以下、本発明の実施の形態につき図面を参照して説明する。図1は加飾樹脂シートを貼着する家電製品を示す概要斜視図である。図2は加飾樹脂シートの装飾形態を示す平面図である。図3は本発明の実施の形態に係る加飾樹脂シートの断面模式図である。
図1〜図3において加飾樹脂シート1は、家電製品20(本例では洗濯機)の操作パネル21の領域P1、デザイン(化粧)パネル22の領域P2などに貼り付けられる。この加飾樹脂シート1は、スクリーン印刷、オフセット印刷などによって文字、図形、絵柄などによる装飾Sが部分的又は全面的に、印刷による加飾が施された印刷面2を裏面側に有する加飾樹脂シート本体3と、該加飾樹脂シート本体3の印刷面2に形成される粘着層4とを備えている。なお、粘着層4には、剥離紙40が貼り付けられており、貼着使用時に剥離紙40を剥がして使用できるようになっている。
また、スクリーン印刷、オフセット印刷などによる印刷は、単色刷り若しくは多色刷りされるものであり、所定の厚みでインキ層15が形成され、その表面を印刷面2となしている。
また、加飾樹脂シート本体3はプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作される。この加飾樹脂シート本体3の厚みは、加飾樹脂シート1としての貼着時の取り扱い性の点から0.1mm〜0.5mmが好ましく、特に実用的な厚みは0.1mm〜0.3mmである。この基材9の厚みが0.1mm未満では、使用時の強度が不足してしまい、0.5mmを越えると柔軟性に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
粘着層4は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤(感圧接着剤ともいう)を含んで層状に形成される。また、粘着層4の厚さは、5μmm〜20μmが好ましく、特に実用的な厚みは10μm〜15μmである。この粘着層4の厚みが5μm未満では、糊としての接合力に欠け、20μmを越えると柔軟性と糊としての接合力に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
例えば、操作パネル21であれば、家電製品20の領域P1は、外部から視認可能となるように露出されており、この領域内で、図4に示すように樹脂成形や板金成形によって形成される立体形状(三次元)を呈する貼着対象物である筐体23に設けられる被貼着面24に、加飾樹脂シート1が貼り付けられることとなり、この構造が加飾樹脂シート1の貼着構造となる。この図4においては、家電製品20における突出形態の操作スイッチ25を覆い被せるように貼り付けられる。この加飾樹脂シート1においては、操作スイッチ25と対峙する個所には粘着層4は設けられていなく、かつ、粘着層4のない開口部に臨ませて、ドーム状の押圧部5が形成されることとなる。
このように、加飾樹脂シート1を粘着層4を介して家電製品20の筐体23に貼り付けた状態で、加飾樹脂シート本体3と貼着対象物である筐体23との間に、該貼着の際に両者間に閉じ込められる異物・気泡又は加飾樹脂シート本体3の厚みの不均一あるいは粘着層4の貼着圧の不均一に起因する加飾樹脂シート本体3の膨らみ・窪み又は波打ちを減少させるための、粘着層4に接する凹凸、又は加飾樹脂シート本体3若しくは貼着対象物に接する凹凸が形成される。この凹凸は後述する図15に示す通孔13や、図11、図15、図18、図19に示す凹凸部8が、加飾樹脂シート本体3と貼着対象物との間で機能し、この結果、従来のように波打ちや体積膨張に起因する加飾樹脂シート本体3の割れ膨れを防止したり、また、凹凸によって手作業での圧着時に圧力不均一になりにくく、作業の熟練度や手間を抑えることができるとともに、筐体部材のヒケなどによって生じた凹面に影響されにくくすることができる。
この粘着層4に接する凹凸の具体例としては、図5に示すように、非粘着性シート状の基材9と、その基材9の一方の面である表側10に加飾樹脂シート本体3に貼着するために形成された第1粘着層(粘着剤層12)と、その基材9の他方の面である裏側11に貼着対象物に貼着するために形成された第2粘着層(粘着剤層12)とを備え、かつその第1及び第2粘着層を保持する基材9には、その厚さ方向に貫通する複数の通孔13を形成している。この複数の通孔13が粘着層4に接する凹凸として機能することとなる。
この基材9における複数の通孔13は、図6に示すように、ベース基材14に、後加工としてレーザ加工や、ドリル加工、パンチ加工などによって形成したり、基材9を成形する際に、同時に形成することもできる。この通孔13の孔径は、0.5mm〜1.0mmが好ましく、特に実用的な孔径は0.5mmである。この通孔13の孔径が0.5mm未満では、機械加工性に欠け、1.0mmを越えると加飾樹脂シート1を貼り付けた際、シートが通孔13に入り込み波打ちを起こすので、上記範囲が望ましいと言える。
この基材9の厚みは、貼着時の取り扱い性の点から0.1mm〜0.5mmが好ましく、特に実用的な厚みは0.2mm〜0.3mmである。この基材9の厚みが0.1mm未満では、使用時の強度が不足してしまい、0.5mmを越えると柔軟性に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
また、通孔13の配列は一般的なパンチングメタルに使用される丸穴60度千鳥(図7(a)参照)、丸穴45度千鳥(図7(a)参照)、丸穴並列(図7(a)参照)などが挙げられる。また、通孔13は円形孔、方形孔、不定形孔、あるいはこれらが混在した状態で存在しているものである。
また、通孔13の開口率は、20%〜50%が好ましく、特に実用的な開口率は孔径は30%〜40%である。この通孔13の開口率が20%未満では、異物等の吸収機能が劣り、50%を越えると機械的強度が低下し割れやすくなるので、上記範囲が望ましいと言える。
また、第1及び第2粘着層は、図8に示すように、その厚み中央にプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作されるプラスチックフィルムや、不織布や軟質樹脂フォーム(ウレタンフォーム)などの中間基材16の両面に、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤層16aを形成した両面テープとすることもできる。
このように構成される加飾樹脂シート1は、図9に示すように、手作業によって圧着しながら順次、一方の端側(図面左側)から他方の端側(図面右側)へ位置を移動させることにより筐体23の被貼着面24に貼着することができる。このように貼着された状態において、図10に示すように基材9には凹凸としての通孔13が形成され、粘着層4が粘弾性物質であるため、柔らかく変形しやすいので、その近傍に気泡E、異物としての浮遊ゴミF、印刷面2における多色刷りの印刷段差部2aが存在していても、その体積による外力で粘着層4が変形して通孔13内に押し込まれることとなり、その外力による影響を吸収することができる。この結果、加飾樹脂シート本体3に対する外力が低減されることにより、従来のように波打ちや体積膨張に起因する加飾樹脂シート本体3の割れを防止できる加飾樹脂シート1が提供されることとなる。
また、筐体23の被貼着面24と加飾樹脂シート本体3との間の貼着接合個所は通孔13が形成されることによる凹凸形態による部分的な接合であるため、手作業での圧着時に圧力不均一になりにくく、作業の熟練度や手間を抑えることができるとともに、筐体部材Dのヒケなどによって生じた凹面Jに影響されにくい。しかも、筐体部材Dの凹面Jに粘着層4が追従しても、これとは部分的にしか粘着層4が接合していないことにより、加飾樹脂シート本体3が追従しにくくなる加飾樹脂シート1を提供することができる。
また、加飾樹脂シート本体3の加飾手段としては印刷に限定されず、例えば、加飾樹脂シート本体3の表面に金属膜を形成し、金属調の高級感を演出し、耐食性・耐傷性・耐磨耗性に優れた加飾手段である、めっき手段や、また、加飾樹脂シート本体3の表面に塗料を吹き付ける加飾手段である塗装手段、この塗装の種類は一般的な塗装だけでなく、高級感を演出する高輝度メタリック塗装、パール塗装なども可能であり、塗装面へは最終工程でハードコート処理を行い塗装面が磨耗しないように耐磨耗性を持たせることもできる。
また、加飾樹脂シート本体3の裏面に金属箔を熱で転写して金属感を付与する加飾手段である、ホットスタンプがあり、このホットスタンプは金属光沢の優れた高級感ある装飾が得られ、金属箔を転写する前後工程で印刷と組み合わせることでカラー鏡面、光透過性、光遮光性を持たせることが可能となる。
また、変形例として複数の凹凸部8が粘着層4に接する凹凸としての具体例は、図11に示すように、この粘着層4における加飾樹脂シート本体3との粘着側の第一の主表面6と、筐体23の被貼着面24との粘着側の第二の主表面7に、凹凸部8を設けることにより、筐体23の被貼着面24と加飾樹脂シート本体3の印刷面2との間の貼着接合個所に凹凸を具有させる貼着構造が備わる加飾樹脂シート1となる。この凹凸部8は第一の主表面6若しくは第二の主表面7のいずれか一方でもよい。
ここでの凹凸(凹凸部8)とは、図12に示すように、複数の凸部30としての直線若しくは曲線などで連続した複数の突条体31、または、断続して直線若しくは曲線上に位置する複数の突起体32、或いはこれらが組み合わされて混在した凸状個所が少なくとも表側に存在しているものである。そして、図11に示すように、粘着層4の凹凸を形成する複数の凸部30の先側が加飾樹脂シート本体3の印刷面2及び筐体23の被貼着面24に貼着されることにより凸部30の間で形成される凹部33を中空部位APとなしている。
これら突条体31、突起体32による平面視形態としては、図13に示すように複数の突起体32であれば、断続して繋がる点線が平行に図示される模様(図13(a)参照)や、複数の突条体31であれば、連続した実線で図示される幾何学模様(図13(b)ないし図13(e)参照)や木目模様(図13(f)参照)、あるいは複数の突起体32、複数の突条体31が定形、不定形、あるいはこれらが混在した状態で存在するものが挙げられる。
このように構成される加飾樹脂シート1は、図9に示すように、手作業によって圧着しながら順次、一方の端側(図面左側)から他方の端側(図面右側)へ位置を移動させることにより筐体23の被貼着面24に貼着することができる。このように貼着された状態において、図11に示すように、凹凸形態の凸部30、凹部33(中空部位AP)は、粘着層4が粘弾性物質であるため、柔らかく変形しやすいので、その近傍に気泡E、異物としての浮遊ゴミF、印刷面2における多色刷りの印刷段差部2aが存在していても、その体積による外力で粘着層4の中空部位APが変形することにより、その外力による影響を吸収することができる。この結果、加飾樹脂シート本体3に対する外力が低減されることにより、従来のように波打ちや体積膨張に起因する加飾樹脂シート本体3の割れを防止できる加飾樹脂シート1が提供されることとなる。
また、筐体23の被貼着面24と加飾樹脂シート本体3との間の貼着接合個所は凹凸形態であるため、複数の凸部30(突条体31、突起体32)の先側が粘着層4に、点状若しくは線状接触構造で貼着接合しているので、手作業での圧着時に圧力不均一になりにくく、作業の熟練度や手間を抑えることができるとともに、筐体部材Dのヒケなどによって生じた凹面Jに影響されにくい。しかも、筐体部材Dの凹面Jに粘着層4が追従しても、この粘着層4は部分的にしか接合していないことにより、加飾樹脂シート本体3が追従しにくくなる加飾樹脂シート1を提供できる。
つぎに、加飾樹脂シート1の他の実施の形態として、図1〜図3において加飾樹脂シート1は、家電製品20(本例では洗濯機)の操作パネル21の領域P1、デザイン(化粧)パネル22の領域P2などに貼り付けられる。この加飾樹脂シート1は、スクリーン印刷、オフセット印刷などによって文字、図形、絵柄などによる装飾Sが部分的又は全面的に、印刷による加飾が施された印刷面2を裏面側に有する加飾樹脂シート本体3と、該加飾樹脂シート本体3の印刷面2に形成される粘着層4とを備えている。なお、粘着層4には、剥離紙40が貼り付けられており、貼着使用時に剥離紙40を剥がして使用できるようになっている。
また、スクリーン印刷、オフセット印刷などによる印刷は、単色刷り若しくは多色刷りされるものであり、所定の厚みでインキ層15が形成され、その表面を印刷面2となしている。
また、加飾樹脂シート本体3はプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作される。この加飾樹脂シート本体3の厚みは、加飾樹脂シート1としての貼着時の取り扱い性の点から0.1mm〜0.5mmが好ましく、特に実用的な厚みは0.1mm〜0.3mmである。この基材9の厚みが0.1mm未満では、使用時の強度が不足してしまい、0.5mmを越えると柔軟性に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
粘着層4は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤(感圧接着剤ともいう)を含んで層状に形成される。また、粘着層4の厚さは、5μm〜20μmが好ましく、特に実用的な厚みは10μm〜15μmである。この粘着層4の厚みが5μm未満では、糊としての接合力に欠け、20μmを越えると柔軟性と糊としての接合力に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
例えば、操作パネル21であれば、家電製品20の領域P1は、外部から視認可能となるように露出されており、この領域内で、図4に示すように樹脂成形や板金成形によって形成される立体形状(三次元)を呈する貼着対象物である筐体23に設けられる被貼着面24に、加飾樹脂シート1が貼り付けられることとなり、この構造が加飾樹脂シート1の貼着構造となる。この図4においては、家電製品20における突出形態の操作スイッチ25を覆い被せるように貼り付けられる。この加飾樹脂シート1においては、操作スイッチ25と対峙する個所が開口形成され、かかる個所には粘着層4は設けられていなく、かつ、ドーム状の押圧部5が形成されることとなる。
このように、加飾樹脂シート1を粘着層4を介して筐体23の被貼着面24に貼り付けた状態で、加飾樹脂シート本体3と貼着対象物である筐体23との間に、該貼着の際に両者間に閉じ込められる異物・気泡又は加飾樹脂シート本体3の厚みの不均一あるいは粘着層4の貼着圧の不均一に起因する加飾樹脂シート本体3の膨らみ・窪み又は波打ちを減少させるための、粘着層4に接する凹凸、又は加飾樹脂シート本体3若しくは貼着対象物に接する凹凸が形成される。
この粘着層4に接する凹凸の具体例としては、図14に示すように、印刷面2を形成するインキ層15(単色刷り、多色刷り)は、UV硬化型インキを使用し、印刷後、紫外線を照射してUV硬化型インキを硬化させたものである。このインキ層15の厚みは、10μm〜40μm/一回塗り当たり、が好ましく、特に実用的な厚みは10μm〜20μm/一回塗り当たりである。このインキ層15の厚みが10μm未満では、異物等を吸収できる膜厚が得られず、40μmを越えると印刷作業ができない(インキの性能上、印刷で刷ることができない)ので、上記範囲が望ましいと言える。
このインキ層15は、図15に示すように、凹凸断面を有するように、所定の模様にスクリーン印刷にて肉盛り印刷されたものである。かかる凹凸としては、図12に示すように、複数の凸部30としての連続した複数の突条体31、または断続して繋がる複数の突起体32、或いはこれらが混在した凸状個所が少なくとも表側に存在している凹凸部8である。
これら突条体31、突起体32による表面形態としては、図13に示すように複数の突起体32であれば、断続した点線が平行に図示される模様(図13(a)参照)や、複数の突条体31であれば、連続した実線で図示される幾何学模様(図13(b)ないし図13(e)参照)や木目模様(図13(f)参照)、あるいは複数の突起体32、複数の突条体31が定形、不定形、あるいはこれらが混在した状態で存在するものが挙げられる。
そして、加飾樹脂シート1を粘着層4を介して筐体23の被貼着面24に貼り付けた状態で、図15に示すように、筐体23と加飾フィルム3との間に中空部位APを備えさせている。具体的には、インキ層15の複数の凸部30の先側が粘着層4に接触した状態で、複数の凸部30の先側が粘着層4に貼着することにより凸部30の間で形成される凹部33を中空部位APとなしている。
このように構成される加飾樹脂シート1は、図9に示すように、手作業によって圧着しながら順次、一方の端側(図面左側)から他方の端側(図面右側)へ位置位置を移動させることにより筐体23の被貼着面24に貼着することができる。このように貼着された状態において、図16に示すように粘着層4が粘弾性物質であるため、柔らかく変形しやすく、かつ、UV硬化型インキからなるインキ層15は凹凸形態であるため、その近傍に気泡E、異物としての浮遊ゴミFが存在していても、その体積による外力で粘着層4がインキ層15の中空部位APとしての凹部33に変形して押し込まれることとなり、その外力による影響を吸収することができる。この結果、加飾樹脂シート本体3に対する外力が低減されることにより、従来のように波打ちや体積膨張に起因する加飾樹脂シート本体3の割れを防止できる加飾樹脂シート1が提供されることとなる。
また、UV硬化型インキからなるインキ層15は凹凸形態であるため、複数の凸部30の先側が粘着層4に、点状若しくは線状接触構造で貼着接合しているので、手作業での圧着時に圧力不均一になりにくく、作業の熟練度や手間を抑えることができるとともに、筐体部材Dのヒケなどによって生じた凹面Jに影響されにくい。しかも、筐体部材Dの凹面Jに粘着層4が追従しても、この粘着層4は部分的にしか接合していないことにより、加飾樹脂シート本体3が追従しにくくなる加飾樹脂シート1を提供することができる。
また、凹凸断面を有するインキ層15は、加飾用の本来の印刷を兼ねるか、あるいは加飾用の印刷とは別に透明インキ等で凹凸形成のためだけに肉盛りされる層とすることも可能である。
この加飾用の印刷とは別に透明インキ等で凹凸形成するインキ層15の場合には、加飾樹脂シート本体3の加飾手段として印刷以外に、例えば加飾樹脂シート本体3の表面に金属膜を形成し、金属調の高級感を演出し、耐食性・耐傷性・耐磨耗性に優れた加飾手段である、めっき手段や、また、加飾樹脂シート本体3の表面に塗料を吹き付ける加飾手段である塗装手段、この塗装の種類は一般的な塗装だけでなく、高級感を演出する高輝度メタリック塗装、パール塗装なども可能であり、塗装面へは最終工程でハードコート処理を行い塗装面が磨耗しないように耐磨耗性を持たせることもできる。
さらに、加飾樹脂シート本体3の裏面に金属箔を熱で転写して金属感を付与する加飾手段である、ホットスタンプがあり、このホットスタンプは金属光沢の優れた高級感ある装飾が得られ、金属箔を転写する前後工程で印刷と組み合わせることでカラー鏡面、光透過性、光遮光性を持たせることが可能となる。
また、粘着層4は図8に示すように、その厚み中央にプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作されるプラスチックフィルムや、不織布や軟質樹脂フォーム(ウレタンフォーム)などの中間基材16の両面に、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤層16aを形成した両面テープとすることもできる。
つぎに、加飾樹脂シート1の貼着構造の他の実施の形態として、図1〜図3において加飾樹脂シート1は、家電製品20(本例では洗濯機)の操作パネル21の領域P1、デザイン(化粧)パネル22の領域P2などに貼り付けられる。この加飾樹脂シート1は、スクリーン印刷、オフセット印刷などによって文字、図形、絵柄などによる装飾Sが部分的又は全面的に、印刷による加飾が施された印刷面2を裏面側に有する加飾樹脂シート本体3と、該加飾樹脂シート本体3の印刷面2に形成される粘着層4とを備えている。なお、粘着層4には、剥離紙40が貼り付けられており、貼着使用時に剥離紙40を剥がして使用できるようになっている。
また、スクリーン印刷、オフセット印刷などによる印刷は、単色刷り若しくは多色刷りされるものであり、所定の厚みでインキ層15が形成され、その表面を印刷面2となしている。
また、加飾樹脂シート本体3はプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作される。この加飾樹脂シート本体3の厚みは、加飾樹脂シート1としての貼着時の取り扱い性の点から0.1mm〜0.5mmが好ましく、特に実用的な厚みは0.1mm〜0.3mmである。この基材9の厚みが0.1mm未満では、使用時の強度が不足してしまい、0.5mmを越えると柔軟性に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
粘着層4は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤(感圧接着剤ともいう)を含んで層状に形成される。また、粘着層4の厚さは、5μm〜2μmが好ましく、特に実用的な厚みは10μm〜15μmである。この粘着層4の厚みが5μm未満では、糊としての接合力に欠け、20μmを越えると柔軟性と糊としての接合力に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
例えば、操作パネル21であれば、家電製品20の領域P1は、外部から視認可能となるように露出されており、この領域内で、図4に示すように樹脂成形や板金成形によって形成される立体形状(三次元)を呈する貼着対象物である筐体23に設けられる被貼着面24に、加飾樹脂シート1が貼り付けられることとなり、この構造が加飾樹脂シート1の貼着構造となる。この図4においては、家電製品20における突出形態の操作スイッチ25を覆い被せるように貼り付けられる。この加飾樹脂シート1においては、操作スイッチ25と対峙する個所が開口形成され、かかる個所には粘着層4は設けられていなく、かつ、ドーム状の押圧部5が形成されることとなる。
このように、加飾樹脂シート1を粘着層4を介して筐体23の被貼着面24に貼り付けた状態で、加飾樹脂シート本体3と貼着対象物である筐体23との間に、該貼着の際に両者間に閉じ込められる異物・気泡又は加飾樹脂シート本体3の厚みの不均一あるいは粘着層4の貼着圧の不均一に起因する加飾樹脂シート本体3の膨らみ・窪み又は波打ちを減少させるための、粘着層4に接する凹凸、又は加飾樹脂シート本体3若しくは貼着対象物に接する凹凸が形成される。
この粘着層4に接する凹凸は、図17に示すように、粘着層4自身をスクリーン印刷によって凹凸形態を呈するように、粘着剤を使用して複数の凹凸部8をインキ層15に重層するように、粘着剤を肉盛り印刷(のり印刷)して肉盛り印刷層を形成している。この凹凸部8は図12に示すように、複数の凸部30としての連続した複数の突条体31、または断続した繋がる複数の突起体32、或いはこれらが混在した凸状個所が少なくとも表側に存在するものである。そして、複数の凸部30の先側が筐体23の被貼着面24に粘着することにより凸部30の間で形成される凹部33を中空部位APとなしている。
これら突条体31、突起体32による表面形態としては、図13に示すように複数の突起体32であれば、断続した点線が平行に図示される模様(図13(a)参照)や、複数の突条体31であれば、連続した実線で図示される幾何学模様(図13(b)ないし図13(e)参照)や木目模様(図13(f)参照)、あるいは複数の突起体32、複数の突条体31が定形、不定形、あるいはこれらが混在した状態で存在するものが挙げられる。
このように構成される加飾樹脂シート1は、図9に示すように、手作業によって圧着しながら順次、一方の端側(図面左側)から他方の端側(図面右側)へ位置位置を移動させることにより筐体23の被貼着面24に貼着することができる。このように貼着された状態において、図18に示すように粘着層4が粘弾性物質であるため、柔らかく変形しやすく、かつ、凹凸形態であるため、その近傍に気泡E、異物としての浮遊ゴミFが存在していても、粘着層4の中空部位APとしての凹部33で吸収することができる。この結果、加飾樹脂シート本体3に対する影響が低減されることにより、従来のように波打ちや体積膨張に起因する加飾樹脂シート本体3の割れを防止できる加飾樹脂シート1が提供されることとなる。
また、粘着層4は凹凸形態であるため、複数の凸部30(突条体31、突起体32)の先側が粘着層4に、点状若しくは線状接触構造で貼着接合しているので、手作業での圧着時に圧力不均一になりにくく、作業の熟練度や手間を抑えることができるとともに、筐体部材Dのヒケなどによって生じた凹面Jに影響されにくい加飾樹脂シート1を提供することができる。
この加飾樹脂シート本体3の加飾手段としては印刷に限定されず、例えば、加飾樹脂シート本体3の表面に金属膜を形成し、金属調の高級感を演出し、耐食性・耐傷性・耐磨耗性に優れた加飾手段である、めっき手段や、また、加飾樹脂シート本体3の表面に塗料を吹き付ける加飾手段である塗装手段、この塗装の種類は一般的な塗装だけでなく、高級感を演出する高輝度メタリック塗装、パール塗装なども可能であり、塗装面へは最終工程でハードコート処理を行い塗装面が磨耗しないように耐磨耗性を持たせることもできる。
さらに、加飾樹脂シート本体3の裏面に金属箔を熱で転写して金属感を付与する加飾手段である、ホットスタンプがあり、このホットスタンプは金属光沢の優れた高級感ある装飾が得られ、金属箔を転写する前後工程で印刷と組み合わせることでカラー鏡面、光透過性、光遮光性を持たせることが可能となる。
つぎに、加飾樹脂シート1の貼着構造の他の実施の形態として、図1〜図3において加飾樹脂シート1は、家電製品20(本例では洗濯機)の操作パネル21の領域P1、デザイン(化粧)パネル22の領域P2などに貼り付けられる。この加飾樹脂シート1は、スクリーン印刷、オフセット印刷などによって文字、図形、絵柄などによる装飾Sが部分的又は全面的に、印刷による加飾が施された印刷面2を裏面側に有する加飾樹脂シート本体3と、該加飾樹脂シート本体3の印刷面2に形成される粘着層4とを備えている。なお、粘着層4には、剥離紙40が貼り付けられており、貼着使用時に剥離紙40を剥がして使用できるようになっている。
また、スクリーン印刷、オフセット印刷などによる印刷は、単色刷り若しくは多色刷りされるものであり、所定の厚みでインキ層15が形成され、その表面を印刷面2となしている。
また、加飾樹脂シート本体3はプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作される。この加飾樹脂シート本体3の厚みは、加飾樹脂シート1としての貼着時の取り扱い性の点から0.1mm〜0.5mmが好ましく、特に実用的な厚みは0.1mm〜0.3mmである。この基材9の厚みが0.1mm未満では、使用時の強度が不足してしまい、0.3mmを越えると柔軟性に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
粘着層4は、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤(感圧接着剤ともいう)を含んで層状に形成される。また、粘着層4の厚さは、5μm〜20μmが好ましく、特に実用的な厚みは10μm〜15μmである。この粘着層4の厚みが5μm未満では、糊としての接合力に欠け、20μmを越えると柔軟性と糊としての接合力に欠けるので、上記範囲が望ましいと言える。
また、粘着層4は図8に示すように、その厚み中央にプラスチック製からなり、詳しくはPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂、PC(ポリカーボネイト)樹脂、PMMA(アクリル)樹脂などでフィルム状に製作されるプラスチックフィルムや、不織布や軟質樹脂フォーム(ウレタンフォーム)などの中間基材16の両面に、アクリル系、ポリエステル系、ポリウレタン系、ゴム系、シリコーン系などの粘弾性物質である粘着剤層16aを形成した両面テープとすることもできる。
例えば、操作パネル21であれば、家電製品20の領域P1は、外部から視認可能となるように露出されており、この領域内で、図4に示すように樹脂成形や板金成形によって形成される立体形状(三次元)を呈する貼着対象物である筐体23に設けられる被貼着面24に、加飾樹脂シート1が貼り付けられることとなり、この構造が加飾樹脂シート1の貼着構造となる。この図4においては、家電製品20における突出形態の操作スイッチ25を覆い被せるように貼り付けられる。この加飾樹脂シート1においては、操作スイッチ25と対峙する個所が開口形成され、かかる個所には粘着層4は設けられていなく、かつ、ドーム状の押圧部5が形成されることとなる。
このように、加飾樹脂シート1を粘着層4を介して筐体23の被貼着面24に貼り付けた状態で、加飾樹脂シート本体3と貼着対象物である筐体23との間に、該貼着の際に両者間に閉じ込められる異物・気泡又は加飾樹脂シート本体3の厚みの不均一あるいは粘着層4の貼着圧の不均一に起因する加飾樹脂シート本体3の膨らみ・窪み又は波打ちを減少させるための、粘着層4に接する凹凸、又は加飾樹脂シート本体3若しくは貼着対象物に接する凹凸が形成される。
この粘着層4に接する凹凸としては、図19に示すように、加飾樹脂シート1を粘着させるプラスチック製である筐体23の被貼着面24を凹凸状に形成している。この凹凸はシボ加工によって形成することができる。この凹凸差は、10μm〜50μmが好ましく、特に実用的な厚みは20μm〜30μmである。この凹凸差が10μm未満では、異物等の吸収体にならず、脱気もできない、50μmを越えると加飾樹脂シートがシボに追従するので、上記範囲が望ましいと言える。
この凹凸形態となすための具体例としては、図12に示すように、複数の凸部30としての連続した複数の突条体31、または断続した繋がる複数の突起体32、或いはこれらが混在した凸状個所が少なくとも表側に存在した凹凸部8である。そして、被貼着面24の凸部30の先側が粘着層4に粘着することにより凸部30の間で形成される凹部33を中空部位APとなしている。
これら突条体31、突起体32による平面視形態としては、図13に示すように複数の突起体32であれば、断続して繋がる点線が平行に図示される模様(図13(a)参照)や、複数の突条体31であれば、連続した実線で図示される幾何学模様(図13(b)ないし図13(e)参照)や木目模様(図13(f)参照)、あるいは複数の突起体32、複数の突条体31が定形、不定形、あるいはこれらが混在した状態で存在するものが挙げられる。
このように構成される加飾樹脂シート1は、図9に示すように、手作業によって圧着しながら順次、一方の端側(図面左側)から他方の端側(図面右側)へ位置位置を移動させることにより筐体23の被貼着面24に貼着することができる。このように貼着された状態において、粘着層4が粘弾性物質であるため、柔らかく変形しやすく、かつ、筐体23の被貼着面24を凹凸状としているため、その近傍に気泡E、異物としての浮遊ゴミFが存在していても、被貼着面24の中空部位APとしての凹部33で吸収することができる。この結果、加飾樹脂シート本体3に対する影響が低減されることにより、従来のように波打ちや体積膨張に起因する加飾樹脂シート本体3の割れを防止できる加飾樹脂シート1が提供されることとなる。
また、筐体23の被貼着面24は凹凸形態であるため、複数の凸部30(突条体31、突起体32)の先側が粘着層4に、点状若しくは線状接触構造で粘着接合しているので、手作業での圧着時に圧力不均一になりにくく、作業の熟練度や手間を抑えることができるとともに、筐体部材Dのヒケなどによって生じた凹面Jに影響されにくい加飾樹脂シート1を提供することができる。
この加飾樹脂シート本体3の加飾手段としては印刷に限定されず、例えば、加飾樹脂シート本体3の表面に金属膜を形成し、金属調の高級感を演出し、耐食性・耐傷性・耐磨耗性に優れた加飾手段である、めっき手段や、また、加飾樹脂シート本体3の表面に塗料を吹き付ける加飾手段である塗装手段、この塗装の種類は一般的な塗装だけでなく、高級感を演出する高輝度メタリック塗装、パール塗装なども可能であり、塗装面へは最終工程でハードコート処理を行い塗装面が磨耗しないように耐磨耗性を持たせることもできる。
さらに、加飾樹脂シート本体3の裏面に金属箔を熱で転写して金属感を付与する加飾手段である、ホットスタンプがあり、このホットスタンプは金属光沢の優れた高級感ある装飾が得られ、金属箔を転写する前後工程で印刷と組み合わせることでカラー鏡面、光透過性、光遮光性を持たせることが可能となる。
なお、上述の実施の形態は、本発明の一例であり、凹凸機能を有するための各種模様の形態については、これに限定されなく、本発明を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能であり、各実施の形態の構成要素を任意に組み合わせる形で構成することも可能である。