JP2011173153A - 厚鋼板の冷却制御装置、冷却制御方法、及び、製造方法 - Google Patents

厚鋼板の冷却制御装置、冷却制御方法、及び、製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低コストで使用時の制約が少なく冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御することが可能な厚鋼板の冷却制御装置、冷却制御方法、及び、製造方法を提供する。
【解決手段】冷却装置よりも下流側に配置された復熱完了前の鋼板の表面温度を測定する温度計と、測定された復熱完了前の温度を用いて厚鋼板の板厚方向温度分布を推定する手段と、推定された板厚方向温度分布に基いて冷却装置から厚鋼板へと向けて噴射される冷却水の流量を制御する手段と、を有する厚鋼板の冷却制御装置、並びに、冷却装置よりも下流側に配置された復熱完了前の厚鋼板の温度を測定する温度計によって厚鋼板の表面温度を測定する工程と、測定された復熱完了前の表面温度を用いて厚鋼板の板厚方向温度分布を推定する工程と、推定された板厚方向温度分布に基いて冷却装置から厚鋼板へと向けて噴射される冷却水の流量を制御する工程と、を有する厚鋼板の冷却制御方法及び製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、厚鋼板の冷却制御装置、厚鋼板の冷却制御方法、及び、厚鋼板の製造方法に関する。本発明は、特に、搬送ライン上を搬送されている熱間圧延された高温の厚鋼板へ向けて冷却水を噴射する冷却装置の動作を制御する装置、そのような冷却装置の動作制御方法、及び、この動作制御方法を用いる厚鋼板の製造方法に関する。
熱間圧延された高温の厚鋼板を搬送しながら冷却装置で冷却する際、冷却停止時の鋼板温度は鋼板の機械特性を左右する重要な要因のひとつである。従って、所定の機械特性を備えた鋼板を製造するためには、冷却停止時の鋼板温度を所定の温度に精度良く制御する必要がある。
冷却停止時の鋼板温度制御に関する技術として、例えば特許文献1には、冷却装置の入側で鋼板温度を測定し、温度予測モデルを用いた冷却停止後の鋼板温度予測結果に基づき、鋼板の搬送速度、冷却装置の冷却ゾーン長さ、及び、水量密度を調整することによって、冷却停止後の鋼板温度を高精度に制御する制御方法が示されている。本制御方法では温度予測モデルの予測精度が重要なため、冷却停止後の鋼板温度を測定し、温度予測モデルの修正を行っている。
一方、ある鋼板を冷却中に予測温度と実際の温度との間に差が生じた場合を考えると、冷却中の鋼板の次に冷却される鋼板に対しては温度予測モデルが修正され、高精度な制御が可能であるが、冷却中の鋼板に対しては修正する手段が無く、この冷却中の鋼板を精度良く制御することはできない。
この様な制御上の問題に対しては、フィードバック制御の適用が効果的であることが知られている。この制御方法は冷却装置の後方に温度計を設置し、冷却後の鋼板温度を測定すると同時に、目標温度と測定した温度との差に基づいて冷却装置の水量をリアルタイムに操作するもので、冷却中の鋼板に対して即時に制御効果が現れるものである。
ところが、厚鋼板の場合、冷却装置で冷却した直後の鋼板表面温度は、鋼板板厚方向の平均温度よりも低い状態となっており、高温の中心部から低温の表層部に熱が伝導するため、表面温度は鋼板内部の温度が均一化されるまで上昇し続けることになる(以下、冷却後に鋼板表面が最低温度になった時点から板厚方向温度分布が均一化するまでの過渡的な状態を「復熱」という。)。
そのため、フィードバック制御を実施する際は、復熱が完了した時点での鋼板表面温度を用いなければならないが、冷却終了時点から復熱が完了するまでに時間が掛かるため、フィードバック制御の制御性能が低下し、冷却後の鋼板温度を高精度に制御できない。
このような問題を解決し得る技術として、例えば特許文献2には、鋼材をノズル群からの噴射冷媒により冷却中に、鋼材の内部に超音波センサーによって超音波を入射・伝播させ、伝播した超音波を受信しこの伝播速度と鋼材温度との関係から鋼材内部温度分布の予測を行い、この予測結果から求めた鋼材内部温度(平均温度)に基づいて噴射冷媒量を制御する熱間鋼材の制御冷却方法が開示されている。
特開昭60−87914号公報 特開2005−118837号公報
しかしながら、冷却水を鋼板に噴射して鋼板を冷却する場合、冷却水と鋼板との接触状況が複雑で、冷却水によって奪われる熱量も大きく、冷却時の鋼板温度を高精度に予測することは困難である。そのため、特許文献1に開示されている技術には、冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御することが困難であるという問題があった。
また、特許文献2に開示されている技術で使用する、超音波を用いた板厚方向温度分布の推定装置は高価であり、保守の費用も嵩みやすいという問題があった。さらに、高温の厚鋼板を低温まで冷却した場合、中心部と表層部の冷却速度が異なるため、冷却後は板厚方向で異なる金属組織が生成する。超音波の伝播速度は厚鋼板の温度だけでなく金属組織の影響も受けるため、特許文献2に開示されている技術には、温度測定の測定精度が低下しやすいという問題もあった。加えて、水柱超音波センサーであれば、鋼板表面に蒸気膜が生成するような温度の場合に測定精度が低下するため、鋼板表面温度が低温でなければならず、電磁超音波センサーであれば、センサーを鋼板に近接させる必要がある。すなわち、特許文献2に開示されている技術では、鋼板の「そり」や「うねり」に対応するための拘束ロールが必須になるなど、当該技術を実施する際の制約が多いという問題もあった。
そこで、本発明は、低コストで使用時の制約が少なく、冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御することが可能な、厚鋼板の冷却制御装置及び厚鋼板の冷却制御方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、冷却装置で冷却した直後の鋼板板厚方向の温度分布を、復熱が完了する前の1つ以上の鋼板表面温度測定値から算出すると共に、この温度分布をフィードバック制御に適用するため、温度分布の算出を簡単な演算で瞬時に算出できる方法を考案した。この温度分布算出結果を用いたフィードバック制御を実施することで、鋼板温度を所定の温度に精度良く制御することができる。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするため、添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の第1の態様は、熱間圧延後に搬送ライン上を搬送されている厚鋼板(1)を所定の温度へと冷却する冷却装置(3)の動作を制御する装置であって、冷却装置よりも下流側の搬送ラインに配置された、冷却停止後且つ復熱完了前の厚鋼板の表面温度を測定する温度計(4、5)と、該温度計で測定された復熱完了前の表面温度を用いて、厚鋼板の板厚方向温度分布(T)を推定する温度分布推定手段(10a)と、該温度分布推定手段によって推定された板厚方向温度分布に基いて、冷却装置から厚鋼板へと向けて噴射される冷媒の流量を制御する水量制御手段(10a)と、を有することを特徴とする、厚鋼板の冷却制御装置(10)である。
ここに、本発明において、「復熱完了」とは、厚鋼板の板厚方向中心の温度と厚鋼板の表面温度とが等しくなる時点をいい、「復熱完了前の温度」とは、復熱完了前に測定された温度、すなわち、厚鋼板の板厚方向中心の温度と厚鋼板の表面温度とが等しくなる前に測定された温度をいう。本発明において、復熱完了前の温度を測定する時機は、冷却装置による冷却後に復熱が開始されてから復熱が完了する前であれば特に限定されるものではなく、例えば、冷却終了後2秒以内、とすることができる。本発明において、温度分布推定手段(10a)における温度分布推定、水量制御手段(10a)における流量制御は、例えば、冷却制御装置(10)内のCPU(10a)で処理される。
上記本発明の第1の態様において、冷却装置(3)によって厚鋼板(1)が冷却される前に、温度分布推定手段(10a)において、鋼板の表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により温度計(5)の位置における仮の板厚方向温度分布(T)が算出され、且つ、厚鋼板の板厚方向位置(h)と復熱完了前の温度(T)と係数(p〜p)とを用いて表される板厚方向温度分布(T)の推定式が特定され、冷却装置によって厚鋼板が冷却される前に、上記推定式と仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする係数が、温度分布推定手段で導出され、導出された係数を用いて表される推定式に、厚鋼板の板厚方向位置及び温度計で測定された復熱完了前の温度が代入されることにより、温度分布推定手段で厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることが好ましい。
ここに、本発明において、板厚方向温度分布(T)の推定式と仮の板厚方向温度分布(T)との誤差を最小にする係数(p〜p)を導出するのは、冷却装置(3)による厚鋼板(1)の冷却開始前なので、復熱完了前の温度(T)が測定されていない。そのため、係数導出時には、推定式における復熱完了前の温度(T)に代えて、例えば、仮の板厚方向温度分布(T)に含まれている、厚鋼板の上面温度又は下面温度(T)を用いて板厚方向温度分布(T)の推定式を表現し、この推定式と仮の板厚方向温度分布(T)との誤差を最小にする係数(p〜p)を導出すればよい。
また、上記本発明の第1の態様において、温度計(4、5)が複数備えられることが好ましい。
また、上記本発明の第1の態様において、温度計(4、5)が複数備えられ、冷却装置(3)によって厚鋼板(1)が冷却される前に、温度分布推定手段(10a)において、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した計算により、複数の温度計のそれぞれの測定地点における仮の板厚方向温度分布(T)が算出され、且つ、厚鋼板の板厚方向位置(h)と複数の温度計によって測定された復熱完了前の温度(T、T)と係数(p〜p12)とを用いて表される、複数の温度計のうち最も下流側に配置された温度計(5)による測定地点における板厚方向温度分布(T)の推定式が特定され、冷却装置によって厚鋼板が冷却される前に、複数の温度計のうち最も下流側に配置された温度計による測定地点における推定式と仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする係数が、温度分布推定手段で導出され、導出された係数を用いて表される推定式に、厚鋼板の板厚方向位置及び複数の温度計で測定された復熱完了前の温度が代入されることにより、温度分布推定手段で厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることが好ましい。
ここに、本発明において、板厚方向温度分布(T)の推定式と仮の板厚方向温度分布(T)との誤差を最小にする係数(p〜p12)を導出するのは、冷却装置(3)による厚鋼板(1)の冷却開始前なので、復熱完了前の温度(T、T)が測定されていない。そのため、係数導出時には、推定式における復熱完了前の温度(T、T)に代えて、例えば、仮の板厚方向温度分布(T)に含まれている、それぞれの温度計(4、5)の測定地点における厚鋼板の上面温度又は下面温度(T)を用いて板厚方向温度分布(T)の推定式を表現し、この推定式と仮の板厚方向温度分布(T)との誤差を最小にする係数(p〜p12)を導出すればよい。
本発明の第2の態様は、熱間圧延後に搬送ライン上を搬送されている厚鋼板(1)を所定の温度へと冷却する冷却装置(3)の動作を制御する方法であって、冷却装置よりも下流側の搬送ラインに配置された、冷却停止後且つ復熱完了前の厚鋼板の表面温度を測定する温度計(4、5)によって、厚鋼板の表面温度を測定する温度測定工程(S2)と、該温度測定工程で測定された復熱完了前の表面温度を用いて、厚鋼板の板厚方向温度分布(T)を推定する推定工程(S3)と、該推定工程で推定された板厚方向温度分布に基いて、冷却装置から厚鋼板へと向けて噴射される冷媒の流量を制御する制御工程(S4)と、を有することを特徴とする、厚鋼板の冷却制御方法である。
上記本発明の第2の態様において、冷却装置(3)によって厚鋼板(1)が冷却される前に、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により温度計(5)の位置における仮の板厚方向温度分布(T)が算出され、且つ、厚鋼板の板厚方向位置(h)と復熱完了前の温度(T)と係数(p〜p)とを用いて表される板厚方向温度分布(T)の推定式が特定され、冷却装置によって厚鋼板が冷却される前に、上記推定式と仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする係数が導出され、導出された係数を用いて表される推定式に、厚鋼板の板厚方向位置及び温度計で測定された復熱完了前の温度が代入されることにより、推定工程(S3)で厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることが好ましい。
また、上記本発明の第2の態様において、温度計(4、5)が複数備えられることが好ましい。
また、上記本発明の第2の態様において、温度計(4、5)が複数備えられ、冷却装置(3)によって厚鋼板(1)が冷却される前に、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により、複数の温度計のそれぞれの測定地点における仮の板厚方向温度分布(T)が算出され、且つ、厚鋼板の板厚方向位置(h)と複数の温度計によって測定された復熱完了前の温度(T、T)と係数(p〜p12)とを用いて表される、複数の温度計のうち最も下流側に配置された温度計(5)による測定地点における板厚方向温度分布(T)の推定式が特定され、冷却装置によって厚鋼板が冷却される前に、複数の温度計のうち最も下流側に配置された温度計による測定地点における推定式と仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする係数が導出され、導出された係数を用いて表される推定式に、厚鋼板の板厚方向位置及び複数の温度計で測定された復熱完了前の温度が代入されることにより、推定工程(S3)で厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることが好ましい。
本発明の第3の態様は、上記本発明の第2の態様にかかる厚鋼板の冷却制御方法を用いることを特徴とする厚鋼板の製造方法である。
本発明では、超音波を用いた装置を用いる必要がない。また、復熱完了前に測定した温度測定結果を用いて冷却停止時の鋼板温度を予測し、予測した鋼板温度を用いて冷却装置から噴射される冷媒の量をフィードバック制御することが可能なので、冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御することが可能な、厚鋼板の冷却制御装置及び厚鋼板の冷却制御方法並びに厚鋼板の製造方法を提供することができる。さらに、板厚方向温度分布の推定式を予め特定しておくことにより、復熱完了前に板厚方向温度分布を簡単な演算によって瞬時に算出することが可能になる。したがって、板厚方向温度分布の推定式を予め特定しておく形態とすることにより、フィードバック制御の制御効果が発揮されやすくなり、冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御することが容易になる。
本発明の厚鋼板の冷却制御方法を説明するフローチャートである。 冷却装置3及び冷却制御装置10を含む厚鋼板の熱間圧延設備100を説明する図である。 差分法を用いて温度計算を行うための、板厚方向メッシュ分割を示す図である。 冷却装置3で冷却された厚鋼板1の温度測定結果と温度計算結果とを示す図である。 冷媒流量変更後の、厚鋼板1の温度測定結果と温度計算結果とを示す図である。 板厚方向温度分布の測定値と計算値とを示す図である。 仮の板厚方向温度分布TC及び係数導出時に用いる温度計算値TLを示す図である。 板厚方向温度分布の推定結果の例を示す図である。 冷却装置3及び冷却制御装置20を含む厚鋼板の熱間圧延設備200を説明する図である。 厚鋼板の板厚と復熱完了までの所要時間との関係を示す図である。 本発明の第1実施形態を実施した際の温度測定結果を示す図である。 本発明の第1実施形態を実施した際の温度分布算出結果を示す図である。 本発明の第2実施形態を実施した際の温度測定結果を示す図である。 本発明の第2実施形態を実施した際の温度分布算出結果を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に示す形態は本発明の例示であり、本発明がこれらの形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の厚鋼板の冷却制御方法(以下において、「本発明の冷却制御方法」ということがある。)を説明するフローチャートである。図2は、厚鋼板の熱間圧延設備100(以下において、単に「熱間圧延設備100」という。)の一部を簡略化して示す図である。図2では、一部符号の記載を省略している。図1に示すように、本発明の冷却制御方法は、準備工程(S1)と、温度測定工程(S2)と、推定工程(S3)と、制御工程(S4)と、を有している。図2に示すように、熱間圧延設備100は、厚鋼板1を搬送するテーブルローラ2、2、…と、厚鋼板1の搬送方向上流側から順に、鋼板速度測定装置8、鋼板板厚測定装置9、放射温度計6、冷却装置3、及び、放射温度計7とを備え、さらに、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射される冷媒(以下において、「冷却水」という。)の流量を制御する厚鋼板の冷却制御装置10(以下において、単に「冷却制御装置10」という。)を備えている。熱間圧延された厚鋼板1は、テーブルローラ2により、予め設定された搬送速度で、図2の紙面左側から右側へと搬送される。テーブルローラ2によって搬送される厚鋼板1の搬送速度は、冷却装置3の入側に配置された鋼板速度測定装置8により測定され、厚鋼板1の板厚は、冷却装置3の入側に配置された鋼板板厚測定装置9により測定される。搬送速度及び板厚が測定された厚鋼板1は、冷却装置3の入側に配置された放射温度計6により上面温度が測定された後、冷却装置3によって冷却され、冷却された厚鋼板1の上面温度は、冷却装置3の出側に配置された放射温度計7によって測定される。熱間圧延設備100において、冷却装置3は上面冷却装置3a及び下面冷却装置3bを備えており、鋼板速度測定装置8、鋼板板厚測定装置9、及び、放射温度計6による測定結果に関する情報(出力信号)は、冷却制御装置10へと送られる。
冷却制御装置10は、冷却装置3と放射温度計7との間に配置された放射温度計5と、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射される冷却水の水量を制御可能な制御手段10xと、を有している。制御手段10xには、冷却装置3の動作制御等を実行するCPU10aと、該CPU10aに対する記憶装置とが設けられている。冷却制御装置10において、CPU10aは、温度分布推定手段及び水量制御手段として機能する。CPU10aは、マイクロプロセッサユニット及びその動作に必要な各種周辺回路を組み合わせて構成され、CPU10aに対する記憶装置は、例えば、冷却装置3の動作制御等に必要なプログラムや各種データを記憶するROM10bと、CPU10aの作業領域として機能するRAM10c等を組み合わせて構成される。当該構成に加えて、さらに、CPU10aは、ROM10bに記憶されたソフトウエアと組み合わされることにより、冷却制御装置10における制御手段10xが機能する。
熱間圧延設備100で本発明を実施する際には、温度測定工程(S2)において、放射温度計5により冷却装置3による冷却後の厚鋼板1の下面温度が測定される。放射温度計5によって測定された厚鋼板1の下面温度に関する情報(出力信号)は、制御手段10xの入力ポート10dを介して、入力信号としてCPU10aへと到達する。こうして入力信号が到達すると、CPU10aは、ROM10bに記憶されたプログラム等に基づいて、放射温度計5によって温度を測定された地点における厚鋼板1の板厚方向温度分布を推定する(推定工程(S3))。こうして板厚方向温度分布が推定されたら、CPU10aにおいて、板厚方向温度分布の推定結果を用いて、冷却装置3から厚鋼板1へと噴射されるべき冷却水の水量が算出される。そして、CPU10aで算出された冷却水の水量に関する情報(出力信号)が、出力ポート10eを介して冷却装置3へと出力され、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射されるべき冷却水の水量が制御される(制御工程(S4))。
次に、本発明で多用される鋼板の温度計算方法、及び、CPU10aで行われる計算の具体的な内容(推定工程S3の具体的な内容)について、説明する。
鋼板の板厚方向温度分布は、下記式(1)の熱伝導方程式で表すことができる。厚鋼板1の上面及び下面の境界条件は、下記式(2)及び下記式(3)で表すことができ、冷却装置3で水冷されている場合の熱流束は下記式(4)及び下記式(5)で、水冷されていない空冷部の熱流束は、下記式(6)及び下記式(7)で算出することができる。
Figure 2011173153
Figure 2011173153
Figure 2011173153
Figure 2011173153
Figure 2011173153
Figure 2011173153
Figure 2011173153
ここで、Tは温度[℃]、xは厚鋼板1の板厚方向位置[m]、tは時間[s]、cは比熱[J/(kg・℃)]、λは熱伝導率[W/(m・℃)]、ρは密度[kg/m]、hは板厚[m]、qwu及びqwdは水冷による熱流束[W/m]、qは対流による熱流束[W/m]、qは輻射による熱流束[W/m]、W及びWは冷却装置3の水量密度[m/(m・s)]、Hは対流による熱伝達率[W/m・℃]、Tは鋼板表面温度[℃]、Tは雰囲気温度[℃]、σはステファンボルツマン定数、εは輻射率、A〜Dは定数である。また、下記式(8)〜(10)において、iは板厚方向メッシュ点を示す添え字、jは時刻を示す添え字である。
温度計算を行う場合は、上記式(1)〜(3)を、下記式(8)〜(10)に示すように差分表示し、図3に示すように板厚方向でメッシュ分割した各要素について、微小時間毎に温度変化を算出する。この温度計算方法によって、板厚方向の温度変化を時系列に算出することができる。
Figure 2011173153
Figure 2011173153
Figure 2011173153
図4は、板厚19mmの厚鋼板1の板厚方向中心部に測定用の熱電対を取り付け、これを加熱した後、搬送しながら、冷却装置3を用いて冷却した後の温度を放射温度計5で測定した測定結果と厚鋼板1が放射温度計5を通過した際の鋼板中心部の測定結果、冷却条件(板厚、搬送速度、冷却水量、冷却水温、比熱、熱伝導率)を用いてCPU10aで算出した温度計算結果とを示す図である。図5は、放射温度計5で測定された復熱過程にある厚鋼板1の下面温度測定値(図5のT)と温度計算結果とが合致するように、冷却装置3から厚鋼板1へと噴射される冷却水の量を、厚鋼板1の上側及び下側共に、図4の場合の1.2倍に調整したときの、温度測定結果と温度計算結果とを示す図である。図4及び図5の縦軸は温度[℃]、横軸は時間[s]である。
前述のように、水冷時の鋼板温度を精度良く予測することは難しく、図4に示した様な誤差を生じる場合が多い。一方、冷却した後の空冷部は鋼板表面から流出する熱流束が小さく、鋼板板厚方向の内部の熱流束を考慮した温度計算を行うことにより、水冷部の冷却能力さえ調整してやれば、図5に示したように、鋼板の表面、中心共に大きな誤差を生じることなく温度計算が可能である。鋼板板厚方向の内部の熱流束を考慮した温度計算を行うと、図6に示す通り、同時に板厚方向温度分布も計算できる。図6の縦軸は温度[℃]、横軸は板厚方向位置[mm]である。なお、図6並びに以下に示す図7及び図8では、板厚方向の中心位置を板厚0mmと表記し、当該中心位置よりも下面側の位置を負の数で、中心位置よりも上面側の位置を正の数で、それぞれ示している。
以上のように、復熱完了前の鋼板表面温度測定値を用いて、板厚方向温度分布を算出することができる。上記方法では、表面温度測定結果と温度計算結果とが合致するように冷却装置3の冷却能力を調整したが、この方法では演算負荷の大きい温度計算を複数回実施する収束計算が必要になるため、瞬時に板厚方向温度分布を推定することは困難である。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、以下に示す方法であれば、瞬時に板厚方向温度分布を推定することが容易になることを知見した。以下に、当該方法について例を挙げて説明し、この算出結果を用いて、冷却制御装置10によって、冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御する本発明の実施形態(第1実施形態)について説明する。
冷却制御装置10のCPU10aで行われる処理は、以下の3ステップを有している。図1に示す準備工程S1は後述する「ステップ1」及び「ステップ2」に相当し、図1に示す温度測定工程S2及び推定工程S3は後述する「ステップ3」に相当する。
[ステップ1]
冷却装置3による厚鋼板1の冷却が実際に開始される前に、冷却開始地点から復熱完了前の表面温度を測定する放射温度計5が設置されている地点までの温度計算を実施し、放射温度計5が設置されている地点における板厚方向分割メッシュ毎の温度分布を算出しておく。例えば、図3におけるnを21として板厚方向を21分割し、21点の温度を算出することができる。この時、精度良く予測することの難しい冷却装置3の冷却能力を変化させた場合の温度分布も、同時に算出しておく。ここで、冷却能力の変化量は想定し得る範囲内で良く、基準に対して3割程度の冷却能力変化を与えれば良い。また、変化させるパターンは5〜10パターンあれば良い。
算出例を図7に示す。図7は冷却装置3において、図4の計算を実施した際の冷却条件を用いて、放射温度計5の地点における板厚方向温度分布を計算した結果であり、冷却装置3の冷却能力を、基準の冷却能力を1.00倍として0.70、0.85、1.00、1.15、1.30倍とした、5パターンの板厚方向温度分布Tを示している。図7の縦軸は温度[℃]、横軸は板厚方向位置[mm]である。図7のTは、5パターンの板厚方向温度分布Tのうち、鋼板下面表面の温度計算結果である。
[ステップ2]
放射温度計5が設置されている地点における厚鋼板1の板厚方向温度分布Tを、下記式(11)及び下記式(12)で表す。なお、放射温度計5が設置されている地点における厚鋼板1の板厚方向温度分布Tは、板厚方向位置hと放射温度計5による温度測定結果Tと所定の係数とを用いて表される関数で板厚方向温度分布を表現可能であれば、その形態は下記式(11)及び下記式(12)の形態に限定されるものではなく、ここで示した以外の関数を用いてもよい。
Figure 2011173153
Figure 2011173153
ここで、Tは板厚方向温度分布[℃]、hは板厚方向位置[mm]、Tは復熱過程温度測定値[℃]、Tはステップ1で算出した板厚方向温度分布[℃]、k〜kは変数、p〜pは係数、Sは評価関数である。
ステップ2では、厚鋼板1が冷却装置3で実際に冷却される前に、ステップ1で算出した5パターンの板厚方向21点の温度分布Tと、上記式(12)のTに代えて図6のTを用いて算出した板厚方向温度分布Tとの誤差が最小になる、下記式(13)を満足する係数p〜pを導出する。なお、係数p〜pの導出は、最小2乗法のような公知の最適化手法を用いて行うことができる。下記式(13)において、iは温度分布データ数を表す添え字、nはステップ1で板厚方向温度分布Tを算出したパターン数(上記例ではn=5)である。
Figure 2011173153
上記処理を実施することにより、以下に示す係数p〜pを導出することができる。
= 0.021223
= −0.000043808
= −3.3321
= 0.0067993
=130.35
= 0.73784
[ステップ3]
厚鋼板1が冷却装置3によって実際に冷却され、放射温度計5が設置されている地点に厚鋼板1が到達した時に、放射温度計5によって厚鋼板1の温度が測定され、その温度測定結果TがCPU10aへと送られる。そして、ステップ3では、CPU10aにおいて、温度測定結果Tと、ステップ2で導出されROM10bに記憶されていた係数p〜pと、板厚方向位置hとを上記式(11)及び上記式(12)へと代入することにより、厚鋼板1の板厚方向温度分布Tが瞬時に計算(推定)される。
上記ステップ1〜ステップ3によって、放射温度計5の温度測定値Tに332℃を代入した場合の板厚方向温度分布を図8に示す。図8の縦軸は温度[℃]、横軸は板厚方向位置[mm]である。図8に示すように、計算(推定)した板厚方向中心温度と熱電対の測定値(T)はほぼ一致する結果となっている。そのため、本発明によれば、板厚方向温度分布Tを高精度に推定することができる。
次に、制御工程S4によって冷却水量が変更される前の冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射される冷却水量を制御する方法、及び、推定した板厚方向温度分布Tを用い、フィードバック制御を実施して冷却停止時における厚鋼板の温度を高精度に制御する方法(CPU10aで行われる制御工程S4の具体的な内容)について、説明する。
厚鋼板1が冷却装置3へと搬送される前に、鋼板速度測定装置8によって測定された厚鋼板1の搬送速度、鋼板板厚測定装置9によって測定された厚鋼板1の板厚、及び、放射温度計6によって測定された厚鋼板1の温度に関する測定結果に関する情報(出力信号)は、入力ポート10dを介して、入力信号としてCPU10aへと達する。これらの入力信号と、ROM10bに記憶されている温度予測計算に必要なデータ(厚鋼板1の比熱、密度、雰囲気温度)とを用い、CPU10aは、上記式(1)〜(10)にて冷却停止時における厚鋼板1の温度予測計算を行う。そして、当該温度予測計算の結果と、厚鋼板1の冷却停止時における目標温度とが一致する、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射されるべき冷却水量が、CPU10aで算出され、算出された冷却水量が冷却装置3から噴射されるように、CPU10aから冷却装置3へ向けて動作指令が出力される。
冷却装置3によって冷却された厚鋼板1は、冷却装置3よりも搬送方向下流側に配置されている放射温度計5によって復熱完了前の温度Tが測定され、温度Tに関する情報(出力信号)がCPU10aへと送られる。CPU10aでは、上記ステップ3の方法によって厚鋼板1の板厚方向温度分布Tを瞬時に推定すると共に、厚鋼板1の板厚方向平均温度を算出する。そして、板厚方向平均温度と冷却停止時における目標温度とが一致する、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射されるべき冷却水量が、CPU10aで算出され、当該冷却水量が噴射されるように、CPU10aから出力された動作指令にしたがって、冷却装置3の水量密度が連続的に変更されることにより、冷却停止時の厚鋼板1の温度を、目標温度に制御することが可能になる。
以上、復熱完了前の鋼板下面温度を測定する1つの放射温度計5のみが備えられる場合の本発明について説明した。冷却装置3によって冷却された厚鋼板1の上下面が均一に冷却され、板厚方向の中心を境に上下対称の温度分布を有する場合であれば、1つの温度計で測定した復熱完了前の鋼板下面温度を用いて、冷却停止時の厚鋼板1の温度を高精度に目標温度へと制御することも可能だが、1つの温度計で復熱完了前の鋼板下面温度のみを測定する形態では、例えば厚鋼板の上下面が不均一に冷却されて厚鋼板の上下面が非対称の温度分布を有する場合に、冷却停止時の厚鋼板の温度を高精度に制御し難い。また、板厚方向の中心を境に上下対称の温度分布を有する場合であっても、復熱完了前の鋼板下面の同一部位の温度を複数の温度計で測定することにより、冷却停止時の厚鋼板の温度を高精度に制御することが容易になる。これらの観点から、本発明は、復熱完了前の鋼板温度を測定する温度計が複数備えられる形態とすることが好ましい。そこで、当該形態の本発明(第2実施形態)について、以下に説明する。なお、第2実施形態における板厚方向温度分布の推定方法は、温度計が1つの場合と基本的な考え方は共通しており、予め算出しておく温度分布の算出方法や板厚方向温度分布の関数が異なっている。
図9は、第2実施形態にかかる本発明の厚鋼板の冷却制御装置20(以下において、単に「冷却制御装置20」という。)を備えた厚鋼板の熱間圧延設備200(以下において、単に「熱間圧延設備200」という。)の一部を簡略化して示す図である。図9において、熱間圧延設備100と同様に構成されるものには、図2で使用した符号と同一の符号を付し、その説明を適宜省略する。また、図9では一部符号の記載を省略している。図2及び図9に示すように、熱間圧延設備200は、熱間圧延設備100の冷却制御装置10に代えて冷却制御装置20が備えられている点を除き、熱間圧延設備100と同様に構成されている。冷却制御装置20は、冷却装置3と放射温度計7との間に配置された放射温度計4、5と、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射される冷却水の水量を制御可能な制御手段20xと、を有している。制御手段20xには、冷却装置3の動作制御等を実行するCPU20aと、該CPU20aに対する記憶装置とが設けられている。冷却制御装置20において、CPU20aは、温度分布推定手段及び水量制御手段として機能する。CPU20aは、マイクロプロセッサユニット及びその動作に必要な各種周辺回路を組み合わせて構成され、CPU20aに対する記憶装置は、例えば、冷却装置3の動作制御等に必要なプログラムや各種データを記憶するROM20bと、CPU20aの作業領域として機能するRAM20c等を組み合わせて構成される。当該構成に加えて、さらに、CPU20aは、ROM20bに記憶されたソフトウエアと組み合わされることにより、冷却制御装置20における制御手段20xが機能する。
熱間圧延設備200で本発明を実施する際には、温度測定工程(S2)において、放射温度計4、5により冷却装置3による冷却後の厚鋼板1の下面温度が測定される。放射温度計4、5によって測定された厚鋼板1の下面温度に関する情報(出力信号)は、制御手段20xの入力ポート20dを介して、入力信号としてCPU20aへと到達する。こうして入力信号が到達すると、CPU20aは、ROM20bに記憶されたプログラム等に基づいて、放射温度計4によって温度を測定された地点及び放射温度計5によって温度を測定された地点のそれぞれにおける厚鋼板1の板厚方向温度分布を推定する(推定工程(S3))。こうして板厚方向温度分布が推定されたら、CPU20aにおいて、板厚方向温度分布の推定結果を用いて、冷却装置3から厚鋼板1へと噴射されるべき冷却水の水量が算出される。そして、CPU20aで算出された冷却水の水量に関する情報(出力信号)が、出力ポート20eを介して冷却装置3へと出力され、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射されるべき冷却水の水量が制御される(制御工程(S4))。
冷却制御装置20のCPU20aで行われる処理は、以下の3ステップを有している。図1に示す準備工程S1は後述する「ステップ1」及び「ステップ2」に相当し、図1に示す温度測定工程S2及び推定工程S3は後述する「ステップ3」に相当する。
[ステップ1]
冷却装置3による厚鋼板1の冷却が実際に開始される前に、冷却開始地点から復熱完了前の表面温度を測定する2つの放射温度計4、5のうちより下流側に設置されている放射温度計5の地点までの温度計算を実施し、放射温度計4、5が設置されているそれぞれの地点における板厚方向分割メッシュ毎の温度分布を算出しておく。この時、精度良く予測することの難しい冷却装置3の冷却能力を厚鋼板1の上面側と下面側とで別々に変化させた場合の温度分布も同時に算出しておく。ここで、冷却能力の変化量は想定し得る範囲内で良く、基準に対して3割程度の冷却能力変化を与えれば良い。また、変化させるパターンは10〜25パターンあれば良い。具体的には、例えば、上面冷却装置3aの冷却能力を基準の冷却能力を1.00倍として0.70、0.90、1.10、1.30倍とした4パターンと、下面冷却装置3bの冷却能力を基準の冷却能力を1.00倍として0.70、0.90、1.10、1.30倍にした4パターンとを組み合わせた、16パターンの板厚方向温度分布Tを用意しておくことができる。
[ステップ2]
放射温度計5が設置されている地点における厚鋼板1の板厚方向温度分布Tを、下記式(14)及び下記式(15)のように表す。なお、放射温度計5が設置されている地点における厚鋼板1の板厚方向温度分布Tは、板厚方向位置hと、放射温度計4による温度測定結果Tと、放射温度計5による温度測定結果Tと、所定の係数とを用いて表される関数で、上下非対称の板厚方向温度分布を表現可能であれば、その形態は下記式(14)及び下記式(15)の形態に限定されるものではなく、ここで示した以外の関数を用いてもよい。
Figure 2011173153
Figure 2011173153
ここで、Tは板厚方向温度分布[℃]、hは板厚方向位置[mm]、T及びTは復熱過程温度測定値[℃]、Tはステップ1で算出した板厚方向温度分布[℃]、k〜kは変数、p〜p12は係数、Sは評価関数である。
ステップ2では、厚鋼板1が冷却装置3で実際に冷却される前に、ステップ1で算出した放射温度計5の地点における複数パターン(上記例では16パターン)の板厚方向温度分布Tと、上記式(15)のTに代えてステップ1で算出しておいた放射温度計4の地点における厚鋼板1の下面温度、及び、上記式(15)のTに代えてステップ1で算出しておいた放射温度計5の地点における厚鋼板1の下面温度を用いて算出した板厚方向温度分布Tとの誤差が最小になる、下記式(16)を満足する係数p〜p12を導出する。なお、係数p〜p12の導出は、最小2乗法のような公知の最適化手法を用いて行うことができる。下記式(16)において、iは温度分布データ数を表す添え字、nはステップ1で板厚方向温度分布Tを算出したパターン数(上記例ではn=16)である。
Figure 2011173153
[ステップ3]
厚鋼板1が冷却装置3によって実際に冷却され、放射温度計4が設置されている地点及び放射温度計5が設置されている地点に厚鋼板1が到達した時に、放射温度計4、5によって厚鋼板1の温度が測定され、その温度測定結果T及びTがCPU20aへと送られる。そして、ステップ3では、CPU20aにおいて、温度測定結果T及びTと、ステップ2で導出されROM20bに記憶されていた係数p〜p12と、板厚方向位置hとを上記式(14)及び上記式(15)へと代入することにより、厚鋼板1の板厚方向温度分布Tが瞬時に計算(推定)される。
これらステップ1〜ステップ3によって板厚方向温度分布Tが推定される第2実施形態において、冷却停止時の温度を制御する形態は、第1実施形態の場合と同様にすることができる。すなわち、冷却停止時の温度を制御する際には、CPU20aにおいて、上記ステップ3の方法によって厚鋼板1の板厚方向温度分布Tを瞬時に推定すると共に、厚鋼板1の板厚方向平均温度を算出した後、板厚方向平均温度と冷却停止時における目標温度とが一致する、冷却装置3から厚鋼板1へ向けて噴射されるべき冷却水量が、CPU20aで算出される。そして、当該冷却水量が噴射されるように、CPU20aから出力された動作指令にしたがって、冷却装置3の水量密度を連続的に変更することにより、冷却停止時の厚鋼板1の温度を、目標温度に制御することが可能になる。
以上、復熱完了前の鋼板温度を2つの温度計を用いて測定する形態の本発明について説明したが、復熱完了前の鋼板温度を3以上の温度計を用いて測定する場合であっても、上記式(15)における復熱過程の温度測定値を増やし、温度測定値の増加に見合うように係数の数を増やせば、容易に対応することができる。
図10に、鋼板の板厚と復熱完了までの所要時間との関係を示す。図10の縦軸は復熱完了までの所要時間[s]、横軸は鋼板の板厚[mm]である。本発明において、復熱完了前の鋼板表面温度を測定する温度計を設置する位置は、図10に示した冷却停止から復熱が完了するまでの時間の1/5から2/3までの領域とすることが好ましい。その理由は、冷却停止直後は表面温度が急激に上昇しているために表面温度を測定した際の測定値のばらつきが大きく、復熱完了直前では復熱完了前に温度分布を推定するという本発明の意味が薄れるからである。複数個の温度計を設置する場合は、上記領域内に分散させることが望ましい。
なお、板厚10mm未満では復熱完了までの時間が短くなるため、本発明によって温度分布を早期に推定できたとしても、冷却停止温度の制御精度を向上させる効果は僅かなものになる。したがって、本発明は、冷却装置によって冷却される厚鋼板の板厚が10mm以上である場合に、冷却停止時の鋼板温度を高精度に制御するという効果を奏することが容易になる。
また、図9では、冷却装置3の下流側且つ鋼板下面側に放射温度計4、5が配置される形態を例示している。これは、鋼板の上面側は下面側と比べると鋼板表面に冷却水が滞留しやすく、温度測定誤差が大きくなるためである。本発明において、滞留した冷却水を除去することが可能であれば、鋼板の上面側に、復熱完了前の鋼板温度を測定する温度計を設置しても良い。さらに、複数個の温度計を片面側のみに設置するのではなく、上面側と下面側に分けて設置しても良い。なお、上面側の測定値を用いる場合は、ステップ1で算出した複数パターンの板厚方向温度分布をステップ2で用いる際に、温度分布の上面側を用いるだけの対応で済み、下面側の測定値を用いる場合は、ステップ1で算出した複数パターンの板厚方向温度分布をステップ2で用いる際に、温度分布の下面側を用いるだけの対応で済む。
1.実施例1
図2に示す冷却制御装置10を用い、下記条件にて本発明の第1実施形態を実施した。
<条件>
鋼種 低炭素鋼
板厚 約20mm(測定値)
鋼板長さ 50m
冷却装置3の入側温度 約800℃(測定値)
目標冷却停止温度 350℃
鋼板速度(搬送速度) 約2.0m/秒(測定値)
冷却装置3a、3bの長さ 15.0m
冷却装置3a、3bの水量密度 12L/平方メートル/秒
放射温度計5の設置位置 冷却装置3の後端から鋼板搬送方向3m位置
放射温度計7の設置位置 冷却装置3の後端から鋼板搬送方向15m位置
板厚方向温度分布の算出は、第1実施形態で説明した上記方法と全く同じ方法を用いた。導出した上記式(12)のパラメータp〜pの数値は以下の通りである。
= −0.012664
= 0.000067759
= 2.0733
= −0.011405
=−83.72
= 1.4767
上記式(12)に上記係数p〜pと温度測定値Tとを入力することにより、変数k〜kを特定することができ、特定された変数k〜kと板厚方向位置hとを上記式(11)へ入力することにより、板厚方向温度分布Tを推定でき、板厚方向平均温度を算出することができる。図11は、放射温度計5で測定した復熱過程の温度測定値T、及び、放射温度計7で測定した冷却停止温度である。また、図12は、算出した板厚方向温度分布の下面温度、及び、板厚方向平均温度である。図11及び図12の縦軸は温度[℃]、横軸は鋼板長さ[m]である。
冷却制御装置10を用いて、放射温度計5の測定値から推定した板厚方向平均温度を目標温度の350℃に一致させるように、冷却装置3の水量密度を操作した結果、図11に示すように、フィードバック制御の効果が発揮されない厚鋼板1の先端部以外は、冷却停止時の鋼板温度(放射温度計7で測定した復熱後の鋼板温度)を目標値に制御することができた。このとき、図12に示すように、放射温度計5の測定値を用いて推定した板厚方向平均温度と放射温度計7で測定した冷却停止後の鋼板温度は概ね一致しており、推定精度が良好であることを示している。
2.実施例2
図9に示す冷却制御装置20を用い、下記条件にて本発明の第2実施形態を実施した。
<条件>
鋼種 低炭素鋼
板厚 約60mm(測定値)
鋼板長さ 20m
冷却装置3の入側温度 約800℃(測定値)
目標冷却停止温度 250℃
鋼板速度(搬送速度) 約0.4m/秒(測定値)
冷却装置3a、3bの長さ 15.0m
冷却装置3a、3bの水量密度 12L/平方メートル/秒
放射温度計4の設置位置 冷却装置3の後端から鋼板搬送方向2m位置
放射温度計5の設置位置 冷却装置3の後端から鋼板搬送方向4m位置
放射温度計7の設置位置 冷却装置3の後端から鋼板搬送方向15m位置
板厚方向温度分布の算出は、第2実施形態で説明した上記方法と全く同じ方法を用いた。導出された上記式(15)のパラメータp〜p12の数値は以下の通りである。
= −0.000034641
= −0.0000010457
= 0.0000013147
= 0.056973
= 0.0017176
= −0.021528
= 0.63289
= 0.11499
= −0.10288
10=−39.164
11= −3.5455
12= 4.4235
上記式(15)に上記係数p〜p12と温度測定値Tと温度測定値Tとを入力することにより、変数k〜kを特定することができ、特定された変数k〜kと板厚方向位置hとを上記式(14)へ入力することにより、板厚方向温度分布Tを推定でき、板厚方向平均温度を算出することができる。図13は、放射温度計4で測定した復熱過程の温度測定値T、放射温度計5で測定した復熱過程の温度測定値T、及び、放射温度計7で測定した冷却停止温度である。また、図14は、算出した板厚方向温度分布の上面温度及び下面温度、並びに、板厚方向平均温度である。図13及び図14の縦軸は温度[℃]、横軸は鋼板長さ[m]である。
冷却制御装置20を用いて、放射温度計4及び放射温度計5の測定値から推定した板厚方向平均温度を目標温度の250℃に一致させるように、冷却装置3の水量密度を操作した結果、図13に示すように、フィードバック制御の効果が発揮されない厚鋼板1の先端部以外は、冷却停止時の鋼板温度(放射温度計7で測定した復熱後の鋼板温度)を目標値に制御することができた。このとき、図14に示すように、放射温度計4及び放射温度計5の測定値を用いて推定した板厚方向平均温度と放射温度計7で測定した冷却停止後の鋼板温度は概ね一致しており、推定精度が良好であることを示している。
本発明の厚鋼板の冷却制御装置、厚鋼板の冷却制御方法、及び、厚鋼板の製造方法は、造船用、発電プラント用、及び、ラインパイプ用等、様々な用途を有する厚鋼板の製造に用いることができる。
S1…準備工程
S2…温度測定工程
S3…推定工程
S4…制御工程
1…厚鋼板
2…テーブルローラ
3…冷却装置
3a…上面冷却装置
3b…下面冷却装置
4〜7…放射温度計
8…鋼板速度測定装置
9…鋼板板厚測定装置
10、20…厚鋼板の冷却制御装置
10x、20x…制御手段
10a、20a…CPU(温度分布推定手段、水量制御手段)
10b、20b…ROM
10c、20c…RAM
10d、20d…入力ポート
10e、20e…出力ポート
100、200…厚鋼板の熱間圧延設備

Claims (9)

  1. 熱間圧延後に搬送ライン上を搬送されている厚鋼板を所定の温度へと冷却する冷却装置の動作を制御する装置であって、
    前記冷却装置よりも下流側の前記搬送ラインに配置された、冷却停止後且つ復熱完了前の前記厚鋼板の表面温度を測定する温度計と、
    前記温度計で測定された復熱完了前の表面温度を用いて、前記厚鋼板の板厚方向温度分布を推定する、温度分布推定手段と、
    前記温度分布推定手段によって推定された前記板厚方向温度分布に基づいて、前記冷却装置から前記厚鋼板へと向けて噴射される冷媒の流量を制御する、水量制御手段と、
    を有することを特徴とする、厚鋼板の冷却制御装置。
  2. 前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、前記温度分布推定手段において、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により前記温度計の位置における仮の板厚方向温度分布が算出され、且つ、前記厚鋼板の板厚方向位置と前記復熱完了前の温度と係数とを用いて表される板厚方向温度分布の推定式が特定され、
    前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、前記推定式と前記仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする前記係数が、前記温度分布推定手段で導出され、
    導出された前記係数を用いて表される前記推定式に、前記厚鋼板の板厚方向位置及び前記温度計で測定された前記復熱完了前の温度が代入されることにより、前記温度分布推定手段で前記厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることを特徴とする、請求項1に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
  3. 前記温度計が複数備えられることを特徴とする、請求項1又は2に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
  4. 前記温度計が複数備えられ、
    前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、前記温度分布推定手段において、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により、複数の前記温度計のそれぞれの測定地点における仮の板厚方向温度分布が算出され、且つ、前記厚鋼板の板厚方向位置と複数の前記温度計によって測定された前記復熱完了前の温度と係数とを用いて表される、複数の前記温度計のうち最も下流側に配置された温度計による測定地点における板厚方向温度分布の推定式が特定され、
    前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、複数の前記温度計のうち最も下流側に配置された温度計による測定地点における前記推定式と前記仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする前記係数が、前記温度分布推定手段で導出され、
    導出された前記係数を用いて表される前記推定式に、前記厚鋼板の板厚方向位置及び複数の前記温度計で測定された前記復熱完了前の温度が代入されることにより、前記温度分布推定手段で前記厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることを特徴とする、請求項1に記載の厚鋼板の冷却制御装置。
  5. 熱間圧延後に搬送ライン上を搬送されている厚鋼板を所定の温度へと冷却する冷却装置の動作を制御する方法であって、
    前記冷却装置よりも下流側の前記搬送ラインに配置された、冷却停止後且つ復熱完了前の前記厚鋼板の表面温度を測定する温度計によって、前記厚鋼板の表面温度を測定する温度測定工程と、
    前記温度測定工程で測定された復熱完了前の表面温度を用いて、前記厚鋼板の板厚方向温度分布を推定する推定工程と、
    前記推定工程で推定された前記板厚方向温度分布に基いて、前記冷却装置から前記厚鋼板へと向けて噴射される冷媒の流量を制御する制御工程と、
    を有することを特徴とする、厚鋼板の冷却制御方法。
  6. 前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により前記温度計の位置における仮の板厚方向温度分布が算出され、且つ、前記厚鋼板の板厚方向位置と前記復熱完了前の温度と係数とを用いて表される板厚方向温度分布の推定式が特定され、
    前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、前記推定式と前記仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする前記係数が導出され、
    導出された前記係数を用いて表される前記推定式に、前記厚鋼板の板厚方向位置及び前記温度計で測定された前記復熱完了前の温度が代入されることにより、前記推定工程で前記厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることを特徴とする、請求項5に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
  7. 前記温度計が複数備えられることを特徴とする、請求項5又は6に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
  8. 前記温度計が複数備えられ、
    前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、鋼板表面及び内部の熱流束を考慮した温度計算により、複数の前記温度計のそれぞれの測定地点における仮の板厚方向温度分布が算出され、且つ、前記厚鋼板の板厚方向位置と複数の前記温度計によって測定された前記復熱完了前の温度と係数とを用いて表される、複数の前記温度計のうち最も下流側に配置された温度計による測定地点における板厚方向温度分布の推定式が特定され、
    前記冷却装置によって前記厚鋼板が冷却される前に、複数の前記温度計のうち最も下流側に配置された温度計による測定地点における前記推定式と前記仮の板厚方向温度分布との誤差を最小にする前記係数が導出され、
    導出された前記係数を用いて表される前記推定式に、前記厚鋼板の板厚方向位置及び複数の前記温度計で測定された前記復熱完了前の温度が代入されることにより、前記推定工程で前記厚鋼板の板厚方向温度分布が推定されることを特徴とする、請求項5に記載の厚鋼板の冷却制御方法。
  9. 請求項5〜8のいずれか1項に記載の厚鋼板の冷却制御方法を用いる厚鋼板の製造方法。
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