JP2011180006A - 時計用軸受ユニット、ムーブメントおよび携帯用時計 - Google Patents

時計用軸受ユニット、ムーブメントおよび携帯用時計 Download PDF

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Abstract

【課題】軸体が軸受体から脱落するのを防止できる時計用軸受ユニット、ムーブメントおよび携帯用時計を提供する。
【解決手段】軸中心に回転する軸体143と、軸体の少なくとも一方の軸方向端部に設けられ、軸体を回転可能に支持する軸受体181と、を備えた時計用軸受ユニット105であって、軸体は、軸本体部140aと、軸本体部の軸方向端部に形成された先細り形状のテーパ部147と、テーパ部を介して軸本体部の反対側に突出形成された棒状部148と、を有し、軸受体は、テーパ部に当接可能に軸体の周方向に沿って配された複数の球体183と、球体を転動自在に保持する環状部184が形成された外輪部185と、を有し、棒状部は、軸本体部の軸方向に対して直交する線分であり、かつ、球体の最長径を通る線分よりも、軸本体部の反対側に突出形成されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、時計用軸受ユニット、ムーブメントおよび携帯用時計に関するものである。
従来から、腕時計や懐中時計などの携帯用時計に用いられる歯車などの回転する機械部品は、その回転軸端を内包するように軸受が配され、該回転軸が軸受にガイドされて回転し、トルクを伝達することにより、時刻を刻むように構成されている。また、特に衝撃に弱い軸には、その軸受として図13に示す組合せ軸受や図14に示す耐震軸受が用いられている(例えば、非特許文献1参照)。このような耐振軸受や組合せ軸受は、携帯用時計への衝撃がない場合、その内部部品が押えバネの弾性力により所定の位置に支持固定されている。一方、携帯用時計への衝撃がある場合は、押えバネの弾性力が軸受に働く衝撃を吸収し、回転軸への衝撃を和らげている。これにより回転軸が衝撃によって折れるのを防いでいる。
ここで、従来の時計用軸受の一般的な構成としては、図15に示すようなものが知られている。なお、図15は、テンプの断面を示したものである。
図15に示すように、テンプ520は、テンプ受505および地板504に中心軸線Cに沿って形成された時計用軸受510により両端の細い小径軸部521,522において該中心軸線Cのまわりで回転自在に支持されたてん真523と、てん輪本体をなす環状のリム部524および該リム部524に両端でつながり該リム部524の直径方向に延びたアーム部525を備え該アーム部525の中間部526において、てん真523の中央軸部527に固定されたひげ玉550と、振り石552を保持した振り座554と、を備えている。
時計用軸受510は、テンプ受505の内周面によって保持される外側軸受枠512と、外側軸受枠512の内部に配設される内側軸受枠511と、該内側軸受枠511の中径凹部に配設され、てん真523の上端の小径軸部522のジャーナル軸受として働く穴石514と、内側軸受枠511の大径凹部に配設され、てん真523の小径軸部522のスラスト軸受として働く受石515と、外側軸受枠512の溝に係止され受石515を内側軸受枠511の大径凹部に保持する押えバネ516と、を有している。
スイス・フェデレーション・オブ・テクニカル・カレッジ(Swiss Federation of Technical Colleges)著、「ザ・セオリー・オブ・ホロロジー(The Theory of Horology)」、2005年、p.290−291
ところで、上述した従来の時計用軸受510においては、受石515および押えバネ516が軸(てん真523)に対するスラスト方向への衝撃を吸収する機能を果たしている。ここで、衝撃発生時の受石515および押えバネ516の変位量は微小であり、小径軸部522の軸方向長さは、この微小な変位量を想定して設定されている。
しかしながら、小径軸部522の軸方向長さを従来のように微小な変位量を想定して設定すると、受石515および押えバネ516の変位量が大きくなった場合に、小径軸部522が穴石514から抜け落ちてしまう虞がある。
そこで、本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものであり、軸体が軸受体から脱落するのを防止できる時計用軸受ユニット、ムーブメントおよび携帯用時計を提供するものである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明に係る時計用軸受ユニットは、軸中心に回転する軸体と、該軸体の少なくとも一方の軸方向端部に設けられ、前記軸体を回転可能に支持する軸受体と、を備えた時計用軸受ユニットであって、前記軸体は、軸本体部と、該軸本体部の軸方向端部に形成された先細り形状のテーパ部と、該テーパ部を介して前記軸本体部の反対側に突出形成された棒状部と、を有し、前記軸受体は、前記テーパ部に当接可能に前記軸体の周方向に沿って配された複数の球体と、該球体を転動自在に保持する環状部が形成された外輪部と、を有し、前記棒状部は、前記軸本体部の軸方向に対して直交する線分であり、かつ、前記球体の最長径を通る前記線分よりも、前記軸本体部の反対側に突出形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、時計用軸受ユニットに大きな衝撃が加わって、変位量が大きくなった場合であっても、棒状部の長さが確保されているため、軸体が軸受体から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、本発明に係る時計用軸受ユニットは、前記棒状部は、前記球体における前記軸本体部が位置する側の軸方向反対側の頂部よりも突出形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、棒状部の長さがより長く確保されているため、軸体が軸受体から脱落するのを確実に防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、本発明に係る時計用軸受ユニットは、前記外輪部に、前記軸体の軸方向に沿うように貫通孔が形成されており、前記棒状部は、前記貫通孔に挿通されるように突出形成されていることを特徴としている。
このように構成することで、棒状部の長さがより一層長く確保されているため、軸体が軸受体から脱落するのをより確実に防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、本発明に係る時計用軸受ユニットは、前記軸受体に対して軸方向に付勢力を有する弾性体と、前記軸受体を内包する枠体と、をさらに備え、前記弾性体が前記軸受体と前記枠体との間を連結するように設けられているとともに、前記枠体が支持部材に支持固定されていることを特徴としている。
このように構成することで、軸受体と枠体との間に弾性体を支持固定することができ、軸受体と枠体との間に付勢力を持たせることができる。また、枠体は支持部材に支持固定されているため、枠体に対して軸受体が付勢される方向に移動しようとする。したがって、弾性体を軸体に向かって付勢させることにより、確実に軸受体を軸体方向に付勢させることができ、軸受体と軸体とを当接させることができる。その結果、軸体の位置の変動を抑制することができ、トルクの変動を抑制することができるため、時計の計時精度を向上することができる。
また、本発明に係る時計用軸受ユニットは、前記軸受体を介して前記軸体の反対側に、前記軸受体の軸方向の変位量を規制するストッパー部材が設けられていることを特徴としている。
このように構成することで、時計の姿勢が変わったり、衝撃が加わったりしたときに、軸受体が軸方向に変位するのを抑制することができる。その結果、軸体の位置の変動を抑制することができ、トルクの変動を抑制することができるため、時計の計時精度を向上することができる。
また、本発明に係るムーブメントは、香箱、番車、がんぎ車、アンクルおよびテンプを備えた時計のムーブメントであって、少なくとも前記テンプの軸受に、上述したいずれかに記載の時計用軸受ユニットが用いられていることを特徴としている。
このように構成することで、時計用軸受ユニットの姿勢が変わったり、衝撃が加わったりしても、軸体が軸受体から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができるムーブメントを提供することができる。
また、本発明に係る携帯用時計は、上述したムーブメントと、該ムーブメントを内包するケーシングと、を備えていることを特徴としている。
このように構成することで、時計用軸受ユニットの姿勢が変わったり、衝撃が加わったりしても、軸体が軸受体から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる携帯用時計を提供することができる。
本発明に係る時計用軸受ユニットによれば、時計用軸受ユニットに大きな衝撃が加わって、変位量が大きくなった場合であっても、棒状部の長さが確保されているため、軸体が軸受体から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
本発明の実施形態における機械式時計のムーブメント表側の平面図である(一部の部品を省略し、受部材は仮想線で示している)。 本発明の実施形態における香箱からがんぎ車の部分を示す概略部分断面図である。 本発明の実施形態におけるがんぎ車からテンプの部分を示す概略部分断面図である。 図3のA部拡大図(軸受ユニットの第1の態様)である。 本発明の実施形態におけるテンプおよび軸受を示す斜視図である。 図5の軸受を示す分解斜視図である。 本発明の実施形態における軸受ユニットの第2の態様を示す断面図(図3のA部に相当)である。 本発明の実施形態における軸受ユニットの第3の態様を示す断面図(図3のA部に相当)である。 本発明の実施形態における軸部の別の態様を示す部分断面図である。 本発明の実施形態における軸受のさらに別の態様を示す部分断面図である。 本発明の実施形態におけるテンプおよび軸受の別の態様を示す斜視図である。 図11のB−B線に沿う断面図である。 従来の組合せ軸受の断面図である。 従来の耐震軸受の断面図である。 従来のテンプの構成を示す概略部分断面図である。
次に、本発明に係る時計用軸受の実施形態を図1〜図12に基づいて説明する。なお、本実施形態では、時計用軸受ユニットが腕時計などの携帯用の機械式時計に用いられる場合について説明する。
(機械式時計)
図1〜図3に示すように、機械式時計のムーブメント100は、ムーブメント100の基板を構成する地板102を有している。地板102の巻真案内穴102aには、巻真110が回転可能に組み込まれている。文字板104(図2参照)はムーブメント100に取り付けられる。一般に、地板102の両側のうち、文字板104が配される側をムーブメント100の裏側と称し、文字板104が配される側の反対側をムーブメント100の表側と称する。ムーブメント100の表側に組み込まれる輪列を表輪列と称し、ムーブメント100の裏側に組み込まれる輪列を裏輪列と称する。なお、ムーブメント100にケーシング(不図示)を設けることにより携帯用時計として構成される。
おしどり190、かんぬき192、かんぬきばね194、裏押さえ196を含む切換装置により、巻真110の軸線方向の位置が決められている。きち車112は巻真110の案内軸部に回転可能に設けられている。巻真110が、回転軸線方向に沿ってムーブメント100の内側に一番近い方の第1の巻真位置(0段目)にある状態で巻真110を回転させると、つづみ車の回転を介してきち車112が回転する。丸穴車114は、きち車112の回転により回転する。また、角穴車116は、丸穴車114の回転により回転する。角穴車116が回転することにより、香箱車120に収容されたぜんまい122(図2参照)を巻き上げる。
二番車124は、香箱車120の回転により回転する。がんぎ車130は、四番車128、三番車126、二番車124の回転を介して回転する。香箱車120、二番車124、三番車126、四番車128は表輪列を構成する。
表輪列の回転を制御するための脱進・調速装置は、テンプ140と、がんぎ車130と、アンクル142とを含む。二番車124の回転に基づいて、筒かな150(図2参照)が同時に回転する。筒かな150に取り付けられた分針152が「分」を表示する。筒かな150には、二番車124に対するスリップ機構が設けられている。筒かな150の回転に基づいて、日の裏車の回転を介して、筒車154が回転する。筒車154に取り付けられた時針156が「時」を表示する。
香箱車120は、香箱歯車120dと、香箱真120fと、ぜんまい122とを備えている。香箱真120fは、上軸部120aと、下軸部120bとを含む。香箱真120fは、炭素鋼などの金属で形成されている。香箱歯車120dは黄銅などの金属で形成されている。
二番車124は、上軸部124aと、下軸部124bと、かな部124cと、歯車部124dと、そろばん玉部124hとを含む。二番車124のかな部124cは香箱歯車120dと噛み合うように構成されている。上軸部124a、下軸部124bおよびそろばん玉部124hは、炭素鋼などの金属で形成されている。歯車部124dはニッケルなどの金属で形成されている。
三番車126は、上軸部126aと、下軸部126bと、かな部126cと、歯車部126dとを含む。三番車126のかな部126cは歯車部124dと噛み合うように構成されている。
四番車128は、上軸部128aと、下軸部128bと、かな部128cと、歯車部128dとを含む。四番車128のかな部128cは歯車部126dと噛み合うように構成されている。上軸部128aと、下軸部128bは、炭素鋼などの金属で形成されている。歯車部128dはニッケルなどの金属で形成されている。
がんぎ車130は、上軸部130aと、下軸部130bと、かな部130cと、歯車部130dとを含む。がんぎ車130のかな部130cは歯車部128dと噛み合うように構成されている。アンクル142は、アンクル体142dと、アンクル真142fと、を備えている。アンクル真142fは、上軸部142aと、下軸部142bとを含む。
香箱車120は、地板102および香箱受160に対して回転可能に支持されている。すなわち、香箱真120fの上軸部120aは、香箱受160に対して回転可能に支持される。香箱真120fの下軸部120bは、地板102に対して、回転可能に支持される。二番車124、三番車126、四番車128、がんぎ車130は、地板102および輪列受162に対して回転可能に支持されている。すなわち、二番車124の上軸部124a、三番車126の上軸部126a、四番車128の上軸部128a、がんぎ車130の上軸部130aは、輪列受162に対して回転可能に支持される。また、二番車124の下軸部124b、三番車126の下軸部126b、四番車128の下軸部128b、がんぎ車130の下軸部130bは、地板102に対して、回転可能に支持される。
アンクル142は、地板102およびアンクル受164に対して回転可能に支持されている。すなわち、アンクル142の上軸部142aは、アンクル受164に対して回転可能に支持される。アンクル142の下軸部142bは、地板102に対して、回転可能に支持される。
香箱真120fの上軸部120aを回転可能に支持する香箱受160の軸受部と、二番車124の上軸部124aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、三番車126の上軸部126aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、四番車128の上軸部128aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、がんぎ車130の上軸部130aを回転可能に支持する輪列受162の軸受部と、アンクル142の上軸部142aを回転可能に支持するアンクル受164の軸受部には、潤滑油が注油される。また、香箱真120fの下軸部120bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、二番車124の下軸部124bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、三番車126の下軸部126bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、四番車128の下軸部128bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、がんぎ車130の下軸部130bを回転可能に支持する地板102の軸受部と、アンクル142の下軸部142bを回転可能に支持する地板102の軸受部には、潤滑油が注油される。この潤滑油は、精密機械用油であるのが好ましく、いわゆる時計油であるのが特に好ましい。
地板102のそれぞれの軸受部、香箱受160の軸受部、輪列受162のそれぞれの軸受部には、潤滑油の保持性能を高めるために、円錐状、円筒状、または円錐台状の油溜め部を設けるのが好ましい。油溜め部を設けると、潤滑油の表面張力により油が拡散するのを効果的に阻止することができる。地板102、香箱受160、輪列受162、アンクル受164は、黄銅などの金属で形成してもよいし、ポリカーボネートなどの樹脂で形成してもよい。
(テンプの構造)
次に、本実施形態のテンプの構造について説明する。
図3に示すように、テンプ140は、てん真140aおよびひげぜんまい140cを備えている。
ひげぜんまい140cは、複数の巻き数をもったうずまき状(螺旋状)の形態の薄板ばねである。ひげぜんまい140cの内端部は、てん真(軸本体部)140aに固定されたひげ玉140dに固定され、ひげぜんまい140cの外端部は、テンプ受167に回転可能に取り付けられたひげ持受170に取り付けたひげ持170aを介してねじ締めにより固定されている。軸受180を内包した枠体166は、その外周部がテンプ受167に固定されている。また、緩急針168は、テンプ受167に回転可能に取り付けられている。さらに、テンプ140は、地板102およびテンプ受167に対して回転可能に支持されている。
ここで、テンプ140は、中心軸線Cを中心に回転可能に構成されており、軸体143(てん真140a)の両端には細い軸部144,145が形成されている。下側の軸部144は地板102に対して回転可能に支持されており、上側の軸部145は、軸受180に対して回転可能に支持されている。この軸体143と軸受180とで軸受ユニット105を構成している。
続いて、軸受ユニットについての第1の態様について説明する。
図4に示すように、軸受ユニット105の軸受180は、中心軸線Cを中心に回転する軸体143の一方の端部である軸部145側に設けられ、軸体143のスラスト方向(軸方向)およびラジアル方向(径方向)の移動を規制する軸受体181と、軸受体181の軸方向の移動を規制する弾性体182と、軸受体181および弾性体182を内包する枠体166と、を備えている。
軸部145は、軸体143の一方端部に軸方向外側に向かって突出形成されており、軸体143よりも径が細くなった第1軸部146と、第1軸部146の軸方向外側端部から先細り形状に縮径されたテーパ部147と、テーパ部147の端部から軸方向外側に突出形成された第2軸部148と、を備えている。なお、第2軸部148の先端は、例えば先細り形状のテーパ部149が形成されている。
また、軸受体181は、軸部145のテーパ部147に当接可能に、かつ、軸体143の周方向に沿って配された複数(例えば、3個)の球体183と、球体183を転動自在に保持する環状部184が形成された外輪部185と、を有している。
また、外輪部185における平面視略中央(中心軸線Cに相当する位置)には軸方向に沿って貫通孔186が形成されており、軸受180に衝撃が加わっていない状態において、第2軸部148の先端が貫通孔186を挿通するように配されている。なお、外輪部185の環状部184と貫通孔186とは連続するように形成されており、環状部184と貫通孔186との間には軸方向外側に向かうにつれて縮径するテーパ部187が形成されている。
さらに、外輪部185における外周面(枠体166との接触面)185aには、軸方向外側に向かって拡径する第1テーパ部185bおよび第2テーパ部185cが周方向に沿って形成されている。同じく、枠体166の内周面166aには、第1テーパ部185bに当接する第3テーパ部166bが形成されるとともに、第2テーパ部185cに当接する第4テーパ部166cが形成されている。第3テーパ部166bおよび第4テーパ部166cも第1テーパ部185bおよび第2テーパ部185cと同様に、軸方向外側に向かって拡径している。このように、第1〜第4テーパ部を形成することにより、軸受ユニット105に衝撃が加わったときに枠体166に対して外輪部185がスラスト方向およびラジアル方向に移動(摺動)できるように構成されている。
弾性体182は、例えば金属で形成された板バネ部材で構成されている。弾性体182は、枠体166における軸受体181の軸方向外側に支持固定されている。弾性体182は軸受体181を軸体143方向(軸方向内側方向)に付勢する付勢力を有しているが、軸受ユニット105に衝撃が加わっていない状態では外輪部185(軸体143)に対して付勢力が加わらないように構成されている。一方、軸受ユニット105に衝撃が加わった際には、外輪部185の移動量を規制する機能を有している。つまり、弾性体182は耐振機構として構成されている。
枠体166は、略円筒状に形成されており、軸受体181および弾性体182を内包可能な貫通孔188が形成されている。また、枠体166の内周面166aには、周方向に沿って弾性体182の周縁部が嵌合支持される溝部189が全周に亘って形成されている。さらに、枠体166の外周面166dが、テンプ受167の内周面に圧入固定されるように構成されている。
ここで、弾性体182の構成および枠体166に弾性体182を支持固定する構成について一例を用いて説明する。例えば、図5、図6に示すように、弾性体182は、軸受体181の外側端面181aに略当接される内輪部182aと、内輪部182aから径方向外方へ向かって放射状に複数形成されたバネ部182bと、を備えている。図5、図6では、バネ部182bが周方向に略等間隔に3箇所形成されている。また、枠体166の一方の面166eには弾性体182のバネ部182bの先端を挿通可能な切欠部166fがバネ部182bの形状に合わせて複数形成されている。さらに、枠体166の内周面166aには、周方向に沿ってバネ部182bの先端が嵌合支持される溝部189が全周に亘って形成されている。そして、切欠部166fと溝部189とは、繋がっている。つまり、バネ部182bの先端を切欠部166fの位置に合わせて挿通させることにより、バネ部182bの先端を溝部189に配することができ、その状態で弾性体182を枠体166に対して周方向に回転させてバネ部182bの先端を溝部189に支持固定することにより、弾性体182のバネ部182bを枠体166に支持固定することができるようになっている。
上述のように構成された軸受180は、通常は軸体143(軸部145)が中心軸線Cを中心に回転している。このとき、軸受体181には球体183が配されているため、軸部145はスムーズに軸中心に回転することができる。
ここで、軸受ユニット105に外部からの衝撃が加わった場合、枠体166に対して軸受体181がスラスト方向およびラジアル方向に移動(摺動)しようとする。このとき、軸受体181の軸方向外側に弾性体182が配されているため、軸受体181の移動量は規制される。また、軸受ユニット105に対する衝撃が収まると、第1テーパ部185bと第3テーパ部166bとが摺動するとともに、第2テーパ部185cと第4テーパ部166cとが摺動することにより、軸受体181は元の位置に戻る。さらに、軸部145の第2軸部148が外輪部185の貫通孔186を挿通する長さに形成されているため、衝撃により軸受体181が移動しても軸部145が軸受体181から外れてしまうことはない。なお、第2軸部148が貫通孔186から外れるくらいの衝撃が加わったとしても、外輪部185にテーパ部187が形成されているため、衝撃が収まるとスムーズに第2軸部148は元の位置に戻る。
本実施形態によれば、軸受ユニット105に大きな衝撃が加わって、軸受180(外輪部185)の変位量が大きくなった場合であっても、第2軸部148の長さが確保されているため、軸体143が軸受体181から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体143を元の位置に戻すという修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、軸受体181を介して軸体143の反対側に、軸受体181の軸方向の変位量を規制する弾性体182を設けたため、時計の姿勢が変わったり、衝撃が加わったりしたときに、軸受体181が軸方向に変位するのを抑制することができる。その結果、軸体143の位置の変動を抑制することができ、トルクの変動を抑制することができるため、時計の計時精度を向上することができる。
続いて、上記実施形態で説明した軸受ユニットの第2の態様について説明する。
図7に示すように、軸受ユニット205は、軸体143と軸受280とで構成されている。
軸受280は、中心軸線Cを中心に回転する軸体143の一方の端部である軸部145側に設けられ、軸体143のスラスト方向およびラジアル方向の移動を規制する軸受体281と、軸受体281を軸部145(軸体143)の方向に向かって付勢する付勢力を有する押えバネ282と、軸受体281を内包する枠体266と、を備えている。
軸部145は、軸体143の一方端部に軸方向外側に向かって突出形成されており、軸体143よりも径が細くなった第1軸部146と、第1軸部146の軸方向外側端部から先細り形状に縮径されたテーパ部147と、テーパ部147の端部から軸方向外側に突出形成された第2軸部148と、を備えている。なお、第2軸部148の先端は、例えば先細り形状のテーパ部149が形成されている。
また、軸受体281は、軸部145のテーパ部147に当接可能に、かつ、軸体143の周方向に沿って配された複数(例えば、3個)の球体283と、球体283を転動自在に保持する環状部284が形成された外輪部285と、を有している。
また、外輪部285における平面視略中央(中心軸線Cに相当する位置)には軸方向に沿って貫通孔286が形成されており、軸受280に衝撃が加わっていない状態において、第2軸部148の先端が貫通孔286を挿通するように配されている。なお、外輪部285の環状部284と貫通孔286とは連続するように形成されており、環状部284と貫通孔286との間には軸方向外側に向かうにつれて縮径するテーパ部287が形成されている。
さらに、外輪部285における外周面(枠体166との接触面)285aには、軸方向に略平行に形成された第1ガイド面285bが周方向に沿って形成されている。同じく、枠体266の内周面266aには、第1ガイド面285bに略当接する第2ガイド面266bが形成されている。第1ガイド面285bと第2ガイド面266bとの隙間はごくわずかであり、例えば30μm以下に設定されている。第2ガイド面266bも第1ガイド面285bと同様に、軸方向に略平行に周方向に沿って形成されている。このように、第1ガイド面285bおよび第2ガイド面266bを形成することにより、軸受ユニット205に衝撃が加わったときに枠体266に対して外輪部285がスラスト方向に移動(摺動)できるように構成されている。
押えバネ282は、例えば金属で形成された板バネ部材で構成されている。押えバネ282は、枠体266における軸受体281の軸方向外側に支持固定されている。押えバネ282は軸受体281を軸体143方向(軸方向内側方向)に付勢する付勢力Fを有しており、軸受ユニット205に衝撃が加わっていない状態において、この付勢力Fは、軸受体281の球体283と軸部145のテーパ部147とを当接させ、かつ、軸部145(軸体143)が中心軸線Cを中心に回転できるような付勢力を有している。つまり、押えバネ282は与圧機構として構成されている。
枠体266は、略円筒状に形成されており、軸受体281および押えバネ282を内包可能な貫通孔288が形成されている。また、枠体266の内周面266aには、周方向に沿って押えバネ282の周縁部が嵌合支持される溝部289が全周に亘って形成されている。さらに、枠体266の外周面266cが、テンプ受167の内周面に圧入固定されるように構成されている。そして、軸受ユニット205に外部からの衝撃が加わっていない状態において、枠体266の底面266dと軸体143における軸部145の軸方向内側端部に形成された段差部145aとの間には隙間d1が形成されている。隙間d1を形成することにより、軸受ユニット205に外部からの衝撃が加わった場合に軸体143は隙間d1分だけ軸方向外側に移動できるようになっている。
上述のように構成された軸受280は、通常は軸体143(軸部145)が中心軸線Cを中心に回転している。このとき、軸受体281には球体283が配されているため、軸部145はスムーズに軸中心に回転することができる。
ここで、軸受ユニット205に外部からの衝撃が加わった場合、枠体266に対して軸受体281がスラスト方向に移動しようとする。なお、軸受体281のラジアル方向への移動は、第1ガイド面285bおよび第2ガイド面266bが形成されているため規制されている。このとき、軸受体281の軸方向外側に押えバネ282が配されているとともに、枠体266の底面266dと軸部145の軸方向内側端部に形成された段差部145aとの間に隙間d1が形成されているため、軸受体281の軸方向への移動量は規制される。また、軸受ユニット205に対する衝撃が収まると、押えバネ282の付勢力Fおよび第1ガイド面285bが第2ガイド面266bにガイドされることにより、軸受体281は元の位置に戻る。さらに、軸部145の第2軸部148が外輪部285の貫通孔286を挿通する長さに形成されているため、衝撃により軸受体281が移動しても軸部145が軸受体281から脱落することはない。なお、第2軸部148が貫通孔286から外れるくらいの衝撃が加わったとしても、外輪部285にテーパ部287が形成されているため、衝撃が収まるとスムーズに第2軸部148は元の位置に戻る。
このように構成することで、第1の態様と同じく、軸受ユニット205に大きな衝撃が加わって、軸受280(外輪部285)の変位量が大きくなった場合であっても、第2軸部148の長さが確保されているため、軸体143が軸受体281から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体143を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、与圧機構として機能する押えバネ282を設けたため、軸受体281と枠体266との間に付勢力を持たせることができる。また、枠体266はテンプ受167に支持固定されているため、枠体266に対して軸受体281が付勢される方向に移動しようとする。したがって、押えバネ282を軸体143に向かって付勢させることにより、確実に軸受体281と軸体143(軸部145)とを当接させることができる。その結果、軸体143の位置の変動を抑制することができ、トルクの変動を抑制することができるため、時計の計時精度を向上することができる。
続いて、上記実施形態で説明した軸受ユニットの第3の態様について説明する。
図8に示すように、軸受ユニット305は、軸体143と軸受380とで構成されている。
軸受380は、中心軸線Cを中心に回転する軸体143の一方の端部である軸部145側に設けられ、軸体143のスラスト方向およびラジアル方向の移動を規制する軸受体381と、軸受体381の軸方向の移動を規制する弾性体382と、軸受体381を内包する枠体366と、を備えている。
軸部145は、軸体143の一方端部に軸方向外側に向かって突出形成されており、軸体143よりも径が細くなった第1軸部146と、第1軸部146の軸方向外側端部から先細り形状に縮径されたテーパ部147と、テーパ部147の端部から軸方向外側に突出形成された第2軸部148と、を備えている。なお、第2軸部148の先端は、例えば先細り形状のテーパ部149が形成されている。
また、軸受体381は、軸部145のテーパ部147に当接可能に、かつ、軸体143の周方向に沿って配された複数(例えば、3個)の球体383と、球体383を転動自在に保持する環状部384が形成された外輪部385と、外輪部385を軸部145(軸体143)の方向に向かって付勢する付勢力を有する押えバネ391と、押えバネ391を支持固定するとともに外輪部385と枠体366との間に配された内枠体392と、を有している。
また、外輪部385における平面視略中央(中心軸線Cに相当する位置)には軸方向に沿って貫通孔386が形成されており、軸受380に衝撃が加わっていない状態において、第2軸部148の先端が貫通孔386を挿通するように配されている。なお、外輪部385の環状部384と貫通孔386とは連続するように形成されており、環状部384と貫通孔386との間には軸方向外側に向かうにつれて縮径するテーパ部387が形成されている。
さらに、外輪部385における外周面(内枠体392との接触面)385aには、軸方向に略平行に形成された第1ガイド面385bが周方向に沿って形成されている。同じく、内枠体392の内周面392aには、第1ガイド面385bに略当接する第2ガイド面392bが形成されている。第1ガイド面385bと第2ガイド面392bとの隙間はごくわずかであり、例えば30μm以下に設定されている。第2ガイド面392bも第1ガイド面385bと同様に、軸方向に略平行に周方向に沿って形成されている。このように、第1ガイド面385bおよび第2ガイド面392bを形成することにより、軸受ユニット305に衝撃が加わったときに内枠体392に対して外輪部385がスラスト方向に移動(摺動)できるように構成されている。
押えバネ391は、例えば金属で形成された板バネ部材で構成されている。押えバネ391は、内枠体392における外輪部385の軸方向外側に支持固定されている。押えバネ391は外輪部385を軸体143方向(軸方向内側方向)に付勢する付勢力Fを有している。この付勢力Fは、軸受体381の球体383と軸部145のテーパ部147とを当接させ、かつ、軸部145(軸体143)が中心軸線Cを中心に回転できるような付勢力を有している。つまり、押えバネ391は与圧機構として構成されている。
内枠体392は、略円筒状に形成されており、外輪部385および押えバネ391を内包可能な貫通孔388が形成されている。また、内枠体392の内周面392aには、周方向に沿って押えバネ391の周縁部が嵌合支持される溝部389が全周に亘って形成されている。さらに、内枠体392における外周面392c(枠体366との接触面)には、軸方向外側に向かって拡径する第1テーパ部392dが周方向に沿って形成されている。同じく、枠体366の内周面366aには、第1テーパ部392dに当接する第2テーパ部366bが形成されている。第2テーパ部366bも第1テーパ部392dと同様に、軸方向外側に向かって拡径している。このように、第1テーパ部392dおよび第2テーパ部366bを形成することにより、軸受ユニット305に衝撃が加わったときに枠体366に対して内枠体392がスラスト方向およびラジアル方向に移動(摺動)できるように構成されている。
弾性体382は、例えば金属で形成された板バネ部材で構成されている。弾性体382は、枠体366における軸受体381の軸方向外側に支持固定されている。弾性体382は軸受体381を軸体143方向(軸方向内側方向)に付勢する付勢力を有しているが、軸受ユニット305に衝撃が加わっていない状態では軸受体381(軸体143)に対して付勢力が加わらないように構成されている。一方、軸受ユニット305に衝撃が加わった際には、軸受体381の移動量を規制する機能を有している。つまり、弾性体382は耐振機構として構成されている。
枠体366は、略円筒状に形成されており、軸受体381および弾性体382を内包可能な貫通孔393が形成されている。また、枠体366の内周面366aには、周方向に沿って弾性体382の周縁部が嵌合支持される溝部394が全周に亘って形成されている。さらに、枠体366の外周面366cが、テンプ受167の内周面に圧入固定されるように構成されている。そして、軸受ユニット305に外部からの衝撃が加わっていない状態において、枠体366の底面366dと軸体143における軸部145の軸方向内側端部に形成された段差部145aとの間には隙間d2が形成されている。隙間d2を形成することにより、軸受ユニット305に外部からの衝撃が加わった場合に軸体143は隙間d2分だけ軸方向外側に移動できるようになっている。
上述のように構成された軸受380は、通常は軸体143(軸部145)が中心軸線Cを中心に回転している。このとき、軸受体381には球体383が配されているため、軸部145はスムーズに軸中心に回転することができる。
ここで、軸受ユニット305に外部からの衝撃が加わった場合、枠体366に対して軸受体381がスラスト方向およびラジアル方向に移動(摺動)しようとする。このとき、軸受体381の軸方向外側に弾性体382が配されているため、軸受体381の移動量は規制される。また、軸受ユニット305に対する衝撃が収まると、第1テーパ部392dと第2テーパ部366bとが摺動することにより、軸受体381は元の位置に戻る。
また、略同時に、内枠体392に対して外輪部385がスラスト方向に移動しようとする。このとき、外輪部385の軸方向外側に押えバネ391が配されているとともに、枠体366の底面366dと軸部145の軸方向内側端部に形成された段差部145aとの間に隙間d2が形成されているため、外輪部385の移動量は規制される。また、軸受ユニット305に対する衝撃が収まると、押えバネ391の付勢力および第1ガイド面385bが第2ガイド面392bにガイドされることにより、外輪部385は元の位置に戻る。さらに、軸部145の第2軸部148が外輪部385の貫通孔386を挿通する長さに形成されているため、衝撃により外輪部385(軸受体381)が移動しても軸部145が軸受体381から脱落することはない。なお、第2軸部148が貫通孔386から外れるくらいの衝撃が加わったとしても、外輪部385にテーパ部387が形成されているため、衝撃が収まるとスムーズに第2軸部148は元の位置に戻る。
このように構成することで、第1の態様と同じく、軸受ユニット305に大きな衝撃が加わって、軸受380(外輪部385)の変位量が大きくなった場合であっても、第2軸部148の長さが確保されているため、軸体143が軸受体381から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体143を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、軸受体381を介して軸体143の反対側に、軸受体143の軸方向の変位量を規制する弾性体382を設けたため、時計の姿勢が変わったり、衝撃が加わったりしたときに、軸受体381が軸方向に変位するのを抑制することができる。その結果、軸体143の位置の変動を抑制することができ、トルクの変動を抑制することができるため、時計の計時精度を向上することができる。
さらに、与圧機構として機能する押えバネ391を設けたため、外輪部385と内枠体392との間に付勢力を持たせることができる。また、内枠体392は枠体366を介してテンプ受167に支持固定されているため、内枠体392に対して外輪部385が付勢される方向に移動しようとする。したがって、押えバネ391を軸体143に向かって付勢させることにより、確実に軸受体381の球体383と軸体143のテーパ部147とを当接させることができる。その結果、軸体143の位置の変動を抑制することができ、トルクの変動を抑制することができるため、時計の計時精度を向上することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施形態に種々の変更を加えたものを含む。すなわち、実施形態で挙げた具体的な形状や構成等は一例にすぎず、適宜変更が可能である。
例えば、本実施形態では、軸受180に衝撃が加わっていない状態において、第2軸部148の先端が外輪部185の貫通孔186を挿通する長さで形成された場合の説明をしたが、図9に示すように、外輪部185に凹部199を形成し、第2軸部148の先端が凹部199内に配されるように第2軸部148の長さを設定してもよい。また、図10に示すように、第2軸部148の先端が、軸体143の軸方向に対して直交する線分であり、かつ、球体183の最長径を通る線分Eよりも、軸方向外側に突出形成される長さを有するように第2軸部148の長さを設定してもよい。いずれの場合であっても、軸受ユニット105に大きな衝撃が加わって、軸受180(外輪部185)の変位量が大きくなっても、第2軸部148の長さが確保されているため、軸体143が軸受体181から脱落するのを防止することができる。その結果、時計の計時機能が停止してしまうのを防止することができるとともに、脱落した軸体143を元の位置に戻す修理作業が生ずるのを防止することができる。
また、与圧機構の別の態様として、例えば、図11、図12に示すように、枠体166の外周面166dとテンプ受167の内周面との間にネジ部201を形成すればよい。このようにネジ部201を形成することにより、テンプ受167に対して枠体166の螺合する割合を調整することにより、軸受体181から軸部145(軸体143)に向かって付勢する弾性体182の付勢力を容易に調整することができる。つまり、与圧調整機構を有するように構成してもよい。また、前述した枠体166の外周面166dと、テンプ受167の内周面とのネジ構造により、枠体166、弾性体182、軸受体181をまとめてテンプ受167から容易に着脱することができる。
さらに、上記実施形態では、軸部145側に軸受180を設けた場合の説明をしたが、軸部144側に軸受180を配する構成にしてもよい。
そして、上記実施形態では、テンプ140に配する軸受として上記構成の軸受180を採用した場合の説明をしたが、テンプ140以外にも、香箱車120、二番車124、三番車126、四番車128、がんぎ車130およびアンクル142の軸受として上記構成の軸受180を採用してもよい。
100…ムーブメント 105…軸受ユニット(時計用軸受ユニット) 140…テンプ 140a…てん真(軸本体部) 143…軸体 147…テーパ部 148…第2軸部(棒状部) 166…枠体 167…テンプ受(支持部材) 181…軸受体 182…弾性体(ストッパー部材) 183…球体 184…環状部 185…外輪部 186…貫通孔 205…軸受ユニット(時計用軸受ユニット) 282…押えバネ(弾性体) 305…軸受ユニット(時計用軸受ユニット) 382…弾性体(ストッパー部材) 391…押えバネ(弾性体) C…中心軸線(軸中心) E…線分

Claims (7)

  1. 軸中心に回転する軸体と、
    該軸体の少なくとも一方の軸方向端部に設けられ、前記軸体を回転可能に支持する軸受体と、を備えた時計用軸受ユニットであって、
    前記軸体は、
    軸本体部と、
    該軸本体部の軸方向端部に形成された先細り形状のテーパ部と、
    該テーパ部を介して前記軸本体部の反対側に突出形成された棒状部と、を有し、
    前記軸受体は、
    前記テーパ部に当接可能に前記軸体の周方向に沿って配された複数の球体と、
    該球体を転動自在に保持する環状部が形成された外輪部と、を有し、
    前記棒状部は、前記軸本体部の軸方向に対して直交する線分であり、かつ、前記球体の最長径を通る前記線分よりも、前記軸本体部の反対側に突出形成されていることを特徴とする時計用軸受ユニット。
  2. 前記棒状部は、前記球体における前記軸本体部が位置する側の軸方向反対側の頂部よりも突出形成されていることを特徴とする請求項1に記載の時計用軸受ユニット。
  3. 前記外輪部に、前記軸体の軸方向に沿うように貫通孔が形成されており、
    前記棒状部は、前記貫通孔に挿通されるように突出形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の時計用軸受ユニット。
  4. 前記軸受体に対して軸方向に付勢力を有する弾性体と、
    前記軸受体を内包する枠体と、をさらに備え、
    前記弾性体が前記軸受体と前記枠体との間を連結するように設けられているとともに、前記枠体が支持部材に支持固定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の時計用軸受ユニット。
  5. 前記軸受体を介して前記軸体の反対側に、前記軸受体の軸方向の変位量を規制するストッパー部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の時計用軸受ユニット。
  6. 香箱、番車、がんぎ車、アンクルおよびテンプを備えた時計のムーブメントであって、
    少なくとも前記テンプの軸受に、請求項1〜5のいずれかに記載の時計用軸受ユニットが用いられていることを特徴とするムーブメント。
  7. 請求項6に記載のムーブメントと、
    該ムーブメントを内包するケーシングと、を備えていることを特徴とする携帯用時計。
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