JP2011178069A - 印刷装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つの処理部を備えた印刷装置において、一方の処理部が起動したときに印刷装置に対して実行する各種の初期設定処理に要する時間を短縮し、印刷装置の起動を高速化する。
【解決手段】メインCPU11を備えたメインコントローラー10とサブCPU21を備えたサブコントローラー20とを備えたプリンター100であって、サブCPU21は、メインCPU11に対する電源供給が開始されてからメインCPU11が起動する(安定動作可能な状態になる)までの間に、少なくともメインCPU11が起動後に行うプリンター100の初期設定処理の一部を実行しつつその実行状況をレジスター22に記憶し、メインCPU11は、起動後に、レジスター22を参照しつつ未実行の初期設定処理を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は印刷装置に関し、特に第1処理部と第2処理部とを備えた印刷装置に関する。
近年、環境負荷への関心が高まっており、消費電力が一定の基準を満たさないと販売を禁止する法律が国や地域(例えば、EU(European Union))で整備されつつある。同時に、低消費電力についての関心や認識が消費者の間でも高くなっている。このように、環境負荷低減を目指した低消費電力のプリンターが求められる一方で、オフィス業務の効率化を含めた作業時間の削減やトータルコスト削減の要望も高まっており、プリンターの高速化も要求されている。
このような省電力化と高速化の両立を図る技術として、特許文献1には、節電モードへ移行する前に揮発性メモリーのプログラム情報を退避させ、通常モードへ復帰する時にプログラム情報を揮発性メモリーに書き戻す画像形成装置について開示されている。特許文献1にかかる技術によれば、節電モードから通常モードへ復旧してから印刷動作に移行するまでに掛かる時間が短縮されるため、プリンターが高速化される。
特開2010−6007号公報
しかしながら、特許文献1の技術は、節電モードに移行する前の環境を再現するのみであり、節電モードから復帰するときに必要となる各種の初期化処理の高速化について考慮した技術ではなかった。ここで、従来採用されてきた節電モードの各種形態について説明する。
従来のプリンターでは、節電モードを実現するにあたってCPUの低消費電力モードを使用したり、メインCPUの電源を落としてサブCPUでプリンターの制御を行ったりしていた。しかしながら、前者の場合、CPUの低消費電力モードは、低消費電力のCPUを使用する場合に比べて消費電力があまり低下しなかった。また、後者の場合、低消費電力モードで特定の処理(ホストインターフェース処理など)を制限している場合があり、この特定の処理を行っているときは低消費電力モードに移行できないという問題があった。
また、後者の場合、データを受信したときに、このサブCPUがメインCPUを再起動させてメインCPUにデータ処理を実行させたり、簡単な処理の場合にはメインCPUを起動させずにサブCPUで処理したりすることになる。ただし、節電モードから通常モードに移行してメインCPUが処理を開始できるようになるまでの時間が長くかかってしまい応答が遅れると、これが原因で、ネットワーク経由でプリンターに接続しているホストでタイムアウトエラーが発生したり、ネットワーク上のシステムプロトコル上でエラーになったりすることがある。むろん、ユーザーの待ち時間も長くなってしまう。
なお、以上の問題の対策として、サブCPUの処理性能を上げて節電モード時に処理できることを増やすことも考えられるが、デバイスコストの上昇や消費電力の上昇といった問題が発生するし、サブCPUで行う処理の種類を増やすとメインCPUで行う処理との重複が発生する。その結果、ソフトウェアの開発費が2重になったり、プログラムを保存するRAMの容量アップによってコストやボード上の実装面積が増加したりすることになる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、第1処理部と第2処理部とを備えた印刷装置において、停止していた第1処理部が起動したときに印刷装置に対して実行する各種の初期設定処理を短縮し、印刷装置の起動を高速化することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、第1処理部と第2処理部とを備えた印刷装置において、上記第2処理部は、上記第1処理部に対する電源供給が開始されてから上記第1処理部が起動するまでの間に、少なくとも上記第1処理部が起動後に行う上記印刷装置の初期設定処理の一部を実行しつつその実行状況を第1記憶部に記憶し、上記第1処理部は、起動後に、上記第1記憶部を参照しつつ未実行の上記初期設定処理を実行する構成としてある。ここで、起動とは、処理部の動作が安定して所定のプログラムを実行可能な状態になることをいう。この間、第1処理部は、初期設定処理を実行することができない。
ここで、印刷装置の電源が投入されると、第1処理部と第2処理部は、(A)同時に電源が入る場合と、(B)一方に電源が入った後に電源の入った方が他方の電源を入れる場合とがある。前者の場合、(A1)第1処理部と第2処理部とが同時に起動を開始するパターンと、(A2)第2処理部についてはリセットがかかっていて第1処理部が起動した後に第1処理部が第2処理部のリセットを解除するパターンと、(A3)第1処理部についてはリセットがかかっていて第2処理部が起動した後に第2処理部が第1処理部のリセットを解除するパターン、がある。後者の場合は、(B1)第1処理部に電源が入った後に第1処理部が第2処理部の電源を入れる場合と、(B2)第2処理部に電源が入った後に第2処理部が第1処理部の電源を入れる場合と、がある。また、停止していた第1処理部への電源供給が開始される状況として、(C)第1処理部が停止しつつ第2処理部が起動している節電モードから復帰する場合もある。
これらのパターンの中で(A3)、(B2)、(C)では、第2処理部は、少なくとも第1処理部の起動よりも先に起動しており、場合によっては、第1処理部が停止している間も動作しており、第1処理部への電源供給が開始された時点から各種処理を実行可能な状態になっている。また、(A1)でも、第2処理部は第1処理部の起動よりも先に起動することがある。このように第2処理部が少なくとも第1処理部の起動よりも先に起動していれば、第2処理部は第1処理部の電源供給が開始されてから第1処理部が起動するまでの間に、処理を実行可能な状態にある。以上のように構成することにより、第1処理部が実行する初期化処理の少なくとも一部が、第1処理部が起動した時点で完了もしくは実行中であり、第1処理部は第1記憶部を参照してその実行状況を確認し、未完了もしくは未実行の処理についてのみ実行することになる。よって、第1処理部への電源供給が開始されてから、第1処理部の行うべき初期設定処理が完了するまでの時間が短縮され、印刷装置の起動が高速化することになる。
また、本発明の他の態様として、第1処理部と第2処理部とを備えた印刷装置であって、上記第2処理部は、上記第1処理部に対する電源供給が開始されると、上記第1処理部が起動時に行う上記印刷装置の初期設定処理を実行しつつその実行状況を第1記憶部に記憶し、上記第1処理部は、該第1処理部に対する電源供給が開始されて起動後に、上記印刷装置の初期設定処理を実行しつつその実行状況を上記第1記憶部に記憶し、上記第2処理部と上記第1処理部は、上記初期設定処理を実行するにあたり、上記第1記憶部を参照して他方の処理部が実行していない初期設定処理を実行する構成としてもよい。この態様においても、上述した態様と同様に第1処理部が起動するまでに第2処理部が、初期設定処理の少なくとも一部を実行するが、本態様では、第1処理部の起動後も、第1処理部の初期設定処理に並行して第2処理部が初期設定処理を実行する。よって、さらに初期設定処理に要する時間が短縮され、印刷装置の起動を高速化することができる。
また、本発明の選択的な一態様として、上記初期設定処理の中で上記第1処理部の備える演算処理装置を初期化する処理を、上記第1処理部が実行する構成としてもよい。処理部そのものの初期設定処理は、他の処理主体では実行できないことが一般的であるため、第1処理部自体の初期化については、第1処理部が実行するようにあらかじめ設定しておくことにより、初期設定処理の分担を最適化することができる。
また、本発明の選択的な一態様として、上記第1処理部と上記第2処理部は、上記第1処理部の実行するプログラムを記憶する第2記憶部と上記第1処理部が上記プログラムを実行するときにワークエリアとして利用する第3記憶部とを初期化する処理が実行された後に、上記第2記憶部と上記第3記憶部のスキャン処理を実行する構成としてもよい。初期設定処理には、処理の順番が決まっているものがあり、このように各記憶部の初期化とスキャンとでは、初期化を先に実行する必要があるためである。このように処理の順番をあらかじめ設定しておくことにより、処理の重複実行を防止し、適切な順番で処理が実行されるため、結果として初期設定処理を高速化することができる。
なお、上述した印刷装置は、他の機器に組み込まれた状態で実施されたり他の方法とともに実施されたりする等の各種の態様を含む。
プリンターの構成を示すブロック図である。 初期設定処理の説明図である。 初期設定処理の種類を説明する図である。 メモリーチェック/スキャンの状況をパネル表示する場合の初期設定処理の順番である。 初期設定処理を管理するレジスターを説明する図である。 実施例にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートである。 変形例1にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートである。 変形例2にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートである。 変形例2にかかるレジスターの構成を説明する図である。 変形例3にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートである。 変形例3にかかるレジスターの構成を説明する図である。 ROMに記憶されたデータの構造を説明する図である。 変形例4にかかる初期設定処理の選択単位を説明する図である。
以下、下記の順序に従って本発明の実施形態を説明する。
(1)本実施例の構成:
(2)節電モードからの復帰処理:
(3)各種変形例:
(4)まとめ:
(1)本実施例の構成:
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施例を説明する。なお、本実施例では、プリンターを例にとって説明を行うが、むろん、プリンター機能とスキャナー機能とコピー機能とを備えたいわゆる複合機やコピー機であってもよい。なお本実施例や後述の各種変形例においては、メインコントローラーもしくはメインCPUが第1処理部を構成し、サブコントローラーもしくはサブCPUが第2処理部を構成する。また、メインCPUが第1処理部における演算処理装置を構成する。
図1は、本実施例にかかるプリンター100の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、プリンター100は、プリンター100の全体を制御してプリンター100に印刷装置としての機能を実現させるメインコントローラー10と、各種インターフェースの入出力を制御したり、後述の節電モードにおいてメインコントローラー10の代わりにプリンター100を制御したりするサブコントローラー20と、プリンター100の各部へ電源電圧を供給する電源ユニット40と、印刷データに基づいて印刷用紙等の印刷媒体に画像を形成する印刷エンジン30とを備えている。各部10,20,40は互いに通信可能に接続されており、各部10,20は、電源ユニット40を制御して任意の構成に対する電源供給のオンオフを切り替えられるようになっている。
メインコントローラー10は、メインCPU11と、メモリーASIC13と、RAM12とを備えている。本実施例では、メインCPU11はメモリーASIC13に内蔵され、RAM12はメモリーASIC13に接続されておりメインCPU11と通信可能になっている。メインCPU11は、サブコントローラー20に接続されているROM23から取得したプログラムデータをRAM12に適宜コピーし、RAM12をワークエリアとして利用しつつRAM12にコピーされたプログラムにしたがって処理を行う。むろん、ワークエリアのサイズやプログラムの種類しだいでは、RAM12にコピーせずにROM23に記憶されたプログラムを直接実行しても構わない。このROM23が本実施例において第2記憶部を構成し、RAM12が本実施例において第3記憶部を構成する。
サブコントローラー20は、サブCPU21と、レジスター22と、ROM23と、I/O ASIC27と、ホストI/F24と、パネル25とを備えている。本実施例では、サブCPU21とレジスター22はI/O ASIC27に内蔵されており、ROM23はI/O ASIC27に接続されておりサブCPU21やメインCPU11と通信可能になっている。サブCPU21は、ROM23から取得したプログラムデータを不図示のRAMに適宜コピーし、該RAMをワークエリアとして利用しつつ該RAMにコピーされたプログラムにしたがって処理を行う。むろん、ワークエリアのサイズやプログラムの種類しだいでは、RAMにコピーせずにROM23に記憶されたプログラムを直接実行しても構わない。レジスター22にはI/O ASIC27やサブコントローラー20の処理に関する各種の設定値が記憶されており、メインコントローラー10やサブコントローラー20はレジスター22の設定値を必要に応じて適宜参照しながら処理を実行する。なお、本実施例においては、レジスター22が第1記憶部を構成する。
I/O ASIC27には、印刷エンジン30が接続されている。印刷エンジン30は、印刷機構とこの印刷機構を制御する機構制御部とを備えている。機構制御部は、メインコントローラー10から入力される印刷コマンドと画像データに基づいて印刷機構を制御することにより、メインコントローラー10から出力される画像データおよび制御コマンドにもとづいて印刷用紙上に文字や画像などのイメージを印刷する。例えば、プリンター100が電子写真方式の場合は、レーザービームで感光ドラムを適切なタイミングで照射しつつ走査することにより、画像データの各ドットに対応するトナーを感光ドラムに付着させ、付着されたトナーを印刷用紙に付着させる。
また、I/O ASIC27には、ホストI/F24が接続されている。ホストI/F24は、例えば、USB I/FやLAN I/F等であり、これらのI/Fを介して接続されたパーソナルコンピューター等の外部機器から画像データと印刷コマンドを含む、いわゆる印刷ジョブの入力を受付ける。受付けた画像データと印刷コマンドは、不図示の画像メモリーに記録される。そして、メインCPU11が、画像メモリーに記録された画像データに対して所定の画像処理を行い、画像処理された画像データおよび印刷コマンドを印刷エンジン30に出力する。
パネル25は、スイッチなどを備えた操作部や液晶ディスプレイなどで構成された表示部を備えている。メインコントローラー10やサブコントローラー20は、パネル25の操作部に行われた各種の操作入力をパネル受付けたり、パネル25の表示部に各種の表示を行わせたりすることができる。なお、パネル25としてタッチパネル方式のディスプレイを採用すれば、表示部と操作部を一体に構成することもできる。ユーザーは、パネル25に対して所定の操作を行うことにより、プリンター100を節電モードへ移行させたり、節電モードから通常モードへ復帰させたりすることができる。
ここで、メインCPU11とサブCPU21の性能や役割を比較する。メインCPU11は、上述の印刷コマンドの言語解釈や印刷コマンドにしたがって行う画像処理の制御をなどの高負荷な処理を行う。一方、サブCPU21は、節電モード中のホストインターフェース処理やユーザーインターフェース処理を実施し、必要に応じてメインCPU11を再起動させるなどの、メインCPU11に比べて低負荷な処理を行う。そのため、サブCPU21はメインCPU11に比べて動作周波数が低く、処理速度も遅いが、低消費電力になっている。
本実施例におけるプリンター100は、これら2つのCPUを適宜使い分けることにより、少なくとも通常モードと節電モードの2つのモードで選択的に動作できるようになっている。通常モードは、プリンター100の各部に電源電圧が供給されて全体が動作するモードであり、節電モードは、プリンター100は通常モードよりも少ない消費電力で動作するモードである。
本実施例における通常モードでは、サブCPU21を除くすべてのデバイスに電源を供給されており、ホストコンピュータ等から印刷ジョブが入力されると即座に印刷処理を開始することができるようになっている。一方、本実施例における節電モードでは、印刷エンジン等に含まれるメカ部分について電源を切ったり節電モードに設定したりし、さらにコントローラ部分についても省電力となるように制御する。より具体的には、本実施例では、メインCPU11、メモリーASIC13、RAM12、印刷エンジン30への電源供給を停止する。そのため、ホストコンピュータ等から印刷ジョブが入力されたときは、印刷処理を開始するまでに、各部への電源供給を開始して各部が起動するまでのタイムラグが発生する。
通常モードから節電モードへは、ユーザーの設定した移行時間の間に印刷がなかった場合やパネル25に所定の操作が行われたときに移行する。このとき、メインCPU11は、RAM12に記憶されているプリンターの状態を示す各種の設定情報を、サブコントローラー20のSRAM26にバックアップする。そして、上述した各部への電源供給を停止し、プリンター100の制御をサブコントローラー20のサブCPU21に移行する。すると、サブCPU21はスイッチ回路50を制御して、メインCPU11、メモリーASIC13、RAM12、印刷エンジン30への電源供給を停止させる。
サブCPU21は、節電モードで所定の復帰のトリガーを検知すると、節電モードから通常モードへの復帰処理を実行するとともに、節電モードで電源を切っていた各部に対する電源供給を開始させる。この復帰のトリガーは、例えば、ネットワーク上のシステムがプリンターに対して行う各種要求のうちサブCPU21が処理するには重い処理を必要とするものや、印刷要求(例えば、印刷ジョブの入力)等である。なお、節電モードからの復帰による再起動では、通常の電源投入からの起動時に行うPOST(Power On Self Test)処理と呼ばれるシステムのチェックを省略して、起動時間を短縮することが一般的である。メインCPU11は、電源供給が再開されると、各部の初期設定処理を開始する。この初期設定処理の種類については、後述する。
また、メインCPU11は、節電モードから通常モードへ復帰するに際して、節電モードへ移行する際にSRAM26にバックアップしていた各種の設定情報を、SRAM26から取得してRAM12に書き戻したり、節電モード中に変更された設定情報やその他の情報をRAM12にコピーしたりする。節電モード中に変更された設定情報やその他の情報は、サブCPU21によって、SRAM26等に記憶されたり、SRAM26にバックアップした各種の設定情報に反映されていたりする。
また、プリンターでは、通常、プログラムデータはROM23に記憶されており、電源が投入されたときに実行される初期設定処理や節電モードから復帰するときに実行される初期設定処理を行う際は、メインCPU11はこのROM23上のプログラムを直接に実行する。初期設定が完了した後の処理は、ROM23上のプログラムをそのままRAM12にコピーして実行したり、ROM23上の圧縮データを展開したプログラムをRAM12上にコピーして実行したりすることになる。
図2は、プリンター100が節電モードから通常モードに復帰するときの、各CPUの状態を説明する図である。同図に示すように、節電モードでは、メインCPU11への電源供給が停止されて動作しておらず、サブCPU21は動作している。その他、メインCPU11のワークエリアとして利用されているRAM12、各種メモリーに対する入出力インターフェースとして機能するメモリーASIC、印刷エンジン等に対する電源供給も節電モードにおいては停止されており、これらも動作を停止している。
ここで、サブCPU21へ上述した復帰トリガーが入力されると、サブCPU21はメインCPU11、メモリーASIC、印刷エンジン等への電源供給を再開させる。ただし、電源供給が再開されても、実際にメインCPU11が動作可能になるまでには時間がかかる場合がある。その理由は、メインCPU11への電源供給が安定するまでの待機時間や、CPU内部のPLL同期が完了するまで待機時間等である。この電源が安定するまでの待機時間は、プリンター100へ供給される電源事情、温度や湿度などの自然環境、デバイスの構成などの各種周辺環境に依存して変動する。したがって、後述のように、従来はメインCPU11が行っていた初期設定処理をサブCPU21が行うにあたり、サブCPU21に実行させる処理とメインCPU11に実行させる処理とが最適な配分になるようにあらかじめ割り振っておくことが難しい。また、PLL同期の完了までの時間は、デバイスによって異なるが、約100ms以上かかるものもある。以下、本明細書では、メインCPU11がプログラムの演算処理を実行可能になった状態を「起動した」と呼び、起動するまでの時間を「起動時間」と呼ぶことにする。
この起動時間に、サブCPU21は後述の初期設定処理を実行し、その実行状況をメインCPU11が確認できるようにしておく。具体的には、例えば、メインCPU11が起動したときにサブCPU21が実行した処理をメインCPU11に通知したり、レジスターのような記憶媒体に実行状況を記録しておくことにより、実行状況をメインCPU11から確認できるようになる。なお、以下に説明する実施例や変形例では、I/O ASIC27のレジスター22に実行状況を記憶する場合を例にとって説明してある。
また、図2では、メインCPU11が起動するとサブCPU21は初期設定処理を終了する。その理由は、処理の高速なメインCPU11が起動した後は、サブCPU21に処理を行わせなくても、メインCPU11だけで十分な速度で処理を実行できるためである。むろん、メインCPU11の起動後もサブCPU21が初期設定処理を実行した方がよい場合もあり、後述の変形例のように、メインCPU11の初期設定処理と並行してサブCPU21も他の初期設定処理を実行してもよい。例えば、メインCPU11とサブCPU21の処理速度にあまり差が無い場合や、初期設定処理の量が多い場合、処理時間がデバイスからの応答待ち時間に依存する処理が初期設定処理に含まれる場合等では、メインCPU11とサブCPU21が並行して処理すると処理時間を短縮できる場合がある。
処理が終了すると、プリンター100は通常モードに移行し、メインCPU11が印刷処理等の各種処理を、プリンター100全体を制御しつつ実行することになる。なお、サブCPU21は、通常モードでは停止される。
節電モードから復帰してプリンターとして印刷動作できるようにするためには、ASICや他デバイスのレジスターに所定の手順でアクセスして必要な設定を行わなければならない。この処理の中には時間待ちが発生したり、処理全体として時間のかかる処理もある。また、揮発性メモリーであるRAM12を使用するためにはRAM12の初期化を行う必要がある。以下、図4を参照して、初期設定処理の種類や、手順について説明する。
図3は、初期設定処理の種類を説明する図である。同図に示すように、プリンター100が省電力から復帰する際には、概略、メインCPU初期化P1、ROM初期化P2、ROMチェックP3、ROMスキャンP4、RAM初期化P5、RAMチェックP6、ROM23からRAM12へのデータコピーP7、メモリーASIC初期化P8、パネル初期化P9、ホストI/Fデバイス初期化P10、エンジンI/Fデバイス初期化P11、ストレージデバイス初期化P12、の初期設定処理を実行する。これらの初期設定処理が完了すると、プリンター100は、メインCPU11の制御に従って印刷処理等の各種処理を実行できるようになる。
P1〜P12は、処理主体の制限の観点から、メインCPU11が実行する処理と、メインCPU11とサブCPU21のいずれで実行してもよい処理と、に大別される。本実施例では、メインCPU11が実行する処理はメインCPU11の初期化P1であり、その他のP2〜P12はメインCPU11とサブCPU21のいずれかで実行してもよい処理である。メインCPU11の初期化P1は、メインCPU11の外部からは実行できないためである。
また、P2〜P12は、処理の順番の制限の観点から、G1〜G7に大別される。G1はRAM12へのデータ読み書きを開始する前に必要な処理であり、G2はROM23のデータを読み出す前に必要な処理であり、G3はROM23からRAM12へメインCPU11が実行するためのプログラムデータをコピーする処理であり、G4はパネル表示を行う前に必要な処理であり、G5はホストI/Fに関する処理であり、G6は印刷エンジンに関する処理であり、G7はストレージデバイスに関する処理である。また、G1〜G3は、メインCPU11が制御に利用するメモリーに関する処理G8としてまとめることができる。
G1は、RAM初期化P5とRAMチェックP6を含んでおり、P5,P6の順に実行しなければならない。G2は、ROM初期化P2とROMチェックP3とROMスキャンP4とを含んでおり、P2,P3,P4の順に実行しなければならない。G4は、メモリーASIC初期化P8とパネル初期化P9を含んでおり、P8,P9の順に実行しなければならない。また、G8においては、G1,G2の処理が実行されてから、G3の処理が実行されなければならない。
以上のようにG1,G2,G4,G8の中では処理の順番が決まっているが、これらの順番が各グループ内で守られるのであれば、他の処理を間に挟む形で実行することができる。すなわち、P2〜P12は、以上の処理の順番に関する制限を除いて順不同に実行可能であり、また処理の順番さえ守られれば、例えば、ある処理をメインCPU11で実行しつつ他の処理をサブCPU21で実行するなどのように並列実行も可能である。そのような処理の一例として、パネルにROM23やRAM12のチェック状況やスキャン状況を表示する場合の処理順について、図4を参照して説明する。
図4は、メモリーチェック/スキャンの状況をパネルに表示する場合の処理順を示す図である。同図では、P2,P5,P8,P9,P3,P6,P4,P7の順で処理を実行している。この順で処理を実行すると、まずパネル表示には関わらないがチェックやスキャンの前に実行する必要のあるROM初期化P2やRAM初期化P5が実行される。そして、パネル表示を可能にするためにメモリーASIC初期化P8とパネル初期化P9を実行し、その後、パネルにチェックやスキャンの状況を表示しつつROMチェックP3とRAMチェックP6とROMスキャンP4を実行している。なお、同図に示すように、P2とP5、P3とP6、P6とP4はそれぞれ順番を入れ替えて実行したり並列実行したりすることができるが、図3に示したように×で示した処理順は入れ替えできないし、並列実行することもできない。
以上説明したように、初期設定処理には処理主体を問わずに実行可能な処理がある。そこで、本実施例では、メインCPU11が初期設定処理を開始するまでの時間にサブCPU21が初期設定処理の一部を代替実行して、初期設定処理の処理時間を短縮してある。このように代替実行する際に、サブCPU21とメインCPU11とで処理の重複実行も防止するために、本実施例にかかるプリンター100は、初期設定処理の実行状況をレジスター22で管理している。
図5は、初期設定処理管理用のレジスター22について説明する図である。同図では、各初期設定処理は処理IDで示してあり、レジスター22には、各処理IDに対応させて開始フラグ用のレジスターと完了フラグ用のレジスターとが用意されている。これら開始フラグや完了フラグは、節電モードからの復帰処理が開始されるまでのいずれかのタイミングで「オフ」にリセットされており、初期設定処理が開始されると開始フラグが「オン」に変更されて当該初期設定処理が開始されたことを示し、初期設定処理が終了すると完了フラグが「オフ」に変更されて当該初期設定処理が完了していることを示すことになる。
また、各処理には、処理を特定するための処理IDが付与されている。メインCPU11とサブCPU21は、処理IDと各処理の実行状況を管理するためのレジスターのアドレスとの対応関係を保持している。メインCPU11とサブCPU21は、この対応関係とレジスター値とを参照することにより、各処理について開始と完了と未実行を把握することができる。
また、各初期設定処理には、図5に示すように、他の処理に対する依存関係が設定されている。この依存関係は処理の開始条件に相当するものであり、図3や図4に示した各処理の処理順に基づいて設定される。例えば、図3や図4に示す、ROMチェックP3は、ROM初期化P2が先に完了していれば開始できるが、そうでなければ開始できない。そこで、ROMチェックP3については、ROMチェックP3よりも処理の順番が一つ前になっているROM初期化P2が完了していることを開始条件とすることができる。
同様に、パネル初期化P9については、メモリーASIC初期化P8が完了していることを開始条件とすることができる。むろん、ホストI/Fデバイス初期化P10のように順番に処理する必要のない処理や、順番のある処理の中で最初に実行されるROM初期化P2等については、依存関係を設定する必要はない。以上のような処理の開始条件は、例えば復帰処理のプログラム上に設定しておいたり、所定の依存関係を示すテーブルを用意して適宜参照したりすることにより、適用することができる。
以上のように、各CPUはレジスターを参照することにより初期設定処理の実行状況や進捗状況を確認できるし、サブCPU21からメインCPU11との間で初期設定処理の分担や引継が容易に行える。図5の場合は、P2,P5,P8,P9,P4・・・の順に配列してあり、各CPUは、配列された順にレジスターを参照していくことにより、初期設定処理の実行状況や進捗状況を把握することができるし、次に実行すべき処理を特定することができる。なお、簡略的には、依存関係などは規定せずに、図3,4の処理順に合わせて各処理のレジスターを所定の順番に配列しておいて、配列された順番に処理を実行するようにしてもよい。
(2)節電モードからの復帰処理:
図6は、節電モードからの復帰処理の流れを示すフローチャートである。同図に示した処理は、上述のように、サブCPU21においては節電モードにおいて復帰トリガーを検知したときに開始され(S200)、メインCPU11においてはサブCPU21によってメインCPU11等への電源供給を再開されたとき(S205)に開始される。サブCPU21は、スイッチ回路50を切替制御することにより、節電モード中に停止していたメインコントローラー10や印刷エンジン30に対する電源供給を再開させる。すると、メインCPU11は、起動処理を開始する(S100)。メインCPU11の起動処理は、メインCPU11内で電源が安定し、PLL同期が安定すると完了する(S105)。
サブCPU21は、メインCPU11がステップS100,S105の起動処理を行っている間に、初期設定処理を実行する。まず、サブCPU21は、初期設定処理管理用のレジスター22を参照し(S210)、開始フラグが「オフ」の初期設定処理を一つ選択する(S215)。そして、選択した初期設定処理の依存関係を取得し、選択した初期設定処理の依存する処理が完了しているか否かを判断する(S216)。むろん、依存関係の無い処理であればこのステップS216はスキップしてもよい。
サブCPU21は、依存関係のある処理の完了フラグを確認し、完了フラグが「オン」の場合は、選択した初期設定処理よりも処理順の早い処理はすべて完了しているものと判断して(S216:Yes)選択した初期設定処理の開始フラグを「オン」に変更する(S217)。一方、完了フラグが「オフ」の場合は選択した初期設定処理よりも処理順の早い処理が完了していないものと判断して(S216:No)ステップS215〜S217の処理を繰り返す。ただし、このように、ステップS215の処理を繰り返す場合は、例えば、直前に選択した処理は再選択できないようにしたり、1回選択した処理については所定時間が経過するまで再選択できないようにしたりすることが望ましい。
選択した初期設定処理の開始フラグを「オン」に変更すると、サブCPU21は、選択した初期設定処理を実行する(S220)。そして、処理が完了すると、完了した処理の完了フラグを「オン」に変更する(S225)。そして、レジスター22を参照し、全ての初期設定処理が実行済みであるかを判断する(S230)。サブCPU21は、全ての初期設定処理について「開始フラグ」が「オン」になっていれば、初期設定処理が全て実行されたものと判断して復帰処理を終了する(S230:Yes)。一方、開始フラグが「オフ」の初期設定処理がある場合は、未実行の初期設定処理が残っているものと判断してステップS210〜S230の処理を繰り返す(S230:No)。
一方、メインCPU11は、ステップS100,S105の起動処理を終了して動作可能な状態になると、初期設定処理を開始する。まず、メインCPU11は、レジスター22を参照し(S110)、開始フラグが「オフ」の初期設定処理を1つ選択する(S115)。そして、選択した初期設定処理の依存関係を取得し、選択した初期設定処理の依存する処理が完了しているか否かを判断する(S116)。この判断処理は、サブCPUのステップS216と同様である。
メインCPU11は、依存関係のある処理の完了フラグが「オン」の場合は、選択した初期設定処理よりも処理順の早い処理はすべて完了しているものと判断して(S116:Yes)選択した初期設定処理の開始フラグを「オン」に変更する(S117)。一方、完了フラグが「オフ」の場合は選択した初期設定処理よりも処理順の早い処理が完了していないものと判断して(S116:No)ステップS115〜S116の処理を繰り返す。このように、ステップS115の処理を繰り返す場合は、ステップS215と同様に、再選択に制限を設けることが望ましい。
選択した初期設定処理の開始フラグを「オン」に変更すると、メインCPU11は、選択した初期設定処理を実行する(S120)。そして、処理が完了すると、完了した処理の完了フラグを「オン」に変更する(S125)。そして、レジスター22を参照し、全ての初期設定処理が実行済みであるかを判断する(S130)。メインCPU11は、全ての初期設定処理について「開始フラグ」が「オン」になっていれば、初期設定処理が全て実行されたものと判断して復帰処理を終了する(S130:Yes)。一方、開始フラグが「オフ」の初期設定処理がある場合は、未実行の初期設定処理が残っているものと判断してステップS110〜S130の処理を繰り返す(S130:No)。
以上のように、初期設定処理の実行状況をレジスター22で管理することにより、メインCPU11とサブCPU21が並行して初期設定処理を分担実行できるし、重複実行することもないため、通常モードに移行するまでの時間を短縮することができる。
(3)各種変形例:
以上説明した実施例は、以下のように変更することも可能である。
(3−1)変形例1:
図7は、変形例1にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートである。同図に示す処理では、メインCPU11の起動前にサブCPU21が初期設定処理を実行する点は上述した実施例と同様であるが、メインCPU11の起動後はメインCPU11だけで初期設定処理を実行する。メインCPU11はサブCPU21よりも処理速度が十分に高速であれば、メインCPU11だけで初期設定処理を実行しても十分な速度が得られるためである。なお、図7に示すステップS300,S305,S310〜S330,S400〜S425の処理は、それぞれ図5に示すステップS100,S105,S110,S115,S120〜S130,S200,S215,S220〜S225の処理と同様であるため、以下では、詳しい説明を省略する。
メインCPU11は、電源が投入されて動作が安定すると(S305)、動作が安定したことサブCPU21に通知する(S307)。サブCPU21は、この通知の入力を監視しており、1つの初期設定処理が終了するたびに(S430:No)メインCPU11の動作が安定したか否かを判定するようにしてある(S435)。サブCPU21は、ステップS410〜S430を実行している間にメインCPU11から上記通知が入力されると、メインCPU11の動作が安定したと判断して処理を終了し(S435:Yes)、上記通知が入力されなかった場合は、メインCPU11の動作がまだ安定していないと判断して、次の初期設定処理を実行する(S435:No)。
なお、本変形例1では、基本的にはメインCPU11とサブCPU21が並列に処理を行わないため、上述した実施例において重複実行を防止するために設けてあった開始フラグは、必要なくなる。このように完了フラグのみで実行状況を管理する場合は、ステップS315,S415において、完了フラグが「オン」であるか否かに基づいて初期設定処理の未実行を判断する。むろん、ステップS117,S217のように、処理を実行する前に開始フラグを「オン」にするステップもなくなる。また、依存関係についても、メインCPU11とサブCPU21が並列に処理を行わないため、あらかじめ適切な順番で実行されるように初期設定処理の順番を最適化しておけば、プログラムやテーブルに依存関係を保持しておく必要もない。
以上のように、メインCPU11が動作できない期間にサブCPU21が初期設定処理を行い、その後、高速なメインCPU11の起動後はメインCPU11のみで初期設定処理を行うことにより、トータルで復帰処理に要する時間を短縮できる。また、開始フラグが必要ないため、レジスターサイズを縮小してコストダウンできる。また、依存関係を保持するデータが不要なため、プログラムサイズを縮小できる。
なお、上述した変形例1では、サブCPU21はステップS435の判断を1つの初期設定処理を完了してから行うようにしてあるが、むろん、復帰処理とは別のルーチンで所定時間おきにステップS435に相当する処理を実行するようにしてもよい。このように構成すると、初期設定処理の途中でサブCPUの復帰処理が終了する可能性があるが、上述のように本変形例1では初期設定処理の未実行を完了フラグに基づいて判断している。したがって、未完了の初期設定処理についても未実行とみなして、メインCPU11で実行されるため特に問題は生じない。
(3−2)変形例2:
図8は、変形例2にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図9は、変形例2にかかるレジスターの構成を説明する図である。本変形例2では、あらかじめ初期設定処理の処理順を示す処理配列を最適化しておき、一方のCPUは処理配列の先頭から順に処理し、他方のCPUは処理配列の末尾から順に処理する。
例えば、図9に示す例では、処理配列の末尾付近には、順不同に実行可能な初期設定処理を配置し、処理配列の先頭付近には、処理の順番が決まっている初期設定処理を先頭から順に配列してある。このようにすれば、メインCPU11の動作が安定するまでの時間と、メインCPU11とサブCPU21の処理能力とに鑑みて、メインCPU11のほうが多くの初期設定処理を実行すると予想される場合に好適である。
また、例えば図9とは逆に、処理配列の末尾付近には、処理の順番が決まっている初期設定処理を末尾から順に配列し、処理配列の先頭付近には、順不同に実行可能な初期設定処理を配置しておいてもよい。このようにすれば、メインCPU11の動作が安定するまでの時間と、メインCPU11とサブCPU21の処理能力とに鑑みて、サブCPU21のほうが多くの初期設定処理を実行すると予想される場合に好適である。なお、図8に示した復帰処理では、配列の先頭付近に処理の順番の決まっている処理を順に配列した場合の処理を例にとって示してある。
以上のように構成されたレジスターを参照しつつ実行される図8の復帰処理において、ステップS500〜S510,S520〜S530,S600〜S610,S620〜S635は、それぞれ図7のステップS300〜S310,S320〜S330,S400〜S410,S420〜S435と同様の処理であるため、説明を省略する。
ステップS515において、メインCPU11は、レジスター22を参照して未実行の初期設定処理を特定し、その中から処理配列の先頭に最も近いものを1つ選択してステップS320に進む。また、ステップS615において、サブCPU21は、レジスター22を参照して未実行の初期設定処理を特定し、その中から処理配列の末尾に最も近いものを1つ選択してステップS620に進む。
また、レジスター22によって管理するフラグや依存関係についても、上述した変形例1と同様に、完了フラグだけにしてもよいし、開始フラグと完了フラグと依存関係で管理してもよい。以上の変形例2は、例えば、メインCPU11の起動時間でサブCPU21がどの程度の処理を実行できるかをあらかじめ大まかに予測できる場合に、レジスターの配列を最適化しておくことによって、CPUがレジスターを確認する処理が少なくなる点で好適である。
(3−3)変形例3:
図10は、変形例3にかかる復帰処理の流れを示すフローチャートであり、図11は、変形例3にかかるレジスターの構成を説明する図である。図11に示すように、本変形例3においては、メインCPU11の実行する処理と、サブCPU21の実行する処理とをあらかじめ分けて管理してある。このようにすることで、レジスターの数を減らすことができるし、予め処理の順番を最適化しておくことにより依存関係を管理する必要もなくなる。
なお、図9に示す復帰処理におけるS700〜S730,S800〜S830は、ステップS116,S117,S216,S217を除いて、それぞれ図5のステップS100〜S130,S200〜S230とほぼ同様の処理であるので、詳細な説明は省略する。なお、メインCPU11は、ステップS715でメインCPU用の処理リストから初期設定処理を1つ選択すると、依存関係の判断や開始フラグの変更を行うことなくステップS720で選択した初期設定処理を実行し、サブCPU21は、ステップS815でサブCPU用の処理リストから初期設定処理を1つ選択すると、依存関係の判断や開始フラグの変更を行うことなくステップS820で選択した初期設定処理を実行する。また、ステップS73やステップS830では、自身の処理リストの処理が全て終了したか否かを判断することになる。
また、例えば、本変形例3に、変形例1のようにメインCPU11が動作の安定を通知する構成を採用し、さらに変形例2のように順番に処理する必要があるか否かに応じて処理の順番配列の先頭付近と末尾付近とに分ける構成を、メインCPU11の実行する処理として割り当てられた処理に適用してもよい。このように構成することにより、予め決められた所定の処理はサブCPU21で実行し、さらに、メインCPU11の起動が遅れているときは、メインCPU11に割り振られた処理を、処理配列の末尾側から追加実行することもできる。よって、メインCPU11の起動時間に変動が大きい場合にも、初期設定処理に要する時間を可能な限り短縮できる。
(3−4)変形例4:
図12は、ROM23に記憶されているデータ構造を説明する図であり、図13は、本変形例4にかかる初期設定処理の選択単位を説明する図である。図12に示すように、ROM23に記憶されているデータは、複数のデータブロックD1〜D4に分かれており、各データブロックにはヘッダーが設けられている。ヘッダーにはデータブロックに含まれるデータに関する各種の情報が含まれており、例えば、コピー要否、圧縮の有無、圧縮形式、コピー条件、コピー先、等の情報が含まれている。これらのデータは、プログラムデータやプログラムの実行中に参照されるデータである。
コピー要否は、RAM12へコピーすべきデータであるか、ROM23から直接に読みだしながら利用されるデータであるかを示す。圧縮の有無は、データが圧縮されているか否かを示し、圧縮形式は、データ圧縮されている場合にその圧縮形式を示す。コピー条件は、転送先であるRAM12のサイズが所定のサイズ以上であるか否か等の所定の条件を満たす場合に、RAM12へコピーして利用し、所定の条件を満たさない場合はROM23から直接読み出しながら利用するデータであることを示す。コピー先は、データをRAM12にコピーする際のアドレスを指定する。
以上のように、ROM23のデータは、データブロック単位でRAM12への転送を管理できるため、図3においてROM23からRAM12へのデータコピーP7としてまとめて1単位の初期設定処理としてあった処理を、図13(a)に示すように、データブロック単位の初期設定処理として管理することができる。このように、各初期設定処理の処理単位を細分化することにより、メインCPU11とサブCPU21とで並行して初期設定処理を実行する際の分担を各CPUの処理に能力に合わせて均等化しやすくなる。また、図13(b)に示すように、細分化された処理単位ごとに完了フラグを管理できるようになるため、サブCPU21が処理途中で終了されても、その後、メインCPU11が未完了の処理の全体を実行しても、処理時間のロスはそれほど大きくならない。
(3−5)変形例5:
以上説明した実施例や変形例1〜4では、節電モードからの復帰処理の初期設定処理の短縮を例にとって説明していたが、本発明は、通常の電源投入の直後に実行される初期設定処理に適用してもむろん構わない
(4)まとめ:
以上説明した実施形態によれば、メインCPU11を備えたメインコントローラー10とサブCPU21を備えたサブコントローラー20とを備えたプリンター100であって、サブCPU21は、メインCPU11に対する電源供給が開始されてからメインCPU11が起動する(安定動作可能な状態になる)までの間に、少なくともメインCPU11が起動後に行うプリンター100の初期設定処理の一部を実行しつつその実行状況をレジスター22に記憶し、メインCPU11は、起動後に、レジスター22を参照しつつ未実行の初期設定処理を実行する。このように構成することにより、2つの処理部を備えたプリンター100において、一方の処理部が起動したときにプリンター100に対して実行する各種の初期設定処理に要する時間を短縮し、印刷装置の起動を高速化することができる。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例に限られず、上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、公知技術並びに上述した実施形態および変形例の中で開示した各構成を相互に置換したり組み合わせを変更したりした構成、等も含まれる。
100…プリンター、10…メインコントローラー、11…メインCPU、12…RAM、13…メモリーASIC、20…サブコントローラー、21…サブCPU、22…レジスター、23…ROM、24…ホストI/F、25…パネル、26…SRAM、27…I/O ASIC、30…印刷エンジン、40…電源ユニット、50…スイッチ回路、D1〜D4…データブロック、P1〜P12…初期設定処理、G1〜G7…処理グループ

Claims (4)

  1. 第1処理部と第2処理部とを備えた印刷装置であって、
    上記第2処理部は、上記第1処理部に対する電源供給が開始されてから上記第1処理部が起動するまでの間に、少なくとも上記第1処理部が起動後に行う上記印刷装置の初期設定処理の一部を実行しつつその実行状況を第1記憶部に記憶し、
    上記第1処理部は、起動後に、上記第1記憶部を参照しつつ未実行の上記初期設定処理を実行することを特徴とする印刷装置。
  2. 第1処理部と第2処理部とを備えた印刷装置であって、
    上記第2処理部は、上記第1処理部に対する電源供給が開始されると、上記第1処理部が起動時に行う上記印刷装置の初期設定処理を実行しつつその実行状況を第1記憶部に記憶し、
    上記第1処理部は、該第1処理部に対する電源供給が開始されて起動後に、上記印刷装置の初期設定処理を実行しつつその実行状況を上記第1記憶部に記憶し、
    上記第2処理部と上記第1処理部は、上記初期設定処理を実行するにあたり、上記第1記憶部を参照して他方の処理部が実行していない初期設定処理を実行することを特徴とする印刷装置。
  3. 上記初期設定処理の中で上記第1処理部の備える演算処理装置を初期化する処理を、上記第1処理部が実行する請求項1又は請求項2に記載の印刷装置。
  4. 上記第1処理部と上記第2処理部は、上記第1処理部にて実行されるプログラムを記憶している第2記憶部と上記第1処理部が上記プログラムを実行するときにワークエリアとして利用する第3記憶部との初期化処理が実行された後で、上記第2記憶部と上記第3記憶部のスキャン処理を実行する請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の印刷装置。
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