JP2004044920A - 熱交換器用タンク - Google Patents
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Abstract
【課題】チューブと別体の部材からなり、内部が通風方向に延びる仕切り部により仕切られた熱交換器用タンクについて、ろう付け不良によりタンクのタンク部間で熱交換媒体のバイパスが生じて熱交換器の性能が劣化するのを低コストの構造で防止する。
【解決手段】エンドプレート15にタンクプレート17が嵌合することで構成された筒状体18を有し、この筒状体18はその内部に通風方向に並設されたタンク部20、21が画成されており、このタンク部20、21の画成は、エンドプレート15に折曲部22を形成し、この折曲部22の頂部を前記タンクプレート17の内面に突当させることで行う。これにより、別部材の仕切り部を用いる場合と異なり、エンドプレート側ではろう付け保証が不要となるので、ろう付け不良によりタンク部20,21間における熱交換媒体のバイパスが抑制される。
【選択図】 図5
【解決手段】エンドプレート15にタンクプレート17が嵌合することで構成された筒状体18を有し、この筒状体18はその内部に通風方向に並設されたタンク部20、21が画成されており、このタンク部20、21の画成は、エンドプレート15に折曲部22を形成し、この折曲部22の頂部を前記タンクプレート17の内面に突当させることで行う。これにより、別部材の仕切り部を用いる場合と異なり、エンドプレート側ではろう付け保証が不要となるので、ろう付け不良によりタンク部20,21間における熱交換媒体のバイパスが抑制される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルの一部を構成するエバポレータに用いられるタンクで、熱交換チューブとは別体に形成されたものの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
現行の両タンク型の熱交換媒体が流れるチューブとフィンとを交互に複数断積層すると共に、このチューブの両端に当該チューブと連通するように接合された2つのタンクとを備え、一方のタンクの内部がチューブ積層方向に延びる複数の通路に仕切られ、かつ各通路の通風方向に沿った側が開口して、この開口部は別個の部材により閉塞されるタンク別体型の熱交換器は、既に特開2002−81795号公報に示すように公知である。
【0003】
そして、このようなチューブと別体を成すタンクは、特開2001−56164号公報に示す熱交換器のように、タンクの周壁の大部分を構成するタンクプレートと、チューブの挿入される挿入孔が形成されたエンドプレートとをろう付けにて接合して形成するタイプのものがある。
【0004】
また、4パス以上の熱交換媒体のフローを形成するために、前記仕切り部により仕切られたタンクの各タンク部に対して、通風方向に延びる仕切り部を配し、更に熱交換チューブの積層方向に沿って分割する構成についても、既に特開2002−81795号公報に示すように公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
先述の公報に示す熱交換器のように、エンドプレートとタンクプレートとが別個の部材で構成されると、成形容易等の観点から仕切り部もこれらのエンドプレート及びタンクプレートと別部材として構成されることが多いが、これでは、仕切り部の両端においてろう付けをしなければならない。このため、熱交換媒体がタンクの一方のタンク部から他方のタンク部にバイパスして、エバポレータの熱交換能力が低下する不具合が生じないように、仕切り部の両端においてろう付け保証をする必要が生ずる。
【0006】
この点、後述の特開2001−56164号公報に示す熱交換器は、それぞれエンドプレートとタンクプレートとで入口側タンクと出口側タンクとを別個に形成することで、入口タンクと出口タンクとを独立したものとし、両エンドプレートの外面をろう付けにて接合することにより、ろう付け不良による入口側タンクと出口側タンクとの熱交換媒体のバイパスを防止している。
【0007】
しかしながら、後述の熱交換器のタンクの構成では、エンドプレートとタンクプレートとの接合以外にエンドプレート同士の接合も必要となるので、熱交換器のタンクの組付け作業の工程数が増加し、製造コストが高くなるという不具合を有する。
【0008】
また、4パス以上の熱交換媒体のフローを形成するため、通風方向に延びる仕切り部を配するに当たり、当該仕切り部のろう付けが不十分だと、積層方向に沿って隣接するタンク部間においても、熱交換媒体のバイパスが生ずるという不都合がある。
【0009】
一方で、近年において、空調ユニットの車載スペースの削減等から、空調ユニットを構成するエバポレータの特に通風方向に沿った幅の短縮化が要望されるようになってきている。これに伴い、空調ユニットの冷凍サイクルを構成するエバポレータの特に通風方向に沿った幅の短縮も要請されている。
【0010】
このエバポレータの通風方向幅の短縮の要請に応えるために、タンクを構成する部材の内面とチューブとの間隔を可能な限り狭めることが考えられる。しかし、単にチューブとタンク内面との間隔を狭めたのでは、チューブをエンドプレートに挿入した後に、これらのろう付けを行う際に、タンクを構成する部材から溶け出したろう材がチューブの開口部を閉塞してしまう虞れがある。
【0011】
更にまた、タンクのエンドプレートとタンクプレートとの接合部位は、チューブのタンク内への挿入した側の開口端面と略同じ位置関係にあるのが一般的であるが、このような構成では、タンクのエンドプレートとタンクプレートとを接合するためのろう材層の厚みを確保する必要性から、エバポレータの通風方向幅の短縮という上記要請には十分に応えることができないという不具合を有していた。
【0012】
そこで、この発明は、コストが低廉な構造で、ろう付け不良によりタンクのタンク部間の間で熱交換媒体のバイパスが生じて熱交換器の性能が劣化するのを防止しつつ、タンクの通風方向幅の短縮も可能とした熱交換器用タンクを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る熱交換器用タンクは、熱交換チューブの開口端部を挿着させるチューブ挿入孔が形成されたエンドプレートにタンクプレートが嵌合することで構成された筒状体を有し、この筒状体はその内部を長手方向に沿って延びる仕切り部により仕切ることで、通風方向に配置されたタンク部を備えていると共に、前記筒状体の両開口部が閉塞部材により閉塞された熱交換器用タンクにおいて、前記エンドプレートのチューブ挿入孔が形成された面の幅方向略中央部に、タンク内側に折り曲げた折曲部を形成し、この折曲部の頂部を前記タンクプレートの内面に突当させることで、前記仕切り部を形成したことを特徴とする(請求項1)。
【0014】
このような熱交換器用タンクの構造によれば、仕切り部を構成する折曲部は、エンドプレートと一体に形成されているので、エンドプレート側におけるろう付け保証が不要となり、ろう付け不良による通風方向に沿って並設されたタンク部間で熱交換媒体のバイパスが生ずる可能性を減少させる。
【0015】
ここで、前記タンクプレートは、前記仕切り部と突当する面の両側部位を内側に折り曲げて折曲部を形成し、この一対の折曲部で前記仕切り部の頂部を挟持するようにしても良い(請求項2)。これにより、タンクプレートから延出した折曲部間に仕切り部の頂部近傍部位が広い範囲で密着するため、タンクプレートと仕切り部とのろう付け面積が相対的に拡大される。このため、当該タンクプレートと仕切り部とのろう付け不良により熱交換媒体が通風方向に隣接するタンク部間をバイパスする可能性がより一層低減される。
【0016】
また、この発明に係る熱交換器用タンクは、前記タンクプレートの外側面と内側面とにろう材層を形成し、このタンクプレートのろう材層のみを利用して当該タンクプレートと前記エンドプレートとのろう付けを行うことを特徴とする(請求項3)。このような熱交換器用タンクの構造によれば、エンドプレートにはろう材層を形成しないので、チューブをタンクのエンドプレート側に近接させた状態でタンク内に挿入させても、ろう付けの際にエンドプレートから溶け出したろう材がチューブの開口部を閉塞する虞れがなくなる。
【0017】
また、この発明に係る熱交換器用タンクは、前記エンドプレートの通風方向両側に前記タンクプレート側に延出した立設部を形成し、このエンドプレートの立設部端部とタンクプレートとを接合させたことを特徴とする(請求項4)。このような熱交換器用タンクの構造によれば、チューブの近傍でタンクプレートとエンドプレートとのろう付けを不要とするため、ろう付け層用の幅の確保が不要となるので、チューブをエンドプレートの立設部により近接して設けることができることから、熱交換器用タンクの通風方向幅を相対的に短縮させることができる。
【0018】
また、この請求項4に記載の熱交換器用タンクにおいては、前記エンドプレートの立設部をタンク内側に折り曲げて折曲部を形成し、この折曲部に前記エンドプレートのチューブ挿入孔から挿入される熱交換チューブを突当させるようにしても良い(請求項5)。このような熱交換器用タンクの構造によれば、エンドプレートのチューブ挿入孔から挿入された熱交換チューブは、その開口端部がエンドプレートの突当部に突当することで、チューブの最適な挿入深度を知ることができるので、チューブの位置決めが容易になり、熱交換器の組み付けが簡易となる。
【0019】
また、この発明の熱交換器用タンクは、熱交換チューブの開口端部を挿着させるチューブ挿入孔が形成されたエンドプレートにタンクプレートが嵌合することで構成された筒状体を有し、この筒状体はその内部を長手方向に沿って延びる仕切り部により仕切ることで、通風方向に並設されたタンク部を備えていると共に、前記筒状体の両開口部が閉塞部材により閉塞された熱交換器用タンクにおいて、前記長手方向両端が閉塞部材で閉塞された状態の筒状体を長手方向に沿って複数連接させることで、長手方向に沿って並設されたタンク部を構成したことを特徴とする(請求項6)。
【0020】
このような熱交換器用タンクの構造によれば、例えば4パスの熱交換媒体のフローを形成するために、チューブの積層方向に沿って並設されたタンク部を画成するにあたり、各タンク部が独立した筒状体で構成されるので、当該タンク部を別部材の仕切り部で仕切る必要がなく、仕切り部とタンク内壁とのろう付け不良のために当該タンク部間での熱交換媒体のバイパスを生ずる可能性がなくなる。
【0021】
そして、これれらの熱交換器用タンクは、前記タンクプレートの板厚が前記エンドプレートの板厚より厚いものとしても良い(請求項7)。これにより、耐圧強度を損なうことなく、タンクの薄幅化が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。
【0023】
図1、図2及び図3に示される熱交換器1は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルの一部を構成するエバポレータとして用いられている。この熱交換器1は、通風方向に沿って並設された熱交換器用チューブ2と、コルゲート状のアウターフィン3とを交互に複数段積層し、その積層方向一方端に熱交換媒体の出入口部5、6を備えたサイドタンク4を配すると共に、積層された熱交換チューブ2及びサイドタンク4の長手方向両側をタンク7、8と連通させることにより構成されている。そして、この熱交換器1は、図示しない膨張弁から送られる熱交換媒体を、サイドタンク4を介して流入し、熱交換チューブ2によってタンク7、8間を移動させ、その過程においてアウターフィン3間を通過する空気と熱交換させ、最終的にサイドタンク4を介して送出されるようにしている。
【0024】
このうち、熱交換チューブ2は、図4に示される様に、タンク7、8に挿着される両端が開口され、熱交換媒体の流路10が内部に形成された扁平管11にインナーフィン12を収納して構成されている。この実施形態では、熱交換チューブ2は、ロールホーミングにより一枚の扁平管素材を折り曲げることで形成されている。
【0025】
サイドタンク4は、押し出し成形によって、図3に示す様に、流入通路13と流出通路14とが一体に形成されているもので、流入通路13と流出通路14とは、パス数に応じてそれぞれ最上流部位となるタンクのタンク部と最下流側となるタンクのタンク部とに連通されている。
【0026】
タンク7,8は、図1に示される様に、熱交換チューブ2を挟んで対向するように配設され、当該チューブ2の積層方向に沿って延設されたものである。
【0027】
このうち、一方のタンク7について説明すると、図5に示される様に、エンドプレート15とタンクプレート17とを嵌合することで、両端側が開口した筒状体18を有して構成されている。この筒状体18の両側開口は、図1、図3に示される様に、例えばキャップ等の閉塞部材19により閉塞されて、その内部は図2及び図5に示す様に通風方向に配置された2つのタンク部20,21が画成されている。
【0028】
エンドプレート15は、図5に示される様に、熱交換チューブ2の開口端部9を挿着させるチューブ挿入孔16及び図示しないがサイドタンク4の流入通路13、流出通路15と連通する連通孔が形成された面15aと、この面15aの通風方向両側端から熱交換チューブ2とは反対方向に立設した立設部15bとから成っている。面15aは、通風方向に並列したチューブ挿入孔16,16間の部位に、略U字状に折り曲げて形成された折曲部22を有し、この折曲部22の頂部となる折り返し部位がタンクプレート17の内側面に少なくとも突当することで、筒状体18内を前記2つのタンク部20,21に区画する仕切り部となる。
立設部15bは、その先端がタンク7の通風方向中心側に折れ曲がって保持部23を形成していると共に、この保持部23の折れ曲がりの端緒となる部位がタンク7の内側に窪んで、タンクプレート17の端部が突当する突当部24を形成している。
【0029】
タンクプレート17は、図5に示される様に、通風方向の両側端がエンドプレート15側に折れ曲がっていると共に、折曲部22の折り返し部位が突当する部位に対し、その通風方向の両側に位置する部位がタンク内側にU字状に折れ曲がることで折曲部25,25を形成しており、折曲部22の折り返し部位がタンクプレート17の内側面に突当する際には、当該折り返し部位はこの折曲部25,25で挟持された状態となる。
【0030】
そして、エンドプレート15とタンクプレート17とは、タンクプレート17の通風方向端部の端面がエンドプレート15の突当部24に突当され、タンクプレート17の通風方向端部の外側面がエンドプレート15の保持部23の内側面に接することで嵌合されるもので、その嵌合位置は、熱交換チューブ2の開口端部9よりもタンクプレート17側となっている。また、エンドプレート15とタンクプレート17とをろう付けするためのろう付け層は、タンクプレート17の表側面及び内側面にのみ形成されている。
【0031】
これに対し、タンク8は、図1及び図3に示される様に、長手方向両端を閉塞部材19で閉塞された筒状体18をチューブ積層方向に2つ配置して構成されているもので、この筒状体18の基本的構成は、その長手方向寸法以外は前述した筒状体18と同様である。すなわち、エンドプレート15とタンクプレート17とを熱交換チューブ2の開口端部9よりもタンクプレート17側で嵌合して構成され、その内部は曲折部22によりタンク部20と21とに仕切られ、タンクプレート17側にのみろう付け層が形成されている。
【0032】
しかるに、このようなタンク7、8の構成によれば、タンク部20とタンク部21とを仕切る折曲部22はエンドプレート15と一体形成されているので、エンドプレート15側部位ではタンク部20,21間で熱交換媒体のバイパスを防止するためのろう付け保証をする必要がない。そして、折曲部22とタンクプレート17との接合は、折曲部25,25で折曲部22の折り返し部分を挟持しているので、ろう付け面積が広くなっており、ろう付け不良により折曲部22と折曲部25,25との間に熱交換媒体がタンク部間をバイパスする隙間乃至通路が形成され難くなる。
【0033】
また、エンドプレート15とタンクプレート17との嵌合位置を熱交換チューブ2の開口端から離れた位置とし、タンクプレート17にのみろう付け層を形成したことにより、タンク7,8の通風方向幅を狭めるために、従来のろう付け層の幅分、エンドプレート15の立設部15b内側面に熱交換チューブ2をより近接させることができる。しかも、このように熱交換チューブ2を立設部15bに近接させても立設部15bにはろう付け層がないので、熱交換器を炉に入れる等して高温状態とした際に、溶け出したろう材が熱交換チューブ2の開口端部9を閉塞する事態が生ずることも回避できる。
【0034】
そして、タンク8においては、一の筒状体18のタンク部20,21と他の筒状体18とを、その開口端をそれぞれ閉塞部材19により閉塞された状態とし、この閉塞部材19同士を連接することで構成し、チューブ積層方向に隣接するタンク部20,20又はタンク部21,21とは完全に独立した状態にあるので、ろう付け不良によるタンク部20,20間又はタンク部21,21間で熱交換媒体がバイパスする隙間乃至通路が形成されなくなる。
【0035】
もっとも、エンドプレート15とタンクプレート17との構成は、この実施形態に限定されないもので、図6に示すように、エンドプレート15の突当部24を面15aに近づけ且つタンク内への突出幅を大きくし、この突当部24にタンクレート17の端部が突当すると共に、チューブ挿入孔16から挿入された熱交換チューブ2の開口端部9が突当するようにしても良い。これにより、熱交換チューブ2をチューブ挿入孔16から挿入するにあたり、当該突当部24に突当するまで挿入すれば最適な挿入深度となるようにすれば、熱交換チューブ2の位置決めが容易となる。尚、前述した実施形態の構成と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
一方で、筒状体18は、上述した様に、エンドプレート15とタンクプレート17との2つの部材で構成されているので、1の部材で構成されている場合と異なり、タンクプレート17の肉厚をエンドプレート15の肉厚よりも相対的に厚くすることができる。これにより、タンク7、8の耐圧強度を損なうことなく、タンク7、8の通風方向幅を狭めることもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、仕切り部とエンドプレートとが一体形成されるので、仕切り部とエンドプレートとのろう付け保証が不要となり、ろう付け不良によって通風方向に並設された一方のタンク部から他方のタンク部への熱交換媒体のバイパスが生ずる可能性が減少し、熱交換器の性能を維持し向上させることができる。
【0038】
請求項2に記載の発明によれば、タンクプレートから延出した折曲部間に仕切り部の頂部が挟持されるため、タンクプレートと仕切り部とのろう付け面積が相対的に広くなるので、タンクプレートと仕切り部とのろう付け不良による熱交換媒体のバイパスの可能性がより一層低減される。これにより、熱交換器の性能の維持・向上を更に図ることができる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、チューブをタンクのエンドプレート側に近接させてタンク内に挿入させても、エンドプレートにはろう材層がないため、ろう付けの際にエンドプレートから溶け出したろう材がチューブの開口部を閉塞することがないので、熱交換器の性能の維持・向上を図ることができる。
【0040】
請求項4に記載の発明によれば、チューブの近傍でタンクプレートとエンドプレートとのろう付けを不要とすることから、ろう付け層がなくなる幅分チューブをエンドプレートの立設部に近接して設けることができるため、熱交換器用タンクの通風方向幅を短縮させることができるので、熱交換器のコンパクト化ひいては空調ユニットの搭載スペースの削減に寄与することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明によれば、エンドプレートの挿入孔から挿入された熱交換チューブは、その開口端部がエンドプレートの湾曲部に突当することで、チューブの最適な挿入深度を知ることができるので、熱交換器の組み付け作業の簡易化を図ることができる。
【0042】
請求項6に記載の発明によれば、複数の熱交換媒体のパスを形成するために、チューブの積層方向に沿って並設されたタンク部を形成するにあたり、各タンク部を形成する筒状体が独立しているため、このタンク部間にろう付け不良による熱交換媒体がバイパスしてしまう隙間や通路が生じ得ないので、熱交換器の性能の維持・向上を図ることができる。
【0043】
請求項7に記載の発明によれば、耐圧強度を損なうことなく、タンクの薄幅化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る熱交換器の全体構成を示す正面図である。
【図2】図2は、同上の熱交換器の全体構成を示す熱交換媒体出入口部から見た側面図である。
【図3】図3は、同上の熱交換器の並設された筒状体からなるタンク側の構成を示す断面図である。
【図4】図4は、同上の熱交換器の熱交換チューブとアウタ−フィンを示す説明図である。
【図5】図5は、同上の熱交換器用タンクの構成を示す断面図である。
【図6】図6は、図5に示す熱交換器用タンクとは異なる実施形態のタンクの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 熱交換器用チューブ
3 アウターフィン
7 タンク
8 タンク
9 開口端部
15 エンドプレート
16 チューブ挿入孔
17 タンクプレート
18 筒状体
19 閉塞部材
20 タンク部
21 タンク部
22 折曲部(仕切り部)
25 折曲部
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルの一部を構成するエバポレータに用いられるタンクで、熱交換チューブとは別体に形成されたものの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
現行の両タンク型の熱交換媒体が流れるチューブとフィンとを交互に複数断積層すると共に、このチューブの両端に当該チューブと連通するように接合された2つのタンクとを備え、一方のタンクの内部がチューブ積層方向に延びる複数の通路に仕切られ、かつ各通路の通風方向に沿った側が開口して、この開口部は別個の部材により閉塞されるタンク別体型の熱交換器は、既に特開2002−81795号公報に示すように公知である。
【0003】
そして、このようなチューブと別体を成すタンクは、特開2001−56164号公報に示す熱交換器のように、タンクの周壁の大部分を構成するタンクプレートと、チューブの挿入される挿入孔が形成されたエンドプレートとをろう付けにて接合して形成するタイプのものがある。
【0004】
また、4パス以上の熱交換媒体のフローを形成するために、前記仕切り部により仕切られたタンクの各タンク部に対して、通風方向に延びる仕切り部を配し、更に熱交換チューブの積層方向に沿って分割する構成についても、既に特開2002−81795号公報に示すように公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
先述の公報に示す熱交換器のように、エンドプレートとタンクプレートとが別個の部材で構成されると、成形容易等の観点から仕切り部もこれらのエンドプレート及びタンクプレートと別部材として構成されることが多いが、これでは、仕切り部の両端においてろう付けをしなければならない。このため、熱交換媒体がタンクの一方のタンク部から他方のタンク部にバイパスして、エバポレータの熱交換能力が低下する不具合が生じないように、仕切り部の両端においてろう付け保証をする必要が生ずる。
【0006】
この点、後述の特開2001−56164号公報に示す熱交換器は、それぞれエンドプレートとタンクプレートとで入口側タンクと出口側タンクとを別個に形成することで、入口タンクと出口タンクとを独立したものとし、両エンドプレートの外面をろう付けにて接合することにより、ろう付け不良による入口側タンクと出口側タンクとの熱交換媒体のバイパスを防止している。
【0007】
しかしながら、後述の熱交換器のタンクの構成では、エンドプレートとタンクプレートとの接合以外にエンドプレート同士の接合も必要となるので、熱交換器のタンクの組付け作業の工程数が増加し、製造コストが高くなるという不具合を有する。
【0008】
また、4パス以上の熱交換媒体のフローを形成するため、通風方向に延びる仕切り部を配するに当たり、当該仕切り部のろう付けが不十分だと、積層方向に沿って隣接するタンク部間においても、熱交換媒体のバイパスが生ずるという不都合がある。
【0009】
一方で、近年において、空調ユニットの車載スペースの削減等から、空調ユニットを構成するエバポレータの特に通風方向に沿った幅の短縮化が要望されるようになってきている。これに伴い、空調ユニットの冷凍サイクルを構成するエバポレータの特に通風方向に沿った幅の短縮も要請されている。
【0010】
このエバポレータの通風方向幅の短縮の要請に応えるために、タンクを構成する部材の内面とチューブとの間隔を可能な限り狭めることが考えられる。しかし、単にチューブとタンク内面との間隔を狭めたのでは、チューブをエンドプレートに挿入した後に、これらのろう付けを行う際に、タンクを構成する部材から溶け出したろう材がチューブの開口部を閉塞してしまう虞れがある。
【0011】
更にまた、タンクのエンドプレートとタンクプレートとの接合部位は、チューブのタンク内への挿入した側の開口端面と略同じ位置関係にあるのが一般的であるが、このような構成では、タンクのエンドプレートとタンクプレートとを接合するためのろう材層の厚みを確保する必要性から、エバポレータの通風方向幅の短縮という上記要請には十分に応えることができないという不具合を有していた。
【0012】
そこで、この発明は、コストが低廉な構造で、ろう付け不良によりタンクのタンク部間の間で熱交換媒体のバイパスが生じて熱交換器の性能が劣化するのを防止しつつ、タンクの通風方向幅の短縮も可能とした熱交換器用タンクを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る熱交換器用タンクは、熱交換チューブの開口端部を挿着させるチューブ挿入孔が形成されたエンドプレートにタンクプレートが嵌合することで構成された筒状体を有し、この筒状体はその内部を長手方向に沿って延びる仕切り部により仕切ることで、通風方向に配置されたタンク部を備えていると共に、前記筒状体の両開口部が閉塞部材により閉塞された熱交換器用タンクにおいて、前記エンドプレートのチューブ挿入孔が形成された面の幅方向略中央部に、タンク内側に折り曲げた折曲部を形成し、この折曲部の頂部を前記タンクプレートの内面に突当させることで、前記仕切り部を形成したことを特徴とする(請求項1)。
【0014】
このような熱交換器用タンクの構造によれば、仕切り部を構成する折曲部は、エンドプレートと一体に形成されているので、エンドプレート側におけるろう付け保証が不要となり、ろう付け不良による通風方向に沿って並設されたタンク部間で熱交換媒体のバイパスが生ずる可能性を減少させる。
【0015】
ここで、前記タンクプレートは、前記仕切り部と突当する面の両側部位を内側に折り曲げて折曲部を形成し、この一対の折曲部で前記仕切り部の頂部を挟持するようにしても良い(請求項2)。これにより、タンクプレートから延出した折曲部間に仕切り部の頂部近傍部位が広い範囲で密着するため、タンクプレートと仕切り部とのろう付け面積が相対的に拡大される。このため、当該タンクプレートと仕切り部とのろう付け不良により熱交換媒体が通風方向に隣接するタンク部間をバイパスする可能性がより一層低減される。
【0016】
また、この発明に係る熱交換器用タンクは、前記タンクプレートの外側面と内側面とにろう材層を形成し、このタンクプレートのろう材層のみを利用して当該タンクプレートと前記エンドプレートとのろう付けを行うことを特徴とする(請求項3)。このような熱交換器用タンクの構造によれば、エンドプレートにはろう材層を形成しないので、チューブをタンクのエンドプレート側に近接させた状態でタンク内に挿入させても、ろう付けの際にエンドプレートから溶け出したろう材がチューブの開口部を閉塞する虞れがなくなる。
【0017】
また、この発明に係る熱交換器用タンクは、前記エンドプレートの通風方向両側に前記タンクプレート側に延出した立設部を形成し、このエンドプレートの立設部端部とタンクプレートとを接合させたことを特徴とする(請求項4)。このような熱交換器用タンクの構造によれば、チューブの近傍でタンクプレートとエンドプレートとのろう付けを不要とするため、ろう付け層用の幅の確保が不要となるので、チューブをエンドプレートの立設部により近接して設けることができることから、熱交換器用タンクの通風方向幅を相対的に短縮させることができる。
【0018】
また、この請求項4に記載の熱交換器用タンクにおいては、前記エンドプレートの立設部をタンク内側に折り曲げて折曲部を形成し、この折曲部に前記エンドプレートのチューブ挿入孔から挿入される熱交換チューブを突当させるようにしても良い(請求項5)。このような熱交換器用タンクの構造によれば、エンドプレートのチューブ挿入孔から挿入された熱交換チューブは、その開口端部がエンドプレートの突当部に突当することで、チューブの最適な挿入深度を知ることができるので、チューブの位置決めが容易になり、熱交換器の組み付けが簡易となる。
【0019】
また、この発明の熱交換器用タンクは、熱交換チューブの開口端部を挿着させるチューブ挿入孔が形成されたエンドプレートにタンクプレートが嵌合することで構成された筒状体を有し、この筒状体はその内部を長手方向に沿って延びる仕切り部により仕切ることで、通風方向に並設されたタンク部を備えていると共に、前記筒状体の両開口部が閉塞部材により閉塞された熱交換器用タンクにおいて、前記長手方向両端が閉塞部材で閉塞された状態の筒状体を長手方向に沿って複数連接させることで、長手方向に沿って並設されたタンク部を構成したことを特徴とする(請求項6)。
【0020】
このような熱交換器用タンクの構造によれば、例えば4パスの熱交換媒体のフローを形成するために、チューブの積層方向に沿って並設されたタンク部を画成するにあたり、各タンク部が独立した筒状体で構成されるので、当該タンク部を別部材の仕切り部で仕切る必要がなく、仕切り部とタンク内壁とのろう付け不良のために当該タンク部間での熱交換媒体のバイパスを生ずる可能性がなくなる。
【0021】
そして、これれらの熱交換器用タンクは、前記タンクプレートの板厚が前記エンドプレートの板厚より厚いものとしても良い(請求項7)。これにより、耐圧強度を損なうことなく、タンクの薄幅化が可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面により説明する。
【0023】
図1、図2及び図3に示される熱交換器1は、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルの一部を構成するエバポレータとして用いられている。この熱交換器1は、通風方向に沿って並設された熱交換器用チューブ2と、コルゲート状のアウターフィン3とを交互に複数段積層し、その積層方向一方端に熱交換媒体の出入口部5、6を備えたサイドタンク4を配すると共に、積層された熱交換チューブ2及びサイドタンク4の長手方向両側をタンク7、8と連通させることにより構成されている。そして、この熱交換器1は、図示しない膨張弁から送られる熱交換媒体を、サイドタンク4を介して流入し、熱交換チューブ2によってタンク7、8間を移動させ、その過程においてアウターフィン3間を通過する空気と熱交換させ、最終的にサイドタンク4を介して送出されるようにしている。
【0024】
このうち、熱交換チューブ2は、図4に示される様に、タンク7、8に挿着される両端が開口され、熱交換媒体の流路10が内部に形成された扁平管11にインナーフィン12を収納して構成されている。この実施形態では、熱交換チューブ2は、ロールホーミングにより一枚の扁平管素材を折り曲げることで形成されている。
【0025】
サイドタンク4は、押し出し成形によって、図3に示す様に、流入通路13と流出通路14とが一体に形成されているもので、流入通路13と流出通路14とは、パス数に応じてそれぞれ最上流部位となるタンクのタンク部と最下流側となるタンクのタンク部とに連通されている。
【0026】
タンク7,8は、図1に示される様に、熱交換チューブ2を挟んで対向するように配設され、当該チューブ2の積層方向に沿って延設されたものである。
【0027】
このうち、一方のタンク7について説明すると、図5に示される様に、エンドプレート15とタンクプレート17とを嵌合することで、両端側が開口した筒状体18を有して構成されている。この筒状体18の両側開口は、図1、図3に示される様に、例えばキャップ等の閉塞部材19により閉塞されて、その内部は図2及び図5に示す様に通風方向に配置された2つのタンク部20,21が画成されている。
【0028】
エンドプレート15は、図5に示される様に、熱交換チューブ2の開口端部9を挿着させるチューブ挿入孔16及び図示しないがサイドタンク4の流入通路13、流出通路15と連通する連通孔が形成された面15aと、この面15aの通風方向両側端から熱交換チューブ2とは反対方向に立設した立設部15bとから成っている。面15aは、通風方向に並列したチューブ挿入孔16,16間の部位に、略U字状に折り曲げて形成された折曲部22を有し、この折曲部22の頂部となる折り返し部位がタンクプレート17の内側面に少なくとも突当することで、筒状体18内を前記2つのタンク部20,21に区画する仕切り部となる。
立設部15bは、その先端がタンク7の通風方向中心側に折れ曲がって保持部23を形成していると共に、この保持部23の折れ曲がりの端緒となる部位がタンク7の内側に窪んで、タンクプレート17の端部が突当する突当部24を形成している。
【0029】
タンクプレート17は、図5に示される様に、通風方向の両側端がエンドプレート15側に折れ曲がっていると共に、折曲部22の折り返し部位が突当する部位に対し、その通風方向の両側に位置する部位がタンク内側にU字状に折れ曲がることで折曲部25,25を形成しており、折曲部22の折り返し部位がタンクプレート17の内側面に突当する際には、当該折り返し部位はこの折曲部25,25で挟持された状態となる。
【0030】
そして、エンドプレート15とタンクプレート17とは、タンクプレート17の通風方向端部の端面がエンドプレート15の突当部24に突当され、タンクプレート17の通風方向端部の外側面がエンドプレート15の保持部23の内側面に接することで嵌合されるもので、その嵌合位置は、熱交換チューブ2の開口端部9よりもタンクプレート17側となっている。また、エンドプレート15とタンクプレート17とをろう付けするためのろう付け層は、タンクプレート17の表側面及び内側面にのみ形成されている。
【0031】
これに対し、タンク8は、図1及び図3に示される様に、長手方向両端を閉塞部材19で閉塞された筒状体18をチューブ積層方向に2つ配置して構成されているもので、この筒状体18の基本的構成は、その長手方向寸法以外は前述した筒状体18と同様である。すなわち、エンドプレート15とタンクプレート17とを熱交換チューブ2の開口端部9よりもタンクプレート17側で嵌合して構成され、その内部は曲折部22によりタンク部20と21とに仕切られ、タンクプレート17側にのみろう付け層が形成されている。
【0032】
しかるに、このようなタンク7、8の構成によれば、タンク部20とタンク部21とを仕切る折曲部22はエンドプレート15と一体形成されているので、エンドプレート15側部位ではタンク部20,21間で熱交換媒体のバイパスを防止するためのろう付け保証をする必要がない。そして、折曲部22とタンクプレート17との接合は、折曲部25,25で折曲部22の折り返し部分を挟持しているので、ろう付け面積が広くなっており、ろう付け不良により折曲部22と折曲部25,25との間に熱交換媒体がタンク部間をバイパスする隙間乃至通路が形成され難くなる。
【0033】
また、エンドプレート15とタンクプレート17との嵌合位置を熱交換チューブ2の開口端から離れた位置とし、タンクプレート17にのみろう付け層を形成したことにより、タンク7,8の通風方向幅を狭めるために、従来のろう付け層の幅分、エンドプレート15の立設部15b内側面に熱交換チューブ2をより近接させることができる。しかも、このように熱交換チューブ2を立設部15bに近接させても立設部15bにはろう付け層がないので、熱交換器を炉に入れる等して高温状態とした際に、溶け出したろう材が熱交換チューブ2の開口端部9を閉塞する事態が生ずることも回避できる。
【0034】
そして、タンク8においては、一の筒状体18のタンク部20,21と他の筒状体18とを、その開口端をそれぞれ閉塞部材19により閉塞された状態とし、この閉塞部材19同士を連接することで構成し、チューブ積層方向に隣接するタンク部20,20又はタンク部21,21とは完全に独立した状態にあるので、ろう付け不良によるタンク部20,20間又はタンク部21,21間で熱交換媒体がバイパスする隙間乃至通路が形成されなくなる。
【0035】
もっとも、エンドプレート15とタンクプレート17との構成は、この実施形態に限定されないもので、図6に示すように、エンドプレート15の突当部24を面15aに近づけ且つタンク内への突出幅を大きくし、この突当部24にタンクレート17の端部が突当すると共に、チューブ挿入孔16から挿入された熱交換チューブ2の開口端部9が突当するようにしても良い。これにより、熱交換チューブ2をチューブ挿入孔16から挿入するにあたり、当該突当部24に突当するまで挿入すれば最適な挿入深度となるようにすれば、熱交換チューブ2の位置決めが容易となる。尚、前述した実施形態の構成と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0036】
一方で、筒状体18は、上述した様に、エンドプレート15とタンクプレート17との2つの部材で構成されているので、1の部材で構成されている場合と異なり、タンクプレート17の肉厚をエンドプレート15の肉厚よりも相対的に厚くすることができる。これにより、タンク7、8の耐圧強度を損なうことなく、タンク7、8の通風方向幅を狭めることもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上述べたように、請求項1に記載の発明によれば、仕切り部とエンドプレートとが一体形成されるので、仕切り部とエンドプレートとのろう付け保証が不要となり、ろう付け不良によって通風方向に並設された一方のタンク部から他方のタンク部への熱交換媒体のバイパスが生ずる可能性が減少し、熱交換器の性能を維持し向上させることができる。
【0038】
請求項2に記載の発明によれば、タンクプレートから延出した折曲部間に仕切り部の頂部が挟持されるため、タンクプレートと仕切り部とのろう付け面積が相対的に広くなるので、タンクプレートと仕切り部とのろう付け不良による熱交換媒体のバイパスの可能性がより一層低減される。これにより、熱交換器の性能の維持・向上を更に図ることができる。
【0039】
請求項3に記載の発明によれば、チューブをタンクのエンドプレート側に近接させてタンク内に挿入させても、エンドプレートにはろう材層がないため、ろう付けの際にエンドプレートから溶け出したろう材がチューブの開口部を閉塞することがないので、熱交換器の性能の維持・向上を図ることができる。
【0040】
請求項4に記載の発明によれば、チューブの近傍でタンクプレートとエンドプレートとのろう付けを不要とすることから、ろう付け層がなくなる幅分チューブをエンドプレートの立設部に近接して設けることができるため、熱交換器用タンクの通風方向幅を短縮させることができるので、熱交換器のコンパクト化ひいては空調ユニットの搭載スペースの削減に寄与することができる。
【0041】
請求項5に記載の発明によれば、エンドプレートの挿入孔から挿入された熱交換チューブは、その開口端部がエンドプレートの湾曲部に突当することで、チューブの最適な挿入深度を知ることができるので、熱交換器の組み付け作業の簡易化を図ることができる。
【0042】
請求項6に記載の発明によれば、複数の熱交換媒体のパスを形成するために、チューブの積層方向に沿って並設されたタンク部を形成するにあたり、各タンク部を形成する筒状体が独立しているため、このタンク部間にろう付け不良による熱交換媒体がバイパスしてしまう隙間や通路が生じ得ないので、熱交換器の性能の維持・向上を図ることができる。
【0043】
請求項7に記載の発明によれば、耐圧強度を損なうことなく、タンクの薄幅化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明に係る熱交換器の全体構成を示す正面図である。
【図2】図2は、同上の熱交換器の全体構成を示す熱交換媒体出入口部から見た側面図である。
【図3】図3は、同上の熱交換器の並設された筒状体からなるタンク側の構成を示す断面図である。
【図4】図4は、同上の熱交換器の熱交換チューブとアウタ−フィンを示す説明図である。
【図5】図5は、同上の熱交換器用タンクの構成を示す断面図である。
【図6】図6は、図5に示す熱交換器用タンクとは異なる実施形態のタンクの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱交換器
2 熱交換器用チューブ
3 アウターフィン
7 タンク
8 タンク
9 開口端部
15 エンドプレート
16 チューブ挿入孔
17 タンクプレート
18 筒状体
19 閉塞部材
20 タンク部
21 タンク部
22 折曲部(仕切り部)
25 折曲部
Claims (7)
- 熱交換チューブの開口端部を挿着させるチューブ挿入孔が形成されたエンドプレートにタンクプレートが嵌合することで構成された筒状体を有し、この筒状体はその内部を長手方向に沿って延びる仕切り部により仕切ることで、通風方向に配置されたタンク部を備えていると共に、前記筒状体の両開口部が閉塞部材により閉塞された熱交換器用タンクにおいて、
前記エンドプレートのチューブ挿入孔が形成された面の幅方向略中央部に、タンク内側に折り曲げた折曲部を形成し、この折曲部の頂部を前記タンクプレートの内面に突当させることで、前記仕切り部を形成したことを特徴とする熱交換器用タンク。 - 前記タンクプレートは、前記仕切り部と突当する部位の両側部位をタンク内側に折り曲げて折曲部を形成し、この一対の折曲部で前記仕切り部の頂部を挟持することを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用タンク。
- 前記タンクプレートの外側面と内側面とにろう材層を形成し、このタンクプレートのろう材層のみを利用して当該タンクプレートと前記エンドプレートとのろう付けを行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器用タンク。
- 前記エンドプレートの通風方向両側に前記タンクプレート側に延出した立設部を形成し、このエンドプレートの立設部の先端部とタンクプレートとを接合させたことを特徴とする請求項1、2又は3に記載の熱交換器用タンク。
- 前記エンドプレートの立設部をタンク内側に折り曲げて折曲部を形成し、この折曲部に前記エンドプレートのチューブ挿入孔から挿入される熱交換チューブを突当可能としたことを特徴とする請求項4に記載の熱交換器用タンク。
- 熱交換チューブの開口端部を挿着させるチューブ挿入孔が形成されたエンドプレートにタンクプレートが嵌合することで構成された筒状体を有し、この筒状体はその内部を長手方向に沿って延びる仕切り部により仕切ることで、通風方向に並設されたタンク部を備えていると共に、前記筒状体の両開口部が閉塞部材により閉塞された熱交換器用タンクにおいて、
前記長手方向両端が閉塞部材で閉塞された状態の筒状体を長手方向に沿って複数連接させることで、長手方向に沿って並設されたタンク部を構成したことを特徴とする熱交換器用タンク。 - 前記タンクプレートの板厚が前記エンドプレートの板厚より厚いことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の熱交換器用タンク。
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-
2002
- 2002-07-12 JP JP2002203482A patent/JP2004044920A/ja active Pending
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