JP2011172281A - 車両用ガラスアンテナ形成用部品 - Google Patents

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宏征 藤井
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Abstract

【課題】自動車の窓ガラス面に配設した導電線条のアンテナ形成用部品であって、テレビジョンのUHF放送波やVHF放送波の電波の受信や、自動車電話、携帯電話、パーソナル無線、業務用無線、PHSなどの広帯域な電波の送受信を好適に行なうアンテナの形成に好適な部品を提供する。
【解決手段】
導電線条を用いてメッシュ形状で形成したシートからなり、自動車用窓の合わせガラス板の中間膜を挟んだ合わせガラスの接着面に封入してメッシュアンテナとして用いる。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の窓ガラス面に配設した導電線条を用いるアンテナであって、テレビジョンのUHF放送波やGPS(Global Positioning System)の電波の受信や、自動車電話、携帯電話、パーソナル無線、業務用無線、PHSなどの広帯域な電波の送受信に好適なガラスアンテナ形成用部品に関するものである。
従来、自動車用電話、携帯電話の送受信用や、テレビジョン放送波受信用のアンテナとして、ポールアンテナが実用化され広く使用されてきたが、これらのポールアンテナは車体から突出した構造となっているので、安全上、および外観上好ましくないばかりでなく、洗車時に支障になり、さらに折損の恐れがあるなどの欠点があった。
そのため近年、突起物のないアンテナとして、自動車の窓ガラスにアンテナパターンを直接印刷して設けたガラスアンテナや、アンテナパターンを印刷したシールまたはシートを窓ガラスや樹脂ボディに貼付するようにしたアンテナが数多く実用化されてきている。
自動車電話用、携帯電話用や、テレビジョン放送波受信用のアンテナとして実用化しているガラスアンテナやシールアンテナは、送受信利得もポールアンテナに比較して同等性能を有するものが実用化されるようになっている。
例えば、特表2002−518920号公報には、自動車用透明アンテナであって、第1のガラス層と、風防ガラスを形成するため前記第1のガラス層の上を覆う関係で、それに固着される第2のガラス層と、前記第1と第2のガラス層の間に位置する透明導電性アンテナ素子と、前記第2のガラス層の露出した主表面に少なくとも接近して位置し、かつ前記アンテナ素子と容量性結合をするため前記アンテナ素子の少なくとも一部分の上を覆うパターンを形成する不透明要素を含む導電性パッチであって、前記パッチは、0と1の間の透視度係数を持つ前記パッチと、前記アンテナ素子により発生する信号を電磁エネルギ送信/受信装置へ転送できるように前記パッチに固着されたコネクタと、を包含する自動車用透明アンテナが開示されている(特許文献1)。
また、特開昭62−131606号公報には、ガラス板面に熱線反射性の透明電導膜を設けるとともに、この透明電導膜の近傍にはアンテナ導体を配設し、このアンテナ導体と前記透明電導膜とを容量結合させたことを特徴とする自動車用ガラスアンテナが開示されており、前記透明電導膜とアンテナ導体とを同一面上に設けるようにしたものである。(特許文献2)。
さらに、特開平2−86302号公報には、車両用合わせ窓ガラスの合わせ面側に、線条アンテナを設けるとともに、車内側板ガラスの非合わせ面側に、前記線条アンテナと、あるいは線条アンテナに接続された補助線条と立体的に重なるように容量結合バーを設け、この容量結合バーの一部を給電点とするか、給電点への引出点とするようにしたことを特徴とする車両用合わせガラスアンテナが記載されている(特許文献3)。
特表2002−518920号公報 特開昭62−131606号公報 特開平2−86302号公報
しかしながら、前記特許文献1に示されるアンテナは、合わせガラスの合わせ面に広範囲にわたって透明導電性膜を形成したものであり、ガラス面にこのような透明導電膜を形成する場合可視光透過率を上げようとすると、膜厚を薄くせざるを得ず、これによって導電膜の抵抗が高くなり、高いアンテナ受信利得が得られないという問題点があった。
また、前記特許文献2に示されるアンテナについては、アンテナ導体は、自動車の窓ガラスに広範囲に設ける熱線反射性の透明導電膜の近傍に容量結合するように設けたもので、前記特許文献1と同様に、ガラス面にこのような透明導電膜や膜状のアンテナ導体を形成する場合可視光透過率を上げるためには膜厚を薄くせざるを得ず、これによって導電膜の抵抗が高くなり、高いアンテナ受信利得が得られないという問題点があった。
さらに、前記特許文献3に示されるアンテナは、線条のアンテナを合わせガラスの合わせ面に設け、給電点のみを室内側ガラスの車内面に設けるようにしたので給電は容易であるが、合わせガラスの合わせ面に設けたアンテナが細い線状アンテナであるため室内側ガラスの車内面に設けた容量結合バーと十分な容量結合を得るには結合面積を大きくする必要があり、結合バーが長くなり、運転者の視界を妨げるという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、自動車等の移動体の窓ガラス面に配設した導電線条のアンテナであって、自動車電話、携帯電話用のアンテナの電波の送受信や、テレビジョンのUHF放送波やGPSの電波の受信用のアンテナ、さらにパーソナル無線用、業務用無線、PHSまでの広帯域な電波の送受信に好適であり、従来以上にアンテナ性能を向上させることができる車両用ガラスアンテナ形成用部品を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、導電線条を用いて、メッシュ形状で形成したシートからなり、自動車用窓の合わせガラス板の中間膜を挟んだ合わせガラスの封入面に封入してメッシュアンテナとして用いられることを特徴とする車両用ガラスアンテナ形成用部品である。この部品は、前記メッシュアンテナと対向する車内側ガラスの車内面位置に前記メッシュアンテナと容量結合する給電端子を設けてアンテナ線を接続し、さらに該アンテナ線のアース側を窓ガラス周辺の車体本体に接地した車両用ガラスアンテナを形成するために用いられる。
あるいは、本発明は、前記メッシュアンテナのメッシュ形状は、格子模様状、またはハニカム模様等の網目状であって、該メッシュアンテナの最外周線条で囲まれた領域の開口率は80〜98%で、かつ面抵抗率が1Ω/□以下であることを特徴とする上述の車両用ガラスアンテナ形成用部品である。
あるいはまた、本発明は、前記メッシュアンテナ形状が直径または幅が10〜200mmの円状、帯状、または多角形状からなることを特徴とする上述の車両用ガラスアンテナ形成用部品である。
あるいはまた、本発明は、前記メッシュアンテナの体積抵抗率を2×10―7Ω・m以下とすることを特徴とする上述のいずれかに記載の車両用ガラスアンテナ形成用部品である。
前記メッシュアンテナと給電端子が送受信周波数帯において容量結合するインピーダンスを、受信機のインピーダンス以下となるようにするとよい。
本発明によれば、メッシュ形状にした導電線条からなる接地型のメッシュアンテナを自動車用窓の合わせガラス板の合わせ面にシート状にして封入し、室内側ガラス板の前記メッシュアンテナと対向する車内面位置に前記メッシュアンテナと容量結合する給電端子を設けたことにより、メッシュアンテナの給電端子をメッシュアンテナの存在する合わせガラスの合わせ面より引き出さずに、室内側ガラス板の室内面より引き出すことができる。
また、合わせガラスの合わせ面に設けるアンテナを体積抵抗率の低い導電線条を用いてメッシュ形状で形成したので、開口率が高く透明導電膜に比べてアンテナの抵抗が低くなり、高利得で受信することができる。また、通常の線条パターンからなるアンテナに比べて自動車電話、携帯電話用のアンテナの電波の送受信や、テレビジョンのUHF放送波やGPSの電波の受信用のアンテナ、さらにパーソナル無線用、業務用無線、PHS、および地上波デジタル放送までの広帯域な電波を好適に送受信することができ、従来以上にアンテナ性能を向上させることができる。
本発明の実施例1のメッシュアンテナを自動車の前部窓ガラスに複数箇所設けた正面図。 本発明のメッシュアンテナの断面図。 メッシュアンテナのパターンを格子模様状の長方形状とした図。 メッシュアンテナのパターンをハニカム模様のL字形状とした図。 本発明の参考例の正方形状のメッシュアンテナを自動車の前部窓ガラスに設けた正面図。 メッシュアンテナのパターンをブロック模様の円形状とした図。 メッシュアンテナのパターンを菱網目模様の菱形形状とした図。 アンテナ導体と端子間のインピーダンスの変化による利得の変化を示すグラフ。 アンテナ導体の面抵抗率の変化による利得の変化を示すグラフ。 本発明の実施例1のアンテナの470〜770MHz帯域におけるVSWR特性図。 本発明の実施例1のアンテナの470〜770MHz帯域における周波数特性図。
本発明は、自動車等移動体の合せ窓ガラス1の合せ面に設ける自動車電話、携帯電話用のアンテナやTV放送波UHF帯やGPSの受信用のアンテナを形成する部品として好適であり、さらに自動車電話、携帯電話、パーソナル無線、業務用無線、PHSなどの広帯域な電波も送受信可能なメッシュ形状にしたアンテナ導電線条を合わせガラスの合わせ面に直接印刷、またはメッシュ状シートを封入して、室内側ガラス板の前記メッシュアンテナと対向する車内面位置に前記メッシュアンテナと容量結合する給電端子を設けた車両用アンテナを形成する部品である。
図2に示すように、複数枚のガラス板1、特に自動車用窓ガラスとしては、通常2枚のガラス板1a、1bを重ね合わせるが、これらのガラス板1a、1bを重ね合わせ、各ガラス板間にポリビニルブチラール膜(PVB膜と略す)等からなる中間膜2を挟んだ合せガラス1の接着面にメッシュ形状の導電線条からなるアンテナを印刷、またはシート状にしたものを封入して接着する。
車内側ガラス1bの車内面で前記メッシュアンテナ5と対向する位置に給電端子6を設け、該給電端子6と前記メッシュアンテナ5とを容量結合させた。該給電端子6には同軸ケーブル7またはフィーダー線等のアンテナ線を接続し、さらに該アンテナ線のアース側を窓ガラス枠周辺の金属ボディ本体に接地した。
前記メッシュアンテナ5のパターン模様形状は、格子模様状パターン(図3参照)、またはハニカム模様状パターン(図4参照)、積みブロック状パターン(図6参照)、菱目状の網目パターン(図7参照)であって、該メッシュアンテナ5の最も外側の線条で囲まれた領域の開口率は80〜98%であり、かつ面抵抗率は図10に示したグラフから解かるように、1Ω/□以下とするのが良い。
前記開口率は、メッシュアンテナ5のパターン領域中の格子状の線条や網目状の線条を除いた部分の面積のメッシュパターン領域中に占める割合で、運転者が車外を見たときに透視性を損なうことのないメッシュの間隔とすべく、メッシュの線条の線径を0.005〜0.15とし、メッシュの線条間の間隔を0.05〜15mmとするが、車内から見た車外の視界を遮らないように、また隣接する線条同士が重ならない範囲とするのはいうまでもない。
また、前記メッシュアンテナ5の全体的な外形形状は、メッシュアンテナ5の全体の直径または幅が10〜200mmの円状、帯状または多角形状とし、該メッシュアンテナの体積抵抗率は、2×10―7Ω・m以下とするのが良い。
また、前記メッシュアンテナ5と給電端子6は、送受信周波数帯において容量結合するインピーダンスが受信機のインピーダンス以下となるようにした。
図8に示すように、メッシュアンテナ5と給電端子6間のインピーダンス値として、メッシュアンテナ5と給電端子6間の間隔と給電端子の面積等によって異なってくるが、受信機の入力インピーダンスを75Ωとしたときにメッシュアンテナ5にアンテナ線を直接接続した場合と比べて0.5dB低下するインピーダンス値である75Ω、すなわち受信機の入力インピーダンスを境界として、受信機の入力インピーダンス以下とするのが良い。
前記メッシュアンテナ5は、合せガラス1を構成する車内側ガラス1bと車外側ガラス1aの合せ接着面側であればどちら側の面に設けても良く、該メッシュアンテナ5をセラミックペーストでガラス板面に直接印刷する、あるいは透明なシートに印刷して該透明なシートを挟み込む、あるいはまた、メッシュ状のシートを挟み込むかのいずれかにて行なえば良い。
前記メッシュアンテナの配置位置としては、図1に示したように自動車用の前部窓ガラスの上部左隅部にメッシュアンテナ5a、5bを2箇所設けてダイバー受信したり、図5に示したように、自動車用の前部窓ガラスの上部右隅部にメッシュアンテナ5cを1箇所だけ設けたパターン、あるいは図示しないが、自動車用の前部窓ガラスの下部の左右隅部に設けることができるが、前部窓ガラスの場合は、周縁部であれば所望の位置に設けることが可能であり、これらの所望のメッシュアンテナを1つあるいは複数個自在に組み合わせ、ダイバーシティ受信をして使用することができる。
後部窓ガラス、側部窓ガラス、サンルーフ等の固定窓ガラスに設ける場合には、配線等に差し支えない範囲で周縁部に限らない所望の位置に配置することができる。
また、前記メッシュアンテナの外形パターン形状は、図1に示した長方形形状、L字形形状、図5に示した正方形形状、図6に示した円形状のパターン、図7に示した菱形形状等を例として示すが、これらの外形形状に限られるものではない。
メッシュアンテナ5の模様形状は、図1の格子模様、ハニカム模様、積みブロック形状、菱網目形状等が考えられる。
このような各種のパターン等のメッシュアンテナ5a、5b、5c、5d、5eを、自動車の合せ窓ガラスの合せ面に直接印刷、または、該アンテナパターンのメッシュを合わせガラス1のガラス5a、5b間に直接挟み込む、あるいは該メッシュ状のアンテナパターン5を透明なシール、またはシートに印刷し、ガラス板間に挟み込むようにすれば良い。
また、前記透明なシールまたはシートとは、ポリプロピレン等の透明で薄い樹脂シートやフイルム状のシートであって、これらのシールやシートにメッシュ状のアンテナパターンを印刷したり、あるいは、エッチング等で導電線条からなるパターンを設けるようにしたものである。
給電端子6は、車内側ガラス板1bの車内面で、前記メッシュアンテナ5と対向する領域内の隅部に設ける。給電端子6は全面導電ペーストで直接印刷するか、透明なシール、またはシートに印刷し給電端子を貼りつけるようにしてもよい。
また、給電端子6は、メッシュアンテナ5と受信器のインピーダンス以下で結合することが好ましいため、UHFテレビジョン放送波においては300mm2以上、かつメッシュアンテナ5の面積までとするが、透視性、見栄え等の問題もあり、好ましくは300mm2以上でその近傍の面積となるような大きさが望ましい。
本発明のメッシュアンテナ5は、自動車用窓ガラスに用いるアンテナであって、合せガラス1の合せ面に該アンテナを設けるものであるため、合せガラス1であれば、前部窓ガラス、後部窓ガラス、嵌め殺しの側部窓ガラス、嵌め殺しのサンルーフ等の窓ガラスのいずれの窓ガラスに設けるようにしても良い。
また、当該メッシュアンテナ5を、窓ガラスの1箇所のみに設けるようにしても良いが、通常は複数箇所に設けて、ダイバーシティ受信をする方が受信利得の向上に効果的である。この場合、同じパターン、または異なるパターンであっても良く、さらに複数の該メッシュアンテナのすべてを同一の窓ガラスに設けても良いし、別々の窓ガラスに分散して設け、ダイバーシティ受信させるようにしても良い。また、メッシュアンテナ5の形状を、図6に示すような円形状、図3に示すような長方形状の矩形状、図4に示すような幅広のL字状、図5に示すような正方形状などの任意の多角形状としても良い。
以下、本発明の作用について説明する。
本発明のメッシュアンテナ5を導電線条からなるメッシュ形状としたことによって開口率を高めてつつ、可視光透過率を上げた透明導電膜を用いた透明アンテナに比べて抵抗を低く抑えることができるため、高いアンテナ受信利得を得ることができる。
また、メッシュアンテナ5の領域の開口率が80〜98%が良いとしたのは、運転者からみたメッシュアンテナ5を通しての視界の確保、視認性の向上のためであり、メッシュアンテナ5を設けても視界を妨げない状態とすることができるためであり、アンテナ5の抵抗が大きくなりアンテナ利得が低下しないようにするためには開口率が98%以下である必要がある。
また、メッシュの線条の線径を0.005〜0.15mmとし、メッシュの線条間の間隔を0.05〜15mmとしたのは、車内から見た車外の視界を遮らないように0.15mm以下とするためだけでなく、アンテナ線の抵抗が大きくならないよう0.005mm以上とし、さらに開口率が80〜98%の範囲となるようにするためには、メッシュの線条間の間隔を0.05〜15mmの範囲とするのが良い。
メッシュ形状を、格子状、または網目状としたのは、アンテナの面抵抗率を高めるためであって、かつ図9に示すように、面抵抗率を1Ω/□以下とすると、一般の受信機の入力インピーダンスである50Ωや75Ωなどのインピーダンスに近づけることができ、面抵抗率を1Ω/□より高くするとアンテナの放射抵抗が高くなり、受信機のインピーダンスとミスマッチを起こすためである。
さらに、前記メッシュアンテナ5の直径または幅を、10〜200mmの円状、帯状、または多角形状としたのは、アンテナ5の幅を10mm以上と大きくすることによりアンテナ5を広帯域化することができるためであり、UHFテレビジョン放送波の帯域の下限周波数である470MHzの1/2波長以下(ガラスによる波長短縮率を0.6とすると)すなわち、200mm以下の幅とすることにより良好な受信ができるようになる。
また、前記メッシュアンテナ5の体積抵抗率を1×10―7Ω・m以下としたのは、アンテナの放射抵抗が大きくなりすぎないようにするためであり、体積抵抗率が1×10―7Ω・m以下ではアンテナ放射抵抗が大きくなり、開口率を高くして面抵抗を小さくしてもアンテナ放射抵抗は小さくならないためである。
さらに、前記メッシュアンテナ5と給電端子6が送受信周波数帯において容量結合するインピーダンスを、受信機のインピーダンス以下としたのは、受信機の入力インピーダンスを75Ωとしたときにメッシュアンテナ5にアンテナ線を直接接続した場合と比べてアンテナ利得がほとんど低下しないためである。これについては、実験により確認が得られている。
以下本発明の実施例について、説明する。
[実施例1]
図1に示す本発明のメッシュアンテナ5a、5bは、2枚のガラス板1a、1bをPVBの中間膜2で接着した自動車用前部合せ窓ガラスの上部左隅部に示す位置で、車内側ガラス板1bの合せ面にメッシュ状のシートを挟んで配設したものである。
前記メッシュアンテナ5aは、図3に示すように縦150mm、横50mmの長方形状で、縦横が0.1mmの正方形状の導電線条で、上下左右の導電線条間の間隔を1.5mmとした格子模様状のパターンとしたメッシュ状のシートである。
さらに、メッシュアンテナ5bは、図4に示すように、その外形形状が縦80mm、横150mmのL字形状で、線幅が0.1mmの導電線条で、上下左右の導電線条間の間隔を1.5mmとしたハニカム模様状のパターンとしたメッシュ状のシートである。
これらの前記メッシュ状のシートは体積抵抗率が1.7×10―8Ω・mで、エッチング等によって作成したメッシュのパターンを形成した銅製の薄いシート等からなり、該メッシュアンテナ5a、5bの開口率は87%で、面抵抗率は0.002Ω/□である。
該メッシュ状のシートを、前記合せガラス1の中間膜を挟んだ合せ面、すなわち車内側ガラスの合せ接着面に封入して、該メッシュアンテナ5a、5bと対向する車内側ガラスの車内面の領域中の上部側端部に給電端子6a、6bを導電性ペーストによって印刷し、該給電端子6a、6bとメッシュアンテナ5a、5bとを車内側ガラス板1bの厚み分だけ離して容量結合させ、周波数帯域470〜770MHz帯のテレビジョン放送波UHF帯域の受信アンテナとして用いるものである。
給電端子6a、6bは10×40mmの大きさで、合せガラス1の車内側ガラスの厚みは2mmであり、給電端子6a、6bとメッシュアンテナ5a、5b間の間隔も2mmとなり、この間隔で容量結合することになる。該給電端子6a、6bには特性インピーダンスが75オームの同軸ケーブル7a、7bの内部導線を接続し、同軸ケーブル7a、7bの外部導線を金属性の窓枠近傍に接地した。
このようなアンテナ5a、5bを470〜770MHz帯のTV放送波のUHF帯における受信利得が高くなるように調整した。
このようにして配設したメッシュアンテナ5a、5bのVSWR特性をそれぞれ図10の実線、点線で示す。これによって、TV放送波UHF帯全域(470〜770MHz)にわたって3.0以下と低いVSWR値が得られ、広帯域にカバーできていることがわかる。
また、このようにして得られた図1の左上部隅部に設けたメッシュアンテナ5a、5bをダイポールアンテナの利得を0dBとしたときの利得比(以下、ダイポールアンテナ比と略称する)で示すと、メッシュアンテナ5a、5bのそれぞれについて、図11の実線、点線で示した周波数特性図で示したように、470〜770MHz帯の平均で−9.0dB、−9.8dBとなり、従来の実用に供されているガラスアンテナの平均である−20.0dBの送受信利得を上回る良好な結果が得られた。
また、前記メッシュアンテナ5aと5bをダイバー受信させることにより、受信利得と指向特性を向上させることができる。
このように、単純な構成であるにもかかわらず視界を損なうことのないアンテナを提供でき、利得も高く十分実用に供し得るものであることがわかる。
[参考例]
図5に示すメッシュアンテナ5cは、2枚のガラス板1a、1bをPVBの中間膜2で接着した自動車用前部合せ窓ガラスの上部右隅部に示す位置に設ける。該メッシュアンテナ5cは、縦100mm、横100mmの正方形状で、幅が0.05mmのアンテナパターンを前記合せガラス1の合せ面に導電性ペーストによって印刷し、給電端子6cは実施例1と同じく車内側ガラス1bに導電ペーストによって印刷し、その他の構成については、実施例1と同一である。
このようにして得られた図5に示すメッシュアンテナ5cのTV放送波UHF帯全域(470〜770MHz)におけるVSWR特性についても実施例1とほぼ同様で3.0以下と低く、TV放送波UHF帯全域を広帯域にカバーできるものであった。
また、このようにして配設した図5の右上部隅部に設けた略正方形状のメッシュアンテナ5cをダイポールアンテナの利得を0dBとしたときの利得比(以下、ダイポールアンテナ比と略称する)で示すと、実施例1と同等で470〜770MHz帯の平均で−9.2dBとなり実施例1と同等の利得が得られており、従来の実用に供されているガラスアンテナの平均である−20.0dBの送受信利得を上回る良好な結果が得られた。
このように、単純な構成であるにもかかわらず視界を損なうことのないアンテナを提供でき、利得も高く十分実用に供し得るものであることがわかる。
1 合せガラス
2 中間膜
5、5a、5b、5c、5d、5e メッシュアンテナ
6、6a、6b、6c、6d、6e 給電端子
7a、7b アンテナ線

Claims (5)

  1. 導電線条を用いてメッシュ形状で形成したシートからなり、自動車用窓の合わせガラス板の中間膜を挟んだ合わせガラスの接着面に封入してメッシュアンテナとして用いられることを特徴とする車両用ガラスアンテナ形成用部品。
  2. 前記メッシュ形状は、格子模様状、またはハニカム模様状等の網目状であって、該メッシュアンテナの最外周線条で囲まれた領域の開口率は80〜98%で、かつ面抵抗率が1Ω/□以下であることを特徴とする請求項1記載の車両用ガラスアンテナ形成用部品。
  3. 前記メッシュアンテナの形状は、直径または幅が10〜200mmの円状、帯状、または多角形状からなることを特徴とする請求項1または2記載の車両用ガラスアンテナ形成用部品。
  4. 前記メッシュアンテナの体積抵抗率が2×10―7Ω・m以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の車両用ガラスアンテナ形成用部品。
  5. 前記車両用ガラスアンテナ形成用部品の配置位置が自動車用の前部窓ガラスの上部左右隅部又は下部左右隅部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の車両用ガラスアンテナ形成用部品。
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