≪第1の実施形態≫
以下、移動端末の第1の実施形態について、図1〜図11に基づいて詳細に説明する。図1には、移動端末としてのワンセグ受信機10を含むワンセグ放送システム100の構成が模式的に示されている。
この図1に示すように、ワンセグ放送システム100は、ローカル放送局としてのワンセグコンテンツ配信サーバ50と、街中に配置された多数の送信機30と、送信機30からワンセグ放送を受信することが可能なワンセグ受信機10と、を有する。
ワンセグコンテンツ配信サーバ50は、ローカルワンセグ放送(一地域で放送される、商店街や店舗に関するコマーシャル(CM)など)の放送データ(番組コンテンツ)を送信機30に対して送信する。また、これとともに、番組データ(番組の放送開始時間、終了時間等に関する情報)を送信機30に対して送信する。
送信機30は、数m〜数十mの範囲にローカルワンセグ放送データ(番組コンテンツ)や番組データを配信する。この送信機30は、図1のA地域、B地域、C地域などに分散して配置されており、各地域で、放送データや番組データが異なっているものとする。
ワンセグ受信機10は、例えば、ワンセグ放送及びローカルワンセグ放送を受信することが可能な携帯電話、PHS、PDA、あるいはワンセグ放送及びローカルワンセグ放送受信専用のポータブル受像機などの移動端末である。このワンセグ受信機10は、図2に示すように、表示画面24と、入力部26と、制御部28と、を有している。
表示画面24は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを含み、ローカルワンセグ放送や当該ローカルワンセグ放送の番組表などを表示する。入力部26は、タッチパネルやキーボードを含み、ユーザの入力を受け付ける機能を有している。ユーザは、入力部26から、自己のニーズを登録する操作を行ったり、ワンセグ放送のチャンネルを切り替えたりすることができる。制御部28は、CPUやROM、RAM等を含んでおり、RAMに格納されたプログラムにより、図2に示す各部の機能が実現される。具体的には、図2に示すように、ワンセグ受信機10では、受信部12と、表示制御部13と、取得部14と、報知部16と、位置情報取得部18と、登録部20と、判定手段及び設定手段としての取得頻度設定部22と、の機能が実現されている。
受信部12は、送信機30を介して、ワンセグコンテンツ配信サーバ50から送信されるローカルワンセグ放送データや番組データを受信する。表示制御部13は、入力部26から入力されるチャンネル情報と、受信部12で受信した放送データに基づいて、表示画面24上に番組コンテンツを表示する。なお、受信部12と表示制御部13により、チューナとしての機能が実現されている。
取得部14は、受信部12において受信された番組データを取得して、番組表を作成する。報知部16は、取得部14による番組データの取得結果(又は番組表の作成結果)に基づいて、ユーザのニーズに応じた番組の情報をユーザに報知するものである。報知の方法としては、ユーザのニーズに応じた番組の情報を表示画面24上に表示するほか、音や振動により表示画面24上に番組の情報を表示したことをユーザに報知することもできる。
位置情報取得部18は、現在位置を取得する。この位置情報取得部18の現在位置取得方法については、後述する。
登録部20は、ユーザの操作を受け付けて、ユーザが入力したエリア(情報を得たいエリア)を登録したり、ユーザが入力したカテゴリ(嗜好に合っていて、情報を得たいと考えるカテゴリ)の登録を行う。なお、本実施形態では、登録部20は、登録したエリアの情報及びカテゴリの情報を保持(記憶)する保持部を有している。
取得頻度設定部22は、位置情報取得部18が取得した現在位置と、登録部20で登録された登録エリアとの関係に基づいて、取得部14による番組データの取得頻度(番組表の作成頻度)を設定する。
次に、本実施形態のワンセグ受信機10における処理について、図3〜図11に基づいて、詳細に説明する。まず、ユーザの入力に基づいて、ワンセグ受信機10において実行される設定処理について説明する。
図3に示すように、ワンセグ受信機10の登録部20では、まず、ステップS10において、入力部26を介してユーザからの初期設定指示、又は設定変更指示が出されたか否かを判断する。ここでは、例えば、ワンセグ受信機10のメニュー画面から、「設定」のメニューが選択され、更に、「ニーズ登録初期設定又は設定変更」のメニューが選択された場合に、ステップS10の判断が肯定される。ここでの判断が肯定されると、ステップS12に移行する。なお、ステップS10が否定された場合には、肯定されるまでステップS10が繰り返される。
ステップS12に移行すると、登録部20は、表示画面24上に、図4に示すようなニーズ登録画面を表示する。このニーズ登録画面は、図4に示すように、エリア選択とカテゴリ選択ができるようになっている。このうち、エリア選択では、エリアを地域から選択したり、路線(最寄駅など)から選択したりすることができる。一方、カテゴリ選択では、グルメ、ショッピング、映画、イベント、スポーツなどのカテゴリを選択するとともに、それらカテゴリの中でも更にカテゴリを絞り込んで選択することができる。例えば、グルメの項目を選択すると、更に、和食、洋食などのカテゴリが選択できるようになり、更に和食であれば、ソバやうどんなどの更なる絞り込み選択もできる。
図3に戻り、ステップS14に移行すると、登録部20は、ニーズが全て設定済みか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS16に移行し、登録部20は、ユーザによりニーズが選択されたか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS18に移行して、カテゴリテーブル(図5(a))又はエリアテーブル(図5(b))に基づいて、ニーズテーブル(図5(c))を作成する。
ここで、図5(a)に示すカテゴリテーブルは、レベル1、レベル2というように段階的にカテゴリが定められており、レベル1では、グルメ、ショッピング、エンターテイメントなどに対してカテゴリコードが定義されている。また、レベル2では、例えば、グルメ(G1000)に関連するカテゴリ(下位概念のカテゴリ)である、和食、中華、フレンチなどに対して、カテゴリコードが定義されている。なお、図5(a)においては、グルメの下位概念のカテゴリ(和食、中華、フレンチ等)のカテゴリコードのアルファベット部分「G」と、その次の数字「1」が共通するようになっている。また、図5(a)には図示されていないが、和食の下位概念のカテゴリ(うどん、そば等)では、カテゴリコードのアルファベット部分「G」と、その次の2桁の数字「11」が共通するようになっている。
一方、図5(b)に示すエリアテーブルでは、渋谷、新宿、銀座などの地名が、2つの地点(地点(1)(経度(1)、緯度(1))と、地点(2)(経度(2)、緯度(2)))で定義されている。ここで、エリアを定義する2つの地点としては、図6に示すように、渋谷や新宿、銀座などの地名で表される領域の全て(又は一部)が入る矩形領域の対角の頂点を採用することができる。
また、図5(c)に示すニーズテーブルでは、ユーザのニーズとして、カテゴリと地名とを紐付けして登録する。例えば、図5(c)のニーズ1には、「渋谷」の「和食」というニーズが登録され、ニーズ2には、「新宿」の「フレンチ」というニーズが登録されている。このニーズテーブルでは、ユーザの設定した数だけ、ニーズが登録されるものとする。なお、設定できる数には上限を設けても良い。
その後、ステップS14に戻り、ステップS14の判断が否定された場合には、ステップS16、S18を上記と同様に実行するが、ステップS14の判断が肯定された場合には、ステップS20に移行する。ステップS20では、登録部20が、ニーズ登録画面を非表示にして、ステップS10に戻る。
以上のようにして、図3の処理を実行することで、登録部20では、ユーザのニーズが、1つ又は複数登録されるようになっている。
次に、図7に基づいて、ローカルワンセグ放送の番組データ及び番組表の取得及び放送受信に関する処理について説明する。図7は、ローカルワンセグ放送の番組データ及び番組表の取得及び放送受信に関する処理を示すフローチャートである。
図7のステップS30では、取得部14が、設定時間が経過したか否かを判断する。ここで、設定時間とは、予め設定された初期時間であり、例えば、3分に設定されているものとする。ここでの判断が否定された場合には、ステップS30を繰り返すが、判断が肯定された場合には、ステップS32に移行する。
ステップS32では、取得部14が、番組表作成処理のサブルーチンを実行する。このサブルーチンでは、図8の処理を実行する。図8では、取得部14が、ステップS50において、パケット分割されているデータを受信する。ここで、パケット分割されているデータとは、図9(a)に示すようなデータである。このうち、番組情報識別子が付加されているパケットのデータ領域には、図9(b)に示すように、番組の名称、放送開始日時、終了日時、放送緯度、経度、カテゴリコード及び内容が含まれているものとする。
図8に戻り、次のステップS52では、取得部14が、最終パケットの処理が済んだか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、図7のステップS34に移行するが、判断が否定された場合には、ステップS54に移行する。ステップS54では、取得部14が、パケット識別子が番組情報識別子であるか否かを判断する。ここでの判断が否定された場合には、ステップS52に戻るが、肯定されると、ステップS56において、取得部14が、番組に関する情報(番組データ)を取り出し、番組表テーブルに追加する。番組表テーブルは、図10に示すようなテーブルである。この図10の番組表テーブルは、番組情報データを「放送開始日時」の早い順に並べたものである。
上記処理を行い、ステップS52の判断が肯定されると、図8の番組表作成処理の全処理を終了して、図7のステップS33に移行する。
図7のステップS33では、位置情報取得部18が、ユーザの現在位置を取得する。ここで、位置情報取得部18では、ステップS32の番組表作成処理において作成された番組表から、放送緯度、放送経度を取得することで、ユーザが存在しているエリア(現在位置)を取得する。
次いで、ステップS34では、取得頻度設定部22が、ユーザが現在位置しているエリアが、ニーズテーブルに登録されているエリア内であるか否かを判定する。図1の例では、ユーザが現在位置しているエリア(A地域)がニーズテーブルに登録されているか否かを判定する。ここでの判断が肯定された場合には、取得頻度設定部22は、ステップS36において設定時間をa分(a分は例えば3分とする)に設定する。一方、ステップS34の判断が否定された場合には、取得頻度設定部22は、ステップS38において、設定時間をb分(a分よりも長い時間、例えば30分とする)に設定する。
次いで、ステップS40では、表示制御部13が、番組表データの中に、ニーズにあった放送があるか否かを判断する。ここで、ニーズに合った放送とは、カテゴリのニーズのほか、エリアのニーズも合致している放送であるものとする。ステップS40では、例えば、登録されているカテゴリが図5(a)のグルメ(G1000)である場合には、その下位概念である、和食(G1100)や中華(G1200)などの放送も、ニーズに合致する放送であるものとして扱う。この場合、グルメのカテゴリコードの前半部「G1」と、和食(G1100)や中華(G1200)などのカテゴリコードとの比較により、ニーズに合致するか否かを判定する。一方、和食(G1100)の下位概念であるそば(例えば、G1108)がニーズとして登録されている場合に、うどん(例えば、G1105)のCMが番組表に存在している場合には、ニーズは合致しないものとして取り扱う。ただし、これに限られるものではなく、そばと、うどんは類似する(カテゴリコードが類似する)ものとして、ニーズが合致すると判定しても良い。
ここでの判断が否定された場合には、ステップS30に移行し、ステップS36又はステップS38で設定された設定時間間隔で、ステップS32以降の処理が実行されるようになっている。すなわち、ユーザが登録したエリア内に位置している場合には、頻繁に(a分ごとに)番組データを取得して、番組表を作成(更新)し、登録したエリア内に位置していない場合には、比較的長い時間間隔(b分ごと)で、番組表を作成(更新)するようにしている。
これに対し、ステップS40の判断が肯定された場合には、ステップS42の放送受信処理のサブルーチンを実行する。
ステップS42のサブルーチンでは、図11のフローチャートに沿った処理を実行する。図11のステップS60では、表示制御部13が、放送開始までの時間を算出する。この場合、ユーザのニーズに合った放送の放送開始日時(時刻)を、図10の番組表テーブルから取得し、その放送開始日時(時刻)から現在日時(時刻)を差し引くことで、放送開始までの時間を算出する。
次いで、ステップS62では、表示制御部13が、放送開始までの時間がm秒以下であるか否かを判断する。ここで、m秒は、ユーザなどが設定することができ、例えばm=5(秒)などとすることができる。なお、このステップS62の判断が否定された場合には、ステップS60に戻るが、ステップS62の判断が肯定された場合には、ステップS64に移行する。
ステップS64では、表示制御部13が、報知部16を介して、ユーザに、ニーズに合った放送(CM放送)があることを通知する。この場合、報知部16は、表示画面24における表示で報知を行っても良いし、不図示のスピーカからの音の出力や、不図示の振動機構(バイブレータ)による振動の発生により、報知を行っても良い。また、例えば、自動的にワンセグ放送を視聴するためのソフトを立ち上げても良い。
次いで、ステップS66では、受信部12が、ローカルワンセグ放送(CM放送)の受信を開始し、表示制御部13が、表示画面24上にローカルワンセグ放送の表示を開始する。すなわち、受信部12と表示制御部13により実現されるチューナを起動する。このようにすることで、ユーザは、自己のニーズ(エリア、カテゴリ)に合った放送を、放送開始まで別の放送を視聴しながら待つことなく、視聴することが可能となる。なお、受信部12に対する電力供給は、常時行っていても良いが、これに限らず、番組データを受信するとき、及び番組を視聴するときにのみ行うこととしても良い。
以上、詳細に説明したように、本実施形態によると、ワンセグ受信機10が、放送番組に関する番組データを取得する取得部14と、取得部14が取得した番組データに基づく報知を行う報知部16と、現在位置を取得する位置情報取得部18と、ユーザが登録したエリア(番組データの取得を行う領域)の情報を保持する登録部20と、位置情報取得部18が取得した現在位置が、登録されているエリア内にあると判定したときに、取得部14による番組データの取得頻度を高く設定する取得頻度設定部22と、を備えている。したがって、ユーザの現在位置と、登録されたエリア(ユーザのニーズに合ったエリア)との関係に基づいて、番組データの取得頻度(作成・更新頻度)を設定するので、番組データを頻繁に取得(作成・更新)する必要が無いような場合に、当該取得(作成・更新)頻度を減らすことができる。これにより、放送波の頻繁なサーチも不要となるため、省電力化を図ることができる。また、本実施形態では、ユーザは、ローカルワンセグ放送を用いたCMを視聴することから、インターネットのサイトなどで、店の情報等を閲覧する場合と比べて、通信料(パケット料金)の負担を低減することができる。また、ローカルワンセグ放送では、動画を視聴することができるので、インターネットの文字情報や静止画像などで店の情報等を収集するよりも、店の雰囲気などを的確に把握することができる。
また、本実施形態によると、取得頻度設定部22は、現在位置が登録されたエリア内にあるときの取得頻度を、エリア内にないときの取得頻度よりも高くすることとしている。このため、ユーザのニーズに応じて、適切に番組データの取得頻度(作成・更新頻度)を設定することができるので、適切に省電力化を図ることができるようになる。
また、本実施形態によると、ユーザは、嗜好に合ったカテゴリを登録しておき、取得部14で作成した番組表にユーザの現在位置及び嗜好と合致する番組が存在する場合に番組を自動的に表示する(図7のステップS34〜S42)。このように、ユーザが見たい番組のみを自動で表示することで、ユーザの使い勝手を向上させることができる。この点、従来の携帯電話におけるPush配信サービス(嗜好に応じた情報提供)やカーナビゲーションシステム(現在位置に応じた情報提供)、インターネット検索(自己の意志で検索して情報提供を受ける)と比較しても、十分にユーザの使い勝手が向上していることになる。
また、本実施形態では、番組に関する情報(番組データ)を、放送波から取得するので、ワンセグ放送を受信する受信部以外の通信部(インターネット機能や無線LAN機能など)をワンセグ受信機10に持たせる必要が無い。これにより、ワンセグ受信機10の簡素化を図ることができ、ひいては、小型・軽量化及びコストダウンを計ることが可能となる。
また、本実施形態では、位置情報取得部18が、番組に関する情報(番組データ)から、ユーザの現在位置を取得するようにしているので、位置情報を取得するための特別な機器をワンセグ受信機10に持たせる必要が無い。この点からも、ワンセグ受信機10の簡素化を図ることができ、ひいては、小型・軽量化及びコストダウンを計ることが可能となる。
なお、上記実施形態では、制御部28は、位置情報取得部18が取得した現在位置の情報と、登録部20が保持するエリアの情報とに基づいて、現在位置がエリア内にあると判断されるときだけ受信部12と取得部14への電力供給を行い、エリア外にあるときには電力供給を停止する電力供給部を更に備えていても良い。これにより、更なる省電力化を図ることができる。
なお、上記実施形態では、ユーザの現在位置及び嗜好と合致する番組が開始される前にユーザに当該番組があることを報知し、放送開始前から(又は放送開始と同時に)、受信部12が放送を自動で受信して、表示制御部13が番組を自動で表示する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、放送が既に開始されている場合でも、放送を自動で受信し表示することとしても良い。ただし、このような場合でも、表示制御部13は、番組終了までの残り時間が所定の閾値(例えば、5秒)以下の場合には、番組を自動的に表示しないようにすることができる。このように、放送の残り時間がわずかな場合には番組を表示しないようにすることで、ユーザの使い勝手を向上させることができる。なお、番組終了までの残り時間が所定の閾値以下の場合には、次に、同じ番組が放送される時間に合わせて、放送を自動で受信し表示するようにすれば良い。同じ番組が放送される時間は、番組名称など番組を識別する情報に基いて番組表テーブルを参照することにより特定することができる。このようにすることで、ユーザの使い勝手を更に向上させることができる。
≪第2の実施形態≫
次に、移動端末の第2の実施形態について、図12〜図15に基づいて詳細に説明する。本第2の実施形態では、ワンセグ受信機10’の位置(ユーザの位置)を取得する方法が、上記第1の実施形態と異なっている。以下、この点を中心に説明する。
図12には、本第2の実施形態に係るワンセグ受信機10’を含むワンセグ放送システム100’の構成が模式的に示されている。図12に示すように、本第2実施形態のワンセグ放送システム100’では、第1の実施形態のワンセグ放送システム100(図1参照)に加えて、GPS(Global Positioning System)衛星40を備えている。
図13には、図12のワンセグ受信機10’の構成がブロック図にて示されている。この図13に示すように、ワンセグ受信機10’には、図2の位置情報取得部18に代えて、GPS位置取得部18’が設けられている。このGPS位置取得部18’は、GPS衛星40からの信号(電波)を受信して、当該受信結果から、ワンセグ受信機10’の位置を取得する。
図14(a)には、本第2の実施形態において、ワンセグコンテンツ配信サーバ50から送信されてくるパケット分割されているデータが示されている。また、図14(b)には、番組情報識別子が付加されているパケットのデータ領域の具体的内容が示されている。これらの図に示すように、本第2の実施形態では、前述した第1の実施形態(図9(b))と異なり、ワンセグコンテンツ配信サーバ50から送信されてくるデータには、放送緯度、及び放送経度が含まれていない。また、本第2の実施形態の番組表テーブル(図15)には、第1の実施形態(図10参照)と異なり、放送緯度、及び放送経度の項目は含まれていない。
本第2の実施形態では、基本的には、前述した第1の実施形態と同様の処理を行うことができる。ただし、図7のステップS33(位置情報を取得するステップ)においては、GPS位置取得部18’が、ワンセグ受信機10’(すなわちユーザ)の位置を取得するようにする。
以上のように、本第2の実施形態では、第1の実施形態と同様の処理を行うことができるので、番組データの取得頻度が適切となり、第1の実施形態と同様、省電力化を図ることができる。また、本第2の実施形態では、GPS位置取得部18’を用いて、ワンセグ受信機10’の位置を取得するので、高精度な位置取得が可能である。また、本第2の実施形態では、ワンセグコンテンツ配信サーバ50から送信されてくるデータには、放送緯度、及び放送経度が含まれていないため、ワンセグ受信機10’で受信するデータ量を少なくすることができる。更に、番組表テーブルには、放送緯度及び放送経度が含まれていないことから、番組表テーブルのデータ量を少なくすることができ、ひいては、ワンセグ受信機10’に用意すべきメモリ量を少なくすることができる。
なお、上記実施形態では、GPS衛星40から送信される信号を用いてワンセグ受信機10’の位置を取得する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、RFID(Radio Frequency IDentification)システムなどに含まれる送信機を街中に配置しておき、当該送信機からの信号を受信することで、ワンセグ受信機10’の位置を取得するようにしても良い。
≪第3の実施形態≫
次に、第3の実施形態について、図16〜図20に基づいて説明する。図16には、本第3の実施形態に係るワンセグ受信機10”を含むワンセグ放送システム100”の構成が模式的に示されている。この第3の実施形態では、ワンセグ受信機10”は、携帯電話やスマートフォンなど、携帯電話基地局60との通信が可能な機器であるものとする。
図16に示すように、本第3の実施形態のワンセグ放送システム100”は、第1の実施形態のワンセグ放送システム100に加えて、携帯電話基地局60、ユーザ位置情報検知サーバ62、ニーズ登録サーバ64、及び、移動端末基地局としてのPush配信サーバ66、を有している。これら、携帯電話基地局60、ユーザ位置情報検知サーバ62、ニーズ登録サーバ64、及びPush配信サーバ66を含んで、番組情報通知装置としての機能が実現されている。
携帯電話基地局60は、ワンセグ受信機10”との間で無線通信を行うとともに、サーバ62,64,66との間で通信を行う。なお、携帯電話基地局60は、街中に数多く配置されているものである。ユーザ位置情報検知サーバ62は、街中に数多く配置されている携帯電話基地局60とワンセグ受信機10”との間の通信状態から、ワンセグ受信機10”の位置情報を検知するものである。ユーザ位置情報検知サーバ62は、必要に応じて、位置情報の検知結果をPush配信サーバ66に送信する。ニーズ登録サーバ64は、ワンセグ受信機10”上での操作に基づいて、ユーザのニーズを登録して、記憶するサーバである。ニーズ登録サーバ64は、必要に応じて、登録されているニーズを、Push配信サーバ66に送信する。Push配信サーバ66は、番組の情報を含む電子メールをワンセグ受信機10”に対してPush配信するサーバである。
ワンセグ受信機10”は、図17に示すように、図1のワンセグ受信機10の取得頻度設定部22と位置情報取得部18に代えて、通信部70を有している。通信部70は、登録部20において登録されたユーザのニーズ(エリア、カテゴリ)を、携帯電話基地局60を介して、ニーズ登録サーバ64に送信する。ニーズ登録サーバ64では、図5(c)と同様のニーズテーブルで、ユーザのニーズを管理する。以下、図18に基づいて、ニーズ設定処理の具体的な手順について、説明する。
図18には、ニーズ設定処理の手順がフローチャートにて示されている。この図18に示すように、ニーズ設定処理では、ユーザから初期設定又は設定変更指示があったことを、登録部20が確認すると(ステップS110の判断が肯定)、ステップS112において、登録部20が、通信部70を介して通信キャリアの用意するニーズ登録サーバにアクセスする。このアクセスにより、ニーズ登録サーバ64は、ニーズ登録画面を通信部70に送信し、登録部20では、当該ニーズ登録画面を表示画面24上に表示する。次のステップS114では、登録部20が、ニーズが全て設定済みかを判断し、ここでの判断が否定されると、ステップS116に移行する。そして、ステップS116では、登録部20は、ニーズが選択されるまで待機し、選択された段階で、ステップS118に移行する。ステップS118では、登録部20は、カテゴリテーブル(図5(a))又はエリアテーブル(図5(b))に基づいて、ニーズテーブルに格納するデータを、通信部70を介してニーズ登録サーバ64に対して送信する。その後は、ステップS114の判断が肯定されるまで、ステップS114〜S118を繰り返し、ステップS114の判断が肯定されると、ステップS120に移行する。ステップS120では、登録部20は、表示画面24上で、放送通知先のメールアドレスの設定又は確認を行う。具体的には、登録部20は、表示画面24上に、「メールアドレスを入力してください」や「メールアドレスは、XXX@XX.XXXXでよろしいですか?」などの表示を行う。そして、登録部20は、当該表示に対するユーザの入力を受け付けることで、ステップS120の設定又は確認を行う。その後は、ステップS110に戻る。
次に、図19,図20に基づいて、放送受信に関する処理について説明する。まず、Push配信サーバ66における処理について図19に基づいて説明する。
図19のステップS200では、Push配信サーバ66は、設定時間が経過したか否かを判断する。ここで、設定時間とは、予め設定された初期時間であり、例えば、3分に設定されているものとする。ここでの判断が否定された場合には、ステップS30を繰り返すが、判断が否定された場合には、ステップS202に移行する。
次いで、ステップS202では、Push配信サーバ66は、ユーザ位置情報検知サーバ62からユーザの位置(ワンセグ受信機10”の位置)を取得する。次いで、ステップS204では、Push配信サーバ66は、ニーズ登録サーバ64からユーザのエリアに関するニーズを取得する。例えば、ニーズテーブルに「渋谷」、「銀座」が登録されているのであれば、それらのエリアを取得する。
次いで、ステップS206では、Push配信サーバ66は、ユーザの現在位置がニーズとして登録されているエリアと合致しているか否かを判断する。ここでの判断が肯定された場合には、ステップS208に移行して、Push配信サーバ66は、設定時間をa分(a分は例えば3分とする)に設定した後、ステップS212に移行する。一方、ステップS206の判断が否定された場合には、Push配信サーバ66は、ステップS210において、設定時間をb分(a分よりも長い時間、例えば30分とする)に設定して、ステップS200に戻る。
ステップS208を経て、ステップS212に移行すると、Push配信サーバ66は、ステップS212において、ユーザの位置(又は登録されているエリア)に応じた番組表(番組データ)を取得する。この場合、Push配信サーバ66は、例えば、インターネットなどの通信網を介して、番組表を取得するものとする。
次いで、ステップS214では、Push配信サーバ66は、ニーズ登録サーバ64からユーザが登録した、カテゴリに関するニーズを取得する。この場合、例えば、ニーズテーブルに和食が登録されていれば、カテゴリコード「G1100」(図5(a)参照)を取得する。
次いで、ステップS216では、Push配信サーバ66は、番組表中に取得したカテゴリと合致する番組があるか否かを判断する。なお、ここでの判断は、前述したステップS40と同様の判断を行うものとする。ここでの判断が否定された場合には、ステップS200に戻るが、肯定された場合には、ステップS218に移行する。
ステップS218では、Push配信サーバ66は、番組に関する放送通知をメールにて送信する。なお、番組に関する放送通知とは、番組の内容と開始時間などを含む通知である。この場合、Push配信サーバ66は、図18のステップS120で設定又は確認されたメールアドレスに対してメール送信を行う。そして、ステップS220では、Push配信サーバ66は、所定時間(例えば、1時間)経過するまで待機し、所定時間経過した段階で、ステップS200に戻る。なお、ステップS220で、所定時間経過するまで待機するのは、番組表が更新されていないにもかかわらず、何度も同一の放送通知のメールがユーザに届いてしまうのを回避するためである。
ステップS200に戻ると、ステップS208、S210のいずれかにおいて設定された時間が経過するまで待機し、以下、同様の処理を実行する。すなわち、図19では、ユーザが登録したエリア内に存在しているときには、ユーザの位置の取得処理が比較的頻繁に行われ、ユーザが登録したエリア外に存在しているときには、ユーザの位置の取得処理は比較的間欠的に行われるようになっている。
次に、ワンセグ受信機10”側における処理について、図20に基づいて説明する。
図20のステップS230では、表示制御部13が、通信部に、キャリアから放送通知のメールが送信されてきたか否かを判断する。ここでの判断が肯定されると、ステップS232に移行し、ユーザから放送受信要求があるまで待機する。なお、ユーザは、入力部26から、放送受信要求を入力することができる。
ステップS232の判断が肯定されると、ステップS234に移行し、放送受信処理のサブルーチンを実行する。なお、このステップS234の処理は、前述した第1の実施形態における処理(図11)と同様であるので、説明を省略するものとする。
以上のように、本第3の実施形態では、ユーザは、現在位置している場所で放送しているローカルワンセグ放送のうち、自己のニーズに合った番組の情報をメールで受け取ることができる(ステップS218、S230)。また、ユーザは、当該メールに基づいて放送受信要求を入力すれば(ステップS232)、番組放送開始から、番組を視聴することができる(ステップS234)ようになっている。
なお、上記においては、ワンセグ受信機10”に対して放送通知がメールにて送信される場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、通信キャリアの用意する災害時緊急通知機能を用いて、放送通知を行うこととしても良い。
以上、詳細に説明したように、本第3の実施形態によると、ローカルワンセグ放送を受信するワンセグ受信機10”の現在位置を取得する携帯電話基地局60及びユーザ位置情報検知サーバ62と、ワンセグ受信機10”から登録されるエリアを取得するニーズ登録サーバ64と、ワンセグ受信機10”の現在位置に応じた番組表(番組データ)を取得し、当該番組表の少なくとも一部の情報をワンセグ受信機10”に通知するPush配信サーバ66とを備えており、ユーザ位置情報検知サーバ62によるワンセグ受信機10”の現在位置取得頻度は、ワンセグ受信機10”の現在位置と、ワンセグ受信機10”において登録されたエリアとの関係に基づいて設定される。これにより、本第3の実施形態では、ユーザ位置情報検知サーバ62におけるワンセグ受信機10”の位置検出の頻度を低減することができるので、ユーザ位置情報検知サーバ62の省電力化を図ることができる。また、ワンセグ受信機10”においても通信回数が減るので、ワンセグ受信機10”の電力消費を低減することもできる。
なお、上記第3の実施形態では、ユーザ位置情報検知サーバ62、ニーズ登録サーバ64、Push配信サーバ66のそれぞれが別の装置である場合について、説明したが、これに限られるものではない。例えば、上記3つのサーバの少なくとも2つの機能を同一の装置で実現することとしても良い。
なお、上記第3の実施形態では、ユーザ位置情報検知サーバ62が、ワンセグ受信機10”の位置を携帯電話基地局60における通信状態に基づいて、取得する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、第2実施形態のようにGPSを用いてワンセグ受信機10”で検出される位置を、ユーザ位置情報検知サーバ62が取得するようにしても良い。
なお、上記各実施形態では、ローカルワンセグ放送を街中で視聴するような場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、デパートの各階ごとに異なる放送があるような場合には、その番組情報をワンセグ受信機で取得して、これに応じた放送の受信(視聴)を行うようにすれば良い。また、博物館などで、展示物近傍でのみ視聴可能な番組を放送するようにすることもできる。
なお、上記各実施形態における処理機能は、前述したように、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記録媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上述した各実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。