JP2011176901A - 駆動制御装置、駆動制御方法及び記録装置 - Google Patents

駆動制御装置、駆動制御方法及び記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モーターを用いる変位部材の変位速度の制御性を向上させることができる駆動制御装置、駆動制御方法及び記録装置を提供する。
【解決手段】キャリッジ17を主走査方向に移動させるための駆動制御装置は、B方向に回転した場合にキャリッジ17を主走査方向における一方側に移動させるための第1駆動力を発生する第1CRモーター20と、A方向に回転した場合にキャリッジ17を主走査方向における他方側に移動させるための第2駆動力を発生する第2CRモーター22と、キャリッジ17に伝達される第1駆動力及び第2駆動力の大きさを調整すべく各CRモーター20,22を制御する制御部51とを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、モーターを制御して変位部材を所定の変位方向に変位させる駆動制御装置、駆動制御方法及び該駆動制御装置を備える記録装置に関する。
一般に、記録媒体に記録処理を行なう記録装置として、記録手段としての記録ヘッドを所定の走査方向に移動させつつ記録処理を行なう記録装置が知られている。こうした記録装置は、記録媒体に記録を施す記録ヘッドと、該記録ヘッドを搭載するキャリッジ(変位部材)と、該キャリッジを所定の走査方向(変位方向)に沿って往復移動させるための駆動源としてステッピングモーターとを備えている。
そして、記録装置では、キャリッジの移動速度が低速であって且つステッピングモーターに加わる負荷が低負荷である場合、該ステッピングモーターを用いてキャリッジの移動速度及び位置を適切に制御することができる。一方、キャリッジの移動速度が高速であって且つステッピングモーターに加わる負荷が高負荷である場合、キャリッジの移動速度の制御性やステッピングモーターで発生する騒音の点で課題がある。そこで、ステッピングモーターを用いたキャリッジの移動制御の向上を図る記録装置として、例えば特許文献1に記載の記録装置が提案されている。
この特許文献1に記載の記録装置は、キャリッジの移動制御を補助するための直流モーターを備えている。そして、キャリッジを移動させる場合、直流モーターは、キャリッジに対して駆動力を付与すべく補助的に駆動する。その結果、キャリッジを高速に移動させる場合であっても、キャリッジの移動に必要な駆動力が直流モーターの駆動によって補われるため、キャリッジの移動速度が適切に制御されていた。
ところで、近年では、キャリッジを走査方向に移動させるための駆動源としてステッピングモーターの代わりに直流モーターを用いる記録装置が提案されている。直流モーターは、ステッピングモーターと比較して、大きな駆動力(トルク)を必要とする場合における制御性に優れている。そのため、直流モーターを用いてキャリッジの移動制御を行なう場合において直流モーターに加わる負荷が高負荷であるときには、該直流モーターからキャリッジに適切な大きさの駆動力を付与でき、ひいてはキャリッジの移動速度が適切に制御されていた(特許文献2参照)。
特開2001−270180号公報 特開2004−166458号公報
ところが、直流モーターは、ステッピングモーターと比較して、小さな駆動力を微妙に調整して出力することが難しいモーターである。そのため、直流モーターを用いてキャリッジの移動制御を行なう場合において直流モーターに加わる負荷が低負荷であるときには、該直流モーターからキャリッジに伝達される駆動力を適切に調整することが困難である。したがって、直流モーターを駆動源としてキャリッジを移動させる場合には、直流モーターに加わる負荷が低負荷である場合におけるキャリッジの移動速度の制御性の点で改善の余地があった。
なお、こうした問題は、記録媒体を搬送するための搬送装置の駆動源として直流モーターのみを用いた場合でも同様に発生し得る。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、モーターを用いる変位部材の変位速度の制御性を向上させることができる駆動制御装置、駆動制御方法及び記録装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の駆動制御装置は、変位部材を所定の変位方向に変位させるための駆動制御装置であって、第1の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるための第1駆動力を発生する第1のモーターと、第2の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるための第2駆動力を発生する第2のモーターと、前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させる場合には、前記第2のモーター側から前記変位部材に伝達される第2駆動力を前記第1のモーター側から前記変位部材に伝達される第1駆動力よりも小さくする調整手段と、を備える。
上記構成によれば、変位方向における一方側に変位する変位部材には、第1のモーター側から第1駆動力が付与されると共に、第2のモーター側から第1駆動力よりも小さい第2駆動力が付与される。この場合、第1のモーターには、変位部材に伝達される第2駆動力に相当する負荷が加わることになる。すなわち、第1のモーターには、第2のモーター側から変位部材に第2駆動力が伝達されない場合と比較して、大きな負荷が加わることになる。そのため、変位方向における一方側に変位する変位部材に、過大な駆動力が伝達されることが抑制される。したがって、モーターを用いる変位部材の変位速度の制御性を向上させることができる。
本発明の駆動制御装置において、前記調整手段は、前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させる場合には、前記第1のモーター側から前記変位部材に伝達される第1駆動力を、前記第2のモーター側から前記変位部材に伝達される第2駆動力よりも小さくする。
上記構成によれば、変位方向における他方側に変位する変位部材には、第2のモーター側から第2駆動力が付与されると共に、第1のモーター側から第2駆動力よりも小さい第1駆動力が付与される。この場合、第2のモーターには、変位部材に伝達される第1駆動力に相当する負荷が加わることになる。すなわち、第2のモーターには、第1のモーター側から変位部材に第1駆動力が伝達されない場合と比較して、大きな負荷が加わることになる。そのため、変位方向における他方側に変位する変位部材に、過大な駆動力が伝達されることが抑制される。したがって、モーターを用いる変位部材の変位速度の制御性を向上させることができる。
本発明の駆動制御装置において、前記調整手段は、前記変位部材の変位速度が設定低速域の範囲内である場合において該変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるときに、前記変位部材に前記第2のモーター側から第2駆動力を伝達させる一方、前記変位部材の変位速度が設定低速域の範囲内である場合において該変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるときに、前記変位部材に前記第1のモーター側から第1駆動力を伝達させる。
上記構成によれば、変位方向における一方側に変位する変位部材の変位速度が低速である場合には、該変位部材に対して第2のモーター側から第1駆動力よりも小さい第2駆動力が伝達される。また、変位方向における他方側に変位する変位部材の変位速度が低速である場合には、該変位部材に対して第1のモーター側から第2駆動力よりも小さい第1駆動力が伝達される。そのため、低速で変位する変位部材の変位速度の制御精度を向上させることができる。
本発明の駆動制御装置において、前記調整手段は、前記変位部材の変位速度を検出する速度検出手段と、前記速度検出手段によって検出された変位速度が予め設定された速度閾値未満である場合に前記変位部材の変位速度が設定低速域の範囲内であると判定する判定手段とを有する。
上記構成によれば、速度検出手段を用いた変位部材の変位速度の実測値に基づき、変位速度が低速であるか否かが判定される。
本発明の駆動制御装置において、前記調整手段は、前記各モーターに供給する電力を個別に調整する制御手段を有する。
上記構成によれば、変位部材を変位方向における一方側に変位させる場合、第2のモーターには、第1のモーターに供給される電力よりも低電力が供給される。そのため、変位部材を変位方向における一方側に変位させる場合には、第2のモーターの駆動に基づく発熱量を少なくできる。また、変位部材を変位方向における他方側に変位させる場合、第1のモーターには、第2のモーターに供給される電力よりも低電力が供給される。そのため、変位部材を変位方向における他方側に変位させる場合には、第1のモーターの駆動に基づく発熱量を少なくできる。
本発明の駆動制御装置は、前記第1のモーターが前記第1の方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記変位部材への動力伝達を許容する一方で、前記第1のモーターが前記第1の方向とは逆方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記変位部材への動力伝達を遮断する第1の一方向伝達部と、前記第2のモーターが前記第2の方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記変位部材への動力伝達を許容する一方で、前記第2のモーターが前記第2の方向とは逆方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記変位部材への動力伝達を遮断する第2の一方向伝達部と、をさらに備える。
上記構成によれば、第1のモーターが第1の方向の逆方向に回転する場合には、該第1のモーターから変位部材への動力伝達を遮断でき、ひいては変位部材の意図しない変位を抑制できる。また、第2のモーターが第2の方向の逆方向に回転する場合には、該第2のモーターから変位部材への動力伝達を遮断でき、ひいては変位部材の意図しない変位を抑制できる。
本発明の駆動制御装置において、前記第1のモーターが前記第1の方向の逆方向に回転する場合に駆動する駆動部と、前記第1のモーターが前記第1の方向の逆方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記駆動部への動力伝達を許容する一方で、前記第1のモーターが前記第1の方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記駆動部への動力伝達を遮断する第3の一方向伝達部と、をさらに備える。
上記構成によれば、駆動部の駆動源として第1のモーターを用いることができるため、駆動部専用のモーターを第1及び第2のモーターとは別に設ける必要がない。すなわち、モーターの使用数の増加を抑制できる。
本発明の駆動制御装置において、前記第2のモーターが前記第2の方向の逆方向に回転する場合に駆動する駆動部と、前記第2のモーターが前記第2の方向の逆方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記駆動部への動力伝達を許容する一方で、前記第2のモーターが前記第2の方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記駆動部への動力伝達を遮断する第4の一方向伝達部と、をさらに備える。
上記構成によれば、駆動部の駆動源として第2のモーターを用いることができるため、駆動部専用のモーターを第1及び第2のモーターとは別に設ける必要がない。すなわち、モーターの使用数の増加を抑制できる。
本発明の記録装置は、所定の走査方向に沿って移動する変位部材と、前記変位部材に搭載され、記録媒体に対して記録材を付着させて記録を施す記録手段と、前記変位部材の移動を制御する上記駆動制御装置と、を備える。
上記構成によれば、記録手段が搭載される変位部材の移動速度を適切に制御できるため、記録媒体に記録する画像の形成精度を向上させることができる。
本発明の記録装置は、記録媒体を所定の搬送方向に沿って搬送させるべく回転する変位部材を有する搬送装置と、前記搬送装置によって搬送された記録媒体に対して記録材を付着させて記録を施す記録手段と、前記変位部材の回転を制御する上記駆動制御装置と、を備える。
上記構成によれば、記録媒体を搬送するための変位部材の回転速度を適切に制御できるため、記録媒体の適切な位置に画像を形成させることができる。
一方、本発明の駆動制御方法は、第1のモーター及び第2のモーターの少なくとも一方によって変位部材を所定の変位方向に変位させる駆動制御方法であって、前記第1のモーターは、第1の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるための第1駆動力を発生すると共に、前記第2のモーターは、第2の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるための第2駆動力を発生するようになっており、前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させる場合に、前記第1のモーター側から第1駆動力を前記変位部材に伝達させると共に、前記第2のモーター側から前記第1駆動力よりも小さい第2駆動力を前記変位部材に伝達させる一方側変位ステップを有する。
上記構成によれば、上記駆動制御装置と同等の効果を得ることができる。
また、本発明の駆動制御方法は、前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させる場合に、前記第2のモーター側から第2駆動力を前記変位部材に伝達させると共に、前記第1のモーター側から前記第2駆動力よりも小さい第1駆動力を前記変位部材に伝達させる他方側変位ステップをさらに有する。
上記構成によれば、上記駆動制御装置と同等の効果を得ることができる。
第1の実施形態のインクジェット式プリンターを模式的に示す平面図。 電気的構成の要部を模式的に示すブロック図。 (a)は印刷モードが高詳細モードである場合のCRモーターの駆動態様を示すテーブル、(b)は印刷モードが高速モードである場合のCRモーターの駆動態様を示すテーブル。 (a)(b)はCRモーターに供給する駆動信号を説明するグラフ。 (a)は第2の実施形態のインクジェット式プリンターの要部を示す断面図、(b)はAPG機構を模式的に示す平面図。 第2の実施形態の制御装置の一部を説明するブロック図。 キャリッジの移動速度が高速である場合におけるCRモーターの駆動態様を示すテーブル。 キャリッジの移動速度と負荷用のCRモーターの駆動を説明するタイミングチャート。 (a)(b)は搬送装置を模式的に説明する側面図。 第3の実施形態の制御装置の一部を説明するブロック図。
(第1の実施形態)
以下、本発明の記録装置をインクジェット式プリンターに具体化した第1の実施形態を図1〜図4に従って説明する。なお、以下における本明細書中の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は、図1に矢印で示す前後方向(副走査方向)及び左右方向(主走査方向)、並びに上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、記録装置としてのインクジェット式プリンター11は、平面視矩形状をなすフレーム12を備えている。このフレーム12内の下部には、左右方向に沿って延びるプラテン13が設けられている。このプラテン13上には、紙送りモーター(以下、「PFモーター」ともいう。)14を駆動源とする搬送装置15(図2参照)により記録媒体としての用紙Pが前後方向に沿って給送される。また、フレーム12内においてプラテン13の上方には、プラテン13の長手方向(左右方向)と平行な棒状のガイド軸16が設けられている。このガイド軸16には、その軸線方向(左右方向であって、主走査方向)に沿って往復移動可能な状態で変位部材としてのキャリッジ17が支持されている。
フレーム12の後壁内面におけるガイド軸16の両端部と対応する各位置には、キャリッジ用プーリー(以下、「CR用プーリー」ともいう。)18,19が回転自在に支持されている。第1CR用プーリー18には、第1キャリッジモーター(以下、「第1CRモーター」ともいう。)20が、第1の一方向伝達部21(一例として、ワンウェイクラッチ)を介して動力伝達可能な状態で連結されている。また、第2CR用プーリー19には、第2キャリッジモーター(以下、「第2CRモーター」ともいう。)22が、第2の一方向伝達部23(一例として、ワンウェイクラッチ)を介して動力伝達可能な状態で連結されている。また、一対のCR用プーリー18,19間には、一部がキャリッジ17に連結された無端状のタイミングベルト24が掛装されている。そして、キャリッジ17は、ガイド軸16にガイドされながら、各CRモーター20,22の少なくとも一方から伝達される駆動力により無端状のタイミングベルト24を介して左右方向に移動される。
また、フレーム12の後壁には、図2に示すように、左右方向に延びる被検出用テープ25と、キャリッジ17に設けられる検出部26とを備えるリニアエンコーダー27が設けられている。被検出用テープ25には、多数のスリット25aが左右方向に沿って等間隔に形成されると共に、検出部26には、左右方向において互いに異なる位置に配置される複数(一例として2つ)のセンサー(図示略)が設けられている。そして、検出部26の各センサーからは、キャリッジ17の移動距離に相当するパルス状の検出信号が後述する制御装置50にそれぞれ出力される。
キャリッジ17においてプラテン13に対向する下面側には、図1に示すように、記録手段としての記録ヘッド30が搭載されている。また、キャリッジ17上には、一時貯留した記録材としてのインクを記録ヘッド30に供給する複数(本実施形態では4つ)のバルブユニット31が設けられている。記録ヘッド30の下面は、複数のノズルが開口するノズル形成面30a(図2参照)とされている。そして、各ノズルからプラテン13上に給送された用紙Pにインク滴が噴射されることにより、印刷が行われる。
また、フレーム12内において用紙Pが搬送される印刷領域の右側には、用紙Pが搬送されないホームポジション領域が形成されている。このホームポジション領域には、記録ヘッド30のクリーニングなどの各種メンテナンスを行なうためのメンテナンス装置32が設けられている。
また、本実施形態のインクジェット式プリンター11には、複数(図1では4つ)のインクカートリッジ35が着脱可能な状態で装着されるホルダー部36が設けられており、該ホルダー部36はキャリッジ17とは別の位置に配置されている。各インクカートリッジ35は、図2に示すように、矩形箱状のケース37をそれぞれ備えており、該各ケース37内には、可撓性のフィルムからなる袋状のインクパック38がそれぞれ収容されている。これら各インクパック38内には、インクカートリッジ35毎に色の異なるインクがそれぞれ充填されている。また、各インクカートリッジ35は、ホルダー部36に装着された場合、記録材供給路39を介してキャリッジ17上の各バルブユニット31にそれぞれ接続される。
また、図1に示すように、ホルダー部36と左右方向における同一位置には、第1CRモーター20又は第2CRモーター22からの動力伝達によって駆動する駆動部としての加圧ユニット40が設けられている。具体的には、加圧ユニット40には、第1CRモーター20が第3の一方向伝達部41(一例として、ワンウェイクラッチ)を介して動力伝達可能な状態で連結されると共に、第2CRモーター22が第4の一方向伝達部42(一例として、ワンウェイクラッチ)を介して動力伝達可能な状態で連結されている。こうした加圧ユニット40は、気体供給路43を介してホルダー部36に装着された各インクカートリッジ35に連結される。
気体供給路43は、各インクカートリッジ35よりも上流側(即ち、加圧ユニット40側)に配設された分配器44を境にインクカートリッジ35の個数と同数(本実施形態では4つ)に分岐されている。そして、分岐された各気体供給路43は、それぞれの先端(下流端)が各々対応するインクカートリッジ35に接続され、そのインクカートリッジ35のケース37内に連通している。したがって、加圧ユニット40が駆動した場合には、該加圧ユニット40から圧送された加圧空気が気体供給路43を介して各インクカートリッジ35のケース37内にそれぞれ導入される。そして、各ケース37内に圧送された加圧空気による加圧力(即ち、空気圧)によって各インクパック38が押し潰されて、該各インクパック38内のインクが各記録材供給路39を介して記録ヘッド30側にそれぞれ圧送される。
次に、各CRモーター20,22及び各一方向伝達部21,23,41,42について説明する。
図1及び図2に示すように、各CRモーター20,22は、正逆両方向(本実施形態ではA方向及びB方向)に回転可能であって、且つ前方に延びる第1軸20a,22aと後方に延びる第2軸20b,22bとを有するモーターである。本実施形態のCRモーター20,22は、ステッピングモーターと比較して、CRモーター20,22に加わる負荷が大きい場合には変位部材であるキャリッジ17の移動速度や位置を調整しやすい一方で、CRモーター20,22に加わる負荷が小さい場合にはキャリッジ17の移動速度や位置を調整しにくい。一例として、CRモーター20,22は、直流モーターである。
第1の一方向伝達部21は、第1CRモーター20の第1軸20aに連結されている。こうした第1の一方向伝達部21は、第1軸20aがB方向(第1の回転方向)に回転した場合には第1CR用プーリー18への動力伝達を許容する一方、第1軸20aがB方向とは逆方向であるA方向に回転した場合には第1CR用プーリー18への動力伝達を遮断するように構成されている。そして、第1CRモーター20のB方向への回転に基づき第1CR用プーリー18が回転した場合、キャリッジ17は、主走査方向(変位方向)における一方側としての右方側に移動する。すなわち、キャリッジ17を右方側に移動させる場合、第1CRモーター20が駆動源として機能すると共に、第1CR用プーリー18が駆動プーリーとして機能し、さらに、第2CR用プーリー19が従動プーリーとして機能する。
第2の一方向伝達部23は、第2CRモーター22の第1軸22aに連結されている。こうした第2の一方向伝達部23は、第1軸22aがA方向(第2の回転方向)に回転した場合には第2CR用プーリー19への動力伝達を許容する一方、第1軸22aがA方向とは逆方向であるB方向に回転した場合には第2CR用プーリー19への動力伝達を遮断するように構成されている。そして、第2CRモーター22のA方向への回転に基づき第2CR用プーリー19が回転した場合、キャリッジ17は、主走査方向における他方側としての左方側に移動する。すなわち、キャリッジ17を左方側に移動させる場合、第2CRモーター22が駆動源として機能すると共に、第2CR用プーリー19が駆動プーリーとして機能し、さらに、第1CR用プーリー18が従動プーリーとして機能する。
第3の一方向伝達部41は、第1CRモーター20の第2軸20bに連結されている。こうした第3の一方向伝達部41は、第2軸20bがA方向に回転した場合には加圧ユニット40への動力伝達を許容する一方、第2軸20bがB方向に回転した場合には加圧ユニット40への動力伝達を遮断するように構成されている。また、第4の一方向伝達部42は、第2CRモーター22の第2軸22bに連結されている。こうした第4の一方向伝達部42は、第2軸22bがA方向に回転した場合には加圧ユニット40への動力伝達を遮断する一方、第2軸22bがB方向に回転した場合には加圧ユニット40への動力伝達を許容するように構成されている。すなわち、第2CRモーター22の駆動によってキャリッジ17が左方側に移動する場合には第1CRモーター20が加圧ユニット40の駆動源として機能する一方、第1CRモーター20の駆動によってキャリッジ17が右方側に移動する場合には第2CRモーター22が加圧ユニット40の駆動源として機能する。
次に、本実施形態のインクジェット式プリンター11の電気的構成の要部について図2に基づき説明する。
図2に示すように、本実施形態の制御装置50は、制御部51(図2では破線で囲まれた部分)と、第1CRモーター20を駆動させるための第1CR用ドライバー52と、第2CRモーター22を駆動させるための第2CR用ドライバー53とを備えている。また、制御装置50は、PFモーター14を駆動させるためのPF用ドライバー54と、記録ヘッド30の駆動を制御するためのヘッド用ドライバー55とを備えている。さらに、制御装置50には、インクジェット式プリンター11の図示しない電源がオンの間、制御部51を冷却するべく駆動する冷却用ファン56と、該冷却用ファン56の駆動源である冷却用モーター57とが設けられている。そして、制御装置50は、インターフェース58を介してホストコンピューター59から受信した画像情報に基づき、各モーター14,20,22及び記録ヘッド30を個別に制御する。なお、「ドライバー」は、駆動回路と言い換えてもよい。
制御部51は、CPU60、ROM61、RAM62及びASIC((Application Specific IC(特定用途向けIC))63などを備えている。そして、CPU60は、リニアエンコーダー27からの検出信号に基づき、キャリッジ17の移動速度及びキャリッジ17の左右方向における位置を算出する。したがって、本実施形態では、リニアエンコーダー27及びCPU60により、速度検出手段が構成される。また、CPU60は、印刷時(記録処理時)において、算出したキャリッジ17の移動速度及び位置の少なくとも一方に基づき各CRモーター20,22の駆動を制御する。したがって、本実施形態では、CPU60が、制御手段として機能する。
なお、本実施形態のインクジェット式プリンター11では、複数の印刷モード(例えば、高精細モードや高速モード等)を設定することが可能である。そのため、CPU60は、印刷時(記録処理時)におけるキャリッジ17の移動速度を、設定された印刷モードに応じた速度に設定する。すなわち、キャリッジ17の移動速度は、印刷モードが高詳細モードである場合には設定低速領域の範囲内に設定される一方、印刷モードが高速モードである場合には設定低速領域の範囲外に設定される。
しかし、キャリッジ17を低速で左方側に移動させる場合、第2CRモーター22からキャリッジ17に伝達される第2駆動力が大きすぎ、結果として、キャリッジ17の移動速度が所望する速度よりも速くなるおそれがある。このとき、第2CRモーター22に供給する電力を小さく設定する方法も考えられる。ところが、第2CRモーター22に供給する電力が小さすぎると、停止中又は右方側への移動中のキャリッジ17を左方側に移動させる場合には、左方側への移動開始直後のキャリッジ17の移動速度が所望する速度よりも遅くなるおそれがある。こうした場合、キャリッジ17の移動速度を所望する速度まで上昇させるために第2CRモーター22への供給電力を大きくすることになる。すると、第2CRモーター22からキャリッジ17に伝達される第2駆動力が急激に大きくなり、キャリッジ17の移動速度が急激に速くなる。すなわち、キャリッジ17の移動速度が所望する速度近傍で安定するまでに時間を要する。なお、キャリッジ17を右方側に移動させる場合でも、同様の問題が発生し得る。
そこで、本実施形態では、印刷モードが高詳細モードである場合、以下に示す駆動制御方法でキャリッジ17を駆動させる。
すなわち、図3(a)に示すように、キャリッジ17を低速で左方側に移動させる場合、CPU60は、第2CRモーター22をA方向側に回転させると共に、第1CRモーター20をB方向側に回転させる。このとき、CPU60は、第2CRモーター22に対して第2の電力D12を供給すると共に、第1CRモーター20に対して第2の電力D12よりも低い第1の電力D11を供給する(他方側変位ステップ)。
本実施形態において、CPU60は、CRモーター20,22をPWM(Pulse Width Modulation)制御する。そのため、CR用ドライバー52,53からCRモーター20,22に出力される駆動信号には、図4(a)(b)に示すように、信号レベルが「Hi」である期間と「Low」である期間とが繰り返される。そして、駆動信号の一周期に相当する時間に対する信号レベルが「Hi」である期間の比率のことを、「Duty比」という。そのため、Duty比が大きくなると、一周期内において信号レベルが「Hi」である期間が長くなる結果、CRモーター20,22に供給される電流が大きくなり、CRモーター20,22からは、大きな駆動力が発生する。したがって、キャリッジ17を低速で左方側に移動させる場合、CPU60は、図4(a)に示す駆動信号が第2CRモーター22に出力されるように第2CR用ドライバー53を制御すると共に、図4(b)に示す駆動信号が第1CRモーター20に出力されるように第1CR用ドライバー52を制御する。
すると、キャリッジ17には、第2CRモーター22側から該キャリッジ17を左方側に低速(即ち、高速モードに相当する速度)で移動させるために必要な大きさの第2駆動力が付与される。また、キャリッジ17には、第1CRモーター20側から該キャリッジ17を右方側に移動させるための力であって、且つ大きさが上記第2駆動力よりも十分に小さい第1駆動力が付与される。
キャリッジ17に伝達される第2駆動力は、キャリッジ17を低速で移動させたために十分な駆動力よりも大きい。しかし、キャリッジ17に伝達される第2駆動力の一部は、第1駆動力によって相殺され、結果として、キャリッジ17への過大な駆動力の付与が抑制される。つまり、第1CRモーター20は、負荷用のモーターとして機能する。その結果、キャリッジ17は、第2CRモーター22側からの第2駆動力と第1CRモーター20側からの第1駆動力との差分に応じた力に基づき左方側に移動する。そのため、キャリッジ17の移動速度は、所望する速度近傍で速やかに安定する。したがって、本実施形態では、各CRモーター20,22から発生する駆動力の大きさを調整するCPU60が、調整手段としても機能する。また、各CRモーター20,22及びCPU60により、駆動制御装置が構成される。
一方、図3(a)に示すように、キャリッジ17を低速で右方側に移動させる場合、CPU60は、第1CRモーター20をB方向側に回転させると共に、第2CRモーター22をA方向側に回転させる。このとき、CPU60は、第1CRモーター20に対して第1の電力D21を供給すると共に、第2CRモーター22に対して第1の電力D21よりも低い第2の電力D22を供給する(一方向側変位ステップ)。すなわち、キャリッジ17を低速で右方側に移動させる場合、CPU60は、図4(a)に示す駆動信号が第1CRモーター20に出力されるように第1CR用ドライバー52を制御すると共に、図4(b)に示す駆動信号が第2CRモーター22に出力されるように第2CR用ドライバー53を制御する。
すると、キャリッジ17には、第1CRモーター20側から該キャリッジ17を右方側に低速(即ち、高速モードに相当する速度)で移動させるために必要な大きさの第1駆動力が付与される。また、キャリッジ17には、第2CRモーター22側から該キャリッジ17を左方側に移動させるための力であって、且つ大きさが上記第1駆動力よりも十分に小さい第2駆動力が付与される。すなわち、キャリッジ17に伝達される第1駆動力の一部は、第2駆動力によって相殺され、キャリッジ17への過大な駆動力の付与が抑制される。つまり、第2CRモーター22は、負荷用のモーターとして機能する。その結果、キャリッジ17は、第1CRモーター20側からの第1駆動力と第2CRモーター22側からの第2駆動力との差分に応じた力に基づき右方側に移動する。そのため、キャリッジ17の移動速度は、所望する速度近傍で速やかに安定する。
また、本実施形態では、印刷モードが高速モードである場合、以下に示す駆動制御方法でキャリッジ17を駆動させる。
すなわち、図3(b)に示すように、キャリッジ17を高速で左方側に移動させる場合、CPU60は、第2CRモーター22をA方向側に回転させ、該第2CRモーター22から第2駆動力をキャリッジ17に伝達させる。一方、CPU60は、第1CRモーター20を必要に応じてA方向に回転させ、加圧ユニット40を駆動させる。また、キャリッジ17を高速で右方側に移動させる場合、CPU60は、第1CRモーター20をB方向側に回転させ、該第1CRモーター20から第1駆動力をキャリッジ17に伝達させる。一方、CPU60は、第2CRモーター22を必要に応じてB方向に回転させ、加圧ユニット40を駆動させる。
すなわち、キャリッジ17は、第2CRモーター22のA方向側への回転に基づく第2駆動力のみで右方側に移動すると共に、第1CRモーター20のB方向側への回転に基づく第1駆動力のみで左方側に移動する。これは、CRモーター20,22は、高速回転時の制御性がステッピングモーターの場合と比較して優れているためである。
また、加圧ユニット40には、第1CRモーター20又は第2CRモーター22からの駆動力が適宜伝達される。そのため、伝達された駆動力によって加圧ユニット40が駆動することにより、各インクカートリッジ35からキャリッジ17の各バルブユニット31にインクがそれぞれ供給される。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)右方側に移動するキャリッジ17には、第1CRモーター20側から第1駆動力が付与されると共に、第2CRモーター22側から第1駆動力よりも小さい第2駆動力が付与される。この場合、第1CRモーター20には、キャリッジ17、記録ヘッド30、各バルブユニット31及び該各バルブユニット31内のインク貯留量の重量に相当する負荷と、キャリッジ17に伝達される第2駆動力に相当する負荷とが加わることになる。すなわち、第1CRモーター20には、第2CRモーター22側からキャリッジ17に第2駆動力が伝達されない場合と比較して、大きな負荷が加わることになる。そのため、右方側に移動するキャリッジ17に過大な駆動力が伝達されることを抑制でき、ひいてはキャリッジ17の移動速度を所望する速度に近づけることができる。したがって、CRモーター20,22を用いるキャリッジ17の移動速度の制御性を向上させることができる。
(2)また、左方側に移動するキャリッジ17には、第2CRモーター22側から第2駆動力が付与されると共に、第1CRモーター20側から第2駆動力よりも小さい第1駆動力が付与される。この場合、第2CRモーター22には、キャリッジ17、記録ヘッド30、各バルブユニット31及び該各バルブユニット31内のインク貯留量の重量に相当する負荷と、キャリッジ17に伝達される第1駆動力に相当する負荷とが加わることになる。すなわち、第2CRモーター22には、第1CRモーター20側からキャリッジ17に第1駆動力が伝達されない場合と比較して、大きな負荷が加わることになる。そのため、左方側に移動するキャリッジ17に過大な駆動力が伝達されることを抑制でき、ひいてはキャリッジ17の移動速度を所望する速度に近づけることができる。したがって、CRモーター20,22を用いるキャリッジ17の移動速度の制御性を向上させることができる。
(3)本実施形態では、キャリッジ17を低速で移動させる高詳細モード時において、一方のCRモーター(例えば第1CRモーター20)をキャリッジ17の駆動源として機能させると共に、他方のCRモーター(例えば第2CRモーター22)を負荷用のモーターとして機能させる。そのため、低速で移動するキャリッジ17の移動速度の制御精度を向上させることができる。
(4)一方、キャリッジ17を高速で移動させる高速モード時において、キャリッジ17を左方側に移動させるときには、第1CRモーター20からの第1駆動力をキャリッジ17に伝達させない。また、キャリッジ17を右方側に移動させるときには、第2CRモーター22からの第2駆動力をキャリッジ17に伝達させない。すなわち、キャリッジ17を移動させるための駆動源として機能する一方のCRモーターに負荷を加える必要がある場合にのみ他方のCRモーターを負荷用のモーターとして機能させる。したがって、他方のCRモーターを駆動させる必要がない場合には、該他方のCRモーターを停止させることもでき、ひいては各CRモーター20,22の発熱を抑制できる。
(5)本実施形態では、各CRモーター20,22に供給する電力を調整することにより、キャリッジ17に伝達される第1駆動力及び第2駆動力の大きさが調整される。そのため、常に一定の電力がCRモーター20,22に供給される場合と比較して、該CRモーター20,22の発熱を抑制できると共に、インクジェット式プリンター11自体の消費電力を低減できる。
(6)また、第1CRモーター20がA方向に回転する場合、該第1CRモーター20からキャリッジ17側への動力伝達を遮断でき、ひいては意図しないキャリッジ17の移動を抑制できる。同様に、第2CRモーター22がB方向に回転する場合、該第2CRモーター22からキャリッジ17への動力伝達を遮断でき、ひいては意図しないキャリッジ17の移動を抑制できる。
(7)さらに、加圧ユニット40は、A方向に回転する第1CRモーター20やB方向に回転する第2CRモーター22が駆動源として機能するため、専用のモーターを各CRモーター20,22とは別に設ける必要がない。すなわち、モーターの使用数の増加を抑制できる。
(8)また、印刷モードが高詳細モードである場合、一方のCRモーターでキャリッジ17を移動させると同時に、他方のCRモーターで加圧ユニット40を駆動させることができる。
(9)また、キャリッジ17を低速で移動させる場合には、各CRモーター20,22を協働させることにより、キャリッジ17の移動速度を適切に制御することができる。そのため、キャリッジ17の移動速度を安定化させることができる分、キャリッジ17に搭載される記録ヘッド30を用いた用紙Pに印刷(記録)する画像の形成精度を向上させることができる。
(10)さらに、各CRモーター20,22の協働によって、キャリッジ17を所望する位置又はその位置に非常に近い位置に停止させることができる。そのため、次回のパスで最初にインク滴を吐出する位置に応じて、キャリッジ17の停止位置を微妙に移動させなくてもよくなる。そのため、次回のパスの印刷を速やかに開始させることができ、ひいてはインクジェット式プリンター11の印刷速度を向上させることができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を図5〜図8に従って説明する。なお、第2の実施形態は、CRモーター20,22によって駆動される駆動部が第1の実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1の実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1の実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図5(a)に示すように、インクジェット式プリンター11のフレーム12の左右両側壁12a,12bには、上下方向に延びる長孔70がそれぞれ形成されている。これら各長孔70内には、ガイド軸16の左右方向における両端側がそれぞれ遊挿されており、該ガイド軸16は、駆動部としてのギャップ調整機構(以下、「APG機構」ともいう。)71の駆動によって、各長孔70内の上端と下端との間で上下方向に移動可能とされている。
APG機構71は、ガイド軸16の両軸端に固着された一対のカム72A,72Bと、フレーム12の左右両側壁12a,12bに回転可能に支持され且つカム72A,72Bと係合可能な一対のカムフォロア73A,73Bとを備えている。これら両カムフォロア73A,73Bには、図5(b)に示すように、第3の一方向伝達部41を介して第1CRモーター20に動力伝達可能な状態で連結されている。すなわち、第1CRモーター20がA方向に回転する場合、該回転に伴う駆動力が第3の一方向伝達部41を介してそれぞれ伝達されることにより、両カムフォロア73A,73B及び該両カムフォロア73A,73Bに係合する両カム72A,72Bは、それぞれ回転する。なお、第1CRモーター20がB方向に回転する場合、両カムフォロア73A,73B及び両カム72A,72Bは、駆動力が伝達されないため、それぞれ回転しない。
カム72A,72Bには、側壁と軸中心との距離が略一定な複数(本実施形態では5つ)の安定領域S1,S2,S3,S4,S5と、周方向において各安定領域S1〜S5の間に形成される遷移領域T1,T2,T3,T4,T5とが形成されている。遷移領域T1〜T5は、側壁と軸中心との距離が周方向における一方側から他方側に向かうにつれて徐々に変化する領域である。そして、カムフォロア73A,73Bの回転によってカム72A,72Bが回転した場合、カムフォロア73A,73Bの軸中心とカム72A,72Bの軸中心との距離が変化する。その結果、カム72A,72Bが固定されるガイド軸16の上下方向における位置が変位すると共に、該ガイド軸16に支持される記録ヘッド30とプラテン13(又はプラテン13上の用紙P)との間隔(即ち、プラテンギャップ)が調整される。
また、図6に示すように、本実施形態では、制御部51を冷却するための駆動部としての冷却用ファン56には、第4の一方向伝達部42を介して第2CRモーター22が動力伝達可能な状態で連結されている。すなわち、第2CRモーター22がB方向に回転する場合、冷却用ファン56は、該回転に伴う駆動力が第4の一方向伝達部42を介して伝達されることにより駆動する。なお、第2CRモーター22がA方向に回転する場合、冷却用ファン56は、駆動力が伝達されないため、回転しない。
本実施形態では、図7に示すように、キャリッジ17が高速で左方側に移動する場合、キャリッジ17は、第2CRモーター22側から伝達される第2駆動力のみで移動する。このとき、第1CRモーター20をA方向に回転させると、APG機構71が駆動することになる。また、キャリッジ17が高速で右方側に移動する場合、キャリッジ17は、第1CRモーター20側から伝達される第1駆動力のみで移動する。このとき、第2CRモーター22をB方向に回転させると、冷却用ファン56が駆動して制御部51が冷却される。
なお、加圧ユニット40の駆動源としては、専用のモーターを別途設けてもよいし、PFモーター14を駆動源としてもよい。
次に、本実施形態のキャリッジ17の駆動制御方法について図8に基づき説明する。なお、ここでは、図8にて実線で示す速度モデルに沿って各CRモーター20,22が制御されるものとする。
例えば、第2CRモーター22のみでキャリッジ17を左方側に移動させる場合、図8にて破線で示すように、キャリッジ17の実際の移動速度は、該キャリッジ17に必要以上に大きな第2駆動力が伝達されるため、所望する移動速度よりも大きくなる(第1のタイミングt1)。そして、所望する移動速度に相当する理想的な駆動力(以下、「理想駆動力」ともいう。)が、第2CRモーター22からキャリッジ17に伝達される第2駆動力に近づくと、キャリッジ17の実際の移動速度は、所望する移動速度に近づく(第2のタイミングt2)。そして、第2のタイミングt2以降では、キャリッジ17の移動速度が安定化するため、キャリッジ17に搭載される記録ヘッド30からのインク滴の吐出が開始される。
すなわち、記録ヘッド30からのインク滴の吐出は、キャリッジ17の移動速度が安定してから開始される。換言すると、キャリッジ17の移動速度が第2のタイミングt2よりも早いタイミングで安定化する場合には、より早いタイミングで記録ヘッド30からのインク滴の吐出を開始することが可能となる。
そこで、本実施形態では、キャリッジ17を左方側に移動させる場合、CPU60は、第2CRモーター22をA方向に回転させる。同時に、CPU60は、第2CRモーター22側からキャリッジ17に伝達される第2駆動力とその時点で所望する移動速度に相当する理想駆動力との差分に相当する大きさの第1駆動力がキャリッジ17に伝達されるように、第1CRモーター20をB方向に回転させる(他方側変位ステップ)。その結果、キャリッジ17に伝達される第2駆動力の一部が第1駆動力によって相殺され、相殺後の駆動力が、その時点の所望する移動速度に相当する理想駆動力に近づく。そのため、キャリッジ17の実際の移動速度は、第2のタイミングt2よりも早いタイミングで、図8にて実線で示す速度モデルに近い状態で変化することになる。
そして、CPU60は、リニアエンコーダー27からの検出信号に基づき算出したキャリッジ17の移動速度が予め設定された速度閾値KV以上になった場合、第1CRモーター20のB方向への回転を停止させる。この速度閾値KVは、キャリッジ17の移動速度が低速か高速か(即ち、設定低速領域の範囲内か否か)を判断するための基準値として、実験やシミュレーションなどによって予め設定された値である。したがって、本実施形態では、CPU60が、判定手段としても機能する。
その後、キャリッジ17を停止させるべく第2CRモーター22のA方向への回転速度を減速させると、キャリッジ17の移動速度は、速度閾値KV未満となる(第3のタイミングt3)。この場合、第2CRモーター22からキャリッジ17に伝達される第2駆動力は、その時点の所望する移動速度に相当する理想駆動力まで小さくできない。
そこで、CPU60は、リニアエンコーダー27からの検出信号に基づき算出したキャリッジ17の移動速度が速度閾値KV未満になった場合、キャリッジ17の移動速度が設定低速域の範囲内であると判断する。そして、CPU60は、キャリッジ17に伝達される第2駆動力の一部を相殺する、即ちキャリッジ17を減速させるための第1駆動力が発生するように第1CRモーター20をB方向に回転させる。このとき、CPU60は、第1駆動力が、第2CRモーター22側からキャリッジ17に伝達される第2駆動力とその時点で所望する移動速度に相当する理想駆動力との差分に相当する大きさとなるように、第1CRモーター20をB方向に回転させる。
その結果、キャリッジ17に伝達される第2駆動力の一部が第1駆動力によって相殺され、相殺後の駆動力が、その時点の所望する移動速度に相当する理想駆動力に近づく。そのため、キャリッジ17の実際の移動速度は、速度モデルにほぼ沿って減速され、キャリッジ17は、所望する位置若しくはその近傍で停止する。
したがって、本実施形態では、上記第1の実施形態の効果(1)〜(3)(5)(6)(10)の効果に加え、以下に示す効果を得ることができる。
(11)本実施形態では、リニアエンコーダー27からの検出信号に基づき算出されたキャリッジ17の移動速度(実測値)が速度閾値KV未満である場合には、2つのCRモーター20,22を協働させることにより、キャリッジ17に伝達される駆動力の合計、即ち第1駆動力と第2駆動力との差分を適切に調整できる。その結果、低速時におけるキャリッジ17の移動速度を適切に調整できる。
(12)また、本実施形態では、1つのCRモーターのみでキャリッジ17の移動制御を行なう従来の場合と比較して、キャリッジ17の移動速度を速やかに安定化させることができる、即ちキャリッジ17の移動速度を理想とする速度モデルに近づけることができる。そのため、従来の場合と比較して、記録ヘッド30からのインク滴の吐出タイミングを速めることができる。また、1パス分の印刷を完了させる際におけるキャリッジ17の移動距離を短くでき、ひいては印刷の高速度化に貢献できる。
(13)さらに、本実施形態では、用紙Pへの印刷中に第1CRモーター20をA方向に回転させることにより、該用紙Pと記録ヘッド30との間隔を調整することができる。そのため、封書などのような用紙Pのように副走査方向において他の部分と厚みの異なる部分を印刷する場合、キャリッジ17の左方側への移動開始直前に、第1CRモーター20のA方向への回転によってAPG機構71を駆動させることにより、用紙Pと記録ヘッド30との間隔を適切な状態に保つことができる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態を図9及び図10に従って説明する。なお、第3の実施形態は、搬送装置15の駆動源として2つのPFモーターを用いる点が第1及び第2の各実施形態と異なっている。したがって、以下の説明においては、第1及び第2の各実施形態と相違する部分について主に説明するものとし、第1及び第2の各実施形態と同一又は相当する部材構成には同一符号を付して重複説明を省略するものとする。
図9(a)(b)に示すように、本実施形態の搬送装置15は、フレーム12の後面側に配置され且つ用紙Pを1つずつ前方に給送する駆動部としての自動給紙装置(以下、ASF(Auto Sheet Feeder )ともいう。)80を備えている。また、搬送装置15は、フレーム12内においてプラテン13の後側に配置される紙送りローラー(変位部材)81と、フレーム12内においてプラテン13の前側に配置される排紙ローラー(変位部材)82とをさらに備えている。紙送りローラー81は、搬送駆動ローラー81aと搬送従動ローラー81bとを有すると共に、排紙ローラー82は、排紙駆動ローラー82aと排紙従動ローラー82bとを有している。各駆動ローラー81a,82aには、図10に示すように、第1PFモーター83が第1の一方向伝達部84を介して動力伝達可能な状態で連結されると共に、第2PFモーター85が第2の一方向伝達部86を介して動力伝達可能な状態で連結されている。そして、各PFモーター83,85の少なくとも一方の駆動によって各駆動ローラー81a,82aがそれぞれ回転することにより、紙送りローラー81及び排紙ローラー82は、それぞれ協働して用紙Pの給送・排出などを行う。
ASF80は、図9(a)(b)に示すように、給送トレイ87及びホッパー88などを有する用紙ガイド89を備えている。ホッパー88は、給送トレイ87の上側であって、且つフレーム12の後面に対して斜状をなすように配置されている。また、ホッパー88は、その上端部の軸88aを中心として所定角度の範囲内で傾動可能な状態で給送トレイ87に支持されている。また、ホッパー88と給送トレイ87との間には、ホッパー88に対して給送トレイ87から離間する方向(図9では左上方向)への付勢力を付与する圧縮ばね90が設けられている。そして、ホッパー88は、該ホッパー88に積重される用紙Pを給送不能な退避位置(図9(a)に示す位置)と、用紙Pを給送可能な接近位置(図9(b)に示す位置)との二位置間で移動可能とされている。
ホッパー88の下端の上斜め前方には、左右方向に延びる第1回転軸91を中心に回転する給送ローラー92が設けられている。この給送ローラー92は、側面視略D字型の形状であって、その外周面は、軸心からの距離が一定の円弧面と、軸心からの距離が円弧面より短い平坦面とから構成されている。そして、ホッパー88が接近位置に配置された状態で給送ローラー92が回転した場合、ホッパー88に積重される各用紙Pのうち最上位の用紙Pは、給送ローラー92の円弧面に圧接され、ホッパー88の前方に送出される。
本実施形態では、図10に示すように、ホッパー88及び給送ローラー92には、第1PFモーター83が第3の一方向伝達部93及びクラッチ94を介して動力伝達可能な状態で連結されている。クラッチ94は、キャリッジ17が左右方向における一端(例えば左端)に移動して図示しないクラッチレバーを押すことにより係合状態になる一方、給送ローラー92が一回転した場合には係合状態から解放状態になる。また、給送ローラー92からホッパー88への動力伝達経路上には、カム機構95が設けられている。
給送トレイ87の前端部には、図9(a)(b)に示すように、用紙Pをプラテン13上に向けて案内するための案内部96が形成されており、該案内部96の上端近傍位置には、給送ローラー92と対向するように配置されたリタードローラー97が設けられている。このリタードローラー97は、図示しない付勢部材によって給送ローラー92側に付勢されると共に、第1回転軸91と略平行をなすように配置された第2回転軸98を中心に回転可能とされている。そして、給送ローラー92が回転した場合、リタードローラー97は、その外周面97aが給送ローラー92の円弧面に圧接する間、該給送ローラー92に対して従動回転する。なお、リタードローラー97は、給送ローラー92の円弧面には圧接可能である一方、給送ローラー92の平坦面には圧接不能とされている。
また、本実施形態のメンテナンス装置32には、図10に示すように、第2PFモーター85と第4の一方向伝達部99を介して動力伝達可能な状態で連結されている。
次に、各PFモーター83,85及び各一方向伝達部84,86,93,99について説明する。
各PFモーター83,85は、正逆両方向(本実施形態ではA方向及びB方向)に回転可能であって、且つ一方に延びる第1軸(図示略)と他方に延びる第2軸(図示略)とを有するモーターである。一例として、PFモーター83,85は、直流モーターである。
第1の一方向伝達部84は、第1PFモーター83がB方向(第1の回転方向)に回転した場合には紙送りローラー81及び排紙ローラー82への動力伝達を許容する一方、第1PFモーター83がB方向とは逆方向であるA方向に回転した場合には紙送りローラー81及び排紙ローラー82への動力伝達を遮断するように構成されている。そして、第1PFモーター83がB方向に回転した場合、紙送りローラー81及び排紙ローラー82が回転方向における一方側(図9における時計方向)に回転し、用紙Pが後方に搬送される。すなわち、用紙Pを後方に搬送する場合、第1PFモーター83が紙送りローラー81及び排紙ローラー82の駆動源として機能する。
第2の一方向伝達部86は、第2PFモーター85がA方向(第2の回転方向)に回転した場合には紙送りローラー81及び排紙ローラー82への動力伝達を許容する一方、第2PFモーター85がA方向とは逆方向であるB方向に回転した場合には紙送りローラー81及び排紙ローラー82への動力伝達を遮断するように構成されている。そして、第2PFモーター85がA方向に回転した場合、紙送りローラー81及び排紙ローラー82が回転方向における他方側(図9における反時計方向)に回転し、用紙Pが前方に搬送される。すなわち、用紙Pを前方に搬送する場合、第2PFモーター85が紙送りローラー81及び排紙ローラー82の駆動源として機能する。
第3の一方向伝達部93は、第1PFモーター83がA方向に回転した場合にはASF80側への動力伝達を許容する一方、第1PFモーター83がB方向に回転した場合にはASF80側への動力伝達を遮断するように構成されている。また、第4の一方向伝達部99は、第2PFモーター85がA方向に回転した場合にはメンテナンス装置32への動力伝達を遮断する一方、第2PFモーター85がB方向に回転した場合にはメンテナンス装置32への動力伝達を許容するように構成されている。
次に、本実施形態の制御装置50において各PFモーター83,85を駆動させるための要部について説明する。
図10に示すように、制御装置50は、第1PFモーター83を駆動させるための第1PF用ドライバー100と、第2PFモーター85を駆動させるための第2PF用ドライバー101とを備えている。そして、制御部51のCPU60は、PF用ドライバー100,101を介してPFモーター83,85を制御する。
そして、CPU60は、印刷時において各PFモーター83.85を用いて用紙Pの搬送処理を行なう。すなわち、CPU60は、各CRモーター20,22を回転させてキャリッジ17を移動させることにより、クラッチ94を係合状態にする。続いて、CPU60は、第1PFモーター83をA方向に回転させることにより、ASF80によって用紙Pをフレーム12内に給送させる。そして、CPU60は、ASF80によって搬送された用紙Pを前方に給送させるべく、第2PFモーター85をA方向に回転させると共に、第1PFモーター83をB方向に回転させる。
このとき、CPU60は、第1PFモーター83から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第1駆動力が、第2PFモーター85から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第2駆動力よりも十分に小さくなるように、各PFモーター83,85に電力を供給する(他方側変位ステップ)。例えば、CPU60は、第2PFモーター85に対して図4(a)に示す駆動信号を第2PF用ドライバー101から出力させると共に、第1PFモーター83に対して図4(b)に示す駆動信号を第1PF用ドライバー100から出力させる。
その結果、第2PFモーター85には、第1PFモーター83から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第1駆動力に相当する負荷が加わることになる。換言すると、紙送りローラー81及び排紙ローラー82は、第2PFモーター85側からの第2駆動力と第1PFモーター83側からの第1駆動力との差分に応じた力に基づき反時計方向に回転する。そのため、紙送りローラー81及び排紙ローラー82に第2PFモーター85から第2駆動力のみが伝達される場合と比較して、紙送りローラー81及び排紙ローラー82の回転速度が適切に調整され、ひいては紙送りローラー81及び排紙ローラー82によって前方に給送される用紙Pの搬送速度が適切に調整される。
また、本実施形態のインクジェット式プリンター11では、用紙Pの頭出しや用紙Pの斜行の解消等に際して紙送りローラー81及び排紙ローラー82を時計方向に回転させることにより、用紙Pを後方に移動させることがある。この場合、CPU60は、第2PFモーター85から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第2駆動力が、第1PFモーター83から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第1駆動力よりも十分に小さくなるように、各PFモーター83,85に電力を供給する。例えば、CPU60は、第1PFモーター83に対して図4(a)に示す駆動信号を第1PF用ドライバー100から出力させると共に、第2PFモーター85に対して図4(b)に示す駆動信号を第2PF用ドライバー101から出力させる。
その結果、第1PFモーター83には、第2PFモーター85から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第2駆動力に相当する負荷が加わることになる。換言すると、紙送りローラー81及び排紙ローラー82は、第1PFモーター83側からの第1駆動力と第2PFモーター85側からの第2駆動力との差分に応じた力に基づき時計方向に回転する。そのため、紙送りローラー81及び排紙ローラー82に第1PFモーター83から第1駆動力のみが伝達される場合と比較して、紙送りローラー81及び排紙ローラー82の回転速度が適切に調整され、ひいては紙送りローラー81及び排紙ローラー82によって後方に給送される用紙Pの搬送速度が適切に調整される。
したがって、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(14)反時計方向に回転する紙送りローラー81及び排紙ローラー82には、第2PFモーター85側から第2駆動力が付与されると共に、第1PFモーター83側から第2駆動力よりも小さい第1駆動力が付与される。この場合、第2PFモーター85には、紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第1駆動力に相当する負荷が加わることになる。すなわち、第2PFモーター85には、第1PFモーター83側から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に第1駆動力が伝達されない場合と比較して、大きな負荷が加わることになる。そのため、反時計方向に回転する紙送りローラー81及び排紙ローラー82に過大な駆動力が伝達されることを抑制でき、ひいては紙送りローラー81及び排紙ローラー82の回転速度を所望する速度に近づけることができる。したがって、PFモーター83,85を用いる紙送りローラー81及び排紙ローラー82の移動速度の制御性を向上させることができる。
(15)時計方向に回転する紙送りローラー81及び排紙ローラー82には、第1PFモーター83側から第1駆動力が付与されると共に、第2PFモーター85側から第1駆動力よりも小さい第2駆動力が付与される。この場合、第1PFモーター83には、紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第2駆動力に相当する負荷が加わることになる。すなわち、第1PFモーター83には、第2PFモーター85側から紙送りローラー81及び排紙ローラー82に第2駆動力が伝達されない場合と比較して、大きな負荷が加わることになる。そのため、時計方向に回転する紙送りローラー81及び排紙ローラー82に過大な駆動力が伝達されることを抑制でき、ひいては紙送りローラー81及び排紙ローラー82の回転速度を所望する速度に近づけることができる。したがって、PFモーター83,85を用いる紙送りローラー81及び排紙ローラー82の移動速度の制御性を向上させることができる。
(16)本実施形態では、各PFモーター83,85に供給する電力を調整することにより、紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第1駆動力及び第2駆動力の大きさが調整される。そのため、常に一定の電力がPFモーター83,85に供給される場合と比較して、該PFモーター83,85の発熱を抑制できると共に、インクジェット式プリンター11自体の消費電力を低減できる。
(17)また、第1PFモーター83がA方向に回転する場合、該第1PFモーター83から紙送りローラー81及び排紙ローラー82側への動力伝達を遮断でき、ひいては紙送りローラー81及び排紙ローラー82の意図しない回転を抑制できる。同様に、第2PFモーター85がB方向に回転する場合、該第2PFモーター85から紙送りローラー81及び排紙ローラー82への動力伝達を遮断でき、ひいては紙送りローラー81及び排紙ローラー82の意図しない回転を抑制できる。
(18)さらに、ASF80を駆動させるべく第1PFモーター83がA方向に回転する場合、第2PFモーター85をB方向に回転させることによりメンテナンス装置32を駆動させることができる。すなわち、ASF80による用紙Pのフレーム12内への給送と、記録ヘッド30のメンテナンス(クリーニングなど)又はメンテナンス装置32を構成する図示しないキャップ内の空吸引などを同時に行なうことができる。
(19)また、各PFモーター83,85を協働させることにより、用紙Pの移動速度を適切に制御することができる。そのため、用紙Pの移動速度を安定化させることができる分、該用紙Pに画像を適切な位置に形成させることができる。すなわち、インクジェット式プリンター11による印刷精度を向上させることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
・第3の実施形態において、PFモーター83,85を、第3及び第4の一方向伝達部93,99を介してメンテナンス装置32及びASF80以外の他の駆動部(例えば、加圧ユニット40や冷却用ファン56)に動力伝達可能な状態で連結してもよい。また、第1PFモーター83を、第2PFモーター85に第4の一方向伝達部99を介して連結される駆動部に対して第3の一方向伝達部93を介して連結させてもよい。
・第3の実施形態において、第1PFモーター83を、第3の一方向伝達部93を介して駆動部に連結させなくてもよい。この場合、第3の一方向伝達部93を省略してもよい。また、第2PFモーター85を、第4の一方向伝達部99を介して駆動部に連結させなくてもよい。この場合、第4の一方向伝達部99を省略してもよい。また、PFモーター83,85を駆動部の駆動源として用いないため、第1及び第2の一方向伝達部84,86を省略してもよい。このように構成しても、第1PFモーター83をA方向に回転させたり、第2PFモーター85をB方向に回転させたりすることがなくなる。そのため、第1PFモーター83のA方向への回転に基づく駆動力や第2PFモーター85のB方向への回転に基づく駆動力が紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達されることを抑制できる。
・同様に、第1及び第2の実施形態において、第1CRモーター20を、第3の一方向伝達部41を介して駆動部に連結させなくてもよい。この場合、第3の一方向伝達部41を省略してもよい。また、第2CRモーター22を、第4の一方向伝達部42を介して駆動部に連結させなくてもよい。この場合、第4の一方向伝達部42を省略してもよい。このように構成しても、第1CRモーター20をA方向に回転させたり、第2CRモーター22をB方向に回転させたりすることがなくなる。そのため、第1CRモーター20のA方向への回転に基づく駆動力や第2CRモーター22のB方向への回転に基づく駆動力がキャリッジ17に伝達されることを抑制できる。
・各実施形態において、一方向伝達部21,23,41,42,84,86,93,99は、電磁式のクラッチであってもよい。この場合、制御部51は、変位部材であるキャリッジ17、紙送りローラー81及び排紙ローラー82の変位態様に応じて一方向伝達部21,23,41,42,84,86,93,99を作動させてもよい。
・第1の実施形態において、キャリッジ17の移動速度が設定低速領域の範囲内となるような印刷モードが複数存在する場合、印刷モード毎に、負荷用のCRモーターで発生させる駆動力を変更してもよい。
・第1及び第2の実施形態において、CRモーター20,22とキャリッジ17との動力伝達経路には、CRモーター20,22からキャリッジ17への動力伝達効率を可変できる効率可変機構を配置してもよい。この場合、CRモーター20,22に供給する電力を調整しなくても、効率可変機構を駆動させることにより、キャリッジ17に伝達される第1駆動力や第2駆動力の大きさを調整することができる。この場合、効率可変機構及び該効率可変機構を制御する制御部51により、調整手段が構成される。
・同様に、第3の実施形態において、PFモーター83,85と紙送りローラー81及び排紙ローラー82との動力伝達経路には、PFモーター83,85から紙送りローラー81及び排紙ローラー82への動力伝達効率を可変できる効率可変機構を配置してもよい。この場合、PFモーター83,85に供給する電力を調整しなくても、効率可変機構を駆動させることにより、紙送りローラー81及び排紙ローラー82に伝達される第1駆動力や第2駆動力の大きさを調整することができる。この場合、効率可変機構及び該効率可変機構を制御する制御部51により、調整手段が構成される。
・第1及び第2の実施形態において、キャリッジ17を左方側に移動させる場合にのみ、各CRモーター20,22を回転させるようにしてもよい。この場合、キャリッジ17を右方側に移動させる場合には、第1CRモーター20からの第1駆動力のみがキャリッジ17に伝達されることになる。また、キャリッジ17を右方側に移動させる場合にのみ、各CRモーター20,22を回転させるようにしてもよい。この場合、キャリッジ17を左方側に移動させる場合には、第2CRモーター22からの第2駆動力のみがキャリッジ17に伝達されることになる。
・第2の実施形態において、第2CRモーター22を、第4の一方向伝達部42を介してAPG機構71に動力伝達可能な状態で連結してもよい。ただし、第2CRモーター22からの駆動力が伝達された場合には、カム72A,72B及びカムフォロア73A,73Bを、第1CRモーター20からの駆動力が伝達された場合とは逆方向に回転させてもよい。
・各実施形態において、変位部材の変位速度を検出するための手段として、モーターの軸の回転速度を検出するためのロータリーエンコーダーを設けてもよい。
・第1及び第2の実施形態において、CRモーター20,22の他に負荷用のモーターを別途設けてもよい。このように構成すると、キャリッジ17を左方側に移動させる場合には第1CRモーター20を休めることができると共に、キャリッジ17を右方側に移動させる場合には第2CRモーター22を休めることができる。
・第1及び第2の実施形態において、第1CRモーター20を、キャリッジ17の左右方向に移動させるための駆動用のモーターとして用い、第2CRモーター22を、第1CRモーター20に対して負荷を加えるための負荷用のモーターとして用いてもよい。この場合、第2CRモーター22は、第1CRモーター20よりも出力可能な駆動力の最大値が小さい直流モーターであってもよい。
・各実施形態において、記録装置を、インクカートリッジ35がキャリッジ17上に配置される、いわゆるオンキャリタイプのインクジェット式プリンター11に具体化してもよい。この場合、各CRモーター20,22のうち負荷用のモーターに供給する電力は、インクカートリッジ35に貯留されるインクの残量が多いほど小さくしてもよい。
・第1及び第2の実施形態において、記録手段は、用紙Pの幅方向に沿って複数の記録ヘッドが配置されたものであってもよい。この場合、複数の記録ヘッドを支持するキャリッジを、各CRモーター20,22を用いて用紙Pの搬送方向(変位方向)に沿って移動させることになる。
・第3の実施形態において、記録手段は、用紙Pの幅方向に沿って複数の記録ヘッドが配置されたものであってもよい。この場合、複数の記録ヘッドを支持するキャリッジを、用紙Pの搬送方向に沿って移動させてもよいし、移動させなくてもよい。
・各実施形態では、記録装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の液体(記録材)を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルターの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
・各実施形態において、記録装置は、レーザー式プリンター(1ドラム方式やタンデム方式等)、LEDプリンター、熱転写プリンター(昇華型プリンターを含む)などのノンインパクトプリンターでもよいし、ドットインパクト式プリンターなどのインパクト式プリンターでもよい。
・各実施形態において、記録装置を、用紙Pに直接接触しつつインクを該用紙Pに付着させる記録手段を有する記録装置に具体化してもよい。
・本発明の駆動制御装置を、スキャナーに設けてもよい。すなわち、所定の走査方向(変位方向)に移動する読取り部を、2つのモーターを用いて移動させてもよい。このように構成すると、読取り部の移動速度が速やかに安定するため、記録媒体からの読取り精度を向上させることができる。
次に、上記各実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記調整手段は、
前記変位部材の変位速度が低速モードに設定された場合において該変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるときに、前記変位部材に前記第2のモーター側から第2駆動力を伝達させる一方、
前記変位部材の変位速度が低速モードに設定された場合において該変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるときに、前記変位部材に前記第1のモーター側から第1駆動力を伝達させることを特徴とする請求項3に記載の駆動制御装置。
(ロ)変位部材を所定の変位方向に変位させるための駆動制御装置であって、
前記変位部材を前記変位方向に沿って変位させるための第1駆動力を発生すべく駆動する駆動用のモーターと、
前記第1駆動力による前記変位部材の変位方向とは逆方向に前記変位部材を変位させるための駆動力であって且つ前記第1駆動力よりも小さい第2駆動力を発生すべく駆動する負荷用のモーターと、を備えることを特徴とする駆動制御装置。
11…記録装置としてのインクジェット式プリンター、15…搬送装置、17…変位部材としてのキャリッジ、20…第1のモーターとしての第1CRモーター、21,84…第1の一方向伝達部、22…第2のモーターとしての第2CRモーター、23,86…第2の一方向伝達部、27…速度検出手段としてのリニアエンコーダー、30…記録手段としての記録ヘッド、32…駆動部としてのメンテナンス装置、40…駆動部としての加圧ユニット、41,93…第3の一方向伝達部、42,99…第4の一方向伝達部、56…駆動部としての冷却用ファン、60…調整手段、速度検出手段を構成するCPU(判定手段、制御手段)、71…駆動部としてのギャップ調整機構、80…駆動部としてのASF、81…変位部材としての紙送りローラー、82…変位部材としての排紙ローラー、83…第1のモーターとしての第1PFモーター、85…第2のモーターとしての第2PFモーター、KV…速度閾値、P…記録媒体としての用紙。

Claims (12)

  1. 変位部材を所定の変位方向に変位させるための駆動制御装置であって、
    第1の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるための第1駆動力を発生する第1のモーターと、
    第2の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるための第2駆動力を発生する第2のモーターと、
    前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させる場合には、前記第2のモーター側から前記変位部材に伝達される第2駆動力を前記第1のモーター側から前記変位部材に伝達される第1駆動力よりも小さくする調整手段と、を備えることを特徴とする駆動制御装置。
  2. 前記調整手段は、前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させる場合には、前記第1のモーター側から前記変位部材に伝達される第1駆動力を、前記第2のモーター側から前記変位部材に伝達される第2駆動力よりも小さくすることを特徴とする請求項1に記載の駆動制御装置。
  3. 前記調整手段は、
    前記変位部材の変位速度が設定低速域の範囲内である場合において該変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるときに、前記変位部材に前記第2のモーター側から第2駆動力を伝達させる一方、
    前記変位部材の変位速度が設定低速域の範囲内である場合において該変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるときに、前記変位部材に前記第1のモーター側から第1駆動力を伝達させることを特徴とする請求項2に記載の駆動制御装置。
  4. 前記調整手段は、
    前記変位部材の変位速度を検出する速度検出手段と、
    前記速度検出手段によって検出された変位速度が予め設定された速度閾値未満である場合に前記変位部材の変位速度が設定低速域の範囲内であると判定する判定手段とを有することを特徴とする請求項3に記載の駆動制御装置。
  5. 前記調整手段は、前記各モーターに供給する電力を個別に調整する制御手段を有することを特徴とする請求項2〜請求項4のうち何れか一項に記載の駆動制御装置。
  6. 前記第1のモーターが前記第1の方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記変位部材への動力伝達を許容する一方で、前記第1のモーターが前記第1の方向とは逆方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記変位部材への動力伝達を遮断する第1の一方向伝達部と、
    前記第2のモーターが前記第2の方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記変位部材への動力伝達を許容する一方で、前記第2のモーターが前記第2の方向とは逆方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記変位部材への動力伝達を遮断する第2の一方向伝達部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載の駆動制御装置。
  7. 前記第1のモーターが前記第1の方向の逆方向に回転する場合に駆動する駆動部と、
    前記第1のモーターが前記第1の方向の逆方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記駆動部への動力伝達を許容する一方で、前記第1のモーターが前記第1の方向に回転する場合には該第1のモーターからの前記駆動部への動力伝達を遮断する第3の一方向伝達部と、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の駆動制御装置。
  8. 前記第2のモーターが前記第2の方向の逆方向に回転する場合に駆動する駆動部と、
    前記第2のモーターが前記第2の方向の逆方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記駆動部への動力伝達を許容する一方で、前記第2のモーターが前記第2の方向に回転する場合には該第2のモーターからの前記駆動部への動力伝達を遮断する第4の一方向伝達部と、をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の駆動制御装置。
  9. 所定の走査方向に沿って移動する変位部材と、
    前記変位部材に搭載され、記録媒体に対して記録材を付着させて記録を施す記録手段と、
    前記変位部材の移動を制御する、請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の駆動制御装置と、を備えることを特徴とする記録装置。
  10. 記録媒体を所定の搬送方向に沿って搬送させるべく回転する変位部材を有する搬送装置と、
    前記搬送装置によって搬送された記録媒体に対して記録材を付着させて記録を施す記録手段と、
    前記変位部材の回転を制御する、請求項1〜請求項8のうち何れか一項に記載の駆動制御装置と、を備えることを特徴とする記録装置。
  11. 第1のモーター及び第2のモーターの少なくとも一方によって変位部材を所定の変位方向に変位させる駆動制御方法であって、
    前記第1のモーターは、第1の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させるための第1駆動力を発生すると共に、前記第2のモーターは、第2の方向に回転した場合に前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させるための第2駆動力を発生するようになっており、
    前記変位部材を前記変位方向における一方側に変位させる場合に、前記第1のモーター側から第1駆動力を前記変位部材に伝達させると共に、前記第2のモーター側から前記第1駆動力よりも小さい第2駆動力を前記変位部材に伝達させる一方側変位ステップを有することを特徴とする駆動制御方法。
  12. 前記変位部材を前記変位方向における他方側に変位させる場合に、前記第2のモーター側から第2駆動力を前記変位部材に伝達させると共に、前記第1のモーター側から前記第2駆動力よりも小さい第1駆動力を前記変位部材に伝達させる他方側変位ステップをさらに有することを特徴とする請求項11に記載の駆動制御方法。
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