JP2011178238A - ヘッドレスト支持装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両シートの背もたれに対してヘッドレストを所望とする高さ位置に適切に保持し得るようにする。
【解決手段】ヘッドレスト支持装置HRは、トーションバネ92で構成されたロック機構90を備える。トーションバネ92は、コイル部94が第1ステー支持部70の上挿通孔72に合わせて配置され、固定アーム98が第1ステー支持部70または背もたれS1に固定すると共に、移動アーム96を該背もたれS1の外方へ延出して操作部材100が配設される。トーションバネ92は、移動アーム96の自由状態でコイル部94の内径がステー60の外径より小さくなるように設定されて該ステー60を締め付け保持し、移動アーム96のコイル部94が巻き戻る方向への操作により、該コイル部94の内径がステーの外径より大きくなって挿通した該ステー60の上下動を許容する。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヘッドレスト支持装置に関し、更に詳細には、車両シートの背もたれの上部に設けられ、ヘッドレストの下方に延出したステーを支持するヘッドレスト支持装置に関するものである。
車両の乗員室内に設置される車両シートには、該車両シートに座った乗員の頭部や頸部を保護するヘッドレストが標準装備されている。図14〜図16に示すように、前記ヘッドレスト10は、ヘッドレストコア、緩衝材およびヘッドレスト表皮等から構成され、下方へ延出した2本のステー20,20とを備えている。また、車両シートSの背もたれS1の上部には、ステー20,20を上方から孔32に挿入することでヘッドレスト10を支持するステー支持部30,30が設けられている。
また、何れか一方(図14では左側)のステー支持部30には、ロック機構40が設けられ、背もたれS1に対するヘッドレスト10の高さ調整が可能となっている。すなわち、図14〜図16に示すように、ロック機構40が配設されたステー支持部30に差し込まれる支持ステー20は、その軸方向へ所要間隔毎に形成した複数個(4個)の切欠き22を備えている。各切欠き22は、ステー20の先端側にテーパ面24を備え、ヘッドレスト10側に係止面26を備えている。またロック機構40は、前記ステー支持部30に孔32へ臨む位置に配設されたロックプレート42と、該ロックプレート42をステー20の外面へ当接する方向に弾力付勢するコイルバネ44とを備えている。従って、ヘッドレスト10は、コイルバネ44で付勢されたロックプレート42が各切欠き22の係止面26に係止した位置毎に下方へ移動しないように保持され、背もたれS1に対して4段階に高さ調整が可能となっている。なお、ヘッドレスト10を上方へ移動する際には、ロックプレート42の係止端42Aがテーパ面24に案内されて該ロックプレート42が退避するので、ロック機構40を操作することなく高さ調整を行ない得る。
一方、背もたれに対するヘッドレストの高さ位置を無段階に調整し得るヘッドレスト支持装置も提案されている(特許文献1)。特許文献1のヘッドレスト支持装置は、ステーの外径より若干大径のステー挿通孔を備えたロックプレートと、このロックプレートを傾斜状に姿勢変位させるバネ材と、ロックプレートをバネ材の付勢力に抗して水平状に姿勢変位させる操作体とを備えている。そして、バネ材によりロックプレートを傾斜状に姿勢変位させると、該ロックプレートのステー挿通孔の端部がステーの外面に当接して、背もたれに対するヘッドレストの上下動を規制する。また、ロックプレートを操作体により水平状に姿勢変位させると、該ロックプレートのステー挿通孔の端部がステーの外面から離間するので、背もたれに対するヘッドレストの上下動を許容するよう構成されている。
特開2004−136833号公報
ところで、図14〜図16に示したステー支持部30およびロック機構40からなる従来のヘッドレスト支持装置HR1は、ステー20の切欠き22とロック機構40のロックプレート42とが係止した位置でしかヘッドレスト10を保持できないから、該ヘッドレスト10の高さ位置の微調整を行なうことができない欠点がある。また、ステー20の製造では、前記各切欠き22を形成する作業が伴うため、製造コストが嵩む問題もある。
また、特許文献1のヘッドレスト支持装置は、背もたれに対するヘッドレストの高さ位置を無段階に調整し得るものの、ロックプレートのステー挿通孔の端部がステーの外面に対して線状に当接するため、該ステーの外面にキズが付き易い問題がある。また、ロックプレートのステー挿通孔の端部は、ステーの外面の全周に亘って当接するようになっていないので当接長さが短く、ヘッドレストを適切に保持できない問題も内在している。更に、バネ材として使用される板バネは加工コストが嵩んで製品単価が高く、ヘッドレスト支持装置の製造コストが嵩む問題もある。
従って本発明では、車両シートの背もたれに対してヘッドレストを所望とする高さ位置に適切に保持し得るようにするヘッドレスト支持装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため、本願請求項1に記載の発明は、
車両シートの背もたれの上部に設けられ、ヘッドレストの下方に延出したステーが挿入される挿通孔を有するステー支持部と、前記挿通孔に臨んで設けられ、前記孔に挿通した前記ステーを係脱可能に支持するロック機構とを備えたヘッドレスト支持装置において、
前記ロック機構は、前記孔に合わせてコイル部が配置され、一方のアームを前記ステー支持部または前記背もたれに固定すると共に、他方のアームを該背もたれの外方へ延出したトーションバネで構成され、
前記ロック機構は、
前記他方のアームの自由状態で、前記コイル部の内径が前記ステーの外径より小さくなるように設定されて、該コイル部に挿通した該ステーを締め付け保持し、
前記他方のアームの前記コイル部が巻き戻る方向への操作により、該コイル部の内径が前記ステーの外径より大きくなるように設定されて、該コイル部に挿通した該ステーの上下動を許容するよう構成されることを特徴とする。
従って、請求項1に係る発明によれば、ロック機構を構成するトーションバネのコイル部は、ヘッドレストから外方へ延出して該コイル部に挿通したステーの何れの位置でも締め付け可能である。これにより、背もたれに対するヘッドレストの高さ位置を無段階に調整することが可能であるから、車両用シートを利用する乗員の体格に合わせて該ヘッドレストを所望の高さ位置に適切に調整し得る。また、トーションバネのコイル部は、ステーの外面を全周に亘って均一の力で締め付けるので、ロック機構によるステーの保持が確実になされる。
請求項2に記載の発明は、
前記他方のアームは、前記ステー支持部の外面と対向する操作部を備え、
前記操作部は、前記コイル部が巻き戻る方向へ変位した前記他方のアームを、該コイル部が前記ステーの上下動を許容する位置で保持する係止部を備えることを要旨とする。
従って、請求項2に係る発明によれば、他方のアームに備えた操作部により、コイル部がステーの上下動を許容する状態において該他方のアームが保持されるので、ヘッドレストを背もたれに対して上下に移動させる際に操作部から手を離すことが可能となり、背もたれに対するヘッドレスト本体の高さ位置の調整を簡易に行なうことができる。
請求項3に記載の発明は、
前記コイル部は、隣り合う線状材が離間するよう形成されることを要旨とする。
従って、請求項3に係る発明によれば、コイル部の巻き込む方向への変形に際し、隣り合う線状材が接触しないので、該コイル部の巻き込む方向への変形がスムーズになされる。
請求項4に記載の発明は、
前記コイル部は、前記ステーの先端側外面に凹設した係止凹部に係止可能になっていることを要旨とする。
従って、請求項4に係る発明によれば、衝突等により保持力以上の力が加わった時に、ヘッドレストが上方へ移動して係止凹部がトーションバネのコイル部に整合すると、該コイル部が該係止凹部に係止してステーがステー支持部から脱抜することが規制されるので、ヘッドレストが背もたれから不用意に外れることを防止し得る。
請求項5に記載の発明は、
前記他方のアームは、前記ステー支持部の外面と対向する操作部を備え、
前記操作部は、前記コイル部が巻き込む方向へ変位した前記他方のアームを、該コイル部が前記ステーを締め付け保持する位置で保持する保持部を備えることを要旨とする。
従って、請求項5に係る発明によれば、他方のアームに備えた操作部により、コイル部がステーを締め付け保持する状態において該他方のアームが保持されるので、車体の走行振動等により該コイル部が巻き戻る方向へ変形することが防止される。よって、所定の高さ位置に保持されたヘッドレストが、不用意に上下動することを防止できる。
本発明に係るヘッドレストによれば、車両シートの背もたれに対してヘッドレストを所望とする高さ位置に適切に保持し得る。
本発明の実施例に係るヘッドレスト支持装置を、車両用シートの背もたれからヘッドレストを取り外した状態で示す斜視図である。 図1のII−II線断面図である。 ヘッドレスト支持装置を構成するロック機構を、ステー支持部を透視した状態で示す斜視図である。 ステーの外径とトーションバネの内径との関係を示す説明図である。 操作部材をロック位置に保持させることで、トーションバネのコイル部がステーを締め付け保持する状態となっていることを示す斜視図である。 トーションバネのコイル部がステーを締め付け保持している状態を、ステー支持部を一部破断して示す平面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 図6のVIII−VIII線断面図である。 操作部材をロック解除位置に保持させることで、トーションバネのコイル部がステーの上下動を許容する状態となっていることを示す斜視図である。 トーションバネのコイル部がステーの上下動を許容する状態を、ステー支持部を一部破断して示す平面図である。 図10のXI−XI線断面図である。 図10のXII−XII線断面図である。 コイル部がステーに設けた係合凹部に係合することで、背もたれからヘッドレストが外れることを防止する構造を示す説明図である。 従来のヘッドレスト支持装置を、車両用シートの背もたれからヘッドレスト本体を取り外した状態で示す斜視図である。 従来のヘッドレスト支持装置の構成を、背もたれを透視した状態で示す正面図である。 図14のY−Y線断面図であって、(a)は、ロック機構のロックプレートによりステーの下方への移動を規制した状態を示し、(b)はロックプレートを移動させてステーの移動を可能とした状態を示している。
次に、本発明に係るヘッドレスト支持装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお実施例では、背もたれを略垂直に立てた車両シートの通常使用状態において、車両前後方向をヘッドレスト支持装置の「前後方向」、車両左右方向をヘッドレスト支持装置の「左右方向」、車両上下方向をヘッドレスト支持装置の「上下方向」と指称する。
実施例のヘッドレスト支持装置HRは、図1および図2に示すように、車両シートSの背もたれS1の上部に設けられ、ヘッドレスト50の下方に延出したステー60が挿入される上挿通孔(挿通孔)72を有するステー支持部70,71と、ステー支持部70の上挿通孔72に臨んで設けられ、該上挿通孔72に挿通した前記ステー60を係脱可能に支持するロック機構90とを備えている。そして、実施例のヘッドレスト支持装置HRは、ロック機構90を、支持ステー60の軸方向における任意の位置に係合することで、背もたれS1に対するヘッドレスト50の高さ位置を無段階に調整し得るよう構成されている。
ヘッドレスト50は、図1に示すように、内部に設けられるヘッドレストコア52と、外部に設けられるヘッドレスト表皮54と、ヘッドレストコア52とヘッドレスト表皮54との間に介在する緩衝材56とで構成されている。ヘッドレストコア52は、合成樹脂製または金属製の成形部材であり、追突事故時にヘッドレスト50に衝突した乗員の頭部を当て受けるに十分な強度を有している。ヘッドレスト表皮54は、車両シートSの背もたれS1に使用されるシート表皮に合わせた材質のもので、合成樹脂製、織布、編布または本革等が採用される。緩衝材56は、ウレタンフォームやスポンジ等が採用される。
ステー60は、金属製の1本の丸パイプ材を2箇所で折り曲げて略「コ」字形に成形した単一部材であり、左右方向に水平に延在する中央部62と、中央部62の左部から下方へ延在する第1支持部64および右部から下方へ延在する第2支持部66とから構成される。そしてステー60は、中央部62および各支持部64,66の上部をヘッドレストコア52に固定することで、第1支持部64および第2支持部66の2/3の部分がヘッドレスト50の下方から外方へ平行に延出した状態で該ヘッドレスト50に配設される。そして、第1支持部64および第2支持部66のヘッドレスト50から外方へ延出した部分が、背もたれS1に左右に離間して配設した左側の第1ステー支持部70および右側の第2ステー支持部71に夫々挿入される。なお、第1支持部64および第2支持部66の外面には、図14に示した従来のステー20のような切欠き22は形成されておらず、メッキ等の表面処理が施されている。但し、第1支持部64には、図1および図2に示すように、ロック機構90を構成するトーションバネ92のコイル部94が係止可能な係止凹部68が形成されている。
背もたれS1の左側に配設される第1ステー支持部70は、図2に示すように、上挿通孔72および下挿通孔74を備えた円筒部材であり、ステー60の前記第1支持部64が、上挿通孔72から挿通されて下挿通孔74から通出されるようになっている。そして第1ステー支持部70は、上挿通孔72を背もたれS1の上面に臨ませた縦向き状態で、該背もたれS1内に配設されたフレームS2に固定されている。また、第1ステー支持部70の上挿通孔72に臨む上部には、図2に示すように、ロック機構90を配設するための設置部76が画成され、該設置部76を覆蓋する蓋部材78を備えている。なお、前記上挿通孔72は、蓋部材78に形成されている。一方、背もたれS1の右側に配設される第2ステー支持部71は、設置部76が画成されていない点が異なるだけで基本的構成は第1ステー支持部70と同じであるから、ここでは図示省略する。
実施例のヘッドレスト支持装置HRにおけるロック機構90は、図2および図3に示すように、トーションバネ92で構成されている。このトーションバネ92は、例えばバネ鋼等の弾性を有する線状材SWを円形螺旋状に巻回して形成した形成したコイル部94と、該コイル部94を形成する線状材SWの一端に形成された移動アーム(他方のアーム)96と、該コイル部94を形成する線状材SWの他端に形成された固定アーム(一方のアーム)98を備えている。
前記トーションバネ92は、図4に示すように、移動アーム96の自由状態において、コイル部94の内径Dが、前記ステー60の第1支持部64の外径dより小さくなるように設定されている。またトーションバネ92は、図9〜図12に示すように、移動アーム96を、コイル部94が巻き戻る方向へ移動させると、該コイル部94の内径Dが、ステー60の第1支持部64の外径dより大きくなるように設定されている。更にコイル部94は、図3および図4に示すように、該コイル部94を形成する巻回する線状材SW間に隙間Pが形成され、隣り合う線状材SWが互いに離間している。従って、移動アーム96の変位により、コイル部94が巻き込む方向へ変形する際に線状材SWが接触することがなく、よって該コイル部94の変形がスムーズになされるようになっている。なお隙間Pは、0.2〜0.5mmに設定されている。
前述のように形成されたトーションバネ92は、図2および図3に示すように、固定アーム98を第1ステー支持部70の壁部に突入して固定すると共に、移動アーム96を第1ステー支持部70に設けた挿通口80から背もたれS1の外方へ延出させた状態で、該第1ステー支持部70に画成した前記設置部76に配設される。そして、設置部76に配設したトーションバネ92は、コイル部94の巻回中心がステー60の挿通ラインに整合しており、該コイル部94に対して該ステー60の挿通が許容される姿勢に保持されている。
前記挿通口80を介して外方へ延出した移動アーム96には、図2、図3、図5および図6に示すように、指先を掛けることが可能な操作部材(操作部)100が配設されている。この操作部材100は、第1ステー支持部70の上部に設けた凹部82に整合するブロック状に形成されている。そして操作部材100は、トーションバネ92がステー60の第1支持部64を締め付け保持した状態に対応するロック位置(図5)と、トーションバネ92が第1支持部64の上下動を許容する状態に対応するロック解除位置(図9)とに位置変位が可能となっている。また、操作部材100の下側には2つの凹部が形成され、両凹部間に、第1ステー支持部70の凹部82に向け突出する凸部101が形成されている。一方、第1ステー支持部70の凹部82には、操作部材100に向けて突出するボス部83が突設されている。
そして操作部材100は、図5〜図7に示すように、ロック位置に到来すると、コイル部94が巻き込む方向へ変位した移動アーム96を、該コイル部94がステー60の第1支持部64を締め付け保持する位置で保持する保持部102を備えている。この保持部102は、操作部材100がロック位置に到来すると、前記ボス部83に設けた保持受部84に対し、該コイル部94が巻き戻る方向で係止するようになっている。保持受部84は、ボス部83においてコイル部94の巻き戻る方向の後側端部に設けられ、上方に向かうにつけてコイル部94の巻き戻る方向に変位したテーパ状に形成されている。また保持部102は、凸部101においてコイル部94の巻き戻る方向の前側端部に設けられ、下方に向かうにつれてコイル部94の巻き込む方向に変位したテーパ状に形成されている。従って、保持受部84と保持部102とが当接した状態では、コイル部94が巻き戻る方向へ変形するのが規制されて、該コイル部94がステー60の第1支持部64の外面を締め付け保持した状態に維持される(図8)。これにより、第1ステー支持部70に対する第1支持部64の軸方向への移動が規制され、ヘッドレスト50は背もたれS1に対して上下動が不能に保持される。なお、保持部102および保持受部84が前述した如くテーパ状に形成されているのは、トーションバネ92の自然状態への付勢力に抗して、操作部材100をロック解除位置へ操作し易くするためである。
また操作部材100は、図9〜図11に示すように、ロック解除位置に到来すると、コイル部94が巻き戻る方向へ変位した移動アーム96を、該コイル部94がステー60の第1支持部64の上下動を許容する位置で保持する係止部104を備えている。この係止部104は、操作部材100がロック解除位置に到来すると、前記ボス部83に設けた係止受部86に対し、該コイル部94が巻き込む方向で係止するようになっている。係止受部86は、ボス部83においてコイル部94の巻き込む方向の前側端部に設けられ、略垂直に形成されている。また係止部104は、凸部101においてコイル部94の巻き込む方向の後側端部に設けられ、略垂直に形成されている。従って、係止受部86と係止部104とが係止した状態では、コイル部94が巻き込む方向へ変位するのが規制されて、該コイル部94がステー60の第1支持部64の外面から離間した非締め付け状態が維持される(図12)。これにより、第1ステー支持部70に対するステー60の軸方向への移動が許容され、ヘッドレスト50は背もたれS1に対して上下動が可能となる。
実施例のヘッドレスト支持装置HRは、図14に示すように、例えば該装置HRが配設された当該車両に衝突事故が発生した際に、慣性力によりヘッドレスト50が背もたれS1から外れるのを防止し得る。すなわち、ヘッドレスト50が上方へ移動した際には、ステー60の第1支持部64に設けた前記係止凹部68がトーションバネ92のコイル部94に到来すると、該コイル部94を形成する線状材SWが、該線状材SWの弾性変形により係止凹部68に係止可能となっている。従って、線状材SWが係止凹部68に係止すると、ステー60の第1支持部64および第2支持部66が第1ステー支持部70および第2ステー支持部71から脱抜することが規制され、衝突等により保持力以上の力が加わった時でも、ヘッドレスト50が背もたれS1から外れることが防止される。
(実施例の作用)
前述のように構成された実施例のヘッドレスト支持装置HRは、背もたれS1から外されているヘッドレスト50を該背もたれS1に装着する際には、次のように操作する。先ず、ロック機構90の操作部材100を、図9および図10に示すロック解除位置へ移動して、該ロック解除位置に保持させる。これにより、トーションバネ92におけるコイル部94の内径Dが、ステー60の第1支持部64の外径dより大きくなっているので、第1支持部64および第2支持部66を、対応する第1ステー支持部70および第2ステー支持部71に上方から差し込むことが可能となる。そして、背もたれS1に対して、ヘッドレスト50を所望とする高さ位置に保持したもとで、前記操作部材100を図5〜図7に示すロック位置まで移動して、該ロック位置に保持させる。これによりトーションバネ92は、コイル部94がステー60における第1支持部64を締め付け保持した状態に保持され(図6、図8)、第1ステー支持部70および第2ステー支持部71に対するステー60の軸方向への移動が規制される。そして、保持受部84と保持部102とが当接した状態となり、トーションバネ92が第1支持部64を締め付け保持した状態に保持されるので、ヘッドレスト50が背もたれS1に対して上下方向への移動が不能に保持される。
また、背もたれS1に装着されているヘッドレスト50の高さ位置を変更する場合には、次のように操作する。先ず、ロック機構90の操作部材100を、図9および図10に示すロック解除位置へ移動して、該ロック解除位置に保持させる。これにより、トーションバネ92におけるコイル部94の内径Dが、ステー60の第1支持部64の外径dより大きくなるから、該第1支持部64に対するコイル部94の締め付け保持状態が解除され(図10、図12)、第1ステー支持部70および第2ステー支持部71に対するステー60の軸方向への移動が許容される。そして、ヘッドレスト50を所望とする高さ位置に移動させたもとで、前記操作部材100を、図5〜図7に示すロック位置まで移動して、該ロック位置に保持させる。これによりトーションバネ92は、コイル部94がステー60における第1支持部64を締め付け保持した状態に保持され(図6、図8)、第1ステー支持部70および第2ステー支持部71に対するステー60の軸方向への移動が規制される。そして、保持受部84と保持部102とが当接した状態となり、トーションバネ92が第1支持部64を締め付け保持した状態に保持されるので、再びヘッドレスト50が背もたれS1に対して上下方向への移動が不能に保持される。
(実施態様例)
本願発明者は、ばねクラッチに関する公知の基本計算式(数1)により、次の条件でヘッドレスト支持装置HRを設計した。なお、トーションバネ92によるヘッドレスト50の保持は、ステー60の第1支持部64に対する保持トルクが700kgf・mm以上であれば、車体の振動や衝突の衝撃によっても該ヘッドレスト50を適切に保持することが可能であることが判っている。
Figure 2011178238
前記基本計算式において、
Ti:保持トルク,E:縦弾性係数,I:断面2次モーメント
ΔD:コイル部94のしまりしろ,D:線状材SWの直径,C:摩擦係数の関数
e:自然対数の底,N:コイル部94の巻数,
そして、ステー60およびトーションバネ92の寸法は、次のように設定した。
・ステー60
・第1支持部64の外径d:14mm
・トーションバネ92
・線状材SWの材質:WPC
・線状材SWの直径:1.43mm
・コイル部94の巻き方向:右
・コイル部94の巻き数:4
・コイル部94の自由状態での内径D:13.35mm
・しまりしろ:0.65mm(14mm−13.35mm)
前記基本計算式によれば、前記条件おいて、ステー60の第1支持部64に対するトーションバネ92の保持トルクTi(クラッチが伝達できる最大のトルク)が、715kgf・mmとなる。従って、前記条件を有したトーションバネ92を備えたロック機構90を有するヘッドレスト支持装置HRによれば、ヘッドレスト50を適切に保持可能である。
従って、前述のように構成した実施例のヘッドレスト支持装置HRによれば、次のような作用効果を奏する。
(1)ヘッドレスト支持装置HRを構成するロック機構90は、図2および図3に示すように、コイル部94を有するトーションバネ92を備えており、該トーションバネ92のコイル部94は、ステー60のヘッドレスト50から外方へ延出した第1支持部64の何れの部位でも締め付け保持が可能である。従って、背もたれS1に対するヘッドレスト50の高さ位置を無段階に調整することが可能であり、車両用シートSを利用する乗員の体格に合わせてヘッドレスト50の高さ位置を適切に調整し得る。
(2)トーションバネ92のコイル部94は、弾性変形が可能な線状材SWを巻回して形成されたものであるから、ステー60における第1支持部64の外面の全周に亘って均一の力で締め付けることができると共に、該線状材SWの巻回長に亘って該第1支持部64の外面に当接するので、該第1支持部64を確実に保持することができる。従って、所望の高さ位置に保持されたヘッドレスト50を確実に保持し得る。
(3)コイル部94が、ステー60の第1支持部64の外面全周を均一の力で締め付け保持するので、該第1支持部64の外面にキズが付き難い。
(4)ステー60の第1支持部64に対するトーションバネ92のコイル部94の締め付け保持が解除された状態において、操作部材100に設けた係止部104が第1ステー支持部70に設けた係止受部86に係止するので、該トーションバネ92を、締め付け保持が解除された状態に保持し得る。従って、ヘッドレスト50を上下に移動させる際にロック機構90から手を離すことができるので、両手で該ヘッドレスト50を上下に移動させることが可能となり、ヘッドレスト50の高さ位置の調整を簡易に行なうことができる。
(5)ステー60の第1支持部64をトーションバネ92のコイル部94が締め付け保持した状態において、操作部材100に設けた保持部102が第1ステー支持部70に設けた保持受部84に係止するので、該トーションバネ92が振動等により不用意に変形することが規制され、ヘッドレスト50を背もたれS1に確実に保持し得る。
(6)コイル部94を形成する線状材SWの間に隙間Pが形成されているので、操作部材100の操作による該コイル部94の巻き込む方向への変形に際して隣接する線状材SWが接触せず、該コイル部94の変形がスムーズになされる。
(7)係止凹部68がトーションバネ92のコイル部94に臨むと該コイル部94が該係止凹部68に係合するので、衝突等により保持力以上の力が加わった時でもステー60の第1支持部64がステー支持部70から脱抜することが規制され、よってヘッドレスト50が背もたれS1から不用意に外れることを防止し得る。
(8)移動アーム96がコイル部94の径方向外方へ延出しているため、操作部材100によるコイル部94の弾性変形を軽い力で行なうことが可能である。また、移動アーム96の延出長を大きくすれば、更に軽い操作力でコイル部94を弾性変形させるようにすることも可能である。
(9)ロック機構90が、トーションバネ92から構成されるので、構造がシンプルとなって作動不良が発生し難いと共に軽量化も図られる。
(10)トーションバネ92は、板バネに比べて安価に製造することができるから、ヘッドレスト支持装置HRの製造コストを抑えることができる。
(11)ステー60の第1支持部64に、図16に示した従来のような切欠きを設ける必要がないので該ステー60の成形工数が減り、ヘッドレスト支持装置HRの製造コストを抑えることができる。
(変更例)
(1)実施例では、トーションバネ92を、第1ステー支持部70内に画成した設置部76に配設する場合を例示したが、該トーションバネ92は、第1ステー支持部70における上挿通孔72の上方に位置させた状態で背もたれS1に配設するようにしてもよい。
(2)実施例では、固定アーム98を第1ステー支持部70に固定する場合を例示したが、該固定アーム98は、背もたれS1を構成する部材に固定するようにしてもよい。
(3)実施例では、金属製の1本の丸パイプ材を2箇所で折り曲げて略「コ」字形に成形した単一部材のステー60を例示したが、該支持ステー60は、前記第1支持部64および第2支持部66に相当する直線状の2本から構成されたものであってもよい。なお、2本の直線状のステーから構成した場合には、前述した従来の切欠きを形成する必要ないため、該ステーの周方向の位置決めを確実に行なう必要がない。
(4)前記ステー60は、丸パイプ材から形成されたものに限定されず、角パイプ材や楕円パイプ材等から形成されたものであってもよい。このような角パイプ材や楕円パイプ材から形成されたステーであっても、トーションバネ92のコイル部64により、該ステーを適切に締め付け保持することが可能である。
50 ヘッドレスト,60 ステー,68 係止凹部
70 第1ステー支持部(ステー支持部),72 上挿通孔(挿通孔),84 保持受部
86 係止受部,90 ロック機構,92 トーションバネ,94 コイル部
96 移動アーム(他方のアーム),98 固定アーム(一方のアーム)
100 操作部材(操作部),D 内径(コイル部94の),d 外径(ステー60の)
S1 背もたれ,SW 線状材

Claims (5)

  1. 車両シートの背もたれの上部に設けられ、ヘッドレストの下方に延出したステーが挿入される挿通孔を有するステー支持部と、前記挿通孔に臨んで設けられ、前記孔に挿通した前記ステーを係脱可能に支持するロック機構とを備えたヘッドレスト支持装置において、
    前記ロック機構は、前記孔に合わせてコイル部が配置され、一方のアームを前記ステー支持部または前記背もたれに固定すると共に、他方のアームを該背もたれの外方へ延出したトーションバネで構成され、
    前記ロック機構は、
    前記他方のアームの自由状態で、前記コイル部の内径が前記ステーの外径より小さくなるように設定されて、該コイル部に挿通した該ステーを締め付け保持し、
    前記他方のアームの前記コイル部が巻き戻る方向への操作により、該コイル部の内径が前記ステーの外径より大きくなるように設定されて、該コイル部に挿通した該ステーの上下動を許容するよう構成される
    ことを特徴とするヘッドレスト支持装置。
  2. 前記他方のアームは、前記ステー支持部の外面と対向する操作部を備え、
    前記操作部は、前記コイル部が巻き戻る方向へ変位した前記他方のアームを、該コイル部が前記ステーの上下動を許容する位置で保持する係止部を備える請求項1記載のヘッドレスト支持装置。
  3. 前記コイル部は、隣り合う線状材が離間するよう形成される請求項1または2記載のヘッドレスト支持装置。
  4. 前記コイル部は、前記ステーの先端側外面に凹設した係止凹部に係止可能になっている請求項1〜3の何れか一項に記載のヘッドレスト支持装置。
  5. 前記他方のアームは、前記ステー支持部の外面と対向する操作部を備え、
    前記操作部は、前記コイル部が巻き込む方向へ変位した前記他方のアームを、該コイル部が前記ステーを締め付け保持する位置で保持する保持部を備える請求項1〜4の何れか一項に記載のヘッドレスト支持装置。
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