4方向のいずれか一方向へ体重移動する姿勢をとると、該体重移動した姿勢に一致した斜め方向に走行させることができる。
制御部13は、運転者Mが上記体重移動姿勢を変えたことに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいた演算の結果として、図5の矢印E〜Hのうちの、該体重移動した姿勢に一致した斜め方向に走行させる制御内容を導出し、以下のような制御を行う。
図5に示す、矢印E〜Hの4方向のいずれか一方向へ走行させるには、ホイール16を回転させると共に、回転体17a,17bを回転させる必要がある。上記構成では、第1の太陽平歯車22a及び第2の太陽平歯車23aの、ホイール16に対する相対回転によって、回転体17a,17bを回転させることができる。
制御部13は、回転体17a,17bが右方向移動成分又は左方向移動成分を生じる回転を行わせるために、第1の太陽平歯車22a及び第2の太陽平歯車23aを、同一方向に回転しかつホイール16に対して相対回転を生じさせるように、第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動を制御する。
この実施形態では、走行用モータ15が巻掛機構を介してホイール16を減速回転し、第1及び第2の回転体用モータ18,19が第1,第2の太陽傘歯車22a,23aを直動回転する構成であるから、矢印E〜Hの各斜め方向を、車両の前後方向に対して45°の平面角を有する方向に限定する場合には、制御部13は、車輪の周速と回転体17a,17bの周速とが同一となるように、第1,第2の回転体用モータ18,19の駆動を制御する。
この実施形態では、制御部13は、第1の太陽平歯車22a及び第2の太陽平歯車23aの、ホイール16に対する相対回転に関して、位相が異なった変速回転となるように、第1及び第2の回転体用モータ18,19の変速制御を行う。
制御部13は、運転者Mが車両の斜め方向へ体重移動することに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいて演算する。この制御部13は、演算結果が、図5の矢印E〜Hのいずれかの斜め方向へ走行させる制御内容を導出したときは、1つ置きの第1群の回転体17aと、残り1つ置きの第2群の回転体17bとが位相が異なった変速回転をするように、走行用モータ15と第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動回転について変速制御を行う。
位相を相違させた変速制御を行うのは、回転体17a,17bが半紡錘形であることに起因する矢印E〜Hの各斜め方向の走行を行う場合の不都合(後述する)を解消するためである。
図11(a)において、線Iは、走行用モータ15の回転速度線図であり、走行を開始すると回転数を増して所定速度になり、速度を増す走行指令があると、回転数をさらに増して新たな所定速度になる。直進走行では、第1の回転体用モータ18及び第2の回転体用モータ19の、回転数の変化は線Iと完全に一致し、回転体17a,17bは右回転も左回転もしない。
斜め方向の走行は、回転体17a,17bを回転させて右方向移動成分又は左方向移動成分を伴う走行となる。制御部13は、斜め方向の走行では、第1の回転体用モータ18を、図11(b)の線Jに示す回転数変化となるように制御すると共に、第2の回転体用モータ19を、図11(c)の線Kに示す回転数変化となるように制御する。図11(d)は、線I,J,Cを重ねて示したものである。図11(d)から分かるように、線J及び線Kの、線Iと相違する回転数の部分LとNがモータの相対回転を示しており、これが、回転体17a,17bを回転させることになる。部分Lは、回転体17a,17bを右回転させるものとすれば、部分Mは、回転体17a,17bを左回転させることになる。
制御部13は、図11(d)に示す線J及び線Kの、線Iと相違する回転数の部分LとNについて、図12に示すように、回転体17a,17bの回転数を変化させた制御を行う。制御部13は、ROMに、第1の回転体用モータ18に関する1回転分の回転数変化のパターンを有していると共に、第2の回転体用モータ19に関する1回転分の回転数変化のパターンを有している。
制御部13は、図11(d)に示す、線J及び線Kの、線Iと相違する回転数の部分LとNを作り出すときは、アブソリュートエンコーダ24の角度信号と関係させて、変化のパターンに対応したモータ駆動用信号を作り出して、各モータに対応するモータドライバ133,134,135のそれぞれに出力する。
図12は、図5の矢印E〜Hのいずれかの斜め方向の走行時における回転体17a,17bの、位相が異なる変速制御を説明するための図である。図12は、走行用モータ15の回転制御と関連させて、第1の回転体用モータ18及び第2の回転体用モータ19の変速制御と位相制御を行うところを示す。走行用モータ15と第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19とを、例えば回転体17a,17bを右回転するにはホイール16の回転数よりも少ない回転数となるように、又は左回転するにはホイール16の回転数よりも多い回転数となるように回転制御する。
図12では、第1群の回転体17aが実線で示す変速回転とされ、第2群の回転体17bが点線で示す変速回転とされ、実線と点線とは、回転体の1つ分だけの位相が相違している。制御部13が第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動回転について変速制御を行うことにより、回転体17a,17bのどの部分が接地位置であっても接地部分における周速が一定になるように、回転体17a,17bが変速回転される。
制御部13は、第1の回転体用モータ18に対する変速回転と、第2の回転体用モータ19に対する変速回転とを同じパターンでかつ回転体1つ分の位置ずれした位相を持たせて回転制御する。
図5の矢印E〜Hの各斜め方向は、前後方向に対して45°の平面角を有する方向に限定しなくてもよい。
運転者Mがサドル11に座って上半身を傾けることにより、車体フレーム12の傾き方向をジャイロセンサ136が正確に検出できる。よって、制御部13は、このジャイロセンサ136からの信号に基づいて、車体フレーム12が任意の傾き方向に走行する制御が可能である。制御部13は、ホイール16の回転に対し、第1,第2の太陽傘歯車22a,23aが制御指令信号に応じた所定割合の相対回転を生じるように、走行用モータ15と、第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動を制御することにより、車体フレーム12が傾く任意の方向に走行する制御ができる。
図5の矢印E〜Hの各斜め方向に走行を行う場合に、半紡錘形である回転体17a,17bを一定速度で駆動回転させることにより生ずる不都合について説明する。
複数の回転体17a,17bが半紡錘形であるため、ホイール16が回転すれば、回転体17a,17bの接地位置の直径が絶えず変化することになる。このため、もしも複数の回転体17a,17bを一定速度で回転駆動すると、回転体17a,17bの接地位置の直径変化に起因して斜め方向走行時の横方向移動成分の速度が絶えず変化し、乗り心地が悪くなる。また、複数の回転体17a,17bが半紡錘形であるため、接地走行する一の回転体から他の一の回転体に乗り移る瞬間は、一の回転体の小径端部から他の一の回転体の大径端部に乗り移る瞬間である。もしも、複数の回転体17a,17bを一定速度で回転すると、一の回転体の小径端部の周速と、他の一の回転体の大径端部の周速とが相違するので、横方向移動成分の速度が不連続となって最も大きく変化し、直交方向が変化すると共に、乗り心地が一層悪くなる。
そこで、制御部13は、上記の不都合を解消するために、図11に示すように、斜め方向走行時では、回転体17a,17bの接地位置の直径が変化しても接地位置の周速が変動せず所定速度を保つように、第1及び第2の回転体用モータ18,19を変速制御する。さらに、制御部13は、一の回転体の大径端部と他の一の回転体の小径端部とが同時に接地状態のときに大径端部の周速と小径端部の周速とが一致するように、第1及び第2の回転体用モータ18,19に位相を持たせて変速制御する。
これにより、一の回転体の小径端部から他の一の回転体の大径端部に乗り移る瞬間においても、周速に変化が生じず、斜め方向走行時の横方向移動成分の速度が安定し、かつ直交方向の変化もなく、良い乗り心地を保障できる。
上記のように、制御部13は、斜め走行を行う場合には複数の回転体17a,17bのうち、1つ置きの第1群の回転体17aと、残り1つ置きの第2群の回転体17bとに分かれて別々に同一方向に回転数変化をするように、第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19の回転制御を行う。さらに、制御部13は、同時に接地状態となる2つの回転体17a,17bのうちの、一の回転体の大径部分と他の一の回転体の小径部分とが同じ周速になるようにするため、第1群の回転体17aの回転と第2群の回転体17bの回転とが位相を異なるように、第1の回転体用モータ18の回転と第2の回転体用モータ19の回転について位相制御を行う。
全駆動型回転体付き車輪1は、上記のように、制御部13が、第1の回転体用モータ18の回転と第2の回転体用モータ19の回転について変速制御と位相制御を行うことにより、回転体17a,17bの周速を走行指令に応じた所定速度に保つことができ、車輪の斜め方向の速度を安定させて走行することができる。
なお、運転者Mが、垂直姿勢に一度戻すと、車両は停止状態になる。
〔矢印E〜Hの斜め方向の走行状態から右又は左へ方向変換する走行制御〕
運転者Mが、図5の矢印E〜Hのいずれか一の斜め方向に走行している体重移動姿勢から、車両が停止する垂直姿勢に一度戻すことなく、車両前側もしくは車両側方側、又は車両後側又はもしくは車両側方側へ体重移動する姿勢に変えると、図5の矢印E〜Hの各右斜め方向の走行から矢印E1,F1,G1,H1に示す右方向又は矢印E2,F2,G2,H2に示す左方向へ方向変換させることができる。
制御部13は、運転者Mが上記体重移動姿勢を変えたことに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいた演算の結果として、図5の矢印E〜Hの各右斜め方向の走行から矢印E1,F1,G1,H1に示す右方向又は矢印E2,F2,G2,H2に示す左方向へ方向変換させる制御内容を導出し、以下のような制御を行う。
図13〜図17は、図5の矢印E〜Hのいずれか一の斜め方向の走行状態から、方向変換するための制御を行うことについて説明するための図である。
図13中の速度グラフに示すように、図5の矢印E〜Hのいずれか一の斜め方向の走行状態では、1つ置きの第1群の回転体17aと、残り1つ置きの第2群の回転体17bとが、回転体1つ分の位相を異ならせて変速回転される。このときの回転体17a,17bの変速回転は、回転体の接地部分の周速が所定速度に保たれ、変化しない回転である。運転者Mが方向変換するための体重移動姿勢を変えたときには、制御部13は、ROMに記憶しているパルス出力パターンを図6中の速度グラフに対応するパルス出力パターンから、図13中の速度グラフに対応するパルス出力パターンに切り替えてリードする。この場合、アブソリュートエンコーダ24の信号を用いて位相を合わせる。
図13中の速度グラフに対応するパルス出力パターンは、図13中の速度グラフの回転を実行する。図13中の速度グラフの特徴は、接地状態が終わりになる回転体(図において右から2番目の回転体17a)と、接地状態が始まる回転体(図において右から3番目の回転体17b)である2つの回転体が、共に接地状態にある時間に対応して、接地状態が始まる回転体を間欠増速回転(山形p2の部分)する。次に、2つの回転体が、共に接地状態になるときも、同様に共に接地状態にある時間に対応して、接地状態が始まる回転体を間欠増速回転(山形p2の部分)する。
こうして、次々に第1群の回転体と第2群の回転体を交番して間欠増速回転させ、接地状態が始まる回転体の周速と接地状態が終わりになる回転体の周速とを相違させることにより、方向変換を行うことができる。なお、間欠増速回転ではなくて、間欠減速回転であってもよい。さらに、間欠増速回転又は間欠減速回転を、接地状態が終わりになる回転体に対して生じさせるようにしてもよい。
要するに、制御部13は、方向変換する前の制御として、上述したように、ホイール16を回転させ、かつ回転体17a,17bを接地部分の周速が所定速度となるように位相を異ならせた変速回転させる、制御を行っている状態から、方向変換を行うための外部入力があると、2つの回転体が共に接地状態にある時間に対応して、該接地状態にあるいずれかの回転体を間欠増速回転又は間欠減速回転を生じさせることで方向変換を行うようモータ制御を行う。
図14〜図17は、制御部13が、斜め方向の走行から右又は左に方向変換しうる制御パターンを示している。制御部13は、全てのパターンを有しているのではなく、いずれか1つのパターンを有している。図14〜図17の各図において、回転体17a,17bのいずれも接地状態にあり、図で下側の回転体が、接地状態が終わりになる回転体で、図で上側の回転体が、接地状態が始まる回転体として表されている。また、図14〜図17の各(a)は斜め方向の走行状態を表している。各(a)に対応する各(b)と各(c)は、各(a)の斜め方向の走行から、右又は左に方向変換するところを表している。
図14(b)では、接地状態が終わりになる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して右へ方向変換する(図5の矢印Eの方向から矢印E1の方向変換)ところを示している。
図14(c)では、接地状態が始まる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して右へ方向変換する(図5の矢印Eの方向から矢印E2の方向変換)ところを示している。
図15(b)では、接地状態が始まる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して右へ方向変換(図5の矢印Fの方向から矢印F1の方向変換)するところを示している。
図15(c)では、接地状態が終わりになる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して左へ方向変換(図5の矢印Fの方向から矢印F2の方向変換)するところを示している。
図16(b)では、接地状態が終わりになる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して右へ方向変換(図5の矢印Gの方向から矢印G1の方向変換)するところを示している。
図16(c)では、接地状態が始まる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して左へ方向変換(図5の矢印Gの方向から矢印G2の方向変換)するところを示している。
図17(b)では、接地状態が始まる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して右へ方向変換(図5の矢印Hの方向から矢印H1の方向変換)するところを示している。
図17(c)では、接地状態が終わりになる回転体を瞬時増速回転することを繰り返して左へ方向変換(図5のHの方向から矢印H2の方向変換)するところを示している。
なお、制御部13は、図14〜図17において、瞬時増速回転に替えて瞬時減速回転にするパターンを有していてもよい。この場合には、個々の図における方向変換が逆になる。
なお、運転者Mが、車両が停止状態になる垂直姿勢に一度戻すことなく、矢印E〜Hのいずれか一の元の斜め方向に走行している体重移動姿勢に復帰すると、制御部13は、方向変換の制御を終了して、元の斜め方向に走行する制御に復帰する。
〔矢印Cの右横方向及び矢印Dの左横方向の走行制御〕
運転者Mが、車両が停止状態となる垂直姿勢から、図5で車両1に関し矢印Cの右横方向又は矢印Dの左横方向へ体重移動した姿勢をとると、車両1を矢印Cの右横方向又は矢印Dの左横方向に走行させることができる。
制御部13は、運転者Mが上記体重移動姿勢をとることに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいた演算の結果として、図5に示す、矢印Cの右横方向又は矢印Dの左横方向に走行させる制御内容を導出し、以下のような制御を行う。
制御部13は、ホイール16が回転を行わず、回転体17a,17bが右回転又は左回転するように、モータ制御を行う。具体的には、制御部13は、第1,第2の太陽傘歯車22a,23aが制御指令信号に応じた所定回転速度で同一方向に回転するように、第1及び第2の回転体用モータ18,19の駆動を制御する。
さらにこの場合、図18(a)に示すように、制御部13は、接地走行する回転体が1つのときは、接地している回転体が、第1群の回転体17aであるか、第2群の回転体17bであるかを問わないで、第1及び第2の回転体用モータ18,19を所定回転となるように駆動する。このときの回転数は、第1及び第2の回転体用モータ18,19について、後述する斜め方向走行において変速回転させる場合の平均回転数とすることが好ましい。これにより、接地走行する回転体が1つのときに、全駆動型回転体付き車輪1を右又は左へ所定速度で横方向走行させることができる。
また、図18(b)に示すように、接地走行する回転体が2つのときは、一の回転体(図では回転体17a)の小径端部の周速と他の一の回転体(図では回転体17b)の大径端部の周速とが同一となるように、第1及び第2の回転体用モータ18,19をそれぞれ異なる定速回転となるように駆動する。これにより、接地走行する回転体が2つのときに、全駆動型回転体付き車輪1を右又は左へ所定速度で方向変換が生じることなく横方向走行させることができる。
〔矢印Cの右横方向及び矢印Dの左横方向の走行状態から、右又は左へ方向変換する走行制御〕
運転者Mが、図5で車両1に関し矢印Cの右横方向又は矢印Dの左横方向へ体重移動した姿勢から、車両が停止状態になる垂直姿勢に一度戻すことなく、体重移動の姿勢をさらに後方又は前方に変えると、図5の矢印Cの右横方向及び矢印Dの左横方向の走行から、矢印C1もしくはD1の右方向、又は矢印C2又はD2の左方向へ方向変換させることができる。
制御部13は、運転者Mが上記体重移動姿勢を変えたことに対応し、ジャイロセンサ136から入力する制御指令に基づいた演算の結果として、図5に示す、前進方向A又は後進方向Bの走行から、矢印A1もしくはB1の右方向、又は矢印A2又はB2の左方向へ方向変換させる制御内容を導出し、回転体17a,17bに車輪の前進方向又は後進方向の回転を加えて方向変換させる制御を行うように構成されている。
なお、制御部13が、回転体1つ分の角度内で、ホイール16を回転して、図18(b)に示すように、接地走行する回転体が2つになる状態に維持して横方向の走行を行わせ、運転者Mが方向変換の体重移動姿勢をとったとき、接地状態にある2つの回転体のうちの、一方の回転体の接地部分の周速度を他方の回転体の接地部分の周速度と相違させることで方向変換ができ、方向変換の体重移動姿勢を戻さなければピボットターンが行える。
以上説明したように、この実施形態によれば、半紡錘形の回転体17a,17bを用いていることで、ホイール16を駆動回転しかつ回転体17a,17bを一定速度で駆動回転するときに生じる横方向移動成分の速度変動についても、回転体17a,17bを変速回転させ、回転体17a,17bの接地部分の周速を安定させることで解消している。
さらにその上に、倒立制御を行いながら、前後左右、斜め四方の全方向に移動できるだけでなく、方向変換を自由に制御できる全駆動型回転体付き車輪並びに倒立制御型一輪車を実現している。上記説明から分かるように、方向変換を自由に制御できる前提の技術として、1つ置きの第1群の各回転体17aと、残り1つ置きの第2群の各回転体17bとを、走行用モータ15とは別の2つのモータで個々に駆動回転させる技術の実現が必要であり、ホイールの小さなスペースに第1の回転分配伝達機構22と、第2の回転分配伝達機構23とを備えたことで実現できたものである。
〔第2実施形態〕
図19は、第2実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この第2実施形態の全駆動型回転体付き車輪2は、全ての回転体を個別に駆動回転するために、1つ置きの第1群の各回転体17aの内部空間に位置して固定された「従車」としての従動ハイポイド歯車21cが備えられ、この従動ハイポイド歯車21cに原動ハイポイド歯車22dが噛み合わされ、残り1つ置きの第2群の各回転体17bの内部空間に位置して固定された「従車」としての従動ハイポイド歯車21dが備えられ、この従動ハイポイド歯車21dに原動ハイポイド歯車23dが噛み合わされていることが、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と比較して相違する。また、第1の太陽平歯車22aと第2の太陽平歯車23aの向きが、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と比較して反対になっている。その他の構成については、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と相違しない。
従って、第2実施形態の全駆動型回転体付き車輪2の構成要素について、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1の構成要素と同一のものについては同一符号を付し、説明を省略する。また、第2実施形態の全駆動型回転体付き車輪2の作用効果についても、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と同一であるので、説明を省略する。
〔第3実施形態〕
図20は、第3実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪3は、ホイール16の外周に配設される回転体17a,17bが摩擦車として構成され、各回転体17a又は17bに押し付けられる原摩擦車22g又は23gがホイール16内に備えられ、フリクションドライブによる回転伝達が行われる構成が、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と相違する。
このため、第1の回転分配伝達機構22は、第1の太陽傘歯車22aと、遊星傘歯車22bと、遊星傘歯車22bと同軸一体の中間小傘歯車22eと、原摩擦車22gと同軸一体に設けられ中間小傘歯車22eと噛み合う中間大傘歯車22fと、を有してなり、また、第2の回転分配伝達機構23は、第2の太陽傘歯車23aと、遊星傘歯車23bと、遊星傘歯車23bと同軸一体の中間小傘歯車23eと、原摩擦車23gと同軸一体に設けられ中間小傘歯車23eと噛み合う中間大傘歯車23fと、を有してなる。
走行用モータ15の回転をホイール16に伝達する回転伝達機構20は、巻掛機構ではなく、モータ出力軸に備えられた小平歯車20dと、ホイール16の側面に備えられた大平歯車20eとの噛み合いよりなる歯車伝達機構が採用されている。
その他の構成については、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と相違しない。
従って、第3実施形態の全駆動型回転体付き車輪2の構成要素について、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1の構成要素と同一のものについては同一符号を付し、説明を省略する。また、第3実施形態の全駆動型回転体付き車輪2の作用効果についても、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と同一であるので、説明を省略する。
〔第4実施形態〕
図21は、第4実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪4は、第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19とがホイール16内に備えられ、モータ18,19に給電する給電手段27が、ホイール16を支持する中空の車軸20fに固定された2つのスリップリング27a及び各スリップリングに摺接するブラシ27aを含んで構成されている。ホイール16内にはスレーブ制御部28が備えられ、スレーブ制御部28には、第1及び第2の回転体用モータ18,19を駆動するモータドライバ281,282が備えられる。制御部13とホイール16内に備えられたスレーブ制御部28は、車軸20fの中心孔の車体側フレーム側に配置された送信部29aと車軸20fの中心孔のホイール側に配置された受信部29bとの間で電波通信又は光通信を行うことにより、第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19の回転制御を行う。
走行用モータ15の回転をホイール16に伝達する回転伝達機構20は、モータ出力軸に備えられた小平歯車20dと、車軸20fに備えられた大平歯車20gとの噛み合いよりなる歯車伝達機構が採用されている。
その他の構成については、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1と相違しない。
従って、第3実施形態の全駆動型回転体付き車輪2の構成要素について、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1の構成要素と同一のものについては同一符号を付し、説明を省略する。
第4実施形態の全駆動型回転体付き車輪4では、第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19とがホイール16内に備えられているので、制御部13は、第1の回転体用モータ18と第2の回転体用モータ19に対して、第1実施形態の全駆動型回転体付き車輪1とは相違する制御を行う。
詳述すると、第1及び第2の回転体用モータ18,19とがホイール16内に備えられているので、回転体17a,17bの回転は、走行用モータ15の回転に対し、第1及び第2の回転体用モータ18,19を相対回転が生じるようにすることで生起するのではなく、走行用モータ15の回転に関係なく、第1及び第2の回転体用モータ18,19の回転によって生起する。
従って、制御部13は、3つのモータ15,18,19の倒立制御を行いながら、前進走行又は後進走行を行わせる場合には、走行用モータ15の走行制御を行い、横方向走行を行わせる場合には、第1及び第2の回転体用モータ18,19の走行制御を行い、斜め方向走行を行わせる場合には、走行用モータ15の走行制御と第1及び第2の回転体用モータ18,19の走行制御を行う。そして、方向変換の制御を行う場合には、第1の回転体用モータ18の走行制御と、第2の回転体用モータ19の走行制御とを、位相を異ならせた変速制御を行う。方向変換の詳細な制御については、第1実施形態の場合と同様であるので、説明を省略する。
〔第5実施形態〕
図22は、第5実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪5は、全ての回転体を個別に駆動回転するために、1つ置きの第1群の各回転体17aの内部空間に、「従車」としての従動ハイポイド歯車21cが備えられ、この従動ハイポイド歯車21cに原動ハイポイド歯車22dが噛み合わされ、残り1つ置きの第2群の各回転体17bの内部空間に、「従車」としての従動ハイポイド歯車21dが備えられ、この従動ハイポイド歯車21dに原動ハイポイド歯車23dが噛み合わされている。この構成は、第2実施形態と同一である。
第1及び第2の回転体用モータ18,19は、第4実施形態と同様にホイール16内に備えられている。第1の回転体用モータ18は、第1の太陽平歯車22hと、原動ハイポイド歯車22dと一軸一体に設けられている。従って、この第1の回転体用モータ18の回転は、第1の太陽平歯車22hに噛み合う遊星傘歯車平歯車22iを介して、原動ハイポイド歯車22dに伝達され、1つ置きの第1群の各回転体17aに伝達される。第2の回転体用モータ19は、第2の太陽平歯車23hと、原動ハイポイド歯車23dと一軸一体に設けられている。従って、第2の回転体用モータ19の回転は、第2の太陽平歯車23hに噛み合う遊星傘歯車平歯車23iを介して、原動ハイポイド歯車23dに伝達され、1つ置きの第2群の各回転体17bに伝達される。
その他の構成については、第4実施形態の全駆動型回転体付き車輪4と相違しない。
従って、第5実施形態の全駆動型回転体付き車輪5の構成要素について、第4実施形態の全駆動型回転体付き車輪4の構成要素と同一のものについては同一符号を付し、説明を省略する。全駆動型回転体付き車輪5の作用効果は、全駆動型回転体付き車輪4の作用効果と同様であるので説明を省略する。
〔第6実施形態〕
図23は、第6実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪6は、ホイール16の周囲に配列された回転体が、径が大きい樽形の回転体17cと、径の小さい樽形の回転体17dとを交互に配列し、かつ、回転体17dの径が小さい端部の一部を、隣接の回転体17cの径が大きい端部に入り込ませた状態に備えている。
図示していないが、1つ置きの第1群の回転体17cを駆動回転するための第1の回転体用モータ及び第1の回転分配伝達機構と、残り1つ置きの第1群の回転体17dを駆動回転する第2の回転体用モータ及び第2の回転分配伝達機構は、図3、図19、図20、図21、図22に示す構成のいずれかが採用されているものとする。
この全駆動型回転体付き車輪6の制御部は、図24に示すように、前進方向又は後進方向の走行時に方向変換する場合には、回転体17cが第1の速度グラフで示す間欠回転を行い、回転体17dが第2の速度グラフで示す間欠回転を行うようにモータ制御を行う。第1の速度グラフと第2の速度グラフは、回転体1つ分の位相を異ならせて、各回転体17c,17dの接地状態が始まるときに間欠回転P3を行うことを示している。
図25(a)は、回転体17dの接地状態が終わりになると共に次の回転体17cの接地状態が始まり、該2つの回転体17c、17dが共に接地状態にある時間帯に、接地状態が終わりになる回転体17dを回転させず、接地状態が始まる回転体17cを回転させる状態を示す。図25(b)は、ホイール16が回転体1つ分回転し、回転体17cの接地状態が終わりになると共に次の回転体17dの接地状態が始まり、該2つの回転体17c、17dが共に接地状態にある時間帯に、接地状態が終わりになる回転体17cを回転させず、接地状態が始まる回転体17dを回転させる状態を示す。図25(a)に示す状態と図25(b)に示す状態とを交番して行うと、前進方向又は後進方向の走行状態から右へ方向変換できる。
図26(a)と(b)は、前進方向又は後進方向の走行状態から左へ方向変換するところを示している。
図27は、斜め方向の走行時に方向変換できることを示している。
この全駆動型回転体付き車輪6の制御部は、図27に示すように、斜め方向に走行する場合には、回転体17cが第1の速度グラフで示す変速回転を行い、回転体17dが第2の速度グラフで示す変速回転を行うようにモータ制御を行う。これによって、回転体17cと回転体17dの接地部分の周速が一定になり、斜め方向に走行する場合の横移動成分が一定になり、安定した速度を保つ。
斜め方向の走行時に方向変換する場合には、回転体17cが第1の速度グラフに瞬時増速回転P4を加えた速度グラフで間欠回転を行い、回転体17dが第2の速度グラフに瞬時増速回転P4を加えた速度グラフで間欠回転を行うようにモータ制御を行う。第1の速度グラフと第2の速度グラフは、回転体1つ分の位相を異ならせて、各回転体17c,17dの接地状態が始まるときに瞬時増速回転P4を行うことを示している。
図28(a)は、右斜め方向への走行状態を示しており、回転体17cと回転体17dは、接地部分の周速が同一である。図28(b)は、右斜め方向に走行する状態から、接地状態が始まる回転体17cが瞬時増速回転P4を行うことにより、右へ方向変換する状態を示す。図28(c)は、右斜め方向への走行状態から、接地状態が終わりになる回転体17dが瞬時減速回転を行うことにより、右へ方向変換する状態を示す。
図29(a)は、左斜め方向への走行状態を示している。図29(b)は、右斜め方向の走行する状態から、接地状態が始まる回転体17cが瞬時増速回転P4を行うことにより、左へ方向変換する状態を示す。図29(c)は、左斜め方向への走行状態から、接地状態が終わりになる回転体17dが瞬時減速回転を行うことにより、左へ方向変換する状態を示す。
〔第7実施形態〕
図30は、第7実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪7は、ホイール16の周囲に配列された回転体が、同一径の樽形であり、図示していないが、1つ置きの第1群の回転体17eを駆動回転するための第1の回転体用モータ及び第1の回転分配伝達機構と、残り1つ置きの第2群の回転体17fを駆動回転する第2の回転体用モータ及び第2の回転分配伝達機構は、図3、図19、図20、図21、図22に示す構成のいずれかが採用されているものとする。
この全駆動型回転体付き車輪7の制御部は、図31に示すように、前進方向又は後進方向の走行時に方向変換する場合には、回転体17eが第1の速度グラフで示す間欠回転を行い、回転体17fが第2の速度グラフで示す間欠回転を行うようにモータ制御を行う。第1の速度グラフと第2の速度グラフは、回転体1つ分の位相を異ならせて、各回転体17e,17fの接地状態が始まるときに間欠回転P5を行うことを示している。
図32は、斜め方向の走行時に方向変換できることを示している。
この全駆動型回転体付き車輪7の制御部は、図32に示すように、斜め方向へ走行する場合には、回転体17eが第1の速度グラフで示す変速回転を行い、回転体17fが第2の速度グラフで示す変速回転を行うようにモータ制御を行う。これによって、回転体17eと回転体17fの接地部分の周速が一定になり、斜め方向へ走行する場合の横移動成分が一定になり、安定した速度を保つ。
斜め方向の走行時に方向変換する場合には、回転体17eが第1の速度グラフに瞬時増速回転P6を加えた速度グラフで間欠回転を行い、回転体17fが第2の速度グラフに瞬時増速回転P6を加えた速度グラフで間欠回転を行うようにモータ制御を行う。第1の速度グラフと第2の速度グラフは、回転体1つ分の位相を異ならせて、各回転体17c,17dの接地状態が始まるときに瞬時増速回転P6を行うことを示している。
〔第8実施形態〕
図33は、第8実施形態の全駆動型回転体付き車輪を示す。この全駆動型回転体付き車輪8は、ホイール16の周囲に配列された回転体が、同一径の樽形であり、図示していないが、1つ置きの第1群の回転体17gを駆動回転するための第1の回転体用モータ及び第1の回転分配伝達機構と、残り1つ置きの第2群の回転体17hを駆動回転する第2の回転体用モータ及び第2の回転分配伝達機構は、図3、図19、図20、図21、図22に示す構成のいずれかが採用されているものとする。
この全駆動型回転体付き車輪8の制御部は、第7実施形態の全駆動型回転体付き車輪7と同一の制御を行う。なお、回転体の直径変化が少ないので、回転体を一定速度で回転させても周速変化が少なく無視することができるので、回転体を変速させて周速を一定にすることを行わなくてもよい。前進方向又は後進方向の走行時に方向変換する場合、及び斜め方向の走行時に方向変換する場合には、2つの回転体17g、17hが共に接地状態にある時間帯に、いずれかを瞬時増速回転又は瞬時減速回転させる制御を行う。
〔その他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した技術的範囲には、発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々、設計変更した形態が含まれる。
(1)上記実施形態では、全駆動型回転体付き車輪を倒立制御型一輪車について説明したが、本発明は、前輪が2輪、後輪が2輪の4輪車において、前輪又は後輪の2輪を駆動輪として適用する場合も含まれる。
また、前輪が2輪、後輪が2輪の4輪車において、後輪の2輪を別々のモータで直結駆動すると共に、モータの回転を巻掛機構を介して動力分岐し各側の前輪に伝達する構造の4輪駆動車を構成し、前輪に本発明の全駆動型回転体付き車輪を適用するようにしてもよい。この場合には、図1の走行用モータ15は後輪に直結したモータが該当する。
(2)回転体に従動プーリを備えると共にホイール内に太陽歯車の回転を分配伝達される原動プーリを備え、従動プーリと原動プーリとに無端巻掛体を巻掛けした構成も、本発明に含まれる。
1〜8…全駆動型回転体付き車輪(倒立制御型一輪車)、
11…サドル、
12…車体フレーム、
13…制御部、
14…バッテリ、
15…走行用モータ、
16…ホイール、
17a〜17h…回転体、
18…第1の回転体用モータ、
19…第2の回転体用モータ、
20…回転伝達機構、
21a…従動傘歯車(従車)、
21b…従動傘歯車(従車)、
21c…従動ハイポイド歯車、
21d…従動ハイポイド歯車、
22…第1の回転分配伝達機構、
22a…第1の太陽平歯車、
23…第2の回転分配伝達機構、
23a…第2の太陽平歯車、
24…アブソリュートエンコーダ、
M…運転者、

Claims (10)

  1. 車体フレームに回転可能に支持されかつ車体フレームに支持される走行用モータにより駆動回転されるホイールと、
    ホイールの周囲に備えられ車輪外周円の円弧を形成する周面を有し回転体用モータの回転動力を伝達されて車輪の直進方向に対して直交方向へ駆動回転される複数の回転体と、
    上記走行用モータ及び上記回転体用モータの回転を制御する制御部と、
    を備えた全駆動型回転体付き車輪において、
    上記複数の回転体は、1つ置きの第1群の各回転体が第1の回転体用モータの回転動力を個々に伝達され、残り1つ置きの第2群の各回転体が第2の回転体用モータの回転動力を個々に伝達される構成であり、
    上記制御部は、前進時、後進時及び斜め方向走行時のうち、少なくとも前進時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、一の回転体の接地状態が終わりになると共に次の一の回転体の接地状態が始まり、該2つの回転体が共に接地状態にある時間帯に、上記接地状態が終わりになる回転体の周速と上記接地状態が始まる回転体の周速とを相違させるように、上記第1及び第2の回転体用モータの制御を行う構成であることを特徴とする、全駆動型回転体付き車輪。
  2. 前進時又は後進時に右又は左へ方向変換する指令を入力した場合には、
    制御部は、2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、前記第1及び第2の回転体用モータのうち、前記接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、該接地状態が始まる回転体の周速を前記接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用することを特徴とする、請求項1記戴の全駆動型回転体付き車輪。
  3. 前記複数の回転体が、前記半紡錘形に形成されているか、又は前記径の大きい樽形と径が小さい樽形とが交互に配列されていて、径が小さい端部の一部が隣接する回転体の径の大きい端部に入り込んだ状態にかつ径が小さい端部の一部が隣接する回転体の径の大きい端部に入り込んだ状態に備えられた構成である場合には、
    前記制御部は、
    前記斜め方向走行時には、上記回転体の接地位置の直径が変化しても接地位置の直径部分の周速が所定速度になるように上記第1及び第2の回転体用モータを変速制御し、かつ一の回転体の大径端部と他の一の回転体の小径端部とが同時に接地状態のときに大径端部の周速と小径端部の周速とが一致するように上記第1及び第2の回転体用モータを位相を異ならせて変速制御し、
    さらに該斜め方向走行時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、前記2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、前記第1及び第2の回転体用モータのうち、前記接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、該接地状態が始まる回転体の周速を前記接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用することを特徴とする、請求項1又は2記戴の全駆動型回転体付き車輪。
  4. 前記複数の回転体が同一の大きさの樽形である場合には、
    前記制御部は、前記斜め方向走行時には、前記回転体の接地位置の直径が変化しても接地位置の直径部分の周速が所定速度になるように、前記第1及び第2の回転体用モータを変速制御し、さらに該斜め方向走行時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、前記2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、前記第1及び第2の回転体用モータのうち、前記接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、該接地状態が始まる回転体の周速を前記接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用することを特徴とする、請求項1又は2記戴の全駆動型回転体付き車輪。
  5. 前記複数の回転体が、同一の大きさの略短円筒形である場合には、
    前記制御部は、前記第1及び第2の回転体用モータを定速制御し、さらに該斜め方向走行時に右又は左へ方向変換する指令を入力したときは、前記2つの回転体が共に接地状態にある時間帯だけ、前記第1及び第2の回転体用モータのうち、前記接地状態が始まる回転体を駆動回転させる一方の回転体用モータについて、該接地状態が始まる回転体の周速を前記接地状態が終わりになる回転体の周速に対して相違させる制御を行うことを、第1及び第2の回転体用モータを交番させて適用することを特徴とする、請求項1又は2記戴の全駆動型回転体付き車輪。
  6. 前記複数の回転体に対し個々に回転を与える回転手段は、
    各回転体に固定された従車と、
    前記ホイール内に備えられた第1の太陽歯車を含み第1の太陽歯車の回転を上記複数の回転体のうち、1つ置きの第1群の回転体に固定された上記従車に分配伝達する第1の回転分配伝達機構と、
    前記ホイール内に備えられた第2の太陽歯車を含み第2の太陽歯車の回転を残り1つ置きの第2群の回転体に固定された上記従車に分配伝達する第2の回転分配伝達機構と、
    を備えてなることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の全駆動型回転体付き車輪。
  7. 前記複数の回転体に対し個々に回転を与える回転手段は、
    前記ホイール内に備えられた第1の太陽歯車を含み第1の太陽歯車の回転を、上記複数の回転体のうち1つ置きの第1群の回転体に対し、フリクションドライブにより分配伝達する第1の回転分配伝達機構と、
    前記ホイール内に備えられた第2の太陽歯車を含み第2の太陽歯車の回転を、残り1つ置きの第2群の回転体に対し、フリクションドライブにより分配伝達する第2の回転分配伝達機構と、
    を備えてなることを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の全駆動型回転体付き車輪。
  8. 前記第1及び第2の回転体用モータが前記ホイール外に備えられていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の全駆動型回転体付き車輪。
  9. 前記第1及び第2の回転体用モータが前記ホイール内に備えられていることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれかに記載の全駆動型回転体付き車輪。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の全駆動型回転体付き車輪を備え、前記制御部が、前記走行用モータに対して車両の前後方向の倒立制御を行うと共に、前記第1及び第2の回転体用モータに対して車両の横方向の倒立制御を行う構成でなる、倒立制御型一輪車。
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