JP2011179737A - 熱交換器及び熱交換器の製造方法 - Google Patents

熱交換器及び熱交換器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】使用環境の如何に拘わらず、安定した耐食性が得られる熱交換器を実現する。
【解決手段】熱交換器(コア1)の通路4内に露出するプレート2の表面及びコルゲートフィン3の表面によって構成される、一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面の内、少なくとも一次伝熱面側の表面に、流体の流れ方向に沿って樹脂製の耐食層6を設ける。一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層61は、二次伝熱面側の耐食層62の厚みよりも厚く形成する(T1>T2)。
【選択図】図2

Description

ここに開示する技術は、熱交換器に関し、特に耐食性能に優れた熱交換器、及びその製造方法に関する。
例えば特許文献1には、カーエアコン用凝縮器として用いられるアルミニウム製の熱交換器が記載されており、具体的にこの熱交換器は、その内部に冷媒通路が形成されたチューブとコルゲートフィンとを交互に積層して構成されている。こうした熱交換器では、腐食環境下での使用に耐え得るように、外部に露出していたり、外部と連通していたりする流体通路に対して各種の耐食処理が施される場合がある。例えば特許文献1に記載されている熱交換器では、その外表面に亜鉛層を有するアルミニウム製のチューブと、コルゲートフィンとをろう付により接合して熱交換器を形成しており、亜鉛の犠牲防食効果によってアルミニウム製チューブの耐食性を確保しようとしている。
特開平9−303989号公報
ところが、前記の亜鉛拡散処理によって犠牲防食型の防食層を備えた熱交換器は、使用環境によっては、例えば腐食性に関して過酷な使用環境では、十分な耐食性が得られない場合もあり得ることに本願発明者らは気づいた。つまり、犠牲防食型の表面処理は、通常の使用環境下であれば所望の耐食性能が得られるものの、耐食対象物(前記の亜鉛拡散処理でいえばアルミニウム製チューブ)と腐食物質との接触を完全に遮断するのではないため、例えば過酷な環境下で特殊な条件が重なってしまった場合等には、耐食対象物の腐食が比較的早期に進んでしまうことも起こり得る。このように犠牲防食型の表面処理を施した熱交換器は、腐食そのものを抑制するものではないので、使用環境により耐食性に差が生じてしまう。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使用環境の如何に拘わらず、所望の耐食性が安定して得られる熱交換器を実現することにある。
前記の目的に鑑みて、本願発明者らは、亜鉛拡散処理のような犠牲防食型の表面処理を施すのではなく、バリア型の防食を行うべく、樹脂製の耐食層を熱交換器の通路内に設けることに着目した。樹脂製の耐食層は、耐食対象物と腐食物質との接触を物理的に遮断するため、使用環境に対する耐食効果のロバスト性を高め得る。
しかしながら、例えば一対のプレートによって区画される熱交換器の通路内は、そこに配設されたフィンによって複数のチャンネルに区画されており、所望の耐食性能を確保するために、その各チャンネルを区画する全壁面に対して比較的分厚い耐食層を形成してしまうと、通路面積が大きく減少してしまう。通路面積の減少は、そこを流れる流体の圧力損失の増大を招き、ひいては熱交換器の熱交換性能の低下を招くことに本願発明者らは気づいた。また、そうした樹脂製の耐食層は、一次伝熱面や二次伝熱面を構成するプレートやフィンと比較して熱伝導率が低く、一次伝熱面や二次伝熱面の全てを樹脂製耐食層で分厚く覆ってしまうと、伝熱性の点でも不利になり得る。
そこで本願発明者らは、所望の耐食性能を得ることと、圧力損失の増大及び伝熱性の低下を回避することとを両立すべく、耐食層の厚みを一次伝熱面側と二次伝熱面側とで異ならせるようにして本願発明を完成するに至ったものである。
具体的に、ここに開示する熱交換器は、流体が流れる通路を区画するように所定間隔を空けて並設されると共に一次伝熱面を構成する、少なくとも一対のプレートと、前記一対のプレートのそれぞれに当接して接合されることによって前記通路内を複数のチャンネルに区画すると共に、前記通路内で二次伝熱面(拡張伝熱面)を構成するコルゲートフィンと、を備え、前記通路内に露出する前記プレートの表面及び前記コルゲートフィンの表面によって構成される、一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面の内、少なくとも一次伝熱面側の表面には、前記流体の流れ方向に沿って樹脂製の耐食層を設けると共に、前記一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層は、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚く形成する。
ここで、「コルゲートフィン」の形状は特に限定されず、いわゆるプレーン型やヘリンボーン型等の種々の形状を、適宜採用し得る。
「通路内の一次伝熱面側の表面」とは、前記一次伝熱面を構成するプレートの表面を含むことは勿論のこと、前記コルゲートフィンにおいてプレートに当接して接合される部分もまたプレートと一体とみなすことができるため、一次伝熱面側の表面に含まれ得る。一方、「通路内の二次伝熱面側の表面」には、前記のコルゲートフィンにおいて一対のプレートの間を架け渡すように配設される部分の表面が含まれる。
「一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層は、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚」いとは、二次伝熱面側の表面に設けられた耐食層は、前記一次伝熱面側の耐食層の厚みよりも薄い、と言い換えることができ、二次伝熱面側の表面には耐食層を設けない場合、つまり、耐食層の厚みが0(ゼロ)の場合をも含み得る。また、流体の流れ方向に対し耐食層の厚みが変化することに伴い、二次伝熱面側の表面に耐食層が部分的に設けられない場合も含み得る。すなわち、二次伝熱面側の耐食層は、流体の流れ方向の全域に亘って設けられていなくてもよい。
また、一次伝熱面側の耐食層は、耐食性を確実に得る観点から、流体の流れ方向の全域に亘って最低限の厚みを確保しつつ、流体の流れ方向に概略均一の厚みであることが望ましい。一方で、二次伝熱面側の耐食層にはそうした最低厚みに関する要求はなく、厚みが変化することも許容し得る。ここで、二次伝熱面側の耐食層が部分的に分厚くなって、その箇所においては一次伝熱面側の耐食層よりも分厚くなってしまう場合でも、例えば流体の流れ方向に平均した厚み同士を比較したときに、二次伝熱面側の耐食層が一次伝熱面側の耐食層よりも薄くなるのであれば、二次伝熱面側の表面に設けられた耐食層は、前記一次伝熱面側の耐食層の厚みよりも薄く形成されている、逆に言うと「一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層は、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚く形成されている」ということができる。
前記構成の熱交換器は、通路における一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面に、樹脂製の耐食層、換言すればバリア型の耐食層を設けており、犠牲防食型の防食層を備える場合と比較して、使用環境の如何に拘わらず、安定した耐食性が発揮される。特に一次伝熱面側、換言すれば主としてプレート側の耐食層は相対的に分厚いため、耐食効果が確実に得られる。このことは、プレートの腐食を確実に防止し、プレートによって区画される通路の漏れを確実に防止する上で有利になる。
これに対し、二次伝熱面側、換言すればコルゲートフィン側の耐食層は相対的に薄く、一次伝熱面側の耐食層と比較して耐食効果は低くなるものの、コルゲートフィンは、基本的には、通路内を複数のチャンネルに区画するものであり、コルゲートフィンを挟んで隣り合うチャンネル内は、同じ流体が流れていることから、仮に腐食が進んだとしてもチャンネル同士が連通し得るだけで、通路の漏れには至らず大きな問題とならない。一方で、二次伝熱面側の耐食層の厚みを薄くすることは、コルゲートフィンによって区画されるチャンネルの断面積が縮小してしまうことを抑制し、ひいては、通路全体の圧力損失の増大を回避し得る。特に、通路内における二次伝熱面の表面積は、一次伝熱面の表面積に対して大幅に大きいことから、前記の構成のように二次伝熱面側(コルゲートフィン)の耐食層の厚みを一次伝熱面側の耐食層の厚みよりも薄くした場合は、それらの耐食層の厚みを互いに同じにした場合と比較して、通路断面積は大幅に大きくなる。その結果、二次伝熱面側の耐食層の厚みを相対的に薄くした場合の圧力損失は、耐食層の厚みを互いに同じにした場合の圧力損失よりも大幅に小さくなる。つまり、二次伝熱面側の耐食層の厚みを薄くすることは、圧力損失の増大を抑制する効果が高い。
また、二次伝熱面側は耐食層の厚みが薄いことから、当該耐食層が熱伝導率の低い樹脂製であっても、伝熱性の低下が抑制される。前述したように、通路内における二次伝熱面の表面積は、一次伝熱面の表面積に対して大幅に大きいことから、二次伝熱面側の伝熱性の低下を抑制することは、熱交換器全体としての伝熱性の低下を効果的に抑制し得る。また、耐食層の厚みが相対的に分厚い一次伝熱面側の内、プレートとコルゲートフィンとの接合部分においては、プレートとコルゲートフィンとが直接的に接合していて両者の間に樹脂層は介在していない。なぜなら、樹脂製の耐食層は、通路内に露出するプレートの表面及びコルゲートフィンの表面に設けられているからである。このことは、コルゲートフィンとプレートとの間の伝熱性を低下させないことを意味する。すなわち、プレートとコルゲートフィンとが接合した一次伝熱面側は、樹脂製の耐食層の厚みが相対的に分厚くても、それぞれ熱伝導率が高く設定されるプレートとコルゲートフィンとの間の伝熱に何ら影響を与えない。従って、通路内を流れる流体の熱(冷熱を含む)は、二次伝熱面側においては、耐食層の厚みを薄くして伝熱性の低下を抑制することで、コルゲートフィンに良好に伝達し、その後、プレートとコルゲートフィンとが樹脂層を介さずに直接接合していて高い伝熱性がそのまま維持されていることにより、コルゲートフィンからプレートに良好に伝達することになり、結果として、熱交換器の熱交換効率の低下を抑制することができる。
こうして前記構成の熱交換器は、所望の耐食性を確保することと、圧力損失の増大及び伝熱性の低下を回避することとが両立し得る。
前記一次伝熱面側の耐食層の厚みは、20μm以上200μm以下に設定され、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みは、前記流体の流れ方向に対し、平均10μm以下に設定されている、としてもよい。
前述したように、一次伝熱面側の耐食層はプレートの腐食を抑制して、流体の漏れを確実に回避する必要性から、その厚みとしては、流体の流れ方向の全域に亘る、最低限の厚みを設定することが望ましい。つまり、一次伝熱面側の耐食層の厚みは、20μm以上に設定することによって、所望の耐食性能が得られる。一方、耐食層の厚みが分厚すぎるときには、樹脂製の耐食層の割れ等が生じる確率が高くなる。この点から、一次伝熱面側の耐食層の厚みは、200μm以下に設定することが望ましい。従って、一次伝熱面側の耐食層の厚みを20μm以上200μm以下に設定することは、所望の耐食性能を確実に得ることを可能にする。
これに対し、二次伝熱面側の耐食層は、前述したように、耐食機能を得ることよりも、流路断面積の縮小を抑制する必要性及び/又は伝熱性の低下を抑制する必要性から、その厚みとしては最低限の厚みを設定するよりも、流体の流れ方向に対する平均厚みを設定するほうが好ましい。つまり、流体の流れ方向に対し局所的に、耐食層の分厚い箇所が存在していたとしても、それ以外の箇所においては耐食層の厚みが比較的薄い場合は、圧力損失の増大及び伝熱性の低下が回避し得る。二次伝熱面側の耐食層の平均厚みを10μm以下にすることは、熱交換器の圧力損失の増大及び伝熱性の低下を効果的に回避し得る。
ここに開示する製造方法は、所定間隔を空けて並設された一対のプレートによって流体が流れる通路が区画されると共に、当該通路が前記一対のプレートのそれぞれに接合されたコルゲートフィンによって複数のチャンネルに区画されたコアを有する熱交換器の製造方法である。
この製造方法は、前記プレートと前記コルゲートフィンとを交互に積み重ねると共に、それらを互いに接合することによって前記コアを組み立てる工程と、前記コアの通路内に露出する前記プレートの表面及び前記コルゲートフィンの表面によって構成される、一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面の内、少なくとも一次伝熱面側の表面に、樹脂製の耐食層を前記流体の流れ方向に沿って設ける工程と、を備え、前記一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層を、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚く形成する。ここで、プレートとコルゲートフィンとの接合は、例えばろう付によって行ってもよい。
交互に積み重ねたプレートとコルゲートフィンとを互いに接合した後に、当該プレート及びコルゲートフィンによって形成される一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面に、樹脂製の耐食層を設けることは、コアの通路内に露出するプレートの表面及びコルゲートフィンの表面に耐食層を設ける一方で、互いに接合されたプレートとコルゲートフィンとの間に樹脂層を形成することがない。つまり、前述したようにプレートとコルゲートフィンとの間の伝熱性の低下を防止する上で有利な構成の熱交換器(コア)を、容易に製造し得る。
以上説明したように、前記の熱交換器によると、使用環境に対するロバスト性の高い樹脂製の耐食層を、熱交換器の通路における一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面に設けることによって、耐食効果を安定して得ることが可能になる一方で、一次伝熱面側の耐食層の厚みを、二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚くすることによって、圧力損失の増大及び伝熱性の低下が抑制される。その結果、所望の耐食性を確保することと、圧力損失の増大及び伝熱性の低下を回避することとが両立する。
熱交換器のコアの分解斜視図である。 コアの一部の横断面図(図1のII−II断面図)である。 耐食層の形成方法の一例を概念的に示す図である。
以下、熱交換器の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1,2は熱交換器のコア1の一部を示しており、図1はコア1の分解斜視図、図2は、コア1を組み立てた状態における、図1のII−II断面に対応する断面図である。この熱交換器は、いわゆるプレートフィン型の熱交換器であり、コア1は、複数のチューブプレート2と複数のコルゲートフィン3とを交互に積層することによって構成されている。尚、図1,2においては、3枚のチューブプレート2及び2枚のコルゲートフィン3のみを図示しているが、実際は、これ以上の枚数のチューブプレート2及びコルゲートフィン3が積層されることになる。チューブプレート2やコルゲートフィン3の枚数は、熱交換器の要求性能に応じて適宜設定される。
ここで、この熱交換器は、例えば鉄道車両における床下に配設されて、冷却器として使用されるものであり、この熱交換器は所定の冷媒である高温流体と、鉄道車両の走行に伴う走行風又はブロワからの送風(つまり、冷却空気)である低温流体との間で熱交換を行うように構成されている。この熱交換器はまた、軽量化の観点から、アルミニウム又はアルミニウム合金製が多く使用されているが、ここに開示する技術は、アルミニウム又はアルミニウム合金製の熱交換器に限定されるものではなく、例えばステンレス鋼製、鉄製、銅製等、他の材料からなる熱交換器にも適用可能である。
ここで、鉄道車両の床下に配設されかつ前記走行風等が導入される熱交換器には、例えば雨水等の水のみならず、車両走行中に冷却空気の通路内に粉塵等が進入し、そうした粉塵等が通路内に堆積する場合がある。また、鉄道車両においては、レールの鉄粉やパンタグラフ(集電器)の銅粉も、熱交換器の冷却空気の通路内に進入して、前記粉塵と共に堆積する場合もある。こうした鉄粉や銅粉、粉塵の堆積は、アルミニウム製熱交換器との間の電位差を生じさせ、水分を保持することから、熱交換器の腐食を促進させ得る条件を満たすことになる。こうした熱交換器の腐食の問題は、鉄道車両用の熱交換器に限らない。例えば冷凍器又は蒸発器として利用されるような熱交換器は結露が生じ得ることから、腐食の点で不利になり得る。また、例えば掘削機に用いられる熱交換器は、粉塵が進入しやすい使用環境となるため、同様に腐食の点で不利になり得る。また用途によっては、熱交換器の通路内に、酸性又はアルカリ性物質が進入する場合もあり、こうした酸性又はアルカリ性物質の進入と、前述した腐食を促進し得る条件とが重なって生じた場合には、熱交換器の腐食の点でさらに不利になる可能性がある。ここに開示する熱交換器は、特定用途の熱交換器に限らず、腐食を防止する上で有利な構成を有している熱交換器であり、以下、この熱交換器のコア1の構成について、図を参照しながら具体的に説明する。
各チューブプレート2は、この実施形態では平板形状を有しており、複数のチューブプレート2は、所定の間隔を空けて互いに平行となるように配設されている。こうして複数のチューブプレート2を並設することによって、冷却空気が流れる第1通路4と冷媒が流れる第2通路5とが、チューブプレート2を挟んで交互に積層配置されることになり、各チューブプレート2は、第1通路4と第2通路5との間を区画すると共に、両通路4,5の間で熱を伝える一次伝熱面として機能する。尚、図1,2では理解容易のために、コア1の構造を概略的に描いており、長さ(奥行き)、幅、及び、高さ方向の寸法関係については、必ずしも正確な寸法関係を表していない。例えばこのコア1において、特に冷却空気が流れる第1通路側は、その通路の長さ(図1の紙面右手前から左奥に向かう奥行き方向の長さ)が比較的長く形成されている(例えば100mm〜600mm程度)。また、第1通路4の高さと第2通路5の高さとは、図例では互いに略同じ高さに描かれているが、通路の高さ関係はこれに限らず、例えば冷却空気が通る第1通路4の高さは、冷媒が通る第2通路5の高さよりも高く設定してもよい。
第1通路4内のコルゲートフィン3は、この実施形態では、複数の畝が互いに等間隔を空けて並設するように、その横断面が波形を有すると共に、当該畝が直線状に延びる、いわゆるプレーン型に構成されている。尚、当該プレーン型のコルゲートフィン3に対して、所定パターンで貫通孔を形成したパーホレート型のコルゲートフィンを採用してもよい。また、ヘリンボーン型等の他の形状を採用することも可能であり、そのピッチもまた適宜設定することが可能である。一方、第2通路5内のコルゲートフィン3も、図1に示すようにこの実施形態では、プレーン型に構成されているが、この第2通路5内のコルゲートフィン3は、ヘリンボーン型等の他の形状を採用することが可能であると共に、そのピッチも適宜設定することが可能である。さらに、第2通路5内には、フィンを用いない場合もあり得る。尚、第1通路4内のコルゲートフィン3と第2通路5内のコルゲートフィン3とは、その形状を同じにしてもよいし、互いに異ならせてもよく、また、フィンのピッチも互いに同じにしてもよいし、互いに異ならせてもよい。
各コルゲートフィン3は、隣り合うチューブプレート2の間に、そのチューブプレート2に当接するように配設されており、その隣り合うチューブプレート2同士の間の周縁部には、サイドバー41,51が配設されている。各コルゲートフィン3は、それに隣接するチューブプレート2に対して、例えばろう付により接合されている。こうして第1通路4及び第2通路5内はそれぞれ、コルゲートフィン3によって、複数のチャンネル31が並設するように区画され、コルゲートフィン3は二次伝熱面として機能する。
ここで、図例のコア1はいわゆる直交流型に構成されている。つまり、第1通路4では、流体(冷却空気)が、図1における紙面の右手前から左奥の方向に流れるように、コルゲートフィン3が配設されているのに対し、第2通路5では、流体(冷媒)が、図1における紙面の右奥から左手前の方向に流れるように、コルゲートフィン3が配設されている。但し、コア1の構成はこれに限らず、例えば第1及び第2通路4,5の双方において、流体が同じ方向に流れるようにコルゲートフィン3を配設した向流型等、他の流動型式を採用してもよい。
尚、図示は省略するが、熱交換器においては、このコア1に対し、第2通路5に冷媒を供給するためのヘッダ部が取り付けられると共に、第2通路5からの冷媒を排出するためのヘッダ部が取り付けられる。尚、熱交換器の構成によっては、例えば当該熱交換器において冷媒を凝縮させるような構成では、第2通路5の一端側の開口に対してのみヘッダ部が取り付けられ、他端側の開口は閉塞される場合もある。一方、第1通路4に対しブロワからの送風を導入する構成では、このコア1には、当該ブロワとの間に介設された導風部が取り付けられる。一方、第1通路4に導入される冷却空気が走行風であるときには、冷却空気の導入部は、特には設けられない。尚、第1通路4を通過した空気はそのまま大気に排気すべく、第1通路4には導出部を設けず、第1通路4の出口側は外部に開口することになる。こうして、この熱交換器では、コア1における各第2通路5は、外部に露出せずかつ、外部と連通しない一方で、各第1通路4は、その入口側及び出口側において外部に露出する、及び/又は、外部と連通することになる。
ここで、前述したように、この熱交換器は、例えば鉄道車両の床下に配置されることになり、鉄道車両の走行中等に、種々の物質が第1通路4内に進入する場合があり得ると共に、進入した異物が第1通路4内に堆積する場合もある。こうした異物の進入及び堆積は、第1通路4を区画するチューブプレート2やフィン3の腐食の点では不利である。
そこでこの熱交換器(つまりコア1)では、耐食性を向上させるため、第1通路4内に耐食層を設けている。具体的には図2に示すように、第1通路4内に露出しているチューブプレート2の表面及びフィン3の表面のそれぞれに、樹脂製の耐食層6を形成している。この耐食層6は、バリア型の耐食層であって、チューブプレート2やフィン3の表面を覆うことによって腐食物質の進入を遮断し、腐食物質がチューブプレート2やフィン3の表面と接触することを防止する機能を有する。ここで、耐食層6を構成する樹脂としては、それ自体が耐食性に優れた樹脂が好ましく、具体的には、エポキシ樹脂、ポリエチレン樹脂及びエポキシ・ポリエチレン混成樹脂等の熱硬化性樹脂が好ましい。
この耐食層6はまた、一次伝熱面側に設けられた部分、つまりチューブプレート2の表面及び、コルゲートフィン3においてチューブプレート2に接合された部分の表面、換言すれば図2において上向きの面又は下向きの面に設けられた耐食層61は、その厚みT1が相対的に分厚く、二次伝熱面側に設けられた部分、つまりコルゲートフィン3においてチューブプレート2同士を架け渡すように立設された部分の表面、換言すれば図2において左向きの面又は右向きの面に設けられた耐食層62は、その厚みT2が相対的薄く形成されている。これは、一次伝熱面側の耐食層61は、チューブプレート2の腐食を確実に回避して、流体(つまり、第2通路5内を流れる冷媒)の漏れを確実に防止する必要があるのに対し、二次伝熱面側の耐食層62は、第1通路4内を複数のチャンネル31に区画するものであり、コルゲートフィン3を挟んで隣り合うチャンネル31内は、同じ流体が流れていることから、そうした流体の漏れを防止する要求は高くない一方で、二次伝熱面側に分厚い耐食層62を形成したのでは、通路断面積を大幅に縮小させて、冷却空気の圧力損失が大幅に増大してしまう虞があるためである。特にこのコア1は、前述したように第1通路4の奥行き方向の長さが比較的長く圧力損失の点で不利な構成であると共に、図2に例示するように、第1通路4内に配設されたコルゲートフィン3のピッチ(図2における紙面左右方向のピッチ)が、通路高さ(図2における紙面上下方向の高さ)に比べて小さく設定されており(一例として、2〜3mm)、一次伝熱面側の表面積に対し、二次伝熱面側の表面積が大幅に大きい。一次伝熱面側の表面積と二次伝熱面側の表面積との比率は、一例として1/10以上の比率に設定される。このため、二次伝熱面側の耐食層62の厚みを厚くした場合には、通路断面積が大幅に縮小してしまう。逆に、二次伝熱面側の耐食層62の厚みT2を薄くすることによって、通路断面積を大幅に大きくすることが可能になり、圧力損失の増大を効果的に抑制し得る。また、流路抵抗の観点に限らず、伝熱性の観点においても、二次伝熱面側の耐食層62の厚みT2を薄くすることは有利な構成である。つまり、樹脂製の耐食層6は、例えばアルミニウム又はアルミニウム合金製のチューブプレート2やコルゲートフィン3と比較して熱伝導率が低く、一次伝熱面及び二次伝熱面の表面を覆う樹脂製の耐食層6の厚みを分厚くすることは、伝熱性の点で不利になり得る。従って、二次伝熱面側の耐食層62の厚みT2を薄くすることは、二次伝熱面側における伝熱性の低下を抑制し得る。表面積の大きい二次伝熱面側の伝熱性低下を抑制することは、熱交換器の熱交換効率を高める上で特に有利になる。一方、一次伝熱面側の耐食層61の厚みT1は相対的に厚いものの、一次伝熱面側の内でも、チューブプレート2及びコルゲートフィン3の接合箇所においては、チューブプレート2及びコルゲートフィン3が互いに当接して接合していることから、相対的に分厚い耐食層61は、チューブプレート2及びコルゲートフィン3の間の熱伝導に何ら影響を与えることがない。つまり、一次伝熱面側の耐食層61を相対的に分厚く形成することは、熱交換器の伝熱性の低下に余り影響を与えないのである。尚、二次伝熱面側の耐食層62は設けないようにしてもよい。
次に、この熱交換器のコア1の製造手順の一例について、図3を参照しながら説明する。先ず、熱交換器のコア1は、従来と同様に、チューブプレート2とコルゲートフィン3とを交互に積層すると共に、これらチューブプレート2とコルゲートフィン3とを、例えばろう付により互いに接合することによって作成される。こうして作成したコア1は、少なくとも第1通路4は、その両端部がそれぞれ開口している。
コア1を作成すれば、その第1通路4に対して前述の耐食層6を形成する。具体的にここでは、粉体静電塗装法を利用する。図3は、粉体静電塗装法による耐食層の形成原理を、概念的に示す図であり、図3は、コア1における所定の第1通路4内に設けられた複数のチャンネル31の内の、一つのチャンネル31のみを抜き出して描いている。つまり、当該チャンネル31は、その上下左右が、一対のチューブプレート2,2及びフィン3,3によって区画されることになる。前記コア1は、その第1通路4が水平方向に延びるような向きで、例えば所定の台上に設置されると共に、所定の箇所でアースされる。
こうして設置されたコア1における第1通路4の一端側の開口から通路内に、帯電させた樹脂の粉体(粉体塗料100)を搬送エアによって吹き込む。
第1通路4内では、粉体塗料100に対し放射状に(より正確には、図3(b)に示すように、通路の横断面において放射状に)クーロン力が作用することで、粉体塗料100は、チューブプレート2の表面、及び、フィン3の表面に付着しながら第1通路4内を搬送される。そうして、第1通路4中の流体の流れ方向(つまり、奥行き方向)の全域に亘って、チューブプレート2の表面、及び、フィン3の表面に粉体塗料100が付着するようになる。尚、余剰の粉体塗料100は、第1通路4の他端側の開口から排出される。
ここで、前述したように、粉体塗料100には放射状にクーロン力が作用するものの、鉛直下向きには、前記のクーロン力に加えて重力も作用することから、下の面(底面、つまり、一次伝熱面側の面)には、粉体塗料100が最も厚く付着するようになり、フィン3、つまり二次伝熱面側の面に付着する粉体塗料の層は、相対的に薄くなる。このようにして、一次伝熱面側は、粉体塗料の堆積層(つまり、耐食層61)が相対的に厚く、二次伝熱面側の堆積層(つまり、耐食層62)は相対的に薄くなり得る。尚、必要に応じて、コア1の天地を反転させて(ひっくり返して)、前述した粉体塗料100の吹き込みを再度行うようにし、相対する面(図3における上の面)に、粉体塗料100を厚めに付着させるようにしてもよい。
尚、前述したように、塗装の際のコア1の配置を適宜の配置にすることで堆積層の厚みを制御する以外にも、コア1に接続するアースの位置を適宜調整する等によって、コア1側に電位差を設け、そのことにより、前記と同様の、堆積層の厚みを制御する効果を得るようにしてもよい。また、粉体塗料100の吹き込み回数(換言すれば塗装回数)は、1回又は2回に限らず、適宜の回数に設定してもよい。
そうして、第1通路4内の各表面に、粉体塗料100を付着させる塗装工程が完了すれば、当該コア1を加熱することにより、例えば熱硬化型樹脂からなる粉体塗料を溶融及び硬化させる(塗膜形成工程)。塗膜形成工程では、使用する塗料の硬化条件に応じた焼き付けを行えばよく、例えば180〜200℃程度で、15〜20分程度、焼き付けを行うようにしてもよい。こうしてコア1の第1通路4内に耐食層6が形成されることになる。
尚、コア1に対する塗装工程及び塗膜形成工程は、例えば次のようにしてもよい。すなわち、所定の向きに設置したコア1に対し、粉体塗料100を吹き込む塗装工程を行うと共に、塗膜形成工程を実行して粉体塗料を溶融及び硬化させる。その後に、前記コア1をひっくり返して粉体塗料100を吹き込む、2回目の塗装工程を行うようにしてもよい。尚、2回目の塗装工程後に、コア1を加熱する2回目の塗膜形成工程を実行することは言うまでもない。また、例えば所定の向きに設置したコア1に対し、粉体塗料100を吹き込む塗装工程を行った後に、当該コア1をひっくり返し、その後に、2回目の塗装工程を行わずに塗膜形成工程を実行して、粉体塗料を溶融及び硬化させるようにしてもよい。
このように積層したチューブプレート2とコルゲートフィン3とを互いに接合した後に、樹脂製の耐食層6を形成することによって、第1通路4内に露出しているチューブプレート2の表面及びコルゲートフィン3の表面にのみ、樹脂製の耐食層6を形成し得る。例えば前記とは逆に、チューブプレート2の表面に樹脂層を形成すると共に、コルゲートフィン3の表面に樹脂層を形成した後に、両者を積層して接合した場合は、チューブプレート2とコルゲートフィン3との接合箇所において、チューブプレート2とコルゲートフィン3との間に樹脂層が介在することになる。この介在樹脂層はチューブプレート2とコルゲートフィン3との間の伝熱性を低下させることになる。これに対し、積層したチューブプレート2とコルゲートフィン3とを互いに接合した後に、樹脂製の耐食層6を形成することは、そうした介在樹脂層の形成を防止して、チューブプレート2とコルゲートフィン3との間の伝熱性の低下を回避し得る点で有利である。
また、粉体静電塗装は、ここに開示するコア1のように、横断面積が比較的小さい一方で、その奥行き方向の長さが比較的長い各チャンネル31内において、奥行き方向の全域に亘って比較的均一に、耐食層を形成し得ると共に、前述の通り、一次伝熱面側には相対的に厚い耐食層61を、二次伝熱面側には相対的に薄い耐食層62を形成するといった層厚の制御を比較的容易に行い得る。このことから、粉体静電塗装は、前述したような特徴を有する樹脂製の耐食層6を形成する上で有用な方法の一つである。例えば、断面積が比較的小さくかつ奥行きが長い各チャンネル内に樹脂製の耐食層を形成する他の方法としては、ディッピング法も採用し得る。しかしながらディッピング法では基本的に、厚みが均一の層を形成することになるため、一次伝熱面側には相対的に厚い耐食層61を、二次伝熱面側には相対的に薄い耐食層62を形成するといった層厚の制御を行うことは困難乃至不可能である。また、粉体静電塗装は、粉体塗料を搬送エアによって吹き込むため、第1通路4内のコルゲートフィン3が、例えばプレーン型のように奥行き方向に直線状のフィンに限らず、ヘリンボーン型等の他の形状でも利用可能であり、有利である。また、必要に応じて粉体塗料を着色することで、耐食層6を、所望の色に構成することも容易に実現し得る。但し、耐食層6の形成方法としては、粉体静電塗装に限定されるものではない。
尚、例えば粉体塗料の密着性の向上や耐食性のさらなる向上の観点から、必要に応じて、粉体静電塗装を行う前に、皮膜形成処理、めっき処理、化成処理、陽極酸化処理、拡散処理、洗浄処理、脱脂処理等の前処理を行うようにしてもよい。具体的には、例えば亜鉛めっき、亜鉛コーティング、亜鉛拡散処理、リン酸亜鉛被膜形成処理、リン酸鉄皮膜形成処理、アルマイト処理、クロメート処理等が挙げられ、これらの処理を単独で、又は、適宜組み合わせて実施してもよい。
ここで、耐食層6の厚みは、一次伝熱面側は、20μm≦T1≦200μmに設定することが好ましい。より好ましくは、40μm≦T1≦200μmである。一次伝熱面側の耐食層61は、前述したように、チューブプレート2の腐食を確実に防止する観点から、その最低限の厚みを設定することが好ましい。また、一次伝熱面側の耐食層61は、奥行き方向に、その層厚が均一であることが好ましいが、層厚が変化していてもよい。但し、層厚が変化する場合の最小厚みは20μmとなる。一方、耐食層6の厚みが分厚すぎるときには、樹脂製の耐食層6の割れ等が生じやすくなり、十分な耐食効果が得られない場合がある。このため、最大層厚は200μmとすることが好ましい。
一方、二次伝熱面側の耐食層62の厚みT2は、その奥行き方向の平均が10μm以下であることが好ましい。前述したように、二次伝熱面側の耐食層62は、フィン3の腐食を確実に防止する機能は特に要求されない一方で、圧力損失の増大及び伝熱性の低下を抑制することが要求される。このため、耐食層の厚みが薄いこと、例えば耐食層62が奥行き方向の全域に亘って、又は、一部において設けられていないことは許容されると共に、耐食層62の厚みが、奥行き方向の一部において分厚いこともまた許容される。このため、二次伝熱面側の耐食層62の厚みは、最小厚みや最大厚みを設定するよりも、奥行き方向の平均厚みを設定することが適している。つまり、二次伝熱面側の耐食層62の厚みは、平均10μm以下に設定することによって、冷却空気の圧力損失の増大及び伝熱性の低下を効果的に抑制し得る。
このように、前記の熱交換器(コア1)によると、冷却空気が流れる第1通路4における一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面に、樹脂製の耐食層6を設けることにより、使用環境の如何に拘わらず、高い耐食性能を安定して得ることができる。特に一次伝熱面側の耐食層61を相対的に分厚くして耐食効果を確実に得ることにより、チューブプレート2の腐食を確実に防止して、冷媒の漏れを確実に防止し得る。
これに対し、二次伝熱面側、換言すればフィン3側の耐食層は相対的に薄いため、第1通路4の通路断面積の縮小が抑制され、冷却空気の圧力損失が増大してしまうことが回避される。このことは、熱交換器の熱交換効率の低下を抑制し、所望の熱交換性能が安定的に確保される。また、フィン3側の樹脂製耐食層は相対的に薄いため、伝熱性の低下が抑制される一方で、前記の構成では、チューブプレート2とコルゲートフィン3との間に樹脂層が介在しないため、チューブプレート2とコルゲートフィン3との間の伝熱性、つまり、相対的に分厚い樹脂製耐食層61が設けられる一次伝熱面側の伝熱性に影響を与えない。このこともまた、熱交換器の熱交換効率の低下を抑制する上で有利になる。
こうして前記構成の熱交換器は、所望の耐食性を確保することと、圧力損失の増大及び伝熱性の低下を回避することとが両立し得る。
尚、ここに開示する技術は、図1等に示すように、平板状のチューブプレート2とコルゲートフィン3とを交互に積層することによって、第1及び第2通路4,5を積層する構造の熱交換器に限定されない。例えば第2通路は、チューブプレート内に形成するようにしてもよい。一例として板状の部材に所定形状の凹陥溝を形成すると共に、その板状部材に別の板材を貼り合わせることによって、通路(例えば冷媒通路)が内蔵されたチューブプレートを構成してもよい。
また、この技術は、鉄道車両用の熱交換器に限定されるものではなく、各種の産業機器や電力設備等の、様々な産業分野において、様々な目的で使用される熱交換器に広く適用することが可能である。その場合において、熱交換器の構造、材質、及び/又は使用環境等に応じて、第1及び第2通路の双方に耐食層を設けるようにしてもよい。
以上説明したように、ここに開示した熱交換器は、安定した耐食性と圧力損失の増大抑制とを両立することができ、特に過酷な使用環境下においても、高い耐食性を安定して得られる点で有用である。
1 コア(熱交換器)
2 チューブプレート
3 コルゲートフィン
31 チャンネル
4 第1通路
6 耐食層

Claims (3)

  1. 流体が流れる通路を区画するように所定間隔を空けて並設されると共に一次伝熱面を構成する、少なくとも一対のプレートと、
    前記一対のプレートのそれぞれに当接して接合されることによって前記通路内を複数のチャンネルに区画すると共に、前記通路内で二次伝熱面を構成するコルゲートフィンと、を備え、
    前記通路内に露出する前記プレートの表面及び前記コルゲートフィンの表面によって構成される、一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面の内、少なくとも一次伝熱面側の表面には、前記流体の流れ方向に沿って樹脂製の耐食層が設けられており、
    前記一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層は、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚く形成されている熱交換器。
  2. 請求項1に記載の熱交換器において、
    前記一次伝熱面側の耐食層の厚みは、20μm以上200μm以下に設定され、
    前記二次伝熱面側の耐食層の厚みは、前記流体の流れ方向に対し、平均10μm以下に設定されている熱交換器。
  3. 所定間隔を空けて並設された一対のプレートによって流体が流れる通路が区画されると共に、当該通路が前記一対のプレートのそれぞれに接合されたコルゲートフィンによって複数のチャンネルに区画されたコアを有する熱交換器の製造方法であって、
    前記プレートと前記コルゲートフィンとを交互に積み重ねると共に、それらを互いに接合することによって前記コアを組み立てる工程と、
    前記コアの通路内に露出する前記プレートの表面及び前記コルゲートフィンの表面によって構成される、一次伝熱面側の表面及び二次伝熱面側の表面の内、少なくとも一次伝熱面側の表面に、樹脂製の耐食層を前記流体の流れ方向に沿って設ける工程と、を備え、
    前記一次伝熱面側の表面に設けられた耐食層を、前記二次伝熱面側の耐食層の厚みよりも厚く形成する熱交換器の製造方法。
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