JP2011176019A - 高周波伝送構造およびそれを用いたアンテナ - Google Patents

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Abstract

【課題】 超高周波帯においても伝送特性が良好な高周波伝送構造およびそれを用いたアンテナを提供する。
【解決手段】 第1〜第3の誘電体層11〜13と、第1の誘電体層11の下の第1の接地導体21と、第1および第2の誘電体層11,12間の線路導体31と、第3の誘電体層13の上の、線路導体31の端部に重なる、線路導体31に直交する第1の開口41を有する第2の接地導体22と、第2および第3の誘電体層12,13間の線路導体31の端部の上方に配置され、線路導体31の端部および第1の開口41に重なる、線路導体31に直交する第1の開口41の大きさ以下の第2の開口42を有する第3の接地導体23と、第3の接地導体23と第1の接地導体21とを接続する第1の接続導体51と、第2の接地導体22と第3の接地導体23とを接続する第2の接続導体52とを備える高周波伝送構造。線路導体31とアンテナ等とのインピーダンス整合性がよく、伝送特性が良好となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、誘電体層に形成された高周波伝送構造に関するものであって、特に、マイクロ波帯からミリ波帯領域の高周波用半導体素子を収納あるいは搭載するのに好適な半導体素子収納用パッケ−ジあるいは配線基板において、伝送線路のアンテナや導波管等との接続に適した高周波伝送構造およびそれを用いたアンテナに関するものである。
近年、高度情報化時代を迎え、情報伝達に用いられる電波は1GHz〜30GHzのマイクロ波領域から、更に30GHz〜300GHzのミリ波領域の周波数まで活用することが検
討されており、例えば、60GHzを用いた家庭内高速無線伝送システム(無線PAN:Personal Area Network)のような応用システムも提案されるようになっている。
このような応用システム等に用いられる高周波用半導体素子(以下、単に高周波素子という)を収納あるいは搭載する配線基板では、従来、伝送線路の層間接続や、アンテナへの接続等は接地導体に設けられた開口(スロット)を介して行なわれることが多い。
開口を介した伝送線路とアンテナ等との高周波伝送構造として、図7(a)に上面図で、図7(b)に図7(a)のA−A線断面図で、そして図7(c)に図7(b)のA−A線断面図で示すようなものがある。図7に示す例では、第1の誘電体層11と、第1の誘電体層11の上に積層された第2の誘電体層12と、第1の誘電体層11の下面に配置された第1の接地導体21と、第1の誘電体層11および第2の誘電体層12の層間に配置された線路導体31と、第2の誘電体層12の上面に配置され、上面視で線路導体31の端部に重なる、線路導体31に直交する方向に細長い形状の開口41を有する第2の接地導体22と、第1の接地導体21と第2の接地導体22とを接続する接続導体51とからなるものである。この高周波伝送構造においては、第1および第2の誘電体層11,12と、第1および第2の接地導体21,22と、線路導体31とで構成されるストリップラインに伝送される高周波信号が、線路導体31の端部から、第2の接地導体22に設けられた開口41に導かれ、開口41の上部に配置されたアンテナ等に伝送される(例えば、特許文献1を参照)。
開口41の上部に配置されるアンテナとしては、パッチアンテナや誘電体共振器アンテナがあり、パッチアンテナは第2の接地導体22の上に、上面に放射導体を有する誘電体層を配置することで構成され、誘電体共振器アンテナは第2の接地導体22の上に上面に開口を有する接地導体が形成された誘電体層と、上面の周囲でこの接地導体と第2の接地導体22とを接続する接続導体とで構成される。
この高周波伝送構造においては、開口41の長さL41や幅W41は、開口41の上部に配置されるアンテナ等のインピーダンスに合わせて決められるものである。例えば、開口41の上部に配置されるアンテナ等のインピーダンスが高い場合であれば、開口41の長さL41や幅W41を大きくして開口41のインピーダンスを高くすることで、アンテナ等と開口41とのインピーダンス整合がとれ、逆にアンテナ等のインピーダンスが低い場合であれば、開口41の長さL41や幅W41を小さくして開口41のインピーダンスを低くすることで、アンテナ等と開口41とのインピーダンス整合が取れて高周波信号の伝送特性が良好となるというものである。
特開2000−261235号公報
しかしながら、例えば高周波を用いた無線PANでは広帯域特性が要求されるが、パッチアンテナで広帯域特性を実現するために、第2の接地導体22と放射導体との間の誘電体層を厚くすると、パッチアンテナのインピーダンスが高くなり、また、誘電体共振器アンテナのインピーダンスは、通常、パッチアンテナよりも高いものである。
従来の高周波伝送構造では、上記のようにインピーダンスの高いアンテナとの接続の際、開口41を大きくしての開口41のインピーダンスも大きくしなければならず、そうすることで、線路導体31のインピーダンスと開口41のインピーダンスとの差が大きくなり過ぎて、線路導体31と開口41との間でインピーダンスを十分に整合させ難くなるとともに、高周波信号の周波数が60GHz等と高いと、信号の波長が短くなると同時に高周波信号がより線路導体31近傍を伝送するようになることから、高周波信号が線路導体31から開口41に届き難くなるので、線路導体31から開口41への高周波信号の伝送特性が大幅に劣化してしまうという問題があった。
本発明は上記問題点に鑑み案出されたもので、その目的は、60GHz等の超高周波帯の信号を用いた伝送システムに適した、線路導体とアンテナ等との間でインピーダンスの差が大きくても伝送特性が良好な高周波伝送構造およびそれを用いたアンテナを提供することにある。
本発明の高周波伝送構造は、第1の誘電体層と、該第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に配置された第1の接地導体と、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層の層間に配置された線路導体と、前記第3の誘電体層の上面に配置され、上面視で前記線路導体の端部に重なる、前記線路導体に直交する方向に細長い形状の第1の開口を有する第2の接地導体と、前記第2の誘電体層および前記第3の誘電体層の層間の前記線路導体の前記端部の上方に部分的に配置され、上面視で前記線路導体の前記端部および前記第1の開口に重なる、前記線路導体に直交する方向に細長い形状で前記第1の開口と同じか前記第1の開口よりも小さい第2の開口を有する第3の接地導体と、該第3の接地導体と前記第1の接地導体とを接続する第1の接続導体と、前記第2の接地導体と前記第3の接地導体とを接続する第2の接続導体とを具備することを特徴とするものである。
また、本発明のアンテナは、上記構成の本発明の高周波伝送構造と、前記第2の接地導体の上に前記第1の開口を覆って積層された第4の誘電体層と、該第4の誘電体層の上面に配置され、上面視で前記第1の開口と重なる位置に配置された放射導体とを具備することを特徴とするものである。
また、本発明のアンテナは、上記構成の本発明の高周波伝送構造と、前記第2の接地導体の上に前記第1の開口を覆って積層された第4の誘電体層と、該第4の誘電体層の上面に配置され、上面視で前記第1の開口と重なる位置に第3の開口を有する第4の接地導体と、前記第3の開口の周囲に配置されて前記第4の接地導体と前記第2の接地導体とを接続する第3の接続導体とを具備することを特徴とするものである。
本発明の高周波伝送構造によれば、線路導体の端部と第1の開口との間に、第1の開口と同じか第1の開口よりも小さい第2の開口を有する第3の接地導体を配置していることから、第1の開口の上部に接続されるアンテナ等のインピーダンスが大きく、第1の開口
のインピーダンスを大きくした場合であっても、線路導体と第2の開口を有する第3の接地導体との距離および第2の開口と第1の開口との距離が小さいことから波長の短い高周波信号であっても線路導体から第2の開口さらに第1の開口に信号が届きやすくなって線路導体から第1の開口へ信号の伝送の劣化が抑えられるとともに、さらに第2の開口が第1の開口よりも小さい場合は、第2の開口のインピーダンスを線路導体のインピーダンスと第1の開口のインピーダンスとの間のインピーダンスとすることができるので、第2の開口が線路導体と第1の開口のインピーダンス整合器として機能するようになるので、線路導体から第1の開口までのインピーダンス整合が取れ、高周波信号の伝送特性が良好な高周波伝送構造となる。
また、本発明のアンテナによれば、上記構成の本発明の高周波伝送構造の第1の開口の上に、第4の誘電体層と、放射導体と、第2の接地導体とからなるパッチアンテナが構成されることから、第1の開口のインピーダンスが大きい場合であっても、本発明の高周波伝送構造による高周波信号の伝送特性が良好であるので、高周波信号を用いた伝送システムに適した、反射特性や放射特性が良好なアンテナとなる。
また、本発明のアンテナによれば、上記構成の本発明の高周波伝送構造の第1の開口の上に、第4の誘電体層と、第3の接続導体と、第2の接地導体と、第4の接地導体とからなる誘電体共振器アンテナが構成されることから、第1の開口のインピーダンスが大きい場合であっても、本発明の高周波伝送構造による高周波信号の伝送特性が良好であるので、高周波信号を用いた伝送システムに適した、反射特性や放射特性が良好なアンテナとなる。
本発明の高周波伝送構造の実施の形態の一例を示す概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は第2の誘電体層と第3の誘電体層の層間の平面透視図、(d)は第1の誘電体層と第2の誘電体層の層間の平面透視図である。 本発明の高周波伝送構造の実施の形態の他の例を示す概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は第2の誘電体層と第3の誘電体層の層間の平面透視図、(d)は第1の誘電体層と第2の誘電体層の層間の平面透視図である。 本発明のアンテナの実施の形態の一例を示す概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明のアンテナの実施の形態の一例を説明するための概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は第3の誘電体層と第4の誘電体層の層間の平面透視図、(d)は第2の誘電体層と第3の誘電体層の層間の平面透視図、(e)は第1の誘電体層と第2の誘電体層の層間の平面透視図である。 本発明のアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 従来のアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示すグラフである。 従来の高周波伝送構造の実施の形態の一例を説明するための概略図であり、(a)は上面図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(b)のA−A線断面図である。
本発明の高周波伝送構造およびそれを用いたアンテナの実施の形態について、添付図面を参照しつつ以下に詳細に説明する。図1は本発明の高周波伝送構造の実施の形態の一例であり、11は第1の誘電体層、12は第2の誘電体層、13は第3の誘電体層、21は第1の接地導体、22は第2の接地導体、23は第3の接地導体、31は線路導体、41は第1の開口、42は第2の開口、51は第1の接続導体、52は第2の接続導体である。
本発明の高周波伝送構造は、図1に示す例のように、第1の誘電体層11と、第1の誘電体層11の上に積層された第2の誘電体層12と、第2の誘電体層12の上に積層された第3の誘電体層13と、第1の誘電体層11の下面に配置された第1の接地導体21と、第1の誘電体層11および第2の誘電体層12の層間に配置された線路導体31と、第3の誘電体層13の上面に配置され、上面視で線路導体31の端部に重なる、線路導体31に直交する方向に細長い形状の第1の開口41を有する第2の接地導体22と、第2の誘電体層12および第3の誘電体層13の層間の線路導体31の端部の上方に部分的に配置され、上面視で線路導体31の端部および第1の開口41に重なる、線路導体31に直交する方向に細長い形状で第1の開口41と同じか第1の開口41よりも小さい第2の開口42を有する第3の接地導体23と、第3の接地導体23と第1の接地導体21とを接続する第1の接続導体51と、第2の接地導体22と第3の接地導体23とを接続する第2の接続導体52とを備えている。線路導体31の端部と第1の開口41との間に、第1の開口41よりも小さい第2の開口42を有する第3の接地導体23を配置していることから、第1の開口41の上部に接続されるアンテナ等のインピーダンスが大きく、第1の開口41の長さや幅をアンテナ等のインピーダンスに合わせて大きくした場合であっても、線路導体31と第2の開口42を有する第3の接地導体23との距離および第2の開口42と第1の開口41との距離が小さいことから波長の短い高周波信号であっても線路導体31から第2の開口42さらに第1の開口41に信号が届きやすくなって線路導体31から第1の開口41へ信号の伝送の劣化が抑えられるとともに、第2の開口42を線路導体31のインピーダンスと第1の開口41のインピーダンスとの間のインピーダンスとなるように設定することによって、第2の開口42が線路導体31と第1の開口41のインピーダンス整合器として機能するようになるので、線路導体31から第1の開口41までのインピーダンス整合が取れ、高周波信号の伝送特性が良好な高周波伝送構造となる。
図2は本発明の高周波伝送構造の実施の形態の他の例であり、図2において32はスロット線路、32aはスロットであり、他の符号は図1と同じである。図2(d)に示すように、第1の誘電体層11と第2の誘電体層12との層間に、スロット32aを有するスロット線路32が形成されており、線路導体31がスロット32aと直交して先端がスロット線路32に接続され、線路導体31の先端以外はスロット線路32と絶縁されている。スロット線路32は、第1の接地導体21に上側第1の接続導体51Aで接続され、第3の接地導体23に下側第1の接続導体51Bで接続されている。即ち、第3の接地導体23と第1の接地導体21とは、間にスロット線路32を配置して、上側第1の接続導体51Aと下側第1の接続導体51Bとからなる第1の接続導体51によって接続されている。それ以外は、図1に示す例と同一である。このときのスロット32aのインピーダンスは線路導体32のインピーダンスよりも大きくする。また、スロット32aの大きさ(スロット32aの長さおよび幅)を第2の開口42の大きさと同じか第2の開口42よりも小さくして、スロット32aのインピーダンスを第2の開口42のインピーダンスと同じか、線路導体32のインピーダンスと第2の開口42のインピーダンスとの間のインピーダンスにする。このような高周波伝送構造にすると、高周波信号が線路導体31から、一旦、線路導体31よりもインピーダンスの高いスロット線路32に伝送されるので、線路導体31から第2の開口42までのインピーダンス変化がより滑らかになり、高周波信号の伝送特性が良好となる。スロット32aの大きさを第2の開口42の大きさよりも小さくして、スロット32aのインピーダンスを線路導体32のインピーダンスと第2の開口42のインピーダンスとの間のインピーダンスにすると、線路導体31から第2の開口42までのインピーダンス変化が滑らかになり、高周波信号の伝送特性が良好となる。そして、スロット32a、第2の開口42、第1の開口41の順で大きさを大きくして、線路導体32から第1の開口41までの間で順にインピーダンスが大きくなるようにすると、線路導体32から第1の開口41までのインピーダンスの変化が最も滑らかになって、高周波信号の伝送特性がさらに良好となるので好ましい。
図3は本発明のアンテナの実施の形態の一例であり、図3において、14は第4の誘電体
層、33は放射導体であり、他の符号は図1と同じである。図3に示す例は、図1に示す例のような高周波伝送構造を用いたものである。
本発明のアンテナは、図3に示す例のように、上記構成の本発明の高周波伝送構造と、この高周波伝送構造の第2の接地導体22の上に第1の開口41を覆って積層された第4の誘電体層14と、第4の誘電体層14の上面に配置され、上面視で第1の開口41と重なる位置に配置された放射導体33とを備えているパッチアンテナである。このような構成としたことから、例えば60GHzというような超高周波を用いた無線PAN等の伝送システムに要求される広帯域特性に応じてパッチアンテナのインピーダンスが高くなり、第1の開口41のインピーダンスを大きくした場合であっても、本発明の高周波伝送構造による高周波信号の伝送特性が良好であるので、反射特性や放射特性が良好なアンテナとなる。
図4は本発明のアンテナの実施の形態の他の例であり、図4において、14は第4の誘電体層、24は第4の接地導体、43は第3の開口、53は第3の接続導体であり、他の符号は図2と同じである。即ち、図4に示す例は、図2に示す例のような高周波伝送構造を用いたものである。
本発明のアンテナは、図4に示す例のように、上記構成の本発明の高周波伝送構造と、この高周波伝送構造の第2の接地導体22の上に第1の開口41を覆って積層された第4の誘電体層14と、第4の誘電体層14の上面に配置され、上面視で第1の開口41と重なる位置に第3の開口43を有する第4の接地導体24と、第3の開口43の周囲に配置されて第4の接地導体24と第2の接地導体22とを接続する第3の接続導体53とを備えている誘電体共振器アンテナである。このような構成としたことから、例えば60GHzというような超高周波を用いた無線PAN等の伝送システムに要求される広帯域特性に応じて誘電体共振器アンテナのインピーダンスが高くなり、第1の開口41のインピーダンスを大きくした場合であっても、本発明の高周波伝送構造による高周波信号の伝送特性が良好であるので、反射特性や放射特性が良好なアンテナとなる。
第1乃至第4の誘電体層11〜14は、セラミックスまたは有機樹脂、あるいはそれらの複合体からなるものである。セラミックスとしては、例えば、アルミナ(Al)質焼結体,窒化アルミニウム(AlN)質焼結体,窒化ケイ素(Si)質焼結体等のセラミック材料や、ガラス材料、あるいはガラスとAl,SiO,MgOなどの無機質フィラーとの複合体からなるガラスセラミック材料が挙げられる。有機樹脂としては、例えば、四ふっ化エチレン樹脂(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE),四ふっ化エチレン−エチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−エチレン共重合樹脂:ETFE),四ふっ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合樹脂(テトラフルオロエチレン−パーフルテロアルキルビニルエーテル共重合樹脂:PFA)等のフッ素樹脂やエポキシ樹脂,ガラスエポキシ樹脂,ポリイミド等が挙げられる。セラミック材料の場合は、より高周波の信号を伝送することが可能な、Au,Ag,Cu等の低抵抗金属からなる導体材料と同時焼成が可能なガラスセラミック材料が好ましい。
これらの材料による第1乃至第4の誘電体層11〜14の厚みH11〜H14は、使用される周波数や用途等に応じて設定される。第3の接地導体23が線路導体31と第2の接地導体22との中間の位置にあると、インピーダンス整合性が良好となるので、第2の誘電体層12の厚みH12と第3の誘電体層13の厚みH13層とが同じであるのが好ましい。
また、第4の誘電体層14の厚みH14は、第4の誘電体層14内を伝送する高周波信号の実効波長の1/4であると、第3の接続導体53と、第4の誘電体層14の第3の接続導体53で囲まれた部分と、第2の接地導体22と、第4の接地導体24とからなる誘電体共振器が良好に機能するため、放射特性が良好な誘電体共振器アンテナとなる。
第1乃至第4の接地導体21〜24、線路導体31、スロット線路32および放射導体33は、第1乃至第4の誘電体層11〜14がセラミック材料からなる場合は、W,Mo,Mo−Mn,Au,Ag,Cu等の金属を主成分とするメタライズ層により形成される。また、第1乃至第4の誘電体層11〜14が有機樹脂からなる場合は、厚膜印刷法,各種の薄膜形成方法,めっき法あるいは箔転写法等によって形成した金属層や、このような金属層上にめっき層を形成したもの、例えばCu層,Cr−Cu合金層またはCr−Cu合金層上にNiめっき層およびAuめっき層を被着させたもの,TaN層上にNi−Cr合金層およびAuめっき層を被着させたもの,Ti層上にPt層およびAuめっき層を被着させたもの,Ni−Cr合金層上にPt層およびAuめっき層を被着させたもの等が挙げられる。その厚みや幅は、伝送される高周波信号の周波数や用途等に応じて設定される。
第1乃至第4の接地導体21〜24、線路導体31、スロット線路32および放射導体33の形成は、周知の方法を用いればよい。例えば第1乃至第4の誘電体層11〜14がガラスセラミックスから成る場合であれば、まずそれら第1乃至第4の誘電体層11〜14となるガラスセラミックスのグリーンシートを準備し、グリーンシート上にスクリーン印刷法によってAg等の導体ペーストを所定形状で印刷塗布して、第1乃至第4の接地導体21〜24、線路導体31、放射導体33の各導体パターンを形成する。次に、これらの導体パターンが形成されたグリーンシートを重ねて圧着するなどして積層体を作製し、この積層体を850〜1000℃で
焼成することによって形成する。その後、外表面に露出している導体上には、NiめっきおよびAuめっき等のめっき皮膜を形成する。第1乃至第4の誘電体層11〜14が有機樹脂材料から成る場合であれば、例えば有機樹脂シート上に第1乃至第4の接地導体21〜24、線路導体31、スロット線路32および放射導体33の各導体パターン形状に加工したCu箔を転写し、Cu箔が転写された有機樹脂シートを積層して接着剤で接着することによって形成する。
第1乃至第3の接続導体51〜53は、第1乃至第4の誘電体層11〜14がガラスセラミックス等のセラミックスから成る場合には、例えば前述の製造方法において第1乃至第4の接地導体21〜24、線路導体31、スロット線路32および放射導体33の各導体パターンを形成する前に、グリーンシートに金型加工やレーザー加工によってあらかじめ形成しておいた貫通孔内に同様の導体ペーストを印刷法等によって充填することで各誘電体層11〜14を貫通する貫通導体の形態で形成することがでる。第1乃至第4の誘電体層11〜14が有機樹脂から成る場合も同様に、グリーンシートに代えて有機樹脂シートを用い、導体ペーストの印刷やめっきによって貫通孔内に貫通導体を形成したりすればよい。
第1の接続導体51は第3の接地導体23と第1の接地導体21とを接続し、第2の接続導体52は第2の接地導体22と第3の接地導体23とを接続し、第3の接続導体53は第4の接地導体24と第2の接地導体22とを接続するものであれば、各誘電体層11〜14の側面に引き出して接続する側面導体の形態であっても構わないが、最短距離で接続することができ、インダクタンスを小さくすることのできる各誘電体層11〜14を貫通する貫通導体が好ましい。
また、図1〜図4に示す例では、第1の接続導体51はその上に位置する第2の開口42を
、第2の接続導体52はその上下にそれぞれ位置する第1の開口41および第2の開口42を、第3の接続導体53はその上下にそれぞれ位置する第3の開口43および第1の開口41を、それぞれ取り囲むように、それぞれ複数が配列されている。第1の接続導体51は第3の接地導体23と第1の接地導体21とを接続し、第2の接続導体52は第2の接地導体22と第3の接地導体23とを接続すればよいので、その数はいずれも1つでも構わない。
図1〜図4に示す例のように、第1および第2の接続導体51,52をその上や下に位置する第1および第2の開口41,42を取り囲むように配置すると、第1および第2の接続導体
51,52がシールド導体として機能して線路導体31から第2の開口42および第1の開口41を通る高周波信号が外にもれることを抑えることができ、高周波信号が良好に伝送されるので好ましい。また、図1〜図4に示す例のように、第1乃至第3の開口41〜43を取り囲むように複数の第1乃至第3の接続導体51〜53を配置する場合は、その間隔を第2乃至第4の誘電体層12〜14内を伝送する高周波信号の実効波長の1/4以下とすると、高周波信号のもれをより効果的に抑えることができるので好ましい。
本発明の高周波伝送構造およびアンテナの効果を確認するために、図4に示す例のような構成のアンテナをシミュレーションモデルとして用いてシミュレーションを行なった。線路導体31から入力した高周波信号が、スロット32a、第2の開口42、第1の開口41を通り、第4の誘電体層14、第3の接続導体53、第2の接地導体22および第4の接地導体24からなる誘電体共振器アンテナに給電され、第3の開口43から電波として放射される際の、反射特性を見積もった。
第1乃至第4の誘電体層11〜14として、低温焼成セラミックスを想定して比誘電率を5.3に設定した。第1乃至第4の誘電体層11〜14は、平面視寸法を5mm角として、厚みH11〜H14をそれぞれ0.2mm、0.1mm、0.1mm、0.4mmとした。第1乃至第3の誘電体
層11〜13、第1および第2の接地導体21,22、線路導体31で構成されるストリップライン
のインピーダンスを50Ωにするために、線路導体31の幅W31は0.14mmとした。スロット線路32は、平面視の寸法を0.72mm×2.3mmとし、スロット32aの幅W32aを0.1mm
、長さL32aを1.7mmとして、線路導体31がスロット線路32を横切る部分には線路導体31の両側に0.1mmの間隔D32を設けた。第3の接地導体23の平面視の寸法は0.72mm×2
.3mmとし、第2の開口42は、幅W42を0.2mm、長さL42を1.7mmとした。第2の接
地導体22の平面視の寸法は5mm角とし、第1の開口41は、幅W41を0.42mm、長さL41を2.1mmとした。第4の接地導体24の平面視の寸法は5mm角とし、第3の開口43は、
幅W43を1.8mm、長さL43を3.6mmとした。第1の接地導体21は平面視の寸法を5mm角とした。各接続導体51(51A,51B)〜53は、直径を0.1mmとし、高周波信号の66G
Hzにおける実効波長の1/4にあたる0.49mm以下となるように0.3mmの間隔で、各
開口を取り囲むように配置した。
上記シミュレーションモデルを使った反射特性のシミュレーション結果を図5に示す。図5はシミュレーションモデルの線路導体31から高周波信号を入力した際の反射係数(S11)の周波数特性を示すグラフであり、横軸は周波数(単位:GHz)、縦軸はS11(単位:dB)を示す。S11の値が小さいほど、その周波数において線路導体31から入力した高周波信号が、効率よく誘電体共振器アンテナの第3の開口43から放射されていることを示す。
図5に示すグラフにおいて、S11が−10dB以下となる周波数帯域幅は16.3GHzであり、60GHzを用いた無線PANで要求される、S11が−10dB以下となる周波数帯域幅の9GHzを十分満足している。
上記本発明のアンテナのシミュレーションモデルに対して、第2の開口42を有する第3の接地導体23および第2の接地導体22と第3の接地導体23とを接続する第2の接続導体52を有さないこと以外は同じである、従来の高周波伝送構造による従来のアンテナのシミュレーションモデルについても同様のシミュレーションを行なった。そのシミュレーション結果を図5と同様のグラフで図6に示す。
図6に示すグラフにおいて、S11が−10dB以下となる周波数帯域幅が12.2GHzであり、60GHzを用いた無線PANで要求されるS11が−10dB以下となる周波数帯域幅9
GHzを満足しているものの、図5に示す本発明のアンテナの周波数帯域幅16.3GHzに対して25%劣るものであり、従来のアンテナに対して、本発明のアンテナは、S11が−10dB以下となる周波数帯域幅が約33%大きくなっていることを示す。これは、本発明の高周波伝送構造が、従来の高周波伝送構造に対して高周波信号の伝送特性が良好であることによるものである。
このように、本発明の高周波伝送構造およびそれを用いたアンテナは、線路導体31とアンテナとのインピーダンス整合性がよく、60GHzの超高周波においても伝送特性が良好で反射特性や放射特性が良好であることが分かる。
11:第1の誘電体層
12:第2の誘電体層
13:第3の誘電体層
14:第4の誘電体層
21:第1の接地導体
22:第2の接地導体
23:第3の接地導体
24:第4の接地導体
31:線路導体
32:スロット線路
32a:スロット
33:放射導体
41:第1の開口
42:第2の開口
43:第3の開口
51:第1の接続導体
51A:上側第1の接続導体
51B:下側第1の接続導体
52:第2の接続導体
53:第3の接続導体

Claims (3)

  1. 第1の誘電体層と、該第1の誘電体層の上に積層された第2の誘電体層と、該第2の誘電体層の上に積層された第3の誘電体層と、前記第1の誘電体層の下面に配置された第1の接地導体と、前記第1の誘電体層および前記第2の誘電体層の層間に配置された線路導体と、前記第3の誘電体層の上面に配置され、上面視で前記線路導体の端部に重なる、前記線路導体に直交する方向に細長い形状の第1の開口を有する第2の接地導体と、前記第2の誘電体層および前記第3の誘電体層の層間の前記線路導体の前記端部の上方に部分的に配置され、上面視で前記線路導体の前記端部および前記第1の開口に重なる、前記線路導体に直交する方向に細長い形状で前記第1の開口と同じか前記第1の開口よりも小さい第2の開口を有する第3の接地導体と、該第3の接地導体と前記第1の接地導体とを接続する第1の接続導体と、前記第2の接地導体と前記第3の接地導体とを接続する第2の接続導体とを具備することを特徴とする高周波伝送構造。
  2. 請求項1記載の高周波伝送構造と、前記第2の接地導体の上に前記第1の開口を覆って積層された第4の誘電体層と、該第4の誘電体層の上面に配置され、上面視で前記第1の開口と重なる位置に配置された放射導体とを具備することを特徴とするアンテナ。
  3. 請求項1記載の高周波伝送構造と、前記第2の接地導体の上に前記第1の開口を覆って積層された第4の誘電体層と、該第4の誘電体層の上面に配置され、上面視で前記第1の開口と重なる位置に第3の開口を有する第4の接地導体と、前記第3の開口の周囲に配置されて前記第4の接地導体と前記第2の接地導体とを接続する第3の接続導体とを具備することを特徴とするアンテナ。
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