JPH10197174A - 熱交換器 - Google Patents

熱交換器

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JPH10197174A
JPH10197174A JP35166596A JP35166596A JPH10197174A JP H10197174 A JPH10197174 A JP H10197174A JP 35166596 A JP35166596 A JP 35166596A JP 35166596 A JP35166596 A JP 35166596A JP H10197174 A JPH10197174 A JP H10197174A
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JP
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tube
heat exchanger
tank
passage
tubes
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JP35166596A
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Inventor
Kunihiko Nishishita
邦彦 西下
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 用途の異なる複数の熱交換器を一体に形成し
た熱交換器において、各熱交換器の要求性能を満たした
チューブを形成し、製造コストを低減した熱交換器を提
供すること。 【構成】 第1の熱交換器Aを構成するチューブと第2
の熱交換器Bを構成するチューブを通風方向の下流と上
流に配置し、両チューブの間にフィン3を配設し、前記
各チューブの端部を各々タンクに挿入接続して第1及び
第2の熱交換器を一体ろう付けしてなる熱交換器におい
て、チューブ4,14は、両面クラッドされたアルミ材
やアルミ合金を素材とする一枚プレートを折り曲げ又は
二枚のプレートを接合して形成され、このチューブは、
その長手方向に沿って通路を二分する閉塞部5が形成さ
れて、一方の通路が第1の熱交換器を、他方の通路が第
2の熱交換器を、それぞれ形成し、更に、前記チューブ
間に配設されるフィンは3、アルミ材又はアルミ合金か
らなる非クラッド材である構成の熱交換器である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相互に用途の異な
る二つの熱交換器を通風方向の上流と下流に組み合わせ
て形成される熱交換器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、相互に用途の異なる二つの熱交換
器を組み合わせて形成される熱交換器が知られている。
この種の熱交換器としては、例えば、実公平6−451
55号公報や特開平7−332890号公報に記載され
ているもののように、一対のタンク間にチューブとフィ
ンとが配設された構成の第1の熱交換器と、第1熱交換
器と同様に構成された第2の熱交換器が並列に配置され
て、相互に連結一体化された熱交換器が提案されてい
る。
【0003】また、実開平2−54076号公報に記載
されているもののように、平板状のプレートフィンが積
層され、前記プレートフィンに複数のチューブが連通接
続され、前記チューブの一端がタンクを構成するエンド
プレートに接続され、更に、前記エンドプレートにタン
クプレートが組み付けられて熱交換器を構成するもの
で、前記エンドプレートとタンクプレートを別体で設
け、又は、前記タンクプレートを別体で設けて第1の熱
交換器と第2の熱交換器が一体に形成されている熱交換
器が提案されている。
【0004】その他、異なる二つの熱交換器が縦方向又
は横方向に直列に組み合わされて形成される熱交換器が
知られている。例えば、実公昭59−16692号公報
や実開平2−36772号公報に記載されているものの
ように、一対のタンク間にチューブとフィンとを配設
し、前記一対のタンクの途中に仕切りプレートを装着し
て、構造上は一つの熱交換器であっても実質的に二つの
熱交換器を備えたものが提案されている。
【0005】このように機能の異なる二つの熱交換器を
一体に形成すると、熱交換器自体の大きさを小型化する
ことができて、取り付けスペースの狭い車体の小さい車
にも簡単に取り付けることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように実質的に二
つの熱交換器が一体に形成されている熱交換器は、それ
ぞれの熱交換器の機能によってチューブ自体にかかる圧
力や、チューブに要求される耐食性等の要求性能が異な
る。例えば、第1の熱交換器がラジエータ、第2の熱交
換器がコンデンサであって、第1及び第2の熱交換器が
一体に形成された熱交換器の場合は、ラジエータは、チ
ューブ内面及び外面において高い耐食性が要求される。
一方、コンデンサは、高温高圧の熱交換媒体を凝縮する
ため、高い耐圧性が要求され、また、コンデンサのチュ
ーブ内面は、通流する熱交換媒体と接触しているため腐
食の問題は生じないが、チューブ外面は、高温多湿の状
態にさらされているため、高い耐食性が要求される。
【0007】従来、一般に用いられているチューブとし
ては、例えば、JIS A1050やA1100(9
9.0wt%Al)にCu添加された改良材を用いて押
し出し成形法により形成されたチューブが知られてい
る。また、フィンとしては、JIS A4343又はJ
IS A4045(Al−Si系)にZn添加された改
良材であるろう材がクラッドされ、Zn添加のA300
3(Al−Mn系)を用いて形成されたものが知られて
いる。
【0008】これらのチューブとフィンを前記第1及び
第2熱交換器(ラジエータとコンデンサ)に用いた場合
は、チューブは押出材の特性から耐圧性が良く、また、
フィンとチューブの組み合わせにおいて、チューブ表面
電位を貴として、フィンを犠牲陽極とすることによりフ
ィンを優先的に腐食させてチューブを防食することがで
きるため、チューブ外面の耐食性はよいことから、第2
熱交換器であるコンデンサの要求性能を満たすことがで
きる。しかし、前記チューブは、チューブ内面の耐食性
が悪く、第1熱交換器であるラジエータの要求性能を満
たすことができないという問題を生じる。
【0009】また、チューブとフィンを一体ろう付けす
るため、ろう材がクラッドされたブレージングシートを
用いてフィンを形成する必要が生じるが、ろう材がクラ
ッドされたフィン材を用いると、フィン形成時に使用す
る金型の摩耗が激しくなり、メンテナンス費用が増大す
る問題があり、また、材料費が高くなって製造コストが
高騰する不都合を生じる。
【0010】この問題を解決するために、各熱交換器の
要求性能を満たすチューブをそれぞれ別体で形成するこ
とが考えられる。例えば、第1の熱交換器のチューブ
は、JIS A3003(Al−Mn系)を芯材とし
て、チューブ外面となる層にJIS A4343又はJ
IS A4045等(Al−Si系)のろう材をクラッ
ドし、チューブ内面となる層にJIS A7072(A
l−Zn)をクラッドした3層材を用いて電縫チューブ
を形成し、一方、第2の熱交換器のチューブは、前例と
同様に、JIS A1050やA1100(99.0w
t%Al)にCu添加された改良材を用いて押し出し成
形法により形成する。第1熱交換器のチューブは、チュ
ーブの芯材であるJIS A3003と、JIS A7
072(Al−Zn)の電位差により、芯材の電位を貴
として、JIS A7072の犠牲陽極効果により、チ
ューブ内面の耐食性が向上され、そして、チューブ外面
は、フィンの犠牲防食効果により耐食性が向上されるた
め、第1熱交換器の要求性能を満足することができる。
【0011】しかし、この場合は、第1及び第2熱交換
器のチューブを別体で形成する必要があるので、部品点
数が増加し、組み付け及び作業工程が困難となる問題を
生じる。また、この場合においても、フィンは、ろう材
がクラッドされたフィン材を用いる必要があるため、前
述したようにメンテナンス費の増大、材料費の高騰等の
問題は解決されていない。
【0012】また、フィンにろう材が被覆されていない
材料を用いるとともに、チューブにろう材がクラッドさ
れた材料を用いることが考えられる。すなわち、例え
ば、第1熱交換器の耐食性を考慮して、JIS A30
03(Al−Mn系)材を芯材として、JIS A43
43又はJIS A4045(Al−Si系)のろう材
がクラッドされた材料を用いてチューブを形成すること
が考えられる。この場合は、押し出し加工性が劣るた
め、押し出し成形によるチューブの加工は不可能であ
り、従って、電縫チューブを形成することが要請され
る。しかし、電縫チューブでは第2熱交換器(例えばコ
ンデンサ)の要求する耐圧性を満足させることができな
いという問題を生じる。
【0013】本発明は、前記各問題点に鑑みてなされた
もので、第1及び第2熱交換器が一体に形成される熱交
換器において、各熱交換器ごとの要求性能を満足するこ
とができるチューブを一体に形成することにより、製造
コストの低減を図ることの可能な熱交換器を得ることを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本願第1請求項に記載さ
れた発明は、第1の熱交換器を構成するチューブと第2
の熱交換器を構成するチューブを通風方向の下流と上流
に配置し、前記両チューブの間にフィンを配設し、前記
各チューブの端部を各々タンクに挿入接続して第1及び
第2の熱交換器を形成し、これら第1及び第2の熱交換
器を一体ろう付けしてなる熱交換器において、前記チュ
ーブは、両面クラッドされたアルミ材もしくはアルミ合
金を素材とする一枚プレートを折り曲げ又は二枚のプレ
ートを接合して形成されるとともに、このチューブは、
その長手方向に沿って通路を二分する閉塞部が形成され
て、一方の通路が第1の熱交換器を、また、他方の通路
が第2の熱交換器を、それぞれ形成し、更に、前記チュ
ーブ間に配設されるフィンは、アルミ材又はアルミ合金
からなる非クラッド材である構成の熱交換器である。
【0015】このように、第1及び第2熱交換器のチュ
ーブが、両面クラッドのアルミ材又はアルミ合金を用い
て形成されていると、両面クラッドされたろう材と芯材
の電位差により、芯材の電位を貴とし、ろう材の犠牲陽
極効果によりチューブ外面及び内面の耐食性を向上させ
ることができる。
【0016】このため、例えば、第1の熱交換器はチュ
ーブ内面及び外面において耐食性が要求されるものであ
り、また、第2の熱交換器は、チューブ内面の耐食性は
さほど要求されないが、チューブ外面の耐食性及び耐圧
性が要求されるものである場合等、実質的に用途の異な
る熱交換器が一体に形成される場合において、各熱交換
器ごと異なる要求性能を満足するチューブを一体で形成
することができる。また、チューブには閉塞部が形成さ
れているため、双方の熱交換器の熱の伝達を閉塞部で可
及的に小さくすることができ、各熱交換器間の熱の伝達
を防ぎ、熱交換率を向上することができる。
【0017】また、チューブにろう材がクラッドされて
いるため、フィンは、ろう材がクラッドされていないア
ルミ材又はアルミ合金を材料として形成することがで
き、ろう材がクラッドされた材料を用いてフィンを形成
した場合に生じていた金型の摩耗が少なくなり、メンテ
ナンス費用を削減することができるとともに、材料費を
低減することができるので、製造コストを低減すること
ができる。
【0018】本願第2請求項に記載された発明は、前記
請求項1記載の発明において、前記チューブを形成する
チューブ材は、アルミ材又はアルミ合金を芯材とし、チ
ューブ内面となる層及びチューブ外面となる層にAl−
Si系のろう材がクラッドされた3層材、又は、アルミ
材又はアルミ合金を芯材とし、更に、芯材よりも電位の
卑なるアルミ材又はアルミ合金が中間層にクラッドされ
るとともにチューブ内面となる層及びチューブ外面とな
る層にAl−Si系のろう材がクラッドされた4層材で
ある構成の熱交換器である。
【0019】このように、芯材とろう材の間に芯材の電
位よりも電位の卑なる中間層の存在する4層材を用いて
チューブを形成した場合、前記中間層の面均一な犠牲防
食により、チューブ内面の耐孔食性が向上する。
【0020】また、両面クラッドの3層材又は4層材で
あるアルミ材又はアルミ合金を用いてチューブを形成す
ると、チューブの耐圧性等の強度が向上する。
【0021】本願第3請求項に記載された発明は、前記
請求項1記載の発明において、前記チューブは、一方の
通路又は双方の通路に内方に向けて突出する複数の突起
部が形成され、前記突起部の先端同士が当接され、又
は、前記突起部の先端と平面部が接合される構成の熱交
換器である。
【0022】このように、チューブの通路の一方又は双
方に突起部を形成し、前記突起部の先端部同士を当接
し、又は、前記突起部の先端部とプレート平面を当接し
て通路内部を複数に分割することにより、通路内に通流
する熱交換媒体に乱流を生じさせて、熱交換率の向上を
図ることができ、また、チューブの耐圧性を向上させる
ことができるため、通路の一方又は双方に任意に突起部
を形成することより、各熱交換器ごとの要求性能を満た
すことが可能となる。この場合、両面クラッドのアルミ
材又はアルミ合金が用いられているので、突起部の当接
が容易となり、任意に突起部を形成することが可能とな
る。
【0023】本願第4請求項に記載された発明は、前記
請求項1記載の発明において、前記チューブは、一枚の
プレートを折り畳んで形成されるものであって、チュー
ブを構成するプレートの端部同士が、チューブのビード
部分、平面部分、端部部分又は通路部分で重ね合わされ
てろう付けされている構成の熱交換器である。
【0024】従来において、一枚のプレートを接合して
チューブを形成する際に、プレート端部をチューブ端部
で外方へ突出するように接合すると、チューブ断面形状
は左右で異なる場合があるため、チューブの断面形状に
合せてヘッダタンクのチューブ挿入孔を形成する必要が
あり、専用の治具等が必要となって、製造コストが嵩む
とともに製造工程が煩雑となる問題が生じていた。
【0025】本発明のように、一枚のプレートを折り畳
んで形成されるチューブのプレートの端部接合部位を変
えると、チューブ断面の左右の形状を同一にすることが
でき、組み付け性が良くなり、製造備品の削減と製造工
程の簡易化を図ることが可能となる。
【0026】本願第5請求項に記載された発明は、前記
請求項1記載の発明において、前記各チューブは、一方
のタンクに接続される一方の通路と他方のタンクに接続
される他方の通路がそれぞれUターン形状に形成され、
前記一方のタンクと前記チューブの前記一方のUターン
形状の通路とで片タンク構造の第1熱交換器が形成さ
れ、且つ、前記他方のタンクと前記チューブの前記他方
のUターン形状の通路とで片タンク構造の第2熱交換器
が形成されている構成の熱交換器である。
【0027】すなわち、チューブに、Uターン形状の通
路が形成されている構成の熱交換器にも用いられる。こ
の構成の熱交換器は、Uターン形状の通路と反対側のチ
ューブの端部をタンクに接合して形成される片タンクタ
イプのものであり、本願発明は、この片タンクタイプの
ものにも適用することができる。
【0028】このような片タンクタイプの熱交換器は、
パラレルフロータイプの熱交換器と比べてタンクが半分
で済み、その分、空気との接触面積が大きくなって熱交
換率が向上し、また、部品点数が削減されてコスト低減
を図ることができる利点を有する。
【0029】本願第6請求項に記載された発明は、前記
請求項1記載の発明において、前記チューブは、通路を
二分する前記閉塞部に断熱用の孔部が設けられている構
成の熱交換器である。
【0030】このように、チューブに閉塞部が設けられ
ていると、第1及び第2熱交換器の双方の熱伝達を前記
閉塞部で可及的に小さくすることができ、そして、この
閉塞部に断熱用の孔部が形成されていると、更に熱の伝
達を阻止することができるため、双方の熱交換器の熱交
換率が向上する利点を有する。
【0031】本願第7請求項に記載された発明は、前記
請求項1の発明において、前記チューブとフィンを一体
に組み付けて炉中ろう付けする構成の熱交換器である。
【0032】すなわち、チューブとフィンを一体に組み
付けて炉中ろう付けする構成の熱交換器に用いることが
できる。基本的には、チューブとフィンを一体に組み込
んで炉中ろう付けするものであり、このチューブとフィ
ンのろう付けに加えて、後記のタンク、タンクを構成す
るタンク部、タンクを構成するエンドプレート等のいず
れかを同時にろう付けすることになる。
【0033】本願第8請求項に記載された発明は、前記
請求項1の発明において、前記チューブ、フィン及びタ
ンクを一体に組み付けて炉中ろう付けする構成の熱交換
器である。
【0034】すなわち、チューブ、フィン及びタンクを
一体に組み付けて炉中ろう付けする構成の熱交換器にも
用いることができる。この場合は、タンクは円筒状のも
のや、二分割のものを一体に組み合わせて、チューブ及
びフィンとともに一体にろう付けする。
【0035】本願第9請求項に記載された発明は、前記
請求項1の発明において、前記チューブ、フィン及び積
層されてタンクを形成するタンク部を一体に組み付けて
炉中ろう付けする構成の熱交換器である。
【0036】すなわち、チューブ、フィン及び積層され
てタンクを形成するタンク部を一体に組み付けて炉中ろ
う付けする構成の熱交換器にも用いることができる。こ
の場合は、チューブにタンク部が一体成形された前述の
ラミネートタイプのものを、一体ろう付けするものであ
る。
【0037】本願第10請求項に記載された発明は、前
記請求項1の発明において、前記チューブとフィンとエ
ンドプレートを炉中ろう付け後にタンクと接合する構成
の熱交換器である。
【0038】すなわち、チューブとフィンとエンドプレ
ートを炉中ろう付けした後にタンクと接合する構成の熱
交換器にも用いることができる。この場合は、チューブ
とフィンとエンドプレートを炉中ろう付けした後に、シ
ール材を用いてカシメ等により結合する。熱交換器に要
求される耐圧性があまり高くない場合である。
【0039】このように、本発明によれば、実質的に異
なる用途の熱交換器が一体に形成される熱交換器におい
て、各熱交換器ごとに異なる要求性能を満たすチューブ
を、一体に形成することができ、用途の異なる熱交換器
が一体に形成された熱交換器の耐久性を向上するととも
に、製造装置のメンテナンス費用の低減、材料費の低減
を図り、製造コストを低減することの可能な熱交換器を
提供することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下に本発明を図示の具体例に基
づいて説明する。
【0041】図1は本具体例の熱交換器の斜視図、図2
は熱交換器の横断面図で、この熱交換器1は、一対のタ
ンク2,2の間に互いに平行に且つ交互に積層された複
数のフィン3,3とチューブ4,4を備えた熱交換器で
ある。後述するようにチューブ4内部の通路は、閉塞部
5によって二分されている。タンク2,2は長手方向に
仕切り板が2cが一体に形成され、内部が第1熱交換器
Aのタンク2A,2A及び第2熱交換器Bのタンク2
B,2Bに区画されており、一方のタンクに入口継手1
0A,10Bと他方のタンクに出口継手11A,11B
がそれぞれ接続されている。また、タンク2A,2Bの
上下端部開口は、キャップ8,8により閉塞されてい
る。積層されたチューブ4,4の上端側及び下端側のタ
ンク2には、サイドプレート接続孔(図示省略)が設け
られ、これらのサイドプレート接続孔には、横断面コ字
状のサイドプレート9,9の両端部が挿入して接合され
ている。そして、タンク2Bの所要箇所には、第2の熱
交換器Bのタンク2B内部を長手方向に区画する仕切り
プレート(図示省略)が配設され、タンク内部を複数に
分割している。この例では第1の熱交換器Aはラジエー
タ、第2熱交換器Bはコンデンサであり、第1及び第2
熱交換器A,Bを通風方向の下流と上流に配置し組み合
わせて熱交換器1が形成されている。
【0042】更に図3に示すように、チューブ4は、二
枚のプレートの両端部4m,4nをチューブ両端部で接
合して形成するもので、チューブ4は閉塞部5によって
チューブの長手方向に通路が二分され、一方のタンク2
A,2Aに接続される一方の通路6と、他方のタンク2
B,2Bに接続される他方の通路7が形成されている。
そして、前記入口継手10A,10Bと出口継手11
A,11Bとの間で、熱交換媒体がチューブ4の各通路
6,7を通流して熱交換される。前記通路7は、チュー
ブ内方へ向けて突出する断面U字状のビード7a,7a
が形成され、前記ビード7aの先端部がプレート面に接
合している。前記ビード7aは長円形状を呈している。
【0043】このように、一方の通路7にビード7a,
7aを設けることにより、チューブ4の耐圧性を向上さ
せ、熱交換媒体の流れに適度な乱流を生じさせて熱交換
率の向上を図ることができ、各熱交換器ごとの要求性能
を満たすことが可能となる。
【0044】また、前記チューブ4は、形成された閉塞
部5により、双方の熱交換器の熱伝導を可及的に小さく
することができ、各熱交換器間の熱の伝達を防ぎ、熱交
換率を向上することができる。更に、チューブ4の閉塞
部5は、断熱用の孔5a,5aを備えている。このよう
に、閉塞部5に孔5a,5aを備えることにより、断熱
効果をより一層向上することができる。
【0045】前記チューブ材は、JIS A3003合
金(Al−Mn系)を芯材とし、チューブ内面となる層
及びチューブ外面となる層の双方にJIS A4045
(Al−Si系)をろう材としてクラッドした3層材、
又は、JIS A3003(Al−Mn系)を芯材と
し、チューブ内側となる層に1000系(99.0wt
%Al)アルミ合金をクラッドし、更に、チューブ内面
となる層及びチューブ外面となる層の双方にJIS A
4045(Al−Si系)をろう材としてクラッドした
4層材が用いられている。
【0046】このように、チューブの内面となる層及び
外面となる層にろう材がクラッドされていると、芯材と
ろう材の電位差により、芯材の電位を貴とし、ろう材の
犠牲陽極効果によりチューブ外面及び内面の耐食性を向
上することができる。また、芯材とろう材の間に芯材の
電位よりも電位の卑な中間層が存在する4層材を用いて
チューブを形成した場合、前記中間層の面均一な犠牲防
食により、チューブの内面の耐孔食性が向上する。
【0047】また、芯材の両面にろう材がクラッドされ
た3層材、又は、芯材及び中間層にろう材がクラッドさ
れた4層材を用いてチューブを形成すると、チューブ自
体の耐圧性等の強度が向上する。
【0048】本例のほかに、3層材又は4層材に用いら
れるアルミ材又はアルミ合金は、例えば、Si及びMg
添加されたアルミ合金を用いて、金属間化合物Mg2
iを析出により、素材の強度向上効果及び熱交換器の構
造強度を向上する効果が得られるものや、ろうの耐食性
を向上させる元素が含まれているもの等を用いることが
できる。
【0049】また、チューブには閉塞部が形成されてい
るため、双方の熱交換器の熱伝導を閉塞部で可及的に小
さくすることができ、各熱交換器間の熱の伝達を防ぎ、
熱交換率を向上することができる。
【0050】このように、耐食性及び耐圧性が向上され
たチューブを形成することが可能となるため、例えば、
第1熱交換器Aであるラジエータのように、チューブの
内面及び外面の双方に高い耐食性が要求され、また、第
2熱交換器Bであるコンデンサのように、チューブ内面
の耐食性はさほど要求されないが、チューブ外面の耐食
性及び耐圧性が要求される等の実質的に用途の異なる熱
交換器が一体に形成される場合において、各熱交換器ご
とに異なる要求性能を満足するチューブを一体で形成す
ることができ、第1及び第2の熱交換器を一体に形成し
た熱交換器を形成する場合に部品点数が削減され、製造
コストを低減することができる。
【0051】また、フィン3は、チューブ4がろう材が
両面にクラッドされたアルミ材又はアルミ合金で形成さ
れるため、フィン材としてろう材がクラッドされていな
いアルミ合金のベア材を用いることができる。例えば、
1.5%Znを添加したJIS A3003(Al−M
n系)を用いて形成することができ、ろう材がクラッド
されていない材料でフィンが形成されるため、フィン形
成時の金型の摩耗を減少することができ、メンテナンス
費用を低減することができる。また、ろう材がクラッド
された材料を用いずにフィンを形成することができるた
め、材料費を低減することができ、製造コストの低減が
可能となる。
【0052】また、フィン材には、1.5%Znが添加
されているため、チューブ4とフィン4が組み付けられ
て一体に形成された場合、フィン3とチューブ4の組み
合わせにおいて、チューブの電位が貴となり、優先的に
フィン3が腐食される犠牲陽極効果により、チューブ外
面が防食され、チューブ外面の耐食性が向上される。
【0053】以下、前述した両面クラッドの3層材又は
4層材のアルミ材又はアルミ合金を用いて形成したチュ
ーブの好ましい実施の態様を、図面に基づいて説明す
る。尚、共通の構成要素に同一の符号を付して説明を省
略する。
【0054】図4乃至図6に示す具体例は、図3に示す
例と同様に二枚のプレートを用いて形成されたチューブ
4の他の具体例であり、チューブの端面からみた斜視図
を示している。
【0055】図4に示すように、チューブ4は、内方へ
向かってビード7bが突出するようにプレートが折曲げ
られて形成され、ビード7bは、チューブ4の長手方向
に亘って形成されており、ビード7bの先端部がプレー
ト面に接合している。
【0056】また、図5に示すチューブ4は、内方へ向
けて突出する断面U字状のビード7cが形成されてお
り、ビード7cは、この例においてもチューブ4の長手
方向に亘って形成されている。また、このビード7cの
先端部がプレート面に接合している。
【0057】図6に示すチューブ4は、内方へ向けて突
出する断面U字状の丸ビード7dが形成されおり、この
ビード7dの先端部がプレート面に接合している。
【0058】これらの例において、二枚のプレートを用
いてチューブを形成する場合を示したが、プレス又はロ
ール成形された一枚のプレートを更に半分に折り畳んで
形成したチューブ、或は、ロール成形しながら一枚のプ
レートを半分に折り畳んで形成するチューブにも同様に
ビードを形成することができる。
【0059】図7乃至図10に示す具体例は、チューブ
の端面からみた斜視図であり、一枚のプレートを半分に
折り畳んで、プレート端部4m,4n同士が一方のチュ
ーブ端部で接合されて形成されたチューブ4の他の具体
例である。
【0060】図7において、チューブ4は、一方の通路
7に内方へ向けて突出する断面U字状の長ビード7e,
7eが形成され、長ビード7e,7eの平面形状は、長
円形状である。そして、前記ビード7eの先端部同士が
当接している。
【0061】また、図8に示すように、チューブ4は、
内方へ向かって突出するようにプレートが折曲げられて
チューブの長手方向に亘ってビード7fが形成され、ビ
ード7f,7fの先端部同士が当接している。
【0062】また、図9に示すように、チューブ4は、
内方へ向けて突出する断面U字状のビード7gが長手方
向に亘って形成されている。このビード7gの先端部同
士が当接している。
【0063】また、図10に示すように、チューブ4
は、内方へ向けて突出する断面U字状の丸ビード7hが
形成されおり、このビード7h,7hの先端部同士が当
接している。
【0064】また、図11に示すものは、チューブ4の
他の具体例であって、チューブ4の一方の通路7に複数
のビード7c,7cが形成されているとともに、他方の
通路6にも内方へ向けて突出するビード6cが形成さ
れ、これらのビード6c,7cが対向する平面に接合さ
れている。本例において、ビード6c,7cはチューブ
の長手方向に亘って形成される長ビードである。
【0065】この例では、一方の通路のみならず他方の
通路にもビードを形成して、熱交換率を向上させるよう
にし、更に耐圧性等の各熱交換器ごとの要求性能を満足
させるようにしている。
【0066】図12乃至図15に示す具体例は、チュー
ブの端面からみた斜視図を示すもので、前例と同様に、
一枚のプレートを用いてチューブ4を形成するものであ
るが、プレート端部の接合形態及び接合部位を変化させ
たものである。
【0067】図12に示すチューブ4は、一方の通路7
にチューブの長手方向に亘って内方へ向かって突出する
長ビード7cが形成されており、ビード7cの先端がプ
レートの平面に接合している。プレートの両端部4m,
4nは、チューブ端部でチューブ内方突出するように折
曲げ、折曲げた端部4m,4nの平面同士を接合してい
る。
【0068】図13に示すチューブ4は、一方の通路7
にチューブの長手方向に亘って複数の長ビード7cが設
けられている。そして、一方のプレート端部4mを通路
7部分でL字状に折曲げてプレート面に接合し、更に、
他方のプレート端部4nを同部分で同様にL字状に折曲
げて前記プレート端部4m上に重ね合わせるように接合
している。すなわち、プレート端部4m,4nは、断面
U字状の一つの長ビードを形成している。
【0069】図14に示すチューブ4は、一方の通路7
に長ビード7cが形成され、ビード7cが形成されない
平面でプレート端部4m,4n同士が重ね合わされて接
合している。すなわち、プレート両端部4m,4n同士
が接合する平面部に接合するビード7c’は、他のビー
ドよりも浅いU字状に形成され、このビード7c’が接
合するチューブ平面部分で一方のプレート端部4mと他
方のプレート端部4nが重ね合わされて接合されてい
る。
【0070】図15に示すチューブ4は、一方の通路7
に複数のビード7cが形成され、他方の通路6の中央部
分で、プレートの両端部4m,4n同士が内方に突出す
るように折曲げられ、折曲げられた端部4m,4nの表
面同士が接合するとともに、端部4m,4nとチューブ
平面部分が接合している。すなわち、プレート端部4
m、4nは、接合してチューブを形成するとともに通路
6を二分するビードの役割を果たしている。
【0071】このように、一枚のプレートでチューブを
形成する場合に、プレート端部をチューブ端部で外方に
向けて突出するように接合せずに、接合形態、接合部位
を変化させて、チューブの端部部位、ビード部位、平面
部位又は通路部位で接合することにより、チューブの外
観形状をチューブ左右で略同一とすることができ、従来
のように左右で異なる形状のチューブ挿入孔をタンクに
開ける必要がなくなるため、製造備品が削減され、チュ
ーブ組み付け性が向上し、製造工程の簡易化を図ること
が可能となる。また、プレート端部同士をチューブ外面
となる層で接合しているため、チューブ内面の耐食性が
要求されないチューブを形成する場合、又は、芯材と電
位差のある中間層がチューブ内面となる層に被覆されて
いる場合は、チューブ内面となる層にろう材をクラッド
する必要がなくなり、製造コストの低減を図ることがで
きる。
【0072】図16及び図17に示す具体例は、片タン
クタイプの第1及び第2の熱交換器A,Bを並列に組み
合わせて熱交換器1を形成したもので、この図16に示
す熱交換器1は、タンク12A,12Bに接続された、
複数のチューブ14,14及びフィン3,3を備えた熱
交換器である。各チューブ14,14は、前例同様、両
面クラッドの3層材又は4層材であるアルミ材又はアル
ミ合金の一枚又は二枚のプレートを用いて形成されてい
る。
【0073】図17において示すように、チューブ14
は閉塞部5によってチューブの長手方向に通路が二分さ
れ、一方のタンク12Aに接続される一方の通路6と、
他方のタンク12Bに接続される他方の通路7が形成さ
れている。各通路6,7の中央部には、突条16,17
が形成されており、これらの突条16,17とプレート
面が接合し、或は、突条16,16又は突条17,17
同士が接合して、各通路6,7がUターン形状に形成さ
れる。7a,7aは長円形状の長ビードで、これらの長
ビード7a,7aがプレート面と接合し、或は、長ビー
ド7a,7a同士が接合している。このように構成する
ことにより、パラレルフロータイプの熱交換器と比べて
タンクが半分で済み、その分、空気との接触面積が大き
くなって熱交換率が向上し、また、部品点数が削減され
てコスト低減が図られる利点を有する。
【0074】図18に示す具体例は、片タンクタイプの
第1及び第2の熱交換器A,Bを、タンク位置が交互と
なるように並列に配置したものであり、一方のタンク1
2Aが左側に、他方のタンク12Bが右側に配置されて
いる。これらのタンク12A及びタンク12Bの間に、
複数のチューブ14,14及びフィン3,3を備え、各
チューブ14,14は、前例同様、途中に閉塞部5を設
けて通路を二分し、一方のタンク2Aに接続される一方
の通路6と、他方のタンク2Bに接続される他方の通路
7が、それぞれUターン形状に形成されている。また、
チューブ14,14は、両面クラッドの3層材又は4層
材であるアルミ材又はアルミ合金の一枚又は二枚のプレ
ートを用いて形成され、フィンは、Zn1.5%添加の
アルミ材又はアルミ合金を用いて形成されている。この
ように、片タンクタイプの第1及び第2の熱交換器A,
Bを組み合わせて形成された熱交換器は、車体に組み付
ける際に両側にブラケットを取り付けることができるた
め、組み付け性が向上する。
【0075】また、図19に示す具体例は、積層された
タンク2A,2Bを形成するタンク部2a,2a,2
b,2bが、チューブ4,4に一体成形されたラミネー
トタイプのものであり、この例の場合も、熱交換器1
は、並列に配置された二対のタンク2A,2A及び2
B,2Bの間に、複数のチューブ4,4及び3,3を備
えた熱交換器であって、各チューブ4,4は途中に閉塞
部5を設けて、長手方向に通路を二分し、一方のタンク
2A,2Aに接続される一方の通路6と、他方のタンク
2B,2Bに接続される他方の通路7が形成されてい
る。そして前例同様、チューブ4,4は、両面クラッド
の3層材又は4層材であるアルミ材又はアルミ合金の一
枚又は二枚のプレートを用いて形成され、各熱交換器ご
との要求性能を満たしたチューブを一体に成形してい
る。
【0076】このように、本具体例の熱交換器は、基本
的にはチューブとフィンを一体に組み込んで炉中ろう付
けするものであり、このチューブとフィンのろう付けに
加えて、接合プレート、タンク、タンクを構成するタン
ク部、タンクを構成するエンドプレート等のいずれかを
同時にろう付けすることができる。タンクはタンク素材
を丸めて円管状に形成したものや、二分割のもの、ま
た、チューブとフィン及び積層されてタンクを形成する
タンク部を一体に組み付けて、つまりチューブにタンク
部が一体成形されたラミネートタイプのものを、炉中ろ
う付けすることができる。
【0077】なお、前述の具体例では、二つの熱交換器
を横方向に並列に組み合わせたものを例にとって説明し
たが、二つの熱交換器を縦方向に並列に組み合わせて形
成されたもの、また、二つの熱交換器が組あわされて形
成された熱交換器の上下の一方又は双方に第3の熱交換
器を組み合わせる等、適宜の組み合わせにて熱交換器を
形成することができるものである。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、第1の
熱交換器を構成するチューブと第2の熱交換器を構成す
るチューブを通風方向の下流と上流に配置し、前記両チ
ューブの間にフィンを配設し、前記各チューブの端部を
各々タンクに挿入接続して第1及び第2の熱交換器を形
成し、これら第1及び第2の熱交換器を一体ろう付けし
てなる熱交換器において、前記チューブは、両面クラッ
ドされたアルミ材もしくはアルミ合金を素材とする一枚
プレートを折り曲げ又は二枚のプレートを接合して形成
されるとともに、このチューブは、その長手方向に沿っ
て通路を二分する閉塞部が形成されて、一方の通路が第
1の熱交換器を、また、他方の通路が第2の熱交換器
を、それぞれ形成し、更に、前記チューブ間に配設され
るフィンは、アルミ材又はアルミ合金からなる非クラッ
ド材である構成の熱交換器である。
【0079】このように、第1及び第2熱交換器のチュ
ーブが、両面クラッドのアルミ材又はアルミ合金を用い
て形成されていると、両面クラッドされたろう材と芯材
の電位差により、芯材の電位を貴とし、ろう材の犠牲陽
極効果によりチューブ外面及び内面の耐食性を向上させ
ることができる。
【0080】このため、例えば、第1の熱交換器はチュ
ーブ内面及び外面において耐食性が要求されるものであ
り、また、第2の熱交換器は、チューブ内面の耐食性は
さほど要求されないが、チューブ外面の耐食性及び耐圧
性が要求されるものである場合等、実質的に用途の異な
る熱交換器が一体に形成される場合において、各熱交換
器ごと異なる要求性能を満足するチューブを一体で形成
することができる。また、チューブには閉塞部が形成さ
れているため、双方の熱交換器の熱の伝達を閉塞部で可
及的に小さくすることができ、各熱交換器間の熱の伝達
を防ぎ、熱交換率を向上することができる。
【0081】また、チューブにろう材がクラッドされて
いるため、フィンは、ろう材がクラッドされていないア
ルミ材又はアルミ合金を材料として形成することがで
き、ろう材がクラッドされた材料を用いてフィンを形成
した場合に生じていた金型の摩耗が少なくなり、メンテ
ナンス費用を削減することができるとともに、材料費を
低減することができるので、製造コストを低減すること
ができる。
【0082】また、本発明において、前記チューブを形
成するチューブ材を、アルミ材又はアルミ合金を芯材と
し、チューブ内面となる層及びチューブ外面となる層に
Al−Si系のろう材がクラッドされた3層材、又は、
アルミ材又はアルミ合金を芯材とし、更に、芯材よりも
電位の卑なるアルミ材又はアルミ合金が中間層にクラッ
ドされるとともにチューブ内面となる層及びチューブ外
面となる層にAl−Si系のろう材がクラッドされた4
層材で構成した場合、すなわち、芯材とろう材の間に芯
材の電位よりも電位の卑なる中間層の存在する4層材を
用いてチューブを形成した場合は、前記中間層の面均一
な犠牲防食により、チューブ内面の耐孔食性が向上す
る。
【0083】また、両面クラッドの3層材又は4層材で
あるアルミ材又はアルミ合金を用いるてチューブを形成
すると、チューブの耐圧性等の強度が向上する。
【0084】また、本発明において、前記チューブに、
一方の通路又は双方の通路に内方に向けて突出する複数
の突起部を形成し、前記突起部の先端同士が当接され、
又は、前記突起部の先端と平面部が接合されるように構
成した場合は、通路内に通流する熱交換媒体に乱流を生
じさせて、熱交換率の向上を図ることができ、また、チ
ューブの耐圧性を向上させることができるため、通路の
一方又は双方に任意に突起部を形成することより、各熱
交換器ごとの要求性能を満たすことが可能となる。この
場合、両面クラッドのアルミ材又はアルミ合金が用いら
れているので、突起部の当接が容易となり、任意に突起
部を形成することが可能となる。
【0085】また、本発明において、前記チューブを、
一枚のプレートを折り畳んで形成するとともに、チュー
ブを構成するプレートの端部同士が、チューブのビード
部分、平面部分、端部部分又は通路部分で重ね合わされ
てろう付けされて構成した場合、すなわち、一枚のプレ
ートを折り畳んで形成されるチューブのプレートの端部
接合部位を変える場合は、チューブ断面の左右の形状を
同一にすることができ、組み付け性が良くなり、製造備
品の削減と製造工程の簡易化を図ることが可能となる。
【0086】また、本発明は、前記各チューブの一方の
タンクに接続される一方の通路と他方のタンクに接続さ
れる他方の通路をそれぞれUターン形状に形成し、前記
一方のタンクと前記チューブの前記一方のUターン形状
の通路とで片タンク構造の第1熱交換器を形成し、且
つ、前記他方のタンクと前記チューブの前記他方のUタ
ーン形状の通路とで片タンク構造の第2熱交換器を形成
することも可能である。すなわち、チューブに、Uター
ン形状の通路が形成されている構成の熱交換器にも用い
られる。この構成の熱交換器は、Uターン形状の通路と
反対側のチューブの端部をタンクに接合して形成される
片タンクタイプのものであり、本願発明は、この片タン
クタイプのものにも適用することができる。
【0087】このような片タンクタイプの熱交換器は、
パラレルフロータイプの熱交換器と比べてタンクが半分
で済み、その分、空気との接触面積が大きくなって熱交
換率が向上し、また、部品点数が削減されてコスト低減
を図ることができる利点を有する。
【0088】また、本発明において、前記チューブに、
通路を二分する前記閉塞部に断熱用の孔部を設けるとよ
い。このように、チューブに閉塞部が設けられている
と、第1及び第2熱交換器の双方の熱伝達を前記閉塞部
で可及的に小さくすることができ、そして、この閉塞部
に断熱用の孔部が形成されていると、更に熱の伝達を阻
止することができるため、双方の熱交換器の熱交換率が
向上する利点を有する。
【0089】また、本発明において、前記チューブとフ
ィンを一体に組み付けて炉中ろう付けする構成も採用す
ることができる。すなわち、チューブとフィンを一体に
組み付けて炉中ろう付けする構成の熱交換器に用いるこ
とができる。基本的には、チューブとフィンを一体に組
み込んで炉中ろう付けするものであり、このチューブと
フィンのろう付けに加えて、後記のタンク、タンクを構
成するタンク部、タンクを構成するエンドプレート等の
いずれかを同時にろう付けすることになる。
【0090】また、本発明において、前記チューブ、フ
ィン及びタンクを一体に組み付けて炉中ろう付けする構
成も採用することができる。すなわち、チューブ、フィ
ン及びタンクを一体に組み付けて炉中ろう付けする構成
の熱交換器にも用いることができる。この場合は、タン
クは円筒状のものや、二分割のものを一体に組み合わせ
て、チューブ及びフィンとともに一体にろう付けする。
【0091】また、本発明において、前記チューブ、フ
ィン及び積層されてタンクを形成するタンク部を一体に
組み付けて炉中ろう付けする構成も採用することができ
る。すなわち、チューブ、フィン及び積層されてタンク
を形成するタンク部を一体に組み付けて炉中ろう付けす
る構成の熱交換器にも用いることができる。この場合
は、チューブにタンク部が一体成形された前述のラミネ
ートタイプのものを、一体ろう付けするものである。
【0092】また、本発明において、前記チューブとフ
ィンとエンドプレートを炉中ろう付け後にタンクと接合
する構成も採用することができる。すなわち、チューブ
とフィンとエンドプレートを炉中ろう付けした後にタン
クと接合する構成の熱交換器にも用いることができる。
この場合は、チューブとフィンとエンドプレートを炉中
ろう付けした後に、シール材を用いてカシメ等により結
合する。熱交換器に要求される耐圧性があまり高くない
場合である。
【0093】このように、本発明によれば、実質的に異
なる用途の熱交換器が一体に形成される熱交換器におい
て、各熱交換器ごとに異なる要求性能を満たすチューブ
を、一体に形成することができ、用途の異なる熱交換器
が一体に形成された熱交換器の耐久性を向上するととも
に、製造装置のメンテナンス費用の低減、材料費の低減
を図り、製造コストを低減することの可能な熱交換器を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の具体例に係る熱交換器の斜視図であ
る。
【図2】 本発明の具体例に係る熱交換器の横断面図で
ある。
【図3】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図4】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図5】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図6】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図7】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図8】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図9】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部分
の斜視図である。
【図10】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部
分の斜視図である。
【図11】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部
分の斜視図である。
【図12】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部
分の斜視図である。
【図13】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部
分の斜視図である。
【図14】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部
分の斜視図である。
【図15】 本発明の具体例に係り、チューブの端面部
分の斜視図である。
【図16】 本発明の他の具体例に係る熱交換器の斜視
図である。
【図17】 図16に示す熱交換器のチューブ及びタン
クの横断面図である。
【図18】 本発明の他の具体例に係る熱交換器の斜視
図である。
【図19】 本発明の他の具体例に係る熱交換器の斜視
図である。
【符号の説明】
1 熱交換器 2 タンク 2A タンク 2B タンク 2a タンク部 2b タンク部 2c 仕切り板 3 フィン 4 チューブ 4m プレート端部 4n プレート端部 5 閉塞部 5a 孔部 6 通路 6c ビード 7 通路 7a ビード 7b ビード 7c ビード 7c’ ビード 7d ビード 7e ビード 7f ビード 7g ビード 7h ビード 8 キャップ 9 再度プレート 10A 入口継手 10B 入口継手 11A 出口継手 11B 出口継手 12A タンク 12B タンク 14 チューブ 16 突条 17 突条

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の熱交換器を構成するチューブと第
    2の熱交換器を構成するチューブを通風方向の下流と上
    流に配置し、前記両チューブの間にフィンを配設し、前
    記各チューブの端部を各々タンクに挿入接続して第1及
    び第2の熱交換器を形成し、これら第1及び第2の熱交
    換器を一体ろう付けしてなる熱交換器において、 前記チューブは、両面クラッドされたアルミ材もしくは
    アルミ合金を素材とする一枚プレートを折り曲げ又は二
    枚のプレートを接合して形成されるとともに、このチュ
    ーブは、その長手方向に沿って通路を二分する閉塞部が
    形成されて、一方の通路が第1の熱交換器を、また、他
    方の通路が第2の熱交換器を、それぞれ形成し、 更に、前記チューブ間に配設されるフィンは、アルミ材
    又はアルミ合金からなる非クラッド材であることを特徴
    とする熱交換器。
  2. 【請求項2】 前記チューブを形成するチューブ材は、
    アルミ材又はアルミ合金を芯材とし、チューブ内面とな
    る層及びチューブ外面となる層にAl−Si系のろう材
    がクラッドされた3層材、又は、アルミ材又はアルミ合
    金を芯材とし、更に、芯材よりも電位の卑なるアルミ材
    又はアルミ合金が中間層にクラッドされるとともにチュ
    ーブ内面となる層及びチューブ外面となる層にAl−S
    i系のろう材がクラッドされた4層材であることを特徴
    とする請求項1記載の熱交換器。
  3. 【請求項3】 前記チューブは、一方の通路又は双方の
    通路に内方に向けて突出する複数の突起部が形成され、
    前記突起部の先端同士が当接され、又は、前記突起部の
    先端と平面部が接合されることを特徴とする請求項1記
    載の熱交換器。
  4. 【請求項4】 前記チューブは、一枚のプレートを折り
    畳んで形成されるものであって、チューブを構成するプ
    レートの端部同士が、チューブのビード部分、平面部
    分、端部部分又は通路部分で重ね合わされてろう付けさ
    れていることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  5. 【請求項5】 前記各チューブは、一方のタンクに接続
    される一方の通路と他方のタンクに接続される他方の通
    路がそれぞれUターン形状に形成され、前記一方のタン
    クと前記チューブの前記一方のUターン形状の通路とで
    片タンク構造の第1熱交換器が形成され、且つ、前記他
    方のタンクと前記チューブの前記他方のUターン形状の
    通路とで片タンク構造の第2熱交換器が形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  6. 【請求項6】 前記チューブは、通路を二分する前記閉
    塞部に断熱用の孔部が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の熱交換器。
  7. 【請求項7】 前記チューブとフィンを一体に組み付け
    て炉中ろう付けすることを特徴とする請求項1記載の熱
    交換器。
  8. 【請求項8】 前記チューブ、フィン及びタンクを一体
    に組み付けて炉中ろう付けすることを特徴とする請求項
    1記載の熱交換器。
  9. 【請求項9】 前記チューブ、フィン及び積層されてタ
    ンクを形成するタンク部を一体に組み付けて炉中ろう付
    けすることを特徴とする請求項1記載の熱交換器。
  10. 【請求項10】 前記チューブとフィンとエンドプレー
    トを炉中ろう付け後にタンクと接合することを特徴とす
    る請求項1記載の熱交換器。
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