JP2011173970A - フェノール樹脂成形材料とそれを用いた成形品 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形収縮率とその異方性および線膨張係数が小さく、かつ成形品の強度を保持しつつ吸湿による寸法変化を小さくすることができる、高い寸法精度が要求される用途に適したフェノール樹脂成形材料を提供する。
【解決手段】フェノール樹脂として、フェノール樹脂の全量に対して15〜45質量%のノボラック型フェノール樹脂、フェノール樹脂の全量に対して30〜60質量%のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、およびフェノール樹脂の全量に対して10〜25質量%のレゾール型フェノール樹脂を含有するとともに、フェノール樹脂成形材料の全量に対して75〜90質量%のシリカを含有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、フェノール樹脂成形材料とそれを用いた成形品に関するものであり、さらに詳しくは、高い寸法精度が要求される用途のためのフェノール樹脂成形材料とそれを用いた成形品に関するものである。
従来、電気・電子部品や自動車部品に用いられている金属やセラミックスの代替材料として、エンジニアリングプラスチック、エポキシ樹脂成形材料等の樹脂材料が用いられている。
そして近年では、特にエレクトロニクス分野において、さらなる小型化、高精密化が要求されており、部品の耐熱性、寸法安定性の要求が一層厳しくなっている。ところが、上記のような樹脂材料の成形による部品は、金属やセラミックスの部品と比較すると、耐熱性や寸法安定性の点では未だその領域に近づけていないのが現状である。
一方、フェノール樹脂成形材料(特許文献1、2参照)は耐熱性に優れるため、金属やセラミックスの代替材料として期待されるが、金属やセラミックスと比較すると、成形収縮率とその異方性および線膨張係数が大きいため、寸法精度に改善の余地があった。
フェノール樹脂成形材料の耐熱性と寸法安定性を改善する技術としては、補強用充填材としてガラス繊維等の補強用繊維を配合することが知られている。
しかしながら、ガラス繊維はフェノール樹脂成形材料の流動時に配向するため、歪み方向が不均一になり、成形収縮率および吸湿後や熱処理後の寸法変化に異方性が生じて反りや歪みが発生する。また、成形収縮率や線膨張係数を小さく抑えるためにガラス繊維を高充填すると、製造時の混練安定性や成形性が著しく損なわれるため、充填量が制限される。
一方、エポキシ樹脂成形材料では充填材としてシリカを用いることも行われている。シリカを高充填したエポキシ樹脂成形材料は、製造時の混練安定性や成形性を損なうことなく、成形収縮率とその異方性および線膨張係数を低減することができる。
しかしながら、エポキシ樹脂成形材料の成形品は、吸湿によりその寸法が経時変化する。そのため、ミクロンオーダーでの寸法精度が要求される精密部品においては、吸湿に対する寸法安定性の向上が課題とされている。また、フェノール樹脂成形材料と比較すると耐熱性が劣るため、高温環境下での使用にも課題が残る。さらにエポキシ樹脂成形材料は10℃以下での冷蔵輸送、保管が必要である。
これに対して、フェノール樹脂にシリカを高充填したフェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂成形材料の特徴である耐熱性や成形性を損なうことなく、成形収縮率とその異方性を低減することができ、成形品の反りや歪みの発生を抑えることができる。また、線膨張係数を低減することができ、クラックの発生や金属と樹脂材料との界面の剥離を抑制することができる。さらにシリカを高充填することで吸湿による寸法変化も小さく抑えることができる。
特開2007−262236号公報 特開2008−007572号公報
しかしながら、フェノール樹脂成形材料にシリカを高充填すると成形品の剛性が高くなり、成形品が非常に硬く且つ脆くなるため、割れや欠けが生じやすくなるという問題点があった。
この問題点を改善する方法としては、低弾性化するためにエラストマーを配合し、あるいは樹脂の配合量を増やすことが考えられる。しかしながら、エラストマーの配合や樹脂の配合量の増加により成形品の吸湿による寸法変化が大きくなってしまうという問題点があった。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、成形収縮率とその異方性および線膨張係数が小さく、かつ成形品の強度を保持しつつ吸湿による寸法変化を小さくすることができる、高い寸法精度が要求される用途に適したフェノール樹脂成形材料を提供することを課題としている。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下のことを特徴としている。
第1に、本発明のフェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂として、フェノール樹脂の全量に対して15〜45質量%のノボラック型フェノール樹脂、フェノール樹脂の全量に対して30〜60質量%のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、およびフェノール樹脂の全量に対して10〜25質量%のレゾール型フェノール樹脂を含有するとともに、フェノール樹脂成形材料の全量に対して75〜90質量%のシリカを含有することを特徴とする。
第2に、上記第1のフェノール樹脂成形材料において、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂は、アルキルベンゼン変性比率が30〜60モル%であることを特徴とする。
第3に、上記第1または第2のフェノール樹脂成形材料において、エラストマーを含有することを特徴とする。
第4に、上記第1ないし第3のいずれかのフェノール樹脂成形材料において、硬化助剤としてホウ酸を含有することを特徴とする。
第5に、本発明の成形品は、上記第1ないし第4のいずれかのフェノール樹脂成形材料を加熱加圧成形したものであることを特徴とする。
上記の第1の発明によれば、フェノール樹脂としてノボラック型フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、およびレゾール型フェノール樹脂を上記の特定の量で含有するものを用いている。これにより、成形収縮率とその異方性および線膨張係数を小さくするためにシリカを上記の特定の量で配合した場合であっても、成形品の強度を保持しつつ吸湿による寸法変化を小さくすることができる。
上記の第2の発明によれば、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂のアルキルベンゼン変性比率を上記の特定の範囲とすることで、上記第1の発明の効果に加え、硬化性を大きく低下させることなく成形品の吸湿による寸法変化を小さくすることができる。
上記の第3の発明によれば、エラストマーを含有することで、上記第1および第2の発明の効果に加え、成形品を低弾性化して強度を確保することができ、また熱時剛性を高めることができる。
上記の第4の発明によれば、硬化助剤としてホウ酸を含有することで、上記第1ないし第3の発明の効果に加え、フェノール樹脂とシリカを上記の特定の量で含有するフェノール樹脂成形材料においても、寸法安定性等の各特性を損なうことなく、比較的硬化性の低いアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂を用いた場合にも硬化性を十分に高めることができる。
上記の第5の発明によれば、上記第1ないし第4の発明のフェノール樹脂成形材料を用いているので、成形収縮率とその異方性および線膨張係数が小さく、かつ成形品の強度を保持しつつ吸湿による寸法変化を小さくすることができる。従って、このフェノール樹脂成形材料は、高い寸法精度が要求される用途に適している。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、フェノール樹脂として、ノボラック型フェノール樹脂、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、およびレゾール型フェノール樹脂を含有する。
フェノール樹脂の含有量は、フェノール樹脂成形材料の全量に対して好ましくは7〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。当該含有量が少な過ぎると混練性が著しく悪化し、また成形性も低下する場合がある。当該含有量が多過ぎると成形収縮率や線膨張係数が大きくなるとともに、耐湿処理後の寸法経時変化が大きくなるため、良好な寸法精度を得ることができなくなる場合がある。
本発明に用いられるノボラック型フェノール樹脂としては、特に限定されないが、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の重量平均分子量が2000〜6000のものが好ましい。重量平均分子量が小さ過ぎると低分子量成分が多く取り扱い性が悪くなる場合があり、重量平均分子量が大き過ぎると流動性が低下する場合がある。
ノボラック型フェノール樹脂は、硬化性等の点から、オルソ/パラ比(O/P比)が好ましくは1.0〜2.2である。
O/P比は次のように定義される。すなわちノボラック型フェノール樹脂は、フェノール系化合物に由来する芳香環がメチレン結合により架橋した構造のものであるが、メチレン結合の架橋の仕方が、それぞれの芳香環の水酸基に対してオルソ位同士で架橋している場合と、オルソ位とパラ位とで架橋している場合と、パラ位同士で架橋している場合の3通りがある。このように芳香環の水酸基に対してパラ位同士で架橋しているメチレン結合数と、オルソ位とパラ位とで架橋しているメチレン結合数の1/2との和に対する、オルソ位同士で架橋しているメチレン結合数とオルソ位とパラ位とで架橋しているメチレン結合数の1/2との和との比がO/P比である。
すなわち、O/P比を式で表すと次のようになる。
Figure 2011173970
なお、ノボラック型フェノール樹脂のメチレン結合数およびその結合形式は、例えば、赤外線吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクトル、GPC等の方法でメチレン結合数およびその結合形式が同定された標準物質により、予めそれぞれの吸収位置と吸収強度を確認の上、その吸収位置と吸収強度から求めることができる。
本発明に用いられるアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂は、例えば次のようにして得ることができる。アルキルベンゼンとホルムアルデヒドとを強酸の存在下で反応してアルキルベンゼン・ホルムアルデヒド縮合物を得た後、ノボラック型フェノール樹脂またはフェノールを加えて反応し、さらに必要に応じてホルムアルデヒドを加えて反応を続ける。そして反応終了後中和し、水や未反応物を除去することによりアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
アルキルベンゼンとしては、特に限定されないが、例えば、アルキル基がメチル基またはエチル基であり、これがベンゼン環に1〜3個結合したものを用いることができる。具体的には、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン等が挙げられる。
アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂のアルキルベンゼン変性比率は、30〜60モル%が好ましい。当該比率が小さ過ぎると成形品の吸湿による寸法安定性が低下する場合があり、当該比率が大き過ぎると硬化性が低下する場合がある。なお、アルキルベンゼン変性比率は、次式で定義される。
Figure 2011173970
アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂としては、例えば、上記のノボラック型フェノール樹脂と同程度の重量平均分子量のもの、例えば2000〜6000の範囲内のものを用いることができる。
アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂の含有量は、フェノール樹脂の全量に対して30〜60質量%、好ましくは35〜55質量%、より好ましくは40〜50質量%である。当該含有量が少な過ぎると成形品の吸湿による寸法安定性が低下する場合がある。当該含有量が多過ぎると硬化性が低下する場合がある。
本発明に用いられるレゾール型フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、メチロール型、ジメチレンエーテル型等を用いることができる。
レゾール型フェノール樹脂としては、例えば、上記のノボラック型フェノール樹脂と同程度の重量平均分子量のもの、例えば2000〜6000の範囲内のものを用いることができる。
レゾール型フェノール樹脂の含有量は、フェノール樹脂の全量に対して10〜25質量%、好ましくは12〜20質量%である。当該含有量が少な過ぎると十分な硬化速度を得ることができない場合がある。当該含有量が多過ぎると硬化速度が速くなり過ぎるために製造性や成形性が著しく低下する場合がある。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、フェノール樹脂の硬化剤を配合することができる。このような硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンテトラミン等の窒素系化合物を用いることができる。
硬化剤としてヘキサメチレンテトラミンを用いる場合、その含有量は、ノボラック型フェノール樹脂に対して好ましくは10〜25質量%、より好ましくは12〜22質量%、さらに好ましくは14〜20質量%である。当該含有量が少な過ぎると十分な硬化性を得ることができない場合があり、当該含有量が多過ぎると架橋密度が高くなり過ぎる場合がある。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、シリカが配合される。シリカの粒径は、250μm以下であることが好ましい。シリカの粒径が250μm以下であると表面平滑性に優れるので、特にミクロンオーダーの寸法精度が要求される精密部品に好適である。
シリカの形状としては、フェノール樹脂成形材料の流動性を向上させる点や、金型等の設備の磨耗性を改善する点から球状であることが好ましい。
シリカは1種を単独で用いてもよく、あるいは平均粒径が異なる2種以上のものを併用してもよい。例えば2種以上の球状シリカを併用する場合、平均粒径10〜30μmの範囲内のものを80〜95質量%、平均粒径0.5〜5μmの範囲内のものを5〜15質量%とする割合で用いるのが好ましい。平均粒径および含有量をこの範囲内とすることで、良好な成形性を確保しつつ高充填することができる。なお、平均粒径はレーザ回折・散乱法により測定することができ、具体的にはレーザ回折式粒度分布測定装置により、粒度分布を体積基準で作成してメディアン径(d50)を測定し、このメディアン径を平均粒径とすることができる。
シリカの含有量は、フェノール樹脂成形材料の全量に対して75〜90質量%、好ましくは80〜88質量%である。当該含有量が少な過ぎると成形収縮率や線膨張係数が大きくなる場合があり、また吸湿による寸法安定性も低下する場合がある。当該含有量が多過ぎると混練性が著しく悪化する場合や、成形性が低下する場合がある。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、上記の各成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲内において、さらに他の成分を配合することができる。このような他の成分としては、例えば、エラストマー、硬化助剤、離型剤、顔料、カップリング剤等が挙げられる。
本発明のフェノール樹脂成形材料にエラストマーを配合することで、その低弾性化作用により成形品の強度を改善し、また熱時剛性を高めることができる。エラストマーとしては、例えば、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、スチレンブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリルゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーン樹脂等を用いることができる。エラストマーの含有量は、フェノール樹脂成形材料の全量に対して好ましくは0.5〜5質量%、より好ましくは1〜3質量%である。当該含有量が少な過ぎると低弾性化や熱時剛性の向上が不十分となる場合があり、当該含有量が多過ぎると機械特性が低下する場合がある。
本発明のフェノール樹脂成形材料には、硬化助剤としては、ホウ酸を好ましく用いることができる。硬化助剤としてホウ酸を用いることで、吸湿による寸法安定性等の各特性を損なうことなく、比較的硬化性の低いアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂を用いた場合にも硬化性を十分に高めることができる。
ホウ酸の含有量は、フェノール樹脂成形材料の全量に対して好ましくは0.1〜1.0質量%である。当該含有量が少な過ぎると十分な硬化性を得ることができない場合があり、当該含有量が多過ぎると混練性が低下する場合がある。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、上記の各成分を、2軸混練機等を用いて混練して調製することができる。混練後は、冷却粉砕し造粒するようにしてもよい。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、射出成形、プレス成形、トランスファー成形等の加熱加圧成形により成形することで成形品とすることができる。
射出成形の場合、例えば、温度150〜190℃、圧力88〜137MPa(900〜1400kgf/cm)、時間20秒間以上とすることができる。他の成形方法の場合もこの成形条件に準じて成形することができる。
本発明のフェノール樹脂成形材料によれば、吸湿による寸法変化を抑制することができ、成形品の強度を確保するためにエラストマーを配合したり樹脂量を増加したりしても従来と同等レベルの耐湿性を得ることができる。そのため、従来において金属やセラミックスを切削して加工していた精密部品について、本発明のフェノール樹脂成形材料を用いれば、成形により加工することができるので、大幅に加工工数を削減することが可能になるとともに設計自由度も向上する。また、既に樹脂化されている部品についても、本発明のフェノール樹脂成形材料を用いることで、さらに高い寸法精度を実現することが可能となる。
本発明のフェノール樹脂成形材料は、特に高い寸法精度、寸法安定性が要求される部品、例えば、携帯電話のカメラレンズ保持部、ガスメータ部品、光ファイバ接続用コネクタ部品、OA機器の部品、自動車の燃料ポンプ部品等に好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
フェノール樹脂成形材料の配合成分として、以下のものを用いた。
(ノボラック型フェノール樹脂)
パナソニック電工株式会社製「PAR」、重量平均分子量3000、O/P比=1.0
(アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂)
キシレン変性ノボラック型フェノール樹脂、フドー株式会社製「GP−212」、キシレン変性比率40モル%
(レゾール型フェノール樹脂)
パナソニック電工株式会社製「AX−10」、重量平均分子量3000、メチロールレゾール型
(エラストマー)
NBR、日本ゼオン株式会社製「Nipol 1411」
(硬化助剤)
ホウ酸
(充填材)
溶融シリカ、株式会社マイクロン製「HS−201」、平均粒径24μm
(硬化剤)
ヘキサメチレンテトラミン、三井東圧化学株式会社製「S−4」
(離型剤)
ステアリン酸亜鉛
(顔料)
カーボンブラック、堺化学工業株式会社製「SZ−P」
(カップリング剤)
アミノシランカップリング剤
上記の配合成分を表1に示す量で配合し(単位は質量%)、1分間混合した。次に、この混合物を2軸混練機で3分間、品温100〜110℃で混練した。その後、混練物を冷却粉砕し、造粒して実施例および比較例のフェノール樹脂成形材料を得た。
このようにして得られたフェノール樹脂成形材料を用いて次の評価を行った。
[曲げ強さ、曲げ弾性率]
トランスファー成形(成形温度165℃、硬化時間90秒)により、JIS K6911に準じて成形収縮率測定用のテストピースを作成した。このテストピースを用いて、JIS K6911に準拠して曲げ強さおよび曲げ弾性率を測定した。
[成形収縮率、成形収縮率異方性]
上記と同様に作製したテストピースを用いて、JIS K6911に準拠して成形収縮率を測定した。
[線膨張係数]
上記と同様に作製したテストピースを用いて、ディラトメーターにより測定した。
[成形品の熱時剛性]
上記と同様のテストピースを成形し、成形品を金型から取り出し後、20s後のショアD硬度で評価した。
[耐湿寸法変化]
上記と同様に作製したテストピース(φ90mm)を40℃×90%の恒温恒湿槽に1000時間入れて、初期寸法に対する寸法変化率を測定した。
評価結果を表1に示す。
Figure 2011173970
実施例1〜9では、フェノール樹脂として、フェノール樹脂の全量に対して15〜45質量%のノボラック型フェノール樹脂、フェノール樹脂の全量に対して30〜60質量%のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、およびフェノール樹脂の全量に対して10〜25質量%のレゾール型フェノール樹脂を配合した。またフェノール樹脂成形材料の全量に対して75〜90質量%のシリカを含有するフェノール樹脂成形材料を配合した。これらの実施例では、成形収縮率とその異方性および線膨張係数が小さく、曲げ強さ等の成形品の強度も有していた。さらに吸湿による寸法変化も小さいものであった。
一方、比較例1では、エラストマーを配合して強度改善を図ったものの、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂を配合しなかったため、吸湿による寸法変化が大きくなった。
比較例2では、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂の配合量が多かったため、硬化性や熱時剛性に低下が見られた。
比較例3では、アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂を配合したがその配合量が少なかったため、吸湿による寸法変化が大きくなった。
比較例4では、レゾール型フェノール樹脂を配合しなかったため、硬化性が低下し、曲げ強さ等の各種の特性において大きな低下が見られた。
比較例5では、シリカの配合量が少なかったため、成形収縮率等に低下が見られた。

Claims (5)

  1. フェノール樹脂として、フェノール樹脂の全量に対して15〜45質量%のノボラック型フェノール樹脂、フェノール樹脂の全量に対して30〜60質量%のアルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂、およびフェノール樹脂の全量に対して10〜25質量%のレゾール型フェノール樹脂を含有するとともに、フェノール樹脂成形材料の全量に対して75〜90質量%のシリカを含有することを特徴とするフェノール樹脂成形材料。
  2. アルキルベンゼン変性ノボラック型フェノール樹脂は、アルキルベンゼン変性比率が30〜60モル%であることを特徴とする請求項1に記載のフェノール樹脂成形材料。
  3. エラストマーを含有することを特徴とする請求項1または2に記載のフェノール樹脂成形材料。
  4. 硬化助剤としてホウ酸を含有することを特徴とする請求項1ないし3いずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料。
  5. 請求項1ないし4いずれか一項に記載のフェノール樹脂成形材料を加熱加圧成形したものであることを特徴とする成形品。
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