JP2011173223A - 砥石のドレッシング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】砥石2をその回転軸Hを中心に回転させながら、ドレスヘッド8で砥面G1にドレッシング処理を施すための砥石のドレッシング方法であって、ドレッシング処理前の現状の砥面形状と、ドレッシング処理後の完成予定としての砥面形状とに基づいて(S3)、ドレッシング開始位置及び完了位置を演算し(S4〜S7)、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでのドレッシング量及び回数を演算する(S8〜S11)。そして、演算された演算結果に基づいてドレッシング処理を施すことで、砥石の砥面を所望形状に形成する。
【選択図】図1
Description
例えば図5(b),(c)に示すように、上記した曲率半径R1とは異なる曲率半径R2を成す転動面6sを有する転動体6(例えば、転動面6sが曲率半径R2を成す非対称球面(凸面)ころ6)を形成する場合、新たな砥石2を用意するか、又は、上記した砥石2を再利用することになる。いずれの場合でも、当該転動面6sの曲率半径R2に一致した輪郭形状となるように、当該砥石2の砥面に対して例えば矢印T1,T2方向にドレッシング(研削、目直し)処理が施される。
本発明において、第1工程には、現状の砥面に沿ってドレッシング用ヘッドを移動させて当該砥面に接触させることで、砥面に沿った複数の点の座標を定義する工程と、当該各点の座標に基づいて、現状の砥面の曲率半径、並びに、当該曲率半径の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置を演算する工程と、当該演算結果に基づいて、ドレッシング処理前の現状の砥面形状を特定する工程と、が含まれている。
本発明において、第2工程には、完成予定としての砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置と、第1工程で演算した現状の砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置とを比較して、双方の位置相互間の前記回転軸に沿う方向での位置ずれ量を演算する工程と、演算した位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドの旋回中心位置を設定する工程と、設定された旋回中心位置まわりにドレッシング用ヘッドを旋回させた際における当該ヘッドの旋回軌道、第1工程で演算した現状の砥面形状、前記位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドが現状の砥石に最初に接触すると予想した点を、ドレッシング開始点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、特定されたドレッシング開始点を通るドレッシング用ヘッドのドレス開始旋回軌道を演算し、当該ドレス開始旋回軌道上にドレッシング開始位置を規定する工程と、規定されたドレス開始旋回軌道に沿ってドレッシング用ヘッドを旋回させながらドレッシング処理を行った場合に、現状の砥面に対するドレッシング処理が完了すると予想した点を、ドレッシング完了点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、特定されたドレッシング完了点を通るドレッシング用ヘッドのドレス完了旋回軌道を演算し、当該ドレス完了旋回軌道上にドレッシング完了位置を規定する工程と、が含まれている。
本発明において、第3工程では、前記回転軸に直交する方向に沿って、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置とを差分した差分値をドレッシング量として演算する。
本発明において、第4工程には、砥石に対する1回のドレッシング処理で、ドレッシング用ヘッドが前記回転軸に直交する方向に沿って進むドレス値を予め演算する工程と、第3工程で演算した差分値を、前記ドレス値で除算することで、ドレッシング回数を演算する工程と、が含まれている。
なお、本実施形態の砥石のドレッシング方法では、一例として、上記した砥石2をその回転軸H(図5(d)参照)を中心に回転させながら、ドレスヘッド8によって当該砥石2の砥面G1(図5(a)参照)に対してドレッシング(研削、目直し)処理を施して、当該砥面G1を所望形状に形成することで、砥面G1の曲率半径R1とは異なる曲率半径R2を成す砥面G2(ドレッシング処理後の完成予定としての砥面G2)を有する砥石2(図5(c)参照)を完成させる場合を想定する。
まず、現状において、ドレッシング処理前の砥石2の砥面G1形状(図2(a))が既知でない場合(図1のS1)、現状の砥面G1に沿ってドレスヘッド8を移動させて当該砥面G1に接触させることで、砥面G1に沿った複数の点の座標を定義する。
R12=(X1−X0)2+(Y1−Y0)2
R12=(X2−X0)2+(Y2−Y0)2
R12=(X3−X0)2+(Y3−Y0)2
そして、この連立方程式を解くことで、曲率半径R1、曲率中心座標(X0,Y0)が演算され、当該曲率中心座標(X0,Y0)に一致した芯位置F1が特定される。
この場合、例えば内外輪の円弧状軌道面を砥ぐ(研削する)ために用いられる砥石2を想定すると、その芯位置F1において、砥面G1は外向き円弧状に最も膨らんでおり、これに対して、本実施形態のように、転動体(玉、ころ4,6)を砥ぐ(研削する)ために用いられる砥石2を想定すると、その芯位置F1において、砥面G1は内向き円弧状に最も膨らんでいることになる。
続いて、完成予定としての砥面G2形状の曲率中心の回転軸Hに沿う方向での位置(芯位置F2)と、第1工程で演算した現状の砥面G1形状の曲率中心の回転軸Hに沿う方向での位置(芯位置F1)とを比較して、双方の位置F1,F2相互間の回転軸Hに沿う方向での位置ずれ量Dを演算する(図2(c))。なお、芯位置F2の解釈は、上記した芯位置F1の場合と同様であるため、その説明は省略する。
D=(X1−X3)/2−X0
次に、回転軸Hに直交する方向(図2(a)に示されたY軸方向)に沿って、ドレッシング開始位置M1とドレッシング完了位置M2とを差分した差分値Qを、現状の砥面G1形状から完成予定としての砥面G2形状に至るまでのドレッシング量として演算する(図1のS8)。この場合、ドレッシング量は、ドレッシング開始位置M1とドレッシング完了位置M2とを回転軸Hに沿う方向で同一位置(M1とM2を図2(a)に示されたX軸上の同一座標)に位置付けた状態で、双方の差分値Q(具体的には、距離Q)を算出することによって決定することができる(図1のS9)。
次に、砥石2に対する1回のドレッシング処理で、ドレスヘッド8が回転軸Hに直交する方向(図2(a)に示されたY軸方向)に沿って進むドレス値(ドレスヘッド8を1回だけ旋回させた際のY軸方向への進み量(距離))を予め演算する。なお、ドレッシング処理1回当りのドレス値は、事前の試験等(或いは、径検値)によって予め定められている値をそのまま利用すればよい。
そして、第2工程〜第4工程によって演算された演算結果に基づいて、砥石2の砥面G1にドレッシング処理を施すことで、当該砥面G1を所望形状に形成する。この場合、ドレスヘッド8の旋回中心位置は、完成予定としての砥面G2の芯位置F2に設定されているため、当該ドレスヘッド8の旋回軌道L1,L2は、完成予定としての砥面G2の曲率半径R2に一致した状態となる(図2(e))。
4、6 転動体
8 ドレスヘッド
G1、G2 砥面
H 回転軸
Claims (5)
- 砥石をその回転軸を中心に回転させながら、ドレッシング用ヘッドによって当該砥石の砥面に対するドレッシング処理を施すための砥石のドレッシング方法であって、
ドレッシング処理前の現状の砥石の砥面形状を特定する第1工程と、
特定した現状の砥面形状、及び、ドレッシング処理後の完成予定としての砥面形状に基づいて、ドレッシング開始位置及び完了位置を演算する第2工程と、
演算したドレッシング開始位置及び完了位置に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでのドレッシング量を演算する第3工程と、
演算したドレッシング量に基づいて、現状の砥面形状から完成予定としての砥面形状に至るまでに要するドレッシング回数を演算する第4工程と、
第2工程〜第4工程によって演算された演算結果に基づいて、現状の砥石の砥面にドレッシング処理を施して、当該砥面を所望形状に形成する第5工程と、を有することを特徴とする砥石のドレッシング方法。 - 第1工程には、
現状の砥面に沿ってドレッシング用ヘッドを移動させて当該砥面に接触させることで、砥面に沿った複数の点の座標を定義する工程と、
当該各点の座標に基づいて、現状の砥面の曲率半径、並びに、当該曲率半径の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置を演算する工程と、
当該演算結果に基づいて、ドレッシング処理前の現状の砥面形状を特定する工程と、が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の砥石のドレッシング方法。 - 第2工程には、
完成予定としての砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置と、第1工程で演算した現状の砥面形状の曲率中心の前記回転軸に沿う方向での位置とを比較して、双方の位置相互間の前記回転軸に沿う方向での位置ずれ量を演算する工程と、
演算した位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドの旋回中心位置を設定する工程と、
設定された旋回中心位置まわりにドレッシング用ヘッドを旋回させた際における当該ヘッドの旋回軌道、第1工程で演算した現状の砥面形状、前記位置ずれ量に基づいて、ドレッシング用ヘッドが現状の砥石に最初に接触すると予想した点を、ドレッシング開始点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、
特定されたドレッシング開始点を通るドレッシング用ヘッドのドレス開始旋回軌道を演算し、当該ドレス開始旋回軌道上にドレッシング開始位置を規定する工程と、
規定されたドレス開始旋回軌道に沿ってドレッシング用ヘッドを旋回させながらドレッシング処理を行った場合に、現状の砥面に対するドレッシング処理が完了すると予想した点を、ドレッシング完了点として規定し、その点の前記回転軸に沿う方向での位置を特定する工程と、
特定されたドレッシング完了点を通るドレッシング用ヘッドのドレス完了旋回軌道を演算し、当該ドレス完了旋回軌道上にドレッシング完了位置を規定する工程と、が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の砥石のドレッシング方法。 - 第3工程では、前記回転軸に直交する方向に沿って、ドレッシング開始位置とドレッシング完了位置とを差分した差分値をドレッシング量として演算することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の砥石のドレッシング方法。
- 第4工程には、
砥石に対する1回のドレッシング処理で、ドレッシング用ヘッドが前記回転軸に直交する方向に沿って進むドレス値を予め演算する工程と、
第3工程で演算した差分値を、前記ドレス値で除算することで、ドレッシング回数を演算する工程と、が含まれていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の砥石のドレッシング方法。
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JP2010040073A JP5509922B2 (ja) | 2010-02-25 | 2010-02-25 | 砥石のドレッシング方法 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03154778A (ja) * | 1989-11-09 | 1991-07-02 | Koyo Mach Ind Co Ltd | 研削砥石のドレス方法 |
JPH05337825A (ja) * | 1992-06-01 | 1993-12-21 | Toyoda Mach Works Ltd | マルチ研削盤の砥石修正装置 |
JPH10156720A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-16 | Nippei Toyama Corp | 砥石修正方法及びその装置 |
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