JP2011177617A - 分散液の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 樹脂が分散溶剤中に微細に分散された分散液を、迅速に、かつ少ない動力で得ることができる分散液の製造方法を提供すること。
【解決手段】 樹脂(A)と溶剤(B)を含有する(A)の融点以上の温度の混合物(M)と、圧力が2MPa以上である圧縮性流体(C)を混合し、その後減圧膨張して、(A)の融点以下として(A)を析出させると共に(C)を気化させ除去することで、樹脂(A)が溶剤(B)中に分散された分散液(E)を得る工程を含む分散液の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、樹脂微粒子が分散された分散液の製造方法、および着色樹脂微粒子が分散された塗料用の分散液の製造方法に関するものである。
塗料、インキ、化粧品、食品、医薬品その他の各種の製造工程において、固体粒子等の材料を微細化し、この微粒子を水、有機溶剤等の分散溶剤に分散させて分散液を作成する工程が含まれているが、従来の方法、装置では固体粒子等の微粒子を溶剤に分散するために長い時間と多くの動力を必要とした。
また、上述のような方法を改良するものとして、分散質と溶剤を混合した混合物を超臨界容器に供給し超臨界状態とした後、超臨界状態の混合物を大気中に解放し、衝突部に衝突させることにより分散質を溶剤中に微粒子化して分散する方法や(例えば特許文献1参照)、晶析により分散質を微粒子化する方法として、分散質が溶解した超臨界流体をノズルより噴出させて分散質を析出させる超臨界急速膨張法、又は分散質を溶解した溶液を、超臨界流体中にノズルより噴出、或いは超臨界流体を、溶質を溶解した溶液中にノズルより噴出させ、溶質を析出させる超臨界貧溶剤法なども提案されているが(例えば特許文献2参照)、分散質の溶剤への分散性が不十分であるという問題があった。
特開平10−192670号公報 特開2006−181553号広報
本発明の解決課題は、樹脂等の分散質が分散溶剤中に微細に分散された分散液を、迅速に、かつ少ない動力で得ることができる分散液の製造方法を提供することである。
本発明によれば、樹脂(A)と溶剤(B)を含有する(A)の融点以上の温度の混合物(M)と、圧力が2MPa以上である圧縮性流体(C)を混合し、その後減圧膨張して、(A)の融点以下として(A)を析出させると共に(C)を気化させ除去することで、樹脂(A)が溶剤(B)中に分散された分散液(E)を得る工程を含む分散液の製造方法が提供され、上記課題が解決される。
また、上記混合物(M)中にさらに着色剤(D1)を含有させて、着色された樹脂(A)の分散液(E1)を得る分散液の製造方法により、塗料用組成物が得られる。
本発明により、樹脂の分散溶剤への効果的な分散を行うことができ、迅速に、かつ少ない動力で、樹脂が微細に分散された(例えばメジアン径が10μm以下)分散液を得ることができる。
本発明における、ラインブレンドによる混合方法での分散液の作成に用いる実験装置のフローチャートである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の分散液の製造方法に用いる樹脂(A)としては、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であってもよいが、例えばポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられ、2種以上を併用しても差し支えない。これらの中では、晶析工程による微粒子化効果がより大きい点で、ポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂が好ましい。
樹脂(A)のうち、好ましい樹脂、すなわち、ポリエステル樹脂およびポリウレタン樹脂について説明するが、他の樹脂についても同様にして使用できる。
ポリエステル樹脂としては、ポリオールと、ポリカルボン酸、その酸無水物または低級アルキル(アルキル基の炭素数1〜4)エステルとの重縮合物などが使用できる。
重縮合反応には、公知の重縮合触媒等が使用できる。
ポリオールとしては、ジオール(1)および3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)が用いられる。
ポリカルボン酸、その酸無水物または低級アルキルエステルとしては、ジカルボン酸(3)、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)、これらの酸無水物および低級アルキルエステルが用いられる。
ポリオールとポリカルボン酸の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、好ましくは2/1〜1/2、さらに好ましくは1.5/1〜1/1.5、とくに好ましくは1.3/1〜1/1.2である。
ジオール(1)としては、炭素数2〜30のアルキレングリコール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ネオペンチルグリコールおよび2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなど);分子量106〜10000のアルキレンエーテルグリコール(例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラメチレンエーテルグリコールなど);炭素数6〜24の脂環式ジオール(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールおよび水素添加ビスフェノールAなど);分子量100〜10000の上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(以下、AOと記載する)〔エチレンオキサイド(以下、EOと記載する)、プロピレンオキサイド(以下、POと記載する)、ブチレンオキサイド(以下、BOと記載する)など〕付加物(付加モル数2〜100)(例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノールのEO10モル付加物等);炭素数15〜30のビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)または炭素数12〜24のポリフェノール(例えば、カテコール、ハイドロキノンおよびレゾルシン等)のAO(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2〜100)(例えば、ビスフェノールA・EO2〜4モル付加物、ビスフェノールA・PO2〜4モル付加物等);重量平均分子量100〜5000のポリラクトンジオール(例えば、ポリε−カプロラクトンジオール等);重量平均分子量1000〜20000のポリブタジエンジオールなどが挙げられる。
これらのうち、アルキレングリコールおよびビスフェノール類のAO付加物が好ましく、さらに好ましくはビスフェノール類のAO付加物、およびこれとアルキレングリコールとの混合物である。
3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)としては、3〜8価またはそれ以上、炭素数3〜8の脂肪族多価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビタンおよびソルビトールなど);炭素数25〜50のトリスフェノール(例えば、トリスフェノールPAなど)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(例えば、トリスフェノールPA・EO2〜4モル付加物、トリスフェノールPA・PO2〜4モル付加物等);重合度3〜50のノボラック樹脂(例えば、フェノールノボラックおよびクレゾールノボラックなど)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(フェノールノボラックPO2モル付加物、フェノールノボラックEO4モル付加物);炭素数6〜30のポリフェノール(例えば、ピロガロール、フロログルシノールおよび1,2,4−ベンゼントリオール等)のAO(炭素数2〜4)付加物(付加モル数2〜100)(ピロガロールEO4モル付加物);および重合度20〜2000のアクリルポリオール[ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートと他のビニルモノマー(例えばスチレン、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等との共重合物など]等が挙げられる。
これらのうち、脂肪族多価アルコールおよびノボラック樹脂のAO付加物が好ましく、さらに好ましくはノボラック樹脂のAO付加物である。
ジカルボン酸(3)としては、炭素数4〜32のアルカンジカルボン酸(例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸およびオクタデカンジカルボン酸など);炭素数4〜32のアルケンジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸およびメサコン酸など);炭素数8〜40の分岐アルケンジカルボン酸[例えば、ダイマー酸、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸、ペンタデセニルコハク酸、オクタデセニルコハク酸など);炭素数12〜40の分岐アルカンジカルボン酸[例えば、アルキルコハク酸(デシルコハク酸、ドデシルコハク酸、オクタデシルコハク酸など);炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。
これらのうち、アルケンジカルボン酸および芳香族ジカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは芳香族ジカルボン酸である。
3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。
なお、ジカルボン酸(3)または3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)の酸無水物としては、トリメリット酸無水物、ピロメリット酸無水物等が挙げられる。また、これらの低級アルキルエステルとしては、メチルエステル、エチルエステルおよびイソプロピルエステルなどが挙げられる。
ポリウレタン樹脂としては、ポリイソシアネート(5)と活性水素基含有化合物(F){水、ポリオール[前記ジオール(1)および3〜8価またはそれ以上のポリオール(2)]、ジカルボン酸(3)、3〜6価またはそれ以上のポリカルボン酸(4)、ポリアミン(6)、ポリチオール(7)等}との重付加物などが挙げられる。
ポリイソシアネート(5)としては、炭素数(NCO基中の炭素を除く、以下同様)6〜20の芳香族ポリイソシアネート、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネートおよびこれらのポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、またはオキサゾリドン基含有変性物など)およびこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
上記芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI[粗製ジアミノフェニルメタン〔ホルムアルデヒドと芳香族アミン(アニリン)またはその混合物との縮合生成物;ジアミノジフェニルメタンと少量(たとえば5〜20重量%)の3官能以上のポリアミンとの混合物〕のホスゲン化物:ポリアリルポリイソシアネート(PAPI)]、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネートなどが挙げられる。
上記脂環式ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどが挙げられる。
上記芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などが挙げられる。
また、上記ポリイソシアネートの変性物には、ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基、オキサゾリドン基含有変性物などが挙げられる。
具体的には、変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDIなどのポリイソシアネートの変性物およびこれらの2種以上の混合物[たとえば変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート含有プレポリマー)との併用]が含まれる。
これらのうちで好ましいものは6〜15の芳香族ポリイソシアネート、炭素数4〜12の脂肪族ポリイソシアネート、および炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネートであり、とくに好ましいものはTDI、MDI、HDI、水添MDI、およびIPDIである。
ポリアミン(6)の例としては、脂肪族ポリアミン類(C2〜C18):〔1〕脂肪族ポリアミン{C2〜C6 アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)、ポリアルキレン(C2〜C6)ポリアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなど〕};〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メチルイミノビスプロピルアミンなど〕;〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ポリアミン〔3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなど〕;〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミン、テトラクロル−p−キシリレンジアミンなど)、
脂環式ポリアミン(C4〜C15):1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミン、4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)など、複素環式ポリアミン(C4〜C15):ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、1,4ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジンなどが挙げられる。
芳香族ポリアミン類(C6〜C20):〔1〕非置換芳香族ポリアミン〔1,2−、1,3−および1,4−フェニレンジアミン、2,4´−および4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、ビス(3,4−ジアミノフェニル)スルホン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミン、ナフチレンジアミンなど;〔2〕核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−およびi−プロピル、ブチルなどのC1〜C4アルキル基)を有する芳香族ポリアミン、たとえば2,4−および2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3−ジメチル−2,6−ジアミノベンゼン、1,4−ジエチル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジイソプロピル−2,5−ジアミノベンゼン、1,4−ジブチル−2,5−ジアミノベンゼン、2,4−ジアミノメシチレン、1,3,5−トリエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1,3,5−トリイソプロピル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−ジアミノベンゼン、1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、2,6−ジメチル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジイソプロピル−1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジブチル−1,5−ジアミノナフタレン、3,3´,5,5´−テトラメチルベンジジン、3,3´,5,5´−テトライソプロピルベンジジン、3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラブチル−4,4´−ジアミノジフェニルメタン、3,5−ジエチル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン,3,5−ジイソプロピル−3´−メチル−2´,4−ジアミノジフェニルメタン、3,3´−ジエチル−2,2´−ジアミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノベンゾフェノン、3,3´,5,5´−テトラエチル−4,4´−ジアミノジフェニルエーテル、3,3´,5,5´−テトライソプロピル−4,4´−ジアミノジフェニルスルホンなど〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;〔3〕核置換電子吸引基(Cl,Br,I,Fなどのハロゲン;メトキシ、エトキシなどのアルコキシ基;ニトロ基など)を有する芳香族ポリアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミン、3−ジメトキシ−4−アミノアニリン;4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチル−5,5´−ジブロモ−ジフェニルメタン、3,3´−ジクロロベンジジン、3,3´−ジメトキシベンジジン、ビス(4−アミノ−3−クロロフェニル)オキシド、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)プロパン、ビス(4−アミノ−2−クロロフェニル)スルホン、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)デカン、ビス(4−アミノフェニル)スルフイド、ビス(4−アミノフェニル)テルリド、ビス(4−アミノフェニル)セレニド、ビス(4−アミノ−3−メトキシフェニル)ジスルフイド、4,4´−メチレンビス(2−ヨードアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−ブロモアニリン)、4,4´−メチレンビス(2−フルオロアニリン)、4−アミノフェニル−2−クロロアニリンなど〕;〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ポリアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ポリアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基たとえばメチル,エチルなどの低級アルキル基)で置き換ったもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼンなど〕、ポリアミドポリアミン:ジカルボン酸(ダイマー酸など)と過剰の(酸1モル当り2モル以上の)ポリアミン類(上記アルキレンジアミン,ポリアルキレンポリアミンなど)との縮合により得られる低分子量ポリアミドポリアミンなど、ポリエーテルポリアミン:ポリエーテルポリオール(ポリアルキレングリコールなど)のシアノエチル化物の水素化物などが挙げられる。
ポリチオール(7)としては、エチレンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどが挙げられる。
本発明の分散液の製造方法を用いるのに適した樹脂(A)の数平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)にて測定、基準物質:ポリスチレン、以下Mnと略記する。〕は、好ましくは1,000〜500万、より好ましくは2,000〜500,000である。
樹脂(A)の溶解性パラメーター(SP値)は、好ましくは7〜18、より好ましくは8〜16、特に好ましくは9〜14である。SP値とは、下記に示したように、凝集エネルギー密度と分子容の比の平方根で表されるものである。
SP=(ΔE/V)1/2
ここでΔEは凝集エネルギー密度を表す。Vは分子容を表し、その値は、ロバート、エフ.フェードルス(Robert F.Fedors)らの計算によるもので、例えばポリマー エンジニアリング アンド サイエンス(Polymer engineering and science)第14巻、147〜154頁に記載されている。
樹脂(A)の融点は、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは45〜100℃である。
本発明における融点は、示差走査熱量測定(以下、DSCと記載する。)における吸熱ピークより求めたものである。
本発明に用いる溶剤(B)は、樹脂(A)が溶解しにくいものであれば特に制限は無く、例えばケトン溶剤(アセトン、メチルエチルケトン等)、エーテル溶剤(テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、環状エーテル等)、アミド溶剤(ジメチルホルムアミド等)、アルコール溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパノール、フッ素含有アルコール等)、芳香族炭化水素溶剤(トルエン、キシレン等)、および脂肪族炭化水素溶剤(オクタン、デカン等)などが挙げられる。これらの中では、メタノール、およびメタノールとアセトンの混合溶剤が好ましい。
溶剤(B)の溶解性パラメーター(SP値)は9〜16が好ましく、さらに好ましくは10〜15である。
溶剤(B)に対する樹脂(A)の溶解度は、25℃において5重量%以下が好ましく、より好ましくは2重量%以下である。
圧縮性流体(C)としては、樹脂(A)を溶解しにくいものであれば特に制限はなく、メタン、エチレン、代替フロン等でもよいが、安全性や、取り扱いの容易さなどの点から、液体状態の二酸化炭素又は超臨界状態の二酸化炭素(X)が好ましい。
本発明において、液体状態の二酸化炭素とは、二酸化炭素の温度軸と圧力軸とで表す相図上において、二酸化炭素の三重点(温度=−57℃、圧力0.5MPa)と二酸化炭素の臨界点(温度=31℃、圧力=7.4MPa)を通る気液境界線、臨界温度の等温線、および固液境界線に囲まれた部分の温度・圧力条件である二酸化炭素を表し、超臨界状態の二酸化炭素とは、臨界温度以上の温度・圧力条件である二酸化炭素を表す(ただし、圧力は、2成分以上の混合ガスの場合、全圧を表す)。
本発明の製造方法に用いる液体状態又は超臨界状態の二酸化炭素(X)中には、分散媒としての物性値(粘度、拡散係数、誘電率、溶解度、界面張力等)を調整するために、他の物質(Y)を適宜含んでよく、例えば、窒素、ヘリウム、アルゴン、空気等の不活性気体等が挙げられる。
二酸化炭素(X)と他の物質(Y)の合計中の二酸化炭素(X)の重量分率は、好ましくは70重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上、とくに好ましくは90重量%以上である。
本発明の製造方法において、樹脂(A)と共に、必要により、本発明の効果を阻害しない範囲で添加剤(D)〔着色剤(D1)、分散安定剤、レベリング剤、酸化防止剤、可塑剤、帯電防止剤、荷電制御剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、耐熱安定剤、難燃剤、充填剤など〕を用いても差し支えない。
着色剤(D1)を用いると、着色された樹脂(A)の分散液(E1)が得られ、塗料用組成物として用いることができる。
塗料用組成物として用いる分散液(E1)を得る場合、着色剤(D1)以外に、分散安定剤、レベリング剤、酸化防止剤、および可塑剤から選ばれる1種以上の添加剤など、塗料の分野において通常用いられる添加剤(D)を加えることができる。
上記着色剤(D1)としては、無機顔料、有機顔料、染料などが挙げられる。
無機顔料としては、白色顔料(酸化チタン、リトポン、鉛白、亜鉛華など);コバルト化合物(オーレオリン、コバルトグリーン、セルリアンブルー、コバルトブルー、コバルトバイオレットなど);鉄化合物(酸化鉄、紺青など);クロム化合物(酸化クロム、クロム酸鉛、クロム酸バリウムなど);硫化物(硫化カドミウム、カドミウムイエロー、ウルトラマリンなど)およびこれらの混合物などが挙げられる。
有機顔料としてはアゾレーキ系、モノアゾ系、ジスアゾ系、キレートアゾ系等のアゾ顔料;ベンジイミダゾロン系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、チオインジゴ系、ペリレン系、キノフタロン系、アンスラキノン系等の多環式顔料;およびこれらの混合物が挙げられる。
染料としてはアゾ系、アントラキノン系、インジゴイド系、硫化系、トリフェニルメタン系、ピラゾロン系、スチルベン系、ジフェニルメタン系、キサンテン系、アリザリン系、アクリジン系、キノンイミン系、チアゾール系、メチン系、ニトロ系、ニトロソ系、アニリン系およびこれらの混合物などが挙げられる。
着色剤(D1)の使用量は種類によって異なるが、得られる分散液(E1)の全重量に基づいて、好ましくは20%以下、さらに好ましくは1〜10%である。また、樹脂(A)の重量に対しては、好ましくは30%以下、さらに好ましくは5〜20%である。
分散安定剤としては特に限定はなく、公知のものを使用することができる。樹脂(A)が酸価を有する場合、分散性の観点より分散安定剤はアミノ基を有することが好ましい。樹脂(A)の酸価は1〜50が好ましく、さらに好ましくは3〜40、最も好ましくは5〜30である。アミノ基は1級、2級、3級のいずれでもよく、また含フッ素基、ジメチルシロキサン基を含む化合物の側鎖、片末端、両末端、側鎖両末端いずれの位置に導入されたものを使用してもよい。
分散安定剤の添加量は、分散安定性の観点から、樹脂(A)の重量に対し0.01〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは0.02〜40重量%、特に好ましくは0.03〜30重量%である。分散安定剤の好ましい重量平均分子量の範囲は100〜10万であり、さらに好ましくは200〜5万、特に好ましくは500〜3万である。この範囲内にすると、分散安定効果が向上する。
レベリング剤としては、オレフィン系重合体(重量平均分子量〔以下Mwと記載〕500〜5,000、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン)、オレフィン系共重合体[Mw500〜20,000、例えばエチレン−アクリル(アクリロニトリルなど)共重合体、エチレン−メタクリル共重合体]、(メタ)アクリル共重合体〔Mw1,000〜20,000、例えば商品名:モダフロー[ソルーシア(株)製]〕、ポリビニルピロリドン(Mw1,000〜20,000)、シリコーン系レベリング剤[Mw1,000〜20,000、例えば、ポリジメチルシロキサン、ポリフェニルシロキサン、有機(カルボキシル、エーテル、エポキシ等)変性ポリジメチルシロキサン、フッ素化シリコーン]、低分子化合物(ベンゾインなど)およびこれらの混合物などが挙げられる。
レベリング剤の使用量は、得られる分散液(E1)の全重量に基づいて、好ましくは5%以下、さらに好ましくは0.3〜3%である。
酸化防止剤としては、フェノール系〔2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン[商品名:イルガノックス1010、チバガイギー(株)製]など〕、硫黄系[ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート(DLTDP)、ジステアリル3,3’−チオジプロピオネート(DSTDP)など]、リン系[トリフェニルホスファイト(TPP)、トリイソデシルホスファイト(TDP)など]、アミン系[オクチル化ジフェニルアミン、N−n−ブチル−p−アミノフェノール、N,N−ジイソプロピル−p−フェニレンジアミンなど]およびこれらの混合物などが挙げられる。
酸化防止剤の使用量は、得られる分散液(E1)の全重量に基づいて、好ましくは5%以下、さらに好ましくは0.1〜2%である。
可塑剤としては、芳香族カルボン酸エステル系[フタル酸エステル(ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートなど)など]、脂肪族モノカルボン酸エステル系[メチルアセチルリシノレート、トリエチレングリコールジベンゾエートなど]、脂肪族ジカルボン酸エステル系[ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、アジピン酸−プロピレングリコール系ポリエステルなど]、脂肪族トリカルボン酸エステル系[クエン酸エステル類(クエン酸トリエチルなど)など]、リン酸トリエステル系[トリフェニルホスフェートなど]、およびこれらの混合物などが挙げられる。
可塑剤の使用量は、得られる分散液(E1)の全重量に基づいて、好ましくは20%以下、さらに好ましくは5〜15%である。
本発明の分散液の製造方法においては、樹脂(A)と溶剤(B)および必要により上記添加剤(D)を含有する(A)の融点以上の温度の混合物(M)に、圧力が2MPa以上である圧縮性流体(C)を混合し、その後減圧膨張して、(A)の融点以下として(A)を析出させると共に(C)を気化させて除去することで、粒子状の樹脂(A)が溶剤(B)中に分散された分散液(E)を得る。
分散液(E)の製造方法について詳細に説明する。
まず、樹脂(A)と溶剤(B)を混合する。樹脂(A)の量は、溶剤(B)に対して1〜100重量%使用するのが好ましく、さらに好ましくは10〜80重量%、特に好ましくは20〜60重量%である。この範囲内において分散液(E)を、取り扱いしやすい粘度で得ることができる。
(A)と(B)を混合し、(A)の融点以上の温度の混合物(M)〔好ましくは樹脂(A)の溶剤(B)溶液〕とする手順としては特に制限はなく、常温の(A)と(B)を混合した後に加熱しても、加熱した(A)あるいは(B)にもう一方を導入しても、どちらでもよい。
添加剤(D)を用いる場合、混合物(M)中に添加剤(D)を含有させる方法としては、あらかじめ樹脂(A)と、または樹脂(A)と溶剤(B)の混合物と添加剤(D)を混合した後、分散させるのが好ましい。
(A)と(B)と(D)の合計重量に対する、添加剤(D)の合計重量は、好ましくは70重量%以下、さらに好ましくは0.1〜60重量、特に好ましくは0.3〜50重量%である。
樹脂(A)と溶剤(B)と必要により添加剤(D)の(A)の融点以上の温度の混合物(M)と、圧力が2MPa以上である圧縮性流体(C)を混合する方法は特に限定されないが、好ましい具体的な方法としては、混合物(M)と圧縮性流体(C)の混合を耐圧式の容器で行う場合、混合物(M)を耐圧式の容器に仕込み、(M)の温度が樹脂(A)の融点よりも低い場合は、融点以上の温度まで加熱し、(A)を(B)に溶解させる。(A)が完全に融解した後、耐圧容器に備え付けたポンプ等の加圧手段により、所望の圧力に達するまで圧縮性流体(C)を容器内に導入し、混合物(M)と混合する。圧縮性流体(C)を導入することで混合物(M)の体積が膨張するため、混合物(M)の初期仕込み量は、容器の容積に対して10〜60体積%が好ましい。
本発明の分散液の製造方法に用いる耐圧容器は、2MPa以上の使用圧力に耐え得るものであり、容器内で混合物(M)と圧縮性流体(C)を攪拌混合できる設備を備え付けたもので、さらに容器下部に混合物(M)取り出し用のノズルを備えているものが好ましい。ノズルの口径は、0.1〜5mm程度で、ニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、圧縮性流体(C)混合後の混合物(M)を高圧状態から大気中に一気に噴出させることができるものが好ましい。
樹脂(A)、溶剤(B)、圧縮性流体(C)、および必要により添加剤(D)の混合物は、大気圧中に瞬時に減圧膨張させる必要があるため、適度な粘度であることが好ましい。さらに粒度分布の観点から、25℃において、好ましくは100Pa・s以下、さらに好ましくは10Pa・s以下である。
また、圧縮性流体(C)〔とくに二酸化炭素(X)〕と混合物(M)を混合する際の圧力は、樹脂(A)を(C)中に良好に分散させるために、通常2MPa以上、好ましくは7MPa以上であり、設備コスト、運転コストの観点から、好ましくは40MPa以下である。さらに好ましくは7.5〜35MPa、より好ましくは8〜30MPa、とくに好ましくは8.5〜25MPaである。
圧縮性流体(C)の導入後、しばらく攪拌することで(C)を十分混合物(M)に浸透させる。攪拌時間は、圧縮性流体(C)が全体に十分混合される最低限度の時間でよく、10〜30分程度攪拌するのが好ましい。(C)を十分混合することにより(M)の粘度を下げ、次工程の減圧膨張による樹脂(A)の微粒子化を効果的に行うことができる。
また、混合物(M)と圧縮性流体(C)の攪拌混合時の温度は、過昇温による分散質の凝集防止や、吐出時の混合物(M)の温度調整などの点から、好ましくは15〜120℃、さらに好ましくは30〜100℃である。
攪拌後、容器下部ノズルよりバルブを開けて混合物(M)を一気に大気圧まで減圧膨張させる。これにより(M)の温度が急激に下がり、樹脂(A)の融点以下の温度となり溶解した樹脂(A)が析出する。さらに圧縮性流体(C)を気化させて除くことで、必要により添加剤(D)を含有する樹脂(A)が溶剤(B)中に分散された分散液(E)が得られる。この減圧膨張による晶析工程で、混合物(M)の温度を十分に下げ、樹脂(A)を十分に析出させるため、減圧膨張前の(M)の温度は、樹脂(A)の融点または融点より少し高い温度〔好ましくは(融点)〜(融点+15)℃〕に保つのが好ましい。また、混合物(M)を一気に減圧膨張させる方法としては、ノズルに取り付けたニードルバルブあるいはボールバルブの開閉により、高圧下から吐出させるのが好ましい。ノズル口径としては、直径0.1〜5mmが好ましく、より好ましくは0.5〜4mm、特に好ましくは1〜3mmである。
混合物(M)と圧縮性流体(C)の混合は、上記の耐圧容器内で行う方法以外に、ラインブレンド(インライン混合)方法により連続的に行うことが、生産性の向上、品質の一定化、製造スペースの縮小化等の面から好ましい。
ラインブレンド方法に用いる装置の具体例として、スタティックミキサー、インラインミキサー、ラモンドスーパーミキサー、スルザーミキサーのような静止型インライン混合機や、バイブミキサー、ターボミキサーのような撹拌型インライン混合機などが挙げられる。装置のミキサー部分の長さおよび配管径、ミキシング装置(エレメント)数に何ら限定はないが、2MPa以上の使用圧力に耐え得るものでなければならない。
ラインブレンド方法に用いる装置の出口には、耐圧容器と同様の、混合物取り出し用のノズルを備えているのが好ましい。
混合物(M)と圧縮性流体(C)の混合方法としては、まず、圧縮性流体(C)をラインブレンドを行う装置内に導入して圧力が2MPa以上(好ましい圧力は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様)となるよう調整し、次いで(M)を(C)に導入するのが好ましい。
ラインブレンドを行う温度は、前記の耐圧容器を用いて混合する場合と同様である。また、装置内の滞留時間は、混合が十分行われるのであれば特に限定されないが、0.1〜1800秒が好ましい。
ラインブレンド後の混合物(M)を大気圧まで減圧膨張させ、圧縮性流体(C)を気化させて除くことで、必要により添加剤(D)を含有する樹脂(A)が溶剤(B)中に分散された分散液(E)が得られる。
分散液(E)中の樹脂(A)〔必要により、着色剤(D1)等の添加剤(D)を含有してもよい。〕は、メジアン径が10μm以下の粒子状で微細化しているのが好ましく、さらに好ましくは3μm以下であり、とくに好ましくは0.01μm以上1μm以下で、10μm以上の粒子が存在しないことである。
メジアン径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば LB−550:堀場製作所製)、レーザー式粒度分布測定装置(例えば LA−920:堀場製作所製)、およびマルチサイザーIII(ベックマン・コールター社製)等で測定できる。
本発明の製造方法により得られる分散液(E)中の樹脂(A)の濃度は、好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは20〜80重量%である。
また、本発明の分散液の製造方法により得られる分散液(E)中の分散質〔樹脂(A)および必要により用いる添加剤(D)〕の濃度は、好ましくは10〜95重量%、さらに好ましくは22〜90重量%である。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下の記載において「部」は重量部を示す。
製造例1<樹脂(A−1)の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下、プロピレングリコールと記載)831部、テレフタル酸653部、アジピン酸97部、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が87℃になった時点で180℃まで冷却し、さらに無水トリメリット酸24部、テトラブトキシチタネート0.5部を投入し90分反応させた後、取り出した。回収されたプロピレングリコールは442部であった。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、ポリエステル樹脂(A−1)を得た。この樹脂のMnは2100、融点は47℃であった
製造例2<樹脂(A−2)の調製>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、プロピレングリコール729部、テレフタル酸683部、アジピン酸67部、無水トリメリット酸38部および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させた。回収されたプロピレングリコールは172部であった。軟化点が160℃になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化し、ポリエステル樹脂(A−2)を得た。この樹脂のMnは5700、融点は63℃であった。
製造例3<樹脂(A−3)の調製>
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、水酸基価276のビスフェノールAのEO付加物(三洋化成工業(株)製、商品名「ニューポール BPE−40」)を100部、2,2−ジメチロールプロピオン酸を43部、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸ナトリウムを5部、イソホロンジイソシアネートを64部、ヘキサメチレンジイソシアネートを38部、トリエチルアミンを3部およびテトラヒドロフランを250部、窒素を導入しながら仕込んだ。その後70℃に加熱し、8時間かけてウレタン化反応を行い、溶剤を留去することでポリウレタン樹脂(A−3)を得た。この樹脂のMnは4500、融点は56℃であった。
実施例1
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、製造例1で得られたポリエステル樹脂(A−1)26.0部、酸化チタン「CR−50」[石原産業(株)製]4部、メタノール50部、およびアセトン20部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し10MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、ポリエステルを析出させ、二酸化炭素を気化させ除去して、ポリエステル分散液(E−1)を得た。(E−1)中の分散質の濃度は32重量%、分散質のLA−920(以下の分散質についても同様)によるメジアン径は0.77μmで、10μm以上の割合が0体積%であった。
実施例2
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、製造例2で得られたポリエステル樹脂(A−2)26.0部、酸化チタン「CR−50」4部、メタノール50部、およびアセトン20部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度70℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し10MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、ポリエステルを析出させ、二酸化炭素を気化させ除去して、ポリエステル分散液(E−2)を得た。(E−2)中の分散質の濃度は28重量%、分散質のメジアン径は0.84μmで、10μm以上の割合が0体積%であった。
実施例3
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、製造例3で得られたポリウレタン樹脂(A−3)26.0部、酸化チタン「CR−50」4部、メタノール50部、およびアセトン20部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度65℃まで昇温した。昇温後二酸化炭素を供給し10MPaにして10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、ポリウレタンを析出させ、二酸化炭素を気化させ除去して、ポリウレタン分散液(E−3)を得た。(E−3)中の分散質の濃度は37重量%、分散質のメジアン径は0.92μmで、10μm以上の割合が0体積%であった。
実施例4
図1に示すラインブレンド方法を用いる実験装置〔ラインブレンド装置(M1)としては、スタティックミキサー(ノリタケカンパニーリミテド社製;内径3.4mm、エレメント数27)を使用した〕において、まずT1に製造例1で得られたポリエステル樹脂(A−1)24.0部とメタノール100部の混合物を仕込み、密閉して攪拌しながら加熱し、系内温度60℃まで昇温し、均一溶液を作製した。ボンベB1、ポンプP2より二酸化炭素を0.2L/hの流量で導入し、バルブV1を調整し、10MPaとした。次いで、タンクT1、ポンプP1よりポリエステル溶液を0.5L/hの流量で導入し、10MPaを維持しながら、M1でラインブレンドされた混合液をノズルからT2内(大気圧)に開放することで、ポリエステル樹脂を析出させ、二酸化炭素を気化させ除去して、ポリエステル分散液(E−4)を得た。(E−4)中の分散質の濃度は34重量%、分散質のメジアン径は0.68μmで、10μm以上の割合が0体積%であった。
比較例1
攪拌棒および温度計をセットした耐圧反応容器に、製造例1で得られたポリエステル樹脂(A−1)24.0部、酸化チタン「CR−50」4部、メタノール50部、およびアセトン20部を、耐圧反応容器の容積の40%まで仕込み、密閉して攪拌しながら室温(20℃)で二酸化炭素を供給し5MPaにした。10分間攪拌した後、容器下部に取り付けたノズルを全開して大気中に開放することで、二酸化炭素を気化させ除去して、比較のポリエステル分散液(E’−1)を得た。(E’−1)中の分散質の濃度は35重量%、分散質のメジアン径は3.25μmで、10μm以上の割合が1.3体積%であった。
本発明の分散液の製造方法により、樹脂等の分散質が分散溶剤中に微細に分散され、塗料用途等に有用な分散液を、迅速に、かつ少ない動力で製造できる。
T1:溶解槽(最高使用圧力20MPa、最高使用温度200℃、攪拌機つき)
T2:分散液受け槽
B1:二酸化炭素ボンベ
P1:溶液ポンプ
P2:二酸化炭素ポンプ
M1:スタティックミキサー
V1:バルブ

Claims (5)

  1. 樹脂(A)と溶剤(B)を含有する(A)の融点以上の温度の混合物(M)と、圧力が2MPa以上である圧縮性流体(C)を混合し、その後減圧膨張して、(A)の融点以下として(A)を析出させると共に(C)を気化させ除去することで、樹脂(A)が溶剤(B)中に分散された分散液(E)を得る工程を含む分散液の製造方法。
  2. 圧縮性流体(C)が液体状態または超臨界状態の二酸化炭素(X)である請求項1記載の分散液の製造方法。
  3. 得られる分散液(E)中の樹脂(A)のメジアン径が10μm以下である請求項1または2記載の分散液の製造方法。
  4. 混合物(M)中にさらに着色剤(D1)を含有させて、着色された樹脂(A)の分散液(E1)を得る請求項1〜3のいずれか記載の分散液の製造方法。
  5. 請求項4記載の製造方法により得られた分散液(E1)からなる塗料用組成物。
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