JP5337650B2 - 倒立振子型移動体 - Google Patents

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本発明は、倒立振子型移動体に関するものである。
従来から倒立振子型の移動体を利用して、床面上を全方向(2次元的な全方向)に移動可能とする全方向移動車両が、本願出願人により提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に見られる全方向移動車両(以下、車両という)は、床面に接地しながら床面上を全方向に移動可能な、球体状、車輪状またはクローラ状の移動動作部(移動動作部)と、移動動作部を駆動する電動モータ等を有するアクチュエータ装置とが基体に組み付けられている。
上述した車両では、アクチュエータ装置により移動動作部を駆動することによって、乗員および車両の全体の重心点が、移動動作部の接地面のほぼ真上に位置するように、車両を移動させる制御が行われる。
国際公開第2008/132779号
ところで、上述した車両には様々な使い方が考えられる。例えば、ワイヤや鎖等の紐状体を用いて複数台の車両同士を前後方向で列をなすように連結し、前方を走行する車両(以下、前方車両という)によって後方を走行する車両(以下、後方車両という)を引っ張りながら列をなして走行させる等が考えられる。具体的に、まず前方車両である自車両を走行させると、自車両の駆動力によって、後方車両には紐状体を介して自車両の進行方向に沿って引張力が作用する。この引張力によって後方車両が自車両の進行方向に向けて傾けられることで、後方車両の重心位置が変化し、後方車両は前方車両に追従して走行することになる。
しかしながら、紐状体の取り付け位置によっては、後方車両から紐状体を介して作用する引張力によって、自車両を目標通り走行させることができないという問題がある。
図13に示すように、自車両100には、自車両100の接地点(路面と移動動作部との接地点)に進行方向(図13中破線E)へ向かう駆動力Q1が作用する一方、自車両100における後方車両101との紐状体102の取付部には、後方車両101から自車両100に作用する引張力Q2(自車両100から後方車両101に作用する引張力の反力)が作用する。この場合、引張力Q2の作用点P(自車両100の紐状体102の取付部)と、自車両100の接地点と車両重心とを結ぶ基準軸Rとのズレ量及びズレ方向が大きいと(例えば、自車両100の紐状体取付部が、自車両100の基準軸Rより前方に配置されていると)、自車両100の走行に伴って基準軸R周りのモーメントが発生し、このモーメントにより自車両100が基準軸R(ヨー軸)周りに回転する。その結果、自車両100の向きが変わってしまい、自車両100が進行方向を向いて走行することが困難になる。
そこで本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、複数台の移動体を連結して走行させる場合であっても、移動体を目標の進行方向に向けた状態でスムーズに走行させることができる倒立振子型移動体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の倒立振子型移動体は、基体と、該基体に接続され、該基体を前後左右方向に移動可能とする少なくとも一つの車輪よりなる移動動作部と、該移動動作部を駆動する駆動部と、該駆動部を制御する制御部と、を有する倒立振子型移動体において、後方を走行する移動体に連結された第1の紐状体を取り付ける第1紐状体取付部と、前方を走行する移動体に連結された第2の紐状体を取り付ける第2紐状体取付部と、を有し、前記第1紐状体取付部は、前記移動動作部の車輪回転中心点と前記倒立振子型移動体の装置重心点とを結んだ基準線上、または前記基準線よりも後方に配置され、前記第2紐状体取付部は、前記基準線よりも前方に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、倒立振子移動体(以下、自移動体という)の第1紐状体取付部に第1の紐状体を連結することで、第1の紐状体を介して自移動体の後方を走行する移動体(以下、後方移動体という)を連結することができる。これにより、自移動体の動作に追従させて後方移動体を走行させることが可能になる。
この場合、自移動体における移動動作部の車輪回転中心点と自移動体の装置重心点とを結んだ基準線上、または基準線よりも後方に第1紐状体取付部を配置することで、第1紐状体取付部が基準線よりも前方に配置されている場合と比べて、自移動体に作用する基準線周りのモーメントを低減することができるので、後方移動体からの引張力による自移動体の基準線周りの回転量を抑制することができる。すなわち、後方移動体の動作が自移動体に及ぶ影響を可能な限り排除することができる。その結果、複数台の移動体を連結して走行させる場合であっても、自移動体を目標の進行方向に向けた状態でスムーズに走行させることができる。
また、自移動体の第2紐状体取付部に第2の紐状体を連結することで、第2の紐状体を介して自移動体の前方を走行する前方移動体を連結することができる。
この場合、上述した基準線よりも前方に第2紐状体取付部を配置することで、第2紐状体が基準線上、または基準線よりも後方に配置されている場合に比べて、自移動体に作用する基準線周りのモーメントを小さくすることができるので、自移動体の基準線周りの回転量を抑制することができる。すなわち、自移動体を前方移動体の動作に追従しやすくすることができる。その結果、複数台の移動体を連結して走行させる場合であっても、自移動体を目標の進行方向に向けた状態でスムーズに走行させることができる。
また、前記第1紐状体取付部はヨー軸周りに揺動可能に構成されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1紐状体取付部を揺動可能に構成することで、第1紐状体取付部に連結される第1の紐状体も第1紐状体取付部の揺動中心周りに揺動することになる。そのため、例えば自移動体の進行方向を変更した場合等、後方移動体から自移動体に作用する引張力の作用点と基準線とのズレ量及びズレ方向が大きくずれていた場合に、これらを小さくするように第1紐状体取付部が第1の紐状体とともに揺動することになる。すなわち、自移動体の駆動力の作用線と、後方移動体から自移動体に作用する引張力の作用線とが直線上に配置されるように、第1紐状体取付部が揺動することになる。これにより、自移動体に作用する基準線周りのモーメントをさらに低減することができる。
また、前記第1の紐状体の揺動中心が、前記第1紐状体取付部よりも前方かつ、前記基準線上、または前記基準線よりも後方に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第1の紐状体の揺動中心を基準線に近接させることで、自移動体に作用する基準線周りのモーメントをさらに低減することができる。
また、前記接地点直上の点を中心にしてヨー軸周りに形成された円弧状のレールを備え、前記第1紐状体取付部は、前記レール上を揺動可能に設けられていることを特徴とする。
この構成によれば、第1紐状体取付部に連結された第1の紐状体は、レールの中心(接地点直上の点)を揺動中心にして揺動することになるので、自移動体に作用する基準線周りのモーメントがほとんど発生しないという効果がある。
また、前記第2紐状体取付部は、前記第1の紐状体の揺動中心よりも前記基準線に対して遠い位置に配置されていることを特徴とする。
この構成によれば、第2紐状体取付部で基準線周りに発生するモーメントを、第1紐状体取付部で基準線周りに発生するモーメントに比べて大きくすることができる。そのため、自移動体の向きが前方移動体の進行方向に一致しやすくなる。
また、前記第1紐状体取付部は、前記第2紐状体取付部よりも下方に取り付けられていることを特徴とする。
本発明によれば、倒立振子移動体(以下、自移動体という)の第1紐状体取付部に第1の紐状体を連結することで、第1の紐状体を介して自移動体の後方を走行する移動体(以下、後方移動体という)を連結することができる。これにより、自移動体の動作に追従させて後方移動体を走行させることが可能になる。
この場合、自移動体における移動動作部の車輪回転中心点と自移動体の装置重心点とを結んだ基準線上、または基準線よりも後方に第1紐状体取付部を配置することで、第1紐状体取付部が基準線よりも前方に配置されている場合と比べて、自移動体に作用する基準線周りのモーメントを低減することができるので、後方移動体からの引張力による自移動体の基準線周りの回転量を抑制することができる。すなわち、後方移動体の動作が自移動体に及ぶ影響を可能な限り排除することができる。その結果、複数台の移動体を連結して走行させる場合であっても、自移動体を目標の進行方向に向けた状態でスムーズに走行させることができる。
本発明の実施形態における車両の正面図である。 車両の側面図である。 車両の下部(移動動作部及びアクチュエータ装置)の拡大断面図である。 車両の下部(移動動作部及びアクチュエータ装置)の拡大斜視図である。 車輪体の斜視図である。 車輪体とフリーローラとの配置関係を示す図である。 図2のB−B線に沿う断面図である。 本発明の実施形態における複数台の車両が連結された状態を示す側面図である。 複数台の車両が連結された状態における車両の動作を示す説明図(平面図)である。 複数台の車両が連結された状態における車両の動作を示す説明図(平面図)である。 第2リンク部の他の構成を示す車両の平面図である。 第2リンク部の他の構成を示す車両の平面図である。 従来における複数台の車両が連結された状態での車両の動作を示す説明図(平面図)である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、車両の正面図であり、図2は側面図である。
図1,図2に示すように、本実施形態の全方向移動車両1(以下、車両1という)は、紐状体4(第1紐状体、第2紐状体)を用いて前後方向で他の車両1を連結可能に構成されたものである。具体的に、車両1は、乗員(運転者)が乗車するためのシート3と、床面Fに接地しながら床面F上を全方向(前後方向及び左右方向を含む2次元的な全方向)に移動可能な移動動作部5と、この移動動作部5を駆動する動力を移動動作部5に付与するアクチュエータ装置7と、これらのシート3、移動動作部5及びアクチュエータ装置7が組付けられた基体9とを備えている。
ここで、本実施形態の説明では、「前後方向」、「左右方向」は、それぞれ、シート3に標準的な姿勢で搭乗した乗員の上体の前後方向、左右方向に一致もしくはほぼ一致する方向を意味する。なお、「標準的な姿勢」は、シート3に関して設計的に想定されている姿勢であり、乗員の上体の体幹軸を概ね上下方向に向け、且つ、上体を捻ったりしていない姿勢である。
この場合、図1においては、「前後方向」、「左右方向」はそれぞれ、紙面に垂直な方向、紙面の左右方向であり、図2においては、「前後方向」、「左右方向」はそれぞれ、紙面の左右方向、紙面に垂直な方向である。また、本実施形態の説明では、参照符号に付する添え字「R」,「L」は、それぞれ車両1の右側、左側に対応するものという意味で使用する。
基体9は、移動動作部5及びアクチュエータ装置7が組付けられた下部フレーム11と、この下部フレーム11の上端から上方に延設された支柱フレーム13とを備えている。
支柱フレーム13は、上半部13aと下半部13bとが6軸力センサ8によって連結されている。この6軸力センサ8は、3軸方向の力とモーメントとをそれぞれ計測するためのセンサである。支柱フレーム13の上半部13a側における上部には、支柱フレーム13から前方に向けて張り出したシートフレーム15が固定されている。そして、このシートフレーム15上に、乗員が着座するシート3が装着されている。したがって、本実施形態における車両1は、乗員がシート3に着座した状態で、床面F上を移動するものである。
また、シート3の左右には、シート3に着座した乗員が必要に応じて把持するためのグリップ17R,17Lが配置され、これらのグリップ17R,17Lがそれぞれ、支柱フレーム13(またはシートフレーム15)から延設されたブラケット19R,19Lの先端部に固定されている。
下部フレーム11は、左右方向に間隔を存して二股状に対向するように配置された一対のカバー部材21R,21Lを備えている。これらのカバー部材21R,21Lの上端部(二股の分岐部分)は、前後方向の軸心を有するヒンジ軸23を介して連結され、カバー部材21R,21Lの一方が他方に対して相対的にヒンジ軸23(ロール軸)の周りに揺動可能となっている。この場合、カバー部材21R,21Lは、図示しないバネによって、カバー部材21R,21Lの下端部側(二股の先端側)が狭まる方向に付勢されている。
また、カバー部材21R,21Lのそれぞれの外面部には、シート3に着座した乗員の右足を載せるステップ25Rと左足を載せるステップ25Lとが各々、右向き、左向きに張り出すように突設されている。
図3は車両の下部(移動動作部及びアクチュエータ装置)の拡大断面図であり、図4は斜視図である。また、図5は移動動作部(車輪体)の斜視図であり、図6は移動動作部(車輪体体)とフリーローラとの配置関係を示す図である。
図3〜図6に示すように、移動動作部5及びアクチュエータ装置7は、下部フレーム11のカバー部材21R,21Lの間に配置されている。具体的に、移動動作部5は、ゴム状弾性材等により円環状に形成された車輪体であり、ほぼ円形の横断面形状を有する。移動動作部5(以下、車輪体5という)は、その弾性変形によって、図5,図6の矢印Y1で示すように、円形の横断面の中心C1(より詳しくは、円形の横断面中心C1を通って、車輪体5の軸心と同心となる円周線)の周りに回転可能となっている。また車輪体5は、その軸心C2(車輪体5全体の直径方向に直交する軸心C2)を左右方向に向けた状態で、カバー部材21R,21Lの間に配置され、車輪体5の外周面の下端部にて床面に接地する。
そして、車輪体5は、アクチュエータ装置7による駆動(詳細は後述する)によって、図5の矢印Y2で示すように車輪体5の軸心C2の周りに回転する動作(床面F上を輪転する動作)と、車輪体5の横断面中心C1の周りに回転する動作とを行なうことが可能である。その結果、車輪体5は、それらの回転動作の複合動作によって、床面F上を全方向に移動することが可能となっている。
アクチュエータ装置7は、車輪体5と右側のカバー部材21Rとの間に介装される回転部材27R及びフリーローラ29Rと、車輪体5と左側のカバー部材21Lとの間に介装される回転部材27L及びフリーローラ29Lと、回転部材27R及びフリーローラ29Rの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Rと、回転部材27L及びフリーローラ29Lの上方に配置されたアクチュエータとしての電動モータ31Lとを備えている。
電動モータ31R,31Lは、それぞれのハウジングがカバー部材21R,21Lに各々取付けられている。なお、図示しないが、電動モータ31R,31Lの電源(蓄電器)は、支柱フレーム13等、基体9の適所に搭載されている。
回転部材27Rは、左右方向の軸心を有する支軸33Rを介してカバー部材21Rに回転可能に支持されている。同様に、回転部材27Lは、左右方向の軸心を有する支軸33Lを介してカバー部材21Lに回転可能に支持されている。この場合、回転部材27Rの回転軸心(支軸33Rの軸心)と、回転部材27Lの回転軸心(支軸33Lの軸心)とは同軸心である。回転部材27R,27Lは、それぞれ電動モータ31R,31Lの出力軸に、減速機としての機能を含む動力伝達機構を介して接続されており、電動モータ31R,31Lからそれぞれ伝達される動力(トルク)によって回転駆動される。
各動力伝達機構は、例えばプーリ・ベルト式のものである。すなわち、図3に示すように、回転部材27Rは、プーリ35Rとベルト37Rとを介して電動モータ31Rの出力軸に接続されている。同様に、回転部材27Lは、プーリ35Lとベルト37Lとを介して電動モータ31Lの出力軸に接続されている。なお、動力伝達機構は、例えば、スプロケットとリンクチェーンとにより構成されるもの、あるいは、複数のギヤにより構成されるものであってもよい。また、例えば、電動モータ31R,31Lを、それぞれの出力軸が各回転部材27R,27Lと同軸心になるように各回転部材27R,27Lに対向させて配置し、電動モータ31R,31Lのそれぞれの出力軸を回転部材27R,27Lに各々、減速機(遊星歯車装置等)を介して連結するようにしてもよい。
各回転部材27R,27Lは、車輪体5側に向かって縮径する円錐台と同様の形状に形成されており、その外周面がテーパ外周面39R,39Lとなっている。回転部材27Rのテーパ外周面39Rの周囲には、回転部材27Rと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数のフリーローラ29Rが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Rは、それぞれ、ブラケット41Rを介してテーパ外周面39Rに取付けられ、ブラケット41Rに回転自在に支承されている。
同様に、回転部材27Lのテーパ外周面39Lの周囲には、回転部材27Lと同心の円周上に等間隔で並ぶようにして、複数(フリーローラ29Rと同数)のフリーローラ29Lが配列されている。そして、これらのフリーローラ29Lは、それぞれ、ブラケット41Lを介してテーパ外周面39Lに取付けられ、ブラケット41Lに回転自在に支承されている。
上述した車輪体5は、回転部材27R側のフリーローラ29Rと、回転部材27L側のフリーローラ29Lとの間に挟まれるようにして、回転部材27R,27Lと同軸心に配置されている。
この場合、図1及び図6に示すように、各フリーローラ29R,29Lは、その軸心C3が車輪体5の軸心C2に対して傾斜すると共に、車輪体5の直径方向(車輪体5をその軸心C2の方向で見たときに、軸心C2と各フリーローラ29R,29Lとを結ぶ径方向)に対して傾斜する姿勢で配置されている。そして、このような姿勢で、各フリーローラ29R,29Lのそれぞれの外周面が車輪体5の内周面に斜め方向に圧接されている。より一般的に言えば、右側のフリーローラ29Rは、回転部材27Rが軸心C2の周りに回転駆動されたときに、車輪体5との接触面で、軸心C2周りの方向の摩擦力成分(車輪体5の内周の接線方向の摩擦力成分)と、車輪体5の前記横断面中心C1の周り方向の摩擦力成分(円形の横断面の接線方向の摩擦力成分)とを車輪体5に作用させ得るような姿勢で、車輪体5の内周面に圧接されている。左側のフリーローラ29Lについても同様である。
この場合、上述したように、カバー部材21R,21Lは、図示しないバネによって、カバー部材21R,21Lの下端部側(二股の先端側)が狭まる方向に付勢されている。このため、この付勢力によって、右側のフリーローラ29Rと左側のフリーローラ29Lとの間に車輪体5が挟持されるとともに、車輪体5に対する各フリーローラ29R,29Lの圧接状態(より詳しくはフリーローラ29R,29Lと車輪体5との間で摩擦力が作用し得る圧接状態)が維持される。
以上説明した構造を有する車両1においては、電動モータ31R,31Lによりそれぞれ、回転部材27R,27Lを同方向に等速度で回転駆動した場合には、車輪体5が回転部材27R,27Lと同方向に軸心C2の周りに回転することとなる。これにより、車輪体5が床面上を前後方向に輪転して、車両1の全体が前後方向に移動することとなる。なお、この場合は、車輪体5は、その横断面中心C1の周りには回転しない。
また、例えば、回転部材27R,27Lを互いに逆方向に同じ大きさの速度で回転駆動した場合には、車輪体5は、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。これにより、車輪体5がその軸心C2の方向(すなわち左右方向)に移動し、ひいては、車両1の全体が左右方向に移動することとなる。なお、この場合は、車輪体5は、その軸心C2の周りには回転しない。
さらに、回転部材27R,27Lを、互いに異なる速度(方向を含めた速度)で、同方向又は逆方向に回転駆動した場合には、車輪体5は、その軸心C2の周りに回転すると同時に、その横断面中心C1の周りに回転することとなる。
この時、これらの回転動作の複合動作(合成動作)によって、前後方向及び左右方向に対して傾斜した方向に車輪体5が移動し、ひいては、車両1の全体が車輪体5と同方向に移動することとなる。この場合の車輪体5の移動方向は、回転部材27R,27Lの回転方向を含めた回転速度(回転方向に応じて極性が定義された回転速度ベクトル)の差に依存して変化するものとなる。
以上のように車輪体5の移動動作が行なわれるので、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転速度(回転方向を含む)を制御し、ひいては回転部材27R,27Lの回転速度を制御することによって、車両1の移動速度及び移動方向を制御できることとなる。
本実施形態の車両1において、基体9が傾倒しないようにするためには、乗員及び車両1の全体の重心点G(車両1に乗員が搭乗していない状態では、車両1の単体の重心)が車輪体5の接地点Tのほぼ真上に位置するように、車輪体5を動かす必要がある。
そこで、本実施形態では、乗員及び車両1の全体の重心点Gが、車輪体5の中心点(軸心C2上の中心点)のほぼ真上に位置する状態(より正確には重心点Gが車輪体5の接地点Tのほぼ真上に位置する状態)での基体9の姿勢を目標姿勢とし、基本的には、基体9の実際の姿勢を目標姿勢に収束させるように、車輪体5の移動動作が制御される。
また、車両1を旋回させる場合等において、車両1の駆動力とは別に、例えば乗員が必要に応じて自身の足を床面Fに接地させ、車輪体5の向きを変えることで、車両1を旋回させることが可能である。
以上のような動作制御を行なうために、本実施形態では図1,図2に示すように、上述した支柱フレーム13の上半部13a及び下半部13bを結合する6軸力センサ8と、マイクロコンピュータや電動モータ31R,31Lのドライブ回路ユニットなどを含む電子回路ユニットにより構成された制御ユニット(制御部)50と、基体9の所定の部位の鉛直方向(重力方向)に対する傾斜角θb及びその変化速度(=dθb/dt)を計測するための傾斜センサ52と、車両1に乗員が搭乗しているか否かを検知するための荷重センサ54と、電動モータ31R,31Lのそれぞれの出力軸の回転角度及び回転角速度を検出するための角度センサとしてのロータリーエンコーダ56R,56Lがそれぞれ、車両1の適所に搭載されている。なお上述した制御ユニット50は、例えば、基体9の支柱フレーム13の下半部13b内部に収容される一方、傾斜センサ52は上半部13a内部に収容されている。また、荷重センサ54は、シート3に内蔵されている。また、ロータリーエンコーダ56R,56Lは、それぞれ、電動モータ31R,31Lと一体に設けられている。なお、ロータリーエンコーダ56R,56Lは、それぞれ、回転部材27R,27Lに装着してもよい。
6軸力センサ8は、支柱フレーム13の上半部13aに作用する力及びモーメントを検出し、この検出信号を制御ユニット50に出力する。そして、制御ユニット50が、6軸力センサ8の出力を基に、所定の計測演算処理(これは公知の演算処理でよい)を実行することによって、上半部13aに作用する力及びモーメントの方向及び大きさを算出する。
傾斜センサ52は、加速度センサとジャイロセンサ等のレートセンサ(角速度センサ)とから構成され、これらのセンサの検出信号を制御ユニット50に出力する。そして、制御ユニット50が、傾斜センサ52の加速度センサ及びレートセンサの出力を基に、所定の計測演算処理(これは公知の演算処理でよい)を実行することによって、傾斜センサ52を搭載した部位(本実施形態では支柱フレーム13)の、鉛直方向に対する傾斜角度θbの計測値とその変化速度(微分値)である傾斜角速度θbdotの計測値とを算出する。
荷重センサ54は、乗員がシート3に着座した場合に乗員の重量による荷重を受けるようにシート3に内蔵され、その荷重に応じた検出信号を制御ユニット50に出力する。そして、制御ユニット50が、この荷重センサ54の出力により示される荷重の計測値に基づいて、車両1に乗員が搭乗しているか否かを判断する。なお、荷重センサ54の代わりに、例えば、乗員がシート3に着座したときにONとなるようなスイッチ式のセンサを用いてもよい。
ロータリーエンコーダ56Rは、電動モータ31Rの出力軸が所定角度回転する毎にパルス信号を発生し、このパルス信号を制御ユニット50に出力する。そして、制御ユニット50が、そのパルス信号を基に、電動モータ53Rの出力軸の回転角度を計測し、さらにその回転角度の計測値の時間的変化率(微分値)を電動モータ53Rの回転角速度として計測する。電動モータ31L側のロータリーエンコーダ56Lについても同様である。
制御ユニット50は、荷重センサ54の出力により、乗員が搭乗している場合における車両1の動作モードである搭乗モードと、乗員が搭乗していない場合における車両1の動作モードである自立モードとを区別して、基体傾斜角度の目標値を設定する。そして、傾斜センサ52による傾斜角度θbの計測値が各モードの目標値に一致するように、しかも傾斜角速度θbdotが0になるように、各電動モータ31R,31Lの回転数を制御する。各電動モータ31R,31Lの回転数の制御は、電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転角速度の目標値である速度指令を決定し、その速度指令に従って、ロータリーエンコーダ56R,56Lによって検出された電動モータ31R,31Lのそれぞれの回転角速度をフィードバック制御する。
また、車両1は制御ユニット50に内蔵された速度リミッターによって最高速度が制限されるようになっている。この場合、後退する際の制限速度は前進する際の制限速度よりも遅く設定されている。
図7は、図2のB−B線に沿う断面図である。
ここで、図2,図7に示すように、支柱フレーム13には、車両1に対して後方に車両を連結するための第1リンク部43と、前方に車両1を連結するための第2リンク部42とを備えている。
まず、第2リンク部42は、支柱フレーム13の上半部13aにおける前面側に取り付けられており、前方に向けて水平面と平行に延在するアーム部44と、アーム部44の先端に形成された第2フック部(第2紐状体取付部)45とを備えている。アーム部44は、上述した重心点Gと車輪体20の接地点Tとを結ぶ基準線(以下、基準軸Aという)よりも前方に向けて延在しており、その先端に第2フック部45が形成されている。第2フック部45は、上方に向けて開口する側面視U字状の部材であり、車両1(以下、自車両1という)に対して前方に配置される車両(以下、前方車両1a(図8参照)という)との連結を行うための紐状体(第2紐状体)4を係止可能に構成されている。そして、紐状体4は、第2フック部45との連結部分を揺動中心にして揺動可能に構成されている(図7中矢印J参照)。なお、上述したように本実施形態の車両1は、接地点Tの真上に重心点Gが位置するように動作制御されるため、基準軸Aは、ヨー軸(床面Fの法線)と同軸となる。また、車輪体5の中心点は、基準軸A上に配置される。
一方、第1リンク部43は、支柱フレーム13の下半部13bにおける後面側に取り付けられており、支柱フレーム13の後側を取り囲むように配置された円弧状のレール47と、レール47と支柱フレーム13とを連結するブラケット48と、レール47上をスライド可能に組み付けられたスライダ機構49とを備えている。
レール47は、上述した基準軸Aと同軸上に中心軸を有する円弧状の部材であり、その周方向両端部と支柱フレーム13とを連結するようにブラケット48が設けられている。
スライダ機構49は、レール47を上下方向から挟むように配置された一対の矩形板からなるスライダ本体61と、スライダ本体61に回転可能に支持された複数(例えば、4つ)のローラ62と、スライダ本体61に形成された第1フック部(第1紐状体取付部)63とを備えている。
各ローラ62は、スライダ本体61の前側及び後側にそれぞれ1対ずつ配置されており、これら各ローラ62によってレール47を幅方向両側から挟持するようになっている。これにより、スライダ本体61は、各ローラ62を介してレール47上をスライド可能に構成されている。すなわち、スライダ機構49は、レール47の中心(基準軸A)を揺動中心にしてレール47上を基準軸A周りに揺動可能に構成されている(図7中矢印K参照)。
第1フック部63は、スライダ本体61の後端部から下方に向けて突出しており、自車両1に対して後方に配置される車両(以下、後方車両1b(図8参照)という)との連結を行うための紐状体(第1紐状体)4を係止可能に構成されている。この場合、第1フック部63は、上述した基準軸Aよりも後方に配置されている。そして、紐状体4は、スライダ機構49の揺動動作に伴って基準軸A周りに揺動可能に構成されている(図7中矢印K参照)。すなわち、第1フック部63に連結される紐状体4は、基準軸Aを見かけの揺動中心として揺動するようになっている。そのため、上述した第2フック部45は、紐状体4の揺動中心(基準軸A)よりも基準軸Aに対して遠い位置に配置されることになる。
このように、本実施形態では、支柱フレーム13の上半部13aに第2リンク部42が、下半部13bに第1リンク部43が連結されるとともに、基準軸Aに対して前方に第2リンク部42の第2フック部45が、後方に第1リンク部43の第1フック部63が配置されることになる。また、スライダ機構49がレール47の周方向中心に配置されている場合には、上下方向から見て第2フック部43と第1フック部63とを結ぶ直線が車両1の左右方向における中心線を通るとともに、基準軸Aと直交することになる。そして、本実施形態の車両1は、上述した第2フック部45及び第1フック部63にそれぞれ紐状体4を係止することにより、自車両1の前方及び後方に他の車両(前方車両1a及び後方車両1b)を連結可能に構成されている。
図8は、複数台の車両が連結された状態を示す側面図である。
図8に示すように、上述した自車両1の前後に前方車両1a及び後方車両1bを連結する場合には、自車両1の第2フック部45と前方車両1aの第1フック部63(図7参照)とを紐状体4を介して架け渡す一方、自車両1の第1フック部63と、後方車両1bの第2フック部45とを紐状体4を介して架け渡すことで、各車両1,1a,1b同士が前後方向で列をなして連結される。これにより、各車両1,1a,1bが前後方向に並んだ状態で走行するようになっている。なお、紐状体4の構成材料としては、繊維を束ねて形成されたものや、金属製のワイヤやチェーン、ゴム等を用いることができる。
紐状体4は、各車両1,1a,1bの相対位置に対応して揺動可能に各フック部45,63に連結されている。具体的に、自車両1の第2フック部45に連結される紐状体4は、第2フック部45を揺動中心にして、前方車両1aの位置に倣って揺動可能に構成されている。一方、第1リンク部43のスライダ機構49は、レール47の中心軸(基準軸A)周りに揺動可能に構成されているため、自車両1の第1フック部63に連結される紐状体4は、スライダ機構49の揺動動作に伴って基準軸A周りに揺動可能に構成されている。すなわち、自車両1と後方車両1bとを連結する紐状体4は、基準軸Aを見かけの揺動中心として揺動可能に構成されている。
ここで、車両1の概略的な動作制御を説明すると、基本的には、基体9を傾けた場合(例えば、シート3に着座した乗員が、乗員と車両1とを合わせた全体の重心点G(図2参照)の位置を動かすように上体を傾けた場合)に、基体9が傾いた側に車両1が移動するように、車輪体5の移動動作が制御される。例えば、乗員が上体を前傾させ、ひいては、基体9をシート3とともに前傾させると、車両1が前方に移動するように、車輪体5の移動動作が制御される。
すなわち、本実施形態では、乗員が上体を動かし、ひいては、シート3とともに基体9を傾動させるという動作が、車両1に対する1つの基本的な操縦操作(車両1の動作要求)とされ、その操縦操作に応じて車輪体5の移動動作がアクチュエータ装置7を介して制御される。
(作用)
次に、作用について説明する。具体的には、紐状体4によって複数台の車両を連結した状態で走行させる場合について説明する。なお、以下の説明では、主として自車両1と後方車両1bとの動作について説明する。
まず、車両1,1bを直進させる場合について説明する。図9は、複数台の車両が連結された状態における動作を示す説明図(平面図)である。
図9に示すように、車両1,1bを直進させる場合には第1フック部45と第1フック部63とを結ぶ直線が自車両1の左右方向における中心線に一致することになる。そのため、第1フック部63において後方車両1bから自車両1に作用する引張力F1と、自車両1の進行方向(図9中破線H1)とが自車両1の上下方向から見て基準軸Aを通る直線上に配置される。すなわち、進行方向に対する引張力F1の作用点(第1フック部63)と基準軸Aとのズレ量(上下方向から見て基準軸Aからの距離)及びズレ方向(基準軸Aに対する左右方向におけるズレ)がほとんどゼロになるので、自車両1には基準軸A周りのモーメントはほとんど発生せず、各車両1,1bともに目標の進行方向に向いた状態で走行することになる。
次に、車両1,1bを左前方に向けて走行させる場合について説明する。図10は、複数台の車両が連結された状態における車両の動作を示す説明図(平面図)である。
図7,図10に示すように、自車両1を左前方に向けることで、自車両1に対して紐状体4が揺動する。具体的に、自車両1に作用する後方車両1bからの引張力F2により、スライダ機構49がレール47上を基準軸A周りに揺動することで、紐状体4も基準軸A周りに揺動することになる。この状態で自車両1を左前方に向けて走行させると(図10中破線H2)、紐状体4は、自車両1の進行方向に対する、後方車両1bから自車両1に作用する引張力F2の作用点(第1フック部63)のズレ量及びズレ方向が小さくなるように揺動する。すなわち、自車両1の進行方向(駆動力の作用線)と、後方車両1bから自車両1に作用する引張力F2の作用線とが直線上に配置されるように、第1フック部63が揺動することになる。そのため、第1フック部63が基体9に固定されている場合に比べて、基準軸A周りのモーメントを低減して、自車両1の基準軸A周りの回転量を抑制することができる。これにより、後方車両1bの動作が自車両1に及ぶ影響を可能な限り排除することができるので、車両1,1bが進行方向に沿って高精度に走行することになる。
そして、自車両1から後方車両1bに引張力が作用することで、後方車両1bには自車両1の進行方向に沿って引張力が作用し、紐状体4が進行方向に一致するように基準軸A周りに揺動していく。これにより、後方車両1bは自車両1の進行方向に沿って除々に向きを変えながら走行することになる。この場合、第1フック部45が基準軸Aよりも前方に配置されているので、基準軸Aよりも後方に配置されている場合に比べて、後方車両1bに作用する基準軸A周りのモーメントを小さくすることができるので、後方車両1bの基準軸A周りの回転量を抑制することができる。すなわち、後方車両1bを自車両1の動作に追従しやすくすることができる。その後、自車両1と後方車両1bとの進行方向が一致して、両車両1,1bが自車両1の進行方向に沿って走行することになる。なお、自車両1が前方車両1aに引っ張られる際も、上述した動作と同様の動作が行われる。
このように、本実施形態では、自車両1における基準軸Aよりも後方に第1フック部63が配置されているため、第1フック部63が基準軸Aよりも前方に配置されている場合と比べて、後方車両1bから自車両1に作用する基準軸A周りのモーメントを低減することができるので、自車両1の基準軸A周りの回転量を抑制することができる。すなわち、後方車両1bの動作が自車両1に及ぶ影響を可能な限り排除することができる。その結果、複数台の車両1を連結して走行させる場合であっても、自車両1を目標の進行方向に向けた状態でスムーズに走行させることができる。
しかも、スライダ機構49(第2フック部63)がレール47上を揺動可能に構成されているため、第2フック部63に連結される紐状体4もスライダ機構49の基準軸A周りに揺動することになる。そのため、例えば自車両1の進行方向を変更した場合等、後方車両1bから自車両1に作用する引張力F2の作用点と基準軸Aとの、自車両1の進行方向に対するズレ量及びズレ方向が大きくずれていた場合に、これらを小さくするように第1フック部63が紐状体4とともに揺動することになる。すなわち、自車両1の駆動力の作用線と、後方車両1bから自車両1に作用する引張力F2の作用線とが直線上に配置されるように、第1フック部63が揺動することになる。これにより、自車両1に作用する基準軸A周りのモーメントをさらに低減することができる。
また、基準軸Aよりも前方に第2フック部45を配置することで、紐状体4が基準軸A上、または基準軸Aよりも後方に配置されている場合に比べて、自車両1に作用する基準軸A周りのモーメントを小さくすることができるので、自車両1の基準軸A周りの回転量を抑制することができる。すなわち、自車両1を前方車両1aの動作に追従しやすくすることができる。
さらに、第2フック部45を、第1フック部63に連結された紐状体4(第1の紐状体)の揺動中心(基準軸A)よりも基準軸Aに対して遠い位置に配置することで、第2フック部45で基準軸A周りに発生するモーメントを、第1フック部63から基準軸A周りに発生するモーメントに比べて大きくすることができる。そのため、自車両1の向きが前方車両1aの進行方向に一致しやすくなる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な構造や形状などはほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
例えば、上述した実施形態では、車輪体20をゴム状弾性材により円環状に形成した場合について説明したが、これに限られることはない。
また、上述した実施形態では、紐状体4の揺動中心(見かけの揺動中心)を基準軸A上に配置した場合について説明したが、これに限られず基準軸Aよりも後方に配置しても構わない。この場合も、第2フック部45が、第1フック部63に連結された紐状体4の揺動中心よりも基準軸Aに対して遠い位置に配置されていることが好ましい。
さらに、上述した実施形態では支柱フレーム13の上半部13aと下半部13bとを6軸力センサ8によって連結する構成について説明したが、6軸力センサ8を設けず、一本のフレームにより支柱フレーム13を構成しても構わない。
また、第1リンク部の構成としては、以下に示すような構成も可能である。
例えば、図11に示す第1リンク部60は、車両1の基準軸Aと同軸上に配置されたピン66と、このピン66に回動可能に支持された連結部材65を備えている。連結部材65は、両端に形成された一対のリング部68,69と、各リング部68,69を架け渡す橋架部67とを備えている。基端側のリング部68は、ピン66に挿通されており、これにより、連結部材65は基準軸Aを中心にしてヨー軸周りに揺動可能に構成されている。一方、先端側のリング部69(第1紐状体取付部)は、紐状体4を連結できるようになっている。これにより、紐状体4は、基端側のリング部68の中心、すなわち基準軸Aを揺動中心にして揺動可能に構成されている。この場合、橋架部67が支柱フレーム13より後方に延在しているので、直接ピン66に紐状体4を取り付ける場合に比べて、周囲にスペースが形成されるため、紐状体4の取り付け作業が容易になるとともに、線径の太い紐状体4を取り付けることが可能になる。
また図12に示す第1リンク部70は、支柱フレーム13の上半部13aの後端部に左右で一対のリング部71を備え、これらリング部71間を架け渡すようにワイヤ72が設けられている。そして、このワイヤ72には、ワイヤ72上を移動可能なスライダ機構73が組み合わされている。スライダ機構73は、ワイヤ72の内側でワイヤ72上を回転可能なローラ74と、ワイヤ72の外側でローラ74を回転可能に支持するブラケット75とを備えている。ブラケット75は、ローラ74を軸方向両端側で支持するように二股状に形成されたものであり、その基端部には後方に向けて延在するフック部76が設けられている。そして、このフック部76に紐状体4が連結されるようになっている。
この場合、スライダ機構73は、リング部71とワイヤ72との連結部分を焦点とした楕円軌道で揺動可能に構成されている。そのため、スライダ機構73に連結される紐状体4もリング部71を焦点とした楕円軌道で揺動可能に構成されている。この場合、紐状体4の揺動中心(見かけの揺動中心)は、揺動動作に連動してリング部71を焦点とした楕円軌道の短軸(前後方向)上に沿って往復移動することになる。
また、3台以上の複数台の車両1を連結させる構成にしても構わない。また、前方車両が本発明の全方向移動車両であれば、後方車両は全方向移動車両でなくてもよい。
さらに、上述した実施形態では、車両1に乗員が乗車している場合について説明したが、乗員を乗せず荷物等を搬送させる場合に用いても構わない。また、例えば、前方車両1aに乗員が乗車して、後方車両1bに荷物を載置して、後方車両1bに載置された荷物を搬送させる場合に利用することもできる。
また、上述した実施形態では、本発明を基体9に車輪体5が1つだけ設けられた一輪車に採用した場合について説明したが、これに限らず車輪体5を複数設けても構わない。さらに、少なくとも1つが全方向に移動可能な車輪体5であれば、他の車輪は車輪体5に従動して回転する従動輪であってもよい。
1…車両(倒立振子型移動体) 1a…前方車両(移動体) 1b…後方車両(移動体) 4…紐状体(第1の紐状体、第2の紐状体) 45…第2フック部(第2紐状体取付部) 50…制御ユニット(制御部) 63,76…第1フック部(第1紐状体取付部) 69…リング部(第1紐状体取付部)

Claims (6)

  1. 基体と、
    該基体に接続され、該基体を前後左右方向に移動可能とする少なくとも一つの車輪よりなる移動動作部と、
    該移動動作部を駆動する駆動部と、
    該駆動部を制御する制御部と、を有する倒立振子型移動体において、
    後方を走行する移動体に連結された第1の紐状体を取り付ける第1紐状体取付部と、
    前方を走行する移動体に連結された第2の紐状体を取り付ける第2紐状体取付部と、を有し、
    前記第1紐状体取付部は、前記移動動作部の車輪回転中心点と前記倒立振子型移動体の装置重心点とを結んだ基準線上、または前記基準線よりも後方に配置され
    前記第2紐状体取付部は、前記基準線よりも前方に配置されていることを特徴とする倒立振子型移動体。
  2. 前記第1紐状体取付部はヨー軸周りに揺動可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の倒立振子型移動体。
  3. 前記第1の紐状体の揺動中心が、前記第1紐状体取付部よりも前方かつ、前記基準線上、または前記基準線よりも後方に配置されていることを特徴とする請求項2記載の倒立振子型移動体。
  4. 前記接地点直上の点を中心にしてヨー軸周りに形成された円弧状のレールを備え、
    前記第1紐状体取付部は、前記レール上を揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の倒立振子型移動体。
  5. 前記第2紐状体取付部は、前記第1の紐状体の揺動中心よりも前記基準線に対して遠い位置に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の倒立振子型移動体。
  6. 前記第1紐状体取付部は、前記第2紐状体取付部よりも下方に取り付けられていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の倒立振子型移動体。
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