JP2011177110A - コーヒー飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】乳清ミネラルを含有するコーヒー飲料において、飲み応え(ボディー)と乳風味に優れ、しかも乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味がなく、香味バランスの優れた飲料を提供する。
【解決手段】乳清ミネラルとともに乳糖を併用することにより、乳清ミネラルの渋味や収斂味等の後口の悪さがマスキングされ、香味バランスが良好で、しかも乳風味に優れ、飲み応えのあるコーヒー飲料となる。
【選択図】なし

Description

本発明は、乳清ミネラルとともに乳糖を添加したコーヒー飲料に関する。さらには脂質の含有量を一定以下に抑えたコーヒー飲料において、乳清ミネラルとともに乳糖を添加したコーヒー飲料に関する。
缶コーヒーは昭和45年に発売されて以来、長期のロングセラー商品となり、現在、缶コーヒーをはじめとする容器詰コーヒー飲料は、清涼飲料の中でも生産量、生産額ともにトップとなっており、糖質の種類や量、乳固形分の量によってさまざまなタイプの製品が開発されている。
近年、健康志向や低カロリー志向の高まりから、糖類の含有量を一定以下に抑えた微糖タイプ、あるいは無糖タイプのコーヒー飲料が消費者に受け入れられており、これら微糖タイプ、あるいは無糖タイプのコーヒー飲料の中には、さらに乳脂肪分を一定量以下に抑えたコーヒー飲料が商品化されている。
しかしながら、これらのコーヒー飲料においては、糖類とともに脂質の含有量が一定以下に抑えられているため、コーヒー飲料としての飲み応え(ボディー)が大きく損なわれ、その上、乳風味が弱く、コーヒー飲料としての香味バランスが崩れてしまう。コーヒー飲料の脂質含有量を低くすると、特に乳由来の深みのある濃厚な味わいと乳風味とが薄れてくる。
他方、乳清ミネラルは、通常、乳からチーズやカゼイン等を製造又は取り出した際の残りのホエーから限外ろ過やイオン交換等の方法を用いてミネラルを分離濃縮したもので、栄養強化目的で使用される他、例えば、基本風味を維持しながらカドのとれた厚みのある風味に調味することができる調味料(特許文献1、特許文献2)や、苦味や渋味、えぐみのマスキング剤(特許文献3、特許文献4)、また高甘味度甘味料であるスクラロースの甘味質改善目的(特許文献5)等として使用されている。
特開2008−54663号公報 特開2008−54666号公報 特開2008−54664号公報 特開2008−54667号公報 特開2000−175648号公報
このような観点から本発明者らは、糖類とともに脂質の含有量を一定以下に抑えることにより不足したコーヒー飲料としての飲み応え(ボディー)を補充するために、乳清ミネラルを配合することを試みた。しかしながら乳清ミネラルには、それ自体に塩味とともに独特の後口の渋味・収斂味があるため、コーヒー飲料に配合した際、その渋味・収斂味が発生し香味バランスが崩れてしまうことが明らかとなった。特に糖類とともに脂質の含有量を一定以下に抑えたコーヒー飲料においては、乳清ミネラルの渋味・収斂味が表面化し、香味バランスが大きく崩れてしまう。また脂質の含有量を一定以下に抑えることにより不足した乳風味は、乳清ミネラルを添加しても補えないことが明らかとなった。
さらに、脂質の含有量を一定以下に抑えなければならない低脂質含量のコーヒー飲料においては、牛乳を多量に添加することができないため、不足したコーヒー飲料としての飲み応え(ボディー)を補充するには、相当量の乳清ミネラルの添加が必要となり、乳清ミネラルに起因する渋味・収斂味が顕著となってしまう。そこで、糖類でない甘味料、例えばアセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料を併用して乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味をマスキングすることを試みたが、乳清ミネラルの添加量に応じて相当量の高甘味度甘味料を添加する必要があるため、過度に甘味が目立ってしまい香味バランスをうまく保つことができなかった。
例えば糖類の含有量が5質量%以下である糖類含量が比較的少ないタイプのコーヒー飲料や約2質量%である微糖タイプのコーヒー飲料、0.5質量%未満である無糖タイプのコーヒー飲料であって、脂質の含有量を0.5質量%未満に抑えたコーヒー飲料において、コーヒー飲料としての飲み応え(ボディー)を付与するために乳清ミネラルを添加した場合に、乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味が表面化してしまうこと、そしてこの乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味は、アセスルファムカリウムなどの高甘味度甘味料ではバランスよくマスキングすることができないこと、さらに乳清ミネラルによって乳風味は改善できないことが判った。そのため、乳成分を多量に使用せずとも乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味をマスキングするとともに乳風味のあるコーヒー飲料の開発が強く望まれていた。
したがって、本発明は、コーヒー飲料において、飲み応え(ボディー)及び乳風味があり、しかも乳清ミネラルに由来する後口の渋味・収斂味がなく、香味バランスの優れた飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を行った。そして、乳清ミネラルとともに乳糖を併用することにより、乳清ミネラルの渋味や収斂味等の後口の悪さがマスキングされ、香味バランスが良好で、しかも乳風味に優れ、飲み応えのあるコーヒー飲料となることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、これに限定されるものではないが、以下の発明を包含する。
(1) 乳清ミネラル及び乳糖が添加されたコーヒー飲料。
(2) 脂質の濃度が、0.5質量%未満である、(1)に記載のコーヒー飲料。
(3) 糖類の濃度が、5質量%以下である、(1)又は(2)に記載のコーヒー飲料。
(4) 乳清ミネラルの灰分量が、0.0005質量%以上である、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
(5) 乳清ミネラルの灰分量(A)に対する乳糖(B)の質量比((B)/(A))が、3.0〜50である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
(6) 殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料である、(1)〜(5)のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
(7) 乳清ミネラルとともに乳糖を添加することによる、コーヒー飲料の呈味改善方法。
(8) 乳清ミネラルの灰分量(A)に対する乳糖(B)の質量比((B)/(A))が、3.0〜50となるように乳糖を添加する、(7)に記載の呈味改善方法。
(9) 前記コーヒー飲料の脂質濃度が0.5質量%未満である、(7)又は(8)に記載の呈味改善方法。
(10) 前記コーヒー飲料の糖類濃度が5質量%以下である、(7)〜(9)のいずれか1項記載の呈味改善方法。
(11) 乳糖を有効成分とする、乳清ミネラル含有コーヒー飲料の呈味改善剤。
本発明によると、乳清ミネラルとともに乳糖を併用することにより、乳清ミネラルの渋味や収斂味等の後口の悪さがマスキングされ、香味バランスが良好で、しかも乳風味に優れ飲み応えのあるコーヒー飲料を提供する事が可能になる。
また本発明によると、乳清ミネラルとともに乳糖を併用することにより、特に糖類の含有量が5質量%以下である糖類含量が比較的少ないタイプのコーヒー飲料や約2質量%である微糖タイプのコーヒー飲料、0.5質量%未満である無糖タイプのコーヒー飲料であって、さらに脂質の含有量を0.5質量%未満に抑えたコーヒー飲料において、低カロリーでありながら、乳清ミネラルの渋味や収斂味等の後口の悪さがマスキングされ、香味バランスが良好で、しかも乳風味に優れ、飲み応えのあるコーヒー飲料を提供する事が可能になる。したがって、本発明によれば、糖類含有量および脂質含有量が低いコーヒー飲料に対して、良好な香味バランス、優れた乳風味と飲み応えを付与することができ、乳清ミネラルに起因する渋味や収斂味等の後口の悪さを抑制することができる。
また本発明により、乳清ミネラルの独特の後口の悪さが解消し汎用性が向上するため、乳のコクを保持しながら、糖類や牛乳の添加量を抑えたコーヒー飲料、あるいはブラックコーヒーでありながら、乳風味を有する新ジャンルのコーヒー飲料を提供する事が可能になる。
本発明のコーヒー飲料は、乳清ミネラル及び乳糖が添加されたコーヒー飲料である。
本明細書でいう「コーヒー飲料」とは、コーヒー分を原料として使用し、加熱殺菌工程を経て製造される飲料製品のことをいう。製品の種類は特に限定されないが、1977年に認定された「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」の定義である「コーヒー」「コーヒー飲料」「コーヒー入り清涼飲料」が主に挙げられる。また、コーヒー分を原料とした飲料においても、乳固形分が3.0質量%以上のものは「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の適用を受け、「乳飲料」として取り扱われるが、これは、本発明におけるコーヒー飲料に含まれるものとする。
ここで、コーヒー分とは、コーヒー豆由来の成分を含有する溶液のことをいい、例えば、コーヒー抽出液、すなわち、焙煎、粉砕されたコーヒー豆を水や温水などを用いて抽出した溶液が挙げられる。また、コーヒー抽出液を濃縮したコーヒーエキス、コーヒー抽出液を乾燥したインスタントコーヒーなどを、水や温水などで適量に調整した溶液も、コーヒー分として挙げられる。
乳清ミネラルとは、通常、牛乳を初めとする哺乳動物の乳から得られる乳清(ホエー)または乳そのものを原料とし、限外ろ過やイオン交換等の方法を用いてミネラルを分離濃縮し、ナトリウム及びカリウム等の灰分(ミネラル成分)を主成分とした無脂乳固形分等を含有するものである。具体的な製造方法としては、乳又は乳清(乳を使用してチーズを製造する際に副産物として得られるホエーや、カゼイン製造の際に副産物として得られるホエー、乳を限外濾過することによって得られるホエーなど)を原料として、これを膜分離(精密濾過膜分離、限外濾過膜分離、ナノ濾過膜分離、逆浸透膜分離、透析膜分離等)、及び/又はイオン交換(陽イオン交換膜法や陰イオン交換膜法を用いる電気透析膜分離やイオン交換樹脂による方法等)、さらには冷却により、蛋白質と乳糖を除去して乳清ミネラルを得ることができる。得られた乳清ミネラルは、液状のままとしてもよいが、保存や取扱いのうえから、これを濃縮及び/又は乾燥してもよい。濃縮方法としてはエバポレーターを用いた減圧濃縮法等、また乾燥方法としては噴霧乾燥や凍結乾燥等、一般に用いられる方法を適宜選択すればよい。
本発明においてボディー感を付与するために使用する乳清ミネラルは上記いずれの方法によって製造されたものであってもよく、例えば、特開2008−54663号公報に記載の方法に従って製造されたものを使用することができる。
また本発明の乳清ミネラルの組成としては、例えば、特開2008−54666号公報に記載の乳清ミネラルを使用することもできるが、特に限定されるものではない。
本発明のコーヒー飲料は、乳清ミネラルと乳糖とを配合することによって、乳清ミネラルによるボディー感を奏しつつ、乳清ミネラルによる後口の渋味・収斂味が抑制された、香味バランスと乳風味に優れたコーヒー飲料となっている。すなわち、乳清ミネラルを添加した場合に発生する独特の渋味・収斂味を、乳糖を添加することによりマスキングし、さらに乳風味を付与したものであり、低カロリーでありながら、香味バランスのとれたコーヒー飲料である。
本発明において乳清ミネラルによる後口の渋味・収斂味を抑え、さらに乳風味を付与するために、コーヒー飲料に乳糖を添加する。添加する乳糖としては、チーズホエイから分画精製されたものなどが挙げられる。乳糖は、ラクトースとも呼ばれ、グルコースの4位にガラクトースがグリコシド結合した二糖類である。乳糖は、哺乳動物の乳中に多く含まれ、乳に甘みを与えている。乳中の糖質の約90%以上は乳糖であり、牛乳100g中に約4.5gの乳糖が含まれる。牛乳に含まれる炭水化物の殆どは乳糖であるため炭水化物を乳糖として代表させることが多い。乳糖の相対甘味度は、ショ糖を100とした場合にαラクトースで16〜38、βラクトースで48であり、ショ糖に比べて甘みははるかに弱い。
一般に乳糖は、ホエーを原料として製造され、粗製乳糖製造法と精製乳糖製造法とに大別される。粗製乳糖製造法では、例えば、新鮮ホエーに少量の塩化カルシウムと水酸化ナトリウムを加えて約90℃に加熱し、遊離してくるたん白質を除去し、真空濃縮する。その後、約20℃まで撹拌しながら冷却し、析出した乳糖結晶を遠心分離して回収する。この方法で得られる粗製乳糖中の乳糖含有量は約90%である。一方、精製乳糖製造法では、例えば、粗製乳糖を溶解し、約90℃に加熱して水酸化ナトリウムを加え中和する。これに活性炭を入れて脱色するが、この際ホエーたん白質を除去するため、0.2%の酢酸および少量の硫酸マグネシウムを加える。この前処理を行ったあと、清澄液を真空濃縮し、その後撹拌しながら冷却して再結晶化を行い、析出した結晶を遠心分離して回収する。結晶は水洗後乾燥し、さらに粉砕して製品とする。本発明の「精製した乳糖」とは、乳糖含有量が約90%以上の乳糖であって、いずれの方法で精製されたものでもよく、上述の粗製乳糖であっても、また精製乳糖であっても、あるいは粗製乳糖と精製乳糖の混合物であってもよい。
本発明においては、乳成分からの持ち込み分として乳糖をコーヒー飲料に含ませるのではなく、乳糖をコーヒー飲料に添加して本発明の効果を発揮させる。精製した乳糖を添加することによって本発明の効果が最大限に発揮される理由の詳細は明確でなく、本発明は以下の推測に拘束されるものではないが、単に牛乳などを添加しても、牛乳に含まれるタンパク質の味が目立ってしまうため乳糖の甘みが隠れ、乳糖によるマスキング効果が十分に発揮されないものと推測される。
本発明のコーヒー飲料において糖類の含有量は、特に制限されるものではないが、低カロリーのコーヒー飲料を提供するという観点から、飲料中の糖類の総含有量が5質量%以下が好ましく、3質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、1質量%以下が最も好ましい。本発明のコーヒー飲料は、糖類の含有量が0.5質量%未満の無糖タイプであってもよい。ここで糖類とは、単糖類(ぶどう糖、果糖)と二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖)を差す。
本発明のコーヒー飲料において、牛乳等の乳成分の添加量に特に制限はないが、風味バランスの取れた低カロリーのコーヒー飲料を提供するという点から、飲料中の脂質の総含有量が0.5質量%未満となるような量で乳成分が添加されることが好ましい。また乳成分を含まないブラックタイプであってもよい。なお飲料中の脂質は、栄養表示基準に基づき、エーテル抽出法、クロロホルム・メタノール混液抽出法、ゲルベル法、酸分解法又はレーゼゴットリーブ法の分析方法によって分析されるものである。
ここで、乳成分とは、コーヒー飲料に乳風味や乳感を付与するために添加される成分を指し、主に哺乳動物の乳、牛乳及び乳製品のことをいい、例えば、生乳、牛乳、特別牛乳、部分脱脂乳、脱脂乳、加工乳、乳飲料などが挙げられ、乳製品としては、クリーム、濃縮ホエイ、濃縮乳、脱脂濃縮乳、無糖れん乳、加糖脱脂れん乳、全粉乳、脱脂粉乳、クリームパウダー、ホエイパウダー、バターミルクパウダー、調整粉乳などが挙げられる。
本発明のコーヒー飲料は乳清ミネラルを含有するものであるが、その含有量としては、飲料にボディー感を付与することができる量であれば特に制限はない。飲料中の乳清ミネラル由来の灰分量が0.0005質量%以上となるように添加することができ、好ましくは0.0005〜0.30質量%、より好ましくは0.001〜0.20質量%、さらに好ましくは0.0015〜0.15質量%となるように、コーヒー飲料に乳清ミネラルを添加することができる。0.30質量%を超えるような量で乳清ミネラルを用いると、渋味・収斂味が強くなることがある。
本発明のコーヒー飲料は、乳清ミネラルを添加した場合に発生する特有の後口の渋味・収斂味を、乳糖を添加することによりマスキングし、コーヒー飲料に乳風味を付与することが特徴である。乳糖は、飲料全体に対し0.005質量%以上添加することが好ましく、0.01質量%以上添加することがより好ましい。乳清ミネラル特有の後口の渋味・収斂味に対するマスキング効果及び乳風味の付与効果という点から、乳清ミネラルの灰分量(A)に対する乳糖(B)の質量比((B)/(A))は、3.0〜50が好ましく、3.5〜40がより好ましく、5.0〜25となるように乳糖の添加量を調節することがさらに好ましい。(B)/(A)が、3.0未満では、乳糖によるマスキング効果及び乳風味付与効果を十分発揮することができず、また50を超えてしまうと、乳糖特有の甘みが目立ち、香味のバランスを崩してしまうおそれがある。
本発明のコーヒー飲料には、上述の成分の他、コーヒー飲料に通常配合される成分、例えば、天然非糖質甘味料(ステビア抽出物、カンゾウ抽出物等)や合成非糖質甘味料(アセスルファムカリウム、スクラロース、アスパルテーム等)のような高甘味度甘味料などの甘味料、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等のpH調整剤、沈殿物や凝集物の発生抑制を目的とした各種乳化剤・安定剤、香料等を配合することができる。合成非糖質甘味料を用いる場合、アセスルファムカリウムを用いることが好ましい。アセスルファムカリウムを配合することによって、糖類の含有量を一定以下に抑えつつ、甘味を付与し香味バランスのとれたコーヒー飲料を提供することができる。
本発明のコーヒー飲料は、慣用的方法によって、容器詰飲料とすることができる。例えば、コーヒー抽出液に必須成分(乳清ミネラル及び乳糖)及び必要に応じて、他の甘味成分、乳成分及び各種添加剤等を添加して調合液を得、加熱殺菌処理を行う。なお各成分は常法に従ってコーヒー抽出液に添加する。調合液の殺菌方法としては、高温で短時間殺菌した後、無菌条件下で殺菌処理された保存容器に充填する方法(UHT殺菌法)と、調合液を缶等の保存容器に充填した後、レトルト処理を行うレトルト殺菌法とがあるがいずれの方法を用いてもよい。殺菌条件は、コーヒー飲料の調合液の特性、及び用いる容器に応じて適宜設定すればよいが、UHT殺菌法の場合、通常120〜150℃で1〜120秒間程度、好ましくは130〜145℃で30〜120秒間程度の条件であり、レトルト殺菌法の場合、通常110〜130℃で10〜30分程度、好ましくは120〜125℃で10〜20分間程度の条件である。充填される容器は、殺菌方法や保存方法に合わせて適宜選択すればよく、アルミ缶、スチール缶、PETボトル、ガラス瓶、紙容器など、通常用いられる容器のいずれも用いることができる。
また別の観点からは、本発明は、コーヒー飲料に対して乳清ミネラル及び乳糖を添加することを含む、コーヒー飲料の製造方法にも関する。さらに他の観点からは、本発明は、乳清ミネラル及び乳糖を添加することを含む、コーヒー飲料の呈味改善方法にも関する。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
以下の実施例では、乳清ミネラルとして「みるくのミネラル」(株式会社ADEKA製)を使用した。該乳清ミネラルは89.7質量%の水分と10.3質量%の無脂乳固形分(うち灰分6.4質量%)から構成されるものである。また、灰分としてはカリウムとナトリウムが主成分であり、乳清ミネラル中にカリウム約2.3質量%、ナトリウム約0.6質量%を含む。また該乳清ミネラルは、乳たんぱく質と乳糖を含まない。
試験例1:コーヒー飲料
焙煎コーヒー豆(L値22.5)(アラビカ種)を粉砕機(日本グラニュレーター社製)で粉砕し(粉砕の程度:中細挽き)、94℃の熱水でドリップ抽出を行い、Brix2.5(%)のコーヒー抽出液(焙煎コーヒー豆の抽出物)を得た。このコーヒー抽出液を500メッシュで濾過して不溶性固形分を除いたものを以下で使用した。
以下の表に示す処方にて、コーヒー抽出液、重曹、アセスルファムカリウム、牛乳、乳清ミネラル(「みるくのミネラル」)、乳糖(レプリノフーズ(Leprino Foods)社製)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。
調製したコーヒー飲料を室温にて専門パネラーにより官能評価を行った。官能評価は、後口に残る渋味・収斂味については、認められない場合に「−」とし、認められる場合は強度レベルに従って「+」〜「++++++++」として評価した。同様に乳風味については、認められない場合に「−」とし、認められる場合は強度レベルに従って「+」〜「++++++」として評価した。コーヒー飲料としての厚味については、厚味が付与されていない場合に「−」とし、付与されている場合は強度レベルに従って「+」〜「+++++++」として評価した。
Figure 2011177110
乳清ミネラルをコーヒー飲料に添加すると、添加量が大きくなるにつれて、後口に残る渋味・収斂味が顕著になる傾向があった。また、乳清ミネラルのみをコーヒー飲料に添加しても、コーヒー飲料としての厚味(ボディー感)は増すが、好ましい乳風味は増さなかった。
Figure 2011177110
ブラックコーヒーの場合と同様に、乳清ミネラルをコーヒー飲料に添加すると、添加量が大きくなるにつれて、乳清ミネラルに起因する渋味・収斂味が強くなったが、この傾向は、ミルク入りコーヒーの方が顕著であった。
また、ミルク入りコーヒーでは、ブラックコーヒーに比べて乳風味が多少増すが、十分ではない。また、乳清ミネラルのみをコーヒー飲料に添加しても、コーヒー飲料としての厚味(ボディー感)は増すが、好ましい乳風味は増さなかった。
Figure 2011177110
Figure 2011177110
乳清ミネラルに加えて乳糖を添加すると、コーヒー飲料としての厚味(ボディー感)、好ましい乳風味がともに増した。
Figure 2011177110
コーヒー飲料中の(乳糖)/(乳清ミネラルの灰分)が3.7以上になると、本発明の効果が顕著に認められた。ただし、(乳糖)/(乳清ミネラルの灰分)の質量比が73.2になると、乳糖特有の甘みが目立ち、香味のバランスが悪かった。
Figure 2011177110
ミルク入りコーヒー飲料についても評価したが、ブラックコーヒーと同様の結果であった。
試験例2:容器詰めコーヒー飲料
試験例1と同様に作製したコーヒー抽出液を用い、以下の表に示す処方で、重曹、アセスルファムカリウム、牛乳、乳清ミネラル(「みるくのミネラル」)、乳糖(レプリノフーズ(Leprino Foods)社製)を適宜混合して溶解し、コーヒー飲料を調製した。
このコーヒー飲料を65〜70℃に加温し、均質化処理を行ない(総ゲージ20MPa、第1段(入口)15MPa、第2段(出口)5MPa)、スチール製容器に190gずつ充填し、120〜125℃、約25分のレトルト殺菌を行い、レトルト殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料を製造した。
得られた容器詰めコーヒー飲料を室温で3日間保存後、室温にて専門パネラーにより官能評価を行った結果、乳清ミネラル特有の渋味や収斂味がマスキングされながら、乳風味かつコーヒー飲料としてのコクに優れ、コーヒー飲料としての香味バランスが良好であった。また、ブラックコーヒーの方が本発明の効果が顕著となる傾向があった。
Figure 2011177110

Claims (11)

  1. 乳清ミネラル及び乳糖が添加されたコーヒー飲料。
  2. 脂質の濃度が、0.5質量%未満である、請求項1に記載のコーヒー飲料。
  3. 糖類の濃度が、5質量%以下である、請求項1又は2に記載のコーヒー飲料。
  4. 乳清ミネラルの灰分量が、0.0005質量%以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
  5. 乳清ミネラルの灰分量(A)に対する乳糖(B)の質量比((B)/(A))が、3.0〜50である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
  6. 殺菌処理された容器詰めコーヒー飲料である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコーヒー飲料。
  7. 乳清ミネラルとともに乳糖を添加することによる、コーヒー飲料の呈味改善方法。
  8. 乳清ミネラルの灰分量(A)に対する乳糖(B)の質量比((B)/(A))が、3.0〜50となるように乳糖を添加する、請求項7に記載の呈味改善方法。
  9. 前記コーヒー飲料の脂質濃度が0.5質量%未満である、請求項7又は8に記載の呈味改善方法。
  10. 前記コーヒー飲料の糖類濃度が5質量%以下である、請求項7〜9のいずれか1項記載の呈味改善方法。
  11. 乳糖を有効成分とする、乳清ミネラル含有コーヒー飲料の呈味改善剤。
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