JP2011178947A - 土壌改質組成物および土壌改質組成物を用いた土壌改質方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る土壌改質組成物は、溶媒と構造粘性付与剤と土壌改質剤または/および肥料とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
従来から、これら汚染土壌に対する最も一般的な対策としては、汚染土壌の掘削除去による土壌の入れ替えがあるが、迅速な対応はできるものの、汚染土壌の搬出、汚染土壌の埋立処理、非汚染土壌の搬入が必要であることからコストが高くなるという問題があり、さらに汚染土壌自体を改質するものではないという欠点がある。
さらに、「ホットソイル法」は、反応熱を用いて汚染土壌中の汚染物質を揮発する方法であることから、揮発した物質の臭気による周辺地域などの環境への配慮が必要になるという欠点がある。
まず、微生物を活性化させるための栄養剤や改質薬剤を汚染土壌に投入する際に、これらの栄養剤などが汚染土壌中に保持されずに雨水や地下水などによって汚染土壌の系外に流出してしまうことが挙げられる。また、仮に保持された場合でも土質によって不均一に保持されることが挙げられる。
また、雨水などの通り道である水みちが形成されている汚染土壌の改質に対しても有効であり、農業に用いられる肥料を散布したりする際にも利用される土壌改質組成物および土壌改質組成物を用いた土壌改質方法を提供することも目的とするものである。
式1:TI値=η1/η2
(η1:回転数ArpmにおけるB型粘度計での粘度、η2:回転数A/10rpmにおけるB型粘度計での粘度)
そして、この中でも土壌中の微生物の活性に悪影響を与えない点から、スメクタイトなどの天然物由来のものを用いるのが好ましい。
式1:TI値=η1/η2
(η1:回転数ArpmにおけるB型粘度計での粘度、η2:回転数A/10rpmにおけるB型粘度計での粘度)
ここで、TI値が5.5に満たない場合には、せん断力から解放された状態であっても、粘度の上昇が十分でないことから、汚染土壌に散布した際に土壌改質組成物が汚染土壌内に保持されず汚染土壌の系外に流出してしまったり、あるいは汚染土壌中に不均一に保持されてしまったりする恐れがある。
また、TI値が10を超える場合には、せん断力が加えられた状態であっても、粘度が高くなりすぎることから、汚染土壌に散布した際に土壌改質組成物が深さ方向に浸透していかない恐れがある。
具体的には、TI値としては0となるような場合、すなわち、せん断力をかけた状態では水のように粘度が0になるような場合であっても、静置したような、せん断力からほとんど解放された際の粘度が0.3Pas以上を有するものであれば、土壌改質組成物を土壌中に保持できることから本発明の土壌改質組成物となり得る。
従って、汚染土壌中の微生物に長期間に渡って均一に安定して栄養剤などを供給できることから、環境にもやさしいという微生物を用いた汚染土壌の改質の長所を生かしつつ、改質効果のばらつきを解消することができる。
また、本発明の土壌改質組成物が構造粘性を発現させることによって、栄養剤などが汚染土壌の系外に流出する際の経路となる水みちを塞ぐことから、より改質効果を向上させることができる。
式1:TI値=η1/η2
(η1:回転数ArpmにおけるB型粘度計での粘度、η2:回転数A/10rpmにおけるB型粘度計での粘度)
図1は本発明に係る土壌改質組成物の第1の実施形態を示す模式図である。
図1において、1は土壌改質組成物であり、具体的には、溶媒に水、構造粘性付与剤に天然物のスメクタイト、土壌改質剤にLB培地を使用し、これら原料を容器2に投入し混合することによって構成されている。また、3は汚染土壌、4は土壌中において地下水が多く存在している帯水層である。
ここで、上記の通り、土壌改質組成物1には土壌中の栄養となるLB培地が混合されていることから、土壌改質組成物1が汚染土壌3の一定の深度および範囲に保持されることは、係る深度および範囲に存在する微生物に絶えず栄養を供給できるということになる。
従って、微生物を常に活性化することができ、環境にもやさしいという微生物を用いた汚染土壌の改質の長所を生かしつつ、改質効果のばらつきという不確実性の欠点も補うことができることになる。
従って、汚染土壌3に存在する微生物に十分な栄養を供給できないことになり、改質効果のばらつきという不確実性の問題が生じることになる。
次に、本発明係る土壌改質組成物の第2の実施形態を説明する。図2は本発明に係る土壌改質組成物の第2の実施形態を示す模式図である。
図2は、汚染土壌3にいわゆる水みち5が形成されており、雨水などが水みち5を通って帯水層4に浸透しやすくなっている状態を模式したものである。なお、その他の構成は第1の実施形態と同様である。
従って、水みちが形成されているような水はけの良い汚染土壌においても、微生物を活性化することができ、環境にもやさしいという微生物を用いた汚染土壌の改質の長所を生かしつつ、改質効果のばらつきという不確実性の欠点も補うことができることになる。
従って、汚染土壌3に存在する微生物に十分な栄養を供給できないことになり、改質効果のばらつきという不確実性の問題が生じることになる。
次に、本発明に係る土壌改質組成物の第3の実施形態を説明する。図3は、本発明に係る土壌改質組成物の第3の実施形態を示す模式図である。
図3において、7は土壌改質組成物であり、具体的には、溶媒に水、構造粘性付与剤に天然物のスメクタイト、土壌改質剤の代わりに肥料を使用し、これら原料を容器2に投入し混合することによって構成されている。また、8は耕作土壌である。
ここで、上記の通り、土壌改質組成物1には耕作土壌に対する肥料が混合されていることから、土壌改質組成物1が耕作土壌8の一定の深度および範囲に保持されることは、係る深度および範囲に肥料を供給し保持できるということになる。
粘度の測定結果を表1に、TI値の計算結果を表2に示す。
従って、本発明の土壌改質組成物は、せん断力からほとんど解放された際の粘度が、少なくとも0.3Pas以上必要であることがわかる。
従って、本発明の土壌改質組成物は、TI値が5.5〜10の範囲である必要があることがわかる。
2 容器
3 汚染土壌
4 帯水層
5 水みち
6 栓
7 肥料
8 耕作土壌
9 土壌改質溶液
Claims (4)
- 溶媒と、
構造粘性付与剤と、
土壌改質剤または/および肥料とを備えることを特徴とする土壌改質組成物。 - 前記構造粘性付与剤が、
天然物由来の物質であることを特徴とする請求項1に記載の土壌改質組成物。 - 下式1により求められるTI値(チクソトロピックインデックス)が、
5.5〜10であること特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の土壌改質組成物。
式1
TI値=η1/η2
(η1:回転数ArpmにおけるB型粘度計での粘度、
η2:回転数A/10rpmにおけるB型粘度計での粘度) - 請求項1から3に記載の土壌改質組成物を用いた土壌改質方法であって、
前記土壌改質組成物にせん断力を加えてゾル化した状態で土壌に散布して前記土壌改質組成物を前記土壌の深さ方向に浸透させ、前記土壌改質組成物の浸透する深さが深くなるにつれて散布時に加えたせん断力を低下させて構造粘性を発現させることによって、改質を必要とする土壌層に前記土壌改質組成物を保持させること特徴とする土壌改質方法。
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