JP2011183767A - 封止部材及び液体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザーの経済性を悪化させることなく、かつ、流路内に充填されたインクに起因する品質低下を確実に防止することができる封止部材、及び、液体噴射装置を提供する。
【解決手段】液体噴射装置は、インク接続部からインク供給管を経て液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に液体貯留体の内部に貯留されるインクが充填され、インク接続部が、当該インク接続部の周面を包囲する密封壁部と、インク受容口よりも下方において密封壁部の周面とインク接続部の周面との隙間を埋めるシール部材と、インク受容口を大気開放する空気流路とを備える封止部材と接続され、液体噴射ヘッドのノズル開口が当該ノズル開口を封止するヘッド側封止部材により封止される構成とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体噴射装置に関し、特に予めインク流路内にインクが充填された液体噴射装置に関する。
従来、液体噴射装置の一形態であるインクジェット式プリンター(以下、単にプリンターという。)は、インクカートリッジから供給されるインクを噴射する記録ヘッドを備え、記録ヘッドに設けられたノズルから印刷紙等の被記録媒体に対してインクを吐出することにより印刷が実行される。
例えば、業務用の大型プリンターの場合、記録ヘッドから吐出されるインクの経路は、記録ヘッドから吐出するインクを貯留するインクカートリッジと、インクカートリッジが接続されるカートリッジ接続部と、カートリッジ接続部から記録ヘッドまでインクを供給するためのインクチューブと、インクチューブから供給されるインクを被記録媒体に対して吐出する記録ヘッドとにより構成される。
上記構成における大型プリンターのようにインクの流路が比較的長いプリンターでは、初めてプリンターを使用するときにインクカートリッジから供給されるインクが記録ヘッドまで供給される間に、流路内に気泡が介在する恐れがあるため、工場出荷時に予め物性的にインクと等しい無色の充填液をカートリッジ接続部から記録ヘッドまでのインクの流路に充填し、カートリッジ接続部に密閉型の封止部材を接続するとともに、記録ヘッドのノズル面にキャップを接触させて封止することにより、流路内に気泡が介在するのを抑制することが知られている。
しかしながら、上記従来のプリンターでは流路内に気泡が介在することを抑制することはできるものの、ユーザーによる初回の起動時には、流路内に予め充填された充填液を排出し、ユーザーの手によって接続された新しいインクカートリッジ内に貯留されたインクを流路内に行き渡らせる動作が必要となるため、初回の起動時に取り付けられたインクカートリッジの印刷可能枚数は、充填液とインクとの入れ替えにより消費された分だけ、2回目に取り付けられたインクカートリッジに比べて少なくなるため、ユーザーにとっての経済性が悪化する。
また、充填液を充填するのではなく、予めインクそのものを充填しておくことも考え得るが、従来の封止方法によりインクを充填した場合、出荷後の環境の変化により流路内に圧力変動が生じ、流路内における気泡の発生,成長、或いは、記録ヘッド側のノズルに形成されたメニスカスの破壊、開封前の梱包箱内でのインク流出等に起因する品質の低下を招くことが危惧される。
特開2000−141685号公報
そこで本発明は、上記課題を解決するため、ユーザーの経済性を悪化させることなく、かつ、流路内に充填されたインクに起因する品質低下を確実に防止することができる封止部材、及び、液体噴射装置を提供する。
本発明に係る第1の構成として、複数のノズル開口から被記録媒体にインクを噴射する液体噴射ヘッドと、内部にインクを貯留する液体貯留体の流出口と接続されることにより液体貯留体のインクをインク受容口から流入させるインク接続部と、液体噴射ヘッド及びインク接続部間に接続され、インク接続部から流入するインクを液体噴射ヘッドに供給するインク供給管とを具備し、インク接続部からインク供給管を経て液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に液体貯留体の内部に貯留されるインクが充填され、液体噴射ヘッドのノズル開口が当該ノズル開口を封止するヘッド側封止部材により封止された液体噴射装置におけるインク接続部と接続される封止部材であって、封止部材が、インク接続部の周面を包囲する密封壁部と、インク受容口よりも下方において密封壁部の周面とインク接続部の周面との隙間を埋めるシール部材と、インク受容口を大気開放する空気流路とを備える構成とした。
本発明によれば、封止部材の密封壁部の周面とインク接続部の周面との隙間をシール部材で埋めることにより、インク接続部のインク受容口を閉鎖することなく封止部材がインク接続部を包囲して、インク受容口を大気開放する流路と接続することで、インク接続部からインク供給管を経て液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に充填されたインクを液体噴射装置内に漏らすことなく封止できる。
また、インク供給路内と連通するインク受容口が大気開放されていることにより、充填されたインクには、外部の気圧変動等の環境の変化に関わらずインク供給路内の圧力変動が生じないので、インク供給路内における気泡の発生や成長を防止できる。
さらに、インク供給路へインクを供給するインク充填時に液体噴射ヘッドのノズル開口に形成されるメニスカスを破壊することなく出荷,保管することができる。
本発明に係る第2の構成として、複数のノズル開口から被記録媒体にインクを噴射する液体噴射ヘッドと、内部にインクを貯留する液体貯留体の流出口と接続されることにより液体貯留体のインクをインク受容口から流入させるインク接続部と、液体噴射ヘッド及びインク接続部間に接続され、インク接続部から流入するインクを液体噴射ヘッドに供給するインク供給管とを備える液体噴射装置であって、液体噴射装置は、インク接続部からインク供給管を経て液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に液体貯留体の内部に貯留されるインクが充填され、インク接続部が、当該インク接続部の周面を包囲する密封壁部と、インク受容口よりも下方において密封壁部の周面とインク接続部の周面との隙間を埋めるシール部材と、インク受容口を大気開放する空気流路とを備える封止部材と接続され、液体噴射ヘッドのノズル開口が当該ノズル開口を封止するヘッド側封止部材により封止される構成とした。
本発明によれば、封止部材の密封壁部の周面とインク接続部の周面との隙間をシール部材で埋めることにより、インク接続部のインク受容口を閉鎖することなく封止部材がインク接続部を包囲して、インク受容口を大気開放する流路と接続することで、インク接続部からインク供給管を経て液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に充填されたインクを液体噴射装置内に漏らすことなく封止することができる。
また、インク供給路内と連通するインク受容口が大気開放されていることにより、充填されたインクには、外部の気圧変動等の環境の変化に関わらずインク供給路内の圧力変動が生じないので、インク供給路内における気泡の発生や成長を防止することができる。
さらに、インク供給路へインクを供給するインク充填時に液体噴射ヘッドのノズル開口に形成されるメニスカスが壊れることなく出荷,保存することができる。
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な特徴のすべてを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた発明となり得る。また、以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成又は工程をも含むものである。
本発明に係る液体噴射装置の斜視図。 キャップユニットの概略構成図。 インク接続ユニットの分解斜視図。 封止部材の斜視図。 封止部材の要部断面図。 インク充填設備の模式図。
実施形態
図1は液体噴射装置の一例としてのプリンター1の外観斜視図を示す。図2は、キャップユニット9の概略構成図を示す。以下、図1乃至図2を用いて液体噴射装置について説明する。
図1に示すように、プリンター1は、ハウジング1Aの長手方向に延長して架設されるガイド軸2と、ガイド軸2に沿ってハウジング1Aの長手方向(主走査方向)に移動可能なキャリッジ3と、キャリッジ3の下面に搭載される記録ヘッド4と、ハウジング1Aの両側に互いに離間して設けられたプーリー7a,7bに掛け渡され、キャリッジ3と接続されるタイミングベルト7と、プーリー7aを回転駆動させ、タイミングベルト7を駆動するキャリッジモーター8と、記録ヘッド4のメンテナンスを行うキャップユニット9と、記録紙Pを主走査方向と直角方向に搬送するプラテン10と、インクが貯留されたインクカートリッジ11a〜11dを収容するカートリッジボックス12と、インクカートリッジ11a〜11dが貯留するインクを受容するインク接続ユニット13と、インク接続ユニット13で受容したインクをキャリッジ3に搬送するインクチューブ14とを備える。
ガイド軸2は、断面円形の軸体からなり、ハウジング1Aの両側面に架設される。キャリッジ3は、矩形の箱体からなり、ガイド軸2に当該箱体を貫通させて取り付けられることによりガイド軸2に沿って摺動する。キャリッジ3は、ガイド軸2に取り付けられたときに、後述のインクチューブ14と接続される雌コネクター49が上面側に位置し、当該雌コネクター49を経由してインクチューブ14から供給されるインクを記録ヘッド4に供給する流路を内部に有する。
記録ヘッド4には、下面側にインクを吐出するノズル面4aが形成され、当該ノズル面4aが記録紙Pに対して略平行となるようにキャリッジ3に搭載される。
ノズル面4aには、各色毎にインクを吐出する複数のノズル口が略全域に亘って開設され、インクチューブ14により供給されるインクがキャリッジ3に形成された流路を介して複数のノズル口から吐出される。
タイミングベルト7は、ハウジング1Aの記録紙搬送方向の壁面に回転可能に固定されるプーリー7a,7bに掛け渡される。プーリー7a,7bは、それぞれ一方の非印字領域と他方の非印字領域とに位置するようにガイド軸2に沿って互いに離間して配置され、プーリー7aには、キャリッジモーター8が取り付けられる。キャリッジモーター8は図外の制御装置により制御され、タイミングベルト7の一部に接続されるキャリッジ3をガイド軸2に沿って主走査方向に往復移動させる。
プラテン10は、キャリッジ3に搭載された記録ヘッド4のノズル面4aと対向する位置に配置され、印字領域の略全域に亘って延長する略平板状の基台であって、記録紙Pを上面に露出する複数の紙送りローラーにより下方から支持しつつ、主走査方向と直交する方向(副走査方向)に搬送する。
よって、キャリッジモーター8を駆動してキャリッジ3をガイド軸2に沿って主走査方向に往復運動させ、副走査方向に記録紙Pを搬送する動作を組み合わせ、記録ヘッド4から吐出されるインクにより印刷が実行される。
キャップユニット9は、非印字領域(ホーム位置)内に設けられる装置であって、キャリッジ3の移動によりホーム位置内に停止した記録ヘッド4に対してメンテナンス動作を実行する。
図2に示すように、キャップユニット9は、上面が開放されたキャップ本体20と、キャップ本体20の開放された縁部20aに沿って配設され、記録ヘッド4のノズル面4aと当接するゴム部材からなる封止体21と、キャップ本体20の内部に配置され、記録ヘッド4からインクが吐出されたときに、当該インクを吸収する多孔質素材からなるインク吸収体22を具備し、キャップ本体20を記録ヘッド4のノズル面4aに近接離間するための図外の昇降機構を備える。
そして、キャップ本体20が図外の昇降機構により上昇すると、封止体21がノズル面4aと密着し、ノズル面4aに開設される複数のノズル開口が封止体21によって密閉状態で封止され、ノズル開口の乾燥を防止する蓋体として機能する。
キャップ本体20の底面20bには、当該底面20bを貫通し、キャップ本体20に貯留されるインクを排出する排出孔24が形成される。排出孔24には、吸引ポンプ25の吸入口と接続されるチューブ26が接続され、吸引ポンプ25の吐出口には、内部に廃液吸収体29を有する廃液タンク28がチューブ27により接続される。
キャップユニット9は、上記蓋体としての機能の他、記録ヘッド4がホーム位置に停止したときに記録ヘッド4に印刷とは関係のない駆動信号を印加してインク滴を空吐出させるフラッシング動作時のインク受けとして機能や、吸引ポンプ25により、負圧を記録ヘッド4に印加して、インクを吸引する機能を兼ね備える。
図1に戻り、カートリッジボックス12は、ハウジング1Aにおける非印字領域内に設けられ、上方開口の箱体に形成される。カートリッジボックス12は、インクカートリッジ11a〜11dを個別に受容する収容隔壁を有し、当該隔壁内にインクカートリッジ11a〜11dが個別に挿入される。
カートリッジボックス12の底部には、インクカートリッジ11a〜11dの針接続口と接続されるインク接続ユニット(カートリッジ接続部)13が設けられる。
図3は、インク接続ユニット13の分解斜視図を示す。
図3(a)に示すように、インク接続ユニット13は、ベース部31と、インクカートリッジ11a〜11dの針接続口に挿入される複数のインク接続部32と、フィルター33とを備える。
ベース部31は、略矩形の箱体で、内部にインクカートリッジ11a〜11dから供給されるインクを各色毎に受容,流下させる複数の流路34を備える。流路34は、上面側に円形開口するインク流入口35と、ベース部31の一側面に円形開口するインク流出口36とが形成される。
図3(b)に示すように、インク流入口35には流入口と同心円の複数の段部37,38が形成され、下側に位置する段部37にはフィルター33が配設される。また、上側に位置する段部38にはインク接続部32が嵌合される。インク流出口36には、各インク流出口36に対応するように枝別れした流路を有するコネクター46が嵌挿され、終端部に後述のインクチューブ14の一端が接続される。
フィルター33は、合成繊維を不織布として構成し、薄厚の円盤状に形成した多孔体であって、各インク流入口35に個別に配設され、インクカートリッジ11a〜11dに貯留されるインクに含まれる微細な埃や着色成分の不純物を取り除く。
インク接続部32は、中空の略円筒状に形成され、インク流入口35から上方に突設される。インク接続部32は、ベース部31の段部38に嵌合される針基部42と、針基部42よりも小径かつ、緩やかなテーパー状に形成される針身43と、針身43の先端を閉じる覆蓋44と、インクを受容する複数のインク受容口45とを有する。
針基部42は、外周面がベース部31の段部38に対応する円環状に形成される。針身43は、針基部42の上面側から上方に延長する中空の筒体である。針身43の外周面は、針基部42から上方に行くに従い漸次小径となるテーパー状に形成される。また、針身43の中空の内径部43aは、針基部42の内径と略同一に形成される。針身43の上端には、覆蓋44が形成される。覆蓋44は、針身43の上端と連接して弧状に突出した形状に形成され、周囲に複数のインク受容口45が開設される。
インク受容口45は、針身43の中空の内径部43aと連通し、インク受容口45から流入したインクを針身43の内径部43aに流入させる。
複数のインク接続部32は、各色毎に設けられたインク流入口35に対応する位置、かつ、先端の高さが互いに同一となるように連接片45Aによって一体に構成される。
よって、ベース部31の複数のインク流入口35の段部37にフィルター33をそれぞれ配設し、次に連接片45Aにより一体化された複数のインク接続部32の針基部42をベース部31の段部38に嵌合することによりインク接続ユニット13が構成される。
インク接続ユニット13のインク流出口36には、インクチューブ14と接続するためのコネクター46が取り付けられる。コネクター46は、ベース部31のインク流出口36のピッチと、インクチューブ14のピッチとを整合させるための部材であって、インク流出口36及びインクチューブ14にそれぞれ挿入可能なように雄型に成型される。
図1に示すように、インクチューブ14は、押出成型により成型され、中空部が4個並列に連なって一体成型された4連チューブである。インクチューブ14は、一端に雌コネクター47、他端に雄コネクター48を備える。
雌コネクター47は、インク接続ユニット13のインク流出口36に設けられたコネクター46に嵌合し、雄コネクター48は、キャリッジ3の雌コネクター49に嵌合する。
そして、インク接続部32に接続された各インクカートリッジ11a〜11d内に貯留されたインクは、インク接続部32、インクチューブ14を経て記録ヘッド4のノズル開口に至るインク流路Cを通って、ノズル開口から吐出される。なお、インクチューブ14は、キャリッジ3の主走査方向への往復運動に伴い、インクチューブ14の雄コネクター48がキャリッジ3と一体となって動作するため、キャリッジ3がカートリッジボックス12よりも最も遠方に位置したときでも、余剰がある長さに設定される。
図4は、封止部材50の斜視図を示す。図5は、封止部材50の要部断面図を示す。
封止部材50は、例えば、ガス透過性の低いPP樹脂等からなる矩形の箱体であって、インク接続部32の周面を包囲する密封壁部51と、インク接続部32に接続された状態においてインク接続部32のインク受容口45よりも下方で密封壁部51の周面とインク接続部32の周面との隙間を埋めるシール部材52と、インク受容口45を大気開放する空気流路Rとを備える。なお、封止部材50を形成する素材には、ゴムやエラストマーを素材として形成しても良い。
密封壁部51は、封止部材50の下面に円形の開口部53を有する筒状の空間であって、その内周面は、インク接続部32の径よりも大径、かつ、インク接続部32の突出高さよりも高く設定される。
密封壁部51における開口部53側の内周面には、密封壁部51とインク接続部32の外周面との隙間を埋めるシール部材52としてのOリングが開口部53の縁部に沿って配設される。
密封壁部51の天井部51aには、空気流路Rの開口R1が開設される。空気流路Rは、垂直方向及び水平方向に繰り返し折曲して延長する所謂蛇道状に形成される流路であって、その終端に位置する開口R2が封止部材50の上面に形成される。
つまり、空気流路Rは、一端が密封壁部51の空間と連通し、他端が大気開放する流路である。
空気流路Rは、例えば約数百ミクロンの孔径であり、経路長が例えば数メートルの長さとなるように形成される。
上記構成からなる封止部材50は、例えば工場出荷時においてインク接続部32に接続される。図5に示すように封止部材50がインク接続部32に接続された状態において、シール部材52はインク接続部32のインク受容口45よりも下方で密封壁部51の内周面と、インク接続部32の外周面との間の空間を埋め、インク受容口45から漏れ出したインクがカートリッジボックス12内に漏れ出さないように封止する。よって、上記構成の封止部材50により、インク接続部32を封止すれば、プリンター1のインク流路Cに作用する圧力は常に大気圧に設定される。
図6は、インクを充填するための充填設備についての模式図である。以下、同図を用いて充填設備について説明する。
プリンター1のインク流路Cにインクを充填する充填設備は、工場内に設けられ、カートリッジ11a〜11d内に貯留されるインクと同質のインクを各色毎に貯留するインクタンク56a〜56dと、チューブ57a〜57dを介してインクタンク56a〜56dからインクをインク接続部32に供給するための接続治具58と、チューブ57a〜57dの中間に位置し、接続治具58に対するインクの供給又は停止を行うバルブ59a〜59dと、キャップユニット9の有する吸引ポンプ25の吐出口と接続される作業用廃液タンク60により構成される。
接続治具58は、各インク接続部32に対応する位置に内側に窪む開口部61を備え、当該開口部61にはゴム製のシール部材62が内周面に配設され、インクカートリッジ11a〜11dの針接続口と略同一に構成される。
接続治具58内には開口部61と連通する連通孔63が設けられ、連通孔63の他端がインクタンク56a〜56dから延長するインクチューブ57a〜57dと接続される。
また、キャップユニット9側においては、キャップユニット9の廃液タンク28と吸引ポンプ25とを接続するチューブ27の廃液タンク28側の端部を取り外し、インク充填作業専用の作業用廃液タンク60に接続する。
充填設備への接続が完了した後、プリンター1の図外の制御装置により、記録ヘッド4をメンテナンスするためのメンテナンスモードに設定し、キャップ本体20によりノズル面4aを封止した状態で吸引ポンプ25を駆動させ、キャップ本体20とノズル面4aとの空間に負圧を印加してノズル開口からインク接続部32までのインク流路C全体を負圧にした後に、バルブ59a〜59dを開放する。
バルブ59a〜59dが開放されるとインクタンク56a〜56d内に貯留されたインクがインク接続部32のインク受容口45から流入し、インク流路Cを経て記録ヘッド4の全てのノズル開口から吐出される。当該吐出動作は、キャップ本体20のインク吸収体22にインクが十分に吸収されるまで継続され、インク吸収体22によって吸収しきれないインクが作業用廃液タンク60に排出される。
次に、バルブ59a〜59dを閉じてインクタンク56a〜56dからのインクの供給を停止し、インク接続部32から接続治具58を取り外して、代わりに封止部材50をインク接続部32に取り付ける(図5参照)。また、作業用廃液タンク60に接続されたチューブ27をキャップユニット9の廃液タンク28に接続してインクの充填作業が終了する。
上記工程によってインク流路C内に充填されたインクは、ノズル開口側ではキャップ本体20により封止状態となるため、インク吸収体22に吸収されたインクにより保湿される。
また、封止部材50により封止されたインク接続部32では、インクがインク受容口45からカートリッジボックス12内に漏洩することが防止され、空気流路Rを経由して大気開放されることにより、インク流路C内のインクが常に大気圧に設定され、圧力変動が生じることがない。
さらに、封止部材50の開口R2とインク受容口45までの空気はほとんど換気されることがないため、インク受容口45から蒸発するインクの成分は蛇道内に停留することとなりインク受容口45に面するインクは、インク成分を含む空気流路R内に停留する空気により大気から遮断される。
よって、本発明に係る封止部材50をインク接続部32に接続することにより、工場出荷時にプリンター1内のインク流路Cにインクを充填しても、充填されたインクはほとんど変質することがないので、例えユーザーの手元に達するまで長期間保管されることがあっても品質が低下することを防止できる。
また、ユーザーの使用時には、封止部材50を取り外し、所定のインクカートリッジ11a〜11dを接続し、プリンター1に電源を投入したときに行われるノズルからインクを吸引する記録ヘッドのメンテナンス動作により即使用可能となる。つまり、インク流路C内にインクを行き渡らせるために多量のインクが消費されることがないのでユーザーの経済性が向上する。
また、プリンター1をしばらく使用しないときには、インクカートリッジ11a〜11dを取り外して、封止部材50でインク接続部32を封止することにより、長期保管してもノズル開口に形成されるメニスカスを破損することなく保管することができるので、ノズルがインクにより目詰まりせず、次回使用時には、封止部材50を取り外してインクカートリッジ11a〜11dを取り付けるだけで直ちに使用可能となる。
さらに、プリンター1を長距離搬送するような場合においても、一旦インクカートリッジ11a〜11dを取り外し、封止部材50によりインク接続部32を封止することにより、ノズルのメニスカスを壊すことなく搬送することができるので、移動先で直ちにプリンターを使用することが可能となる。
なお、プリンターの形態は、上記構成のプリンター1に限らず、キャリッジ内にインクカートリッジを内蔵する所謂オンキャリッジ型であっても同様の効果を得ることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。
1 プリンター、1A ハウジング、2 ガイド軸、3 キャリッジ、
4 記録ヘッド、4a ノズル面、7 タイミングベルト、7a,7b プーリー、
8 キャリッジモーター、9 キャップユニット、10 プラテン、
11a〜11d インクカートリッジ、12 カートリッジボックス、
13 インク接続ユニット、14 インクチューブ、
20 キャップ本体、20a 縁部、20b 底面、21 封止体、
22 インク吸収体、24 排出孔、25 吸引ポンプ、26;27 チューブ、
28 廃液タンク、29 廃液吸収体、31 ベース部、32 インク接続部、
33 フィルター、34 流路、35 インク流入口、36 インク流出口、
37;38 段部、42 針基部、43 針身、43a 内径部、44 覆蓋、
45 インク受容口、45A 連接片、47 雌コネクター、48 雄コネクター、
50 封止部材、51 密封壁部、51a 天井部、52 シール部材、
53 開口部、56a〜56d インクタンク、57a〜57d チューブ、
58 接続治具、59a〜59d バルブ、60 作業用廃液タンク、
61 開口部、62 シール部材、63 連通孔、
C インク流路、P 記録紙、R1;R2 開口、R 空気流路。

Claims (2)

  1. 複数のノズル開口から被記録媒体にインクを噴射する液体噴射ヘッドと、
    内部にインクを貯留する液体貯留体の流出口と接続されることにより前記液体貯留体のインクをインク受容口から流入させるインク接続部と、
    前記液体噴射ヘッド及びインク接続部間に接続され、前記インク接続部から流入するインクを前記液体噴射ヘッドに供給するインク供給管とを具備し、
    前記インク接続部から前記インク供給管を経て前記液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に前記液体貯留体の内部に貯留されるインクが充填され、
    前記液体噴射ヘッドのノズル開口が当該ノズル開口を封止するヘッド側封止部材により封止された液体噴射装置における前記インク接続部と接続される封止部材であって、
    前記封止部材が、インク接続部の周面を包囲する密封壁部と、
    前記インク受容口よりも下方において前記密封壁部の周面と前記インク接続部の周面との隙間を埋めるシール部材と、
    前記インク受容口を大気開放する空気流路とを備えることを特徴とする封止部材。
  2. 複数のノズル開口から被記録媒体にインクを噴射する液体噴射ヘッドと、
    内部にインクを貯留する液体貯留体の流出口と接続されることにより前記液体貯留体のインクをインク受容口から流入させるインク接続部と、
    前記液体噴射ヘッド及びインク接続部間に接続され、前記インク接続部から流入するインクを前記液体噴射ヘッドに供給するインク供給管とを備える液体噴射装置であって、
    前記液体噴射装置は、前記インク接続部から前記インク供給管を経て前記液体噴射ヘッドのノズル開口に至るインク供給路に前記液体貯留体の内部に貯留されるインクが充填され、
    前記インク接続部が、
    当該インク接続部の周面を包囲する密封壁部と、
    前記インク受容口よりも下方において前記密封壁部の周面と前記インク接続部の周面との隙間を埋めるシール部材と、
    前記インク受容口を大気開放する空気流路とを備える封止部材と接続され、
    前記液体噴射ヘッドのノズル開口が当該ノズル開口を封止するヘッド側封止部材により封止されることを特徴とする液体噴射装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015066686A (ja) * 2013-09-26 2015-04-13 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

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