JP2011174306A - 土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材 - Google Patents

土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、本体部を土中に打設する際に、穿入機能によって土中への打設を容易とする一方、打設終了後には、引き抜き抵抗力機能によって土中からの引き抜きを困難とする打設用補強材を実現することを目的としている。
【解決手段】このため、長尺の基材からなる本体部と、この本体部の一端に形成した土中への穿入機能を有する打設促進部と、前記本体部の一端から他端に向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部と、を備えている。
【選択図】図1

Description

この発明は土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材に係り、特に打設用補強材の本体部に穿入機能を有する打設促進部と引き抜き抵抗力機能を有する前記螺旋形状部とを設け、土中への打設を容易として使い勝手の向上を図る一方、打設終了後の土中からの引き抜きを困難として信頼性の向上を図る土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材に関するものである。
道路などの盛土の安定化を図るための構築構造が種々開発されている。
例えば、盛土の側面が斜面の場合には、壁面ブロックの背面とアンカープレートとを抗張材で接続した構造が考えられる。
また、盛土の側面に垂直面を形成する場合には、垂直な擁壁の背面とアンカープレートとを抗張材で接続した構造が考えられる。
そして、上述した盛土の安定化を図るための構築構造としては、盛土内に含有される水を排出する排水構造も含まれる。
特開2000−087349号公報 特開2008−255730号公報
ところで、従来の構築構造においては、この発明のような打設用補強材を使用するものはなく、上述した抗張材やアンカープレートが使用されていた。
この結果、前記盛土の側面が斜面あるいは垂直である場合に、全ての作業を盛土の構築工程に沿って行う必要があるという不都合がある。
つまり、地震や豪雨によって盛土の一部が崩壊した場合に、埋設されている抗張材やアンカープレートを再度掘り起こさなければ、従来のような抗張材やアンカープレートを使用する構築構造を実施することができなかったからである。
よって、前記盛土の側面が斜面あるいは垂直である場合に、側面の外側からの作業のできる打設用補強材の開発が切望されていた。
この発明の目的は、本体部を土中に打設する際に、穿入機能によって土中への打設を容易とする一方、打設終了後には、引き抜き抵抗力機能によって土中からの引き抜きを困難とする打設用補強材を実現することにある。
そこで、この発明は、上述不都合を除去するために、長尺の基材からなる本体部と、この本体部の一端に形成した土中への穿入機能を有する打設促進部と、前記本体部の一端から他端に向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部と、を備えることを特徴とする。
以上詳細に説明した如くこの発明によれば、長尺の基材からなる本体部と、本体部の一端に形成した土中への穿入機能を有する打設促進部と、本体部の一端から他端に向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部と、を備える。
従って、本体部を土中に打設する際に、穿入機能を有する前記打設促進部によって土中への打設を容易とし、打設用補強材の使い勝手を向上し得るとともに、打設終了後には、螺旋形状によって接触面積を大とし、引き抜き抵抗力機能を有する前記螺旋形状部によって土中からの引き抜きを困難とし、打設用補強材としての信頼性を向上し得る。
図1はこの発明の第1実施例を示す土中に打設用補強材を打設した状態の概略説明図である。(実施例1) 図2は打設用補強材を擁壁に採用した際の概略説明図である。(実施例1) 図3はこの発明の第2実施例を示す土中に打設用補強材を打設した状態の概略説明図である。(実施例2) 図4は打設用補強材の概略図である。(実施例2) 図5は打設用補強材を土中に打設した際の要部拡大打面図である。(実施例2) 図6はこの発明の他の第1の変更例を示し、(a)は打設用補強材の一端側を潰した際の外部からの補強状態を示す要部拡大断面図、(b)は潰した部分の断面図である。 図7はこの発明の他の第2の変更例を示し、(a)は打設用補強材の一端側を潰した際の内部からの補強状態を示す要部拡大断面図、(b)は潰した部分の断面図である。 図8はこの発明の他の第3の変更例を示し、(a)は打設用補強材を打設した際の定着台座への固定方策を示す要部拡大断面図、(b)は定着台座の外側から打設用補強材を視た図である。 図9はこの発明の他の第4の変更例を示す打設用補強材の説明図である。 図10はこの発明の他の第4の変更例を示す打設用補強材用の長尺の基材からなる本体部の平面図である。 図11はこの発明の他の第4の変更例を示す打設用補強材用の長尺の基材からなる本体部の平面図である。
以下図面に基づいてこの発明の実施例を詳細に説明する。
図1及び図2はこの発明の第1実施例を示すものである。
図1において、1は盛土、2は盛土1の側面に位置する斜面、3は盛土1の側面に位置する垂直な擁壁である。
前記盛土1の安定化を図るために、前記斜面2に壁面ブロック4を取り付ける場合には、図1に示す如く、先ず、前記盛土1の斜面2の外側から打設用補強材5を回転させつつ打設する。
そして、この打設した打設用補強材5の他端である後端に位置する、例えばナット形状の取付部6によって前記壁面ブロック4を取り付け、この壁面ブロック4を前記盛土1の斜面2に位置させる。
また、前記盛土1の安定化を図るために、前記斜面2に擁壁3を構築する場合には、図2に示す如く、先ず、前記盛土1の斜面2の外側から打設用補強材5を回転させつつ打設する。
そして、この打設した打設用補強材5の他端である後端に位置する取付部6によって前記擁壁3を取り付け、この擁壁3を前記盛土1の斜面2に位置させるものである。
このとき、前記打設用補強材5は、長尺の基材からなる本体部7と、この本体部7の一端である先端7aに形成した土中への穿入機能を有する打設促進部8と、前記本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部9と、を備える。
詳述すれば、前記本体部7は、平鋼を使用する。
なお、この第1実施例においては、前記本体部7に平鋼を使用する構成として説明するが、金属製の丸棒や角材を使用することが可能であるとともに、金属製材料のみでなく、クラスファイバーや合成樹脂を使用することも可能である。
また、前記打設用補強材5の本体部7の一端である先端7aに前記打設促進部8を設ける。
この打設促進部8は、土中への穿入機能を有するものであればよく、本体部7の先端7aをドリル形状に形成する方策などが想定される。
更に、前記螺旋形状部9は、図1及び図2に示す如く、土中からの引き抜き抵抗力機能を付加するために、前記本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位のほぼ全域を螺旋形状に形成する。
このとき、形成される前記螺旋形状部9に関しては、図1及び図2に示す如く、本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位の全域において、螺旋形状のピッチを同一に形成する。
また、前記螺旋形状部9の形成に際しては、金属製材料やクラスファイバー、合成樹脂による硬化前の成形時であれば、捻って形成することも可能であるが、型成形も可能である。
次に作用を説明する。
前記盛土1の安定化を図るために、先ず、図1に示す如く、前記盛土1の斜面2の外側から、前記本体部7の一端である先端7a側を少し下方に指向させた傾斜する状態で、前記打設用補強材5を回転させつつ打設する。
そして、この打設した打設用補強材5の他端である後端に位置する前記取付部6によって前記壁面ブロック4を取り付け、この壁面ブロック4を前記盛土1の斜面2に位置させる。
また、図2に示す如く、水平に打設した前記打設用補強材5の他端である後端に位置する取付部6によって前記擁壁3を取り付け、この擁壁3を前記盛土1の斜面2に位置させることもできる。
このとき、前記打設促進部8を利用して前記盛土1の斜面2の外側から打設用補強材5を打設する際には、既存の打設機械である、例えばスプリングドリルを使用し、打設時の挿入速度を適正な状態として行う。
また、前記打設用補強材5の打設後は、螺旋形状によって引き抜き抵抗力機能を有する前記螺旋形状部9によって、前記盛土1からの打設用補強材5の引き抜きが困難となり、前記壁面ブロック4や前記擁壁3を堅固に支持する。
これにより、前記打設用補強材5は、長尺の基材からなる本体部7と、この本体部7の一端である先端7aに形成した土中への穿入機能を有する打設促進部8と、前記本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部9と、を備える。
従って、本体部6を土中に打設する際に、前記盛土1に予め穿孔する必要がなく、穿入機能を有する前記打設促進部8によって土中への打設を容易とし、打設用補強材4の使い勝手を向上し得る。
また、前記打設用補強材5の打設終了後には、螺旋形状によって前記盛土1との接触面積が大となり、引き抜き抵抗力機能を有する前記螺旋形状部9によって土中からの引き抜きを困難とし、打設用補強材4としての信頼性を向上し得る。
更に、前記打設用補強材4の打設作業においては、前記盛土1に予め穿孔しないため、穿孔部位の内側をコンクリートミルクなどによって固める必要がないとともに、作業時間が短くなり、作業コストを安価とすることができる。
更にまた、前記打設用補強材4の構成によって、前記壁面ブロック4や前記擁壁3を構築した後であっても、前記壁面ブロック4や前記擁壁3の表面側から前記打設用補強材4を打設することが可能であり、作業性をより向上し得るものである。
また、前記打設用補強材4の構成によって、前記壁面ブロック4や前記擁壁3の表面側から前記打設用補強材4を引き抜く、つまり打設用補強材4の引き抜き試験を行うことも可能となり、実用上有利である。
図3〜図5はこの発明の第2実施例を示すものである。
この第2実施例において、上述第1実施例のものと同一機能を果たす箇所には、同一符号を付して説明する。
上述第1実施例においては、前記打設用補強材4の前記螺旋形状部9に関して、本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位の全域において、螺旋形状のピッチを同一に形成する構成とした。
この第1実施例に対して、この第2実施例の特徴とするところは、打設用補強材11の螺旋形状部12に形成する螺旋形状のピッチを変化させる構成とした点にある。
すなわち、前記螺旋形状部12に螺旋形状を形成する際に、図4に示す如く、本体部7の一端である先端7aからほぼ中心部位までの第1螺旋形状部12−1に対して、ほぼ中心部位から他端である後端7bまでの第2螺旋形状部12−2のピッチを小さく形成するものである。
なお、前記螺旋形状部12におけるピッチの変更形態は、本体部7の一端である先端7a側と他端である後端7b側との2箇所で変更する方策以外にも、
(1)本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位において3箇所以上で変更させる構成、
(2)本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位においてピッチを徐々に増減させる構成、
などの構成とすることも可能である。
また、この第2実施例においては、円筒形状の排水補強パイプ13の先端に前記打設用補強材11を取り付ける構成とした。
そして、前記排水補強パイプ13は、図3に示す如く、本体部7の一端である先端7a側を少し上方に指向させた傾斜する状態で盛土1の斜面2に回転させつつ打設し、図4及び図5に示す如く、排水補強パイプ13の外周に形成した複数の排水用スリット14を利用して、盛土1内に含有される水分を排水補強パイプ13内に取り込む。
その後、排水補強パイプ13の傾斜を利用して、排水補強パイプ13内に取り込んだ水を前記盛土1の斜面2に位置する壁面ブロック4の外部に排出するものである。
さすれば、前記打設用補強材11は、長尺の基材からなる本体部7と、この本体部7の一端である先端7aに形成した土中への穿入機能を有する打設促進部8と、前記本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部12と、を備えることにより、本体部6を土中に打設する際に、前記盛土1に予め穿孔する必要がなく、上述第1実施例と同様に、穿入機能を有する前記打設促進部8によって土中への打設を容易とし、打設用補強材11の使い勝手を向上し得る。
また、前記打設用補強材11の打設終了後には、上述第1実施例と同様に、螺旋形状によって前記盛土1との接触面積が大となり、引き抜き抵抗力機能を有する前記螺旋形状部12によって土中からの引き抜きを困難とし、打設用補強材11としての信頼性を向上し得る。
更に、前記打設用補強材11の打設作業においては、前記盛土1に予め穿孔してしないため、上述第1実施例と同様に、コンクリートミルクなどによって前記盛土1内を固める必要がないとともに、作業時間が短くなり、作業コストを安価とすることができる。
更にまた、前記打設用補強材11の構成によって、前記壁面ブロック4を構築した後であっても、上述第1実施例と同様に、前記壁面ブロック4の表面から前記打設用補強材11を打設することが可能であり、作業性をより向上し得るものである。
また、前記打設用補強材11の螺旋形状部12に形成する螺旋形状のピッチを変化させる構成としたことにより、変更したピッチによって螺旋形状部12の本体部7の一端である先端7aから他端である後端7bに向かう部位において引き抜き抵抗力を変化させることができ、ピッチを変化させた螺旋形状によって任意の部位における引き抜き抵抗力の増減設定が可能となり、前記盛土1内の土壌質に応じて効率良く螺旋形状を形成することが可能である。
更に、前記打設用補強材11を、円筒形状の排水補強パイプ13の先端に取り付ける構成とし、排水補強パイプ13を、本体部7の一端である先端7a側を少し上方に指向させた傾斜する状態で盛土1の斜面2に回転させつつ打設し、排水補強パイプ13の外周に形成した複数の排水用スリット14を利用して、盛土1内に含有される水分を排水補強パイプ13内に取り込み、排水補強パイプ13の傾斜を利用して、排水補強パイプ13内に取り込んだ水を前記盛土1の斜面2に位置する壁面ブロック4の外部に排出する構成としたことにより、前記打設用補強材11の打設後に、前記排水補強パイプ13の位置する外周部位を弱体化させるおそれが全くなく、逆に円筒形状の排水補強パイプ13によって周辺土壌を押し固めることとなり、前記打設用補強材11の使い勝手を向上し得る。
なお、この発明は上述第1及び第2実施例に限定されるものではなく、種々の応用改変が可能である。
例えば、この発明の第2実施例においては、別体の前記打設用補強材11を、円筒形状の排水補強パイプ13の先端に取り付ける構成としたが、管状部材から前記打設用補強材21と排水補強パイプ22とを一体的に形成するとともに、前記打設用補強材21を補強する特別構成とすることも可能である。
すなわち、前記管状部材、つまり長尺の基材からなる本体部7において、本体部7の一端から他端に向かう部位の一端から中間部位までを螺旋形状に形成して引き抜き抵抗力機能を発揮させる螺旋形状部(図示せず)とするための前工程として、本体部7を押し潰して鋼管平板加工部23を形成する。
そして、図6に示す如く、この鋼管平板加工部23の両側を2枚の補鋼板24によって挟み込む三層の構成としたものである。
さすれば、前記鋼管平板加工部23に螺旋形状部を形成する際に、前記補鋼板24によって鋼管平板加工部23の両側が挟持されて補強されているため、堅固な螺旋形状部を形成することができる。
また、前記補鋼板24が前記鋼管平板加工部23の表面部位に位置しているため、この補鋼板24の材質によって螺旋形状部の強度を設定することが可能となり、螺旋形状部の強度設定が容易となり、使い勝手の向上に寄与し得る。
また、上述の変形例に対して、図7に示す如く、鋼管平板加工部31の内側に1枚の補鋼板32を差し込む特別構成とすることも可能である。
さすれば、前記鋼管平板加工部31に螺旋形状部を形成する際に、前記補鋼板32が鋼管平板加工部31の内側に挿入されて補強されているため、堅固な螺旋形状部を形成することができる。
また、前記補鋼板32が前記鋼管平板加工部31の内側に位置しているため、この補鋼板32の材質が螺旋形状部の強度に直接影響を及ぼすことがなくなり、例えば軟質の補鋼板32を使用して螺旋形状部に「粘り」を与えることが可能となり、盛土の土壌質に応じた螺旋形状部とすることも可能である。
更に、この発明の第1実施例においては、盛土に打設する打設用補強材5の他端である後端に、例えばナット形状の取付部6を形成し、取付部6によって壁面ブロック4を取り付けて壁面ブロック4を前記盛土1の斜面2に位置させる構成としたが、ナット形状の取付部6の代わりに、簡易取付手段41を利用する特別構成とすることも可能である。
すなわち、前記打設用補強材42の他端である後端42bを、図8に示す如く、平板状とするとともに、この打設用補強材42の後端42bを端部に向かって漸次厚みが大となるように形成する。
また、盛土などの固定面43上に前記簡易取付手段41の一部を構成する定着台座44を配置し、この定着台座44の内側を矩形、かつ外側に向かって漸次拡大するように切り抜いて貫通孔部45を形成する。
そして、盛土などの前記固定面43に前記打設用補強材42を打設した後に、この打設用補強材42の他端である後端42bに、図8に示す如く、定着台座44の開口の狭い側の貫通孔部45を配置するとともに、前記打設用補強材42の他端である後端42bを、前記簡易取付手段41の一部を構成する2個のくさび状固定具46−1、46−2によって挟持し、盛土などの前記固定面43上に定着台座44を固定するものである。
さすれば、前記簡易取付手段41を構成する定着台座44とくさび状固定具46−1、46−2とによって、前記打設用補強材42の他端である後端42bの固定が容易となり、例えば、前記定着台座44を壁面ブロックに係合する構成とすれば、打設用補強材42と壁面ブロックとを容易に固定することが可能である。
更にまた、この発明の第1実施例においては、前記螺旋形状部9の形成において、1条の螺旋形状を形成したが、2条以上の螺旋形状とする特別構成とすることも可能である。
また、この発明の各実施例においては、幅の均一な長尺の基材からなる前記本体部7から前記打設用補強材5の螺旋形状部9を形成する構成としたが、幅の異なる長尺の基材からなる前記本体部51を使用して螺旋形成後の打設用補強材52の螺旋形状部53の径を変化させる特別構成とすることが可能である。
すなわち、前記本体部51の幅を変化させる際には、図10に示す如く、段階的に幅を変化させた本体部51−1や、図11に示す如く、幅を漸次変化させた本体部51−2が考えられる。
このとき、段階的に幅を変化させた前記本体部51−1においては、図10に示す如く、例えば先端51a−1側の第1幅W1−1に対して、この先端51a−1側から他端51b−1側に向かって段階的に幅を増加させた、例えば2個の第2幅W2−1、第3幅W3−1を形成する。
あるいは、幅を漸次変化させた前記本体部51−2においては、図11に示す如く、例えば先端51a−2側の第1幅W1−2に対して、この先端51a−2側から他端51b−2側に向かって幅を漸次増加させて他端51b−2側の第2幅W2−2とするものである。
さすれば、例えば段階的に幅を変化させた前記本体部51−1を使用して前記打設用補強材52の螺旋形状部53を形成し、図9に示す如く、この螺旋形状部53を先端側から後端側に向かって第1〜第3部位54−1〜54−3に区画した際に、第1部位54−1の第1径D1から第2部位54−2の第2径D2、第3部位54−3の第3径D3へと前記螺旋形状部53の径が段階的に増加する。
なお、幅を漸次変化させた前記本体部51−2を使用する場合には、前記螺旋形状部53を先端側から後端側に向かって漸次径を増加させることができるものである。
これにより、前記打設用補強材52は、盛土に予め穿孔する必要がなく、上述の各実施例と同様に、穿入機能を有する前記打設促進部によって土中への打設を容易とし、打設用補強材52の使い勝手を向上し得る。
また、前記打設用補強材52の打設終了後には、上述の各実施例と同様に、螺旋形状によって前記盛土との接触面積が大となり、引き抜き抵抗力機能を有する前記螺旋形状部53によって土中からの引き抜きを困難とし、打設用補強材52としての信頼性を向上し得る。
更に、前記打設用補強材52の螺旋形状部53の形成後に、螺旋形状部分の径を段階的に、あるいは漸次変化させる構成としたことにより、前記打設用補強材52の打設終了後に、螺旋形状の盛土との接触面積を変化させ、引き抜き抵抗力を増加させることも可能である。
更にまた、前記打設用補強材52の螺旋形状部53において、この螺旋形状部53の螺旋形状部分の径を段階的に、あるいは漸次変化させる構成と、上述の第2実施例にて説明した螺旋形状のピッチを変化させる構成とを併用する特別構成とすれば、前記打設用補強材52の打設終了後に、螺旋形状の盛土との接触面積を大きく変化させ、引き抜き抵抗力をより一層増加させることも可能である。
1 盛土
2 斜面
3 擁壁
4 壁面ブロック
5 打設用補強材
6 取付部
7 本体部
7a 一端である先端
7b 他端である後端
8 打設促進部
9 螺旋形状部

Claims (4)

  1. 長尺の基材からなる本体部と、この本体部の一端に形成した土中への穿入機能を有する打設促進部と、前記本体部の一端から他端に向かう部位の少なくとも一部に引き抜き抵抗力機能を有する螺旋形状部と、を備えることを特徴とする土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材。
  2. 前記打設用補強材の螺旋形状部は、形成する螺旋形状のピッチを変化させたことを特徴とする請求項1に記載の土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材。
  3. 前記打設用補強材は、長尺の基材からなる本体部の一端から他端までの部位を螺旋形状に形成して引き抜き抵抗力機能を発揮させる前記螺旋形状部とする一方、この螺旋形状部の一端たる先端に土中への穿入機能を有する打設促進部を形成し、前記螺旋形状部の他端たる後端を管状部材の一端に接続して設けたことを特徴とする請求項1及び請求項2に記載の土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材。
  4. 前記打設用補強材の螺旋形状部は、螺旋形成後の径を変化させたことを特徴とする請求項1〜請求項3に記載の土中への穿入機能と引き抜き抵抗力機能とを備える打設用補強材。
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