JP2011181654A - 圧粉磁心の表面処理方法および圧粉磁心 - Google Patents

圧粉磁心の表面処理方法および圧粉磁心 Download PDF

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剛夫 宮村
Hiroyuki Mitani
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裕志 橋本
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浩司 井上
Takafumi Hojo
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Abstract

【課題】圧縮成形後に機械加工を施した圧粉磁心であっても、渦電流損の増加を抑制することができる圧粉磁心の表面処理方法と、その表面処理方法を用いて作製される圧粉磁心を提供する。
【解決手段】表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末を用いて圧縮成形してなる圧粉磁心の表面処理方法および圧粉磁心であって、機械加工した後の前記圧粉磁心の表面を、電解研磨によって1μm〜100μmの厚み分除去する。
【選択図】図3

Description

本発明は、交流で使用されるモーターにおけるステーターやローター、ノイズフィルタ、リアクトルなどの電磁気部品の磁心として用いられる、金属磁性粉末を用いて圧縮成形してなる圧粉磁心の表面処理方法と、その表面処理方法を用いて作製される圧粉磁心に関するものである。
従来から交流で使用されるモーターにおけるステーターやローターなどの電磁気部品の磁心には、電磁鋼板や電気鉄板を打ち抜いて積層した積層磁心が用いられることが主であったが、これら積層磁心は、板材を打ち抜いて積層して作製されるために、その積層方向の形状に制約があった。また、これら積層磁心は、板面内方向の磁気特性に比べて積層方向の磁気特性が著しく劣るため、板面内方向の磁気特性しか活用することができないという欠点があった。
これに対し、近年は、より磁気特性に優れ、小型化もでき、また三次元形状の自由度も高いという理由で、軟磁性鉄基合金粉末や純鉄粉等の金属磁性粉末を用いて圧縮成形してなる圧粉磁心が採用されることが、年々増加する傾向にある。
この圧粉磁心は、金属磁性粉末を金型に充填した後、圧縮成形を行うことで作製されるため、前記した積層磁心のような磁気特性の方向性がなく、また、金型形状の工夫や成形後の機械加工によって任意形状の磁心を得ることができるという特長がある。
この磁心に求められる重要な特性の一つとして鉄損を挙げることができる。この鉄損は、電磁気部品に与えられたエネルギーのうち、磁心内の発熱などに消費されるエネルギー損失のことをいい、例えば、モーターの場合であると、与えられた電力のうち、動力に変換されずに磁心内で消費されるエネルギーが鉄損である。磁心の鉄損が大きいことは、投入した電力の一部が目的のエネルギーとして活用されていないことを意味するため、高効率、高性能な電磁気部品を得ようとすると、この鉄損が小さいことが重要になる。
この鉄損は、モーター用途など1kHz以下の交流周波数域で磁気共鳴などの緩和現象を伴わない場合、ヒステリシス損と渦電流損の和で表すことができる。このうち、ヒステリシス損は、磁心材料中の磁壁移動に伴って生じる損失であって、圧粉磁心の場合は、その粒子(金属磁性粉末)内の磁壁移動を妨害する介在物の転位、歪の存在などによって増加する。そのため、ヒステリシス損は、圧粉磁心の場合は、圧縮成形後の歪除去を目的とした焼鈍や、金属磁性粉末中の介在物を減らす目的の金属磁性粉末の高純度化によって、容易に減らすことが可能である。
これに対し、渦電流損は、磁束の増減に伴って、その材料中に誘導電流が流れることで生じるジュール損ということができ、誘導電流を抑制することで低減することができる。特に、磁束が変動するモーターなどの交流用途では、この渦電流損の抑制が重要であるといえる。また、ノイズフィルタ、リアクトルでは、合金化による粉末材料自体の高電気抵抗化や、粉末の表面に誘導電流を遮蔽するような電気的障害を設けることで粉末間にまたがって発生する誘導電流を抑制し、誘導電流の流れる範囲を小さくすること等で、渦電流損を低減している。
具体的には、例えば、特許文献1に記載されているように、圧縮成形前の金属磁性粉末の表面に、無機材料或いは有機材料からなる絶縁被膜を形成し、圧縮成形後の金属磁性粉末の粒子同士を絶縁することで、渦電流の流れる範囲を一つの粒子内に留める方法が既に提案されている。
また、これらヒステリシス損と渦電流損は、交流周波数が大きくなるにつれていずれもが増加するが、ヒステリシス損が交流周波数の1乗に比例して増加するのに対し、渦電流損の方は交流周波数の2乗に比例して増加する。すなわち、周波数域が高くなるにつれて鉄損に占める渦電流損の割合が大きくなるため、高速で回転するモーターやノイズフィルタ、リアクトルなどの高周波の励磁で駆動する電磁気部品では、渦電流層を抑制することが、この意味でも特に重要であるということができる。
ところで、圧粉磁心を作製する際の特徴は、金型を用いて最終部品形状を成形するネットシェイプ或いはニアネットシェイプであるが、部品形状によっては、圧粉体作製後に、穴明け加工、切削加工、フライス加工などの機械加工を施すことによって所望の最終部品形状に成形される場合がある。しかしながら、圧粉体作製後にそのような機械加工を施すと、本来は金属磁性粉末の粒子同士が絶縁被膜によって絶縁されているはずが、機械加工時に工具と接した表面近傍の粒子が塑性変形を受けるため、絶縁被膜が途切れたり、薄くなったりし、最表面の粒子同士が電気的に短絡を起こす場合がある。
図1に実際に切削加工を施した圧粉磁心の表面付近の断面組織写真を示す。この断面組織写真によると、表面より内部側の粒子はその断面がおよそ多角形形状とみなすことができるが、最表面の粒子の一部は薄く引き延ばされ、隣接する粒子の表面に乗り上げるような形状となっている。このような通常の粒子と異なる形状は、表面付近の粒子が顕著な塑性変形を受けていることを示している。
この塑性変形を受けた表面付近の粒子は、その表面を被覆していた絶縁被膜も大きく変形させるため、絶縁被膜は粒子の全表面を被覆できなくなり、そのような塑性変形部位が導電層となって、電気的短絡が発生している。このような圧粉磁心の表面付近での絶縁不良は、圧粉磁心の表面の全体に亘って渦電流が流れることを意味し、渦電流損の増加をもたらすこととなる。
すなわち、渦電流損の増加は、圧粉磁心の表面付近の絶縁不良が原因であるということができ、この絶縁不良層を除去することが、機械加工を施した圧粉磁心の渦電流損を低減するための本質的な解決方法ということができる。
尚、渦電流損の増大を抑制する方法として、特許文献2や特許文献3でも、金属磁性粉末の表面に絶縁性を付与する提案がなされているが、これら提案も圧縮成形を行って圧粉磁心とする前の金属磁性粉末に絶縁性を付与するための提案であり、機械加工後の圧粉磁心の渦電流損を低減するための提案ではない。
また、圧粉成形体の表面を加工する方法に関する提案としては、特許文献4記載の提案があるが、これは加工面の表面粗さなどの表面性状の向上を目的とした提案であって、機械加工を施した後の圧粉磁心の渦電流損を低減するための提案ではない。
特開2008−63651号公報 特開平9−102409号公報 特開2002−246219号公報 特開2005−238357号公報
本発明は、上記従来の問題を解決せんとしてなされたもので、圧縮成形後に機械加工を施した圧粉磁心であっても、渦電流損の増加を抑制することができる圧粉磁心の表面処理方法と、その表面処理方法を用いて作製される圧粉磁心を提供することを課題とするものである。
請求項1記載の発明は、表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末を用いて圧縮成形してなる圧粉磁心の表面処理方法であって、機械加工した後の前記圧粉磁心の表面を、電解研磨によって1μm〜100μmの厚み分除去することを特徴とする圧粉磁心の表面処理方法である。
請求項2記載の発明は、前記金属磁性粉末は、その表面に絶縁被膜が形成された鉄基軟磁性粉末であって、その成形体密度が4g/cm以上であることを特徴とする請求項1記載の圧粉磁心の表面処理方法である。
請求項3記載の発明は、前記電解研磨は、添加剤により導電性を付与した電解研磨液に、機械加工した後の前記圧粉磁心と電極を浸し、電圧をかけることによりなされる方法であって、前記電解研磨液として、アルコール系の溶液を用いることを特徴とする請求項1または2記載の圧粉磁心の表面処理方法である。
請求項4記載の発明は、前記電解研磨は、電流密度が20〜40A/cmの範囲で行われるものである請求項1乃至3のいずれかに記載の圧粉磁心の表面処理方法である。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の表面処理方法により作製されたことを特徴とする圧粉磁心である。
本発明の圧粉磁心の表面処理方法および圧粉磁心によると、圧縮成形後に機械加工を施した圧粉磁心であっても、渦電流損の原因となる絶縁不良層を除去することができるため、機械加工後の圧粉磁心の渦電流損の増加を抑制することができる。
切削加工を施した後の圧粉磁心の表面付近の組織を示す圧粉磁心の表面付近の断面写真である。 電解研磨で除去する厚みが、表面から1μm以上の場合と4μm以上の場合の電解研磨時に流れる電流密度ρと処理時間tの関係を示すグラフ図である。 電解研磨の処理時間と除去される理論上の表面層の厚みの関係を示すグラフ図である 実施例の鉄損の評価で用いた試験体の形状を示す断面図である。
本発明者らは、表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末を用いて圧縮成形したままの圧粉磁心の渦電流損に比較して、圧縮成形後に、穴明け加工、切削加工、フライス加工などの機械加工を施した圧粉磁心は渦電流損が増加し、その渦電流損の増加具合によっては、圧粉磁心として用いるには不適正となることも懸念されるため、その渦電流損の増加の原因を調べるための、実験、研究を進めた。その結果、渦電流損の増加の原因となるのは、機械加工により塑性変形した表面付近の粒子の絶縁不良であることを見出し、その圧粉磁心の表面付近の絶縁不良層を除去することで、圧縮成形後に機械加工を施した圧粉磁心であっても、渦電流損の増加を抑制することができることが分かり、本発明の完成に至った。
具体的には、機械加工後の絶縁不良層の除去は電解研磨によって行い、その除去する絶縁不良層の厚みは1μm〜100μmの範囲とすることである。
機械加工は、被研磨体の表面を力学的に塑性変形させることによって切削する研磨方法である。これに対し、電解研磨は、電気化学的な反応を利用して表面を研磨する方法であるため、被研磨体の表面に塑性変形が生じることはなく、すなわち、表面に絶縁不良層を形成することなく研磨することができる。よって、機械研磨で表面に絶縁不良層が形成された圧粉磁心の表面を、更に塑性変形を生じさせることなく、確実に除去することができる。
電解研磨で絶縁不良層を確実に除去するためには、少なくとも除去する圧粉磁心の表面の厚みを、絶縁不良層の厚みよりも厚くする必要がある。機械研磨後の圧粉磁心の絶縁不良層の厚みを調査したところ、例えば、図1に示すように、数μmのものが主体であるため、少なくとも表面から1μm以上は除去しなければ、渦電流損の低減効果を得ることができない。一方、100μmを超えて圧粉磁心の表面を除去すると、電解研磨前の寸法精度を維持することができなくなり、機械部品としての品質を落とすことになるため、除去する圧粉磁心の表面の厚みは、最大でも100μmに止める必要がある。
以下、本発明を実施形態に基づいて更に詳細に説明する。
本発明に係る圧粉磁心の作製に用いる金属磁性粉末は、表面に絶縁被膜が形成された、純鉄や軟磁性鉄基合金(Fe−Al合金、Fe−Si合金、センダスト、パーマロイ)、アモルファス粉末等であり、本発明の圧粉磁心の表面処理方法は、それら表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末を金型に充填した後、プレスを用いて圧縮成形を行い、更に、金型成形だけでは達成し得ない形状に加工するために機械加工を施した圧粉磁心の表面処理加工を対象とする。
この金属磁性粉末の表面を被覆する絶縁被膜としては、リン酸系化成被膜等のリン酸を主成分とする被膜やクロム系化成被膜などの無機物、或いは低融点ガラス被膜や、樹脂を用いて形成した被膜が好ましい。樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレン/アクリル樹脂、エステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレンなどのオレフィン樹脂、カーボネート樹脂、ケトン樹脂、フッ化メタクリレートやフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、PEEKなどのエンジニアリングプラスチックまたはその変性品などを被膜として用いることができる。
このような絶縁被膜の中でも、金属磁性粉末の表面にリン酸系化成被膜を形成することが推奨される。リン酸系化成被膜は、オルトリン酸(HPO)などの化成処理によって生成するガラス状の被膜であり、特に電気絶縁性に優れている。このリン酸系化成被膜の膜厚は1〜250nmが好ましい。膜厚が1nmより薄いと絶縁効果が発現し難く、250nmを超えると絶縁効果が飽和するうえ、成形される電磁気部品用磁心の高密度化を阻害するためである。また、その付着量は、0.01〜0.8質量%程度が好ましい。尚、リン酸系化成被膜には、Na、S、Si、W、Mg、B、Co等の元素を含有させることができる。これらの元素は、高温での歪取焼鈍中にリン酸系化成被膜中の酸素がFeと反応し、半導体を形成することを阻害し、歪取焼鈍による比抵抗の低下を抑制するのに有効に作用する。
金属磁性粉末の表面に、リン酸系化成被膜を形成するには、水性溶媒にオルトリン酸(HPO)などを溶解して、固形分0.1〜10質量%程度の処理液とし、金属磁性材料でなる薄片:100質量部に対して、その処理液を1〜10質量部添加して、ミキサー、ボールミル等の混合機で混合し、大気中、減圧下、或いは真空下で、150〜250℃で乾燥すれば形成できる。
また、このリン酸系化成被膜の表面に、シリコーン樹脂被膜が形成されていることが推奨される。シリコーン樹脂被膜は単独で形成したものであっても良いが、いずれにしろ、電気絶縁性の熱的安定性を向上させるうえに、成形される電磁気部品用磁心の機械的強度も高めるという作用を有する。このシリコーン樹脂は、硬化が遅くなると粉末がべとついて被膜形成後のハンドリング性が悪くなる二官能性のD単位(RSiX:Xは加水分解性基)よりは、三官能性のT単位(RSiX:Xは加水分解性基)を多く含有する方が好ましい。また、四官能性のQ単位(SiX:Xは加水分解性基)が多く含まれていると、予備硬化の際に粉末同士が強固に結着してしまい、後の成形が行えなくなるので好ましくない。よって、T単位が60モル%以上、好ましくは80モル%以上、最も好ましくは全てがT単位のシリコーン樹脂被膜が形成されていることが推奨される。尚、シリコーン樹脂としては、前記Rがメチル基またはフェニル基となっているメチルフェニルシリコーン樹脂が一般的である。
このシリコーン樹脂被膜の膜厚は1〜300nmが好ましい。より好ましい膜厚は10〜200nmである。また、その付着量は、リン酸系化成被膜が形成された金属磁性材料でなる薄片と、シリコーン樹脂被膜の合計を100質量%としたとき、0.01〜0.5質量%であることが好ましい。0.01質量%より少ないと絶縁性に劣り、0.5質量%より多いと圧粉磁心の高密度化ができにくくなる。
また、シリコーン樹脂被膜とリン酸系化成被膜を合わせた厚みは500nm以下であることが好ましい。合計膜厚が500nmを超えると磁束密度の低下が大きくなることがある。尚、リン酸系化成被膜をシリコーン樹脂被膜より厚めに形成すれば、鉄損を小さくすることができる。
リン酸系化成被膜の表面に、シリコーン樹脂被膜を形成するには、アルコール類やトルエン、キシレン等の石油系有機溶剤などにシリコーン樹脂を溶解させて、固形分が2〜10質量%になるように調製した樹脂溶液を、リン酸系化成被膜が表面に形成された金属磁性粉末:100質量%に対して、その樹脂溶液を0.5〜10質量%添加して、混合して乾燥すれば形成できる。
本発明の圧粉磁心の表面処理方法により作製された圧粉磁心は、高密度であり、且つ、高電気抵抗であることが好ましいが、そのためには、電気抵抗率を10μΩ・m以上、好ましくは50μΩ・m以上であり、且つ、成形体の密度を4g/cm以上、好ましくは5g/cm以上とする必要がある。
電気抵抗に関しては、10μΩ・m未満であると、圧粉磁心の渦電流損に対する絶縁不良層の影響が相対的に小さくなり、本発明に係る表面処理を実施した場合、機械加工後の圧粉磁心の渦電流損の増加を抑制することができるという効果は得ることはできるものの、目立つほどの十分な効果を期待することはできない。すなわち、渦電流損が十分に抑えられた圧粉磁心であるほど、機械加工による絶縁不良層の影響が大きくなり、本発明による絶縁不良層による渦電流損の増加を抑制する効果が大きくなる。尚、電気抵抗率の上限は高ければ高い方が好ましく、圧縮成形後の加熱温度が低く絶縁被膜を厚くするほど電気抵抗率は高くなるが、圧粉磁心の密度低下による磁気特性の低下や機械的強度不足が懸念されるため、圧粉磁心の実質の電気抵抗率の上限は、50μΩ・m程度であると考えられる。
成形体の密度は、絶縁被膜を極端に厚くした場合や、樹脂中に金属磁性粉末を分散させた圧粉磁心の場合に小さい密度となり得るが、この場合には機械加工で表面が塑性変形を受けても隣接する金属磁性粉末の粒子間の距離が大きく、機械加工を行っても粒子間で電気的に短絡する可能性は低く、絶縁不良層が形成されない可能性が高い。また、密度が低い圧粉磁心は、磁心の体積に占める金属磁性粉末の割合が小さいために圧粉磁心の飽和磁束密度が低くなり、圧粉磁心としての性能が低下してしまう。尚、成形体密度も大きければ大きいほど好ましいが、成形体密度の実質の上限は、7.87g/cm程度であると考えられる。
本発明でいう機械加工とは、旋削、平削り、穴明け、フライス削り等の切削と、研削、研磨を含む機械加工のことをいう。ここでいう研磨とは、粒度が♯8000以上の粗い研磨粉、或いはその粒度の研磨粉を用いた研磨紙、砥粉などの研磨材を用いた研磨のことをいう。研磨に用いる研磨粉の粒度が♯8000よりも細かいバフ研磨の場合には、塑性変形を伴うことなく圧粉磁心の表面層が微小に削り取られるため絶縁不良層は形成されず表面処理の必要はないが、加工可能な被加工面は基本的に平面であり、曲面を含む任意形状に加工するためには、多大な加工時間を要し、また、研磨自体が困難であるため、本発明でいう機械加工には適さない。
本発明でいう電解研磨とは、添加剤により導電性を付与した電解研磨液に、機械加工した後の前記圧粉磁心と電極を浸し、電圧をかけることによりなされる方法であり、被研磨体である圧粉磁心の表面が溶解する現象のことをいう。電解研磨液としては、エタノール、メタノールなどのアルコール系の溶液や水を用いることができ、導電性を付与するための添加剤としては過塩素酸などを用いることができる。純鉄粉や軟磁性鉄基粉末を用いた圧粉磁心は、水溶液中に浸すと腐食が進行して錆が発生するため、アルコール系の溶液を用いる方が好ましい。但し、この電解研磨は、圧粉磁心の絶縁不良層を除去することに本質があるため、電解研磨液や添加剤は上述したものに限定されるものではない。
本発明の圧粉磁心の表面処理方法の要点は、機械加工した後の圧粉磁心の表面に形成された絶縁不良層を除去することであるが、その絶縁不良層は、前記したように、圧粉磁心の表面を電解研磨によって1μm〜100μmの厚み分除去することで除去できる。除去する厚みが表面から1μm未満であると、絶縁不良層を確実に除去することができず、渦電流損を十分に低減することができない。尚、好ましい下限は4μmである。図1に示すように、絶縁不良層の厚みは数μmのものが主体であるため、絶縁不良層を確実に除去するには表面から4μm以上除去する必要がある。一方、100μmを超えて圧粉磁心の表面を除去すると、電解研磨前の寸法精度を維持することができなくなり、機械部品としての品質を落とすことになるため、除去する圧粉磁心の表面の厚みは、最大でも100μmに止める必要がある。
この電解研磨で除去する厚みは、電解研磨時に流れる電流密度ρ(mA/cm)と時間t(sec)を掛け合わせた値で理論的に見積もることが可能である。ある一定の厚みを除去する場合、電流密度ρと時間tの関係は反比例の関係となり、低い電流密度ρでは長い処理時間tが必要となり、高い電流密度ρでは短い処理時間tで所望の厚みを除去することが可能となる。
図2に電解研磨で除去する厚みが、表面から1μm以上の場合と4μm以上の場合の、電解研磨時に流れる電流密度ρ(mA/cm)と時間t(sec)の関係を示す。図2において、各曲線よりも右上の条件であれば所望の厚みの除去が可能となる。電解研磨における電流密度ρは、20〜40mA/cmの範囲とすることが好ましい。電解研磨で除去する厚みが、表面から4μm以上であるとすると、電流密度ρが40mA/cm未満の場合は、除去するのに10分以上必要となり作業性が悪化する。一方、電流密度ρが20mA/cmを超えると、電源電圧や電流値が高くなりすぎて圧粉磁心の大きさによっては、その作業時に危険性を伴う可能性が高くなる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは何れも本発明の技術的範囲に含まれる。
本実施例では、表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末を用いて圧縮成形して圧粉磁心を作製し、その表面を機械加工しただけのものと、更にその表面を電解研磨で除去したものについて、表面電気抵抗と鉄損を測定して評価を行った。
金属磁性粉末として神戸製鋼所製のアトマイズ粉末「アトメルNH300」を用い、まず、その表面にリン酸系化成被膜(内側)とシリコーン樹脂被膜(外側)でなる二重の絶縁被膜を形成した。リン酸系化成被膜は、水、NaHPO、HPO、HSO、Co(POを混合した処理溶液を用いて形成した。また、シリコーン樹脂被膜は、信越化学工業製の「KR220L」をトルエンに溶解させ、4.8質量%の固形分濃度の樹脂溶液を作製し、この樹脂溶液をアトマイズ粉末に対して樹脂固形分が0.15質量%となるようにして添加混合し、オーブン炉で大気中、75℃、30分間加熱して乾燥した後、目開き300μmのふるいに通して、所望の表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末とした。
圧粉磁心の作製は、前記した絶縁被膜付き金属磁性粉末に対して、ステアリン酸亜鉛をアルコールに分散させて金型表面に塗布することで型潤滑を行い、5t/cmの条件で圧縮成形を行った。成形された圧粉磁心の大きさはφ90mm、厚み15mmの円柱状で、その密度が7g/cmである。
この圧粉磁心に対して機械加工を模した表面切削加工を行った。表面切削加工としては、仕上げ削り(条件A)と粗削り(条件B)の2種類の加工を行い、夫々の加工条件の試料を準備した。仕上げ削り(条件A)は、切削工具の回転数1000rpm、送り速度0.05mm/sec、切り込み量0.3mm/回の条件で行い、粗削り(条件B)は、回転数560rpm、送り速度0.3mm/sec、切り込み量0.3mm/回の条件で行った。尚、その表面切削加工は、円柱形状の外周側面を除く上下の円形面に対して行い、最終的な加工深さは、仕上げ削り(条件A)と粗削り(条件B)共に表面から1mmとした。因みに、JIS B 0031に規定された仕上げ記号で表記すると、仕上げ削り(条件A)の切削条件は▽▽▽、粗削り(条件B)の切削条件は▽となる。
次に、これら試料に対して電解研磨を行った。電解研磨は、エタノールに過塩素酸を20vol%添加した浴を用い、理論電解密度を37mA/cm、電解開始時の浴温を−10℃とし、定電流・電圧制御の条件で、30秒間、5分間、34分間の時間で、夫々電解研磨を実施したものを、夫々電解研磨を行った試料として準備した。図2に、これらの電流密度ρと処理時間tの関係を黒丸で示すが、処理時間が30秒間と短いものは曲線より左側に位置し不適正な条件であるといえる。尚、この電解研磨を実施しない先に示した試料も以下の試験に用いた。
(表面電気抵抗の評価)
表面電気抵抗の評価は、端子間20mmの直流2端子法にて電気抵抗を測定することで実施した。測定にはトラスコ中山製のデジタルカードテスター(TET−1700)を用い、1つの試料につき2箇所の測定を実施した。表1にその測定値を表面電気抵抗の平均値として示す。
切削加工後の電解研磨を実施しない試料に対し、電解研磨処理を実施した試料は全て表面電気抵抗が高くなっており、電解研磨によって、圧粉磁心の絶縁不良層が存在する表面層が除去されていることが分かる。しかしながら、電解研磨の処理時間が30秒間の試料と、処理時間が5分間の試料を比較すると、処理時間が30秒間の試料は、処理時間が5分間の試料より低い表面電気抵抗値となっており、むしろ電解研磨を実施しない試料の表面電気抵抗に近い測定値となっている。この結果は、30秒程度の処理時間では十分に抵抗値が上昇しないことを示している。
図3に電解研磨の処理時間と除去される理論上の表面層の厚みの関係を示すが、処理時間が30秒間の試料の、除去される表面層の厚みは1μmよりも薄く、厚みが1μm以上と想定される絶縁不良層の厚み未満である。すなわち、30秒間の処理時間では、十分に表面電気抵抗値が上昇しないという結果は、絶縁不良層が除去しきれていないことを示している。この結果は、圧粉磁心の表面を、電解研磨によって1μm以上除去するという本発明の要件が正しいことを示しているということができる。
一方、処理時間が5分間と34分間の試料を比較すると、表面電気抵抗値は殆ど差がないが、この結果は、5分間の電解研磨で絶縁処理層が略完全に除去しきれていることを示している。
(鉄損の評価)
鉄損の評価は、図4に示すように、銅線からなるコイル2の両側に圧粉磁心1を配置して、一方の圧粉磁心1は電解研磨が施された圧粉磁心1aとし、他方の圧粉磁心1は切削条件や電解研磨条件を様々に変えた圧粉磁心(試料)1bとし、その圧粉磁心1bを様々な条件の試料に入れ替えることで、コイル2のインピータンスをLCRメーターで測定して比較することとした。表2に、20kHzにおけるLCRメーターで測定したコイル2のインピータンスを示す。
LCRメーターで測定したコイルのインピータンスには、銅線の直流抵抗と、圧粉磁心で発生する渦電流損に相当する抵抗と、コイルで発生する渦電流損に相当する抵抗が、含まれている。この試験では、図4に示すように、全て同じ構成の試験体を用いたため、銅線の直流抵抗と、コイルで発生する渦電流損に相当する抵抗は、同じであり、圧粉磁心(試料)を取り替えることによって、圧粉磁心で発生する渦電流損に相当する抵抗に違いが出てくる。すなわち、測定で得たインピータンスが大きいほど、試験に用いた圧粉磁心(試料)で発生する渦電流損が大きいということができる。
切削加工後の電解研磨を実施しない試料の試験結果によると、切削加工の有無、その切削加工の条件に関わらず、LCRメーターで測定したインピータンスは略同程度である。これに対し、電解研磨処理を実施した試料のインピータンスは、いずれの切削条件においても、切削加工後の電解研磨を実施しない試料に比べて小さくなっている。この結果は、電解研磨処理によって絶縁不良層を除去することで、渦電流損が低減されていることを意味する。
但し、電解研磨の処理時間が30秒間の試料に関しては、十分にインピータンスが小さくはなっていない。電解研磨の処理時間が30秒間の試料の電解研磨によって除去できる表面からの厚みは、図3に示すように、1μm未満であり、表面から1μm未満の電解研磨による除去では、絶縁不良層を除去しきれていないことを示している。
また、処理時間が5分間と34分間の試料を比較すると、LCRメーターで測定したインピータンスに殆ど差がないが、この結果も5分間の電解研磨で絶縁処理層が略完全に除去しきれていることを示している。
また、表3に電解研磨を行うことによる、絶縁不良層の除去状況と、インピータンス(損失)の低減度合いを示す。電解研磨で適正に絶縁不良層を除去できた試料は、その他の試料と比較して損失が低減している。この結果は、絶縁不良層の除去により、圧粉磁心の絶縁不良層で発生していた渦電流損が低減されていることを示している。
1、1a、1b…圧粉磁心放熱部
2…コイル

Claims (5)

  1. 表面に絶縁被膜が形成された金属磁性粉末を用いて圧縮成形してなる圧粉磁心の表面処理方法であって、
    機械加工した後の前記圧粉磁心の表面を、電解研磨によって1μm〜100μmの厚み分除去することを特徴とする圧粉磁心の表面処理方法。
  2. 前記金属磁性粉末は、その表面に絶縁被膜が形成された鉄基軟磁性粉末であって、
    その成形体密度が4g/cm以上であることを特徴とする請求項1記載の圧粉磁心の表面処理方法。
  3. 前記電解研磨は、添加剤により導電性を付与した電解研磨液に、機械加工した後の前記圧粉磁心と電極を浸し、電圧をかけることによりなされる方法であって、
    前記電解研磨液として、アルコール系の溶液を用いることを特徴とする請求項1または2記載の圧粉磁心の表面処理方法。
  4. 前記電解研磨は、電流密度が20〜40A/cmの範囲で行われるものである請求項1乃至3のいずれかに記載の圧粉磁心の表面処理方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の表面処理方法により作製されたことを特徴とする圧粉磁心。
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