JP2003161595A - 潜熱回収型熱交換器 - Google Patents

潜熱回収型熱交換器

Info

Publication number
JP2003161595A
JP2003161595A JP2001354563A JP2001354563A JP2003161595A JP 2003161595 A JP2003161595 A JP 2003161595A JP 2001354563 A JP2001354563 A JP 2001354563A JP 2001354563 A JP2001354563 A JP 2001354563A JP 2003161595 A JP2003161595 A JP 2003161595A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat exchanger
nickel
sub
epoxy resin
plating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001354563A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Maruyama
明 丸山
Hiroshi Kamiya
洋 神谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Paloma Kogyo KK
Original Assignee
Paloma Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Paloma Kogyo KK filed Critical Paloma Kogyo KK
Priority to JP2001354563A priority Critical patent/JP2003161595A/ja
Publication of JP2003161595A publication Critical patent/JP2003161595A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)
  • Details Of Fluid Heaters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性を維持したまま低コストで熱効率を高
くすることを目的とする。 【解決手段】 バーナ22の燃焼ガスは、主熱交換器7
2の各主フィン72b間を貫流して顕熱が回収され、副
熱交換器76の各副フィン76b間を貫流して顕熱と潜
熱が回収された後、排気フード32,排気通路34を介
して排気口44から器具の外へ排出される。この潜熱回
収時にドレンが発生するが、副熱交換器76では、銅材
にニッケル層1,ニッケルクロム層2,エポキシ樹脂層
3が内側から順にコーティングされているため、腐食の
おそれはない。また、エポキシ樹脂層3が剥がれても、
ニッケルクロム層2により腐食から保護されるので問題
はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潜熱を回収する銅製の
潜熱回収型熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、この種の潜熱回収型給湯器と
しては、出湯管が接続される主熱交換器と、給水管が接
続される副熱交換器と、主熱交換器を加熱するバーナ
と、バーナに燃焼用空気を供給する給気ファンとを備
え、バーナの燃焼により副熱交換器と主熱交換器とで通
水を加熱し、出湯管より出湯する強制燃焼式給湯器が一
般的に知られている。
【0003】この給湯器では、熱効率を向上するため
に、熱伝導率の優れた銅製のフィンチューブ(フィン付
き伝熱管)からなる主熱交換器を用いてバーナから発生
した燃焼ガスの顕熱を回収することに加えて、副熱交換
器で燃焼ガス中の水蒸気を凝縮させ、その潜熱を回収す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この凝
縮したドレンが、燃焼ガス中の硫黄(S)や窒素(N)
と反応して酸性になるため、潜熱回収用熱交換器に銅材
を用いると腐食する不具合があった。そこで、潜熱回収
用熱交換器に、耐食性のあるステンレス(SUS31
6)やチタンを用いることが考えられるが、銅よりも熱
伝導率が低く、銅材を用いた場合と同じ熱効率を得よう
とすると大きな伝熱面積が必要になり、器具が大型化し
てしまう。しかも、フィン,伝熱管をステンレス製やチ
タン製とした場合には、両者のロウ付けが困難であるた
め、フィンと伝熱管との間に隙間が残りやすく、更に伝
熱しにくくなる。従って、フィンを持たない管構造にす
ることが望ましいが、フィンの分まで伝熱面積を確保し
ようとすると、伝熱管が非常に長くなってしまう。しか
も、材料費が高いため、熱交換器のコストアップを招く
ことになる。
【0005】一方、別のドレン対策として、潜熱回収用
熱交換器に耐食性に非常に優れたエポキシ樹脂でコーテ
ィングすることも考えられるが、フィンの端部のコーテ
ィングは困難で、しかも、熱交換器の組立時や運搬時に
この端部が何かに当たって傷つきやすく、フィン端部の
耐食性の信頼性が必ずしも高いものではなかった。そこ
で、本発明の潜熱回収型熱交換器は上記課題を解決し、
熱効率を高く維持したまま低コストで耐久性を向上させ
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の請求項1記載の潜熱回収型熱交換器は、熱交換器本
体の母材に銅を用い、該母材の表面にニッケルクロムメ
ッキ層を設け、該メッキ層をエポキシ樹脂でコーティン
グしたことを要旨とする。
【0007】また、上記課題を解決する本発明の請求項
2記載の潜熱回収型熱交換器は、請求項1記載の潜熱回
収型熱交換器において、銅製の伝熱管と銅製のフィンと
にニッケルクロムメッキをそれぞれ施し、該伝熱管を拡
管して該フィンと圧着接続して組み立てた後、この組立
体をエポキシ樹脂でコーティングしたことを要旨とす
る。
【0008】また、上記課題を解決する本発明の請求項
3記載の潜熱回収型熱交換器は、請求項1記載の潜熱回
収型熱交換器において、銅製の伝熱管を拡管して銅製の
フィンと圧着接続し炉中ロウ付けして組み立てた後、こ
の組立体にニッケルクロムメッキを施し、エポキシ樹脂
でコーティングしたことを要旨とする。
【0009】上記構成を有する本発明の請求項1記載の
潜熱回収型熱交換器は、熱交換器本体の母材に熱伝導性
に優れた銅を用い、メッキの中では耐食性に非常に優れ
ているニッケルクロムメッキ層を母材の周囲に形成し、
そして、ニッケルクロムメッキよりも更に耐食性の高い
エポキシ樹脂でコーティングされている。一般的に、メ
ッキは樹脂コーティングと比べてはるかに剥がれにくい
ため、例えば熱交換器本体に何かが当たったりして、外
側のエポキシ樹脂が剥がれても、内側のニッケルクロム
メッキまで剥がれることは起こりにくい。従って、エポ
キシ樹脂コーティングが剥がれてしまった部分や薄い部
分においても、母材は、ニッケルクロムメッキ層で保護
されるため、潜熱回収時に発生するドレンによって腐食
されにくい。
【0010】また、上記構成を有する本発明の請求項2
記載の潜熱回収型熱交換器は、先ず銅製の伝熱管および
フィンにそれぞれニッケルクロムでメッキして、次に拡
管によりこれらを圧着接続して組み立て、そしてこの組
立体をエポキシ樹脂でコーティングして製造される。つ
まり、伝熱管もフィンも単体の状態でメッキ処理される
ため、組立体にメッキ処理する場合に比べてメッキ処理
装置が大掛かりにならない。また、伝熱管やフィンの外
表面全体に渡ってニッケルクロムメッキで覆うことがで
き、どの部分でエポキシ樹脂が剥がれても母材の耐久性
を確保できる。
【0011】また、上記構成を有する本発明の請求項3
記載の潜熱回収型熱交換器は、先ず銅製の伝熱管とフィ
ンとを拡管により圧着接続し炉中ロウ付けして組み立て
て、次に、この組立体にニッケルクロムメッキを施し、
そして、エポキシ樹脂でコーティングして製造される。
このようにメッキ処理前に組立を行うため、炉中ロウ付
けにより確実にフィンを伝熱管に接続することができ
て、フィンと伝熱管との間に隙間が残りにくく、伝熱し
やすくなって、熱効率を良好に維持することができる。
【0012】
【発明の実施形態】以上説明した本発明の構成・作用を
一層明らかにするために、以下本発明の潜熱回収型熱交
換器の好適な実施形態を説明する。 《第1実施形態》本発明の第1実施形態としての潜熱回
収型熱交換器を備えた強制燃焼式給湯器について図1,
図2を用いて説明する。
【0013】給湯器11は、図2に示されるように、器
具本体12内の下方位置に、給水管14に接続される主
熱交換器72と、出湯管16に接続される副熱交換器7
6(潜熱回収型熱交換器)とが、燃焼室20内に装着さ
れた状態で上下に設けられる。主熱交換器72の上方に
は、主熱交換器72を加熱するバーナ22がそのバーナ
炎孔側を下向きにして取付板24を介して設けられる。
尚、出湯管16は、浴室や台所等へ延びており、その先
端には、給湯栓17が設けられている。器具本体12に
は、外気を燃焼用空気として取り込むための給気口30
と、給気口30より上方に排気口44とが開口される。
【0014】一方、燃焼室20の下端には、バーナ22
の燃焼ガスにより主熱交換器72,副熱交換器76を加
熱した後の燃焼ガスを排出する排気フード32が設けら
れる。この排気フード32は上方に大きく開口した椀形
状をなし、下方でシリコンチューブのドレン通路33を
介して、ドレンを中和する中和装置35と接続されてい
る。尚、この中和装置35は、トラップ構造を有する。
この排気フード32は、燃焼ガス中のドレンの受け皿と
してのドレンパンを兼ね備えている。排気フード32の
側面には排気通路34が連結され、この排気通路34の
上端開口は排気口44に臨む。
【0015】給水管14には、水流センサや水量制御弁
を備える水側制御ユニット50が設けられ、またバーナ
22へのガス管52には、主電磁弁54及びガス比例弁
56が設けられる。バーナ22を覆うバーナカバー26
上のファン取付台38には、給気ファン36を取り付け
る。この給気ファン36にはDCモータ48が連結され
る。
【0016】また、給水管14に設けられる水側制御ユ
ニット50内の水流センサや、バーナ22のガス管52
に設けられる主電磁弁54及びガス比例弁56、そして
DCモータ48等はこの給湯器11の燃焼を制御するバ
ーナコントローラ58に電気的に接続されている。
【0017】また、主熱交換器72は、燃焼熱を吸収を
する複数の銅製の主フィン72bに銅製の主伝熱管72
aが貫通し複数段蛇行させ、主伝熱管72aを拡管して
主フィン72bと圧着接続し、炉中でロウ付けして一体
化させたフィンチューブ式熱交換器である。
【0018】一方、副熱交換器76は、複数の銅製の副
フィン76bと銅製の副伝熱管76aとからなるもので
ある。その製造方法を説明する。先ず、副フィン76b
と副伝熱管76aとにそれぞれ単品の状態で後述するニ
ッケルクロムメッキ処理を行う。次に、各副フィン76
bを等間隔にあけて副伝熱管76aを貫通させ、副伝熱
管76aの端部を溶接することにより、一本の蛇行した
チューブができ上がり、副伝熱管76aの拡管により副
フィン76bと圧着接続して組み立てる。こうしてフィ
ンチューブ式の熱交換器本体が組み立てられ、その組立
体を脱脂洗浄した後でエポキシ樹脂(特に、エポキシフ
ェノール系水系塗料)に浸してコーティングする。それ
から、この組立体を乾燥させた後で、焼成してエポキシ
樹脂を固着させて副熱交換器76を完成させる。
【0019】ここで、ニッケルクロムメッキ工程につい
て詳しく説明する。先ず、副フィン76bを浸漬アルカ
リ脱脂(70℃)し、水洗後に陰極電解脱脂(アルカリ
脱脂)することで完全に脱脂して、再び水洗した後、塩
酸による酸洗を行ってエッチングする。これにより、副
フィン76bの表面が粗くなって表面積が増加し、メッ
キの密着性が良くなる。そして、また水洗し、ストライ
クニッケルメッキ(SBNiメッキ、55℃)を行った
後、ニッケル電気メッキを施してニッケル層1を形成さ
せ、また水洗する。尚、このストライクニッケルメッキ
は、メッキの密着性を高めるためのものなので、省略し
ても構わない。
【0020】次に、クロム電気メッキ(44℃)を行っ
てニッケル層1とクロムとの合金(ニッケルクロム層
2)を形成させ(Ep−Cu/Ni10b,Cr0.1
r)、水洗後、94℃の湯で洗う。
【0021】このニッケル電気メッキやクロム電気メッ
キは、電解液で満たされた容器内に両端に陽極板を1枚
ずつ設け、副フィン76bの副伝熱管用開口に陰極棒を
設け副フィン76bを保持しながら、陽極板の両方から
等距離、かつ、陽極板と平行になるように副フィン76
bを電解液に沈めて行われる。
【0022】副伝熱管76aに対しても同様にニッケル
クロムメッキ処理を行う。但し、この副伝熱管76aを
そのまま電解液に漬けると、管内にまで電解液が侵入し
てしまい、メッキ処理後の洗浄が大変であるため、副伝
熱管76aの両端開口を別の管と接続して、その管の先
端開口が電解液面よりも高くなるようにする方法を本実
施形態では採用する。
【0023】また、こうした電気メッキでは、陽極から
遠いほどメッキの膜厚が薄くなるため、被メッキ体を2
枚の陽極板の中間位置に配置している。陽極板の間に2
つの被メッキ体を陽極板が並ぶ方向に配置すると、被メ
ッキ体の片面は、他方の被メッキ体によって陽極板から
遮られてしまうため、メッキの膜厚が薄くなってしま
う。このため、ニッケルメッキ処理を電気メッキに代え
て、無電解メッキ(化学メッキともいう)としてもよ
い。この場合には、被メッキ体の配置場所に関係なく被
メッキ体全表面に均一なメッキ層を形成させることがで
き、しかも、メッキ液に浸す時間が長いほどメッキの膜
厚を厚くすることができる。
【0024】このようにして、副熱交換器76は、図1
に示されるように、母材の銅の外表面に、その内側から
ニッケル層1(10μm)、ニッケルクロム層2(0.
1μm)、エポキシ樹脂層3(20μm)が形成され
る。エポキシ樹脂層3は、副フィン76bの端部に厚く
形成できず20μmよりも薄くなっている。この副伝熱
管76aは、図2に示されるように、通水出口で主熱交
換器72の主伝熱管72aと接続される。
【0025】このように構成された給湯器11では、給
湯栓17を開くことにより給水管14に水(図中破線矢
印)が流れ、水側制御ユニット50内の水流センサから
の検知信号によりバーナコントローラ58が制御動作を
行い、給気ファン36がDCモータ48の駆動により回
転し始める。所定のプリパージが完了すると、バーナ2
2の主電磁弁54及びガス比例弁56が開いてバーナ2
2にガス(図中実線矢印)が供給され、図示しないイグ
ナイタによりバーナ22に点火が行われる。
【0026】点火動作が終了すると、比例制御が開始さ
れ、図示しない出湯温サーミスタで検出される湯温と設
定温度との差があると、バーナコントローラ58でそれ
を判断しガス比例弁56へ信号を送り、ガス量を連続的
に変化させて主熱交換器72の出口温度を一定に保つ。
また、ガス比例弁56によるガス量の変化に応じてバー
ナコントローラ58から給気ファン36のDCモータ4
8に信号が送られ、給気ファン36の回転数も変えら
れ、常にガス量と給気量との関係が一定に保たれるよう
に制御される。
【0027】このような燃焼制御において、給気ファン
36の動作に伴い、器具本体12に設けられる給気口3
0より外気が器具本体12内に吸引され、バーナ22へ
導入されて燃焼用空気として燃焼に供される。バーナ2
2の炎口近傍では混合気が燃焼して火炎を形成し、主熱
交換器72の燃焼ガス上流側近傍に至る間に燃焼が完結
(完全燃焼)する。
【0028】バーナ22の燃焼ガスは、給気ファン36
により下向きに流れ、主熱交換器72の各主フィン72
b間を貫流して顕熱が回収され、副熱交換器76の各副
フィン76b間を貫流して顕熱および潜熱が回収された
後、排気フード32,排気通路34を介して排気口44
から器具の外へ排出される。
【0029】一方、給水管14を流れる水は、副伝熱管
76a,主伝熱管72aを順に通過し、燃焼ガスとの熱
交換により徐々に加熱されて給湯管16へ流れる。この
副伝熱管76aにおいて、燃焼ガス中の水蒸気は、熱交
換により冷却されて結露し、燃焼ガス中の硫黄や窒素と
反応して酸性ドレン(HSO、HNO等)にな
る。この水蒸気の凝縮により副熱交換器76は、蒸発潜
熱を回収する。
【0030】副熱交換器76で発生する酸性ドレンは、
排気フード32内に落下し、ドレン通路33へ流れ、中
和装置35で中和されて器体外へ排出される。また、バ
ーナ22が副熱交換器76の上方に設けられているた
め、副熱交換器76から酸性ドレンが落下しても、バー
ナ22の炎孔を目詰まりさせることがなく、良好な燃焼
状態が維持される。また、中和装置35内でトラップ構
造(図示略)を有することから、燃焼排気はドレン排出
口から流出することはない。
【0031】また、副熱交換器76は、副伝熱管76a
および副フィン76bのそれぞれにおいて、母材の銅と
エポキシ樹脂層3との間に、耐食性を有するニッケルク
ロム層2が形成されているため、副フィン76bの端部
といったエポキシ樹脂層3が薄い部分や削れてしまった
部分においても、ニッケルクロム層2で母材が保護され
ており、潜熱回収時に発生するドレンによって腐食され
ることを防止している。
【0032】このように、副熱交換器76の組立前に、
副伝熱管76aおよび副フィン76bにニッケルクロム
メッキを施したため、副伝熱管76a全体および副フィ
ン76b全体に渡ってニッケルクロム層2が形成され
る。この結果、どこの場所のエポキシ樹脂層3が剥がれ
ても、エポキシ樹脂層3より遥かに剥がれにくいニッケ
ルクロム層2で母材が保護されるため、副熱交換器76
の耐食性に支障が生じない。
【0033】エポキシ樹脂層3の内側の耐食性メッキと
して、ニッケルクロムメッキを選択したのは、一般的に
ニッケルクロム合金が様々な酸に対して耐食性が非常に
優れているからである。ニッケルクロムメッキの第1段
階で行うニッケルメッキとして、化学メッキ(無電解メ
ッキともいう)ではなく、電気メッキを採用したのは、
化学メッキではメッキの膜厚を大きくするためには時間
がかかってメッキ処理コストが電気メッキよりも高いた
めである。
【0034】また、エポキシ樹脂層3は、耐食性が優れ
ており、しかも、剥がれてもニッケルクロム層2で耐食
性を維持できるため、副熱交換器76に耐食性金属のス
テンレス(SUS316)やチタンを用いる必要がなく
なり、熱伝導率の高い銅を用いることができる。この結
果、副熱交換器76は、大きな伝熱面積を確保しなくて
も、低コストで高い熱効率を達成できる。更に、器具の
大型化を招かない。しかも、副熱交換器76は腐食の心
配がないため、積極的にドレンを発生させて潜熱を回収
することができ、一層熱効率が高くなる。
【0035】《第2実施形態》次に、第2実施形態につ
いて図3を用いて説明する。尚、第1実施形態と異なる
部分について説明し、重複する部分に関しては同一符号
を付してその説明を省略する。
【0036】第2実施形態の副熱交換器66は、複数の
銅製の副フィン76bに銅製の副伝熱管76aを貫通さ
せ複数段蛇行させ拡管により圧着接続後、炉中ロウ付け
を行って一体化し、この組立体に第1実施形態と同様に
ニッケル電気メッキ,クロム電気メッキを施し、エポキ
シ樹脂でコーティングしたものである。
【0037】第2実施形態の副熱交換器66では、単品
ではなく、複雑な形状の組立体(熱交換器本体)に電気
メッキ処理するため、副フィン76b同士の間に形成さ
れる隙間全てに陽極板を設けることによって、組立体の
全表面にメッキ層を均一に形成させる。このようにし
て、母材の外表面全体にニッケル層1を形成させ、更に
ニッケルクロム層2を形成させている。
【0038】この副熱交換器66は、母材の銅の表面
に、内側からニッケル層1(10μm),ニッケルクロ
ム層2(0.1μm),エポキシ樹脂層3(20μm)
が形成される。エポキシ樹脂層3は、副フィン76bの
端部で薄くなっている。
【0039】副熱交換器66では、メッキ処理前に副伝
熱管76aと副フィン76bとを組み立てるため、確実
にロウ付けを行うことができる。従って、ロウ付けせず
に拡管のみで組み立てる第1実施形態の副熱交換器76
よりも、副フィン76bと副伝熱管76aとの間に隙間
ができにくく、伝熱しやすくなって、熱効率を向上させ
ることができる。
【0040】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこうした実施形態に何等限定されるもので
はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々
なる態様で実施し得ることは勿論である。例えば、メッ
キや樹脂の膜厚は限定されず、Ep−Cu/Ni30
d,Cr0.1rとしたニッケルクロムメッキ処理を行
ってもよく、この場合にはニッケル層は30μmとな
る。
【0041】第2実施形態の副熱交換器66では、組立
体(熱交換器本体)をニッケル電気メッキおよびクロム
電気メッキ処理する際に、各副フィン76bの間に陽極
板をそれぞれ設けていたが、これに代えて、組立体の両
端に陽極板を設け、副フィン76bが陽極板と直交する
ように組立体を電解液に沈めて電気メッキ処理を行って
もよい。この場合、副フィン76b同士の間隔が狭いた
めに、図4に示されるように、ニッケルクロムメッキ層
2が各副フィン76bの外周端にしか形成されないが、
エポキシ樹脂層3が剥がれやすいのは、この副フィン7
6b端部であることから、耐食性には支障がなく、メッ
キ処理コストを大幅に低減できる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
記載の潜熱回収型熱交換器によれば、熱交換器本体の母
材と耐食性に非常に優れたエポキシ樹脂層との間に、耐
食性に優れたニッケルクロム層が形成されているため、
エポキシ樹脂層が薄い部分や剥がれてしまった部分にお
いても、ニッケルクロム層で母材が保護されており、潜
熱回収時に発生するドレンによって腐食されにくく、安
心してエポキシ樹脂を腐食抑制塗料として用いることが
できる。この結果、母材の腐食を恐れることがなくなる
ため、積極的に潜熱を回収することができ、しかも、母
材に熱伝導率の高い銅を用いることができて、耐久性を
維持したまま高い熱効率を達成することができる。ま
た、熱交換器のコンパクト化を図ることができる。
【0043】また、請求項2記載の潜熱回収型熱交換器
によれば、伝熱管とフィンとを組み立てて複雑な形状に
なる前にニッケルクロムメッキを行うため、伝熱管もフ
ィンも表面全体がニッケルクロムメッキで覆われ、エポ
キシ樹脂層のどの部分が剥がれても、常に優れた耐食性
を維持することができる。
【0044】また、請求項3記載の潜熱回収型熱交換器
によれば、ニッケルクロムメッキ処理前に組立を行うた
め、確実に炉中ロウ付けを行うことができ、フィンと伝
熱管との間に隙間が残りにくく、伝熱しやすくなって良
好に熱交換が行われ、熱効率を向上させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の副熱交換器の一部を側面からみ
た断面図である。
【図2】第1実施形態の強制燃焼式給湯器の概略図であ
る。
【図3】第2実施形態の副熱交換器の一部を側面からみ
た断面図である。
【図4】変更例の副熱交換器の一部を側面からみた断面
図である。
【符号の説明】
1…ニッケル層、2…ニッケルクロム層、3…エポキシ
樹脂層、11…給湯器、14…給水管、16…出湯管、
20…燃焼室、22…バーナ、32…排気フード、33
…ドレン通路、66,76…副熱交換器、76a…副伝
熱管、76b…副フィン、72…主熱交換器、72a…
主伝熱管、72b…主フィン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F28F 19/04 F28F 19/04 Z 21/08 21/08 E

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱交換器本体の母材に銅を用い、該母材
    の表面にニッケルクロムメッキ層を設け、該メッキ層を
    エポキシ樹脂でコーティングしたことを特徴とする潜熱
    回収型熱交換器。
  2. 【請求項2】 銅製の伝熱管と銅製のフィンとにニッケ
    ルクロムメッキをそれぞれ施し、該伝熱管を拡管して該
    フィンと圧着接続して組み立てた後、この組立体をエポ
    キシ樹脂でコーティングしたことを特徴とする請求項1
    記載の潜熱回収型熱交換器。
  3. 【請求項3】 銅製の伝熱管を拡管して銅製のフィンと
    圧着接続し炉中ロウ付けして組み立てた後、この組立体
    にニッケルクロムメッキを施し、エポキシ樹脂でコーテ
    ィングしたことを特徴とする請求項1記載の潜熱回収型
    熱交換器。
JP2001354563A 2001-11-20 2001-11-20 潜熱回収型熱交換器 Pending JP2003161595A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001354563A JP2003161595A (ja) 2001-11-20 2001-11-20 潜熱回収型熱交換器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001354563A JP2003161595A (ja) 2001-11-20 2001-11-20 潜熱回収型熱交換器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003161595A true JP2003161595A (ja) 2003-06-06

Family

ID=19166405

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001354563A Pending JP2003161595A (ja) 2001-11-20 2001-11-20 潜熱回収型熱交換器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003161595A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100353136C (zh) * 2006-01-20 2007-12-05 北京建筑工程学院 一种利用烟气热能的铜质防腐冷凝换热器及其制造方法
JP2008014571A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 冷蔵庫用熱交換器及びその製造方法
JP2010210157A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Hitachi Appliances Inc 給湯機
JP2010214404A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器の製造方法及びその熱交換器を用いた空気調和機
JP2011179737A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 熱交換器及び熱交換器の製造方法
WO2012000236A1 (zh) * 2010-07-01 2012-01-05 北京建筑工程学院 利用烟气冷凝热能的组合型肋片管式防腐换热装置
US20190195563A1 (en) * 2017-12-26 2019-06-27 Noritz Corporation Heat exchange device and heat source machine
JP2020200995A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 ダイキン インダストリーズ (タイランド) リミテッドDaikin Industries (Thailand) Ltd. 熱交換器

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100353136C (zh) * 2006-01-20 2007-12-05 北京建筑工程学院 一种利用烟气热能的铜质防腐冷凝换热器及其制造方法
JP2008014571A (ja) * 2006-07-06 2008-01-24 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 冷蔵庫用熱交換器及びその製造方法
JP2010210157A (ja) * 2009-03-11 2010-09-24 Hitachi Appliances Inc 給湯機
JP2010214404A (ja) * 2009-03-16 2010-09-30 Mitsubishi Electric Corp 熱交換器の製造方法及びその熱交換器を用いた空気調和機
JP2011179737A (ja) * 2010-03-01 2011-09-15 Sumitomo Precision Prod Co Ltd 熱交換器及び熱交換器の製造方法
WO2012000236A1 (zh) * 2010-07-01 2012-01-05 北京建筑工程学院 利用烟气冷凝热能的组合型肋片管式防腐换热装置
US20190195563A1 (en) * 2017-12-26 2019-06-27 Noritz Corporation Heat exchange device and heat source machine
CN109959169A (zh) * 2017-12-26 2019-07-02 株式会社能率 热交换装置以及热源机
CN109959169B (zh) * 2017-12-26 2022-04-12 株式会社能率 热交换装置以及热源机
JP2020200995A (ja) * 2019-06-11 2020-12-17 ダイキン インダストリーズ (タイランド) リミテッドDaikin Industries (Thailand) Ltd. 熱交換器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6790481B2 (en) Corrosion-resistant heat exchanger
JP2003161595A (ja) 潜熱回収型熱交換器
US5005285A (en) Method of producing an aluminum heat exchanger
US20080257533A1 (en) Method of Producing a Corrosion Resistant Aluminum Heat Exchanger
US4970770A (en) Method of making a coated heat exchanger with tubes and fins
EP2041500A1 (en) Storage type boiler heat exchanging structure for preventing condensation
JP2000292010A (ja) 熱交換装置
JP2004053167A (ja) 流体流路用の導管及び該導管を備えた熱交換器
JP2003161527A (ja) 熱交換装置
JP2009257608A (ja) フィンチューブ、熱交換器およびフィンチューブの製造方法
JP2002267273A (ja) 給湯器
EP3961139A1 (en) Methods of forming protective surface treatments on heat exchangers in-situ
WO2022212316A1 (en) Corrosion prevention for heat exchanger devices and pool heaters
JP2000146305A (ja) 給湯機の廃熱回収用熱交換器
JP2000356497A (ja) 熱交換器及び流体加熱装置
CN216897864U (zh) 一种柔性电子阳极
JPH02290669A (ja) 熱交換器
JP2001183087A (ja) 燃焼器具の熱交換器
JP2002107068A (ja) 熱交換装置
JP2012136737A (ja) 温調用熱交換器
JPH08178570A (ja) 熱交換器
JP2000274831A (ja) 熱交換器
JPH11148723A (ja) 熱交換器
WO2002050478A1 (en) Bi-thermal heat exchanger in particular for condensing boilers
JPH11153360A (ja) 潜熱回収用熱交換器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040714

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070123

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070206

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20070619