JP2011173223A - 砥石のドレッシング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドレッシング処理に要する負担が少なく、必要最小限のドレッシング処理を行うだけで所望形状の砥面を完成させることが可能であり、これによる砥石の長期に亘る経済的な利用が実現されることで、ドレッシング処理に対する効率化及び低コスト化を図ることが可能な砥石のドレッシング方法を提供する。
【解決手段】砥石2をその回転軸Hを中心に回転させながら、ドレスヘッド8で砥面G1にドレッシング処理を施すための砥石のドレッシング方法であって、ドレッシング処理前の現状の砥面形状と、ドレッシング処理後の完成予定としての砥面形状とに基づいて(S3)、ドレッシング開始位置及び完了位置を演算し(S4〜S7)、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでのドレッシング量及び回数を演算する(S8〜S11)。そして、演算された演算結果に基づいてドレッシング処理を施すことで、砥石の砥面を所望形状に形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば内外輪や転動体等のワークの表面(軌道面、転動面)を砥ぐ(研削する)ために用いられる砥石において、その砥石の砥面を所望形状にドレッシング(研削、目直し)するためのドレッシング方法に関する。
従来、ワークの表面を砥石によって所望の輪郭形状に砥ぐ(研削する)場合、当該輪郭形状に一致するように、砥石の砥面(ワークの表面を砥ぐために用いられる部位)に対してドレッシング(研削、目直し)処理を施すための種々のドレッシング方法が知られている(特許文献1〜3参照)。
例えば図5(a)に示すように、砥石2によってワークの表面に研削処理を施した後の完成品として、軸受の内外輪間に転動自在に組み込まれる転動体4(例えば、転動面4sが曲率半径R1を成す対称球面(凸面)ころ4)を想定すると、当該転動面4sの曲率半径R1に一致した輪郭形状となるように、砥石2の砥面G1に対してドレッシング(研削、目直し)処理が施される。
なお、例えば図5(d)に示すように、砥石2は、回転軸Hを中心とした円板状を成しており、その外周に沿って砥面G1が連続して形成されている。そして、ドレッシング処理では、当該砥石2を回転軸Hを中心として回転させた状態で、砥面G1に対する研削(目直し)処理が行われることになる。
これにより、曲率半径R1に一致した輪郭形状を成す砥面G1を有する砥石2が構成されることとなり、当該砥石2の砥面G1によってワーク(例えば、転動体用ワーク)の表面を砥ぐ(研削する)ことで、その転動面4sが曲率半径R1を成す対称球面(凸面)ころ4を形成することができる。
ここで、砥石の砥面に対するドレッシング(研削、目直し)処理について説明する。
例えば図5(b),(c)に示すように、上記した曲率半径R1とは異なる曲率半径R2を成す転動面6sを有する転動体6(例えば、転動面6sが曲率半径R2を成す非対称球面(凸面)ころ6)を形成する場合、新たな砥石2を用意するか、又は、上記した砥石2を再利用することになる。いずれの場合でも、当該転動面6sの曲率半径R2に一致した輪郭形状となるように、当該砥石2の砥面に対して例えば矢印T1,T2方向にドレッシング(研削、目直し)処理が施される。
ここでは、上記した砥面G1を有する砥石2を再利用する場合を想定すると、まず、現状の砥面G1に対してドレッシング処理を施した後の砥面G2の形状を、転動面6sの曲率半径R2に一致した輪郭形状に対応する目標形状データとして設定する。
次に、当該目標形状データに基づいて、ドレッシング用ヘッド8(以下、ドレスヘッド8という)を現状の砥面G1に沿って手動でトラバースさせながら、ドレスヘッド8が砥面G1にぶつかったときには、ドレスヘッド8を後退させたり、或いは、ドレスヘッド8が砥面G1にぶつからないときには、ドレスヘッド8を前進させたりすることで、当該ドレスヘッド8のセット処理が行われる。
当該セット処理では、砥面G1に対するドレスヘッド8のドレス回数、ドレス量、ドレス方向T1,T2等のセット値が設定され、続いて、当該セット値に基づいて、砥面G1に対するドレッシング処理が施される。なお、ドレスヘッド8は、その先端にダイヤモンドが設けられており、当該ドレスヘッド8を砥面G1に圧接させながら切込むことで、当該砥面G1に対するドレッシング処理を施すことができる。
この後、上記した目標形状データの設定、当該目標形状データに基づいたセット処理、当該セット処理によるセット値の設定、当該セット値に基づいたドレッシング処理といったプロセスが、例えば矢印T1,T2方向に沿って、現状の砥面G1に対して複数回繰り返される。この場合、各回毎の砥面G1へのドレスヘッド8の切込み量は、操作者の手動操作によって、その増減変更が行われる。
これにより、曲率半径R2に一致した輪郭形状を成す砥面G2を有する砥石2が構成されることとなり、当該砥石2の砥面G2によってワーク(例えば、転動体用ワーク)の表面を砥ぐ(研削する)ことで、その転動面6sが曲率半径R2を成す非対称球面(凸面)ころ6を形成することができる。
ところで、上記したような従来のドレッシング方法では、目標形状データに基づいたセット処理、セット処理によるセット値の設定、セット値に基づいたドレッシング処理といったプロセスが、複数回繰り返されているため、ドレッシング処理の効率化には一定の限界があるだけでなく、砥石の砥面を所望形状にドレッシング(研削、目直し)するまでに要する時間やドレッシング回数が多くなり、その分だけ、ドレッシング処理に要するコストが上昇してしまう。
また、上記したような従来のドレッシング方法では、ドレスヘッド8のドレス回数、ドレス量、ドレス方向T1,T2等のセット値については、操作者の経験値によって任意に設定されているため、砥石2の砥面G1に対するドレッシング処理が完了した際に、完成後の砥面G2の出来不出来について再確認しなければならない。例えば、当該砥面G2の形状を目視或いは手で直接的に確認したり、或いは、実際にワークの表面を砥ぐ(研削する)ことで、研ぎ(研削し)終ったワークの状態に基づいて、当該砥面G2の形状を間接的に確認したりしなければならない。
この場合、ドレッシング処理に要する操作者の負担が大きくなると共に、また、砥石2の砥面G2が既に完成しているにもかかわらず、実際にワークの表面を砥ぐ(研削する)ことで、当該砥面G2の形状を間接的に確認する作業は、結果的に無駄な時間となるだけでなく、場合によっては、完成している砥石2の砥面G2が劣化してしまう虞もあり、効率的ではない。
また、上記したような従来のドレッシング方法では、砥石2の現状の砥面G1に対するドレッシング回数を増やすことで、所望形状の砥面(例えば、完成後の砥面G2)を完成させることができるが、当該砥面の完成に至るまでに、必要最小限の研削量を超えて、当該砥面G1を過剰に研削してしまう場合がある。この場合、当該砥石2を長期に亘って使用することが困難になり、砥石2の経済的な利用を図ることができない。
特開平6−278026号公報 特開2006−35399号公報 実開平6−24857号公報
本発明は、このような問題を解決するためになされており、その目的は、ドレッシング処理に要する負担が少なく、必要最小限のドレッシング処理を行うだけで所望形状の砥面を完成させることが可能であり、これによる砥石の長期に亘る経済的な利用が実現されることで、ドレッシング処理に対する効率化及び低コスト化を図ることが可能な砥石のドレッシング方法を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明は、砥石をその回転軸を中心に回転させながら、ドレッシング用ヘッドによって当該砥石の砥面に対するドレッシング処理を施すための砥石のドレッシング方法であって、ドレッシング処理前の現状の砥石の砥面形状を特定する第1工程と、特定した現状の砥面形状、及び、ドレッシング処理後の完成予定としての砥面形状に基づいて、ドレッシング開始位置及び完了位置を演算する第2工程と、演算したドレッシング開始位置及び完了位置に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでのドレッシング量を演算する第3工程と、演算したドレッシング量に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでに要するドレッシング回数を演算する第4工程と、第2工程〜第4工程によって演算された演算結果に基づいて、現状の砥石の砥面にドレッシング処理を施して、当該砥面を所望形状に形成する第5工程と、を有する。
本発明において、第1工程には、現状の砥面に沿ってドレッシング用ヘッドを移動させて当該砥面に接触させることで、砥面に沿った複数の点の座標を定義する工程と、当該各点の座標に基づいて、現状の砥面の曲率半径、並びに、当該曲率半径の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置を演算する工程と、当該演算結果に基づいて、ドレッシング処理前の現状の砥面形状を特定する工程と、が含まれている。
本発明において、第2工程には、完成予定としての砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置と、第1工程で演算した現状の砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置とを比較して、双方の位置相互間の前記回転軸に沿う方向での位置ずれ量を演算する工程と、演算した位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドの旋回中心位置を設定する工程と、設定された旋回中心位置まわりにドレッシング用ヘッドを旋回させた際における当該ヘッドの旋回軌道、第1工程で演算した現状の砥面形状、前記位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドが現状の砥石に最初に接触すると予想した点を、ドレッシング開始点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、特定されたドレッシング開始点を通るドレッシング用ヘッドのドレス開始旋回軌道を演算し、当該ドレス開始旋回軌道上にドレッシング開始位置を規定する工程と、規定されたドレス開始旋回軌道に沿ってドレッシング用ヘッドを旋回させながらドレッシング処理を行った場合に、現状の砥面に対するドレッシング処理が完了すると予想した点を、ドレッシング完了点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、特定されたドレッシング完了点を通るドレッシング用ヘッドのドレス完了旋回軌道を演算し、当該ドレス完了旋回軌道上にドレッシング完了位置を規定する工程と、が含まれている。
本発明において、第3工程では、前記回転軸に直交する方向に沿って、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置とを差分した差分値をドレッシング量として演算する。
本発明において、第4工程には、砥石に対する1回のドレッシング処理で、ドレッシング用ヘッドが前記回転軸に直交する方向に沿って進むドレス値を予め演算する工程と、第3工程で演算した差分値を、前記ドレス値で除算することで、ドレッシング回数を演算する工程と、が含まれている。
本発明によれば、ドレッシング処理に要する負担が少なく、必要最小限のドレッシング処理を行うだけで所望形状の砥面を完成させることが可能であり、これによる砥石の長期に亘る経済的な利用が実現されることで、ドレッシング処理に対する効率化及び低コスト化を図ることが可能な砥石のドレッシング方法を実現することができる。
本発明の一実施形態に係る砥石のドレッシング方法に適用されたドレッシング条件設定処理の構成を示すブロック図。 設定されたドレッシング条件に従って、砥石に対してドレッシング処理を施している状態を示す図であって、(a)は、ドレッシング処理が施される前の状態における砥石の構成を示す図、(b)は、砥石の砥面中央を3点ティーチングしている状態を示す図、(c)は、芯位置のずれ量を演算している状態を示す図、(d)は、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置を決定している状態を示す図、(e)は、砥石の砥面に対してドレッシング処理を施している状態を示す図、(f)は、ドレッシング処理が施された後の状態における砥石の構成を示す図。 砥石の砥面中央を3点ティーチングすることで、砥石の砥面の曲率半径、その中心座標を求めるプロセスを説明するための模式図。 本発明の変形例に係る砥石のドレッシング方法を示す図。 従来における砥石のドレッシング方法を説明するための図であって、(a)は、砥石と、当該砥石によってワークの表面に研削処理を施した完成品との構成を示す図、(b)は、砥石の砥面にドレッシング処理を施している状態を示す図、(c)は、ドレッシング処理済みの砥石と、当該砥石によってワークの表面に研削処理を施した完成品との構成を示す図、(d)は、砥石の外観構成を示す側面図。
以下、本発明の一実施形態に係る砥石のドレッシング方法について、添付図面を参照して説明する。
なお、本実施形態の砥石のドレッシング方法では、一例として、上記した砥石2をその回転軸H(図5(d)参照)を中心に回転させながら、ドレスヘッド8によって当該砥石2の砥面G1(図5(a)参照)に対してドレッシング(研削、目直し)処理を施して、当該砥面G1を所望形状に形成することで、砥面G1の曲率半径R1とは異なる曲率半径R2を成す砥面G2(ドレッシング処理後の完成予定としての砥面G2)を有する砥石2(図5(c)参照)を完成させる場合を想定する。
即ち、本実施形態の砥石のドレッシング方法は、ドレッシング処理前の現状の砥面G1形状を特定する第1工程と、特定した現状の砥面G1形状、及び、ドレッシング処理後の完成予定としての砥面G2形状に基づいて、ドレッシング開始位置及び完了位置を演算する第2工程と、演算したドレッシング開始位置及び完了位置に基づいて、現状の砥面G1形状から完成予定としての砥面G2形状に至るまでのドレッシング量を演算する第3工程と、演算したドレッシング量に基づいて、現状の砥面G1形状から完成予定としての砥面G2形状に至るまでに要するドレッシング回数を演算する第4工程とを有している。
以下、上記した各工程について、図1〜図3を参照して具体的に説明する。なお、当該各工程における処理は、座標系を備えた制御装置(図示しない)で制御されており、かかる処理制御は、ROM(図示しない)に記憶された制御プログラムが、RAM(図示しない)を作業領域としてCPU(図示しない)によって実行される。
「第1工程」
まず、現状において、ドレッシング処理前の砥石2の砥面G1形状(図2(a))が既知でない場合(図1のS1)、現状の砥面G1に沿ってドレスヘッド8を移動させて当該砥面G1に接触させることで、砥面G1に沿った複数の点の座標を定義する。
続いて、ドレスヘッド8を砥面G1の両端の2点A1,A3及び、中央領域の1点A2に接触させて3点ティーチングすることで(図2(b))、各点A1,A2,A3の座標を定義する(図1のS2)。そして、当該各点A1,A2,A3の座標に基づいて、現状の砥面G1の曲率半径R1、並びに、当該曲率半径R1の曲率中心の回転軸Hに沿う方向での位置(芯位置)F1を演算する。
ここで、砥面G1の曲率半径R1と芯位置F1の演算では、図3に示すように、砥面G1の曲率半径R1の曲率中心Oの座標を(X0,Y0)、また、3点ティーチングしたA1の座標を(X1,Y1)、A2の座標を(X2,Y2)、A3の座標を(X3,Y3)とすると、下記の3つの式が成り立つ。
R1=(X1−X0)+(Y1−Y0)
R1=(X2−X0)+(Y2−Y0)
R1=(X3−X0)+(Y3−Y0)
そして、この連立方程式を解くことで、曲率半径R1、曲率中心座標(X0,Y0)が演算され、当該曲率中心座標(X0,Y0)に一致した芯位置F1が特定される。
なお、芯位置F1の他の解釈としては、砥石2の円弧状を成す砥面G1のうち、最も膨らんだ点(膨出点)F1pの回転軸Hに沿う方向での位置として規定することができる。
この場合、例えば内外輪の円弧状軌道面を砥ぐ(研削する)ために用いられる砥石2を想定すると、その芯位置F1において、砥面G1は外向き円弧状に最も膨らんでおり、これに対して、本実施形態のように、転動体(玉、ころ4,6)を砥ぐ(研削する)ために用いられる砥石2を想定すると、その芯位置F1において、砥面G1は内向き円弧状に最も膨らんでいることになる。
これによれば、芯位置F1は、曲率半径R1の砥面G1の膨出点F1pを通って回転軸Hに直交する直線上に一致して位置付けられることになる。従って、芯位置F1は、砥面G1において唯一に規定され、当該芯位置F1と曲率半径R1、並びに、上記した3点ティーチングによる各点A1,A3の座標に基づいて、ドレッシング処理前の現状の砥面G1形状を特定することができる(図1のS3)。
「第2工程」
続いて、完成予定としての砥面G2形状の曲率中心の回転軸Hに沿う方向での位置(芯位置F2)と、第1工程で演算した現状の砥面G1形状の曲率中心の回転軸Hに沿う方向での位置(芯位置F1)とを比較して、双方の位置F1,F2相互間の回転軸Hに沿う方向での位置ずれ量Dを演算する(図2(c))。なお、芯位置F2の解釈は、上記した芯位置F1の場合と同様であるため、その説明は省略する。
この場合、位置ずれ量Dの演算では、図3に示すように、砥面G1の曲率半径R1の曲率中心O座標(X0,Y0)、A1座標(X1,Y1)、A2座標を(X2,Y2)、A3座標(X3,Y3)に基づいて、下記の式から求めることができる。
D=(X1−X3)/2−X0
次に、演算した位置ずれ量Dに基づいて、ドレスヘッド8の旋回中心位置を設定する。ここで、旋回中心位置は、ドレスヘッド8を現状の砥面G1(曲率半径R1)に沿って旋回させる際に構成される旋回軌道(旋回円弧)の旋回半径の中心位置であり、当該中心位置は、現状の砥面G1の芯位置F1に一致したものとして規定することができる。
この場合、位置ずれ量Dに基づいて、現状の砥面G1の芯位置F1に一致して位置付けられているドレスヘッド8の旋回中心位置を、完成予定としての砥面G2の芯位置F2まで、回転軸Hに沿う方向に移動させる。これにより、ドレスヘッド8の旋回中心位置が設定される。
この後、旋回中心位置まわりにドレスヘッド8を旋回させた際における当該ドレスヘッド8の旋回軌道と、第1工程で演算した現状の砥面G1形状と、前記位置ずれ量Dとに基づいて、ドレスヘッド8が現状の砥石2に最初に接触すると予想した点W1を、ドレッシング開始点W1として規定し、その点W1の回転軸Hに沿う方向での位置を特定する(図2(d))。この場合、ドレッシング開始点W1は、ドレスヘッド8の旋回軌道を座標変換することで演算して決定することができる(図1のS4,S5)。
続いて、決定されたドレッシング開始点W1を通るドレスヘッド8のドレス開始旋回軌道L1を演算し、当該ドレス開始旋回軌道L1上にドレッシング開始位置M1を規定する(図2(d))。この場合、ドレッシング開始位置M1は、ドレス開始旋回軌道L1において、ドレスヘッド8が現状の砥石2の端面から所定距離だけ離間した座標上の位置として決定することができる(図1のS4,S5)。
同時に、ドレス開始旋回軌道L1に沿ってドレスヘッド8を旋回させながらドレッシング処理を行った場合に、現状の砥面G1に対するドレッシング処理が完了すると予想した点W2を、ドレッシング完了点W2として規定し、その点W2の回転軸Hに沿う方向での位置を特定する(図2(d))。この場合、ドレッシング完了点W2は、ドレスヘッド8の旋回軌道を座標変換することで演算して決定することができる(図1のS6,S7)
続いて、決定されたドレッシング完了点W2を通るドレスヘッド8のドレス完了旋回軌道L2を演算し、当該ドレス完了旋回軌道L2上にドレッシング完了位置M2を規定する(図2(d))。この場合、ドレッシング完了位置M2は、ドレス完了旋回軌道L2において、ドレスヘッド8が完成予定としての砥石2の端面から所定距離だけ離間した座標上の位置として決定することができる(図1のS6,S7)
「第3工程」
次に、回転軸Hに直交する方向(図2(a)に示されたY軸方向)に沿って、ドレッシング開始位置M1とドレッシング完了位置M2とを差分した差分値Qを、現状の砥面G1形状から完成予定としての砥面G2形状に至るまでのドレッシング量として演算する(図1のS8)。この場合、ドレッシング量は、ドレッシング開始位置M1とドレッシング完了位置M2とを回転軸Hに沿う方向で同一位置(M1とM2を図2(a)に示されたX軸上の同一座標)に位置付けた状態で、双方の差分値Q(具体的には、距離Q)を算出することによって決定することができる(図1のS9)。
「第4工程」
次に、砥石2に対する1回のドレッシング処理で、ドレスヘッド8が回転軸Hに直交する方向(図2(a)に示されたY軸方向)に沿って進むドレス値(ドレスヘッド8を1回だけ旋回させた際のY軸方向への進み量(距離))を予め演算する。なお、ドレッシング処理1回当りのドレス値は、事前の試験等(或いは、径検値)によって予め定められている値をそのまま利用すればよい。
続いて、第3工程で演算した差分値Qを、ドレス値で除算することで、ドレッシング回数を演算する(図1のS10)。ここで、差分値Qをドレス値で除算した際に余りがでる場合があり、その場合には、当該余りのドレス値をドレッシング回数に加えることで、最適なドレッシング回数を決定することができる(図1のS11)。
「第5工程」
そして、第2工程〜第4工程によって演算された演算結果に基づいて、砥石2の砥面G1にドレッシング処理を施すことで、当該砥面G1を所望形状に形成する。この場合、ドレスヘッド8の旋回中心位置は、完成予定としての砥面G2の芯位置F2に設定されているため、当該ドレスヘッド8の旋回軌道L1,L2は、完成予定としての砥面G2の曲率半径R2に一致した状態となる(図2(e))。
これにより、かかる設定状態において、ドレスヘッド8を現状の砥面G1に沿って旋回させてドレッシング処理を施すことで(即ち、図2(e)でハッチングした部分を除去することで)、砥面G1の曲率半径R1とは異なる曲率半径R2を成す砥面G2を有する砥石2を完成させることができる(図2(f))。
なお、上記した第1〜第5工程では、現状において、ドレッシング処理前の砥石2の砥面G1形状(図2(a))が既知でない場合を想定して説明したが、これに対して、ドレッシング処理前の砥石2の砥面G1形状(図2(a))が既知である場合(図1のS1)、その既知の砥面形状データに基づいて(図1のS12)、ドレッシング処理前の現状の砥面G1形状を特定することができる(図1のS3)。この後の工程(図1のS4〜S11)は、上記同様であるため、その説明は省略する。
以上、本実施形態の砥石のドレッシング方法によれば、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置を演算するだけで、その演算結果に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでに要する必要最小限のドレッシング量とドレッシング回数を演算することができるため、ドレッシング処理に要する負担の軽減、コストの低減を同時に図ることができる。これにより、従来に比べてドレッシング処理に対する効率化及び低コスト化を飛躍的に向上させることができる。
また、本実施形態の砥石のドレッシング方法によれば、現状の砥面G1に対するドレッシング処理が完了した際に、従来のように完成後の砥面G2の出来不出来について再確認する必要はない。これにより、ドレッシング処理に要する手間や、再確認に要する無駄な時間を完全に無くすることができるため、従来に比べて短時間に、且つ効率的に所望形状の砥面を完成させることができる。
更に、本実施形態の砥石のドレッシング方法によれば、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置に基づいて演算されたドレッシング量とドレッシング回数に従って、現状の砥面に対するドレッシング処理が行われるため、従来のように現状の砥面G1を過剰に研削してしまうことは無い。これにより、砥石2を長期に亘って経済的に使用(利用)することができる。
なお、上記した実施形態では、現状の砥面G1形状の曲率半径R1と、完成予定としての砥面G2形状の曲率半径2が、ほぼ同様の場合を想定して説明したが、例えば図4に示すように、転動面10sが曲率半径R3を成す対称球面(凸面)ころ10を砥ぐための砥石2を想定し、当該完成予定としての砥面G3形状の曲率半径R3が、現状の砥面G1形状の曲率半径R1に対して大幅に相違する場合でも、当該砥面G3の芯位置F3に基づいて、上記した第1工程〜第4工程を実施することで、上記した実施形態と同様の効果を実現することができる。
2 砥石
4、6 転動体
8 ドレスヘッド
G1、G2 砥面
H 回転軸

Claims (5)

  1. 砥石をその回転軸を中心に回転させながら、ドレッシング用ヘッドによって当該砥石の砥面に対するドレッシング処理を施すための砥石のドレッシング方法であって、
    ドレッシング処理前の現状の砥石の砥面形状を特定する第1工程と、
    特定した現状の砥面形状、及び、ドレッシング処理後の完成予定としての砥面形状に基づいて、ドレッシング開始位置及び完了位置を演算する第2工程と、
    演算したドレッシング開始位置及び完了位置に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでのドレッシング量を演算する第3工程と、
    演算したドレッシング量に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでに要するドレッシング回数を演算する第4工程と、
    第2工程〜第4工程によって演算された演算結果に基づいて、現状の砥石の砥面にドレッシング処理を施して、当該砥面を所望形状に形成する第5工程と、を有することを特徴とする砥石のドレッシング方法。
  2. 第1工程には、
    現状の砥面に沿ってドレッシング用ヘッドを移動させて当該砥面に接触させることで、砥面に沿った複数の点の座標を定義する工程と、
    当該各点の座標に基づいて、現状の砥面の曲率半径、並びに、当該曲率半径の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置を演算する工程と、
    当該演算結果に基づいて、ドレッシング処理前の現状の砥面形状を特定する工程と、が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の砥石のドレッシング方法。
  3. 第2工程には、
    完成予定としての砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置と、第1工程で演算した現状の砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置とを比較して、双方の位置相互間の前記回転軸に沿う方向での位置ずれ量を演算する工程と、
    演算した位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドの旋回中心位置を設定する工程と、
    設定された旋回中心位置まわりにドレッシング用ヘッドを旋回させた際における当該ヘッドの旋回軌道、第1工程で演算した現状の砥面形状、前記位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドが現状の砥石に最初に接触すると予想した点を、ドレッシング開始点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、
    特定されたドレッシング開始点を通るドレッシング用ヘッドのドレス開始旋回軌道を演算し、当該ドレス開始旋回軌道上にドレッシング開始位置を規定する工程と、
    規定されたドレス開始旋回軌道に沿ってドレッシング用ヘッドを旋回させながらドレッシング処理を行った場合に、現状の砥面に対するドレッシング処理が完了すると予想した点を、ドレッシング完了点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、
    特定されたドレッシング完了点を通るドレッシング用ヘッドのドレス完了旋回軌道を演算し、当該ドレス完了旋回軌道上にドレッシング完了位置を規定する工程と、が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の砥石のドレッシング方法。
  4. 第3工程では、前記回転軸に直交する方向に沿って、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置とを差分した差分値をドレッシング量として演算することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の砥石のドレッシング方法。
  5. 第4工程には、
    砥石に対する1回のドレッシング処理で、ドレッシング用ヘッドが前記回転軸に直交する方向に沿って進むドレス値を予め演算する工程と、
    第3工程で演算した差分値を、前記ドレス値で除算することで、ドレッシング回数を演算する工程と、が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の砥石のドレッシング方法。
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